JP2022123872A - シートパッド - Google Patents
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Abstract
【課題】表面の柔軟性を確保しつつ、表面側から荷重が掛かった際の応力緩和率が低減されたシートパッドを提供する。【解決手段】シートパッド10は、ポリウレタンフォーム製のシートパッドである。シートパッド10は、シートパッド10の裏面10Bにおける少なくとも一部の領域に、複数の凹部20が点在しており、凹部20の内面に、スキン層が形成されている。シートパッド10の裏面10Bから5mmの位置で切断した断面に現れる凹部10の開口について、複数の開口の中心を結んで形成される四角形のうち、最も面積の小さい四角形の面積をAmm2とし、最も面積の小さい四角形に占める開口の面積をBmm2とした場合に、(B/A)×100<30を満たす。【選択図】図5
Description
本開示は、シートパッドに関する。
特許文献1には、ポリウレタンフォームよりなる車両用シートパッドが記載されている。この車両用シートパッドは、乗員当接面と反対側の裏面の少なくとも一部の領域に複数の凹穴が設けられている。そして、凹穴が設けられたシートパッドは、凹穴が設けられていないシートパッドに比べてソフトになり、ストローク感に優れる、と記載されている。
ところで、シートパッドにおいて、着座面となる表面側については、相対的に柔らかくして座り心地を良くし、裏面側については、相対的に硬くして、表面側から荷重が掛かった際の応力緩和率を低減する技術が求められている。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、表面の柔軟性を確保しつつ、表面側から荷重が掛かった際の応力緩和率が低減されたシートパッドを提供することを目的とする。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
本開示は、以下の形態として実現することが可能である。
ポリウレタンフォーム製のシートパッドであって、
前記シートパッドの裏面における少なくとも一部の領域に、複数の凹部が点在しており、
前記凹部の内面に、スキン層が形成されており、
前記シートパッドの裏面から5mmの位置で切断した断面に現れる前記凹部の開口について、
複数の前記開口の中心を結んで形成される四角形のうち、最も面積の小さい四角形の面積をAmm2とし、
前記最も面積の小さい四角形に占める前記開口の面積をBmm2とした場合に、
(B/A)×100<30
を満たす、シートパッド。
前記シートパッドの裏面における少なくとも一部の領域に、複数の凹部が点在しており、
前記凹部の内面に、スキン層が形成されており、
前記シートパッドの裏面から5mmの位置で切断した断面に現れる前記凹部の開口について、
複数の前記開口の中心を結んで形成される四角形のうち、最も面積の小さい四角形の面積をAmm2とし、
前記最も面積の小さい四角形に占める前記開口の面積をBmm2とした場合に、
(B/A)×100<30
を満たす、シートパッド。
本開示のシートパッドによれば、表面側の柔らかさを確保しつつ、表面側から荷重が掛かった際の応力緩和率を低減できる。
ここで、本開示の望ましい例を示す。
・前記最も面積の小さい四角形を構成する4つの前記凹部について、次の(a)-(c)の少なくとも1つを満たす、シートパッド。
(a)各前記凹部の深さは、10mm以上40mm以下である。
(b)各前記開口の開口径は、5mm以上20mm以下である。
(c)4つの前記開口のうち最も近接する前記開口間の距離は、10mm以上である。
・前記最も面積の小さい四角形を構成する4つの前記凹部について、次の(a)-(c)の少なくとも1つを満たす、シートパッド。
(a)各前記凹部の深さは、10mm以上40mm以下である。
(b)各前記開口の開口径は、5mm以上20mm以下である。
(c)4つの前記開口のうち最も近接する前記開口間の距離は、10mm以上である。
・前記最も面積の小さい四角形を構成する4つの前記凹部について、
各前記凹部の底面25から前記シートパッドの表面までの厚さをCmmとし、各前記凹部の深さをDmmとした場合に、
10≦(D/(C+D))×100≦50
を満たす、シートパッド。
・JIS K6400-2 (2012年版) D法に準拠して測定される25%圧縮硬さが245N以上である、シートパッド。
・応力緩和率が14%以下である、シートパッド。
各前記凹部の底面25から前記シートパッドの表面までの厚さをCmmとし、各前記凹部の深さをDmmとした場合に、
10≦(D/(C+D))×100≦50
を満たす、シートパッド。
・JIS K6400-2 (2012年版) D法に準拠して測定される25%圧縮硬さが245N以上である、シートパッド。
・応力緩和率が14%以下である、シートパッド。
以下、実施例1のシートパッド10を参照しつつ本開示を詳しく説明する。なお、本明細書において、数値範囲について「-」を用いた記載では、特に断りがない限り、下限値及び上限値を含むものとする。例えば、「10-20」という記載では、下限値である「10」、上限値である「20」のいずれも含むものとする。すなわち、「10-20」は、「10以上20以下」と同じ意味である。
1.シートパッドの構成
シートパッド10は、ポリウレタンフォーム製のシートパッドである。シートパッド10の裏面10Bにおける少なくとも一部の領域に、複数の凹部20が点在している。凹部20の内面に、スキン層が形成されている。シートパッド10の裏面10Bから5mmの位置で切断した断面に現れる凹部20の開口について、複数の開口の中心を結んで形成される四角形のうち、最も面積の小さい四角形の面積をAmm2とし、最も面積の小さい四角形に占める開口の面積をBmm2とした場合に、(B/A)×100<30を満たす。
本開示の技術は、ポリウレタンフォームの表面にスキン層が形成される現象を利用している。そして、内面にスキン層が形成された凹部20を、シートパッド10の裏面10Bに所定の条件で設けることによって、表面10A側から荷重が掛かった際の応力緩和率を低減できることを新たに見出し、開発されたものである。
シートパッド10は、ポリウレタンフォーム製のシートパッドである。シートパッド10の裏面10Bにおける少なくとも一部の領域に、複数の凹部20が点在している。凹部20の内面に、スキン層が形成されている。シートパッド10の裏面10Bから5mmの位置で切断した断面に現れる凹部20の開口について、複数の開口の中心を結んで形成される四角形のうち、最も面積の小さい四角形の面積をAmm2とし、最も面積の小さい四角形に占める開口の面積をBmm2とした場合に、(B/A)×100<30を満たす。
本開示の技術は、ポリウレタンフォームの表面にスキン層が形成される現象を利用している。そして、内面にスキン層が形成された凹部20を、シートパッド10の裏面10Bに所定の条件で設けることによって、表面10A側から荷重が掛かった際の応力緩和率を低減できることを新たに見出し、開発されたものである。
1.1 全体構成
シートパッド10は、ポリウレタンフォーム製である。シートパッド10は、全体が単一のポリウレタンフォームによって構成されることが好ましい。本開示の技術によれば、単一のポリウレタンフォームによって構成される場合であっても、裏面10B側に複数の凹部20を設けることによって、表面10A側が相対的に柔らかく、裏面10B側が相対的に硬いシートパッド10を実現し得る。
シートパッド10は、ポリウレタンフォーム製である。シートパッド10は、全体が単一のポリウレタンフォームによって構成されることが好ましい。本開示の技術によれば、単一のポリウレタンフォームによって構成される場合であっても、裏面10B側に複数の凹部20を設けることによって、表面10A側が相対的に柔らかく、裏面10B側が相対的に硬いシートパッド10を実現し得る。
ポリウレタンフォームは、特に限定されない。ポリウレタンフォームは、軟質ポリウレタンフォームであることが好ましい。ポリウレタンフォームの25%圧縮硬さは、表面10Aの柔軟性を確保しつつ、応力緩和率を低減する観点から、100N以上400N以下が好ましく、130N以上350N以下がより好ましく、150N以上300N以下が更に好ましい。ポリウレタンフォームの25%圧縮硬さは、JIS K6400-2(2012年版)に規定されるD法に準拠して、サンプルサイズ400mm×400mm×62mmのポリウレタンフォームを作製して測定した値である。
図1に示すように、シートパッド10の裏面10Bにおける少なくとも一部の領域に、複数の凹部20が点在している。複数の凹部20が点在する領域は、特に限定されない。複数の凹部20が点在する領域には、着座者が着座した際に、特に大きな荷重が掛かる臀部下方の領域が含まれることが好ましい。シートパッド10の表面10Aは、柔軟性を確保し、座った感触を良くする観点から、略平坦な面であることが好ましい。図1等において、「UP」はシートクッションとして設置されたシートパッド10の上方(表面側)を示し、「DW」はシートクッションとして設置されたシートパッド10の下方(裏面側)を示している。図1における点線は、複数の凹部20が設けられないシートパッドにおいて、着座者の臀部が落ち込む様子を模式的に描いている。なお、図1において、複数の凹部20や、シートパッド10の各部の寸法は、便宜上デフォルメしている部分がある。
凹部20は、図2及び図3に示すように、裏面10Bから表面10A側に向かって、略円柱状に凹んだ穴である。凹部20の開口側の角部は、曲面状に面取り(R面取り)されている。凹部20の底面25側の角部は、曲面状に面取り(R面取り)されている。凹部20の側面(内周面)は、表裏方向、すなわち着座者が着座した場合に荷重が掛かる方向に延びている。なお、凹部は、略四角柱、略六角柱等の多角柱状に凹んだ穴であってもよく、略円錐状、略円錐台状に凹んだ穴であってもよい。
凹部20の内面には、スキン層が形成されている。「スキン層」は、ポリウレタンフォームのコア部よりも密度の高い部位として特定される。例えば、凹部20の内面に、スキン層が形成されていることは次のようにして確認できる。図3に示すように、シートパッド10を、凹部20の底面25から表面10A側に5mmの位置を通る仮想面K1でカットして、切り取った部分を裏面側領域BRのサンプルとする。凹部20の底面25から表面10A側までの中間位置を含む厚さ10mmの層を切り出して、コア部領域CRのサンプルとする。裏面側領域BRとコア部領域CRが重なる場合には、裏面側領域BRとコア部領域CRが重ならないように、凹部20の深さやシートパッド10の厚さに応じて仮想面K1の位置やコア部領域CRの厚さ・位置を調整する。裏面側領域BRのサンプルの密度と、コア部領域CRのサンプルの密度をそれぞれ測定する。裏面側領域BRのサンプルの密度がコア部領域CRのサンプルの密度よりも高い場合に、凹部20の内面にスキン層が形成されているとみなす。
また、裏面側領域BR、特に成形型による発泡成形において、キャビティ面に接する表面から一定の範囲は、スキン層を含む密度の高い層であり、この部分のセル径は、コア部のセル径よりも小さい傾向にある。図3及び図5においては、凹部20の内面から10mmの範囲を、スキン層を含む密度が高い層21として2点鎖線で描いている。
また、裏面側領域BR、特に成形型による発泡成形において、キャビティ面に接する表面から一定の範囲は、スキン層を含む密度の高い層であり、この部分のセル径は、コア部のセル径よりも小さい傾向にある。図3及び図5においては、凹部20の内面から10mmの範囲を、スキン層を含む密度が高い層21として2点鎖線で描いている。
複数の凹部20の配置は、特に限定されない。複数の凹部20は、シートパッド10の裏面10B側の硬度を均一に高くする観点から、格子状に配置されていることが好ましい。図2に示す複数の凹部20は、正方格子状に配置されている。複数の凹部は、正方格子状以外にも、六方格子状、長方格子状に配置されていてもよく、不規則に配置されていてもよい。
複数の凹部20の数は、特に限定されない。複数の凹部20は、裏面10Bにおける10cm×10cmの領域内に4個以上20個以下含まれることが好ましく、9個以上13個以下含まれることがより好ましい。なお、10cm×10cmの領域は、領域内に含まれる凹部20の数が最も多くなるように設定する。
1.2 開口率に関する要件
図4は、実施例1のシートパッド10について、裏面10Bから5mmの位置で切断した断面の一部拡大断面図である。複数の凹部20は、以下の開口率に関する要件を満たすように設けられている。
シートパッド10の裏面10Bから5mmの位置で切断した断面に現れる凹部20の開口について、複数の開口の中心を結んで形成される四角形のうち、最も面積の小さい四角形の面積をAmm2とし、最も面積の小さい四角形に占める開口の面積をBmm2とした場合に、(B/A)×100<30を満たす。
応力緩和率を低減する観点から、(B/A)×100≦25を満たすことが好ましく、(B/A)×100≦20を満たすことがより好ましい。また、(B/A)×100は0よりも大きい値をとる。応力緩和率を低減する観点から、2≦(B/A)×100を満たすことが好ましく、3≦(B/A)×100を満たすことがより好ましく、5≦(B/A)×100を満たすことが更に好ましい。
図4は、実施例1のシートパッド10について、裏面10Bから5mmの位置で切断した断面の一部拡大断面図である。複数の凹部20は、以下の開口率に関する要件を満たすように設けられている。
シートパッド10の裏面10Bから5mmの位置で切断した断面に現れる凹部20の開口について、複数の開口の中心を結んで形成される四角形のうち、最も面積の小さい四角形の面積をAmm2とし、最も面積の小さい四角形に占める開口の面積をBmm2とした場合に、(B/A)×100<30を満たす。
応力緩和率を低減する観点から、(B/A)×100≦25を満たすことが好ましく、(B/A)×100≦20を満たすことがより好ましい。また、(B/A)×100は0よりも大きい値をとる。応力緩和率を低減する観点から、2≦(B/A)×100を満たすことが好ましく、3≦(B/A)×100を満たすことがより好ましく、5≦(B/A)×100を満たすことが更に好ましい。
以下、(B/A)×100を算出する手順について、具体的に説明する。シートパッド10の裏面10Bから5mmの位置で切断した断面に現れる凹部20の開口を、単に「開口」とも称する。
まず、開口の中心を特定する。実施例1では、開口は直径10mmの円形である。開口が円形をなす場合には、開口の中心は、円の中心である。開口の中心は、例えば、開口のなす図形の重心の位置として規定できる。
複数の開口の中心を結んで形成される四角形のうち、最も面積の小さい四角形(単位四角形とも称する)を特定する。最も面積の小さい四角形が複数形成される場合には、いずれか1つの四角形を選択する。図4では、実施例1における単位四角形の1つを1点鎖線で表している。
単位四角形の面積Aを算出する。実施例1では、単位四角形は、一辺が26.9mmの正方形である。単位四角形の面積Aは723.6mm2である。
単位四角形に占める開口の面積Bを算出する。実施例1では、単位四角形に占める開口の面積Bは78.5mm2である。
(B/A)×100を算出する。実施例1では、(B/A)×100は、(78.5/723.6)×100から10.9である。
まず、開口の中心を特定する。実施例1では、開口は直径10mmの円形である。開口が円形をなす場合には、開口の中心は、円の中心である。開口の中心は、例えば、開口のなす図形の重心の位置として規定できる。
複数の開口の中心を結んで形成される四角形のうち、最も面積の小さい四角形(単位四角形とも称する)を特定する。最も面積の小さい四角形が複数形成される場合には、いずれか1つの四角形を選択する。図4では、実施例1における単位四角形の1つを1点鎖線で表している。
単位四角形の面積Aを算出する。実施例1では、単位四角形は、一辺が26.9mmの正方形である。単位四角形の面積Aは723.6mm2である。
単位四角形に占める開口の面積Bを算出する。実施例1では、単位四角形に占める開口の面積Bは78.5mm2である。
(B/A)×100を算出する。実施例1では、(B/A)×100は、(78.5/723.6)×100から10.9である。
図5は、実施例1のシートパッド10について、最も面積の小さい四角形(単位四角形)を示す断面図である。(B/A)×100は、シートパッド10の裏面10Bにおいて、単位面積当たりの凹部20の開口率を表す指標の1つとなる。(B/A)×100が所定値以上であれば、スキン層が形成されることによって、シートパッド10の裏面10B側の硬度を相対的に高くできる。他方、(B/A)×100が所定値未満であれば、凹部20の撓みに起因した、シートパッド10の裏面10B側の硬度低下を抑制できる。このように、(B/A)×100が所定の範囲に設定されることによって、シートパッド10の裏面10Bの硬度が確保され、表面10A側から荷重が掛かった際の応力緩和率を低減できると推測される。なお、本実施形態とは異なり、シートパッドにおいて、表面側に複数の凹部を設けた場合には、表面側から荷重が掛かった際の応力緩和率を低減できる作用に乏しい。シートパッド10の裏面10B側に所定の開口率にて複数の凹部20を設けることが、応力緩和率の低減に寄与している可能性がある。
1.3 凹部の寸法に関する要件
最も面積の小さい四角形(単位四角形)を構成する4つの凹部20は、応力緩和率を低減する観点から、次の(a)-(c)の少なくとも1つを満たすことが好ましい。(a)-(c)の要件は、いずれか1つのみを満たしていてもよく、3つの要件のうち2つを満たしていてもよく、3つの要件のすべてを満たしていてもよい。
図3において、凹部20の深さをDとし、開口径をEとし、最も近接する開口間の距離をFとし、開口の中心間の距離をGとして示している。
(a)各凹部20の深さDは、10mm以上40mm以下であることが好ましく、10mm以上30mm以下であることがより好ましく、10mm以上25mm以下であることが更に好ましい。
(b)各開口の開口径Eは、5mm以上20mm以下であることが好ましく、6mm以上18mm以下であることがより好ましく、8mm以上15mm以下であることが更に好ましい。
(c)4つの開口のうち最も近接する開口間の距離Fは、10mm以上であることが好ましく、12mm以上であることがより好ましく、15mm以上であることが更に好ましい。4つの開口のうち最も近接する開口間の距離Fは、100mm以下であることが好ましく、80mm以下であることがより好ましく、62mm以下であることが更に好ましい。最も近接する開口間の距離は、一方の開口の内面から他方の開口の内面までの距離、すなわち、開口間に存在する突条部の最小幅である。
開口の中心間の距離をGは、15mm以上120mm以下であることが好ましく、17mm以上100mm以下であることがより好ましく、20mm以上80mm以下であることが更に好ましい。
最も面積の小さい四角形(単位四角形)を構成する4つの凹部20は、応力緩和率を低減する観点から、次の(a)-(c)の少なくとも1つを満たすことが好ましい。(a)-(c)の要件は、いずれか1つのみを満たしていてもよく、3つの要件のうち2つを満たしていてもよく、3つの要件のすべてを満たしていてもよい。
図3において、凹部20の深さをDとし、開口径をEとし、最も近接する開口間の距離をFとし、開口の中心間の距離をGとして示している。
(a)各凹部20の深さDは、10mm以上40mm以下であることが好ましく、10mm以上30mm以下であることがより好ましく、10mm以上25mm以下であることが更に好ましい。
(b)各開口の開口径Eは、5mm以上20mm以下であることが好ましく、6mm以上18mm以下であることがより好ましく、8mm以上15mm以下であることが更に好ましい。
(c)4つの開口のうち最も近接する開口間の距離Fは、10mm以上であることが好ましく、12mm以上であることがより好ましく、15mm以上であることが更に好ましい。4つの開口のうち最も近接する開口間の距離Fは、100mm以下であることが好ましく、80mm以下であることがより好ましく、62mm以下であることが更に好ましい。最も近接する開口間の距離は、一方の開口の内面から他方の開口の内面までの距離、すなわち、開口間に存在する突条部の最小幅である。
開口の中心間の距離をGは、15mm以上120mm以下であることが好ましく、17mm以上100mm以下であることがより好ましく、20mm以上80mm以下であることが更に好ましい。
最も面積の小さい四角形(単位四角形)を構成する4つの凹部20は、応力緩和率を低減する観点から、以下の要件を満たしていることが好ましい。
各凹部20の底面25からシートパッドの表面10Aまでの厚さをCmmとし、各凹部20の深さをDmmとした場合に、10≦(D/(C+D))×100≦50を満たすことが好ましい。より好ましくは、13≦(D/(C+D))×100≦40を満たし、更に好ましくは、15≦(D/(C+D))×100≦35を満たす。
C+Dは、凹部20の位置におけるシートパッド10の厚さを表す。シートパッド10の厚さは特に限定されない。シートパッド10の厚さは30mm以上100mm以下であることが好ましく、35mm以上80mm以下であることがより好ましく、40mm以上70mm以下であることが更に好ましくい。
各凹部20の底面25からシートパッドの表面10Aまでの厚さをCmmとし、各凹部20の深さをDmmとした場合に、10≦(D/(C+D))×100≦50を満たすことが好ましい。より好ましくは、13≦(D/(C+D))×100≦40を満たし、更に好ましくは、15≦(D/(C+D))×100≦35を満たす。
C+Dは、凹部20の位置におけるシートパッド10の厚さを表す。シートパッド10の厚さは特に限定されない。シートパッド10の厚さは30mm以上100mm以下であることが好ましく、35mm以上80mm以下であることがより好ましく、40mm以上70mm以下であることが更に好ましくい。
応力緩和率を低減する観点から、裏面10Bに設けられた複数の凹部20のうち半数以上が、上記の凹部20の寸法に関する要件を満たしていることが好ましく、すべての凹部20が上記の凹部20の寸法に関する要件を満たしていることがより好ましい。
2.シートパッドの好ましい物性
シートパッド10について、見掛け密度(JIS K 7222(2005年版)準拠)は、特に限定されない。シートパッド10の見掛け密度は、40kg/m3以上100kg/m3以下が好ましく、45kg/m3以上80kg/m3以下がより好ましく、50kg/m3以上78kg/m3以下が更に好ましい。
シートパッド10について、見掛け密度(JIS K 7222(2005年版)準拠)は、特に限定されない。シートパッド10の見掛け密度は、40kg/m3以上100kg/m3以下が好ましく、45kg/m3以上80kg/m3以下がより好ましく、50kg/m3以上78kg/m3以下が更に好ましい。
シートパッド10について、JIS K6400-2(2012年版)に規定されるD法に準拠して測定される25%圧縮硬さは、特に限定されない。シートパッド10の25%圧縮硬さは、表面10Aの柔軟性を確保する観点から、400N以下が好ましく、350N以下がより好ましく、300N以下が更に好ましい。シートパッド10の25%圧縮硬さの下限値は、臀部の過度な落ち込みを抑制する観点から、245N以上であることが好ましく、250N以上であることがより好ましく、255N以上であることが更に好ましい。これらの観点から、25%圧縮硬さは、245N以上400N以下が好ましく、250N以上350N以下がより好ましく、255N以上300N以下が更に好ましい。
シートパッド10について、JIS K6400-2(2012年版)に規定されるD法に準拠して測定される50%圧縮硬さは、特に限定されない。シートパッド10の50%圧縮硬さは、表面10Aの柔軟性を確保する観点から、800N以下が好ましく、600N以下がより好ましく、500N以下が更に好ましい。シートパッド10の50%圧縮硬さの下限値は、臀部の過度な落ち込みを抑制する観点から、430N以上であることが好ましく、440N以上であることがより好ましく、445N以上であることが更に好ましい。これらの観点から、55%圧縮硬さは、430N以上800N以下が好ましく、440N以上600N以下がより好ましく、445N以上500N以下が更に好ましい。
シートパッド10について、ヒステリシスロス率は特に限定されない。ヒステリシスロス率は、JIS K6400-2 D法に準拠して圧縮たわみ試験を行って、力-たわみ曲線を取得し、算出する。なお、シートパッド10の圧縮時の加圧から減圧に折り返す荷重は1000Nとする。ヒステリシスロス率は、40%以下であることが好ましく、35%以下であることがより好ましく、30%以下であることが更に好ましい。ヒステリシスロス率の下限は、特に限定されないが、通常5.0%以上である。
シートパッド10について、JIS K6400-2(2012年版)に規定されるD法に準拠して測定される圧縮たわみ係数は、特に限定されない。圧縮たわみ係数は、25%圧縮時の荷重(N)に対する65%圧縮時の荷重(N)の比を表すものである。圧縮たわみ係数は、表面10Aの柔軟性を確保しつつ、臀部の落ち込みを抑制する観点から、2.2以上4.0以下であることが好ましく、2.5以下3.5以下であることがより好ましく、2.7以上3.3以下であることが更に好ましい。
シートパッド10について、応力緩和率は特に限定されない。応力緩和率は、15%以下であることが好ましく、14%以下であることがより好ましく、13%以下であることが更に好ましい。応力緩和率の下限値は、通常2.0%以上である。
なお、応力緩和率(%)は次のようにして測定できる。
直径200mmの円形加圧板を用いて、50mm/分の速度でポリウレタンフォームの初期厚みの75%の距離を圧縮する。その後、荷重を除き、1分間放置した。再び同じ速度にて荷重をかけて、196N(20kgf)の負荷となった時点で加圧板を停止させ、5分間放置後の荷重を読み取る。そして、下記式により、応力緩和率を算出する。
応力緩和率(%)=100×[加圧板停止時の荷重(196N)-5分間放置後の加重]/加圧板停止時の荷重(196N)
なお、応力緩和率(%)は次のようにして測定できる。
直径200mmの円形加圧板を用いて、50mm/分の速度でポリウレタンフォームの初期厚みの75%の距離を圧縮する。その後、荷重を除き、1分間放置した。再び同じ速度にて荷重をかけて、196N(20kgf)の負荷となった時点で加圧板を停止させ、5分間放置後の荷重を読み取る。そして、下記式により、応力緩和率を算出する。
応力緩和率(%)=100×[加圧板停止時の荷重(196N)-5分間放置後の加重]/加圧板停止時の荷重(196N)
3.シートパッド10の製造方法
シートパッド10の製造方法の一例として、上下一対の成形型を用いて発泡成形する方法がある。より具体的には、上型に凹部20に対応する凸形状を付与した入れ子をセットして、下型にポリウレタンフォーム原料を流し込み、ポリウレタンフォーム原料を発泡させる。すると、入れ子の凸形状が発泡成形体に転写され、複数の凹部20が一体に成形されたシートパッド10が得られる。シートパッド10において、入れ子の凸形状に接していた面にはスキン層が形成される。
シートパッド10の製造方法の一例として、上下一対の成形型を用いて発泡成形する方法がある。より具体的には、上型に凹部20に対応する凸形状を付与した入れ子をセットして、下型にポリウレタンフォーム原料を流し込み、ポリウレタンフォーム原料を発泡させる。すると、入れ子の凸形状が発泡成形体に転写され、複数の凹部20が一体に成形されたシートパッド10が得られる。シートパッド10において、入れ子の凸形状に接していた面にはスキン層が形成される。
4.シートパッド10の用途
本開示のシートパッド10が使用される物品は限定されない。シートパッド10は、特に乗物(自動車)用のシートパッド10として好適である。シートパッド10は、シートクッション、シートバックに好適に用いることができる。
本開示のシートパッド10が使用される物品は限定されない。シートパッド10は、特に乗物(自動車)用のシートパッド10として好適である。シートパッド10は、シートクッション、シートバックに好適に用いることができる。
5.他の実施例
本開示は、上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も技術的範囲に含まれる。
実施例2のシートパッド110は、図6に示すように、凹部120の深さが凹部20の深さよりも大きい。その他の点は、シートパッド10と同様であり、同じ付号を付している。シートパッド110において、シートパッドの構成、シートパッドの好ましい物性については、「シートパッド10」の欄における説明をそのまま適用し、その記載は省略する。すなわち、「シートパッド10」の項目で説明した「シートパッドの構成」「シートパッドの好ましい物性」をそのまま適用する。
本開示は、上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も技術的範囲に含まれる。
実施例2のシートパッド110は、図6に示すように、凹部120の深さが凹部20の深さよりも大きい。その他の点は、シートパッド10と同様であり、同じ付号を付している。シートパッド110において、シートパッドの構成、シートパッドの好ましい物性については、「シートパッド10」の欄における説明をそのまま適用し、その記載は省略する。すなわち、「シートパッド10」の項目で説明した「シートパッドの構成」「シートパッドの好ましい物性」をそのまま適用する。
実施例3のシートパッド210は、図7及び図8に示すように、シートパッド10よりも(B/A)×100が小さくなるように複数の凹部220が設けられている。その他の点は、シートパッド10と同様であり、同じ付号を付している。シートパッド210において、シートパッドの構成、シートパッドの好ましい物性については、「シートパッド10」の欄における説明をそのまま適用し、その記載は省略する。すなわち、「シートパッド10」の項目で説明した「シートパッドの構成」「シートパッドの好ましい物性」をそのまま適用する。
他の実施例のシートパッド310は、図9に示すように、互いに深さの異なる複数の凹部320が設けられている。その他の点は、シートパッド10と同様であり、同じ付号を付している。
上記の実施例以外にも、シートパッドの形状や、シートパッドに求められる性能等に応じて、複数の凹部の配置、数、各部の寸法は適宜変更し得る。
上記の実施例以外にも、シートパッドの形状や、シートパッドに求められる性能等に応じて、複数の凹部の配置、数、各部の寸法は適宜変更し得る。
以下、実施例により本開示を具体的に説明する。試料の構成及び評価結果を表1に示す。
表1中、「四角形の面積:A」は、複数の開口の中心を結んで形成される四角形のうち、最も面積の小さい四角形の面積に相当する。「開口の面積:B」は、最も面積の小さい四角形に占める開口の面積に相当する。なお、比較例2,3については、シートパッドの表面から5mmの位置で切断した断面について、最も面積の小さい四角形の面積と最も面積の小さい四角形に占める開口の面積を算出し、示している。
表1中、「シートパッドの厚さ:C+D」、「凹部の深さ:D」、「開口径:E」、「開口間の距離:F」は、最も面積の小さい四角形を構成する4つの凹部についての寸法である。なお、実施例1-3及び比較例2,3において、すべての凹部の寸法は略同じである。
表1中、「四角形の面積:A」は、複数の開口の中心を結んで形成される四角形のうち、最も面積の小さい四角形の面積に相当する。「開口の面積:B」は、最も面積の小さい四角形に占める開口の面積に相当する。なお、比較例2,3については、シートパッドの表面から5mmの位置で切断した断面について、最も面積の小さい四角形の面積と最も面積の小さい四角形に占める開口の面積を算出し、示している。
表1中、「シートパッドの厚さ:C+D」、「凹部の深さ:D」、「開口径:E」、「開口間の距離:F」は、最も面積の小さい四角形を構成する4つの凹部についての寸法である。なお、実施例1-3及び比較例2,3において、すべての凹部の寸法は略同じである。
1. 試料の作製
軟質ポリウレタンフォームを用いて、実施例1-3及び比較例1-3のシートパッドを作製した。軟質ポリウレタンフォーム原料の配合は、サンプルサイズ400mm×400mm×62mmの発泡樹脂成形体を作製して測定した場合に、25%圧縮硬さ(JIS K6400-2(2012年版)D法に準拠) 240N、見掛け密度(JIS K 7222(2005年版)準拠) 76kg/m3となるような配合とした。ポリウレタンフォーム原料の配合と成形型への投入量は、いずれの実施例及び比較例においても、同じ配合、同じINDEXとし、見掛け密度(JIS K 7222(2005年版)準拠) 76kg/m3となるように調整した。
軟質ポリウレタンフォームを用いて、実施例1-3及び比較例1-3のシートパッドを作製した。軟質ポリウレタンフォーム原料の配合は、サンプルサイズ400mm×400mm×62mmの発泡樹脂成形体を作製して測定した場合に、25%圧縮硬さ(JIS K6400-2(2012年版)D法に準拠) 240N、見掛け密度(JIS K 7222(2005年版)準拠) 76kg/m3となるような配合とした。ポリウレタンフォーム原料の配合と成形型への投入量は、いずれの実施例及び比較例においても、同じ配合、同じINDEXとし、見掛け密度(JIS K 7222(2005年版)準拠) 76kg/m3となるように調整した。
1.1 比較例1
400mm×400mm×62mmのシートパッドを作製した。このシートパッドは、裏面及び表面のいずれにも凹部を形成しなかった。
1.2 実施例1
400mm×400mm×62mmのシートパッドを作製した。このシートパッドは、成形型の上型に入れ子をセットして、裏面のみに複数の凹部を形成した。複数の凹部は、裏面における314mm×314mmの領域に、1辺26.9mmの正方格子状に、140個設けた。凹部は、深さ10mmとした。凹部の開口は、直径10mmの円形状とした。実施例1のシートパッドについて、裏面から5mmの位置で切断した断面の一部拡大断面図を図4に示す。実施例1のシートパッドについて、最も面積の小さい四角形を示す断面図を図5に示す。
1.3 実施例2
400mm×400mm×62mmのシートパッドを作製した。このシートパッドは、成形型の上型に入れ子をセットして、裏面のみに複数の凹部を形成した。複数の凹部は、裏面における314mm×314mmの領域に、1辺26.9mmの正方格子状に、140個設けた。凹部は、深さ20mmとした。凹部の開口は、直径10mmの円形状とした。実施例2のシートパッドの断面図を図6に示す。
1.4 実施例3
400mm×400mm×62mmのシートパッドを作製した。このシートパッドは、成形型の上型に入れ子をセットして、裏面のみに複数の凹部を形成した。複数の凹部は、裏面における314mm×314mmの領域に、1辺38mmの正方格子状に、77個設けた。凹部は、深さ10mmとした。凹部の開口は、直径10mmの円形状とした。実施例3のシートパッドについて、裏面から5mmの位置で切断した断面の一部拡大断面図を図7に示す。実施例3のシートパッドについて、最も面積の小さい四角形を示す断面図を図8に示す。
1.5 比較例2
400mm×400mm×62mmのシートパッドを作製した。このシートパッドは、成形型の下型に入れ子をセットして、表面のみに複数の凹部を形成した。複数の凹部は、表面における314mm×314mmの領域に、実施例2と同様の寸法、形状、及び配置で設けた。
1.6 比較例3
400mm×400mm×62mmのシートパッドを作製した。このシートパッドは、成形型の下型に入れ子をセットして、表面のみに複数の凹部を形成した。複数の凹部は、表面における314mm×314mmの領域に、実施例3と同様の寸法、形状、及び配置で設けた。
400mm×400mm×62mmのシートパッドを作製した。このシートパッドは、裏面及び表面のいずれにも凹部を形成しなかった。
1.2 実施例1
400mm×400mm×62mmのシートパッドを作製した。このシートパッドは、成形型の上型に入れ子をセットして、裏面のみに複数の凹部を形成した。複数の凹部は、裏面における314mm×314mmの領域に、1辺26.9mmの正方格子状に、140個設けた。凹部は、深さ10mmとした。凹部の開口は、直径10mmの円形状とした。実施例1のシートパッドについて、裏面から5mmの位置で切断した断面の一部拡大断面図を図4に示す。実施例1のシートパッドについて、最も面積の小さい四角形を示す断面図を図5に示す。
1.3 実施例2
400mm×400mm×62mmのシートパッドを作製した。このシートパッドは、成形型の上型に入れ子をセットして、裏面のみに複数の凹部を形成した。複数の凹部は、裏面における314mm×314mmの領域に、1辺26.9mmの正方格子状に、140個設けた。凹部は、深さ20mmとした。凹部の開口は、直径10mmの円形状とした。実施例2のシートパッドの断面図を図6に示す。
1.4 実施例3
400mm×400mm×62mmのシートパッドを作製した。このシートパッドは、成形型の上型に入れ子をセットして、裏面のみに複数の凹部を形成した。複数の凹部は、裏面における314mm×314mmの領域に、1辺38mmの正方格子状に、77個設けた。凹部は、深さ10mmとした。凹部の開口は、直径10mmの円形状とした。実施例3のシートパッドについて、裏面から5mmの位置で切断した断面の一部拡大断面図を図7に示す。実施例3のシートパッドについて、最も面積の小さい四角形を示す断面図を図8に示す。
1.5 比較例2
400mm×400mm×62mmのシートパッドを作製した。このシートパッドは、成形型の下型に入れ子をセットして、表面のみに複数の凹部を形成した。複数の凹部は、表面における314mm×314mmの領域に、実施例2と同様の寸法、形状、及び配置で設けた。
1.6 比較例3
400mm×400mm×62mmのシートパッドを作製した。このシートパッドは、成形型の下型に入れ子をセットして、表面のみに複数の凹部を形成した。複数の凹部は、表面における314mm×314mmの領域に、実施例3と同様の寸法、形状、及び配置で設けた。
2. 評価方法
実施例1-3及び比較例1-3のシートパッドについて、JIS K6400-2(2012年版)に規定されるD法に準拠して圧縮たわみ試験を行って、力-たわみ曲線を取得した。シートパッドの圧縮時の加圧から減圧に折り返す荷重は1000Nとした。実施例1-3及び比較例1のシートパッドについて、加圧時における荷重と撓み量の関係を図10のグラフに示す。
JIS K6400-2(2012年版)に規定されるD法に準拠して圧縮たわみ試験を行い、25%圧縮硬さ(N)、50%圧縮硬さ(N)、ヒステリシスロス率(%)、圧縮たわみ係数を算出した。
実施形態に記載の方法で応力緩和率(%)を測定した。応力緩和率の数値が小さいほど、着座時の臀部の落ち込みを抑制できる。
実施例1-3及び比較例1-3のシートパッドについて、JIS K6400-2(2012年版)に規定されるD法に準拠して圧縮たわみ試験を行って、力-たわみ曲線を取得した。シートパッドの圧縮時の加圧から減圧に折り返す荷重は1000Nとした。実施例1-3及び比較例1のシートパッドについて、加圧時における荷重と撓み量の関係を図10のグラフに示す。
JIS K6400-2(2012年版)に規定されるD法に準拠して圧縮たわみ試験を行い、25%圧縮硬さ(N)、50%圧縮硬さ(N)、ヒステリシスロス率(%)、圧縮たわみ係数を算出した。
実施形態に記載の方法で応力緩和率(%)を測定した。応力緩和率の数値が小さいほど、着座時の臀部の落ち込みを抑制できる。
3. 結果
結果を表1に併記する。
実施例1-3の25%圧縮硬さは、それぞれ254(N)、278(N)、254(N)であった。実施例1-3の25%圧縮硬さは、比較例1の25%圧縮硬さよりも高かった。シートパッドの裏面に複数の凹部を設けることによって、ポリウレタンフォーム原料の配合を変更せずに、シートパッドを硬くできることが示唆された。シートパッドを硬くできる特性は、凹部の内面に形成されたスキン層によるものと考えられる。実施例1-3のシートパッドは、表面側よりも裏面側の方が相対的に硬くなっていると推測される。すなわち、裏面に複数の凹部を設けてシートパッドを硬くした場合であっても、着座面となる表面側については、柔らかさを確保できる。
結果を表1に併記する。
実施例1-3の25%圧縮硬さは、それぞれ254(N)、278(N)、254(N)であった。実施例1-3の25%圧縮硬さは、比較例1の25%圧縮硬さよりも高かった。シートパッドの裏面に複数の凹部を設けることによって、ポリウレタンフォーム原料の配合を変更せずに、シートパッドを硬くできることが示唆された。シートパッドを硬くできる特性は、凹部の内面に形成されたスキン層によるものと考えられる。実施例1-3のシートパッドは、表面側よりも裏面側の方が相対的に硬くなっていると推測される。すなわち、裏面に複数の凹部を設けてシートパッドを硬くした場合であっても、着座面となる表面側については、柔らかさを確保できる。
実施例1-3の応力緩和率は、それぞれ12.2(%)、13.3(%)、13.3(%)であった。実施例1-3の応力緩和率は、比較例1の応力緩和率よりも低かった。他方、表面側に凹部を設けた比較例2の応力緩和率は、比較例1の応力緩和率と同じであった。表面側に凹部を設けた比較例3の応力緩和率は、比較例1の応力緩和率よりもわずかに低いものの、実施例1-3の応力緩和率ほど低くなかった。シートパッドの裏面に複数の凹部を設けることによって、表面側から荷重が掛かった際の応力緩和率を効果的に低減できることが示唆された。
実施例1-3のうち、凹部の深さが20mmである実施例2は、凹部の深さが10mmである実施例1,3よりも25%圧縮硬さが高かった。凹部の深さが高い程、シートパッドを硬くできることが示唆された。これは、凹部の深さが高い程、シートパッドの裏面側のスキン層が着座面に近いところまで形成され、シートパッドの裏面側における密度の高い層(相対的に硬い層)が厚くなるためであると推測される。
4.実施例の効果
以上の実施例のシートパッドによれば、表面の柔軟性を確保しつつ、表面側から荷重が掛かった際の応力緩和率を低減できる。このようなシートパッドによれば、臀部の落ち込みを抑制して、乗り心地を向上できる。また、着座面の柔軟性が確保されるから、着座時の座り心地向上に寄与できる。
以上の実施例のシートパッドによれば、表面の柔軟性を確保しつつ、表面側から荷重が掛かった際の応力緩和率を低減できる。このようなシートパッドによれば、臀部の落ち込みを抑制して、乗り心地を向上できる。また、着座面の柔軟性が確保されるから、着座時の座り心地向上に寄与できる。
本開示は上記で詳述した実施例に限定されず、本開示の範囲で様々な変形又は変更が可能である。
10,110,210,310…シートパッド
10A…表面
10B…裏面
20,120,220,320…凹部
21…スキン層を含む密度が高い層
25…底面
10A…表面
10B…裏面
20,120,220,320…凹部
21…スキン層を含む密度が高い層
25…底面
Claims (5)
- ポリウレタンフォーム製のシートパッドであって、
前記シートパッドの裏面における少なくとも一部の領域に、複数の凹部が点在しており、
前記凹部の内面に、スキン層が形成されており、
前記シートパッドの裏面から5mmの位置で切断した断面に現れる前記凹部の開口について、
複数の前記開口の中心を結んで形成される四角形のうち、最も面積の小さい四角形の面積をAmm2とし、
前記最も面積の小さい四角形に占める前記開口の面積をBmm2とした場合に、
(B/A)×100<30
を満たす、シートパッド。 - 前記最も面積の小さい四角形を構成する4つの前記凹部について、次の(a)-(c)の少なくとも1つを満たす、請求項1に記載のシートパッド。
(a)各前記凹部の深さは、10mm以上40mm以下である。
(b)各前記開口の開口径は、5mm以上20mm以下である。
(c)4つの前記開口のうち最も近接する前記開口間の距離は、10mm以上である。 - 前記最も面積の小さい四角形を構成する4つの前記凹部について、
各前記凹部の底面から前記シートパッドの表面までの厚さをCmmとし、各前記凹部の深さをDmmとした場合に、
10≦(D/(C+D))×100≦50
を満たす、請求項1又は請求項2に記載のシートパッド。 - JIS K6400-2 (2012年版) D法に準拠して測定される25%圧縮硬さが245N以上である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のシートパッド。
- 応力緩和率が14%以下である、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のシートパッド。
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