JP2022129907A - 離型フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂の転写や、ポリエステルフィルムの表面状態を転写する用途に用いるポリエステルフィルムに関し、各種樹脂層の加工性や離型性に優れ、かつ、プレス圧着加工の前後の離型特性のバランスに優れ、転写樹脂表面への非汚染性が高く、転写樹脂表面への二次加工を良好に処理することができる離型フィルムを提供する。【解決手段】ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、離型層形成用組成物を用いて形成された離型層を備える離型フィルムであって、前記離型層形成用組成物が、(A)成分として酸価3mgKOH/g以上のワックス及び(B)成分としてバインダー樹脂を含み、かつ、前記(A)成分の含有割合が該離型層形成用組成物中の全不揮発成分に占める割合として3質量%以上であり、前記離型層表面の平均表面粗さ(Ra)が0.27μm以上2.0μm以下である、離型フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、離型フィルムに関する。
ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートに代表されるポリエステルフィルムは、機械的強度、寸法安定性、平坦性、耐熱性、耐薬品性、光学特性等に優れた特性を有し、コストパフォーマンスに優れるため、各種用途に使用されている。
ポリエステルフィルムの用途の一例として、電磁波シールド用途や成型同時転写用途などの転写用、フレキシブルプリント配線版の製造用、プラスチックシート製造用の工程紙用等、各種工程中で用いられる工程用フィルムが挙げられる。
これらの用途で使用する場合、種々の樹脂や粘着剤に対する離型性を得るため、ポリエステルフィルム表面に、離型性塗膜を積層する方法が提案されている。
プラズマディスプレイ(PDP)などでは、電磁波シールドフィルム、すなわち導電性フィルムを表示パネルの前面に装着することが行われており、この電磁波シールドフィルムとして、ポリエステルフィルムに網目状の金属の細線を設けた導電性フィルムが一般的に使用されている。
この種の電磁波シールドフィルムとして、支持フィルム上に電磁波シールドフィルムを形成し、これを各種機器表面に高温プレス圧着して電磁波シールドフィルムを転写することが行われている。
このような転写型の電磁波シールドフィルムの支持フィルムとしては、従来は、平坦なポリエステルフィルムが一般的に用いられてきた。
しかし、製品の外観を艶消し外観に仕上げるため、表面をマット調に仕上げたポリエステルフィルムを前記支持フィルムに使用して、このマット調表面を製品に転写することが提案されている。
成形同時転写では、一般的に、支持フィルムの離型層上に順次、ハードコート層や図柄印刷層及び接着層などの転写層を積層した構成からなる転写箔が使用される。この転写箔を射出成形用の金型内にセットし、樹脂成形品を成形するのと同時にその表面に転写箔シートを一体化して接着し、樹脂成形品に図柄を転写し装飾を施す、いわゆるインモールド転写法が広く一般的に知られている。
このようなインモールド転写法においても成形品の意匠性の一つとして、低光沢感を有する成形品が必要とされる場合がある。成形品に低光沢感を与える手段として、表面をマット調に仕上げたポリエステルフィルムを前記支持フィルムに使用して、このマット調表面を製品に転写する手法が挙げられる。
例えば、特許文献1には、少なくとも一方のフィルム面に離型剤、熱硬化性を有する化合物及びバインダーポリマーを含む離型層が設けられた離型フィルムであり、100%伸長前後の離型層とアクリル粘着テープとの剥離力が特定の範囲である離型フィルムが開示されている。
例えば、特許文献2には、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に粘着離型層を有し、該粘着離型層がガラス転移温度-40℃以上20℃以下のフッ素系ポリマー、ガラス転移温度-60℃以上10℃以下のウレタン系ポリマー及び架橋剤を含有し、該粘着離型層に対するハードコート層の剥離力が0.2N/mm以上0.4N/mm以下であって、微小硬度計による該粘着離型層の表面硬度が0.5GPa以上4.5GPa以下であるインモールド転写材用粘着離型ポリエステルフィルムが開示されている。
特許文献3には、無機粒子及び/又は有機粒子を含有するポリエステルA層を少なくとも一方の最外層に有し、該最外層のポリエステルA層表面の平均表面粗さRaが0.38μm以上1.0μm以下であり、ポリエステルA層表面の粗さ曲線要素の平均長さRSmが10μm以上80μm以下であり、離型層がフッ素系ポリマーを含有する組成である離型用二軸配向ポリエステルフィルムが開示されている。
特開2010-247456号公報 特開2012-11658号公報 特開2016-175229号公報
上述のように、ポリエステルフィルムの表面に離型層を設けることで各種樹脂層に対する離型性を保つことが可能となり、転写用ポリエステルフィルムとして使用することが可能となる。
また、ポリエステルフィルムの表面を粗面化してマット調に形成した場合は、該ポリエステルフィルムの表面を対象物表面に当接してプレス圧着し、その後、該ポリエステルフィルムを剥離することで、該対象物表面に前記粗面化した表面状態を転写してマット調の外観に仕上げることができる。
従来提案されているこの種の転写用ポリエステルフィルムは、その離型層の特性のために各種樹脂層の加工が困難な場合があった。
また、プレス圧着加工によってポリエステルフィルムの表面の粗面状態を転写する際、その離型層の離型特性のために、プレス圧着加工を行う前にポリエステルフィルムが剥がれ、上手く加工ができなくなる場合があった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、樹脂層の転写や、ポリエステルフィルムの表面状態を転写する用途に用いるポリエステルフィルムに関し、各種樹脂層の加工性や離型性に優れ、かつ、プレス圧着加工の前後の離型特性のバランスに優れ、転写樹脂表面への非汚染性が高く、転写樹脂表面への二次加工を良好に処理することができる離型フィルムを提供することである。
本発明は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、離型層形成用組成物を用いて形成された離型層を備える離型フィルムであって、前記離型層形成用組成物が、(A)成分として酸価3mgKOH/g以上のワックス及び(B)成分としてバインダー樹脂を含み、かつ、前記(A)成分の含有割合が前記離型層形成用組成物中の全不揮発成分に占める割合として3質量%以上であり、前記離型層表面の平均表面粗さ(Ra)が0.27μm以上2.0μm以下である、離型フィルムに関する。
本発明の離型フィルムは、離型層を形成する離型層形成用組成物が、(A)成分として酸価3.0mgKOH/g以上のワックス及び(B)成分としてバインダー樹脂を含み、かつ、(A)成分の含有割合が前記離型層形成用組成物中の全不揮発成分に占める割合として3質量%以上であることから、各種樹脂層への汚染を抑えた状態で好適に剥離することが可能となる。また、前記離型層表面の平均表面粗さ(Ra)を0.27μm以上2.0μm以下とすることで、マット性に優れ、かつ各種樹脂表面への意匠性を付与することができ、転写樹脂表面への二次加工を良好に処理することができる。
次に、実施の形態例に基づいて本発明を説明する。ただし、本発明は以下に説明する実施形態に限定されるものではない。
<<本離型フィルム>>
本発明の実施形態の一例に係る離型フィルム(「本離型フィルム」とも称する)は、ポリエステルフィルム(以下、「本ポリエステルフィルム」とも称する)の少なくとも片面側に離型層形成用組成物を用いて形成した離型層を備える。
また、前記離型層形成用組成物は、(A)成分として酸価3mgKOH/g以上のワックス及び(B)成分としてバインダー樹脂を含む。
さらに、前記(A)成分の含有割合は、前記離型層形成用組成物中の全不揮発成分に占める割合として3質量%以上である。
また、本離型フィルムの離型層表面の平均表面粗さ(Ra)は0.27μm以上2.0μm以下である。
本離型フィルムの積層構成としては、ポリエステルフィルムの片面側に離型層を形成し、他方の面側はポリエステルフィルムの表面をそのままにした構成であってもよいし、該他方の片面側に他の層を形成してなる構成であってもよい。
また、ポリエステルフィルムの両面側に離型層を形成してなる構成であってもよい。
さらにまた、ポリエステルフィルムと離型層との間に他の層を設けてもよいが、該離型層はポリエステルフィルムの少なくとも一方の最表面であることが好ましい。
<本ポリエステルフィルム>
本ポリエステルフィルムは、本離型フィルムの基材としての役割を果たすものである。
本ポリエステルフィルムは、無延伸フィルム(シート)であっても延伸フィルムであってもよい。中でも、一軸方向又は二軸方向に延伸された延伸フィルムであることが好ましい。その中でも、力学特性のバランスや平面性に優れる点で、二軸延伸フィルムであることが好ましい。
本ポリエステルフィルムは、単層構成であっても、2層以上の多層であってもよく、特に限定されるものではない。転写樹脂層表面に低光沢感を付与する目的のため、本離型フィルムもマット調の表面形状を備えた物である。マット調を付与する方法としては、粒子を含有する粒子含有層を備えた構成が挙げられる。
本ポリエステルフィルムの構成としては、粒子を含有しない層のみからなる構成、粒子を含有する粒子含有層のみからなる構成、基材層の片面側又は両面側に粒子含有層を備えた構成などが挙げられる。
片面側又は両面側に粒子含有層を備えた構成の具体例としては、例えば基材層の両面側に粒子含有層Aを備えたものであってもよいし、基材層の片面側に粒子含有層Aを備え、基材層の他面側には粒子含有層Aとは異なる粒子含有層Bを形成したものであってもよいし、基材層の片面側に粒子含有層Aを備え、基材層の他面側には層を形成しないものであってもよい。
また、基材層の片面側に粒子含有層Aを備え、基材層の他面側には粒子を含有しない層を形成したものであってもよい。
本ポリエステルフィルムは、粒子含有層Aを備える構成が好ましく、中でも、本ポリエステルフィルムは、基材層の片面側に粒子含有層Aを備え、基材層の他面側には粒子含有層Aとは異なる粒子含有層Bを形成した構成が好ましいため、この構成については後で詳述する。
(本ポリエステル)
本ポリエステルフィルムを構成する層、例えば上記の基材層、粒子含有層A、粒子含有層B、さらなる他の層は、ポリエステルを主成分樹脂とする層であることが好ましい。
本ポリエステルフィルムの主成分樹脂であるポリエステル(「本ポリエステル」とも称する)は、ホモポリエステルであっても、共重合ポリエステルであってもよい。
本離型フィルムの表面を粗面化してマット調とする場合、本ポリエステルは共重合成分を含有する共重合ポリエステルであることが好ましい。中でも共重合成分を含有するポリエチレンテレフタレート(「共重合ポリエチレンテレフタレート」とも称する)がより好ましい。
ここで、「主成分樹脂」とは、各層を構成する樹脂成分のうち最も含有割合の多い樹脂の意味である。
上記のポリエステルは、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものであればよい。前記芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸などを挙げることができ、脂肪族グリコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール及び1,4-シクロヘキサンジメタノール等を挙げることができる。
代表的なポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン-2,6-ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等を例示することができ、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
共重合ポリエステル及び共重合ポリエチレンテレフタレートのジカルボン酸成分としては、例えばイソフタル酸、フタル酸、テレフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸及びオキシカルボン酸(例えば、P-オキシ安息香酸など)等から選ばれる1種又は2種以上を挙げることができ、グリコール成分としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール及びネオペンチルグリコール等から選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。
中でも、共重合ポリエチレンテレフタレートの共重合成分は、該共重合ポリエチレンテレフタレートの融点が240℃以下となるような共重合成分であることが好ましく、235℃以下となるような共重合成分であることがより好ましく、230℃以下となるような共重合成分であることが更に好ましい。
共重合ポリエチレンテレフタレートの融点を240℃以下とすることで、該共重合ポリエチレンテレフタレートを含有する層を延伸し熱処理した場合、該層表面に比較的大きな高さを有する突起が現れやすくなり、十分な低光沢性を有するフィルムが得られるため好ましい。
融点を240℃以下とするため、共重合ポリエチレンテレフタレートのジカルボン酸成分として、イソフタル酸、フタル酸及びセバシン酸等から選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましく、グリコール成分としては、ジエチレングリコール、プロピレングリコール及びブタンジオール等から選ばれる1種又は2種以上を含むことが好ましい。特に効率的に融点を下げることができ、共重合ポリエチレンテレフタレートとしての合成を行いやすいという観点から、共重合ポリエチレンテレフタレートのジカルボン酸成分として、イソフタル酸を含むことが好ましい。
(基材層)
本ポリエステルフィルムの基材層は、本ポリエステルフィルムを構成する各層の中で最も厚さの大きな層であり、上記ポリエステルを主成分樹脂としていれば、その組成は任意である。
基材層は、粒子を含有する層を備えたものであってもよいし、粒子を含有する層のみからなるものであってもよい。ただし、コストの観点から、後述する有機粒子、無機粒子などの粒子を含有しない層であることが好ましい。
基材層の厚さは、本ポリエステルフィルムのカールを防止するという観点から、本ポリエステルフィルム厚さの好ましくは60%以上、より好ましくは65%以上、更に好ましくは70%以上であり、そして、好ましくは100%以下、より好ましくは99%以下である。この範囲にあることにより、基材層自体にコシが出るために本ポリエステルフィルムのカールが発生しにくくなる。
(粒子含有層)
本ポリエステルフィルムは、低光沢感や易滑性を付与するため、粒子を含有する粒子含有層を備えることが好ましい。中でも基材層の片面側に粒子含有層Aを備え、基材層の他面側には粒子含有層Aとは異なる粒子含有層Bを形成した構成が好ましい。
後述する粒子含有層A及び粒子含有層Bの好ましい構成は、本ポリエステルフィルムにおける粒子含有層として好ましい構成にも該当する。
(粒子)
粒子は、マット感付与可能な粒子であれば特に限定されるものではない。例えば無機粒子であっても、有機粒子であっても、架橋高分子粒子であってもよい。無機粒子は、延伸した際にフィルムにボイドを形成することがあり、視認性向上のために白色顔料を添加する必要がないという観点から好ましく、有機粒子はボイドが生じにくいためにフィルムの強度が下がらないという観点で好ましい。
無機粒子としては、例えばシリカ、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、リン酸リチウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト及び硫化モリブデンなどを挙げることができる。なお、上記シリカ粒子は、二酸化ケイ素(SiO)の他にも、例えば含水二酸化ケイ素などを含んでいてもよい。
有機粒子としては、例えばアクリル樹脂、スチレン樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂及びベンゾグアナミン樹脂等を挙げることができる。中でも、メタクリル酸メチル又はスチレン又は両方を共重合成分とする樹脂からなる粒子は、特にPETフィルムとの相性が良いため、好ましい。その他、ポリテトラフルオロエチレン、ベンゾグアナミン樹脂、熱硬化エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性尿素樹脂及び熱硬化性フェノール樹脂などの有機粒子を用いてもよい。
架橋高分子粒子としては、例えばジビニルベンゼンやポリアクリレート等の架橋性モノマーと、スチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸又はメタクリル酸の誘導体やその他の各種ビニル系モノマー等との共重合体を挙げることができる。
上記粒子の形状は任意である。例えば球状、塊状、棒状及び扁平状等のいずれでもよい。ただし、均一なマット面を得られるという観点から、球状であることが好ましい。粒子の硬度、比重、色等については特に制限はないし、種類の異なる2種類以上を併用してもよい。
(粒子含有層A)
粒子含有層Aは、平均粒径が2.0μm以上10.0μm以下である粒子Xを含有する層であることが好ましく、その表面に後述する離型層が設けられる層であることが好ましい。
粒子含有層Aが平均粒径2.0μm以上の粒子Xを含有することにより、粒子含有層Aの表面を粗面化することができ、マット調とすることができる。ただし、粒子Xが大き過ぎると、フィルム製造時のポリエステル押出工程におけるフィルターの圧力上昇が大きくなり生産性が低下する可能性がある。
よって、粒子Xの平均粒径は、好ましくは2.0μm以上、より好ましくは3.0μm以上、更に好ましくは4.0μm以上であり、そして、好ましくは10.0μm以下、より好ましくは9.0μm以下、更に好ましくは8.0μm以下である。
粒子の平均粒径は、粒子が粉体の場合には、遠心沈降式粒度分布測定装置(例えば株式会社島津製作所製、「SA-CP3型」)を用いて粉体を測定した等価球形分布における積算体積分率50%の粒径(d50)を平均粒径とすることができる。
フィルム、層又は樹脂中の粒子の平均粒径については、10個以上の粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)観察して粒子の直径を測定し、その平均値として求めることができる。その際、非球状粒子の場合は、最長径と最短径の平均値を各粒子の直径として測定することができる。後述する粒子についても同様である。
粒子Xは、マット感付与可能な粒子であれば特に限定されるものではない。例えば前述の無機粒子であっても、有機粒子であっても、架橋高分子粒子であってもよい。
粒子含有層Aが含有する粒子Xは、真比重の小さい粒子であることが好ましい。真比重が小さければ、相対的に粒子数を増やすことができる。すなわち、同じ大きさ及び同じ含有量(質量%)において粒子の数を増やすことができ、粒子含有層A表面の突起の数言い換えれば密度を増やすことができ、低光沢感をより一層優れたものとすることができる。
かかる観点から、粒子含有層Aが含有する粒子Xの真比重は、好ましくは2.0以下、より好ましくは1.5以下、更に好ましくは1.3以下である。なお、下限値としては0.5程度である。
粒子含有層Aの表面を粗面化しマット調とする観点から、粒子含有層Aが含有する粒子Xの真比重は2.0以下であり、かつ粒子Xの平均粒径が2.0μm以上10.0μm以下の範囲であることが好ましい。
粒子含有層Aにおける粒子Xの含有量は、粒子含有層Aの表面を好適に粗面化することができ、しかも、フィルム延伸時に破断等が生じないようにするなどの観点から、粒子含有層A(100質量%)中に好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、特に好ましくは3質量%以上、とりわけ好ましくは5質量%以上であり、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは18質量%以下、更に好ましくは15質量%以下、特に好ましくは13質量%以下、とりわけ好ましくは10質量%以下である。
粒子含有層Aの主成分樹脂をなすポリエステルAは、ホモポリエステルであっても、共重合成分を含有する共重合ポリエステルであってもよい。
粒子含有層Aを構成するポリエステル全量に対して、共重合成分が0.1mol%以上10mol%以下含有されることが好ましい。該共重合成分を0.1mol%以上含有すれば、粒子含有層Aを軟らかくすることができ、粒子含有層A表面の突起の高さをより大きくすることができる。他方、該共重合成分が10mol%以下であれば、破断なく効率よく製造できることから、好ましい。
また、本ポリエステルフィルムが延伸フィルムである場合は、共重合成分の割合が上記範囲内であることによって、延伸配向化及び熱固定が可能となることから好ましい。
かかる観点から、粒子含有層Aを構成するポリエステル全量に対する共重合成分の含有量は、好ましくは0.1mol%以上、より好ましくは1mol%以上、更に好ましくは3mol%以上であり、そして、好ましくは10mol%以下、より好ましく8mol%以下、更に好ましくは6mol%以下である。
ここでいう共重合成分の含有量とは、ジカルボン酸成分又はグリコール成分に関しての共重合体成分の含有量であり、粒子含有層Aを構成する全ポリエステルのジカルボン酸成分全量又は脂肪族グリコール成分全量に対する、共重合成分の割合である。共重合成分は、上記全ポリエステルのジカルボン酸成分又はグリコール成分において、主成分と共重合する主成分以外の共重合成分の合計量である。共重合成分の含有量は、ジカルボン酸成分又はグリコール成分の少なくともいずれかに関して上記範囲内であるとよい。
また、主成分とは、上記全ポリエステルにおいて最も含有量(モル%)が多い一種のジカルボン酸成分又はグリコール成分である。
より具体的には、例えば、ジカルボン酸成分に関して、主成分がテレフタル酸である場合に、テレフタル酸と共重合するテレフタル酸以外のイソフタル酸等が共重合成分であり、グリコール成分に関して、エチレングリコールが主成分である場合に、エチレングリコールと共重合するエチレングリコール以外の1,4-シクロヘキサンジメタノール等が共重合成分となる。
なお、通常、エチレングリコールを原料の1つとしてポリエステルを製造(重縮合)する場合、エチレングリコールの一部は変性してジエチレングリコールとなってポリエステル骨格に導入される。このジエチレングリコールを副生ジエチレングリコールと称し、その副生量は、重縮合の様式(エステル交換法、直接重縮合)等によっても異なるが、エチレングリコールのうち1~5mol%程度である。本発明においては、エチレングリコールから副生されるジエチレングリコールは、共重合成分として扱わないものとする。
本離型フィルム表面の低光沢感をより一層優れたものとしつつ、本離型フィルムの生産性を維持することが可能となる、粒子含有層Aの好ましい態様は、粒子含有層Aにおける粒子Xの真比重を2.0以下とし、粒子Xの平均粒径を2.0μm以上10.0μm以下とし、かつ粒子含有層Aを構成するポリエステル全量に対して、共重合成分を0.1mol%以上10mol%以下含有するものである。
粒子含有層Aの厚さは、好ましくは1.0μm以上、より好ましくは2.0μm以上、更に好ましくは3.0μm以上、特に好ましくは4.0μm以上であり、そして、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下である。粒子含有層Aの厚さを1.0μm以上とすることにより、効果的にマット感を付与することができる。また、粒子含有層Aの厚さが20μmを超えてもマット感の改善効果はほとんど変わらない。
(粒子含有層B)
前述したように、基材層の片面側に粒子含有層Aを備え、基材層の他面側には、後述する離型層が設けられない層として、粒子含有層Aとは異なる粒子含有層Bを形成することができる。
この際、本ポリエステルフィルム全体のカールを防ぐことができる点で、粒子含有層Bにおいても、平均粒径2.0μm以上10.0μm以下の粒子Xを含有することが好ましい。
ただし、粒子含有層Bの面は、ハンドリング性を好適にする程度に粗面化できればよいから、粒子含有層Aの面ほど粗面化する必要はない。よって、平均粒径2.0μm以上10.0μm以下の粒子Xの含有量は粒子含有層Aよりも少なくてよい。
具体的には、粒子含有層Bが含有する粒子Xの含有量は、粒子含有層Aが含有する粒子Xの含有量に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは5質量%以上であり、そして、好ましくは100質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは90質量%以下である。
粒子含有層Bは、本ポリエステルフィルムを白色化するために、平均粒径2.0μm未満の粒子Yを含有したものであってもよい。
この際、粒子含有層Bは、粒子Xを含有しないで粒子Yを含有してもよいし、粒子Xと共に粒子Yを含有してもよい。
粒子Xと共に粒子Yを含有する場合、粒子Xと粒子Yの含有質量比率(粒子X/粒子Y)は、好ましくは1/99以上、より好ましくは10/90以上、更に好ましくは15/85以上であり、そして、好ましくは99/1以下、より好ましくは90/10以下、更に好ましくは85/15である。
粒子Yの形状は任意である。例えば球状、塊状、棒状、扁平状等のいずれでもよい。ただし、凝集による粗大突起を引き起こしにくいという観点から、球状であることが好ましい。
粒子Yの硬度、比重、色等については特に制限はないし、種類の異なる2種類以上を併用してもよい。
粒子Yの平均粒径は、光散乱効果による白色不透明性を付与する観点から、好ましくは0.05μm以上、より好ましくは0.10μm以上、更に好ましくは0.20μm以上、特に好ましくは0.25μm以上であり、そして、好ましくは0.50μm以下、より好ましくは0.45μm以下、更に好ましくは0.40μm以下である。
粒子Yとしては、光散乱効果による白色不透明性を付与する観点から、金属化合物粒子であることが好ましい。
金属化合物粒子としては、例えば酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、カオリン、酸化アルミニウム及び酸化ジルコニウム等を挙げることができ、中でも酸化チタン、炭酸カルシウム及び硫酸バリウムなどの金属化合物粒子を挙げることができる。
粒子含有層Bの主成分樹脂をなすポリエステルは、粒子含有層Aの主成分樹脂をなすポリエステルと同じであっても、異なるものであってもよい。すなわち、共重合成分を含有する共重合ポリエステルであっても、共重合成分を含有しないホモポリエステルであってもよい。
特に、粒子含有層Bを構成するポリエステルが粒子含有層Aを構成するポリエステルと同じ共重合成分を含有する場合、粒子含有層Aを構成するポリエステルの共重合成分の含有割合よりも、粒子含有層Bを構成するポリエステルの共重合成分の含有割合の方が低いことが好ましい。
言い換えれば、粒子含有層Bを構成するポリエステルの共重合成分の含有割合よりも、上記粒子含有層Aを構成するポリエステルの共重合成分の含有割合の方が高いことが好ましい。粒子含有層Aの表面に離型層を備える構成の場合、粒子含有層B側表面は、粒子含有層A側表面ほど粗くする必要がないからである。
また、その際、上記粒子含有層Aを構成するポリエステル全量に対する共重合成分の含有割合と上記粒子含有層Bを構成するポリエステル全量に対する共重合成分の含有割合との差は5mol%以下であることが好ましく、中でも4mol%以下、その中でも3mol%以下であることが更に好ましい。
共重合成分の含有割合が上記範囲の関係を有することで、カールの抑制だけでなく、ハードコート層のような他の層をさらに積層させる際、粒子含有層Bと他の層との密着性を向上することもできる。
粒子含有層Bの厚さは、本ポリエステルフィルムのカールを防止するという観点から、粒子含有層Aの厚さと同様であることが好ましい。かかる観点から、粒子含有層Bの厚さも、好ましくは1.0μm以上、より好ましくは2.0μm以上、更に好ましくは3.0μm以上、特に好ましくは4.0μm以上であり、そして、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下である。
(その他の成分)
ポリエステルフィルム基材を構成する各層には、必要に応じて従来公知の耐候剤、耐光剤、遮光剤、酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、帯電防止剤、蛍光増白剤、染料及び顔料等を添加することができる。
また、用途によっては、紫外線吸収剤、特にベンゾオキサジノン系紫外線吸収剤等を含有させてもよい。
(厚さ)
本ポリエステルフィルムの厚さは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではない。本ポリエステルフィルムの厚さは、機械的強度、ハンドリング性及び生産性などの点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは8μm以上、特に好ましくは12μm以上であり、そして、好ましくは300μm以下、より好ましくは125μm以下、更に好ましくは100μm以下、特に好ましくは75μm以下である。
<本離型層>
本離型フィルムは、ポリエステルフィルムの少なくとも片面側に、離型層形成用組成物から形成されてなる離型層(「本離型層」とも称する)を備えるものである。本離型層は、離型層形成用組成物(以下、「本組成物」とも称する)から形成され、前記離型層形成用組成物は、(A)成分として酸価3mgKOH/g以上のワックス及び(B)成分としてバインダー樹脂を含む。また、本組成物は、(A)成分の含有割合が、前記離型層形成用組成物中の全不揮発成分に占める割合として3質量%以上であることが好ましい。
(本離型層の形成)
本離型層は、ポリエステルフィルムの少なくとも片面、中でも前記粒子含有層A表面、すなわち、粗面化された表面に設けることが好ましいため、塗布延伸法(インラインコーティング)を採用して形成することが好ましい。ただし、この方法に限定するものではない。
塗布延伸法(インラインコーティング)としては、例えば、逐次二軸延伸においては特に1段目の延伸が終了して、2段目の延伸前に、「離型層形成用組成物」をコーティング処理することが好ましい。このようにすれば、延伸と同時に塗布が可能になると共に離型層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造することができる。
離型層形成用組成物からなる塗布液を塗布する方法としては、例えば、エアドクターコート、ブレードコート、ロッドコート、バーコート、ナイフコート、スクイズコート、含浸コート、リバースロールコート、トランスファロールコート、グラビアコート、キスロールコート、キャストコート、スプレーコート、カーテンコート、カレンダコート及び押出コート等の従来公知の塗布方法を用いることができる。
より具体的には、例えば、逐次二軸延伸においては、特に長手方向(縦方向)に延伸された一軸延伸フィルムに、離型層形成用組成物からなる塗布液をコーティングした後に横方向に延伸してポリエステルフィルムを形成する方法が優れている。かかる方法によれば、ポリエステルフィルムの製膜と離型層の形成を同時に行うことができるため製造コスト上のメリットがある。
また、コーティング後に延伸を行うために、離型層の厚みを延伸倍率により変化させることもでき、オフラインコーティングに比べ、薄膜コーティングをより容易に行うことができる。
また、延伸前にポリエステルフィルム上に離型層を設けることにより、離型層をポリエステルフィルムと共に延伸することができ、それにより離型層をポリエステルフィルムに強固に密着させることができる。
さらに、二軸延伸ポリエステルフィルムの製造において、クリップ等によりフィルム端部を把持しつつ延伸することで、フィルムを縦及び横方向に拘束することができ、熱固定工程において、しわ等が入らず平面性を維持したまま高温をかけることができる。
それゆえ、コーティング後に施される熱処理が他の方法では達成されない高温とすることができるために、離型層の造膜性が向上し、離型層とポリエステルフィルムをより強固に密着させることができ、さらには、強固な離型層とすることができる。
また、離型層は、オフラインコーティングあるいはインラインコーティングによる形成に係わらず、必要に応じて熱処理と紫外線照射等の活性エネルギー線照射とを併用してもよい。離型層を形成する塗布液のポリエステルフィルムへの塗布性、接着性を改良するため、塗布前にポリエステルフィルムに化学処理やコロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、薬品処理及び溶剤処理等の表面処理を施してもよい。
((A)成分:酸価3.0mgKOH/g以上のワックス)
本組成物に用いる(A)成分とは、後述の方法で測定される酸価が3mgKOH/g以上のワックスである。酸価3mgKOH/g以上のワックスを用いることで、各種樹脂層に対する適度な離型性を有し、各種樹脂層に対する非汚染性を有する離型層とすることが可能となる。
また、ワックスを用いることにより、表面自由エネルギーの低下が少なく、加工層に対する濡れ性に優れた離型層を形成することが可能となる。
ワックスとしては、天然ワックス、合成ワックス及び変性ワックスなどを挙げることができる。
天然ワックスとは、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス及び石油ワックスである。
植物系ワックスとしては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ロウ及びホホバ油等が挙げられる。
動物系ワックスとしては、みつろう、ラノリン及び鯨ロウ等が挙げられる。鉱物系ワックスとしてはモンタンワックス、オゾケライト及びセレシン等が挙げられる。
石油ワックスとしてはパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス及びペトロラタム等が挙げられる。
合成ワックスとしては、合成炭化水素、変性ワックス、水素化ワックス、脂肪酸、酸アミド、アミン類、イミド類、エステルワックス及びケトン類を挙げることができる。
合成ワックスとしては、例えばフィッシャー・トロプシュワックス(別名サゾールワックス)、ポリエチレンワックスなどを挙げることができる。このほかに低分子量の高分子(具体的には数平均分子量500~20000の高分子)である以下のポリマー、すなわち、ポリプロピレン、エチレン・アクリル酸共重合体、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール及びポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロック又はグラフト結合体等を挙げることができる。
変性ワックスとしては、例えばモンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘導体及びマイクロクリスタリンワックス誘導体等を挙げることができる。ここでの誘導体とは、精製、酸化、エステル化、ケン化のいずれかの処理、又はそれらの組み合わせによって得られる化合物である。水素化ワックスとしては硬化ひまし油、及び硬化ひまし油誘導体を挙げることができる。
中でも、離型性能が優れるという観点において、離型層における離型剤としては合成ワックスが好ましく、その中でもポリエチレンワックスがより好ましく、酸化ポリエチレンワックスが更に好ましい。また、高い結晶性により安定した離型層となり、対象物質への汚染性を抑えられるという観点から、酸化高密度ポリエチレンワックスであることが特に好ましい。
ワックスの酸価は3mgKOH/g以上である。ワックスの酸価が3mgKOH/g以上であることで、十分な離型性を得ることができる。また、ポリエステルフィルムとの密着性やバインダーとの混合性、架橋剤との反応性により、加工樹脂に対する非汚染性を高められるという観点から、酸価の数値は、好ましくは4~200mgKOH/g、より好ましくは8~100mgKOH/g、更に好ましくは18~80mgKOH/gの範囲である。
合成ワックスの数平均分子量は、離型成分の転着を抑えるという観点や、取扱い性の観点から、通常500~30000、好ましくは1000~15000、より好ましくは2000~8000の範囲である。
また、ワックスの融点又は軟化点は、使用時の熱処理に対する耐久性などを考慮すると、好ましくは80℃以上、より好ましくは110℃以上であり、そして、熱処理を行った後に離型性能をコントロールする観点から、好ましくは200℃以下、より好ましくは170℃以下、更に好ましくは150℃以下である。
ワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)によって測定ができる。
本組成物中の(A)成分の含有量は、本組成物中の全不揮発成分に占める割合として3質量%以上である。本組成物中の(A)成分の含有量が本組成物中の全不揮発成分に占める割合として3質量%以上であることで、十分な離型性を得ることができる。含有割合の上限量は、特に制限されないが、通常98質量%程度である。本組成物中の(A)成分の含有量は、好ましくは5~60質量%、より好ましくは6~40質量%の範囲である。
本組成物中の全不揮発成分の塗布量として、酸価3mgKOH/g以上のワックスは、3mg/m以上が好ましい。この範囲であることにより、各種樹脂に対する十分な離型性を得ることが可能となる。上限は特に制限されないが、通常は1000mg/m以下である。対象物質に対する非汚染性を高める観点からは、好ましくは3~50mg/m、より好ましくは3.5~20mg/m、更に好ましくは4.0~15mg/mの範囲である。
本組成物には、酸価3mgKOH/g以上のワックス以外に、従来公知の離型剤を併用してもよい。例えば酸価が3mgKOH/g未満のワックス、長鎖アルキル基含有化合物、フッ素化合物、シリコーン化合物等を挙げることができる。
((B)成分:バインダー樹脂)
本組成物に用いる(B)バインダー樹脂としては、特に限定されないが、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリビニル(ポリビニルアルコール、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等)、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンイミン、メチルセルロース、ヒドロキシセルロース及びでんぷん類等が挙げられる。これらの中でも離型性のコントロールがしやすいという点において、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂が好ましく、本ポリエステルフィルムとの密着性と高め、離型成分の転着を抑えるという観点や、熱処理前後の離型性能のバランスをコントロールできるという観点からポリエステル樹脂がより好ましい。
ポリエステル樹脂とは、主な構成成分として例えば、下記のような酸成分及びジオール成分からなるものが挙げられる。
酸成分としては、次の多価カルボン酸が挙げられ、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、フタル酸、4,4’-ジフェニルジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、1,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、2-カリウムスルホテレフタル酸、5-ソジウムスルホイソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、グルタル酸、コハク酸等のジカルボン酸;トリメリット酸、トリメシン酸等のトリカルボン酸;ピロメリット酸等のテトラカルボン酸;無水トリメリット酸、無水フタル酸等の酸無水物;p-ヒドロキシ安息香酸;トリメリット酸モノカリウム塩;及びこれらのエステル形成性誘導体等を用いることができる。
ジオール成分として、下記の多価ヒドロキシ化合物が挙げられ、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、p-キシリレングリコール、ビスフェノールA-エチレングリコ-ル付加物、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリテトラメチレンオキシドグリコール等を用いることができる。これらの化合物の中から、それぞれ適宜1つ以上を選択し、常法の重縮合反応によりポリエステル樹脂を合成すればよい。
本ポリエステルフィルムが共重合ポリエステルフィルムの場合などに、類似する組成を含むことで本ポリエステルフィルムと離型層の密着性を高めるという観点から、酸成分が多価カルボン酸を少なくとも2種類含むポリエステル樹脂であることが好ましい。多価カルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸が好ましい。
ウレタン樹脂とは、ウレタン樹脂を分子内に有する高分子化合物のことである。通常ウレタン樹脂はポリオールとイソシアネートの反応により作成される。ポリオールとしては、ポリカーボネートポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリエーテルポリオール類、ポリオレフィンポリオール類、アクリルポリオール類が挙げられ、これらの化合物は単独で用いても、複数種用いてもよい。
本組成物中のバインダー樹脂の含有割合は、好ましくは1~90質量%、より好ましくは10~80質量%、更に好ましくは30~75質量%、特に好ましくは45~70質量%である。これらの範囲であることにより、プレス処理前後の離型特性をより好適に調整することが可能となる。
本組成物中の含有割合として、(A)ワックスと(B)バインダー樹脂の配合比率(A)/(B)(質量比)は、好ましくは3/97~60/40、より好ましくは5/95~40/60、更に好ましくは5/95~25/75である。かかる範囲であることにより、プレス処理前後の離型特性をより好適に調整したり、対象物質の非汚染性を高めることが可能となる。
((C)成分:架橋剤)
本組成物は、さらに(C)成分として架橋剤を含むことが好ましい。架橋剤は、離型層の強度を上げることで、離型成分の転着が起きにくい層にするという観点で用いられる。架橋剤を架橋させて離型層を形成する場合、形成後の離型層は、架橋剤に由来する化合物を有することになる。
架橋剤としては、従来公知の材料を使用することができる。例えばメラミン化合物、オキサゾリン化合物、イソシアネート系化合物、エポキシ化合物、カルボジイミド系化合物、シランカップリング化合物、ヒドラジド化合物及びアジリジン化合物等が挙げられる。それらの中でも、メラミン化合物、オキサゾリン化合物、イソシアネート系化合物、エポキシ化合物及びカルボジイミド系化合物が好ましい。より離型層の強度を強化し、基材のフィルムとの密着性を向上させるとうい観点からメラミン化合物が特に好ましい。
メラミン化合物とは、化合物中にメラミン骨格を有する化合物のことであり、例えば、アルキロール化メラミン誘導体、アルキロール化メラミン誘導体にアルコールを反応させて部分的あるいは完全にエーテル化した化合物、及びこれらの混合物を用いることができる。アルキロール化としては、メチロール化、エチロール化、イソプロピロール化、n-ブチロール化及びイソブチロール化などが挙げられるが、反応性の観点から、メチロール化が好ましい。
また、エーテル化に用いるアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール及びイソブタノール等が好適に用いられる。塗膜強度を向上させ、微細突起構造を形成しやすくするという観点から、部分的にエーテル化したアルキロール化メラミン誘導体であることが好ましく、メチルアルコールでエーテル化したアルキロールであることがより好ましい。
また、メラミン化合物としては、単量体、あるいは2量体以上の多量体のいずれであってもよく、あるいはこれらの混合物を用いてもよい。さらに、メラミンの一部に尿素等を共縮合したものも使用できる。
本組成物が架橋剤を含む場合、本組成物中の架橋剤の含有割合は、好ましくは1~90質量%、より好ましくは3~60質量%、更に好ましくは5~50質量%、特に好ましくは7~45質量%の範囲である。架橋剤の含有割合が1質量%以上であれば、塗膜の強度を上げることができ、架橋剤の含有割合が90質量%以下であれば、離型層の十分な離型性やポリエステルフィルムに対する密着性を確保できる可能性がある。
本ポリエステルフィルム上に設けられる離型層の不揮発成分の塗布量は、好ましくは1~1000mg/m、より好ましくは10~500mg/m、更に好ましくは20~300mg/m、特に好ましくは30~200mg/mの範囲である。上記の範囲であればプレス加工前後で適した離型性や対象物質への非汚染性を得られる。
離型層中に各成分の割合は、例えば、離型フィルムの表面について、X線光電子分光分析装置(ESCA)、フーリエ赤外分光光度計(FT-IR)ATR法、飛行時間型二次イオン質量分析装置(TOF-SIMS)を行い、また、離型層を溶剤にて溶解抽出し、クロマトグラフィーで分取した後、プロトン核磁気共鳴分光法(1H-NMR)、カーボン核磁気共鳴分光法(13C-NMR)、フーリエ赤外分光光度計(FT-IR)により構造を解析し、熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析(GC-MS)を行うことでも求めることができる。
なお、本組成物からなる塗布液は、水を溶媒とする水性塗布液であってもよく、この際、少量の有機溶剤を含有していてもよい。
この際、有機溶剤としては、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール及びグリセリン等のアルコール類、エチルセロソルブ、t-ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びテトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、メチルエタノールアミン等のアミン類等を例示することができる。これらは単独、もしくは複数を組み合わせて用いることができる。水性塗布液に、必要に応じてこれらの有機溶剤を適宜選択し、含有させることで、塗布液の安定性、塗布性を良好にすることができる。
本組成物には、必要に応じて、ブロッキングや滑り性改良のために、粒子を含有させることも可能である。さらに、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、有機系潤滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤及び発泡剤等を含有させることも可能である。
<本離型フィルムの物性>
(フィルムの表面粗さ、十点平均粗さ)
低光沢感を付与する用途として用いる場合、本離型フィルムの離型層表面の粗さ、すなわち、ポリエステルフィルムの一方側に離型層を形成した場合はその表面、又は、ポリエステルフィルムの両方の側にそれぞれ離型層を形成した場合はその両表面の平均表面粗さ(Ra)は0.27μm以上2.0μm以下である。
本離型フィルム表面の平均表面粗さ(Ra)が上記範囲であれば、マット感を表現することができ、この表面を、対象物にプレス圧着して離型させることで、対象物表面にマット感を付与することができる。
かかる観点から、本離型フィルムの離型層表面の平均表面粗さ(Ra)は、0.27μm以上2.0μm以下であり、好ましくは0.30μm以上1.0μm以下、より好ましくは0.33μm以上0.9μm以下である。
離型層表面は、低光沢感をより一層優れたものとするため、比較的大きな高さを有する突起が多数、言い換えれば密度高く形成された表面であることが好ましい。そのため、突起の高さと、突起の密度高さが一定の範囲にあることが好ましい。すなわち、本離型フィルムの離型層表面の十点平均粗さ(Rz)と平均表面粗さ(Ra)との比(Rz/Ra)は、好ましくは1~6、より好ましくは2~5、更に好ましくは2.5~4.5である。
本離型フィルムの離型層表面の十点平均粗さ(Rz)と平均表面粗さ(Ra)との比(Rz/Ra)が上記範囲であれば、より正確に密度高い突起を有するマット感を表現することができ、この表面を、対象物にプレス圧着して離型させることで、対象物表面にマット感を付与することができる。
本離型フィルムの一方側の表面をマット調とすれば、他方の表面は、ハンドリングに支障がない程度に粗面化していれば十分である。本離型フィルムの他方側表面(離型層表面とは反対側の表面)の平均表面粗さ(Ra)は、他の層と積層する際の密着性を向上させる観点から、離型層表面の平均表面粗さ(Ra)よりも小さいことが好ましい。かかる観点から、他方側表面の平均表面粗さ(Ra)は、好ましくは0.01μm以上1.0μm以下、より好ましくは0.03μm以上0.8μm以下、更に好ましくは0.05μm以上0.5μm以下、特に好ましくは0.1μm以上0.3μm以下である。
なお、本離型フィルム表面の平均表面粗さ(Ra)及び十点平均粗さ(Rz)は、後述の実施例に記載の測定方法により測定することができる。
また、離型層表面の平均表面粗さ(Ra)、及び十点平均粗さ(Rz)と平均表面粗さ(Ra)の比(Rz/Ra)を上記範囲に調整する方法としては、粒子含有層を備えるポリエステルフィルムを用いたり、特に粒子含有層の材料として共重合ポリエステルや上述の範囲の粒径や真比重の粒子を用いたり、粒子含有層の厚さやポリエステルフィルムの延伸条件や熱処理条件を調整したりする方法が挙げられる。
(光沢度)
本離型フィルムにおいて、少なくとも離型層側表面の60°光沢度は30%以下であることが好ましい。光沢度は、JIS Z8741:1997に従って測定される。
本離型フィルム表面の光沢度が30%以下であれば、高級感のあるマット調とすることができる。ただし、その下限は0.1%程度である。かかる観点から、本離型フィルムにおいて、少なくとも離型層側表面の光沢度は、好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下、更に好ましくは20%以下、特に好ましくは15%以下であり、そして、好ましくは0.1%以上である。
(離型層表面の表面自由エネルギー)
本離型フィルムにおいて、離型層側表面の表面自由エネルギーは27mN/m以上であることが好ましい。離型層表面の表面自由エネルギーが27mN/m以上であれば濡れ性に劣ることが無く、転写させる樹脂層などを離型層の表面に加工することが可能であったり、離型成分が転着しても相手材料の表面への悪影響を少なくしたりできる。
本離型フィルムにおいて、離型層表面の表面自由エネルギーは、好ましくは27mN/m以上、より好ましくは30mN/m以上、更に好ましくは33mN/m以上であり、そして、好ましくは60mN/m以下、より好ましくは50mN/m以下、更に好ましくは45mN/m以下、特に好ましくは40mN/m以下である。当該範囲内であれば、転写させる樹脂層に対する離型性を得ることが可能となる。
表面自由エネルギーを調整する方法として、離型剤の選択、併用する架橋剤やポリマーの選択、離型層中の離型剤の含有量や離型剤の含有比率の調整等が挙げられる。
(対象物質の非汚染性)
本離型フィルムにおいて、後述する方法で測定される対象物質の非汚染性は、好ましくは30%以上、より好ましくは40%以上、更に好ましくは50%以上、特に好ましくは60%以上、とりわけ好ましくは64%以上である。上限は特に限定されないが100%である。対象物質への非汚染性が40%以上であれば、対象物表面への影響が少なく、二次加工への悪影響を抑えることが可能となる。
(初期のハードコート層の剥離力)
本離型フィルムは、後述する方法で測定される初期のハードコート層に対する剥離力が、後述するプレス処理後のハードコート層の剥離力よりも大きいことが好ましく、中でも、初期のハードコート層の剥離力がプレス処理後のハードコート層剥離力に比べて1.09倍以上が好ましく、1.10倍以上がより好ましく、1.30倍以上が更に好ましく、1.50倍以上が特に好ましい。
初期のハードコート層の剥離力がプレス処理後のハードコート層剥離力よりも大きければ、転写処理で使用する前に離型フィルムが剥がれてしまうことを避けることが可能となる。
(プレス処理後のハードコート層の剥離力)
本離型フィルムは、後述する方法で測定される、170℃×3MPa条件下で30分間プレス処理を行った後のハードコート層に対する剥離力は、好ましくは70mN/cm未満、より好ましくは60mN/cm以下、更に好ましくは50mN/cm以下、特に好ましくは45mN/cm以下であることが好ましい。70mN/cm未満であれば、ハードコート層の剥離時に必要となる応力が少なく、剥離不良の欠陥を防ぐことが可能となる。
<本ポリエステルフィルムの製造方法>
以下、本ポリエステルフィルムの製造方法の一例について説明する。
ただし、本ポリエステルフィルムの製造方法が、次に説明する方法に限定されるものではない。
先ず、公知の手法により、乾燥又は未乾燥の各層毎、すなわち基材層、粒子含有層A、粒子含有層B及びさらなる他の層毎にそれぞれの原料を調製し、それぞれ各溶融押出装置に供給し、それぞれのポリマーの融点以上である温度に加熱し溶融混練する。次いで、各層の溶融ポリマーを、通常マルチマニホールド又はフィードブロックを経てダイへ導き積層する。
次に、ダイから押出された溶融シートを、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度になるように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シートを得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法及び/又は液体塗布密着法が好ましく採用される。
次に、得られた未延伸シートを一方向にロール又はテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常70~150℃、好ましくは80~140℃であり、延伸倍率は通常2.5~7倍、好ましくは3.0~6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に、通常70~170℃で、延伸倍率は通常2.5~7倍、好ましくは3.0~6倍で延伸する。引き続き180~270℃の温度で緊張下又は30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る方法が挙げられる。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うことが好ましい。
上記熱処理、横方向に延伸した後の熱処理は、共重合成分を含有するポリエステルの融点よりも高い温度、例えばイソフタル酸成分を含むポリエステルであれば、熱処理温度は220℃以上が好ましく、中でも230~250℃であることがより好ましい。粒子含有層Aの主成分樹脂であるポリエステルAが共重合ポリエステルである場合、このような熱処理によって軟らかくなり、粒子が表面に浮き出て突起の高さをより大きくすることができる。
熱処理工程後は、熱処理の最高温度ゾーン及び/又は熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向及び/又は横方向に2~20%弛緩する方法が好ましい。
また、必要に応じて再縦延伸、再横延伸を付加することも可能である。
上記製造方法において、離型層は、上述のように、上記縦延伸と横延伸の間に、上記「離型層形成用組成物」をコーティング処理することが好ましい。このようにすれば、延伸と同時に塗布が可能になると共に離型層の厚みを延伸倍率に応じて薄くすることができ、ポリエステルフィルムとして好適なフィルムを製造することができる。
<本離型フィルムの使用方法>
本離型フィルムは、離型層表面にハードコート層などの樹脂層を設けて転写箔とした後、射出成型用の金型内にセットし、樹脂成型品を成形するのと同時に転写箔を一体化して接着し、樹脂成型品に箔を転写する成形同時転写用として使用することができる。
また、離型層をハードコート層などの対象物表面に当接してプレス圧着し、その後、本離型フィルムを剥離することで、該対象物表面に離型層表面の表面形状を転写することができる。
さらに、本ポリエステルフィルムの離型層側を低光沢感の設計にすることで、離型層表面の粗面化された表面形状を転写することができ、離型層表面の低光沢感を前記製品表面に付与することができる。この際の製品表面としては、例えば電磁波シールド用フィルムや成形同時転写用の転写箔、特にそのハードコート層表面を挙げることができる。ただし、これらに限定するものではない。
したがって、本離型フィルムは、例えばハードコート層などの樹脂層からなる転写箔を樹脂成型品に転写する用途、すなわち成形同時転写・成形同時加飾の転写用離型フィルムとして好適に用いることができる。
また、例えば電磁波シールド部材等の各種部材表面へ本離型フィルムの離型層側表面の形状を転写することで該部材表面に低光沢感を付与する用途、すなわち表面形状の転写用離型フィルムとして好適に用いることもできる。
<<語句の説明>>
本明細書において「X~Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特に断らない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
以下、本発明を下記実施例及び比較例に基づいてさらに詳述する。先ず、下記実施例及び比較例での各種物性の測定方法・評価方法について説明する。
なお、実施例及び比較例中「部」とあるのは「質量部」を示す。
(1)ポリエステルの極限粘度
ポリエステルに非相溶な成分を除去したポリエステル1gを精秤し、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(質量比)の混合溶媒100mLを加えて溶解させ、粘度(IV)測定装置「VMS-022UPC・F10」(株式会社離合社製)を用いて、30℃で測定した。
(2)粒子の平均粒径
粒子の平均粒径は、10個以上の粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して粒子の直径を測定し、その平均値として求めた。その際、非球状粒子の場合は、最長径と最短径の平均値を各粒子の直径として測定した。
(3)離型層表面の平均表面粗さ(Ra)
表面粗さ測定機(株式会社小坂研究所製「SE-3500」)を用いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲線からその平均線の方向に基準長さL(2.5mm)の部分を抜き取り、この抜き取り部分の平均線をx軸、縦倍率の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で表わしたとき、次の式で与えられた値を〔nm〕で表わす。算術平均粗さは、試料フィルム表面から10本の粗さ曲線を求め、これらの粗さ曲線から求めた抜き取り部分の算術平均粗さの平均値で表わした。なお、触針の先端半径は2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08mmとした。
Figure 2022129907000001
(4)離型層表面の十点平均粗さ(Rz)
表面粗さ測定機(株式会社小坂研究所製「SE-3500」)を用いて、JIS B0601:1994に準じて測定する。断面曲線から基準長さ(2.5mm)だけを抜き取った部分において、平均線に平行かつ断面曲線を横切らない直線から縦倍率の方向に測定した最高から5番目までの山頂の標高の平均値と最深から5番目までの谷底の標高の平均値との差の値(μm)を表したものである。
なお、測定条件は(3)項と同様にて測定を行った。
(5)フィルム表面の光沢度
グロスメーター(日本電色株式会社製「VG-107型」)を用いて、JIS Z8741:1997の方法に準じて60度光沢度を測定した。入射角,反射角60度に於ける黒色標準板の反射率を基準に試料の反射率を求め光沢度とした。
(6)ワックスの酸価
自動滴定装置(東亜ディーケーケー株式会社製「AUT-701」)を用いて酸価を測定した。固形分1mgのワックスを計量し、トルエン:エタノール=1:1(質量比)の混合溶媒に溶解又は分散させ、0.5規定の水酸化カリウムのエタノール溶液で中和滴定し、当量点からワックスの固形分換算の酸価を算出した。
(7)離型層表面の表面自由エネルギー
23℃、50%RHの環境下で24時間以上調湿したフィルムサンプルの離型層表面の接触角を、自動接触角計(DataPhysics社製、型式「OCA20」)を使用して、水、ヨウ化メチレンの静的接触角を測定した。得られた接触角と各溶媒の表面張力成分値(表1)を用いて、Owens-Wendtの理論式により離型層表面の表面自由エネルギーを算出した。
Figure 2022129907000002
(8)対象物質の非汚染性
フィルムサンプルの離型層表面と試験用ポリエステルフィルム(三菱ケミカル株式会社製「T100」、厚み50μm)の表面処理していない表面とが接するように両フィルムを重ね、170℃×1MPa条件下で30分間、熱プレスを行った後、23℃×50%RH環境下で調湿した。その後、フィルムサンプルを取り除き、離型層と接していた試験用ポリエステルフィルム表面について、テープ剥離力(F1)を測定した。
また、比較例1及び4で得られたポリエステルフィルムについて同様の試験を行い、試験用ポリエステルフィルム表面のテープ剥離力(F01)及び(F02)を測定した。
実施例1~14、比較例2~3については、非汚染性(%)=F1/F01×100の式より求めた。
比較例5は、非汚染性(%)=F1/F02×100の式より非汚染性を求め、比較例1及び4については非汚染性100%とした。
なお、テープ剥離力はアクリル系粘着テープ(日東電工株式会社製「No.31B」)を本離型層に貼り付けて室温にて1時間放置後、引張速度0.3m/minの条件下で180°方向に剥離した際の応力を測定した。
(9)ハードコート層の剥離力(初期)
15官能のウレタンアクリレート(新中村化学工業株式会社製「U-15HA」)、ペンタエリスリトールトリアクリレート混合物(第一工業製薬株式会社製「PET-3」)、光重合開始剤(IGM Resins B.V.社製「Omnirad 184」)を70:30:5(質量比)で混合したハードコート組成物をメチルエチルケトンに溶解し、離型層上に乾燥厚みが5μmとなるように塗布、乾燥を行った後、高圧水銀灯下300mJ/cmで硬化し、離型フィルム上にハードコート層を形成した。その後、ハードコート表面に24mm幅のセロテープ(登録商標、ニチバン株式会社製「LP-24」)を貼り付け、引張速度1000mm/minで本離型フィルムを180°方向に剥離した際の応力を測定した。
(10)ハードコート層の剥離力(プレス処理後)
(9)で作成したハードコート層付きの離型フィルムを170℃×3MPa条件下で30分間プレス処理を行った。その後、初期剥離力と同様の手法で本離型フィルムを剥離した際の応力を測定した。
なお、表3において、ハードコート層を本離型フィルムから剥離できなかった場合は「剥離不可」、ハードコート層形成時に樹脂がはじかれ、ハードコート層を形成できなかった場合は「加工不可」と記載する。
実施例及び比較例において使用したポリエステルは、以下のようにして準備したものである。
<ポリエステル(A)>
極限粘度が0.63dL/gであるポリエチレンテレフタレートホモポリマー。
<ポリエステル(B)>
平均粒子径4.5μmのメタクリル酸アルキル-スチレン共重合体粒子(真比重:1.1)を10質量%含有する、極限粘度が0.61dL/gであるポリエチレンテレフタレートホモポリマー。
<ポリエステル(C)>
平均粒子径2μmのシリカ粒子を0.2質量%含有する、極限粘度が0.65dL/gであるポリエチレンテレフタレートホモポリマー。
<ポリエステル(D)>
共重合成分としてイソフタル酸を22mol%含有する、極限粘度が0.70dL/g、融点が198℃である共重合ポリエチレンテレフタレートポリマー。
離型層の形成に用いた化合物は以下のとおりである。
<離型剤(IA)>
酸化低密度ポリエチレンワックス(酸価3.5mgKOH/g、融点105℃)の水分散体。
<離型剤(IB)>
酸化高密度ポリエチレンワックス(酸価9.2mgKOH/g、融点130℃)の水分散体。
<離型剤(IC)>
酸化高密度ポリエチレンワックス(酸価20.1mgKOH/g、融点130℃)の水分散体。
<離型剤(ID)>
酸化高密度ポリエチレンワックス(酸価51.8mgKOH/g、融点125℃)の水分散体。
<離型剤(IE)>
酸化高密度ポリエチレンワックス(酸価64.4mgKOH/g、融点130℃)の水分散体。
<離型剤(IF)>
酸化低密度ポリエチレンワックス(酸価7.9mgKOH/g、融点105℃)の水分散体。
<離型剤(IG)>
酸化高密度ポリエチレンワックス(酸価2.2mgKOH/g、融点129℃)の水分散体。
<ポリエステル樹脂(II)>
(酸成分)テレフタル酸/イソフタル酸/5-ソジウムスルホイソフタル酸//(ジオール成分)エチレングリコール/1,4-ブタンジオール/ジエチレングリコール=56/40/4//70/20/10(モル%)の割合で共重合したポリエステル樹脂水分散体。
<メラミン化合物(III)>
メチロール基、メトキシ基及びイミノ基を有する部分エーテル化メラミン。
<離型剤(IV)>
平均重合度500、ケン化度88モル%のポリビニルアルコールにオクタデシルイソシアネートを付加させた長鎖アルキル基含有化合物。
<実施例1>
ポリエステル(A)、(B)、(D)をそれぞれ20質量%、60質量%、20質量%の割合で配合した混合物(粒子含有量6質量%、共重合成分量4.4mol%))を押出機にて溶融させて積層ダイの表層(粒子含有層A)に供給する一方、積層ダイの基材層にはポリエステル(A)を供給し、積層ダイの他方の表層(粒子含有層B)には、ポリエステル(A)、(B)、(D)をそれぞれ80質量%、10質量%、10質量%の割合で配合した混合物(粒子含有量1質量%、共重合成分量2.2mol%)を供給し、3種3層(粒子含有層A/基材層/粒子含有層B=1:8:1(質量比)の割合)の構成からなる3層の積層ポリエステル樹脂をフィルム状に押出して、35℃の冷却ロール上に、冷却固化させて未延伸シートを作成した。次いで、80℃の加熱ロールで予熱した後、赤外線加熱ヒーターと加熱ロールを併用して95℃のロール間で縦方向に3.2倍延伸した後、この縦延伸フィルムの片面に、下記表2に示す組成の離型層形成用組成物を水で希釈したものを塗布液1として塗布し、次いでフィルム端部をクリップで把持してテンター内に導き、110℃の温度で加熱しつつ横方向に4.2倍延伸し、240℃で10秒間の熱処理を行うと同時に幅方向に10%弛緩を施して、塗布量(乾燥後)が70mg/mの離形層を有する厚み50μm(粒子含有層A/基材層/粒子含有層B=5μm/40μm/5μm)の離型フィルム(サンプル)を得た。
この離型フィルム(サンプル)の特性を下記表3に示す。
<実施例2~14>
実施例1において、離型層形成用組成物の組成を表2に示す組成に変更し、塗布量(乾燥後)を表3に示す通りに変更した以外は、実施例1と同様に製造して、離型フィルム(サンプル)を得た。
得られた離型フィルム(サンプル)の特性を表3に示す。
いずれの実施例の離型フィルム(サンプル)も、平均表面粗さ(Ra)、十点平均粗さ(Rz)と平均表面粗さ(Ra)の比(Rz/Ra)及び光沢度が良好であり、適度な表面自由エネルギーを備え、対象物質の非汚染性が高く、離型性も良好であった。
<比較例1>
実施例1において、離型層を設けないこと以外は、実施例1と同様に製造して、ポリエステルフィルム(サンプル)を得た。
得られたポリエステルフィルム(サンプル)の特性を表3に示す。
この表3に示すとおり、ハードコート層の剥離が不可能であった。
<比較例2~3>
実施例1において、離型層形成用組成物の組成を表2に示す組成に変更し、塗布量(乾燥後)を表3に示す通りに変更した以外は、実施例3と同様に製造して、離型フィルム(サンプル)を得た。
得られたポリエステルフィルム(サンプル)の特性を表3に示す。
この表3に示すとおり、ハードコート層の剥離力(プレス処理後)が70mN/cm以上と高いために不良に繋がる可能性がある場合や、ハードコート層の加工が不可能な場合があった。
<比較例4>
ポリエステル(A)、(C)をそれぞれ90質量%、10質量%の割合で混合した混合原料(粒子含有量0.02質量%)を最外層(表層)の原料とし、ポリエステル(A)のみを中間層の原料として、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、40℃に設定した冷却ロール上に、2種3層(表層/中間層/表層=1:8:1(質量比)の吐出量)の層構成で共押出し冷却固化させて未延伸シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、テンターに導き、横方向に110℃で4.3倍延伸し、235℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、厚さ50μmのフィルム(サンプル)を得た。
得られたポリエステルフィルム(サンプル)の特性を表3に示す。
この表3に示すとおり、表面粗さが低く、光沢度が高く、ハードコート層の剥離も不可能であった。
<比較例5>
比較例4において、得られた未延伸シートを、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、下記表2に示す組成の離型層形成用組成物を水で希釈したものを塗布液4として塗布し、テンターに導き、横方向に110℃で4.3倍延伸し、235℃で熱処理を行った後、横方向に2%弛緩し、塗布量(乾燥後)が70mg/mの離形層を有する厚さ50μmのフィルム(サンプル)を得た。
得られたポリエステルフィルム(サンプル)の特性を表3に示す。
この表3に示すとおり、表面粗さが低く、光沢度が高く、マット性を付与するには不十分なフィルムであった。
Figure 2022129907000003
Figure 2022129907000004
上記実施例の結果及び本発明者がこれまでに行ってきた試験結果から、離型層形成用組成物が、(A)成分として酸価3mgKOH/g以上のワックス及び(B)成分としてバインダー樹脂を含み、離型層形成用組成物中の全不揮発成分に占める割合として(A)成分の含有割合が3質量%以上であれば、離型特性に優れ、対象物質の非汚染性を高めることができ、離型層表面の平均表面粗さ(Ra)が0.27μm以上2.0μm以下であれば、優れたマット性を付与できることが分かった。
本離型フィルムは、離型性能に優れ、かつ転写樹脂表面への非汚染性が高く、転写対象物への二次加工性も優れている。
また、適した表面粗さを有するため、マット性に優れ、かつ転写対象物への意匠性付与に優れ、特に電磁波シールド部材等への表面形状転写用途や成型同時転写用途などの転写用離型フィルムに好適に用いることができる。

Claims (15)

  1. ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、離型層形成用組成物を用いて形成された離型層を備える離型フィルムであって、
    前記離型層形成用組成物が、(A)成分として酸価3mgKOH/g以上のワックス及び(B)成分としてバインダー樹脂を含み、かつ、前記(A)成分の含有割合が該離型層形成用組成物中の全不揮発成分に占める割合として3質量%以上であり、
    前記離型層表面の平均表面粗さ(Ra)が0.27μm以上2.0μm以下である、離型フィルム。
  2. 前記(A)成分が、ポリエチレンワックスである、請求項1に記載の離型フィルム。
  3. 前記ポリエチレンワックスが、酸化ポリエチレンワックスである、請求項2に記載の離型フィルム。
  4. 前記離型層表面の表面自由エネルギーが、27mN/m以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載の離型フィルム。
  5. 前記(B)成分が、ポリエステル樹脂である、請求項1~4のいずれか1項に記載の離型フィルム。
  6. 前記ポリエステル樹脂の酸成分が、多価カルボン酸を少なくとも2種含む、請求項5に記載の離型フィルム。
  7. 前記(A)成分と前記(B)成分の配合比率(A)/(B)(質量比)が、3/97~60/40である、請求項1~6のいずれか1項に記載の離型フィルム。
  8. 前記離型層形成用組成物が、さらに(C)成分として架橋剤を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の離型フィルム。
  9. 前記離型層表面の60°光沢度(JIS Z8741:1997)が、30%以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載の離型フィルム。
  10. 前記離型層表面の十点平均粗さ(Rz)と平均表面粗さ(Ra)との比(Rz/Ra)が、1~6である、請求項1~9のいずれか1項に記載の離型フィルム。
  11. 前記ポリエステルフィルムが、粒子を含有する粒子含有層を備える、請求項1~10のいずれか1項に記載の離型フィルム。
  12. 前記粒子の真比重が2.0以下であり、かつ前記粒子の平均粒径が2.0μm以上10.0μm以下である、請求項11に記載の離型フィルム。
  13. 前記粒子含有層を構成するポリエステルが、共重合ポリエステルを含有し、前記粒子含有層を構成するポリエステル全量に対して、共重合成分を0.1mol%以上10mol%以下含有する、請求項11又は12に記載の離型フィルム。
  14. 転写用である、請求項1~13のいずれか1項に記載の離型フィルム。
  15. 電磁波シールド部材への表面形状転写用である、請求項1~14のいずれか1項に記載の離型フィルム。
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