JP2022117638A - 飲料用コップ - Google Patents

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Abstract

【課題】ビールや炭酸飲料をより冷たく感じることができ、まろやかで細かな泡が生じてより美味しく味わえる飲料用コップを提供する。【解決手段】カーボン素材からなる飲料用のコップであって、当該カーボン素材のかさ密度が1500~1950kg/m3、室温における熱伝導率が60W/(m・K)以上、熱浸透率が8000J/(m2・s1/2・K)以上である。【選択図】図5

Description

本発明は、カーボン素材からなる飲料用コップに関する。
ビールや炭酸飲料を飲むためのコップは、ガラス、陶磁器、銅や錫などの金属など多くの素材で作られている。例えば、ビールを飲む場合、備前焼など一部の陶磁器はビールをコップに注いだ際に、まろやかで細かな泡が生じるが、清涼感に乏しい。一方、銅や錫などの金属は、ビールが冷たく感じるが、まろやかで細かな泡が生じにくい。
特許文献1では、カーボンを用いた食器が開示されているが、カーボンの具体的な物性や種類については述べられていない。
特開平9-52783号公報
ビールや炭酸飲料をより冷たく感じることができ、まろやかで細かな泡が生じてより美味しく味わえる飲料用コップを提供することにある。
本発明の飲料用コップは、カーボン素材からなる飲料用のコップであって、当該カーボン素材のかさ密度が1500~1950kg/m3、室温における熱伝導率が60W/(m・K)以上、熱浸透率が8000J/(m2・s1/2・K)以上であることを特徴としている。これによって、ビールや炭酸飲料をより冷たく感じることができ、更に、まろやかで細かな泡が生じてより美味しく味わうことができる。
本発明は、次のような種々の好ましい形態を採用可能である。
第1の形態では、カーボン素材が人造黒鉛であることを特徴としている。これによって、熱伝導率が高い素材が得られやすく、コップ形状に加工しやすくなる。
第2の形態では、唇が触れる上部の厚みが1~5mmであり、上端部がR加工又は面取り加工が施されていることを特徴としている。このような、飲みやすく、飲み心地のよい形状とすることが好ましい。
第3の形態では、合成樹脂の含浸及び/又は被覆が施されていることを特徴としている。これによって、カーボン素材からのカーボンの脱離を防止し、飲料用コップの耐久性を向上させることができる。
第4の形態では、カーボン素材からなる冷却状態にして内部に配置されるカーボン塊が設けられていることを特徴としている。
冷却されたカーボン塊は、氷の代わりに用いることができる。例えば炭酸飲料などの清涼飲料水を飲む場合、コップに氷を入れると氷が溶けて飲料の味が薄まってしまう。冷却されたカーボン塊を用いることによって飲料が薄まることなくより冷えた飲料を味わうことができる。カーボン塊を、気孔を有する人造黒鉛とすることにより、まろやかで細かな泡を生じさせることもできる。
本発明の飲料用コップは、ビールや炭酸飲料をより冷たく感じることができ、まろやかで細かな泡が生じてより美味しく味わうことができる。また、冷却されたカーボン塊を用いることにより飲料が薄まることなくより冷えた飲料を味わうことができる。
その他、前記のような種々の効果を奏する。
本発明の実施例に係るコップ10(ぐい呑み)の正面図である。 コップ10の断面図である。 コップ20(湯呑)の正面図である。 コップ20の断面図である。 コップ30(洋酒グラス)の正面図である。 コップ30の断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
飲料コップのカーボン素材としては、木炭、ピッチや合成樹脂の炭素化物、炭素繊維、炭素繊維複合材料、天然黒鉛、人造黒鉛など一般に入手可能なものを用いることができる。人造黒鉛は、熱伝導率が高い素材が得られやすく、コップの形状に加工がしやすい利点を有する。人造黒鉛を使用する場合、人造黒鉛には、一般に押出し成形品、型込め成形品、冷間静水圧加圧(CIP)成形品などがあるが、どれを用いても良い。
人造黒鉛ブロックのかさ密度は、概ね1300~2000kg/m3の範囲のもの市販されているが、入手性並びに熱電伝導率及び開気孔率を考慮すると1500~1950kg/m3のものが好ましく、より好ましくは、1600~1950kg/m3である。
さらに好ましくは、1700~1900kg/m3である。かさ密度が1500kg/m3より小さくなると、開気孔率が大きくなり液体が漏れやすくなりコップとして好ましくない。
人造黒鉛ブロックの室温での熱伝導率は、最も高いもので200W/m・K程度であるが、一般には60~170W/m・Kである。熱伝導率は、60W/m・K以上であることが好ましく、より好ましくは65W/m・K以上である。熱伝導率が小さくなると熱浸透率の値が小さくなるので、熱伝導率は大きいことが好ましい。
また、カーボン素材の熱浸透率が8000J/(m2・s1/2・K)以上とすることが好ましい。熱浸透率は、物質が接触面を通して熱を奪う能力を示しており、その値が大きい方がカーボン素材に手や唇が触れたときに冷たく感じる。
また、飲料用コップは、唇が触れる上部の厚みが1~5mmとし、上端部がR加工又は面取り加工が施されていることが好ましい。このようにすることにより、飲みやすく、飲み心地のよい形状とすることができる。
カーボン素材からなる飲料用コップの表面を磨いても良い。表面を磨くには、市販の研磨機を用いても良く、サンドペーパーを用いて磨いても良い。表面を磨くことにより、カーボン素材(飲料用コップ)からのカーボンの脱離を防止する効果も発現する。
カーボン素材からなる飲料用コップに、セラミック、ガラス、ガラス状カーボン、熱分解炭素、シリコーン樹脂やポリイミド樹脂などの合成樹脂の含浸及び/又は被覆を施してもよい。カーボン素材(飲料用コップ)からのカーボンの脱離を防止し、飲料用コップの耐久性を向上させることができる。
一方、完全に開気孔を塞いでしまっては、まろやかで細かな泡が生じる効果が薄れてしまうので、人造黒鉛などのカーボン素材の開気孔を、含浸及び/又は被覆により、塞いでしまわないように制御するようにする。例えば、人造黒鉛の場合、表面の被覆によって形成される被覆膜の厚みは、5~50μmにすることが好ましく、5~30μmにすることがより好ましい。5μm以下ではカーボンの脱離を防止し飲料用コップの耐久性を向上させる効果が殆どなく、50μmを超えると開気孔が少なくなりすぎ、まろやかで細かな泡が生じる効果が薄れてしまう。
人造黒鉛などのカーボン素材の開気孔を含浸によって、制御する場合は含浸後の重量増加率が、0.1~3%にすることが好ましく、0.2~1.5%にすることがより好ましい。0.1%以下では、カーボンの脱離を防止し飲料用コップの耐久性を向上させる効果が殆どなく、3%を超えると開気孔が少なくなりすぎ、まろやかで細かな泡が生じる効果が薄れてしまう。
人造黒鉛などのカーボン素材の開気孔を、含浸及び/又は被覆により制御することにより泡発生の度合いを調節することができる。このようにカーボン素材の開気孔を制御するための合成樹脂として好ましいのは、シリコーン樹脂やポリイミド樹脂である。これらの樹脂は成膜性がよく、粘度を低くすることができ、取り扱いも容易である。
これらの樹脂の被覆は、はけ塗法やスプレーガンを用いたスプレー法を採用して、樹脂をカーボン素材からなる飲料用コップ表面に塗布したのち、例えば、150~250℃若しくはそれ以上の温度で熱処理を行うことによって樹脂を硬化させる。
これらの樹脂の含浸は、樹脂溶液中にカーボン素材からなる飲料用コップを浸漬させる。浸漬のみによっても樹脂を含浸させることが可能である。真空及び/又は加圧操作を行うことによって、より多くの樹脂を含浸させることができる。樹脂含浸後には、例えば、150~250℃若しくはそれ以上の温度で熱処理を行うことによって樹脂を硬化させる。
シリコーン樹脂の場合、加熱によりシロキサン結合によりネットワーク化した被覆膜が飲料用コップの内部(気孔の周り)及び/又は表面に形成される。
ポリイミド樹脂は、繰り返し単位にイミド結合を含む高分子であればよく、特に限定はされない。被覆は、ワニスを使用するのが好ましい。ワニスは、被覆に好適な粘度に調整しやすいからである。ワニスに用いる溶剤は、n-メチル―2―ピロリドンが一般的であるが、他の好適な溶剤を用いてもよい。また、ポリイミド樹脂のワニスは、一般に市販されているものを用いることができる。ポリイミド樹脂の被覆膜が飲料用コップの内部(気孔の周り)及び/又は表面に形成される。
なお、上記の含浸及び被覆については、それらの処理の両方を飲料用コップに対して行ってもよい。含浸と被覆の順番は、特に限定されない。
飲料用コップに、カーボン素材からなる冷却状態にして内部に配置されるカーボン塊を設けてもよい。冷却されたカーボン塊は、氷の代わりに用いることができる。例えば炭酸飲料などの清涼飲料水を飲む場合、コップに氷を入れると氷が溶けて飲料の味が薄まってしまう。
冷却されたカーボン塊を用いることによって飲料が薄まることなくより冷えた飲料を味わうことができる。カーボン塊を、開気孔を有する人造黒鉛とすることにより、まろやかで細かな泡を生じさせることもできる。カーボン塊は、形状は特に限定されない。球形、立方体、直方体の他、あらゆる形状で良い。また、カーボン塊の表面に上記の物質の含浸及び/又は被覆を施しても良い。
<飲料用コップの作製>
表1に示すA~EのCIP成形法により製造された特性が異なる5種類の人造黒鉛を用いて2種類の飲料用コップを作製した。
参考例として、陶器及びソーダガラスを示した。各値は代表的な値の範囲で選択した。
表1に飲料用コップの作製に採用可能な人造黒鉛の物性等を示す。
Figure 2022117638000002
<作製した飲料用コップ>
コップ10(ぐい呑み): 図1、図2参照
外径(D1)×高さ(H1)=φ44.5×45,厚み2~5mm,R加工有り。
コップ20(湯呑):図3、図4参照
外径(D2)×高さ(H2)=φ64×62,厚み2~5mm,R加工有り。
それぞれ、人造黒鉛ブロックから切削加工してそのままのもの及び、切削加工した後スポンジ研磨材#1200~#1500を用いて研磨したものを作製した。
切削加工した後、研磨したものとしていないものの両方について、市販のポリイミド樹脂ワニスを用いて、真空容器を用いてポリイミド樹脂を含浸した。含浸は、ポリイミド樹脂ワニスをステンレス製の容器にいれ、その中に含浸するコップを浸漬させたものを、真空容器に配置した後、真空ポンプを用いて、30分間程度減圧することによって行った。含浸後、コップに付着したポリイミド樹脂を拭き取った。樹脂含浸されたコップを、熱風乾燥器を用いて250℃で20分間熱処理を施した。
表2にポリイミド樹脂含浸後(熱処理後)の重量増加率を示す。
Figure 2022117638000003
同様の方法で、シリコーン樹脂(東京熱化学工業社の変性シリコーン樹脂系耐熱塗料、商品名サーモジンCTタイプ)を用いて、表1のCの人造黒鉛を切削して作製したぐい呑み及び湯呑に含浸した。研磨していないぐい呑みの重量増加率は1.8%であり、研磨しているぐい呑みの重量増加率は1.6%であった。また、研磨していない湯呑の重量増加率は1.6%であり、研磨している湯呑の重量増加率は1.3%であった。
人造黒鉛(表1の記号D)ブロックから切削加工して下記のコップ30を幾つか作製した。コップ30(洋酒グラス):図5、図6参照
外径(D3)×高さ(H3)=φ96×85,上端部分の厚みが1.5mm,先端はR加工している。
上記切削加工したコップ30のうち、数個をコップ形状に切削加工した後、スポンジ研磨材#1200~#1500を用いて研磨した。
研磨したコップの内、2つのコップ30にポリイミド樹脂を、真空容器を用いて含浸後、250℃で20分間熱処理を施した。重量増加率は、それぞれ0.24%及び0.38%であった。
上記切削加工したコップ30を研磨しないで、市販のポリイミド樹脂(含浸に用いたものと同じ)を、全面に刷毛を用いて塗布した。その後、熱風乾燥器を用いて250℃まで加熱して20分間保持した。被膜の厚みは約20μmとした。
上記切削加工したコップ30を研磨しないで、シリコーン樹脂(含浸に用いたものと同じ)を、スプレーガンを用いて塗布した。その後、熱風乾燥器を用いて250℃まで加熱して20分間保持した。被膜の厚みは約40μmとした。
<飲料用コップによる試飲>
表1に熱浸透率、ξ/ξ(コップの熱浸透率/唇の熱浸透率)、接触面の温度、接触面と唇との温度差を示す。
熱浸透率 ξ [J/(m・s1/2・K)]= (λ・ρ・Cp)1/2 ・・・・ (1)
λ:熱伝導率, ρ:かさ密度, Cp:定圧比熱を示す。
熱浸透率は、物質が接触面を通して熱を奪う能力を示す。例えば、その値が大きい方が手や唇に触れたときに冷たく感じる。ここで、定圧比熱は300Kにおける黒鉛の値(715J/K・kg)を用いた。
例えば、コップにビールが入っており、そのビールを飲む。
唇の温度がT1,コップの温度がT2,唇とコップとの接触面の温度T,ξ:唇の熱浸透率,ξ:コップの熱浸透率とする。
=T+(T-T)×[ξ/(ξ+ξ)] ・・・・ (2)
Δθ=(T-T)/(T-T) ・・・・ (3)
Δθ=(T-T)/(T-T) ・・・・ (4)
Δθ/Δθ=ξ/ξ・・・・ (5)
Δθ:接触面と唇との温度差をコップと唇の温度差で除した値
Δθ:接触面とコップとの温度差をコップと唇の温度差で除した値
ゆえに、(5)式よりコップの熱浸透率ξが大きいと、Δθ/Δθが大となる。
すなわち、Δθ/Δθが大であるということは、接触面と唇との温度差が大きいということになる。従って、唇がより冷たく感じる。
ここで、コップの熱浸透率ξが大きいと、Δθ/Δθが大であり、より冷たく感じる。
なお、人間の皮膚の熱浸透率は、概ね1500J/(m・s1/2・K)前後の値であることが報告されている(加賀田翔 大阪府立大学博士論文 2016年 参照)。
そこで、唇の熱浸透率ξを1500J/(m・s1/2・K)と仮定して、ξ/ξすなわちΔθ/Δθを求めた。
また、唇の温度Tを35℃、コップの温度Tを5℃と仮定して、(2)式より唇とコップとの接触面の温度Tを求めた。そして(2)式及び(3)式より、接触面と唇との温度差を求めた。それらの結果を表1に示す。
参考例のうち、陶器の比熱の値を900J/K・kgとし、ソーダガラスの比熱の値を800J/K・kgとした。参考例では、ξ/ξが陶器の場合1.2であり、ソーダガラスの場合0.95である。実施例は、参考例と比較して接触面の温度Tが9~12℃低く、接触面と唇との温度差も同様に9~12℃低い値となった。
従って、実施例のコップの場合方が、唇がより冷たく感じる。
冷蔵庫で冷やしたビール及び清涼飲料(炭酸飲料)を、前記コップを用いて試飲した。なお、試飲に用いた前記コップを(1)~(8)にまとめて示す。
(1)表1のA~Eの人造黒鉛を切削して作製したコップ10及びコップ20であって、切削加工してそのままのもの
(2)表1のA~Eの人造黒鉛を切削して作製したコップ10及びコップ20であって、切削加工後に研磨したもの
(3)表2に記載のポリイミド樹脂を含浸したもの
(4)表1のCの人造黒鉛を切削して作製したコップ10及びコップ20に、シリコーン樹脂を含浸したもの(切削加工してそのままのもの及び切削加工後に研磨したもの)
(5)表1の人造黒鉛Dを切削して作製したコップ30(洋酒グラス)であって、切削加工してそのままのもの及び切削加工後に研磨したもの
(6)表1の人造黒鉛Dを切削して作製したコップ30(洋酒グラス)であって、切削加工後に研磨したものにポリイミド樹脂を含浸したもの
(7)表1の人造黒鉛Dを切削して作製したコップ30(洋酒グラス)であって、切削加工してそのままのものに、ポリイミド樹脂を被覆したもの
(8)表1の人造黒鉛Dを切削して作製したコップ30(洋酒グラス)であって、切削加工してそのままのものに、シリコーン樹脂を被覆したもの
試飲結果は次のとおりである。
カーボン素材の飲料用コップでは、比較例の陶器及びソーダガラスのコップと比較して、明らかにビール及び炭酸飲料を冷たく感じて飲むことができた。カーボン素材A~Eでの冷たさを感じる度合いは、熱浸透率の値の大きなC及びEはより冷たい印象はあったが、顕著な差ではなかった。研磨の有無による差異は無かった。樹脂の含浸、被覆の有無によって、飲み物を冷たく感じる程度に差はなかった。
泡立ちに関しては、上記いずれのコップもまろやかで細かな泡が生じた。かさ密度が小さいカーボン素材A及びBでは、他と比較して、発生した泡の量が多かった。研磨によって、少しではあるが泡の量が少なくなった。樹脂の含浸又は被覆により、発生する泡の量がやや少なくなった。なお、研磨、樹脂の含浸又は被覆により、発生する泡はやや少なくなる傾向ではあったが、まろやかで細かな泡が生じることには変わりがない。研磨、樹脂の含浸又は被覆は、むしろ泡の趣が異なる特徴を発現した。
<カーボン塊>
カーボン素材からなるカーボン塊として、人造黒鉛(表1の記号D)ブロックから切削加工してカーボン塊を作製した。当該カーボン塊は球形であり、直径はそれぞれ10mm、20mm、30mm、40mm及び50mmであった。これらのカーボン塊は、切削加工した後、スポンジ研磨材#1200~#1500を用いて研磨した。
当該カーボン塊を冷凍庫に24時間以上入れて冷やした。冷やしたカーボン塊を上記飲料用コップに入れた後、ビールや炭酸飲料を注いだ。これによって、ビールや炭酸飲料が更に冷たく感じた。
多くの場合、炭酸飲料を飲む際には氷を入れるが、氷の代わりに冷やしたカーボン塊を入れたが、カーボン塊は溶けないので、ゆっくり飲んでも炭酸飲料が薄まることなく最後まで美味しく飲むことができた。
また、冷やしたカーボン塊を入れてビールや炭酸飲料を注いだ場合、カーボン塊の表面からまろやかで細かな泡が発生した。
10 コップ(ぐい呑み)
20 コップ(湯呑)
30 コップ(洋酒グラス)
本発明の飲料用コップは、 人造黒鉛からなる飲料用のコップであって、当該人造黒鉛のかさ密度が1730~1850kg/m3、室温における熱伝導率が65~128W/(m・K)、熱浸透率が8960~12300J/(m2・s1/2・K)であり、唇の熱浸透率をξ 、コップの熱浸透率をξ としたときのξ /ξ が6.0~8.6であることを特徴としている。
これによって、ビールや炭酸飲料をより冷たく感じることができ、更に、まろやかで細かな泡が生じてより美味しく味わうことができる。また、人造黒鉛製のコップであるため、熱伝導率が高い素材が得られやすく、コップ形状に加工しやすくなる。
本発明は、次のような種々の好ましい形態を採用可能である
第1の形態では、唇が触れる上部の厚みが1~5mmであり、上端部がR加工又は面取り加工が施されていることを特徴としている。このような、飲みやすく、飲み心地のよい形状とすることが好ましい。
第2の形態では、ポリイミド樹脂が含浸され、その含浸後の重量増加率が0.36~1.20%である。
これによって、人造黒鉛からのカーボンの脱離を防止し、飲料用コップの耐久性を向上させることができる。

Claims (5)

  1. カーボン素材からなる飲料用のコップであって、当該カーボン素材のかさ密度が1500~1950kg/m3、室温における熱伝導率が60W/(m・K)以上、熱浸透率が8000J/(m2・s1/2・K)以上であることを特徴とする飲料用コップ。
  2. カーボン素材が人造黒鉛であることを特徴とする請求項1に記載の飲料用コップ。
  3. 唇が触れる上部の厚みが1~5mmであり、上端部がR加工又は面取り加工が施されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の飲料用コップ。
  4. 合成樹脂の含浸及び/又は被覆が施されていることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載の飲料用コップ。
  5. カーボン素材からなる冷却状態にして内部に配置されるカーボン塊が設けられていることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の飲料用コップ。
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