JP2022124244A - 水中不分離性混和材料、及びフレッシュコンクリートの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水中不分離性を有するフレッシュコンクリートの粘性の制御が容易となる水中不分離性混和材料、及びフレッシュコンクリートの製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の水中不分離性混和材料は、フレッシュコンクリートに混合されるものであり、水溶液中で球状のミセルの形成が可能なノニオン系界面活性剤、並びに、水溶液中でひも状のミセルの形成が可能なアニオン系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤を含む。また本発明は、水、セメント、骨材、及び水中不分離性混和材料を含むフレッシュコンクリートの製造方法も提供する。本製造方法は、ノニオン系界面活性剤からなる第1剤を水に溶解させた水溶液を調製し、その後、水溶液、セメント及び骨材を練り混ぜながら、アニオン系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤からなる第2剤を添加する。【選択図】なし

Description

本発明は、水中不分離性混和材料、及びフレッシュコンクリートの製造方法に関する。
トンネルなどのコンクリート構造物の構築にあたり、構造物の建設予定地における地盤からの水圧等の外的要因や、採用された工法に応じて、コンクリートの強度発現とともに、コンクリート打設時の流動性やフレッシュ保持性、水中不分離性等の諸性能が同時に要求されることがある。このような諸物性が要求されるコンクリート構造物としては、例えば、地下水位下のシールドトンネル工事において現地で打設される覆工コンクリート等が挙げられる。
特許文献1には、フレッシュ性状の保持及びその調整を目的として、セメント、骨材、水、及び少なくとも2種類の分散剤を含有し、初期のスランプフローの値と、50cm到達時間の値とが所定の関係にあるコンクリート組成物が開示されている。
特開2013-23148号公報
ところで、コンクリートに水中不分離性を発現させる場合には、増粘剤等の水中不分離性混和材料が添加される。しかし、材料の種類によっては、得られるフレッシュコンクリートの粘性が大きく変化し、取り扱い性が悪化することがある。このような点に関し、特許文献1に記載の技術では何ら検討されていない。
したがって、本発明は、水中不分離性を有するフレッシュコンクリートの粘性の制御が容易となる水中不分離性混和材料、及びフレッシュコンクリートの製造方法を提供することにある。
本発明は、水溶液中で球状のミセルの形成が可能なノニオン系界面活性剤、並びに、
水溶液中でひも状のミセルの形成が可能なアニオン系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤を含み、かつ、
フレッシュコンクリートに混合される、水中不分離性混和材料を提供するものである。
また本発明は、水、セメント、骨材、及び水中不分離性混和材料を含むフレッシュコンクリートの製造方法であって、
前記水中不分離性混和材料として、水溶液中で球状のミセルの形成が可能なノニオン系界面活性剤からなる第1剤と、水溶液中でひも状の会合ミセルの形成が可能なアニオン系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤からなる第2剤とを用い、
前記第1剤を前記水に溶解させた水溶液を調製し、然る後に、
前記水溶液、前記セメント及び前記骨材を練り混ぜながら、前記第2剤を添加する、フレッシュコンクリートの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、水中不分離性を有するフレッシュコンクリートの粘性の制御が容易となる。
以下に、本発明を好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の水中不分離性混和材料は、フレッシュコンクリートに混合されることによって、フレッシュコンクリートに水中不分離性を発現させたり、水中不分離性を向上させたりすることを目的として用いられる混和材料である。
本発明の水中不分離性混和材料は、大別して二種類の剤を含む混和剤である。詳細には、水中不分離性混和材料は、水溶液中で球状のミセルの形成が可能なノニオン系界面活性剤を第1剤として含む。これに加えて、水中不分離性混和材料は、水溶液中でひも状のミセルの形成が可能なアニオン系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤を第2剤として含む。これらの剤は、それぞれ独立して、粉状物であってもよく、水などの溶媒に分散させた分散液又は溶液の形態であってもよい。
第1剤の説明に先立ち、第2剤について説明する。第2剤は、アニオン系界面活性剤と、カチオン系界面活性剤との二種類の界面活性剤を含み、好ましくはアニオン系界面活性剤と、カチオン系界面活性剤とからなる。第2剤は、これらの界面活性剤の組み合わせによって、水溶液中でひも状のミセルの形成が可能である剤である。ひも状のミセルは、概ね20℃前後の環境下で形成され、好ましくは15~25℃の環境下で形成される。
ひも状のミセルとは、アニオン系界面活性剤とカチオン系界面活性剤との相互作用によって、水溶液中で形成される円筒状又は棒状のミセルを意味する。ひも状のミセルの形成は、例えば第2剤を含む水溶液を電子顕微鏡で観察することによって確認することができる。
ひも状のミセルが形成可能であることによって、ミセルどうしのからみ合いが水中で発生し、その結果、水中不分離性を発現可能なようにフレッシュコンクリートの粘性を増加させることができる。つまり、第2剤は、フレッシュコンクリートの粘性を増加させる増粘剤として、水中不分離性を発現させる機能を主に有する。
第2剤を構成するアニオン系界面活性剤としては、例えば脂肪族又は芳香族のスルホン酸若しくはカルボン酸、又はその塩等が挙げられる。これらは一種又は二種以上を組み合わせて用いることができる。塩における対イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属や、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、亜鉛などの他の金属、アンモニウム、エタノールアンモニウム等に由来するイオンが挙げられるが、これらに限られない。
脂肪族スルホン酸又はその塩としては、例えば、炭素数6~22の直鎖又は分枝鎖且つ飽和又は不飽和の炭化水素基を有するものが挙げられる。そのような化合物の具体例としては、高級アルコール硫酸エステル塩等のアルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩などが挙げられる。塩の対イオンは、好ましくは前記金属のうち一種である。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族スルホン酸又はその塩としては、フェノールスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、アルキルアリルスルホン酸(アルキルベンゼンスルホン酸)、アルキルナフタレンスルホン酸などの酸又はその塩が挙げられる。
アルキルアリルスルホン酸又はその塩としては、例えば、p-トルエンスルホン酸、m-キシレン-4-スルホン酸、スチレンスルホン酸、クメンスルホン酸又はその塩等の炭素数1~10の飽和又は不飽和の炭化水素基で芳香環の少なくとも一つが置換された各種のスルホン酸又はその塩等が挙げられるが、これらに限られない。塩の対イオンは、好ましくは前記金属のうち一種である。
これらは単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
脂肪族カルボン酸又はその塩としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の炭素数6~22の飽和又は不飽和の脂肪酸と、前記金属との塩等が挙げられる。
芳香族カルボン酸又はその塩としては、例えば、安息香酸、サリチル酸、メチルサリチル酸などの酸と、前記金属との塩等が挙げられる。これらの芳香族カルボン酸は、ハロゲン等の置換基が更に置換されていてもよい。
これらは単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
第2剤を構成するカチオン界面活性剤としては、第四級アンモニウム塩が好ましく挙げられる。このような第四級アンモニウム塩としては、アルキルピリジニウム塩や、アルケニルピリジニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルケニルアンモニウム塩等が挙げられる。これらの塩におけるアルキル基又はアルケニル基は、それぞれ独立して、炭素数が1~26の範囲である。塩における対イオンとしては、例えば塩素や臭素等のハロゲンや、各種の酸等が挙げられる。
第四級アンモニウム塩は、炭素数が10~26、好ましくは炭素数16~22のアルキル基又はアルケニル基を少なくとも1つ有していることも好ましく、該アルキル基を少なくとも1つ有することがより好ましい。これに加えて、第四級アンモニウム塩は、炭素数1~3のアルキル基を少なくとも1つ有することが好ましく、炭素数1~3のアルキル基を3つ有することがより好ましい。これらのアルキル基又はアルケニル基はいずれも、アンモニウム塩を構成する窒素原子に結合している基を意味する。
このような第四級アンモニウム塩としては、アルキルアンモニウム塩に分類されるものが挙げられ、具体的には、ベヘニルトリメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム、タロートリメチルアンモニウム、ヘキサデシルエチルジメチルアンモニウム、オクタデシルエチルジメチルアンモニウム、ヘキサデシルプロピルジメチルアンモニウム等の各種アンモニウムと、ハロゲンとの塩が挙げられるが、これらに限られない。これらは単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
第2剤におけるアニオン系界面活性剤とカチオン系界面活性剤との組み合わせとして、アニオン系界面活性剤がアルキルアリルスルホン酸塩であり、且つカチオン系界面活性剤がアルキルアンモニウム塩であることが更に好ましい。
このような界面活性剤を組み合わせて用いることによって、水中でひも状のミセルを容易に形成させることができ、このひも状のミセルの形成に起因してフレッシュコンクリートの粘性を高めて、水中不分離性を効果的に向上させることができる。また、このような界面活性剤を組み合わせて用いることによって、無機塩存在下やアルカリ性条件等のフレッシュコンクリートに起因する過酷な条件であっても、ひも状のミセルを安定的に形成して、所望の粘性を得られる点で有利である。
第2剤中におけるアニオン系界面活性剤とカチオン系界面活性剤との配合割合の質量比は、アニオン系界面活性剤の配合割合を1としたときに、カチオン性界面活性剤の割合が好ましくは0.5~1.5、より好ましくは0.8~1.2、更に好ましくは0.9~1.1である。このような配合範囲であることによって、水中でひも状のミセルを容易に形成させることができ、フレッシュコンクリートの粘性が目的となる範囲に調整されやすく、水中不分離性を向上できるとともに、得られるフレッシュコンクリートの取り扱い性が更に向上する。
第1剤に関する説明に戻ると、第1剤は、水溶液中で球状のミセルの形成が可能なノニオン系界面活性剤を含む。球状のミセルは、概ね20℃前後の環境下で形成され、好ましくは15~25℃の環境下で形成される。球状のミセルの形成は、例えば第1剤を含む水溶液を電子顕微鏡で観察することによって確認することができる。
上述のとおり、第2剤はフレッシュコンクリートに水中不分離性を付与することを主たる目的とするものであるが、第2剤は、その添加量に応じて粘性が大きく変化しやすい、いわゆる鋭敏性の高い混和剤である。その結果、第2剤の単独使用では、フレッシュコンクリートの取り扱い性が良好なものとはなりづらい。
この点に関して、本発明者が鋭意検討したところ、第2剤とともに第1剤を用いることによって、フレッシュコンクリートに高い水中不分離性を付与させつつ、第2剤の粘性変化の鋭敏性を緩和するようにフレッシュコンクリートの粘性を制御して、フレッシュコンクリートの取り扱い性や施工性を高めることができることを見出した。つまり、第1剤は、第2剤によって発現する増粘効果を適度に低減するように制御調整する粘性調整剤として、フレッシュコンクリートの粘性を制御する機能を主に有する。
第1剤を構成するノニオン系界面活性剤としては、ポリエチレンオキシドアルキルエーテル(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル等のアルキルエーテル類;アルキルグリコシド等の多価アルコールエーテル類;グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル;脂肪酸アルカノールアミド等のアミド類等が挙げられる。これらは単独で又は二種以上組み合わせて用いることができる。
これらのノニオン系界面活性剤のうち、アルキルエーテル類及び脂肪酸エステルのうち少なくとも一種を用いることが好ましく、ポリエチレンオキシドアルキルエーテル及び脂肪酸エステルのうち少なくとも一種を用いることがより好ましい。
このようなノニオン系界面活性剤を用いることによって、水の硬度や電解質、並びに第2剤の存在の影響を受けることなく、水中に安定的に球状ミセルを生成することができ、粘度が適切に調整されやすくなる。
本発明の水中不分離性混和材料における第1剤は、後に添加される第2剤の水に対する添加量を規定した上で、その添加量に対する所定割合でもって水に添加されることが好ましい。具体的には、第2剤の添加量に対する第1剤の添加割合は、好ましくは0.5~4.5質量%、より好ましくは1.0~4.0質量%である。このような割合で第1剤を配合することによって、第2剤を添加することによって生成されるひも状ミセルの生成量や成長量を適度に調整することができ、その結果、フレッシュコンクリートの粘度を効率的に調整することができる。
また、本発明の水中不分離性混和材料における第2剤の配合割合は、これを水溶液としたときの濃度として、好ましくは3.5~5.5質量%、より好ましくは4.0~5.0質量%である。このような割合で第2剤を配合することによって、第1剤による粘度調整効果を十分に発現させつつ、高い水中不分離性を有するフレッシュコンクリートを生産性高く得ることができる。
本発明の水中不分離性混和材料は、第1剤と第2剤とが予め混合された状態となっていてもよく、第1剤と第2剤とが混合されておらず、該混和材料の使用時に各剤を混合できる状態となっていてもよい。これらの形状は、それぞれ独立して、粉末状、液体、あるいは水などの溶媒に分散させた分散液又は溶液の形態であり得る。
以上は、水中不分離性混和材料に関する説明であったところ、以下に、上述の水中不分離性混和材料を用いたフレッシュコンクリートの製造方法を説明する。
目的とするフレッシュコンクリートは、硬化前の流動体であり、水、セメント、骨材及び上述の水中不分離性混和材料を含むものである。本明細書のフレッシュコンクリートは、骨材として細骨材のみを含むモルタルと、細骨材及び粗骨材をともに含むコンクリートとの双方が包含される。
フレッシュコンクリートの原料となる水、セメント、骨材及び上述の水中不分離性混和材料は、これらを任意の順序で、あるいはこれらを同時に投入して練り混ぜる等の公知の混合方法によって調製することができる。
フレッシュコンクリートの製造においては、水中不分離性混和材料を構成する第1剤と第2剤とを別途混合して、目的とするフレッシュコンクリート中に水中不分離性混和材料を含有させるようにすることが好ましい。具体的には、第1剤を添加した原料に、第2剤を添加して、その混合物に水中不分離性混和材料を含有させる方法を採用することが好ましい。以下に、その好適な実施形態を説明する。
まず、コンクリートの練り混ぜに用いる水に第1剤を溶解させて、第1剤の水溶液を調製する。この時点では、セメントや骨材、第2剤などの他の材料は非含有である。
練り混ぜ水に対する第1剤の添加割合は、好ましくは0.01~0.25質量%、より好ましくは0.02~0.23質量%、更に好ましくは0.04~0.22質量%、一層好ましくは0.04~0.20質量%となるようにする。
このような範囲に第1剤の濃度を調整することによって、第1剤のミセル分散溶解に起因する球状ミセルの形成を行いやすくして、フレッシュコンクリートの粘性をより簡便に調整しやすくすることができる。また、第1剤水溶液の意図しない泡立ちや白濁等の不具合を防いで、得られるフレッシュコンクリートの取り扱い性及び品質が向上する。
次いで、第1剤の水溶液、セメント、及び骨材を練り混ぜる等して混合する。第1剤の水溶液、セメント及び骨材の投入順序は、均一に練り混ぜ可能であれば特に制限はなく、第1剤の水溶液にセメント及び骨材を任意の順序で又は同時に添加してもよく、セメント及び骨材の混合物に第1剤の水溶液を添加してもよく、第1剤の水溶液、セメント及び骨材を同時に添加してもよい。
このとき、第1剤の水溶液、セメント、及び骨材を練り混ぜながら、第2剤を添加することが好ましい。このように第2剤を添加することによって、第1剤によって形成された球状ミセルの存在が、第2剤によって形成されるひも状ミセルの成長や絡み合いを適度に緩和するので、最終的に生成されるコンクリート組成物の水中不分離性を維持しつつ、全体の塊としての良好なポンプ圧送性や流動性を発揮することができる。
第2剤は、第1剤の水溶液、セメント及び骨材の練り混ぜの過程で一括添加してもよく、逐次添加してもよい。また第2剤は粉末の状態で添加してもよく、水に溶解させた水溶液の状態で添加してもよい。
練り混ぜ時における粘性や混合度合いを確認しながら第2剤の添加量や添加速度を調整可能にする観点、及び第2剤の添加量の誤差に起因する意図しない粘性の増大又は低下を低減する観点から、第2剤はこれを水溶液とした状態で添加することが好ましく、また第2剤の希釈水溶液を用いることも好ましい。第2剤の水溶液を用いる場合、その溶媒となる水は、フレッシュコンクリートにおいて練り混ぜに用いる水の量に算入する。
練り混ぜ水に対する第2剤の含有割合は、好ましくは3.5~5.5質量%、より好ましくは4.0~5.0質量%となるようにする。このような範囲に第2剤の濃度を調整することによって、第2剤のミセル分散溶解に起因するひも状ミセルの形成及びその絡み合いを行いやすくして、水中不分離性が向上したフレッシュコンクリートを生産性高く得ることができる。また、得られるフレッシュコンクリートの取り扱い性が良好となり、施工性及び品質が向上する。
最後に、各原料を均一に混合して、水、セメント、骨材及び上述の水中不分離性混和材料を含むフレッシュコンクリートを得ることができる。フレッシュコンクリートは、型枠内や、地山あるいは地盤と型枠との間に打設し、その後養生して硬化させることで、硬化物であるコンクリートを得ることができる。
練り混ぜに用いる水は、例えば上水道水、井戸水、蒸留水、精製水等の本技術分野において通常用いられる水を特に制限なく用いることができる。
セメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント等の各種のポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント等の混合セメント、エコセメント、アルミナセメント等の特殊セメント等を用いることができる。これらは単独で使用してもよく、複数組み合わせて用いることができる。これらのセメントとして、例えばJIS R5210~R5214にそれぞれ規定されるセメントを用いてもよい。
骨材としては、細骨材及び粗骨材が挙げられる。これらの骨材は、目的とする組成物の性状に応じて、細骨材のみを使用したモルタルの態様とするか、あるいは、細骨材及び粗骨材をともに使用したコンクリートの態様とすることができる。
細骨材としては、例えば、川砂、山砂、海砂等の天然骨材や、砕石、砕砂、高炉スラグ細骨材等の人工骨材、コンクリート廃材から取り出した再生骨材等が挙げられる。これらは単独で、又は複数組み合わせて用いることができる。
粗骨材としては、例えば、川砂利、海砂利、山砂利、砕石、スラグ砕石等が挙げられる。これらは単独で、又は複数組み合わせて用いることができる。粗骨材として、JIS A 5005に規定される粗骨材を用いることもできる。
フレッシュコンクリートにおける水セメント比(セメントの含有質量に対する水の含有質量の百分率)は、好ましくは30~60%、より好ましくは30~45%である。このような水セメント比であることによって、施工に適した流動性を維持しながら、硬化後の強度に優れたフレッシュコンクリートを得ることができる。これに加えて、脱型をより早期に行うことができるので、施工スピードを高めて、施工期間を短縮させることができる。更に、JIS A1107に準じて測定される圧縮強度を要求水準以上に簡便且つ効率的に発現させることができる。
コンクリート組成物における水セメント比(セメントの含有質量に対する水の含有質量の百分率)は、好ましくは30~60%、より好ましくは30~45%である。このような水セメント比であることによって、上述した各種の混和材料を含む場合であっても、コンクリート組成物が有する流動性、フレッシュ保持性及び水中不分離性を効果的に発現しつつ、硬化後の強度に優れたものとなる。これに加えて、脱型をより早期に行うことができるので、施工スピードを高めて、施工期間を短縮させることができる。更に、JIS A1107に準じて測定される圧縮強度を要求水準以上に簡便且つ効率的に発現させることができる。
上述の水セメント比は、その逆数であるセメント水比と、所定の経過時間における発現強度との相関関係を予備的試験において予め求めておき、また安全率を加味した上で決定することも、硬化後の優れた強度を適切な打設場所に発現させる点で好ましい。
フレッシュコンクリートにおける水中不分離性混和材料の含有量(総量)は、水に対する質量割合で表して、好ましくは3.51~5.75質量%、より好ましくは3.54~5.72質量%、更に好ましくは4.02~5.23質量%、一層好ましくは4.04~5.20質量%である。このような範囲とすることによって、被水圧条件や被流水条件下において優れた水中不分離性をより効果的に発現させることができる。
本発明の効果が奏される限りにおいて、必要に応じて、上述したセメント、水、骨材及び混和材料以外の他の混和材料を更に添加してもよい。他の混和材料としては、例えばJIS R5212に規定されるシリカ質混合材、石膏、炭酸カルシウム、石灰石等の混和材や、上述の水中不分離性混和材料以外の混和剤が挙げられる。
このように得られたフレッシュコンクリートは、その強度の指標として、JIS A1107に準じて測定される、練り上がり時点から24時間経過後における一軸圧縮強度が、好ましくは15N/mm以上、より好ましくは20N/mm以上、更に好ましくは25N/mm以上である。この一軸圧縮強度が高いほど、硬化後のコンクリートの強度が高いことを意味する。このような強度は、例えば水セメント比を上述の好適な範囲にすることで容易に達成することができる。またこれに加えて、骨材などの各原料の種類や含有量を適宜調整することによっても達成することができる。
フレッシュコンクリートは、その流動性の指標として、JIS A1150に準じて測定されるスランプフロー値が、好ましくは650±50mmの範囲内である。スランプフロー値がこのような範囲であることによって、フレッシュコンクリートが優れた流動性を有することを意味する。このようなスランプフロー値は、例えば水セメント比を上述の好適な範囲としたり、水中不分離性混和材料の種類や含有量を上述の範囲としたりすることによって達成することができる。
フレッシュコンクリートは、そのフレッシュ保持性の指標として、JSCE-F516に準じて測定される、練り上がり時点から4時間経過後における500mmフロー到達時間が、好ましくは180秒以内である。上述のフロー到達時間が短いほど、フレッシュ性状が長時間維持され、優れた圧送性及び施工性を有することを意味する。このようなフロー到達時間は、例えば水セメント比を上述の好適な範囲としたり、各材料の種類や含有量を適宜調整したりすることによって達成することができる。
フレッシュコンクリートは、その水中不分離性の指標として、JSCE-D104(付属書2)に準じて測定されるpHが、好ましくは12以下である。この指標は、セメントミルクが強高アルカリ性であることに鑑み、真水中に分散した懸濁物質量を表す間接的な指標である。したがって、上述のpHが所定の値以下であれば、打設場所が被水圧下や被流水下などの過酷な条件であっても、これらの条件に対する抵抗性を有し、硬化後の強度を発現可能であることを意味する。このようなpHは、例えば水セメント比を上述の好適な範囲としたり、水中不分離性混和材料の種類や含有量を上述の範囲としたりすることによって達成することができる。なお、上述のpHは真水の中性域を下回ることがないことは言うまでもなく、概ね10以上となる。
以上の水中不分離性混和材料は、これをフレッシュコンクリートの製造時あるいは製造後に添加することによって、得られるフレッシュコンクリートの水中不分離性を良好に発現しつつ、コンクリートの調製時及び調製後の粘性の制御を容易にするという相反する目的を両立して達成することができる。このようなフレッシュコンクリートは、通常の打設方法とは異なる施工方法を採用したり、あるいは、施工場所が被水圧下や被流水下などの水存在下の条件や、練り上がり時や養生における温度が高温又は低温になっている等の通常の施工場所と比較して過酷な環境条件であったりした場合でも、打設時の流動性や水中不分離性といった所望の性状が優れた状態で維持されながら施工可能となる。これに加えて、フレッシュ保持性が良好に維持され、硬化後に優れた強度を発現できるものとなる。
このようなフレッシュコンクリートは、例えば、水中コンクリートや水中不分離性コンクリートとして、地下水が多い地盤に施工されるトンネルや海底トンネルなどの水存在下でのコンクリート構造物の施工材料として好適に用いられる。また、フレッシュコンクリートは、シールドを用いた場所打ち支保システムに用いられる一次覆工コンクリート用の材料として更に好適に用いられる。更に、フレッシュコンクリートは、上述のシステムが採用されるコンクリートとして、地下水位下のシールドトンネル工事において、プレキャストではなく、施工現場で打設される覆工コンクリート用の材料として特に好適に用いられる。
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は本実施形態に限定されない。例えば、上述の説明から明らかなように、本発明によれば、水中不分離性を有するフレッシュコンクリートの粘度調整方法、水中不分離性混和材料の使用方法や混合方法などの各種の方法も提供される。これらの方法に関する説明は、上述の実施形態に関する説明が適宜適用される。

Claims (4)

  1. 水溶液中で球状のミセルの形成が可能なノニオン系界面活性剤、並びに、
    水溶液中でひも状のミセルの形成が可能なアニオン系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤を含み、かつ、
    フレッシュコンクリートに混合される、水中不分離性混和材料。
  2. 前記アニオン系界面活性剤が、アルキルアリルスルホン酸塩であり、且つ
    前記カチオン系界面活性剤が、アルキルアンモニウム塩である、請求項1に記載の水中不分離性混和材料。
  3. 前記ノニオン系界面活性剤が、ポリエチレンオキシドアルキルエーテル及び脂肪酸エステルのうち少なくとも一種である、請求項1又は2に記載の水中不分離性混和材料。
  4. 水、セメント、骨材、及び水中不分離性混和材料を含むフレッシュコンクリートの製造方法であって、
    前記水中不分離性混和材料として、水溶液中で球状のミセルの形成が可能なノニオン系界面活性剤からなる第1剤と、水溶液中でひも状のミセルの形成が可能なアニオン系界面活性剤及びカチオン系界面活性剤からなる第2剤とを用い、
    前記第1剤を前記水に溶解させた水溶液を調製し、然る後に、
    前記水溶液、前記セメント及び前記骨材を練り混ぜながら、前記第2剤を添加する、フレッシュコンクリートの製造方法。

JP2021021898A 2021-02-15 2021-02-15 水中不分離性混和材料、及びフレッシュコンクリートの製造方法 Pending JP2022124244A (ja)

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