JP2022121316A - ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】溶接金属の耐食性が優れており、全姿勢溶接でのアーク安定性、ビード形状、スラグ剥離性等の溶接作業性が良好であるとともに、優れた機械的特性を有する溶接金属を得ることができるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを提供する。【解決手段】鋼製外皮にフラックスが充填された、耐食鋼用のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤであって、ワイヤ全質量あたり、TiO2、SiO2、ZrO2、Al2O3、MnO、C、Si、Mn、Mo、Cu、Mg、Na+K、及びFをそれぞれ所定範囲で含有するとともに、Al:0.15質量%未満であり、残部がFe及び不可避的不純物からなる。【選択図】なし
Description
本発明は、ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤに関する。
一般に、原油タンクには溶接構造用鋼が用いられており、母材の強度及び靱性、並びに、溶接部の強度及び靱性が求められている。さらに、以下に記述する理由から、最近では母材及び溶接部における耐食性が要求されている。
例えば、タンカーの原油タンクの内面、特に上甲板裏面及び側壁上部に用いられている鋼材には、全面腐食が生じることが知られている。この全面腐食が起こる原因としては、
(1)昼夜の温度差による鋼板表面への結露と乾燥(乾湿)の繰り返し、
(2)ボイラ又はエンジンの排ガス等を洗浄、冷却して作られ、原油タンク内に防爆用に封入されるイナートガス(例えば、O2が約5体積%、CO2が約13体積%、SO2が約0.01体積%、残部がN2である。)中のO2、CO2及びSO2の結露水への溶け込み、
(3)原油から揮発するH2S等の腐食性ガスの結露水への溶け込み、
(4)原油タンクの洗浄に使用された海水の残留、
などが挙げられる。
(1)昼夜の温度差による鋼板表面への結露と乾燥(乾湿)の繰り返し、
(2)ボイラ又はエンジンの排ガス等を洗浄、冷却して作られ、原油タンク内に防爆用に封入されるイナートガス(例えば、O2が約5体積%、CO2が約13体積%、SO2が約0.01体積%、残部がN2である。)中のO2、CO2及びSO2の結露水への溶け込み、
(3)原油から揮発するH2S等の腐食性ガスの結露水への溶け込み、
(4)原油タンクの洗浄に使用された海水の残留、
などが挙げられる。
一方、タンカーの原油タンク等の底板に用いられる鋼材には、原油そのものの腐食抑制作用や原油タンク内面に形成される原油由来の保護性コート(オイルコート)の腐食抑制作用によって、腐食は生じないものと考えられていた。しかし、最近の研究によって、タンク底板の鋼材においても、お椀型の局部腐食(孔食)が発生することが明らかになった。この局部腐食が起こる原因としては、
(1)塩化ナトリウムを代表とする塩類が高濃度に溶解した凝集水の存在、
(2)過剰な洗浄によるオイルコートの離脱、
(3)原油中に含まれる硫化物の高濃度化、
(4)結露水に溶け込んだ防爆用イナートガス中のO2、CO2、SO2等の高濃度化、などが挙げられる。
上記のような全面腐食や局部腐食を防止する最も有効な方法としては、鋼材表面に重塗装を施し、鋼材を腐食環境から遮断する方法がある。しかし、原油タンクの塗装作業は、その塗布する面積が膨大であること、また、塗膜の劣化により、約10年に1度は塗り替えが必要となることから、検査や塗装に膨大な費用が発生する。
(1)塩化ナトリウムを代表とする塩類が高濃度に溶解した凝集水の存在、
(2)過剰な洗浄によるオイルコートの離脱、
(3)原油中に含まれる硫化物の高濃度化、
(4)結露水に溶け込んだ防爆用イナートガス中のO2、CO2、SO2等の高濃度化、などが挙げられる。
上記のような全面腐食や局部腐食を防止する最も有効な方法としては、鋼材表面に重塗装を施し、鋼材を腐食環境から遮断する方法がある。しかし、原油タンクの塗装作業は、その塗布する面積が膨大であること、また、塗膜の劣化により、約10年に1度は塗り替えが必要となることから、検査や塗装に膨大な費用が発生する。
そこで、鋼材自体及び溶接継手の耐食性を改善して、原油タンクの腐食環境下における耐食性を改善する種々の技術が提案されている。例えば、特許文献1~4には、耐食性の向上を図った溶接継手が開示されている。また、特許文献5には、耐食性の向上を図った溶接ワイヤが開示されている。
しかしながら、上記特許文献1~4に記載の発明は、溶接継手に含有される成分を限定したものであり、溶接材料及び溶接母材の成分含有量を考慮する必要があるため、その調整が困難であった。
また、特許文献5に記載の溶接材料(フラックス入りワイヤ)は、ワイヤ中に含有される成分の含有量を規定することにより、耐食性の向上を図ったものであるが、溶接作業性については十分に検討されていない。特に、原油タンク等の製造時には、全姿勢溶接による溶接作業性が優れていることが要求されるため、アーク安定性、ビード形状、スラグ剥離性等が優れているとともに、良好な機械的特性(引張強度及び衝撃特性)を有する溶接金属を得ることができるフラックス入りワイヤについて、更なる検討の余地があった。
また、特許文献5に記載の溶接材料(フラックス入りワイヤ)は、ワイヤ中に含有される成分の含有量を規定することにより、耐食性の向上を図ったものであるが、溶接作業性については十分に検討されていない。特に、原油タンク等の製造時には、全姿勢溶接による溶接作業性が優れていることが要求されるため、アーク安定性、ビード形状、スラグ剥離性等が優れているとともに、良好な機械的特性(引張強度及び衝撃特性)を有する溶接金属を得ることができるフラックス入りワイヤについて、更なる検討の余地があった。
本発明は、上述した状況に鑑みてなされたものであり、溶接金属の耐食性が優れており、全姿勢溶接でのアーク安定性、ビード形状、スラグ剥離性等の溶接作業性が良好であるとともに、優れた機械的特性を有する溶接金属を得ることができる、耐食鋼の全姿勢溶接に用いられるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを提供することを目的とする。
ここで、耐食鋼とは、国際海事機関(IMO)で規定される原油タンク底板用ならびに、原油タンク上板用それぞれの耐食性評価腐食試験において、所定の耐食性能を満足する鋼を指す。具体的には、底板用耐食鋼であれば、その評価腐食試験における腐食速度が1mm/年以下となり、上板用耐食鋼であれば、その評価腐食試験における25年後の推定腐食量が2mm以下となる鋼を指す。
本発明の一態様に係るガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤは、鋼製外皮にフラックスが充填された、耐食鋼用のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤであって、
ワイヤ全質量あたり、
TiO2:3.5質量%以上7.0質量%以下、
SiO2:0.3質量%以上1.5質量%以下、
ZrO2:0.1質量%以上1.0質量%以下、
Al2O3:0.1質量%以上0.7質量%以下、
MnO:0.03質量%以上0.50質量%以下、
C:0.01質量%以上0.10質量%以下、
Si:0.1質量%以上1.0質量%以下、
Mn:0.5質量%以上3.5質量%以下、
Mo:0.05質量%以上0.4質量%以下、
Cu:0.10質量%以上0.5質量%以下、
Mg:0.2質量%以上0.8質量%以下、
Na+K:0.02質量%以上0.30質量%以下、及び
F:0.01質量%以上0.20質量%以下、
を含有し、
Al:0.15質量%未満であり、
残部がFe及び不可避的不純物からなるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
ワイヤ全質量あたり、
TiO2:3.5質量%以上7.0質量%以下、
SiO2:0.3質量%以上1.5質量%以下、
ZrO2:0.1質量%以上1.0質量%以下、
Al2O3:0.1質量%以上0.7質量%以下、
MnO:0.03質量%以上0.50質量%以下、
C:0.01質量%以上0.10質量%以下、
Si:0.1質量%以上1.0質量%以下、
Mn:0.5質量%以上3.5質量%以下、
Mo:0.05質量%以上0.4質量%以下、
Cu:0.10質量%以上0.5質量%以下、
Mg:0.2質量%以上0.8質量%以下、
Na+K:0.02質量%以上0.30質量%以下、及び
F:0.01質量%以上0.20質量%以下、
を含有し、
Al:0.15質量%未満であり、
残部がFe及び不可避的不純物からなるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
上記ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤは、さらに、ワイヤ全質量あたり、Ti:0.05質量%以上0.50質量%以下、及びB:0.001質量%以上0.020質量%以下、から選択された少なくとも一種を含有することが好ましい。
また、上記ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤは、さらに、ワイヤ全質量あたり、Sb:0.01質量%以上0.20質量%以下、及びSn:0.01質量%以上0.20質量%以下、から選択された少なくとも一種を含有することが好ましい。
本発明によれば、溶接金属の耐食性が優れており、全姿勢溶接でのアーク安定性、ビード形状等の溶接作業性が良好であるとともに、優れた機械的特性を有する溶接金属を得ることができる、ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態(本実施形態)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、任意に変更して実施することができる。
本発明者らは上記課題を解決するため、フラックス入りワイヤ中の酸化物成分や金属成分等の各種成分の含有量について鋭意検討を行った。その結果、溶接金属の耐食性が優れており、全姿勢溶接でのアーク安定性、ビード形状、スラグ剥離性等の溶接作業性が良好であるとともに、優れた機械的特性を有する溶接金属を得ることができるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤが得られることを見出した。
すなわち、本実施形態に係るフラックス入りワイヤは、ワイヤ全質量に対して各化学成分が所定の含有量となるものである。以下、本実施形態に係るフラックス入りワイヤについて説明する。
〔1.フラックス入りワイヤ〕
本実施形態のフラックス入りワイヤは、鋼製外皮(フープ)内にフラックスが充填されたものである。詳細には、本実施形態に係るフラックス入りワイヤは、筒状の鋼製外皮と、その外皮の内部(内側)に充填されるフラックスとからなる。なお、フラックス入りワイヤは、外皮に継目のないシームレスタイプ、C断面、重ね断面等のように外皮に継目のあるシームタイプのいずれの形態であってもよい。また、フラックス入りワイヤは、ワイヤ表面(外皮の外側)にCuなどのメッキなどが施されていても、施されていなくてもよい。
本実施形態のフラックス入りワイヤは、鋼製外皮(フープ)内にフラックスが充填されたものである。詳細には、本実施形態に係るフラックス入りワイヤは、筒状の鋼製外皮と、その外皮の内部(内側)に充填されるフラックスとからなる。なお、フラックス入りワイヤは、外皮に継目のないシームレスタイプ、C断面、重ね断面等のように外皮に継目のあるシームタイプのいずれの形態であってもよい。また、フラックス入りワイヤは、ワイヤ表面(外皮の外側)にCuなどのメッキなどが施されていても、施されていなくてもよい。
なお、本実施形態に係るフラックス入りワイヤの鋼製外皮の厚さ、及びワイヤ径(直径)は、特に限定されるものではないが、ワイヤ送給安定性の観点から、好ましいワイヤ径は0.8~4.0mmであり、より好ましいワイヤ径は1.2~2.4mmである。
次に、本実施形態に係るフラックス入りワイヤの組成について、その成分添加理由及び組成限定理由について詳細に説明する。なお、所要の特性を有する溶接金属を得るための各元素は、鋼製外皮、充填フラックスのいずれから添加されていてもよい。したがって、以下の説明において特に断りのない限り、フラックス入りワイヤ中の各成分量は鋼製外皮中及びフラックス中に含有される成分の合計量を、ワイヤ全質量(鋼製外皮と、外皮内のフラックスの合計量)あたりの含有量とした値で規定される。
<TiO2:3.5質量%以上7.0質量%以下>
TiO2は、一般的にスラグ形成剤として添加される成分であり、アークの安定性を向上させ、ビード表面を均一に被覆してビード形状を向上させる作用を有する。
TiO2含有量が3.5質量%未満では、溶融金属を支えるだけのスラグ量を確保することができず、溶融金属の垂れ落ちが生じたり、スラグの被包性の悪化のため、ビード形状が悪化する。したがって、ワイヤ中のTiO2含有量は3.5質量%以上とし、好ましくは4.0質量%以上、より好ましくは4.5質量%以上とする。
一方、TiO2含有量が7.0質量%を超えると、アークが不安定となり、スパッタの発生が増加する。また、スラグ量が増加するためスラグ形成厚さが過剰となり、ビード形状が劣化する。したがって、ワイヤ中のTiO2含有量は7.0質量%以下とし、好ましくは6.5質量%以下、より好ましくは6.0質量%以下とする。
なお、TiO2含有量とは、ワイヤ中に含有される全てのTi化合物の含有量をTiO2に換算した値を意味する。例えば、上記TiO2換算値は、ワイヤ中に化合物の状態で含まれるTiが全てTiO2であるとして求められる。
TiO2は、一般的にスラグ形成剤として添加される成分であり、アークの安定性を向上させ、ビード表面を均一に被覆してビード形状を向上させる作用を有する。
TiO2含有量が3.5質量%未満では、溶融金属を支えるだけのスラグ量を確保することができず、溶融金属の垂れ落ちが生じたり、スラグの被包性の悪化のため、ビード形状が悪化する。したがって、ワイヤ中のTiO2含有量は3.5質量%以上とし、好ましくは4.0質量%以上、より好ましくは4.5質量%以上とする。
一方、TiO2含有量が7.0質量%を超えると、アークが不安定となり、スパッタの発生が増加する。また、スラグ量が増加するためスラグ形成厚さが過剰となり、ビード形状が劣化する。したがって、ワイヤ中のTiO2含有量は7.0質量%以下とし、好ましくは6.5質量%以下、より好ましくは6.0質量%以下とする。
なお、TiO2含有量とは、ワイヤ中に含有される全てのTi化合物の含有量をTiO2に換算した値を意味する。例えば、上記TiO2換算値は、ワイヤ中に化合物の状態で含まれるTiが全てTiO2であるとして求められる。
<SiO2:0.3質量%以上1.5質量%以下>
SiO2は、一般的にスラグ形成剤として添加される成分であり、アークの安定性を向上させる作用を有する。
SiO2含有量が0.3質量%未満では、アークが不安定となってスパッタの発生量が増加する。したがって、ワイヤ中のSiO2含有量は0.3質量%以上とし、好ましくは0.4質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上とする。
一方、SiO2含有量が1.5質量%を超えると、スラグが固くなりスラグ剥離性が低下する。したがって、ワイヤ中のSiO2含有量は1.5質量%以下とし、好ましくは1.3質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下とする。
なお、SiO2含有量とは、ワイヤ中に含有される全てのSi化合物の含有量をSiO2に換算した値を意味する。
SiO2は、一般的にスラグ形成剤として添加される成分であり、アークの安定性を向上させる作用を有する。
SiO2含有量が0.3質量%未満では、アークが不安定となってスパッタの発生量が増加する。したがって、ワイヤ中のSiO2含有量は0.3質量%以上とし、好ましくは0.4質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上とする。
一方、SiO2含有量が1.5質量%を超えると、スラグが固くなりスラグ剥離性が低下する。したがって、ワイヤ中のSiO2含有量は1.5質量%以下とし、好ましくは1.3質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下とする。
なお、SiO2含有量とは、ワイヤ中に含有される全てのSi化合物の含有量をSiO2に換算した値を意味する。
<ZrO2:0.1質量%以上1.0質量%以下>
ZrO2は、ビードの平滑性を向上させる効果を有する成分である。
ZrO2含有量が0.1質量%未満では、下向及び水平すみ肉溶接におけるビードの平滑性が低下しやすくなる。したがって、ワイヤ中のZrO2含有量は0.1質量%以上とし、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上とする。
一方、ZrO2含有量が1.0質量%を超えると、水平すみ肉溶接において、等脚性が低下しやすくなり、また、立向姿勢でのビード形状が凸形状に近くなる。したがって、ワイヤ中のZrO2含有量は1.0質量%以下とし、好ましくは0.7質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下とする。
なお、ZrO2含有量とは、ワイヤ中に含有される全てのZr化合物の含有量をZrO2に換算した値を意味する。
ZrO2は、ビードの平滑性を向上させる効果を有する成分である。
ZrO2含有量が0.1質量%未満では、下向及び水平すみ肉溶接におけるビードの平滑性が低下しやすくなる。したがって、ワイヤ中のZrO2含有量は0.1質量%以上とし、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上とする。
一方、ZrO2含有量が1.0質量%を超えると、水平すみ肉溶接において、等脚性が低下しやすくなり、また、立向姿勢でのビード形状が凸形状に近くなる。したがって、ワイヤ中のZrO2含有量は1.0質量%以下とし、好ましくは0.7質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下とする。
なお、ZrO2含有量とは、ワイヤ中に含有される全てのZr化合物の含有量をZrO2に換算した値を意味する。
<Al2O3:0.1質量%以上0.7質量%以下>
Al2O3は、スラグ凝固点を上昇させる作用を有する成分である。
Al2O3含有量が0.1質量%未満では、スラグ凝固点を上昇させる効果を得ることができず、溶融金属が垂れてしまう。したがって、ワイヤ中のAl2O3含有量は0.1質量%以上とし、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上とする。
一方、Al2O3含有量が0.7質量%を超えると、ビード形状が劣化する。したがって、ワイヤ中のAl2O3含有量は0.7質量%以下とし、好ましくは0.6質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下とする。
なお、Al2O3含有量とは、ワイヤ中に含有される全てのAl化合物の含有量をAl2O3に換算した値を意味する。
Al2O3は、スラグ凝固点を上昇させる作用を有する成分である。
Al2O3含有量が0.1質量%未満では、スラグ凝固点を上昇させる効果を得ることができず、溶融金属が垂れてしまう。したがって、ワイヤ中のAl2O3含有量は0.1質量%以上とし、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上とする。
一方、Al2O3含有量が0.7質量%を超えると、ビード形状が劣化する。したがって、ワイヤ中のAl2O3含有量は0.7質量%以下とし、好ましくは0.6質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下とする。
なお、Al2O3含有量とは、ワイヤ中に含有される全てのAl化合物の含有量をAl2O3に換算した値を意味する。
<MnO:0.03質量%以上0.50質量%以下>
MnOは、溶融金属の粘性を低下させるとともに、流動性を向上させる効果を有する成分である。
MnO含有量が0.03質量%未満では、これらの効果を十分に得ることができず、母材とのなじみ性が低下し、ビード形状が悪化する。したがって、ワイヤ中のMnO含有量は0.03質量%以上とし、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.10質量%以上とする。
一方、MnO含有量が0.50質量%を超えると、ヒューム及びスパッタの発生量が増加するとともに、溶融スラグの粘性が低下し、ビード形状が不良となる。したがって、ワイヤ中のMnO含有量は0.50質量%以下とし、好ましくは0.30質量%以下、より好ましくは0.20質量%以下とする。
なお、MnO含有量とは、ワイヤ中に含有される全てのMn化合物の含有量をMnOに換算した値を意味する。
MnOは、溶融金属の粘性を低下させるとともに、流動性を向上させる効果を有する成分である。
MnO含有量が0.03質量%未満では、これらの効果を十分に得ることができず、母材とのなじみ性が低下し、ビード形状が悪化する。したがって、ワイヤ中のMnO含有量は0.03質量%以上とし、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.10質量%以上とする。
一方、MnO含有量が0.50質量%を超えると、ヒューム及びスパッタの発生量が増加するとともに、溶融スラグの粘性が低下し、ビード形状が不良となる。したがって、ワイヤ中のMnO含有量は0.50質量%以下とし、好ましくは0.30質量%以下、より好ましくは0.20質量%以下とする。
なお、MnO含有量とは、ワイヤ中に含有される全てのMn化合物の含有量をMnOに換算した値を意味する。
<C:0.01質量%以上0.10質量%以下>
Cは、溶接金属の強度を向上させる効果を有する成分である。
C含有量が0.01質量%未満では、上記効果を十分に得ることができず、溶接金属の耐力が低下する。したがって、ワイヤ中のC含有量は0.01質量%以上とし、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上とする。
一方、C含有量が0.10質量%を超えると、溶接金属にマルテンサイトが島状に生成し、靱性が低下する。したがって、ワイヤ中のC含有量は、0.10質量%以下とし、好ましくは0.07質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下とする。
なお、C源としては、鋼製外皮に添加されるもののほか、フラックスに添加される、炭素量の多い鉄粉や合金粉、グラファイト、黒鉛、カーボンナノチューブのような炭素単体、デンプン、コーンスターチのような有機物などが挙げられる。
Cは、溶接金属の強度を向上させる効果を有する成分である。
C含有量が0.01質量%未満では、上記効果を十分に得ることができず、溶接金属の耐力が低下する。したがって、ワイヤ中のC含有量は0.01質量%以上とし、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上とする。
一方、C含有量が0.10質量%を超えると、溶接金属にマルテンサイトが島状に生成し、靱性が低下する。したがって、ワイヤ中のC含有量は、0.10質量%以下とし、好ましくは0.07質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下とする。
なお、C源としては、鋼製外皮に添加されるもののほか、フラックスに添加される、炭素量の多い鉄粉や合金粉、グラファイト、黒鉛、カーボンナノチューブのような炭素単体、デンプン、コーンスターチのような有機物などが挙げられる。
<Si:0.1質量%以上1.0質量%以下>
Siは、溶接部の延性確保、ビード形状維持のためにワイヤに添加される成分である。
Si含有量が0.1質量%未満では、脱酸不足のため溶接部の強度が低下し、靱性も低下する。また、ビード形状が悪くなり、特に立向上進溶接でビードが垂れ、溶接作業性が低下する。したがって、ワイヤ中のSi含有量は0.1質量%以上とし、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上とする。
一方、Si含有量が1.0質量%を超えると、溶接部の強度が過大になり、靱性が低下する。また、溶接部に高温割れが発生する。したがって、ワイヤ中のSi含有量は1.0質量%以下とし、好ましくは0.7質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下とする。
なお、Si含有量とは、ワイヤ中に含まれる金属の単体及び合金に含まれるSiの含有量の合計を意味する。Si酸化物等の化合物中に含まれるSiは、前述のSi含有量には含まれない。
Siは、溶接部の延性確保、ビード形状維持のためにワイヤに添加される成分である。
Si含有量が0.1質量%未満では、脱酸不足のため溶接部の強度が低下し、靱性も低下する。また、ビード形状が悪くなり、特に立向上進溶接でビードが垂れ、溶接作業性が低下する。したがって、ワイヤ中のSi含有量は0.1質量%以上とし、好ましくは0.2質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上とする。
一方、Si含有量が1.0質量%を超えると、溶接部の強度が過大になり、靱性が低下する。また、溶接部に高温割れが発生する。したがって、ワイヤ中のSi含有量は1.0質量%以下とし、好ましくは0.7質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下とする。
なお、Si含有量とは、ワイヤ中に含まれる金属の単体及び合金に含まれるSiの含有量の合計を意味する。Si酸化物等の化合物中に含まれるSiは、前述のSi含有量には含まれない。
<Mn:0.5質量%以上3.5質量%以下>
Mnは、脱酸剤として溶接金属中の酸素をスラグとして除去し、機械的性質を向上させる効果を有する成分である。
Mn含有量が0.5質量%未満では、上記効果を十分に得ることができない。したがって、ワイヤ中のMn含有量は0.5質量%以上とし、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上とする。
一方、Mn含有量が3.5質量%を超えると、溶接金属の強度が過大になり、靱性が低下する。したがって、ワイヤ中のMn含有量は3.5質量%以下とし、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下とする。
なお、Mn含有量とは、ワイヤ中に含まれる金属の単体及び合金に含まれるMnの合計を意味する。
Mnは、脱酸剤として溶接金属中の酸素をスラグとして除去し、機械的性質を向上させる効果を有する成分である。
Mn含有量が0.5質量%未満では、上記効果を十分に得ることができない。したがって、ワイヤ中のMn含有量は0.5質量%以上とし、好ましくは1.0質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上とする。
一方、Mn含有量が3.5質量%を超えると、溶接金属の強度が過大になり、靱性が低下する。したがって、ワイヤ中のMn含有量は3.5質量%以下とし、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下とする。
なお、Mn含有量とは、ワイヤ中に含まれる金属の単体及び合金に含まれるMnの合計を意味する。
<Mo:0.05質量%以上0.4質量%以下>
Moは、タンカー油槽部底板における溶接金属部の孔食を抑制するだけではなく、タンカー上甲板裏面における溶接金属部の耐全面腐食を抑制する効果を有する成分である。Moがこのような耐食性向上効果を有する理由としては、鋼板の腐食に伴ってMoO4 2-が生成し、このMoO4 2-の存在によって、塩化物イオンの鋼板表面への侵入が抑制されるからと考えられる。
Mo含有量が0.05質量%未満では、上記の効果を得ることができない。したがって、ワイヤ中のMo含有量は0.05質量%以上とし、好ましくは0.10質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上とする。
一方、Mo含有量が0.4質量%を超えると、上記効果が飽和するばかりではなく、高温割れの発生や溶接金属部の靱性低下などの問題を引き起こす。したがって、ワイヤ中のMo含有量は0.4質量%以下とし、好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下とする。
なお、Mo含有量とは、ワイヤ中に含まれる金属の単体及び合金に含まれるMoの含有量の合計を意味する。
Moは、タンカー油槽部底板における溶接金属部の孔食を抑制するだけではなく、タンカー上甲板裏面における溶接金属部の耐全面腐食を抑制する効果を有する成分である。Moがこのような耐食性向上効果を有する理由としては、鋼板の腐食に伴ってMoO4 2-が生成し、このMoO4 2-の存在によって、塩化物イオンの鋼板表面への侵入が抑制されるからと考えられる。
Mo含有量が0.05質量%未満では、上記の効果を得ることができない。したがって、ワイヤ中のMo含有量は0.05質量%以上とし、好ましくは0.10質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上とする。
一方、Mo含有量が0.4質量%を超えると、上記効果が飽和するばかりではなく、高温割れの発生や溶接金属部の靱性低下などの問題を引き起こす。したがって、ワイヤ中のMo含有量は0.4質量%以下とし、好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下とする。
なお、Mo含有量とは、ワイヤ中に含まれる金属の単体及び合金に含まれるMoの含有量の合計を意味する。
<Cu:0.10質量%以上0.5質量%以下>
Cuは、腐食によって生成した錆中に存在して耐食性を高める効果がある。
Cu含有量が0.10質量%未満では、溶接金属の耐食性を高める効果を得ることができない。したがって、ワイヤ中のCu含有量は0.10質量%以上とし、好ましくは0.15質量%以上、より好ましくは0.20質量%以上とする。
一方、Cu含有量が0.5質量%を超えると、耐食性を向上させる効果が飽和するばかりではなく、高温割れの発生や溶接金属部の靱性低下などの問題を引き起こす。したがって、ワイヤ中のCu含有量は0.5質量%以下とし、好ましくは0.4質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下とする。
Cuは、腐食によって生成した錆中に存在して耐食性を高める効果がある。
Cu含有量が0.10質量%未満では、溶接金属の耐食性を高める効果を得ることができない。したがって、ワイヤ中のCu含有量は0.10質量%以上とし、好ましくは0.15質量%以上、より好ましくは0.20質量%以上とする。
一方、Cu含有量が0.5質量%を超えると、耐食性を向上させる効果が飽和するばかりではなく、高温割れの発生や溶接金属部の靱性低下などの問題を引き起こす。したがって、ワイヤ中のCu含有量は0.5質量%以下とし、好ましくは0.4質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下とする。
<Mg:0.2質量%以上0.8質量%以下>
Mgは、脱酸元素であり、溶接金属の靱性向上に効果がある。
Mg含有量が0.2質量%未満では、十分な脱酸効果が得られず、溶接金属の靱性向上は期待できない。したがって、ワイヤ中のMg含有量は0.2質量%以上とし、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.4質量%以上とする。
一方、Mg含有量が0.8質量%を超えると、スパッタ量が増加し、溶接作業性が低下する。したがって、ワイヤ中のMg含有量は0.8質量%以下とし、好ましくは0.7質量%以下、より好ましくは0.6質量%以下とする。
なお、Mg含有量とは、ワイヤ中に含まれる金属単体及び合金に含まれるMgの含有量の合計を意味する。
Mgは、脱酸元素であり、溶接金属の靱性向上に効果がある。
Mg含有量が0.2質量%未満では、十分な脱酸効果が得られず、溶接金属の靱性向上は期待できない。したがって、ワイヤ中のMg含有量は0.2質量%以上とし、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.4質量%以上とする。
一方、Mg含有量が0.8質量%を超えると、スパッタ量が増加し、溶接作業性が低下する。したがって、ワイヤ中のMg含有量は0.8質量%以下とし、好ましくは0.7質量%以下、より好ましくは0.6質量%以下とする。
なお、Mg含有量とは、ワイヤ中に含まれる金属単体及び合金に含まれるMgの含有量の合計を意味する。
<Na+K:0.02質量%以上0.30質量%以下>
Na化合物及びK化合物は、アーク安定剤として、いずれか一方又は両方をフラックス中に添加する。ここで、Na+Kは、Na化合物及びK化合物に含まれるNa及びKの合計の含有量を意味する。
Na+Kが総量で0.02質量%未満では、アークの安定化効果が小さく、スパッタ発生量が多くなる。したがって、ワイヤ中のNa+Kは0.02質量%以上とし、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.10質量%以上とする。
一方、Na+Kが総量で0.30質量%を超えると、ビード形状が劣化する。したがって、ワイヤ中のNa+Kは0.30質量%以下とし、好ましくは0.20質量%以下、より好ましくは0.15質量%以下とする。
Na化合物及びK化合物は、アーク安定剤として、いずれか一方又は両方をフラックス中に添加する。ここで、Na+Kは、Na化合物及びK化合物に含まれるNa及びKの合計の含有量を意味する。
Na+Kが総量で0.02質量%未満では、アークの安定化効果が小さく、スパッタ発生量が多くなる。したがって、ワイヤ中のNa+Kは0.02質量%以上とし、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.10質量%以上とする。
一方、Na+Kが総量で0.30質量%を超えると、ビード形状が劣化する。したがって、ワイヤ中のNa+Kは0.30質量%以下とし、好ましくは0.20質量%以下、より好ましくは0.15質量%以下とする。
<F:0.01質量%以上0.20質量%以下>
フッ化物は、溶融プールに侵入した水素ガスの放出を促進する効果を有する。ここで、Fは、フッ化物のF換算値である。
F含有量が0.01質量%未満では、上記効果が低下し、溶接金属中の拡散性水素量が増加するため、溶接金属の低温割れが発生しやすくなる。したがって、ワイヤ中のF含有量は0.01質量%以上とし、好ましくは0.03質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上とする。
一方、F含有量が0.20質量%を超えると、スパッタの発生量が増加して、溶接作業性が低下する。したがって、ワイヤ中のF含有量は0.20質量%以下とし、好ましくは0.15質量%以下、より好ましくは0.10質量%以下とする。
フッ化物は、溶融プールに侵入した水素ガスの放出を促進する効果を有する。ここで、Fは、フッ化物のF換算値である。
F含有量が0.01質量%未満では、上記効果が低下し、溶接金属中の拡散性水素量が増加するため、溶接金属の低温割れが発生しやすくなる。したがって、ワイヤ中のF含有量は0.01質量%以上とし、好ましくは0.03質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上とする。
一方、F含有量が0.20質量%を超えると、スパッタの発生量が増加して、溶接作業性が低下する。したがって、ワイヤ中のF含有量は0.20質量%以下とし、好ましくは0.15質量%以下、より好ましくは0.10質量%以下とする。
<Al:0.15質量%未満>
Alは、脱酸剤として作用する元素である。
Alが0.15質量%を超えて過剰にワイヤ中に含有されると、介在物起点のアシキュラーフェライトの生成が低調となり、溶接金属の低温靱性が低下する。したがって、ワイヤ中のAl含有量は0.15質量%未満とし、0.10質量%未満に制限することが好ましく、0.05質量%未満に制限することがより好ましい。
なお、Al含有量とは、ワイヤ中に含まれる金属のAl単体及び合金に含まれるAl含有量の合計を意味する。
Alは、脱酸剤として作用する元素である。
Alが0.15質量%を超えて過剰にワイヤ中に含有されると、介在物起点のアシキュラーフェライトの生成が低調となり、溶接金属の低温靱性が低下する。したがって、ワイヤ中のAl含有量は0.15質量%未満とし、0.10質量%未満に制限することが好ましく、0.05質量%未満に制限することがより好ましい。
なお、Al含有量とは、ワイヤ中に含まれる金属のAl単体及び合金に含まれるAl含有量の合計を意味する。
<Ti:0.05質量%以上0.50質量%以下>
本実施形態に係るフラックス入りワイヤは、さらに、任意成分として、Tiを含有してもよい。ワイヤにTiを含有させることにより、得られる溶接金属の靱性を向上させることができる。
Ti含有量が0.05質量%以上であれば、上記効果を得ることができる。したがって、ワイヤ中にTiを含有させる場合、ワイヤ中のTi含有量は0.05質量%以上とすることが好ましく、0.10質量%以上とすることがより好ましく、0.15質量%以上とすることが更に好ましい。
一方、Ti含有量が0.50質量%以下であれば、得られる溶接金属の靱性と強度をバランスよく向上させることができる。したがって、ワイヤ中にTiを含有させる場合、ワイヤ中のTi含有量は0.50質量%以下とすることが好ましく、0.30質量%以下とすることがより好ましく、0.20質量%以下とすることが更に好ましい。
なお、Ti含有量とは、ワイヤ中に含まれる金属の単体及び合金の状態のTiに含まれるTiの合計を意味する。
本実施形態に係るフラックス入りワイヤは、さらに、任意成分として、Tiを含有してもよい。ワイヤにTiを含有させることにより、得られる溶接金属の靱性を向上させることができる。
Ti含有量が0.05質量%以上であれば、上記効果を得ることができる。したがって、ワイヤ中にTiを含有させる場合、ワイヤ中のTi含有量は0.05質量%以上とすることが好ましく、0.10質量%以上とすることがより好ましく、0.15質量%以上とすることが更に好ましい。
一方、Ti含有量が0.50質量%以下であれば、得られる溶接金属の靱性と強度をバランスよく向上させることができる。したがって、ワイヤ中にTiを含有させる場合、ワイヤ中のTi含有量は0.50質量%以下とすることが好ましく、0.30質量%以下とすることがより好ましく、0.20質量%以下とすることが更に好ましい。
なお、Ti含有量とは、ワイヤ中に含まれる金属の単体及び合金の状態のTiに含まれるTiの合計を意味する。
<B:0.001質量%以上0.020質量%以下>
本実施形態に係るフラックス入りワイヤは、さらに、任意成分として、Bを含有してもよい。ワイヤにBを含有させることにより、得られる溶接金属の靱性を向上させることができる。Bは化合物の形態で含有される。
B含有量が0.001質量%以上であれば、上記効果を得ることができる。したがって、ワイヤ中のB含有量は0.001質量%以上とすることが好ましく、0.003質量%以上とすることがより好ましく、0.005質量%以上とすることが更に好ましい。
一方、B含有量が0.020質量%以下であれば、溶接金属の耐高温割れ性の低下を抑制することができる。したがって、ワイヤ中にBを含有させる場合、ワイヤ中のB含有量は0.020質量%以下とすることが好ましく、0.015質量%以下とすることがより好ましく、0.010質量%以下とすることが更に好ましい。
本実施形態に係るフラックス入りワイヤは、さらに、任意成分として、Bを含有してもよい。ワイヤにBを含有させることにより、得られる溶接金属の靱性を向上させることができる。Bは化合物の形態で含有される。
B含有量が0.001質量%以上であれば、上記効果を得ることができる。したがって、ワイヤ中のB含有量は0.001質量%以上とすることが好ましく、0.003質量%以上とすることがより好ましく、0.005質量%以上とすることが更に好ましい。
一方、B含有量が0.020質量%以下であれば、溶接金属の耐高温割れ性の低下を抑制することができる。したがって、ワイヤ中にBを含有させる場合、ワイヤ中のB含有量は0.020質量%以下とすることが好ましく、0.015質量%以下とすることがより好ましく、0.010質量%以下とすることが更に好ましい。
<Sb:0.01質量%以上0.20質量%以下、及びSn:0.01質量%以上0.20質量%以下から選択された少なくとも一種>
本実施形態に係るフラックス入りワイヤは、さらに、任意成分として、Sb及びSnから選択された少なくとも一種を含有してもよい。Sb及びSnは、タンカー油槽部底板における溶接金属部の孔食を抑制するだけではなく、タンカー上甲板裏面における溶接金属部の耐全面腐食を抑制する効果を有する成分である。上記効果を得るためには、Sb及びSnから選択された少なくとも一種が所定の含有量でワイヤ中に含有されていることが好ましい。
Sb及びSnのいずれか一方又は両方が、Sb含有量が0.01質量%以上又はSn含有量が0.01質量%以上の範囲でワイヤ中に含有されていれば、上記の効果を得ることができる。したがって、ワイヤ中にSbが含有される場合、ワイヤ中のSb含有量は0.01質量%以上とすることが好ましく、0.02質量%以上とすることがより好ましく、0.03質量%以上とすることが更に好ましい。また、ワイヤ中にSnが含有される場合、ワイヤ中のSn含有量は0.01質量%以上とすることが好ましく、0.02質量%以上とすることがより好ましく、0.03質量%以上とすることが更に好ましい。
本実施形態に係るフラックス入りワイヤは、さらに、任意成分として、Sb及びSnから選択された少なくとも一種を含有してもよい。Sb及びSnは、タンカー油槽部底板における溶接金属部の孔食を抑制するだけではなく、タンカー上甲板裏面における溶接金属部の耐全面腐食を抑制する効果を有する成分である。上記効果を得るためには、Sb及びSnから選択された少なくとも一種が所定の含有量でワイヤ中に含有されていることが好ましい。
Sb及びSnのいずれか一方又は両方が、Sb含有量が0.01質量%以上又はSn含有量が0.01質量%以上の範囲でワイヤ中に含有されていれば、上記の効果を得ることができる。したがって、ワイヤ中にSbが含有される場合、ワイヤ中のSb含有量は0.01質量%以上とすることが好ましく、0.02質量%以上とすることがより好ましく、0.03質量%以上とすることが更に好ましい。また、ワイヤ中にSnが含有される場合、ワイヤ中のSn含有量は0.01質量%以上とすることが好ましく、0.02質量%以上とすることがより好ましく、0.03質量%以上とすることが更に好ましい。
一方、Sb含有量が0.20質量%以下、及びSn含有量が0.20質量%以下であれば、上記効果が飽和することなく、高温割れの発生や溶接金属部の靱性低下などの問題が引き起こされるのを抑制することができる。したがって、ワイヤ中にSbが含有される場合、ワイヤ中のSb含有量は0.20質量%以下とすることが好ましく、0.15質量%以下とすることがより好ましく、0.10質量%以下とすることが更に好ましい。また、ワイヤ中にSnが含有される場合、ワイヤ中のSn含有量は0.20質量%以下とすることが好ましく、0.15質量%以下とすることがより好ましく、0.10質量%以下とすることが更に好ましい。
なお、Sb含有量、Sn含有量とは、ワイヤ中に含まれる金属Sb、Sn単体及びSb合金、Sn合金に含まれるSb、Snの含有量の合計を意味する。
なお、Sb含有量、Sn含有量とは、ワイヤ中に含まれる金属Sb、Sn単体及びSb合金、Sn合金に含まれるSb、Snの含有量の合計を意味する。
<Fe:80質量%以上>
Feは、フラックス入りワイヤの主要成分である。溶着量や、他の成分組成の関係から、ワイヤ中のFe含有量は、ワイヤ全質量あたり80質量%以上であることが好ましく、83質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることが更に好ましい。また、ワイヤ中のFe含有量は、ワイヤ全質量あたり93質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。
Feは、フラックス入りワイヤの主要成分である。溶着量や、他の成分組成の関係から、ワイヤ中のFe含有量は、ワイヤ全質量あたり80質量%以上であることが好ましく、83質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることが更に好ましい。また、ワイヤ中のFe含有量は、ワイヤ全質量あたり93質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。
<残部>
本実施形態に係るフラックス入りワイヤの残部には、不可避的不純物が含まれる。
なお、本実施形態に係るフラックス入りワイヤは、上述の含有量を規定した成分及びFeを合計で、ワイヤ全質量に対し95質量%以上とすることが好ましい。
本実施形態に係るフラックス入りワイヤの残部には、不可避的不純物が含まれる。
なお、本実施形態に係るフラックス入りワイヤは、上述の含有量を規定した成分及びFeを合計で、ワイヤ全質量に対し95質量%以上とすることが好ましい。
<その他:フラックス充填率>
本実施形態に係るフラックス入りワイヤのフラックス充填率(=フラックス質量/ワイヤ全質量×100)は、特に限定されない。
ただし、フラックス充填率が10質量%未満であると、アークの安定性が悪くなるとともにスパッタ発生量が増加し、溶接作業性が低下することがあるため、フラックス充填率は好ましくは10質量%以上とし、より好ましくは12質量%以上とする。
一方、フラックス充填率が30質量%を超えると、ワイヤの断線が発生したり、フラックスの充填中に粉がこぼれ落ちたりする等、生産性が低下することから、フラックス充填率は好ましくは30質量%以下とし、より好ましくは25質量%以下とする。
本実施形態に係るフラックス入りワイヤのフラックス充填率(=フラックス質量/ワイヤ全質量×100)は、特に限定されない。
ただし、フラックス充填率が10質量%未満であると、アークの安定性が悪くなるとともにスパッタ発生量が増加し、溶接作業性が低下することがあるため、フラックス充填率は好ましくは10質量%以上とし、より好ましくは12質量%以上とする。
一方、フラックス充填率が30質量%を超えると、ワイヤの断線が発生したり、フラックスの充填中に粉がこぼれ落ちたりする等、生産性が低下することから、フラックス充填率は好ましくは30質量%以下とし、より好ましくは25質量%以下とする。
[2.フラックス入りワイヤの製造方法]
本実施形態に係るフラックス入りワイヤの製造方法は特に限定されないが、例えば、以下に示す方法が挙げられる。
まず、鋼製外皮を構成する鋼帯を準備し、この鋼帯を長手方向に送りながら成形ロールにより成形して、U字状のオープン管にする。次に、所定の成分組成となるように、各種原料を配合したフラックスを鋼製外皮に充填し、その後、断面が円形になるように加工する。その後、冷間加工により伸線し、例えば1.2~2.0mmのワイヤ径のフラックス入りワイヤとする。
なお、冷間加工途中に焼鈍を施してもよい。また、製造の過程で成形した鋼製外皮の合わせ目を溶接した継ぎ目が無いワイヤと、前記合わせ目を溶接せず隙間のまま残すワイヤのいずれの構造も採用することができる。
本実施形態に係るフラックス入りワイヤの製造方法は特に限定されないが、例えば、以下に示す方法が挙げられる。
まず、鋼製外皮を構成する鋼帯を準備し、この鋼帯を長手方向に送りながら成形ロールにより成形して、U字状のオープン管にする。次に、所定の成分組成となるように、各種原料を配合したフラックスを鋼製外皮に充填し、その後、断面が円形になるように加工する。その後、冷間加工により伸線し、例えば1.2~2.0mmのワイヤ径のフラックス入りワイヤとする。
なお、冷間加工途中に焼鈍を施してもよい。また、製造の過程で成形した鋼製外皮の合わせ目を溶接した継ぎ目が無いワイヤと、前記合わせ目を溶接せず隙間のまま残すワイヤのいずれの構造も採用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明についてより詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[フラックス入りワイヤの製造]
原料を適宜配合したフラックスを、鋼製外皮中に充填し、ワイヤ全質量に対するフラックスの割合が12~25質量%となるようにして、ワイヤ径1.2mmのフラックス入りワイヤを作製した。下記表1~3に、発明例及び比較例のフラックス入りワイヤ中の化学成分の含有量(質量%)を示す。
なお、表1~3に示す各化学成分の含有量は、ワイヤ全質量あたりの含有量(質量%)である。また、残部は不可避的不純物である。さらに、表1~3において、各成分組成における“-”なる表記は、組成分析における検出限界値以下であることを意味する。
原料を適宜配合したフラックスを、鋼製外皮中に充填し、ワイヤ全質量に対するフラックスの割合が12~25質量%となるようにして、ワイヤ径1.2mmのフラックス入りワイヤを作製した。下記表1~3に、発明例及び比較例のフラックス入りワイヤ中の化学成分の含有量(質量%)を示す。
なお、表1~3に示す各化学成分の含有量は、ワイヤ全質量あたりの含有量(質量%)である。また、残部は不可避的不純物である。さらに、表1~3において、各成分組成における“-”なる表記は、組成分析における検出限界値以下であることを意味する。
[フラックス入りワイヤの評価]
作製したワイヤを用い、以下に示す各溶接条件でガスシールドアーク溶接を実施し、溶接作業性を評価するとともに、得られた溶接金属の耐食性及び機械的性質を評価した。
作製したワイヤを用い、以下に示す各溶接条件でガスシールドアーク溶接を実施し、溶接作業性を評価するとともに、得られた溶接金属の耐食性及び機械的性質を評価した。
(耐食性評価用の溶接条件)
供試鋼板:上甲板用耐食鋼及び底板用耐食鋼、25mm×(150+150)mm×500mm
開先形状:40°V開先、ルートギャップ4mm
裏当て材:セラミックバッキング
溶接方法:半自動溶接
溶接姿勢:下向き
電流-電圧:180A-25V(初層)、280A-32V(2層目以降)
供試鋼板:上甲板用耐食鋼及び底板用耐食鋼、25mm×(150+150)mm×500mm
開先形状:40°V開先、ルートギャップ4mm
裏当て材:セラミックバッキング
溶接方法:半自動溶接
溶接姿勢:下向き
電流-電圧:180A-25V(初層)、280A-32V(2層目以降)
(機械性能評価用の溶接条件)
供試鋼板:JIS G 3106 SM490A、20mm×(120+120)mm×300mm
開先形状:20°V開先、ルートギャップ16mm
裏当て材:JIS G 3106 SS400
溶接方法:半自動溶接
溶接姿勢:下向き
電流-電圧:280A-32V
供試鋼板:JIS G 3106 SM490A、20mm×(120+120)mm×300mm
開先形状:20°V開先、ルートギャップ16mm
裏当て材:JIS G 3106 SS400
溶接方法:半自動溶接
溶接姿勢:下向き
電流-電圧:280A-32V
<溶接作業性>
≪アーク安定性≫
上記溶接条件によりガスシールドアーク溶接を実施し、溶接時のアーク安定性を評価した。アーク安定性の評価は、アーク安定性が良好であったものを「○」(良好)、アークが不安定となったものを「×」(不良)とした。
≪アーク安定性≫
上記溶接条件によりガスシールドアーク溶接を実施し、溶接時のアーク安定性を評価した。アーク安定性の評価は、アーク安定性が良好であったものを「○」(良好)、アークが不安定となったものを「×」(不良)とした。
≪ビード形状≫
上記溶接条件によりガスシールドアーク溶接を実施した後、得られた溶接部を観察することにより、ビード形状を評価した。ビード形状は目視により評価し、ビード形状が平滑で良好であったものを「○」(良好)、凸形状や垂れた形状等となり不良となったものを「×」(不良)とした。
上記溶接条件によりガスシールドアーク溶接を実施した後、得られた溶接部を観察することにより、ビード形状を評価した。ビード形状は目視により評価し、ビード形状が平滑で良好であったものを「○」(良好)、凸形状や垂れた形状等となり不良となったものを「×」(不良)とした。
≪スラグ剥離性≫
上記溶接条件によりガスシールドアーク溶接を実施した後、得られた溶接部を観察することにより、スラグ剥離性を評価した。スラグ剥離性は、溶接ビード上全体にスラグがかぶっており、極めて除去しやすい状態であったものを「○」(良好)、溶接ビード上全体にスラグがかぶっていない、又はスラグを除去しにくかったものを「×」(不良)とした。
上記溶接条件によりガスシールドアーク溶接を実施した後、得られた溶接部を観察することにより、スラグ剥離性を評価した。スラグ剥離性は、溶接ビード上全体にスラグがかぶっており、極めて除去しやすい状態であったものを「○」(良好)、溶接ビード上全体にスラグがかぶっていない、又はスラグを除去しにくかったものを「×」(不良)とした。
その後、溶接作業性が良好だったものについては、以下に記載する耐食性試験及び機械的性質試験を実施した。
<耐食性>
以下の要領で、上甲板裏を模擬した全面腐食試験と、タンカー底板環境を模擬した局部腐食(孔食)試験を行った。
<耐食性>
以下の要領で、上甲板裏を模擬した全面腐食試験と、タンカー底板環境を模擬した局部腐食(孔食)試験を行った。
(1)「タンカー上甲板環境を模擬した全面腐食試験」
タンカー上甲板裏面における全面腐食に対する耐食性を評価するため、上記表1~3に示すワイヤNo.1~58を使用した厚鋼板溶接継手から試験片を作製し、全面腐食試験を実施した。
全面腐食試験用試験片は、厚鋼板溶接継手の板厚1/4の位置において、溶接金属のみから幅20mm×長さ20mm×厚さ5mmの矩形の小片を切り出し、その表面を600番手のエメリー紙で研磨し、裏面及び端面は腐食しないよう、テープでシールすることにより作製した。
タンカー上甲板裏面における全面腐食に対する耐食性を評価するため、上記表1~3に示すワイヤNo.1~58を使用した厚鋼板溶接継手から試験片を作製し、全面腐食試験を実施した。
全面腐食試験用試験片は、厚鋼板溶接継手の板厚1/4の位置において、溶接金属のみから幅20mm×長さ20mm×厚さ5mmの矩形の小片を切り出し、その表面を600番手のエメリー紙で研磨し、裏面及び端面は腐食しないよう、テープでシールすることにより作製した。
図1は、全面腐食試験に用いた腐食試験装置を示す。
腐食試験装置は、腐食試験槽2と温度制御プレート3とから構成されており、腐食試験槽2には温度が36℃に保持された水6が注入されている。また、水6中には、12体積%のCO2、5体積%のO2、0.01体積%のSO2及び0.3体積%のH2Sを含有し、残部がN2からなる混合ガス(導入ガス4)を導入するとともに、腐食試験槽2の上部から排出ガス5を排出させ、腐食試験槽2内を過飽和の水蒸気で充満することにより、原油タンク上甲板裏の腐食環境を再現した。
全面腐食試験は、腐食試験槽2の上裏面にセットした腐食試験片1に、ヒーターと冷却装置を内蔵した温度制御プレート3を介して25℃×3時間+50℃×21時間を1サイクルとする温度変化を180日間繰り返して付与し、試験片1の表面に結露水を生じさせて、全面腐食を起こさせる環境とした。
腐食試験装置は、腐食試験槽2と温度制御プレート3とから構成されており、腐食試験槽2には温度が36℃に保持された水6が注入されている。また、水6中には、12体積%のCO2、5体積%のO2、0.01体積%のSO2及び0.3体積%のH2Sを含有し、残部がN2からなる混合ガス(導入ガス4)を導入するとともに、腐食試験槽2の上部から排出ガス5を排出させ、腐食試験槽2内を過飽和の水蒸気で充満することにより、原油タンク上甲板裏の腐食環境を再現した。
全面腐食試験は、腐食試験槽2の上裏面にセットした腐食試験片1に、ヒーターと冷却装置を内蔵した温度制御プレート3を介して25℃×3時間+50℃×21時間を1サイクルとする温度変化を180日間繰り返して付与し、試験片1の表面に結露水を生じさせて、全面腐食を起こさせる環境とした。
上記全面腐食試験後、各試験片表面の錆を除去し、試験前後の質量を測定して、腐食による質量の減少量を求め、この値から1年当たりの板厚減少量(片面の腐食速度)に換算することにより耐全面腐食性を評価した。
なお、これまでの知見から、本願発明のワイヤを用いた溶接の対象となる原油タンク用耐食鋼材母材の全面腐食速度は0.08mm/年以下であることが分かっているため、上記試験による板厚減量の換算値が0.08mm/年以下であったものを耐全面腐食性が良好(○)であるとし、0.08mm/年を超えたものを耐全面腐食性が不良(×)であると評価した。上記耐全面腐食性の評価結果が良好であれば、溶接部のみでの著しい腐食を抑制することができる。
なお、これまでの知見から、本願発明のワイヤを用いた溶接の対象となる原油タンク用耐食鋼材母材の全面腐食速度は0.08mm/年以下であることが分かっているため、上記試験による板厚減量の換算値が0.08mm/年以下であったものを耐全面腐食性が良好(○)であるとし、0.08mm/年を超えたものを耐全面腐食性が不良(×)であると評価した。上記耐全面腐食性の評価結果が良好であれば、溶接部のみでの著しい腐食を抑制することができる。
(2)「タンカー油槽部底板環境を模擬した局部腐食(孔食)試験」
タンカー油槽部底板における孔食に対する耐食性を評価するため、上記表1~3に示すワイヤNo.1~58を使用した厚鋼板溶接継手から試験片を作製し、局部腐食(孔食)試験を実施した。
局部腐食試験用試験片は、厚鋼板溶接継手の板厚1/4の位置において、溶接金属のみから幅20mm×長さ20mm×厚さ5mmの矩形の小片を切り出し、その全面を600番手のエメリー紙で研磨することにより作製した。
タンカー油槽部底板における孔食に対する耐食性を評価するため、上記表1~3に示すワイヤNo.1~58を使用した厚鋼板溶接継手から試験片を作製し、局部腐食(孔食)試験を実施した。
局部腐食試験用試験片は、厚鋼板溶接継手の板厚1/4の位置において、溶接金属のみから幅20mm×長さ20mm×厚さ5mmの矩形の小片を切り出し、その全面を600番手のエメリー紙で研磨することにより作製した。
図2は、局部腐食試験に用いた腐食試験装置を示す。
腐食試験装置は、腐食試験槽8、恒温槽9の二重型の槽となっており、腐食試験槽8には試験溶液10が入れられている。試験溶液10は、10質量%のNaCl水溶液を、濃塩酸を用いてClイオン濃度が10質量%、pHが0.85となるように調製した。なお、試験溶液10の温度は、恒温槽9に入れた水12の温度を調整することで保持されるものとした。そして、局部腐食試験用試験片7の上部に直径が3mmとなる孔を開け、この孔にテグス11を通して試験溶液10に浸漬するように吊るし、1試験片につき2リットルの試験溶液中に168時間浸漬することにより局部腐食試験を実施した。試験溶液10は、予め30℃に加温・保持し、24時間毎に新しい試験溶液と交換した。
腐食試験装置は、腐食試験槽8、恒温槽9の二重型の槽となっており、腐食試験槽8には試験溶液10が入れられている。試験溶液10は、10質量%のNaCl水溶液を、濃塩酸を用いてClイオン濃度が10質量%、pHが0.85となるように調製した。なお、試験溶液10の温度は、恒温槽9に入れた水12の温度を調整することで保持されるものとした。そして、局部腐食試験用試験片7の上部に直径が3mmとなる孔を開け、この孔にテグス11を通して試験溶液10に浸漬するように吊るし、1試験片につき2リットルの試験溶液中に168時間浸漬することにより局部腐食試験を実施した。試験溶液10は、予め30℃に加温・保持し、24時間毎に新しい試験溶液と交換した。
上記局部腐食試験後、試験片表面に生成した錆を除去し、試験前後の質量を測定して、腐食による質量の減少量を試験片の全表面積で割り、1年当たりの板厚減少量(両面の腐食速度)に換算することにより耐局部腐食性を評価した。
なお、これまでの知見から、本願発明のワイヤを用いた溶接の対象となる原油タンク用耐食鋼材母材の局部腐食速度は0.10mm/年以下であることが分かっているため、上記試験による板厚減量の換算値が0.10mm/年以下であったものを耐局部腐食性が良好(○)であるとし、0.10mm/年を超えたものを耐局部腐食性が不良(×)であると評価した。上記耐局部腐食性の評価結果が良好であれば、溶接部のみでの著しい腐食を抑制することができる。
なお、これまでの知見から、本願発明のワイヤを用いた溶接の対象となる原油タンク用耐食鋼材母材の局部腐食速度は0.10mm/年以下であることが分かっているため、上記試験による板厚減量の換算値が0.10mm/年以下であったものを耐局部腐食性が良好(○)であるとし、0.10mm/年を超えたものを耐局部腐食性が不良(×)であると評価した。上記耐局部腐食性の評価結果が良好であれば、溶接部のみでの著しい腐食を抑制することができる。
<機械的性質>
JIS Z 3111に準拠し溶接金属から試験片を作製し、引張試験により引張強度(TS)を測定するとともに、衝撃試験により-20℃吸収エネルギー(vE-20℃)を測定し、機械的性質を評価した。引張試験片はタイプIA0号、衝撃試験片はVノッチ試験片とした。なお、引張強度TSは510MPa以上であったものを良好(○)とし、510MPa未満であったものを不良(×)であると評価した。また、-20℃吸収エネルギーvE-20℃は47J以上であったものを良好(○)とし、47J未満であったものを不良(×)であると評価した。なお、溶接作業性が不良であったものについては、機械的性質の評価を実施しなかったため、“-”とした。
上記各試験の評価結果について、下記表4~6に示す。
JIS Z 3111に準拠し溶接金属から試験片を作製し、引張試験により引張強度(TS)を測定するとともに、衝撃試験により-20℃吸収エネルギー(vE-20℃)を測定し、機械的性質を評価した。引張試験片はタイプIA0号、衝撃試験片はVノッチ試験片とした。なお、引張強度TSは510MPa以上であったものを良好(○)とし、510MPa未満であったものを不良(×)であると評価した。また、-20℃吸収エネルギーvE-20℃は47J以上であったものを良好(○)とし、47J未満であったものを不良(×)であると評価した。なお、溶接作業性が不良であったものについては、機械的性質の評価を実施しなかったため、“-”とした。
上記各試験の評価結果について、下記表4~6に示す。
上記表1~6に示すように、発明例No.1~43は、ワイヤ中に含有される全ての成分組成が本発明範囲であるワイヤにより溶接したものであるため、良好な溶接作業性で溶接を行うことができ、耐食性及び機械的性質も優れた結果となった。
一方、比較例No.1は、ワイヤ中のMnO含有量が本発明範囲の下限値未満であるため、ビード形状が不良となった。また、ワイヤ中のMo含有量が本発明範囲の下限未満であるため、耐全面腐食性の評価結果が悪いものとなった。
比較例No.2~6及び13は、ワイヤ中のTiO2含有量、SiO2含有量、ZrO2含有量、Al2O3含有量、MnO含有量及びNa+Kのいずれか一種が本発明範囲の下限未満であるため、溶接作業性の評価のうち、少なくとも一つが不良となった。
比較例No.2~6及び13は、ワイヤ中のTiO2含有量、SiO2含有量、ZrO2含有量、Al2O3含有量、MnO含有量及びNa+Kのいずれか一種が本発明範囲の下限未満であるため、溶接作業性の評価のうち、少なくとも一つが不良となった。
比較例No.7~9、12、14及び15は、ワイヤ中のC含有量、Si含有量、Mn含有量、Mg含有量、F含有量及びAl含有量のいずれか一種が本発明範囲から外れているため、機械的性質が低下した。
また、比較例No.10及び11は、ワイヤ中のMo含有量又はCu含有量が本発明範囲の下限未満であるため、耐食性が低下した。
また、比較例No.10及び11は、ワイヤ中のMo含有量又はCu含有量が本発明範囲の下限未満であるため、耐食性が低下した。
1、7 試験片
2、8 腐食試験槽
3 温度制御プレート
4 導入ガス
5 排出ガス
6、12 水
9 恒温槽
10 試験溶液
11 テグス
2、8 腐食試験槽
3 温度制御プレート
4 導入ガス
5 排出ガス
6、12 水
9 恒温槽
10 試験溶液
11 テグス
Claims (3)
- 鋼製外皮にフラックスが充填された、耐食鋼用のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤであって、
ワイヤ全質量あたり、
TiO2:3.5質量%以上7.0質量%以下、
SiO2:0.3質量%以上1.5質量%以下、
ZrO2:0.1質量%以上1.0質量%以下、
Al2O3:0.1質量%以上0.7質量%以下、
MnO:0.03質量%以上0.50質量%以下、
C:0.01質量%以上0.10質量%以下、
Si:0.1質量%以上1.0質量%以下、
Mn:0.5質量%以上3.5質量%以下、
Mo:0.05質量%以上0.4質量%以下、
Cu:0.10質量%以上0.5質量%以下、
Mg:0.2質量%以上0.8質量%以下、
Na+K:0.02質量%以上0.30質量%以下、及び
F:0.01質量%以上0.20質量%以下、
を含有し、
Al:0.15質量%未満であり、
残部がFe及び不可避的不純物からなるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。 - さらに、ワイヤ全質量あたり、
Ti:0.05質量%以上0.50質量%以下、及び
B:0.001質量%以上0.020質量%以下、
から選択された少なくとも一種を含有する、請求項1に記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。 - さらに、ワイヤ全質量あたり、
Sb:0.01質量%以上0.20質量%以下、及び
Sn:0.01質量%以上0.20質量%以下、
から選択された少なくとも一種を含有する、請求項1又は2に記載のガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ。
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