JP2022118462A - 成形装置および成形装置のバックラッシ除去方法 - Google Patents

成形装置および成形装置のバックラッシ除去方法 Download PDF

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淳 塚本
Atsushi Tsukamoto
久良 田島
Hisayoshi Tajima
鎮緒 神野
Shizuo Jinno
裕記 長谷川
Hiroki Hasegawa
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Abstract

【課題】 装置の構造を比較的簡単にするかまたは装置のコストを低減すうることの可能な成形装置を提供することを目的とする。【解決手段】成形装置1は、基台2上に設けられ固定金型311が取り付けられる固定盤312に対して可動金型313が取り付けられる可動盤314を移動させ固定金型311と可動金型313の間で成形を行うものであり、前記基台2、前記固定盤312、前記可動盤314のいずれかに連設される軸部材319の係合溝321に対して係合される第1の係合部材323と、前記軸部材319の係合溝321の一側の側のみに対して係合されるとともに前記第1の係合部材323に対して軸方向に変位される第2の係合部材341とを備える。【選択図】 図2

Description

本発明は、基台上に設けられ固定金型が取り付けられる固定盤に対して可動金型が取り付けられる可動盤を移動させ固定金型と可動金型の間で成形を行う成形装置、および成形装置のバックラッシ除去方法に関するものである。
基台上に設けられ固定金型が取り付けられる固定盤に対して可動金型が取り付けられる可動盤を移動させ固定金型と可動金型の間で成形を行う成形装置については、係合溝に係合部材が係合されて力が伝達される部分が存在するが、前記係合溝と係合部材の間にはバックラッシが存在することから成形品の精度に影響を与えている。前記バックラッシを除去、或いは固定化して無効にするものとして特許文献1、特許文献2に記載されたものが知られている。
特許文献1は、(請求項1)にも記載されるように、タイバーのねじ若しくはリング溝と係脱する型締用半割ナットを備えた型締装置において、型締用半割ナットに対して、タイバー軸方向には拘束されて、半割ナット開閉方向に相対動作が可能なもう一対の追加半割部材を追加し、前記型締用半割ナットが閉止して、ねじ若しくはリング溝を介してタイバーに噛合った時に、前記追加半割部材も閉止して前記タイバーを把持し、噛合部のガタ(バックラッシ)を除去、或いは固定化して無効にする手段を備えている。
また特許文献2は、(請求項1)および(請求項3)にも記載されるように、メインシリンダのピストンロッドを押圧または引っ張るシリンダおよびピストンロッドを用いて係合溝とチャック部材とを係合させた際のバックラッシを除去して固定する手段を備えている。
特開2009-132097号公報 特開平9-24520号公報
しかしながら特許文献1の型締装置は、バックラッシ除去のため半割ナット開閉方向に相対動作が可能なもう一対の追加半割部材を追加する必要があるので、該当する部分の構造が複雑になるかまたは装置のコストが増大するという問題があった。また特許文献2の型締装置もメインシリンダのピストンロッドを軸方向に押圧するものであるので該当する部分の構造が複雑になるかまたは装置のコストが増大するという問題があった。
本発明は、前記の問題を解決して装置の構造を比較的簡単にするかまたは装置のコストを低減することの可能な成形装置を提供することを目的とするものである。その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態に係る成形装置は、基台上に設けられ固定金型が取り付けられる固定盤に対して可動金型が取り付けられる可動盤を移動させ固定金型と可動金型の間で成形を行う成形装置において、前記固定盤または前記可動盤に連設される軸部材の係合溝に対して係合される第1の係合部材と、前記軸部材の係合部材の一側の側のみに対して係合されるとともに前記第1の係合部材に対して軸方向に変位される第2の係合部材と、を備えることを特徴とする。
本開示の成形装置によれば、装置の構造を比較的簡単にするかまたは装置のコストを低減することができる。
第1の実施形態の型締装置の側面図である。 左側半分は図1のAの方向から可動盤を見た図であり、右側半分は図1のB-B線の矢視図である。 第2の係合部材を上から見た図であり、作動状態を示す説明図である。 第1の実施形態の型締装置を用いたコアバック制御の説明図である。 第2の実施形態を示す要部拡大図である。 第3の実施形態を示す図である。 第4の実施形態を示す要部拡大図である。
以下、具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、以下の実施の形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜簡略化されている。また、図面が煩雑にならないように、ハッチングが省略されている部分がある。
<射出成形装置>
本発明の1実施形態の射出成形装置1について図1を参照して説明する。成形装置の一種である射出成形装置1は、基台2上に型締装置3と射出装置4を備えている。型締装置3は、固定金型311が取り付けられる固定盤312に対して可動金型313が取り付けられる可動盤314を移動させる2基の型開閉機構315と固定金型311と可動金型313の型締を行う4基の型締機構316の型締シリンダ317を備えたものである(ただし図1では手前側の型開閉機構315と型締シリンダ機構317のみ記載)。また射出装置4は加熱シリンダ4a内部に図示しないスクリュ等を備え、発泡成形等の成形を可能とするものである。
基台2上に固定される固定盤312の反金型取付面312a側の中央部には前記射出装置4のノズル4bを挿入するためのすり鉢部312bが設けられ、すり鉢部312bの中央には固定金型311に前記ノズル4bが接続される孔が設けられている。また固定盤312内部の四隅近傍には型締機構316の型締シリンダ317がそれぞれ設けられている。型締シリンダ317はピストン318の前進側のロッドが本発明の軸部材に相当するタイバ319を構成している。従って本発明では、固定盤312に軸部材のタイバ319が連接されている。なお第1の実施形態では型開側をタイバ319の前進側、型閉側をタイバ319の後退側と称する。型締シリンダ317は、ピストン318の前進側に型締油室を備え、ピストン318の後退側に型開油室を備えた復動シリンダである。また型締シリンダ317はバルブ、センサ、ポンプ、タンク等を備えた油圧装置320に接続されている。
前記各タイバ319の外周の先端側近傍位置には、係合溝321が型開閉方向の所定の長さにわたって複数同じピッチの溝が形成されている。係合溝321は、図4にも記載されるようにタイバ319の軸方向Lに対して直角方向の型締側当接面321aと強力型開側当接面321bとその間の底面321cを有する。ただし係合溝321の強力型開側当接面321bは軸方向Lに対して傾斜した面であってもよい。また係合溝321は連続するねじ溝であってもよい。そして各タイバ319は、可動盤314の四隅近傍に設けられた挿通孔322にそれぞれ挿通されている。なお型締装置3は基台2上の可動盤314の反金型取付面314a側に、前記可動盤314とは一定間隔を隔てて各タイバ319を保持するためのタイバホルダを設けてもよい。
図2は、本発明の第1の係合部材に相当するハーフナット323と、第2の係合部材に相当するナット部材341を説明するためのものであり、右側半分は、図1のB―Bの矢視図となっている。そして図2の左上側のハーフナット323は、ハーフナット323を構成する一対のナット部材323a,323bがタイバ319の係合溝321に係合された状態を表しており、左下側のハーフナット323は、ハーフナット323の一対のナット部材323a,323bが前記係合溝321から退避して開いた状態を示している。更には図2の右上側の第2の係合部材に相当するナット部材341が係合機構340によりタイバ319の係合溝321に係合された状態を表しており、左下側のナット部材341がタイバ319の係合溝321から退避した状態を示している。なお図2においてはハーフナット323の駆動手段325と型開閉機構315は記載を省略している。
可動盤314における反金型取付面314aにおける四隅近傍の挿通孔322の両側には、本発明の第1の係合部材に相当するハーフナット323がそれぞれ配設されている。ハーフナット323は、一対のナット部材323a,323bを備える。前記ナット部材323a、323bは、それぞれ複数の係合歯324が形成され、油圧シリンダ等の駆動手段325によりタイバ319の係合溝321に向けて進退可能となっている。ハーフナット323の一対のナット部材323a,323bの係合歯324の形状は、タイバ319の型締側当接面321aと強力型開側当接面321bに対応してタイバ319の軸方向Lに対して直角方向の型締側当接面324aと強力型開側当接面324bを備えている。そしてハーフナット323のナット部材323a,323bは、前進時に可動盤314をタイバ319の係合溝321に対して係合歯324が係合可能となっている。なおハーフナット323の係合歯324の形状は、タイバ319の係合溝321の形状に対応した形状であればよく、強力型開側当接面324bは傾斜面でもよい。またハーフナット323のタイバ319に対する開閉方向は、図1のように上下方向に一対のナット部材323a,323bが移動するものの他、水平方向等に移動するものでもよい。更にハーフナット323の駆動手段325は、電動モータであってもよく、複数のハーフナット323を一つの駆動手段325で作動させるものでもよい。そして可動盤314はその反金型取付面314aの側にエジェクタ機構351を備える。
更に可動盤314には、第2の係合部材に相当するナット部材341の係合機構340を備えている。可動盤314の横側面314bからタイバ319に向けて空洞部342が形成されている。そして空洞部342には、ナット部材341の取付部材343と、一個のナット部材341が挿入されている。また図2、図3に示されるように可動盤314の空洞部342の取付部材343が設けられる側の壁面にはガイド溝等のガイド344a,344b,344cが形成され、取付部材343は前記ガイド344a,344b,344cに沿って水平方向に移動可能となっている。また空洞部342の入口側を塞ぐように設けられた取付板345にはナット部材341を水平方向に進退させるための第1の駆動手段346が設けられている。本実施形態において第1の駆動手段346は複動の油圧シリンダである。
図3において取付部材343の固定盤312側にはナット部材341がまたタイバ319の軸方向Lと同じ方向に配設されている。ナット部材341は、タイバ319と対向する側に複数の係合歯347が設けられている。係合歯347の形状は、ハーフナット323の係合歯324とほぼ同じ形状であり、軸方向Lに対して直角方向の面347aと軸方向Lに対して直角方向の強力型開側当接面347bを備えている。なおタイバ319の係合溝321の強力型開側当接面321bが傾斜面である場合は、強力型開側当接面347bは傾斜面となることは言うまでもない。また図1のA方向からナット部材341と係合歯347を見た形状は、ナット部材341の中央にタイバ319の係合溝321の円弧に倣った凹状の円弧状の係合歯347が設けられている。第2の係合部材であるナット部材341の係合歯347の数は、ハーフナット323のナット部材323a、323bの歯の数よりも少なくなっている。そして取付部材343とナット部材341は第2の駆動手段348とバネ349を介して接続されている。本実施形態では第2の駆動手段348は、ナット部材341により形成されるシリンダ筒341aに取付部材343のピストン棒343aが挿入され、油圧源に接続される油室350が1本のシリンダ筒341aにつき1個設けられた単動の油圧シリンダとなっており、シリンダ筒341aとピストン棒343aがナット部材341の移動の際のガイドの役割も果たしている。またそして前記第2の駆動手段348の油室350に作動油が供給され昇圧された場合は、ナット部材341は、取付部材343から遠ざかる方向に移動され、油室350の作動油の圧力が抜けた際は、ナット部材341は、バネ349により取付部材343に近づく方向に移動されるようになっている。前記構造によりナット部材341は第1の駆動手段346の作動によりタイバ319の一側の側に向けて軸方向Lに対して直角方向に進退移動され、第2の駆動手段348の作動によりタイバ319の軸方向Lに移動されるようになっている。また前記構造により、第2の係合部材のナット部材341は、第1の係合部材のハーフナット323に対してタイバ319の軸方向Lに変位可能となっている。
なお本実施形態では第1の駆動手段346、第2の駆動手段348の油圧シリンダの種類は限定されず、アクチュエータの種類は油圧シリンダ以外のエアシリンダ、電動モータ、電磁石などの駆動手段であってもよい。また第1の駆動手段346もバネによって復帰されるものでもよい。また第1の駆動手段346は、上下や左右の複数のタイバ319にそれぞれ係合されるナット部材341をタイバ319に向けて移動させる際に一つのアクチュエータにより同時にナット部材341が作動されるものでもよい。また本実施形態では、第1の駆動手段346と取付部材343は、タイバ319の軸方向Lに移動されないが、第1の駆動手段346に直接、ナット部材341を取付け、第1の駆動手段346とナット部材341をまとめて第2の駆動手段348によりタイバ319の軸方向Lに移動可能なものであってもよい。またナット部材341が係合溝321へ係合される際にバネ等により軸方向に変位される場合は、第2の駆動手段348は必ずしも必須のものではない。
なおタイバ319の係合溝321に対して第2の係合部材のナット部材341が挿入される方向は、軸方向Lに対して直角方向であって、上記の可動盤314の外側から内側へ向けかう向きであることが望ましい。しかし、水平方向の向きでタイバ319の係合溝321に挿入される以外に、垂直方向の向きで係合溝321に挿入されるものでもよい。または図2の矢印D-矢印Eの間の間で示す半円Fの側からタイバ319の軸芯に向かう方向でもよい。それ以外の内側の半円Gからタイバ319の軸芯に向かう方向にナット部材341が挿入されるように取り付けることは、可動盤314を鋳物で製造する場合、内部に第2の係合部材を設けるスペースを作るということが製造上も強度の上でも難しくなる。またはもしも可動盤314の内部に第2の係合部を設けたとしてもメンテナンスが困難となる。ナット部材341は、通常は一個のブロックからなるが、タイバ319の一側の側のみから当接されるものであれば、二個ないしは三個のブロックが一体に移動、または別のブロック体がそれぞれの駆動手段により移動されるものを除外するものではない。いずれにしても第2の係合部材は、タイバ319の一側の側のみから係合されて係合溝321に当接される。前記「タイバ319の一側の側のみから係合」とはタイバ319の片側に対して係合されるという意味であって、当接される部分は、タイバ319の円弧の半分以内(軸芯を中心にした2本の放射線の間が180°以内)の範囲であればよく、当接面が所定の面積を必要とすることからタイバの円弧の1/4以上(軸芯を中心とした2本の放射線の間が90°以上)の範囲であることが望ましい。前記のようなタイバ319の一側の側のみに係合される第2の係合部材は、ハーフナット323のように一対の部材がタイバ319に向けて移動するものと比較して構造が簡略化されるかまたはコストが低減できる。また図4(a)にも記載のように本実施形態では、ナット部材341がタイバ319の係合溝321に係合された際に、ナット部材341の歯347は、係合溝321の底面321a等とは当接しておらず、ナット部材341を軸方向Lに移動させて初めて面当接が発生する。
また第2の係合部材が設けられる位置は、可動盤314の本体内が望ましいが、他には可動盤314の反金型取付面314aとハーフナット323の間の部分、ハーフナット323の反金型取付面323c(図1では左側の面)、可動盤314の金型取付面314cのいずれかであってもよい。ハーフナット323の反金型取付面323c側に本発明の第2の係合部材を設ける場合は、ハーフナット323の内部に、ナット部材341を軸方向Lに移動させる第2の駆動手段を設けることもでき、その場合は第2の係合部材をタイバ319に向けて移動させる第1の駆動手段は、ハーフナット323の駆動手段325で兼用できる。そしてハーフナット323の反金型取付面323c側に本発明の第2の係合部材を設ける場合、型締が終了して圧抜工程後は、ハーフナット323に対して第2の係合部材のナット部材341を近接させる方向に移動させてバックラッシを除去し、可動盤314とタイバ319を固定する。ただし可動盤314の反金型取付面314aとハーフナット323の間の部分、またはハーフナット323の反金型取付面323c側に第2の係合部材を設ける場合は、型締装置3の全長が長くなる可能性がある。また後者の可動盤314の金型取付面314cの側に第2の係合部材を設ける場合は、成形金型339の交換の際に邪魔になる可能性がある上に、タイバ319の係合溝321を長い区間にわたって形成する必要があるのでそれらの問題を上回る長所がある場合を除き得策ではない。
基台2上には、固定金型311が取付けられる固定盤312に対して可動金型313が取付けられる可動盤314を近接・離間移動させる型開閉機構315が2基配設されている。型開閉機構315はサーボ機構を用いたものであり、第1の実施形態ではサーボモータ326とボールねじ機構327を用いられている。より具体的には基台2の上面のブラケットにサーボモータ326が固定され、サーボモータ326は位置検出機構であるロータリエンコーダ326aを備えている。またロータリエンコーダ326aを含むサーボモータ326はサーボアンプ328と制御装置329に接続されている。また制御装置329は前記油圧装置320とも接続されている。
ボールねじ機構327のボールねじ330は基台2上のブラケットにボールねじ330の軸方向Mが型開閉方向に一致するように一端の側と他端の側がそれぞれベアリングを介して回転自在に取り付けられている。そしてサーボモータ326の駆動軸が、前記ボールねじ330に直接接続されるか、またはベルトを介して接続されており、ボールねじ330はサーボモータ326の駆動により回転自在となっている。また可動盤314の側面下部または下面にはブラケットを介してボールねじナット331がそれぞれ固定されており、前記ボールねじ330は前記ボールねじナット331にそれぞれ挿通されている。これらの機構により2基の型開閉機構315のサーボモータ326の駆動により可動盤314が型開閉方向にそれぞれ移動可能となっている。また可動盤314の位置はロータリエンコーダ326aにより検出され、可動盤314はサーボアンプ328等によりクローズドループ制御による速度制御(位置制御を含む)が行われる。なお型開閉機構315のサーボ機構は、サーボバルブを使用してクローズドループ制御可能な2本の油圧シリンダからなる機構等でもよい。
また固定盤312に対する可動盤314の位置または固定金型311に対する可動金型313の位置は、前記ロータリエンコーダ326a以外のリニアスケールなどの位置検出機構により測定されるものでもよい。なお第1の実施機構のように基台2上に2基の型開閉機構315を配設することは重量物であるサーボモータ326やボールねじ機構327の配置や配線の点、またはそれに伴うコストの点で一定の合理性がある。ただし型開閉機構315は2基に限定されず、1基や他の複数基でもよい。
型締装置3は、型締シリンダ317とは別にタイバ319を一定距離移動させるタイバ移動機構332をタイバ319の本数に対応して4基備えている(ただし図1では2基のみ記載されている)。各型締シリンダ317のピストン318の後退側にはロッド333が固定され、前記ロッド333の先端には直角方向に結合板334がジョイント等を介してかまたは直接取付されている。また固定盤312の反金型取付面312aには複数のガイド棒336が前記ロッド333と平行方向に取り付けられ、前記ガイド棒336は結合板334に設けられた挿通孔に挿通されている。更に前記反金型取付面312aの前記ロッド333の両側にはタイバ移動シリンダ335が前記ロッド333と平行にそれぞれ取り付けられている。そして前記タイバ移動シリンダ335の反金型取付面側のロッド335aはそれぞれ結合板334に取り付けられ、前記ロッド333とロッド335aは一体に連結されている。
タイバ移動シリンダ335は両ロッドタイプの油圧シリンダであり、金型取付面312c側にも図示しないロッドを備え、両方の油室の増圧面の面積は同じ面積となっている。前記タイバ移動シリンダ335は油圧装置320に接続され、クローズドループ制御により流量制御可能なバルブ337を介して作動油が供給され制御されるようになっている。流量制御可能なバルブ337は、サーボバルブであってもよく、他の可変流量制御バルブであってもよい。タイバ移動機構332は、これら機構を備え、タイバ移動シリンダ335の作動により結合板334がガイド棒336にガイドされて前進および後退方向に移動され、同時にロッド333、ピストン318、タイバ319も前進および後退方向に移動される。また固定盤312と結合板334の間には、リニアスケール等の位置センサ338が取付けられ、固定盤312に対するタイバ319の位置は位置センサにより測定可能となっている。なおタイバ移動機構332に油圧機構を採用する場合は、シリンダの数は限定されず、固定盤312内に油圧シリンダを設けてもよい。またタイバ移動機構332はクローズドループ制御により制御(位置制御または速度制御)されるものであれば、電動機構を採用してもよい。その場合サーボモータとボールねじ機構を用いたものでもよく、更にはトグル機構やクサビ機構を併用したものでもよい。
<型締装置の制御方法と発泡成形品の成形方法>
次に第1の実施形態の射出成形装置1の型締装置3の制御方法と発泡成形品の成形方法について図4を参照して説明する。図4ではハーフナット323、ナット部材341ともに説明を判りやすくするために係合歯324、係合歯347は、実際は複数存在するが、それぞれ1個だけを記載している。第1の実施形態では、型締装置3に取り付けられる成形金型339はインロー金型とも呼ばれるものであり、キャビ型である固定金型311に対してコア型である可動金型313の型開閉方向の位置が変化してもキャビティCが容積変更された状態で保持されるものである。なお成形金型339は別の方式のコアバック成形が可能な金型でもよい。
型締装置3の固定盤312と可動盤314に前記のようなコアバック制御が可能な成形金型339が取り付けられると次に成形金型339の型厚が測定される。そして成形金型339の型厚を参酌して可動盤314を型閉した際のハーフナット323の位置に対して、タイバ319の係合溝321の位置が係合可能となるように、タイバ移動機構332を作動させて型締機構316の型締シリンダ317のピストン318とタイバ319の位置が移動調整される。
また射出装置4においては供給された発泡成形用の樹脂材料が加熱シリンダ4a内で可塑化され、準備される。本発明における発泡成形は、発泡剤を添加する化学発泡成形であってもよく、ガスを注入する物理発泡成形であってもよい。なお物理発泡成形には超臨界発泡成形も含まれる。
<型締装置の作動>
型締装置3の作動は制御装置329からサーボアンプ328や油圧装置320等に指令信号が送られ開始される。まず型開閉機構315のサーボモータ326の作動によりボールねじ330が回転され、ボールねじ330に挿通されるボールねじナット331が型開閉方向に移動されることにより、型開位置にある可動盤314および可動金型313は、固定盤312および固定金型311に向けて移動される。そして固定金型311に対して可動金型313が型当接されると固定金型311と可動金型313の間には成形を行うためのキャビティが形成される(型閉工程)。型当接がなされると型開閉機構315のサーボモータ326はサーボロックされて可動盤314は位置保持される。そして第1の係合部材であるハーフナット323は、図3(a)のナット挿入前の位置から駆動手段325の作動によりハーフナット323の係合歯324がタイバ319の係合溝321と係合され、可動盤314がタイバ319に対して係合された状態となる。この際に図4(b)に示されるように、ハーフナット323の係合歯324の型締側当接面325aとタイバ319の係合溝321の型締側当接面321aの間と、前記係合歯324の強力型開側当接面325bと前記係合溝321の強力型開側当接面321bとの間にはそれぞれ僅かな間隙H,Iが形成される。
また同時に第2の係合部材は、図3(a)および図4(a)のナット挿入前の位置から第1の駆動手段346の油圧シリンダが駆動されて、取付部材343とナット部材341が図3(b)および図4(b)の位置に向けて前進され、ナット部材341の係合歯347がタイバ319の係合溝321の間に挿入される。この際にハーフナット323と同様に、ナット部材341の係合歯347の面347aとタイバ319の係合溝321の型締側当接面321aの間と、前記係合歯347の強力型開側当接面347bと前記係合溝321の強力型開側当接面321bとの間にはそれぞれ僅かな間隙J,Kが形成される。なお第2の係合部材のナット部材341は、後述する圧抜工程が終了してからタイバ319の係合溝321に係合してもよい。(ハーフナット係合工程)。
次に型締機構316である型締シリンダ317の型締油室に作動油が供給されてタイバ319が後退側に向けてけん引され、図4(b)に示されるようにハーフナット323の型締側当接面325aとタイバ319の型締側当接面321aの間の間隙Aが解消され、前記型締側当接面325aと前記型締側当接面321aが当接される。一方ハーフナット323の係合歯324の強力型開側当接面325bとタイバ319の係合溝321の強力型開側当接面321bの間隙はH+Iに拡大される。この際にハーフナット323の側と同様に、ナット部材341の係合歯347の面347aとタイバ319の係合溝321の型締側当接面321aの間と、前記係合歯347の強力型開側当接面347bと前記係合溝321の強力型開側当接面321bとの間隙はJ+Kに拡大される。なおナット部材341の係合歯347の面327aの面積はハーフナット323の型締側当接面324aと比較して小さく係合歯347の数も少ないことから、実際の型締力自体はハーフナット323の型締側当接面324aを介して可動盤314に伝達されるように設計されていることが望ましい。そして更に型締シリンダ317が増圧されることにより固定金型311と可動金型313が型締される。所定の型締力となったことが確認されると次に射出装置4から発泡成形用の溶融樹脂がキャビティCに向けて射出される(型締工程)。
これら型締工程の際、型開閉機構315のサーボモータ326は無負荷な状態となっている。なおサーボモータ326が無負荷な状態とは、駆動軸が回転可能な状態であって可動盤314を移動させる力が発生していない状態であり、通電の有無は問わない。またこの際タイバ移動機構332のタイバ移動シリンダ335も無負荷な状態である。ここにおいてタイバ移動シリンダ335が無負荷な状態とは、前記タイバ移動シリンダ335のタイバ前進側油室とタイバ後退側の油室が接続されて作動油が循環される状態や、少なくともタイバ前進側油室がドレンに接続された状態などで、タイバ移動シリンダ335によりタイバ319を移動させる力が発生していない状態を指す。
そして射出後に所定時間が経過すると型締シリンダ317の型締油室はドレンに接続され型締油室内の圧力が0に落とされる。(圧抜工程)。圧抜工程が終了すると型締シリンダ317は無負荷状態となる。なお第1の実施形態では冷却工程の前に圧抜工程が行われる。圧抜工程が終了した時点では、図3(c)および図4(c)に示されるように、ハーフナット323の係合歯324の型締側当接面324aとタイバ319の係合溝321の型締側当接面321aは当接された状態を保っている。従ってハーフナット323の係合歯324の強力型開側当接面325bとタイバ319の係合溝321の強力型開側当接面321bの間隙はH+Iもほぼそのままである。通常のハーフナットしかない型締装置ではこの間隙H+Iがバックラッシとなる。
圧抜工程が終了すると次に係合機構340の第2の駆動手段348の油圧シリンダの油室350に作動油を供給し、図3(d)および図4(d)に示されるようにナット部材341のみを図4(d)の矢印方向Pである型閉方向に向けて移動させる。このことによりナット部材341は、ハーフナット323のナット部材323a、323b対して軸方向Lに離隔する方向に間隙J+Hの分だけ変位され、ナット部材341の強力型開側当接面347bと、タイバ319の係合溝321の強力型開側当接面321bが当接される。そして第2の駆動手段348の油圧シリンダの圧力によりナット部材341の強力型開側当接面347bと、タイバ319の係合溝321の強力型開側当接面321bが一定の面圧で押圧されるとともに、ハーフナット323の係合歯324の型締側当接面324aとタイバ319の係合溝321の型締側当接面321aもまた一定の面圧で押圧される。その結果、タイバ319の係合溝321に対して可動盤314はバックラッシの無い状態で係合および固定される。なお4軸あるタイバ319に対応するナット部材341は同様の作動が行われ、4軸のタイバ319と可動盤314がバックラッシの無い状態で係合および固定されることは言うまでもない。また係合機構340の第2の駆動手段348の作動開始は圧抜完了とほぼ同時に行うことが望ましいが、圧抜工程の完了前であってもよく、次の型開閉機構等により可動盤314を移動させるコアバック制御を開始してから僅かに後であってもよい。
次に図3(e)および図4(e)に示されるコアバック制御に移行するが、コアバック制御については複数の制御方法が考えられる。第1のコアバック制御方法は、4基のタイバ移動機構332のみを作動させてタイバ319を目標位置に向けて矢印Qの方向に移動させることにより、タイバ319とバックラッシが無い状態で事実上一体となった可動盤314および可動金型313を目標位置に移動させるものである。第1のコアバック制御方法では2基の型開閉機構315のサーボモータ326はフリーの状態でコアバック制御が行われる。この方式は固定金型311に対する可動金型313の平行度を保ちながら移動させる点において有利である。
第2のコアバック制御方法は、2基の型開閉機構315のサーボモータ326のみを作動させて、タイバ319とバックラッシが無い状態で事実上一体となった可動盤314および可動金型313を目標位置に移動させるものである。第2のコアバック制御方式は、比較的強力で位置制御能力も高い2基の型開閉機構315のサーボモータ326を用いてコアバック制御を行うことができる。しかしながら型開閉機構315のサーボモータ326が4基ではない場合、固定金型311に対する可動金型313の平行度において第1の制御方式よりも劣る場合もある。
第3のコアバック制御方法は、4基のタイバ移動機構332と、2基の型開閉機構315のサーボモータ326を作動させて可動盤314と一体となったタイバ319も同時に移動させるものである。第3のコアバック制御方式は、比較的強力で位置制御能力も高い2基の型開閉機構315のサーボモータ326を用いつつ4基のタイバ移動機構332も用いて固定金型311に対する可動金型313の平行度を制御することができる。第3のコアバック制御方式においては、一部のコアバック区間は、4基のタイバ移動機構332のみ、または型開閉機構315のサーボモータ326のみにより制御されるものであってもよい。
そしていずれのコアバック制御方法であっても、タイバ319と可動盤314は一体に固定され、バックラッシの影響を受けないから精度の高いコアバック成形(本実施形態では発泡成形)が実現できる。そしてコアバック制御工程が終了すると次に冷却工程に移行する。冷却工程では基本的には可動盤314を目標位置に保持するともにタイバ319を目標位置に保持して所定時間が経過させる。ただしキャビティC内の樹脂は冷却収縮されるものでは、型締シリンダ317の型締油室やタイバ移動シリンダ335の後退側油室に作動油を供給してタイバ319を後退側に移動させるか、または型開閉機構315のサーボモータ326も型閉側に移動させて可動盤314および可動金型313を型閉方向に押圧ようにしてもよい。
そして冷却工程が終了すると係合機構340の第2の駆動手段348の油圧シリンダの油室350の作動油の圧力を抜いてバネ349の弾性復帰力によりナット部材341を元の位置に戻す。このことによりハーフナット323の型締側当接面324aとタイバ319の係合溝321の型締側当接面321aの間に働いていた面圧がゼロとなる。またナット部材341の強力型開側当接面347bとタイバ319の係合溝321の強力型開側当接面321bの間に働いていた面圧もゼロとなる。
そして次にハーフナット323の駆動手段325を作動させ、一対のナット部材323a,323bの係合歯324をタイバ319の係合溝321から後退させて係合状態を解除する。また係合機構340の第1の駆動手段346の油圧シリンダを作動させてナット部材341の係合歯347をタイバ319の係合溝321から後退させて係合状態を解除する。その後型開閉機構315のサーボモータ326を作動させて可動盤314および可動金型313を型開完了位置まで移動させる。そしてエジェクタ機構351により成形された発泡成形品を可動金型313のキャビティ面から突出し、図示しない取出機で取り出す。
<他の実施形態>
上記においては、固定盤に型締シリンダが設けられ、固定盤に連接されたタイバに対して、可動盤に第1の係合部材であるハーフナットと第2の係合部材であるナット部材が設けられている。しかし第1の実施形態の変形例として、可動盤に型締シリンダが設けられ、可動盤に連接されたタイバに対して、固定盤に第1の係合部材であるハーフナットと第2の係合部材であるナット部材が設けられたものでもよい。また固定盤にナットにより連接されたタイバに対して、可動盤に型締シリンダが設けられ、第1の係合部材であるハーフナットと第2の係合部材であるナット部材も可動盤に設けられたものでもよい。この場合、可動盤は可動金型を取り付ける第1可動盤と型締シリンダを取り付ける第2可動盤の2枚の盤からなり、第2の可動盤に第1の係合部材であるハーフナットと第2の係合部材であるナット部材も固定盤に設けられたものでもよい。更には可動盤にナットにより連接されたタイバに対して、固定盤に型締シリンダが設けられ、第1の係合部材であるハーフナットと第2の係合部材であるナット部材も固定盤に設けられたものでもよい。
次に第2の実施形態の射出成形装置について第1の実施形態と同一部分には同一符号を付した図5を参照して説明する。第2の実施形態については型開閉機構315に第2の係合部材が設けられる点を除いて他の型締装置の構成は第1の実施形態の型締装置3と略同一である。基台2上には軸保持部材408を介して軸部材であるボールねじ330が連接されており、ボールねじ330には係合溝330aが形成されている。一方可動盤314には第1の係合部材であるボールねじナット331がブラケット401を介して固定され、ボールねじ330の係合溝330aに対してボールねじナット331の図示しないボールが係合されている。なおボールねじ330の係合溝330aの幅に対するボールねじナット331のボールの直径は僅かに小さく形成されており、前記係合溝330aとボールねじナット331との間には僅かなバックラッシが存在する。
可動盤314の側面または可動盤314の一部であるブラケット401には第2の係合部材の係合機構402が設けられている。第2の係合部材の係合機構402は、第1の駆動手段403によりボールねじ330の一側の側のみに対してナット部材404を係合および離脱可能となっている。ナット部材404にはボールねじ330と対向する側の面にボールねじ330の溝形状に倣った係合歯405が設けられており、第2の駆動手段406の油圧シリンダによりボールねじナット331に対してボールねじ330の軸方向Lに変位移動される。またバネ407により定位置に復帰する。そしてナット部材404は、第1の係合部材であるボールねじナット331から離隔または近接のいずれかの方向に位置変位移動されることにより、ボールねじナット331のボールとボールねじ330の係合溝330aの間にバックラッシがあったとしても、前記バックラッシが解消される。第2の係合部材のナット部材404が軸方向Lに働く力を受ける面積は大きくないから、ボールねじナット331が固定される可動盤314をロック時に軸方向Lに働く力が発生している場合、ボールねじ330の係合溝330aの一方側とボールねじナット331の間で前記軸方向Lに働くの力が受けられ、第2の係合部材のナット部材404は、軸方向Lに働く力を受けない側のボールねじ330の係合溝330aの面に向けて押圧されることによりバックラッシの除去または固定を行う。なおナット部材404の係合歯405は、転動ボールを備えていれば最初から係合溝330aに係合しておくことも可能だが、ボールねじ330の回転停止時に、ボールねじナット331の位置保持の目的のみであれば前記転動ボールは不要である。ただし可動盤314の停止位置に応じて係合溝330aに係合するため軸方向Mに移動させる必要がある。
次に第3の実施形態の射出成形装置501の型締装置502についてまた図6を参照して説明する。第3の実施形態の型締装置502は、基台503上に設けられ固定金型504が取り付けられる固定盤505に対して可動金型506が取り付けられる可動盤507を移動させ固定金型504と可動金型506の間で成形を行う射出成形装置501の型締装置502において、前記可動盤507に固定的に連設されるメカニカルラム508の係合溝509に対して係合される第1の係合部材であるハーフナット510と、該メカニカルラム508の係合溝509の一側の側のみに対して係合されるとともに前記第1の係合部材であるハーフナット510に対してメカニカルラム508の軸方向Nに変位される第2の係合部材であるナット部材511とが備えられている。そしてハーフナット510は一対のナット部材を備えており、該ナット部材は、メカニカルラム508の係合溝509と対向する側に係合歯512を備えている。また第2の係合部材のナット部材511もまたメカニカルラム508の係合溝509と対向する側に係合歯513を備えている。前記ハーフナット510は、受圧盤514に設けられた型締シリンダ515のラム516に固定され、駆動手段517によりメカニカルラム508に対して進退する。また第2の係合部材であるナット部材511は、前記駆動手段517によりハーフナット510とともにメカニカルラム508に対して進退するとともに、図示しない第2の駆動手段518によりメカニカルラム508の軸方向Nに移動可能となっている。従って第3の実施形態の射出装置もまた軸部材であるメカニカルラム508の係合溝509に対して第1の係合部材であるハーフナット510と第2の係合部材であるナット部材511の距離を離隔または近接させてバックラッシを除去することが可能である。
次に第4の実施形態の射出成形装置601の型締装置602についてまた図6を参照して説明する。第4の実施形態の型締装置は、トグル式の型締装置であって、全体は図示しないが、基台上に設けられ固定金型が取り付けられる固定盤に対して可動金型が取り付けられる可動盤をトグル機構により移動させ固定金型と可動金型の間で成形を行うものである。固定盤にナットにより連設される軸部材であるタイバ603の先端近傍側にはねじからなる係合溝604が形成されている。また図示はしないが基台上のハウジングブロックと可動盤の間にはサーボモータ等の駆動手段により作動されるトグル機構が設けられている。そして係合溝604が形成されたタイバ603は、ハウジングブロック605の四隅近傍の挿通孔606にそれぞれ挿通され、ハウジングブロック605の背面側に当接されるように設けられた第1の係合部材であるタイバナット部材607と係合されている。より具体的には、タイバ603の係合溝604である雄ねじが、タイバナット部材607の軸芯に貫通形成された雌ねじの係合歯610に螺合されて係合されるが、両者の間には僅かなバックラッシが存在する。従って本発明の「軸部材の係合溝に対して係合される第1の係合部材」については、第1、第3の実施形態のように係合溝に係合または離脱されるものと、第2、第4の実施形態のように係合されたままのものが含まれる。
そしてまたタイバナット部材607の反トグル装置側の面607aには、タイバ603の係合溝604の一側の側のみに対して係合されるとともに前記第1の係合部材であるタイバナット部材607に対して軸方向Oに変位される第2の係合部材であるナット部材609が設けられている。ナット部材609もまた前記係合溝604に対して係合される係合歯610を備えている。そしてナット部材609は、タイバ603の係合溝604に対して変位手段のバネ611の作用により変位可能となっている。そして例えば型締状態から圧抜される際には、ナット部材609をタイバナット部材607に対して近接する方向に力が発生されていることにより、タイバナット部材607の内側の係合歯608である雌ねじと、タイバ603の係合溝604である雄ねじの間にバックラッシがあったとしても前記バックラッシが解消されており、型締解消時のショックが軽減できる。
なお上記の例では第2の係合部材であるナット部材609は、第1の係合部材であるタイバナット部材607に対してバネ611により変位されるのみであるが、油圧シリンダ等の駆動手段により自在に変位されるようにしてもよい。更に第4の実施形態の第2の係合部材であるナット部材609については、タイバナット部材607ではなく、ハウジングブロック605に対して直接取り付けられ、タイバ603に対して第1の駆動手段により進退可能かつ、タイバ603の軸方向Oに第2の駆動手段により移動可能なものとしてもよい。そのことにより射出成形装置601の成形の各工程に応じて自在に第2の係合部材のナット部材609を使用してバックラッシを除去したり、または使用しないようにすることができる。従って本発明の「前記軸部材の係合溝の一側の側のみに対して係合されるとともに前記第1の係合部材に対して軸方向に変位される第2の係合部材」については、第1、第2、第3、および第4の実施形態の後半のように係合溝に第2の係合部材のナット部材が係合または離脱されるものと、第4の実施形態の前半のように係合されたままのものが含まれる。なお第4の実施形態は一例として型締力10,000kN以上の大型の型締装置602により好適に用いられる。大型の型締装置602は、タイバ603の直径および係合溝604であるねじのピッチも大きく、それに伴い、タイバナット部材607と係合溝604の間に発生するバックラッシの量も小型の型締装置よりも大きいからである。
なお本発明については、一々列挙はしないが、上記したものに限定されず、当業者が本発明の趣旨を踏まえて変更を加えたものについても、適用されることは言うまでもないことである。以上で説明した複数の例は、適宜組み合わせて実施されることもできる。
4本のタイバに対して第2の係合部材により係合を行う場合、殆どの場合、各タイバに対してそれぞれ第2の係合部材を設ける。しかしながら全てのタイバに対して第2の係合部材を設けない場合も考えられる。例えば可動盤の下方に接続される型開閉機構により可動盤を移動させる場合、可動盤の上部の前進が遅れることから上部のタイバの部分にのみ第2の係合部材を設けるなどしてもよい。
本発明の成形装置が射出成形機の型締装置である場合、成形方法の応用例については、発泡成形を含むコアバック制御のみならず、射出圧縮成形、射出プレス成形、ガス抜き成形など比較的、低型締力で可動盤を移動させる成形方法全般に適用できる。
また成形装置の応用例については、プレス成形装置、中空成形装置、真空成形装置、積層成形装置、転写成形装置など平板を含む金型間で成形品が成形されるもの全般に適用できる。またいずれに成形装置であっても可動金型の型開閉方向は限定されず、水平方向または垂直方向、或いは他の方向に型開閉されるものであってもよい。
1,501,601 射出成形装置
2,503 基台
3,502,602 型締装置
311,504 固定金型
312,505 固定盤
313,506 可動金型
314,507 可動盤
315 型開閉機構
319 タイバ(軸部材)
321,509 係合溝
323,510 ハーフナット(第1の係合部材)
324,327,405,512,513,608,610 係合歯
325 駆動手段
332 タイバ移動機構
330 ボールねじ(軸部材)
331 ボールねじナット(第1の係合部材)
341,404,511,609 ナット部材(第2の係合部材)
346 第1の駆動手段
348 第2の駆動手段
508 メカニカルラム(軸部材)
607 タイバナット部材(第1の係合部材)
L,M,N,O 軸方向

Claims (3)

  1. 基台上に設けられ固定金型が取り付けられる固定盤に対して可動金型が取り付けられる可動盤を移動させ固定金型と可動金型の間で成形を行う成形装置において、
    前記基台、前記固定盤、前記可動盤のいずれかに連設される軸部材の係合溝に対して係合される第1の係合部材と、
    前記軸部材の係合溝の一側の側のみに対して係合されるとともに前記第1の係合部材に対して軸方向に変位される第2の係合部材と、を備える、成形装置。
  2. 基台上に設けられ固定金型が取り付けられる固定盤に対して可動金型が取り付けられる可動盤を移動させる型開閉機構と固定金型と可動金型の型締を行う型締シリンダ機構を備え固定金型と可動金型の間で成形を行う成形装置において、
    前記固定盤、前記可動盤のいずれかに連設されるタイバの係合溝または前記可動盤に連設されるメカニカルラムの係合溝に対して係合される一対のハーフナットと、
    前記固定盤または前記可動盤に連設されるタイバの係合溝の一側の側のみまたは前記可動盤に連設されるメカニカルラムの係合溝の一側の側のみに対して係合されるとともに前記ハーフナットに対してタイバまたはメカニカルラムの軸方向に変位されるナット部材と、を備える、成形装置。
  3. 基台上に設けられ固定金型が取り付けられる固定盤に対して可動金型が取り付けられる可動盤を移動させ固定金型と可動金型の間で成形を行う成形装置のバックラッシ除去方法において、
    前記基台、前記固定盤、前記可動盤のいずれかに連設される軸部材の係合溝に対して係合される第1の係合部材と、
    前記軸部材の係合溝に対して側方から係合されるとともに前記第1の係合部材に対して軸方向に変位される一個の第2の係合部材と、が備えられ、
    前記軸部材の係合溝に対して第1の係合部材と第2の係合部材の距離を離隔または近接させてバックラッシを除去する、成形装置のバックラッシ除去方法。
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