JP2004123233A - 発泡飲料用泡立て器具 - Google Patents

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Kimiko Otani
大谷 貴美子
Hirosuke Takahata
高畑 宏亮
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Abstract

【課題】液面に形成される発泡飲料の泡をきめ細かくし又、泡層を長時間持続させることのできる、あるいはあるいは泡の発生を適度に調整できる発泡飲料用泡立て器具を提供しようとする。
【解決手段】発泡飲料容器の注ぎ口に取り付ける器具であり、該器具を経由して該発泡飲料が注がれるものであって、前記注ぎ口に連結される連結口と、該発泡飲料が注出される注出口と、該連結口から該注出口に至る流路とを備え、前記流路の発泡飲料の通過面の少なくとも一部が泡発生粗面から成る泡発生部であり、該発生部が前記流路に着脱可能に装着される発泡飲料用泡立て器具である。又、発泡飲料容器の注ぎ口に取り付ける器具であり、該器具を経由して該発泡飲料が注がれるものであって、前記注ぎ口に連結される連結口と、該発泡飲料が注出される複数の注出口と、前記連結口から各該注出口に至る前記流路とを備え、1の前記流路の前記通過面の少なくとも一部が、他の前記流路の前記通過面より泡発生能が大きな泡発生粗面である発泡飲料用泡立て器具である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はビール等の発泡飲料を瓶等の容器から注ぐ時に使う発泡飲料用泡立て器具に関する。特に液面に形成される発泡飲料の泡をきめ細かくし又、泡層を長時間持続させることのでき、あるいは泡の発生を適度に調整できる発泡飲料用泡立て器具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、旨いビールの条件は、液体が琥珀色で澄んでいて爽やかな香り、爽快な苦みがあることの他にきめ細かな泡があることといわれている。泡の評価は、泡立ち、泡持ち、泡付き、きめ細かさ等についてなされる。(熊田順一:ビールの泡、生物と化学13、504ー509(1975))
【0003】
液体の性質は製造条件や輸送条件を管理することにより最適化を計ることが出来るが、泡はそのような他にビアカップ及びそれへの注ぎ方で出方や性状が影響される。
【0004】
しかし、これらのいずれも、簡易式サーバーの製造にコストがかかったりして、さらに簡易な製法や、良好な泡の状態を得る手段が望まれている。注ぐときに泡が出過ぎる場合もあり、調整が難しい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、液面に形成される発泡飲料の泡をきめ細かくし又、泡層を長時間持続させることのできる、あるいはあるいは泡の発生を適度に調整できる発泡飲料用泡立て器具を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨とするところは、発泡飲料容器の注ぎ口に取り付ける器具であり、該器具を経由して該発泡飲料が注がれるものであって、前記注ぎ口に連結される連結口と、該発泡飲料が注出される注出口と、該連結口から該注出口に至る流路とを備え、前記流路の発泡飲料の通過面の少なくとも一部が泡発生粗面から成る泡発生部であり、該発生部が前記流路に着脱可能に装着される発泡飲料用泡立て器具であることにある。
【0007】
又、本発明の要旨とするところは、発泡飲料容器の注ぎ口に取り付ける器具であり、該器具を経由して該発泡飲料が注がれるものであって、前記注ぎ口に連結される連結口と、該発泡飲料が注出される複数の注出口と、前記連結口から各該注出口に至る前記流路とを備え、1の前記流路の前記通過面の少なくとも一部が、他の前記流路の前記通過面より泡発生能が大きな泡発生粗面である発泡飲料用泡立て器具であることにある。
【0008】
更に、本発明の要旨とするところは、発泡飲料容器の注ぎ口に取り付ける器具であり、該器具を経由して該発泡飲料が注がれるものであって、前記注ぎ口に連結される連結口と、該発泡飲料が注出される注出口と、該連結口から該注出口に至る流路とを備え、前記流路の前記注出口近傍から前記注出口に至る部分で、互いに異なる泡発生能を有する複数の内壁面を前記流路の周方向に備え、該複数の内壁面のうち最も泡発生能が大である面が泡発生粗面である発泡飲料用泡立て器具であることにある。
【0009】
前記泡発生粗面は、該面の撮像の二値化画像の凸部の円相当径の平均値が4、5から40μmであり得る。
【0010】
前記泡発生粗面は、焼き物の無釉部の面、叉は該焼き物の無釉部に粗い釉(化粧泥)あるいは薄い釉を施して成る面であり得る。
【0011】
前記泡発生粗面は、ガラス面叉はプラスチック面叉は金属面が50から1000メッシュのサンドブラスト加工されたものであり得る。
【0012】
又、本発明の要旨とするところは、一体の焼き物を含んでなり、前記流路が該焼き物に形成された前記発泡飲料用泡立て器具であることにある。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の態様を図を用いて説明する。図1の本発明の発泡飲料用泡立て器具1は焼きしめた焼き物11をベースにして出来ていて、発泡飲料容器の注ぎ口に取り付ける陶製器具であり、その器具を経由して該発泡飲料が注がれる。発泡飲料用泡立て器具1は、その注ぎ口に連結される連結口24と、発泡飲料が注出される注出口16と、連結口24から注出口16に至る流路28とを備え、流路28の発泡飲料の通過面10の一部が泡発生粗面から成る泡発生部2である。発泡飲料用泡立て器具1の内面は、釉薬がかけられている滑らかな面3と、無釉の面19とから成る。無釉の面19が泡発生部2を構成し、泡発生部2は、注出口16から連結口24に向けた発泡飲料用泡立て器具1の先端部に設けられている。
【0014】
図3は、発泡飲料用泡立て器具1をビール瓶4の注ぎ口27に取り付ける態様の一例であり、ビール瓶4の口部9に外嵌したゴムパッキン(Oリング)5を介して連結口24を口部9に外嵌する。
【0015】
図4に示すように、発泡飲料用泡立て器具1をビール瓶4に取り付けビールをコップのような注ぎ容器6に注ぐ。注ぐ時にはじめは図4(a)に示すように滑らかな面3をビールが通過するようにビールを注ぐ。このときは泡の発生が少なく、注がれたビールは泡のない部分7が多い。注がれたビールの液面がコップの上縁に近づくと、図4(b)に示すように発泡飲料用泡立て器具1を取り付けたビール瓶4を中心軸回りに回転させて好みに応じて泡発生部2にビールを通過させて泡を発生させ液面にきめ細かい泡のある部分8を残すことが出来る。
【0016】
一般に、コップに注がれるときのビールの泡は時によって少なすぎたり、多すぎてコップ中の殆んどが泡であったりしがちであるが、本発明の発泡飲料用泡立て器具1は泡の発生度合いを目視しながらこのようにビール瓶を中心軸回りに回転させて好みに応じて泡の発生度合い調節しつつ液面に適度の量のかつきめ細かい泡を残すことが出来る。
【0017】
無釉の泡発生部2を作るには、まず、素焼きの段階の焼き物を用意し、釉薬をかけない部分に相当するマスキングシートを、その面に貼り付け、焼き物の内面全体に釉薬をかける。そのあとシートを剥がすと釉薬のかかっていない部分ができる。又、釉薬をかけない部分に相当する部分に蝋や撥水剤を塗り、釉薬をかけると釉薬のかかっていない部分ができる。その後焼き物を焼成すると、蝋や撥水剤は分解、燃焼等により除去され釉薬のかかっていない部分が作られる。
【0018】
このように、先端に設けられた無釉の部分を残すという極めて簡易な方法で、泡発生部を作ることが出来るのである。
【0019】
また、泡発生部としては、焼き物の素地面に所定の粒度の化粧泥や粗粒の釉薬や水薬で描いて焼成し、その部分を泡発生部としてもよい。
【0020】
化粧泥は、乾燥物としてみて、粘土25〜45重量%、陶石7〜25重量%、珪石7〜25重量%、ロー石7〜25重量%、珪砂(平均粒度150〜700μm)0.5〜25重量%を含むものであることが好ましい。化粧泥は、乾燥物としてみて、粘土+カオリンが40〜50重量%、長石が30〜50重量%、珪石(粒度20μm以下)+珪砂(粒度200〜600μm)が20〜30重量%、かつ、珪砂(粒度200〜600μm)が1〜25重量%という組成が更に好ましい。又、珪砂の含有量が0.5〜5重量%以下であると注がれた泡の泡立ちが更に良くなり、かつ泡が更に長持ちする。珪砂の含有量が15〜25重量であると粗い泡となり、かつ泡の長持ちの程度が、珪砂の含有量が5重量%以下である場合に比べやや劣る。このように、本発明においては、化粧泥の選択により、異なる泡が得られる。
【0021】
化粧泥に珪砂を含有させたことによるこのような効果は、焼成工程における膨張とその後の収縮により珪砂にクラックが生じ、容器に注がれたビールがそのクラックに接する部分で細かい泡を生ずるためである。このような組成の化粧泥により、泡立ちがよく、泡が長持ちし、かつ繰り返しの使用によってもその泡立ち及び持続の程度がかわらない泡発生部を得るためには、焼成温度1200〜1300℃、化粧泥の厚さ1〜2mmとすることが好ましい。この条件による泡発生部は表面粗さRaが4.5〜40μmであり、テストピースによる吸水率が0.5〜5.5%である。
【0022】
なお、従来の通常の化粧泥は粘土+カオリンが、60〜80重量%、長石が10〜20重量%、珪石(粒度20μm以下)が10〜20重量%という組成であり、通常の化粧泥による粗面は、このようなクラックの効果が得られず、珪砂を含む化粧泥による粗面を泡発生部とすることが最も好ましい。通常の化粧泥を厚さ1〜2mmとする粗面は、表面粗さRaが4.5を下まわり、テストピースによる吸水率が5.5%をこえたものとなる。
【0023】
泡発生部がガラスや金属やプラスチックから作られてもよい。ガラスや金属やプラスチックの面を50から1000メッシュのサンドブラストで加工して泡発生粗面を作ることが出来る。また、粗粒の部材を発生部に貼り付けたものを泡発生部として用いることが出来る。
【0024】
泡の状態は、注がれるときにビールが通過する流れ方向に沿った泡発生部の長さ、即ち、図1(b)におけるLによっても影響される。泡立ちがよく、長持ちする泡を発生させるためには、Lが2〜5cmであることが好ましい。3〜4cmであることが更に好ましい。Lが2cm未満であると細かい泡の発生が少なすぎる。Lが5cmをこえると泡の発生量が多すぎて注がれた容器内に所望の状態にコントロールされた泡の層を形成することが容易でなくなる。
【0025】
本発明の実施の他の態様においては、図2の発泡飲料用泡立て器具1aが用いられる。発泡飲料用泡立て器具1aも焼きしめた焼き物をベースにして出来ており、発泡飲料容器の注ぎ口に取り付ける器具であり、その器具を経由して発泡飲料が注がれる。発泡飲料用泡立て器具1aは、その注ぎ口に連結される連結口24と、発泡飲料が注出される2個の注出口16a、16bと、連結口24から注出口16a、16bにそれぞれ至る流路28a、28bとを備え、流路28aの発泡飲料の通過面10aが泡発生粗面から成る泡発生部2aである。流路28bの発泡飲料の通過面10bは、焼きしめたままの壁面が釉薬で覆われ、表面が滑らかになっており、その部分を通過したビールからは泡の発生が少ない。発泡飲料用泡立て器具1aをビール瓶に装着し、注出口16aと、注出口16bを選択的に用いてビールを注ぐことにより、注がれたビールの泡の量と状態を調節できる。
【0026】
本発明の更に他の態様においては、図5の発泡飲料用泡立て器具1bが用いられる。発泡飲料用泡立て器具1bは、その注ぎ口に連結される連結口24と、発泡飲料が注出される3個の注出口16c、16d、16eと、連結口24から注出口16c、16d、16eにそれぞれ至る流路28c、28d,28eとを備え、流路28c、28dの発泡飲料の通過面が泡発生粗面から成る泡発生部である。流路28eの発泡飲料の通過面は、焼きしめたままの壁面が釉薬で覆われ、表面が滑らかになっており、その部分を通過したビールからは泡の発生が少ない。流路28cの泡発生部は、流路28dの泡発生部に比べ面が粗であり、泡発生能が高くなっている。注出口16c、16d、16eを選択的に用いてビールを注ぐことにより、注がれたビールの泡の量と状態を好みに応じてきめこまかく調節できる。
【0027】
本発明の実施の態様の他の一例を図6に示す。図6の本発明の発泡飲料用泡立て器具1hはビール瓶4の注ぎ口に連結される連結口24hと、発泡飲料が注出される注出口16hと、連結口24hから注出口16hに至る流路28hとを備え、流路28hの発泡飲料の通過面10hの一部が泡発生粗面から成る泡発生部2hである。流路28hは樹脂製の弾性チューブ40と、弾性チューブ40の一端に着脱可能に内嵌された泡発生管36とから構成される。弾性チューブ40の他端の開口部がビール瓶4の注ぎ口に外嵌される連結口24hである。泡発生管36は素焼の陶器に水薬をかけて焼成したものから成り、その内壁面が泡発生部2hとなる。泡発生管36の材質や内面の性状を変えることにより、あるいは、泡発生管36の長さ等の形状を変えることにより、泡発生部2hの泡発生の程度を調節することができ、好みに応じて、あるいは、気温や、ビールの温度に対応して注がれたビールの泡のキメや量を調整できる。
【0028】
本発明の又更に他の態様の一例においては、図7の発泡飲料用泡立て器具1cが用いられる。発泡飲料用泡立て器具1cは、缶ビールの缶30に取り付けられる器具であり、その器具を経由して該発泡飲料が注がれる。発泡飲料用泡立て器具1cは、缶30の上縁部に連結される連結口24cと、発泡飲料が注出される2個の注出口16f、16gと、連結口24cから注出口16f、16gにそれぞれ至る流路28f、28gとを備え、流路28fの発泡飲料の通過面10fの先端部が泡発生粗面から成る泡発生部2cである。発泡飲料用泡立て器具1cは、連結口24cを構成し缶30の上縁部に外嵌される基管部32と、基管部32の連結口24cと反対側の開口部から互いに分岐した細管34f、34gと、細管34fの先端が外嵌される泡発生管36とから構成される。細管34fの中空部が流路28fとなり、細管34gの中空部が流路28gとなる。
【0029】
基管部32、細管34f、34gは樹脂で成形され滑らかな内壁面を有する。泡発生管36は素焼の陶器に水薬をかけて焼成したものから成り、その内壁面が泡発生部2cとなる。泡発生管36は細管34fに着脱可能に装着される。泡発生管36の材質や内面の性状を変えることにより、あるいは、長さ等の形状を変えることにより、泡発生部2cの泡発生の程度を調節することも出来る。
【0030】
以下に器具の泡発生部の状態、従来のビールサーバーの泡の状態との関係を求めた実験の結果を示す。実験は表面状態の異なる形状の同じ10種類の器具でガラス容器にビールを注いで行った。ビールはアサヒ生ビール大瓶を使用し、ビールの温度は4℃とし注入速度、角度を一定のものにしはじめから泡発生部を通し注いだ。またビールサーバーにはアサヒ生ビール10リットル樽の簡易式サーバーを使用した。さらに実験に使用する器具やガラス容器は使用前に中性洗剤を用いてよく洗浄し、イオン交換水でゆすいで乾燥した。
【0031】
表1は各種の条件で製造し発生部の状態を変えた器具でビールを注いだ時の泡の状態に関する実験の結果である。
【0032】
【表1】器具の種類別の、注入されたビールの泡発生量、泡消失速度
Figure 2004123233
【0033】
泡の発生量は、ガラス容器に器具の泡発生部からビールを注いで、注入直後、10、30、60、120秒経過時、それぞれの泡の高さを測定し、泡の高さが最大になった時の泡の体積を求め、泡の発生量とした。表1において陶土の粒度は、レーザー回析式粒度分布測定器(島津製作所製SALDー3000)を用い測定した粒子の相対粒子量を粒子の小さいほうから累積した相対量が90%になる粒子の径である。尚、この価の平均径より大きめとなるが、泡発生に関しては、径の大きな粒子の寄与が大きいのでこの90%累積値が泡発生と関係するのである。又、表中水薬「有」は土灰釉の薄い乳濁液を施したものであり、「微」は土灰釉のさらに薄い乳濁液を施したものであり、「有※」は通常の釉薬処理に近い濃度の土灰釉の乳濁液を施したものである。
【0034】
なお、表1における泡消失速度は、泡の体積の減少していく平均の速度である。また、凹凸度は、粗面を顕微鏡の機能を有するカメラ即ち、デジタルマイクロスコープで撮影し、その撮像を二値化した画像より求めた凸部の円相当径の平均値である。この値は、デジタルマイクロスコープ(KEYENCE製、175倍)によって撮映した器具の内面の反射光の画像をコンピュータに取り込み、画像処理ソフトV20(東洋紡:TOYOBO Image Analyzer)のアルゴニズムにより、器具の内面の凹凸に対応する反射光を二値化された濃淡の画素のパターンにおいて粗面の凸部に対応する形状の部分の面積の分布を求め、この平均値を求め、その平均値と同一の面積を有する円の直径を求め、これを凹凸度としてμを単位として表示する。実際の演算は画素数を単位として行われ、最後に実寸に換算する、尚、2値化は2値化されたパターンと対応するようにしきい値を定めて行われる。
【0035】
表1の試料番号の欄の「ガラス」、「ガラス40」はガラス製の器具、及びガラス製器具の内面に40メッシュのサンドブラスト加工をして粗面化した器具をそれぞれ示す。「ガラス50」「ガラス200 」「ガラス800」「ガラス1000」「ガラス1200」はガラス製の器具の内面にそれぞれ50、200、800、1000、1200メッシュのサンドブラスト加工をして粗面化した器具を示す。「PMMA50」「PMMA1000」はポリメチルメタアクリレート製の器具の内面にそれぞれ50、1000メッシュのサンドブラスト加工をして粗面化した器具を示す。「サーバー」はアサヒ生ビール10リットル樽の簡易式サーバーからガラス容器に注いだことを示す。
【0036】
「アルミ50」「アルミ1000」はアルミ製の器具の内面にそれぞれ 50、1000メッシュのサンドブラスト加工をして粗面化した器具を示す。
【0037】
なお、ガラス、ポリメチルメタアクリレート製、アルミ製の器具の内底面に50から1000メッシュのサンドブラスト加工をした発生部を作ると、その部分から発生する泡を得ることが出来た。内面に50メッシュ未満のサンドブラスト加工をした発生部を作ると、泡の発生が急激で且つ荒く、泡の消滅も早かった。内面に1000メッシュを越えたサンドブラスト加工をした発生部を作ると、泡の発生が少なかった。
【0038】
また、ポリメチルメタアクリレート製の器具の他にも、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂等のプラスチックの器具の内面に50から1000メッシュのサンドブラスト加工をした発生部を作ると、泡の発生を得ることが出来た。プラスチックの器具の場合、泡の持続している時間は陶器製の器具に比べて短かった。
【0039】
本発明においては、プラスチックの器具の内面或いは泡発生手段の面に粗面を付与する方法としては、器具或いは泡発生手段を射出成形する金型の相当する部位に粗面を付与しておき、器具或いは泡発生手段を射出成形により製造してもよい。又、所定の形状を有し、且つ粗面を有する型板及びそのプラスチックの器具を加熱して、その型板をプラスチックの器具の内面に押しつけて、粗面をそのプラスチックの器具の内面に賦型して付与してもよい。
【0040】
また、アルミ製の器具の他にも、ステンレス、銅等の金属の器具の内面或いは泡発生手段の面に50から1000メッシュのサンドブラスト加工をした発生部を作ると、その部分から発生する泡を得ることが出来た。金属器具の場合、泡の発生量は陶器製の器具に比べて少なかった。
【0041】
本発明においては、金属の器具の内面或いは泡発生手段の面に粗面を付与する方法としては、器具の内面にやすりをかけてもよい。旋盤等で細かいピッチで多方向に溝をつけてもよい。エッチング等の手法により、金属の表面の所定の部分を腐蝕させて粗面化してもよい。
【0042】
また、器具或いは泡発生手段の材質にかかわらず、前記のように泡発生部の粗面をデジタルマイクロスコープで撮影し、その撮像を二値化した画像より求めた凸部の円相当径の平均値が4.5から40μであるときに、内面或いは泡発生手段の面の粗面が液面に泡を持続的に発生し優れた泡発生能を有した。凸部の円相当径の平均値が8から30μであるときに、液面に泡を持続的に安定に再現された。泡発生能は、表1のデータを得るときの実験操作と同様の操作により求めた泡消失速度の逆数である。但し、使用するビールは表1のデータを得るときに用いたものと同等のものであれば銘柄は問わないものとする。
【0043】
表2に器具の種類を変えて、ビールを繰り返し注いだときの泡立ちすなわち泡の発生量と、泡の消失速度を測定した結果を示す。図中グラフの横軸の1?5回目とあるのは、ガラス容器にビールを注ぎ、1分間器具を洗浄せず放置し、次いで洗浄したガラス容器に注ぐという操作の回数である。同じく横軸のその下の数字4、6、9は、表1の試料番号4、6、9の陶製を示し、「サーバー」、「ガラス200」の表示は表1と同様である。
【0044】
【表2】
Figure 2004123233
【0045】
試料6が初回の泡の消失速度が小さく、ビールを繰り返し注いでも泡の消失速度が増加せず泡持ちがよい。粒度が35から70μの陶土を使用して得られた器具が泡の発生量と泡の消失速度の両者のバランスからみて、良好な泡発生状態を示す。又、試料9は初回の泡の消失速度が最も小さい。陶土の粒子が35μ以下に微細で、且つ水薬がかかったものは、初回の泡の消失速度が非常に小さい。初回の泡の消失速度を小さくすることに関しては陶土の粒子は工業的に使用可能な範囲で幾ら細かくともよいが、作業性、コスト等を考慮して10μ以上が好ましい。
【0046】
又、総じて焼きしめたままのものや、ガラスにサンドブラスト加工したものは、美的観点からみると泡の発生が過剰であり、水薬をかけたものが、さらに綺麗な泡が得られる。又、焼きしめたままのものや、ガラスにサンドブラスト加工したもののように泡が過剰に発生するとビール中の炭酸ガスの放出が多くなり過ぎ、器具としては最良とはいえない。
【0047】
表3に器具の種類を変えて、ビールを繰り返し注いだとき、注いだ度毎の泡が消滅するまでの時間を示す。
【0048】
【表3】器具の種類別の、繰り返し注いだビールの泡の消滅時間消失速度
Figure 2004123233
【0049】
泡が消滅するまでの時間は、泡の高さが最大になった時点から、泡が消え去り、ビールの液面が確認できるようになるまでの時間である。図中の横軸の表示の内容は表2と同じである。試料6が各回にわたって泡が消滅するまでの時間が最も長く泡持ちがよい。試料4は初回の泡が消滅するまでの時間がやや短いが、2回目からは長くなり、以降の回数については消滅するまでの時間が安定化する。試料9は初回の泡が消滅するまでの時間が非常に長いが、2回目以降は泡持ちが悪くなる。
【0050】
泡の発生量と泡持ちについては、表2に示すようにサーバーが、初回の乾いた状態での容器の泡の発生量は視覚的に最も好ましい約20%であったが、繰り返し使用する毎に徐徐に減少し、5回目には6.5%となった。泡立ちの低下とともに、泡の消失時間も表3に示すように短くなり、5回目には24秒で泡は消失した。粗面処理したガラスは2回目に急激に泡立ちが減少したが、それ以降は一定の値に安定した。
【0051】
焼きしめたままの器具も、粗面処理したガラスの容器と同様に、回を重ねる毎に泡立ちは減少し、3回目以降で安定した。安定したときの泡の消失速度はサーバー、粗面処理したガラス粗に比べ低くなった。
【0052】
気体と固体の界面では、気体分子は、ファンデルワルス力のような比較的弱い力によって固体表面に吸着されることが知られている。又、吸着媒(器具の内壁)に毛細管隙のような微孔があるときは、その孔の内部表面にも吸着が起こるとされている。本実験で用いた器具の内壁の表面積(気体の吸着座席)を考えると、粗面処理なしのガラスに比較し、粗面処理したガラスが内壁の表面積が大きく、粗面処理したガラスより陶製の容器の内壁の表面積が大きい。なかでも焼きしめたままの器具の内壁の表面積は非常に大きい。従って、そこに吸着されている空気量にもかなりの差がある。又、滑らかな面に比較し、粗い表面では表面エネルギーが高く、気体と固体の界面は濡れることで滑面となり、表面エネルギーを下げようとすることが知られている。つまり、粗面処理なしのガラスと粗面処理したガラスでは内壁の表面に吸着されている空気の量がちがい、これが泡立ちの差の主因であると思われる。50から1000メッシュの粒子でサンドブラストし粗面処理したガラスの場合、2回目以降で急激に泡立ちが悪くなった原因は、内壁がビールで濡れることにより空気が追い出され、粗面が滑面に近くなったためである。陶製の器具の場合は、核となるべき多量の空気が器具素材の奥まで存在しており、ビールを注いで濡れても、徐徐にビールが素材に吸収され、再び粗面が形成されるのである。このため、2回目以降の泡立ちは1回目よりは減少するものの、素材自身がビールを吸収する能力のない粗面処理したガラスに比べ泡持ちがよいのである。すなわち、素材の多孔性が泡持ちに寄与する。従って、単にガラス表面にサンドブラスト等で疵をつけたり、微細な粒子を貼り付けたりしても、素材自身が多孔性を有しなければ泡持ちは良くならない。これらの現象は、ビールの他の発泡酒やサイダー等の発泡飲料にもあてはまる。又、焼きしめたままの器具の内壁の微孔は外壁表面まで壁のなかを導通しており、この導通路を通じて微かな気体の出入りがある。この気体導通の度合いが泡の発生を促進する要因と考えられる。
【0053】
【発明の効果】
本発明の発泡飲料用泡立て器具は、注いだビール等の発泡飲料の泡の発生具合が良好で且つ、きめの細かい泡をコントロールして持続的に楽しむことが出来る。」
【0054】
本発明の発泡飲料用泡立て器具は、注いだビール等の発泡飲料の泡の量を好みの量にコントロールすることが出来る。
【0055】
また、本発明の発泡飲料用泡立て器具は、製造が容易で、保管、運搬、携帯に便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発泡飲料用泡立て器具の見取り図(図1(a))と断面図(図1(b))である。
【図2】本発明の他の発泡飲料用泡立て器具の見取り図である。
【図3】本発明の発泡飲料用泡立て器具の取り付け図である。
【図4】本発明の発泡飲料用泡立て器具の注ぎ方図である。
【図5】本発明の更に他の態様の発泡飲料用泡立て器具の見取り図である。
【図6】本発明の又更に他の態様の発泡飲料用泡立て器具の断面模式図である。
【図7】本発明の又更に別の態様の発泡飲料用泡立て器具の断面模式図である。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c、1h;発泡飲料用泡立て器具
2、2a、2c、2h;泡発生部
3;滑らかな面
4;瓶
5;ゴムパッキン
6;容器
7;泡のない部分
8;泡のある部分
10、10a、10b、10c、10h;通過面
16、16a、16b、16c、16d、16e、16f、16g、16h;注出口
19;無釉の面
24、24c、24h;連結口
27;注ぎ口
28、28a、28b、28c、28d,28e、28f、28g;流路

Claims (7)

  1. 発泡飲料容器の注ぎ口に取り付ける器具であり、該器具を経由して該発泡飲料が注がれるものであって、前記注ぎ口に連結される連結口と、該発泡飲料が注出される注出口と、該連結口から該注出口に至る流路とを備え、前記流路の発泡飲料の通過面の少なくとも一部が泡発生粗面から成る泡発生部であり、該発生部が前記流路に着脱可能に装着される発泡飲料用泡立て器具。
  2. 発泡飲料容器の注ぎ口に取り付ける器具であり、該器具を経由して該発泡飲料が注がれるものであって、前記注ぎ口に連結される連結口と、該発泡飲料が注出される複数の注出口と、前記連結口から各該注出口に至る前記流路とを備え、1の前記流路の前記通過面の少なくとも一部が、他の前記流路の前記通過面より泡発生能が大きな泡発生粗面である発泡飲料用泡立て器具。
  3. 発泡飲料容器の注ぎ口に取り付ける器具であり、該器具を経由して該発泡飲料が注がれるものであって、前記注ぎ口に連結される連結口と、該発泡飲料が注出される注出口と、該連結口から該注出口に至る流路とを備え、前記流路の前記注出口近傍から前記注出口に至る部分で、互いに異なる泡発生能を有する複数の内壁面を前記流路の周方向に備え、該複数の内壁面のうち最も泡発生能が大である面が泡発生粗面である発泡飲料用泡立て器具。
  4. 前記泡発生粗面が該面の撮像の二値化画像の凸部の円相当径の平均値が4、5から40μmである請求項1乃至3のいずれかに記載の発泡飲料用泡立て器具。
  5. 前記泡発生粗面が、焼き物の無釉部の面、叉は該焼き物の無釉部に粗い釉(化粧泥)あるいは薄い釉を施して成る面である請求項1乃至4のいずれかに記載の発泡飲料用泡立て器具。
  6. 前記泡発生粗面が、ガラス面叉はプラスチック面叉は金属面が50から1000メッシュのサンドブラスト加工されたものである請求項1乃至4のいずれかに記載の発泡飲料用泡立て器具。
  7. 一体の焼き物を含んでなり、前記流路が該焼き物に形成された請求項1乃至5のいずれかに記載の発泡飲料用泡立て器具。
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