JP2022116569A - 孔検査装置及びこれを備えたプレス装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】各種部材(特に、その周側壁)に形成された孔を容易に且つ確実に検査することができる孔検査装置を提供すること。【解決手段】筒状部材60の周側壁58に形成された孔70を検査するための孔検査装置。この孔検査装置は、筒状部材60の内側から外側に向けて照射するための照射光源42と、筒状部材60の外側に配設される反射部材46と、反射部材46の反射方向に配設される撮像手段44とを備え、照射光源42から筒状部材60の孔70を通して外側に射出された射出光72は、反射部材46の反射面154に反射されて撮像手段44の配設方向に導かれる。このような孔検査装置は、プレス装置に組み込んで適用することができ、プレス加工により形成した筒状部材の孔をその加工中に孔検査することができる。【選択図】図5

Description

本発明は、各種部材に形成された孔を検査するための孔検査装置及びこれを備えたプレス装置に関する。
例えば、円形状の端壁とこの端壁から延びる円筒状の周側壁を有するキャップ状の筒状部材を成形するのにプレス装置が広く用いられている(例えば、特許文献1参照)。このプレス装置では、プレス装置本体のボルスタとこのボルスタに対して上下方向に往復動自在に支持されたスライドとの間にブランキング加工域、絞り加工域、フランジ成形域などが設けられる。
例えば、ブランキング加工域においてシート状材料から円形プレート状部材が打ち抜かれ、このプレート状部材に対して絞り加工が施される。例えば、絞り加工域においては、プレート状部材に絞り加工が施されて一端部に端壁を有し且つ他端部にフランジをする筒状部材が形成され、例えば、複数回の絞り加工を施すことによって、端壁及び細長い周側壁を有する筒状部材が形成される。また、例えば、フランジ成形域においては、筒状部材の他端部に形成されたフランジが所定形状に成形される。
このプレス装置では、ブランキング加工域に対応してブランキング加工用金型が配設され、絞り加工域に対応して絞り加工用金型が配設され、フランジ成形域に対応してフランジ成形用金型が配設され、ブランキング用金型、絞り加工用金型及びフランジ成形用金型の下金型がボルスタに取り付けられ、それらの上金型がスライドに取り付けられる。
また、このような筒状部材の周側壁に複数の孔を設ける場合があり、このような場合、例えば、フランジ成形域の後に孔形成域が設けられ、この孔形成域に対応して、例えば孔形成用金型が配設される(例えば、特許文献2参照)。この孔形成用金型は、ボルスタ側に組み込まれるダイ及び孔用パンチと、スライド側に組み込まれるカムとを含み、スライドの下方への移動がカムを介して孔用パンチに伝達され、この孔用パンチがダイに支持された筒状部材に作用することによって、その周側壁に孔が形成される。
特許第6725145号公報 特許第5233017号公報
このようなプレス装置を用いて加工した各種部材(筒状部材)については、プレス加工後に製造業者によって、孔が形成されているかの孔検査が行われているが、この孔検査の作業は、作業者が一つ一つの部材の周側壁の孔を目視検査で行っており、その作業が煩雑であるとともに、作業者の目が疲れやすく、長時間の作業では検査ミスが生じるおそれがあった。特に、筒状部材の周側壁に複数の孔が形成されている場合、筒状部材を回しながら目視検査をし、更に形成された孔の個数も数えなければならず、更に煩雑になるとともに、作業ミスも生じやすかった。
本発明の目的は、各種部材(特に、その周側壁)に形成された孔を容易に且つ確実に検査することができる孔検査装置を提供することである。
また、本発明の他の目的は、孔検査装置をプレス装置に組み込んでプレス加工の流れの中で筒状部材の周側壁に形成された孔を容易に且つ確実に検査することができるプレス装置を提供することである。
本発明の請求項1に記載の孔検査装置は、筒状部材の周側壁に形成された孔を検査するための孔検査装置であって、前記筒状部材の内側から外側に向けて照射するための照射光源と、前記筒状部材の外側に配設される反射部材と、前記反射部材の反射方向に配設される撮像手段とを備え、前記照射光源から前記筒状部材の前記孔を通して外側に射出された射出光は、前記反射部材の反射面に反射されて撮像手段の配設方向に導かれることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の孔検査装置では、前記筒状部材はキャップ状であり、前記周側壁と前記周側壁の一端部に設けられた端壁とを有し、前記周側壁に周方向に間隔をおいて複数の孔が設けられ、前記反射部材は、径方向外側において前記筒状部材の外周面を覆う反射面を有し、前記反射面は前記撮像手段に向けて拡径して拡がる円錐状であり、前記照射光源から前記周側壁の前記複数の孔を通して外側に射出された射出光は、前記反射部材の前記反射面に反射されて前記撮像手段の配設方向に導かれることを特徴とする。
また、本発明の請求項3に記載の孔検査装置では、前記筒状部材の前記周側壁は、前記端壁から延びる第1周側壁部と、前記第1周側壁部に設けられた肩部から延びる第2周側壁部とを有し、前記第1周側壁部に周方向に間隔をおいて複数の第1孔が設けられ、前記第2周側壁部に複数の第2孔が設けられており、前記反射部材の前記反射面は、前記筒状部材の前記径方向外側において、前記第1周側壁部の外周面を覆う第1反射面部と前記第2周側壁部の外周面を覆う第2反射面部とを有し、前記第1及び第2反射面部は前記撮像手段に向けて拡径して拡がる円錐状であり、前記照射光源から前記第1周側壁部の前記複数の第1孔を通して外側に射出された第1射出光は、前記第1反射面部に反射されて前記撮像手段に向けて導かれ、前記照射光源から前記第2周側壁部の前記複数の第2孔を通して射出された第2射出光は、前記第2反射面部に反射されて前記撮像手段に向けて導かれることを特徴とする。
また、本発明の請求項4に記載の孔検査装置では、前記筒状部材の前記端壁及び/又は前記肩部には複数の第3孔が設けられ、前記照射光源から前記第3孔を通して外側に射出された第3射出光は、そのまま前記撮像手段に向けて導かれ、前記第1周側壁部の前記複数の第1孔を通った後に前記第1反射面部にて反射された前記第1射出光の径方向内側に、前記第2周側壁部の前記複数の第2孔を通った後に前記第2反射部にて反射された前記第2射出光が導かれ、また前記第2射出光の径方向内側に、前記端壁及び/又は前記肩部の前記複数の第3孔を通った第3射出光が導かれることを特徴とする。
また、本発明の請求項5に記載のプレス装置は、端壁と前記端壁から延びる周側壁を有するキャップ状の筒状部材を形成する筒状部材形成部と、前記筒状部材形成部の後に前記筒状部材の前記周側壁に孔を形成する孔形成部と、前記孔形成部の後に形成された孔を検査する孔検査部とを備え、前記孔検査部に請求項2~4のいずれかに記載の孔検査装置が設けられており、前記筒状部材形成部、前記孔形成部及び前記孔検査部を通して搬送される間に、筒状部材に形成された孔の検査が行われることを特徴とする。
また、本発明の請求項6に記載のプレス装置では、前記孔検査装置の照射光源は、プレス装置本体側のボルスタ側に設けられ、前記撮像手段は、前記ボルスタに対して近接及び離隔する方向に往復動されるスライド側に設けられ、前記スライド側の上型に反射部材が取り付けられ、前記反射部材の内側に前記撮像手段が配設されており、前記スライドが下死点に向けて前記ボルスタに近接する方向に移動すると、前記反射部材が前記筒状部材の径方向外方を覆い、前記反射部材が前記筒状部材を覆う状態にて前記孔検査装置により前記筒状部材の前記孔の検査が行われることを特徴とする。
更に、本発明の請求項7に記載のプレス装置では、前記孔検査部に関連して、前記筒状部材を孔検査する検査域に吸引保持するための吸引保持手段が設けられていることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の孔検査装置によれば、孔検査をすべき筒状部材の外側に反射部材が配設され、照射光源から筒状部材の孔を通して外側に射出された射出光は、反射部材の反射面に反射されて撮像手段の配設方向に導かれるので、この射出光を撮像手段により検知することによって、筒状部材の周側壁の孔の有無を検知することができ、かくしてこの周側壁に所定数の孔が形成されているかを検査することができる。
また、本発明の請求項2に記載の孔検査装置によれば、反射部材は筒状部材の径方向外側においてその外周面を覆う反射面を有し、この反射面は撮像手段に向けて拡径して拡がる円錐状であるので、照射光源から周側壁の複数の孔を通して外側に射出された射出光は、反射部材の円錐状の反射面に反射されて筒状部材の上方において環状に配置されるように導かれ、従って、撮像手段による画像情報(射出光の情報)により、この周側壁に所定数の孔が形成されているかを容易に且つ確実に検査することができる。
また、本発明の請求項3に記載の孔検査装置によれば、筒状部材の第1周側壁部に対応して反射部材に第1反射面部が設けられ、その第2周側壁部に対応して反射部材に第2反射面部が設けられているので、照射光源から第1周側壁部の複数の第1孔を通して外側に射出された第1射出光は、反射部材の第1反射面部に反射されて撮像手段に向けて導かれ、また照射光源から第2周側壁部の複数の第2孔を通して射出された第2射出光は、反射部材の第2反射面部に反射されて撮像手段に向けて導かれ、これにより、筒状部材の上方に複数の第1射出光が環状に配置され、これら第1射出光の径方向内側に複数の第2射出孔が配置され、かくして、第1及び第2射出光を撮像手段により検知することによって、筒状部材の第1周側壁部及び第2周側壁部に所定数の孔が形成されているかを検査することができる。
また、本発明の請求項4に記載の孔検査装置によれば、筒状部材の端壁及び/又は肩部に複数の第3孔が設けられているので、照射光源から第3孔を通して外側に射出された第3射出光は、そのまま前記撮像手段に向けて導かれ、従って、第1周側壁部の複数の第1孔を通った後に反射部材の第1反射面部にて反射された第1射出光の径方向内側に、第2周側壁部の複数の第2孔を通った後に反射部材の第2反射部にて反射された第2射出光が導かれ、またこの第2射出光の径方向内側に、端壁及び/又は肩部の複数の第3孔を通った第3射出光が導かれ、かくして、第1~第3射出光を撮像手段により検知することによって、筒状部材の第1周側壁部及び第2周側壁部並びに端壁及び/又は肩部に所定数の孔が形成されているかを一度に検査することができる。
また、本発明の請求項5に記載のプレス装置によれば、キャップ状の筒状部材を形成する筒状部材形成部と、筒状部材の周側壁に孔を形成する孔形成部と、孔を検査する孔検査部とが設けられ、この孔検査部に請求項2~4のいずれかに記載の孔検査装置が設けられているので、筒状部材形成部、孔形成部及び孔検査部を通して搬送されるプレス加工中に、筒状部材に形成された孔の検査を行うことができる。
また、本発明の請求項6に記載のプレス装置によれば、孔検査装置の照射光源はプレス装置本体側のボルスタ側に設けられ、撮像手段はスライド側に設けられ、このスライド側の上型に反射部材が取り付けられ、反射部材の内側に撮像手段が配設されているので、スライドの下死点に向けて移動すると、反射部材が筒状部材の径方向外方を覆い、これによって、孔検査装置による筒状部材の孔検査を行うことができる。
更に、本発明の請求項7に記載のプレス装置によれば、孔検査部に関連して、吸引保持手段が設けられているので、孔検査する筒状部材を検査域に吸引保持して筒状部材の孔検査を所要の通り行うことができる。
本発明に従う孔検査装置を備えたプレス装置の一例を簡略的に示す図。 図2(a)~(g)は、図1のプレス装置の各域において加工される形状及び検査画像情報を説明するための図。 図3(a)~(e)は、図1のプレス装置の端面孔加工域における筒状部材の端面孔加工を説明するための加工説明図。 図4(a)~(e)は、図1のプレス装置の側面孔加工域における筒状部材の側面孔加工を説明するための加工説明図。 図1のプレス装置の検査域における筒状部材の孔検査を説明するための検査説明図。 図5の検査域に設けられた吸引保持手段を簡略的に示す平面図。 図5の検査域に配設された照射光源の変形例を示す部分拡大断面図。 図8(a)は、プレス装置により加工される筒状部材の他の例を示す斜視図、図8(b)は、この筒状部材の断面図。 図9(a)は、図8の筒状部材の端部の端面孔(第3孔)の加工を説明するための簡略図、図9(b)は、図8の筒状部材の第1周側壁の第1側面孔(第1孔)の加工を説明するための簡略図、図9(c)は、図8の筒状部材の肩部の肩面孔(第3孔)の加工を説明するための簡略図、図9(d)は、図8の筒状部材の第2周側壁の第2孔(第2側面孔)の加工を説明するための簡略図。 図8の筒状部材の孔検査に用いる孔検査装置を簡略的に示す断面図。 図10の孔検査装置により得られる孔検査画像情報の一例を示す図。 図12(a)は、孔検査装置の反射部材の第1の変形形態を示す簡略図、図12(b)は、この反射部材の第2の変形形態を示す簡略図。
以下、添付図面を参照して、本発明に従う孔検査装置及びこれを用いたプレス装置の実施形態について説明する。
図1及び図2において、図示のプレス装置は、工場の床面などに設置されるプレス装置本体2を具備し、このプレス装置本体2は、その下部に設けられたボルスタ4と、このボルスタ4に対して近接及び離隔する方向、この実施形態では上下方向に往復動自在に支持されたスライド6とを備えている。
このプレス装置では、矢印8で示す搬送方向に下流側に向けて、ブランキング加工域B、第1絞り加工域S1、第2絞り加工域S2、端面孔形成域T、側面孔形成域Y及び孔検査域Kがこの順に設けられている。ブランキング域Bに対応してブランキング用金型12が設けられ、その上型14がスライド6に取り付けられ、その下型16がボルスタ4に取り付けられている。第1絞り加工域S1に対応して第1絞り加工用金型18が設けられ、その上型20がスライド6に取り付けられ、その下型22がボルスタ4に取り付けられている。第2絞り加工域S2に対応して第2絞り加工用金型24が設けられ、その上型26がスライド6に取り付けられ、その下型28がボルスタ4に取り付けられている。端面孔形成域Tに対応して端面孔形成用金型30が設けられ、その上型32がスライド6に取り付けられ、その下型34がボルスタ4に取り付けられている。また、側面孔形成域Yに対応して側面孔形成用金型36が設けられ、その上型38がスライド6に取り付けられ、その下型38がボルスタ4に取り付けられている。更に、孔検査域Kに対応して孔検査装置40が配設され、この孔検査装置40の照射光源42などがボルスタ4側に取り付けられ、撮像手段44及び反射部材46がボルスタ4側に取り付けられている(図5参照)。
このように構成されているので、ボルスタ4に対してスライド6が上下動されると、このスライド6と一体的に、にブランキング用金型12の上型14、第1絞り加工用金型18の上型20、第2絞り加工用金型24の上型26、端面孔形成用金型30の上型32、側面孔形成用金型36の上型38及び孔検査装置40の撮像手段44及び反射部材46が移動され、ブランキング加工域B、第1絞り加工域S1、第2絞り加工域S2、端面孔形成域T、側面孔形成域Y及び孔検査域Kにおいて所定の加工及び検査が後述するように行われる。
ブランキング加工域Bにおいては、細長いシート状材料にブランキング用金型12(上型14及び下型16)が作用して打抜き加工が施され、このシート状材料から図2(a)で示す円形状のブランク52が形成される。第1絞り加工域S1においては、円形状のブランク52に第1絞り加工用金型18(上型20及び下型22)が作用して絞り加工が施され、このブランク52から図2(b)に示す筒状中間体54(端壁56及び周側壁58を有する中間体)が形成される。第2絞り加工域S2においては、筒状中間体54に第2絞り加工用金型24(上型26及び下型28)が作用して絞り加工が施され、この筒状中間体54から図2(c)に示す筒状部材60(端壁56、周側壁58及びフランジ62を有する筒状部材)が形成される。
端面孔形成域Tにおいては、端面孔形成用金型30(上型32及び下型34)が筒状部材60の端壁56に作用して孔形成加工が施され、この端壁56に例えば図2(d)に示すように端面孔64(この明細書通して「第3孔」とも称する。)が形成される。例えば4つのパンチ68(図3~図5に一つのみ示す)により4つの端面孔64が形成される。また、側面孔形成域Yにおいては、側面孔形成用金型36(上型38及び下型40)の作用により筒状部材60の周側壁58に孔形成加工が施され、この周側壁58に例えば図2(e)に示すように側面孔70(この明細書を通して「第1孔」とも称する。)が形成される。例えば4つのパンチ71(図1に一つのみ示す)により4つ側面孔70が形成される。更に、孔検査域Kにおいては、照射光源42は筒状部材60内を照射し、この照射光源42から筒状部材60の端壁56の端面孔64(第3孔)を通した射出光72(「第3射出光」とも称する。)(図7参照)がそのまま撮像手段44の方向に導かれ、また照射光源42から筒状部材60の周側壁58の側面孔70(第1孔)を通した射出光74(「第1射出光」とも称する。)(図5参照)が反射部材46(図5参照)に反射された後に撮像手段44の方向に導かれ、撮像手段44(例えば、CCDセンサ、CMOSセンサなどの撮像素子などから構成される)により得られる画像情報は、図2(g)に示すようになり、射出光72(第3射出孔)の画像情報は、点状の画像72aとして現れ、射出孔74(第1射出孔74)の画像情報は、点状の画像74aとして現れる。
このようにして端面孔64(第3孔)及び側面孔70(第1孔)を備える筒状部材60が形成され、この形成された筒状部材60の孔検査が行われるので、第1絞り加工域S1及び第2絞り加工域S2に対応する第1絞り加工用金型20及び第2絞り加工用金型26が筒状部材形成部として機能し、端面孔形成域T及び側面孔形成域Yに対応する端面孔形成用金型30及び側面孔形成用金型36が孔形成部として機能し、また孔検査域Kに対応する孔検査装置40が孔検査部として機能する。
次に、図3~図5を参照して、端面孔形成加工、側面孔形成加工及び孔検査について更に説明する。まず、図1とともに図3を参照して端面孔形成加工について説明すると、端面孔形成金型30の上型32は、スライド6に取り付けられた上型本体82、上型本体82に昇降動自在に装着された押えピン84、下型下降用ピン86、押えピン84を下方に弾性偏倚する押えピン用ばね88及び上型本体82に取り付けられた孔用パンチ68を備えている。押えピン84は、端面孔形成域Tに位置する筒状部材60の端壁56に後述するように作用し、下型下降用ピン86は、下型34に作用して後述するように下方に移動させ、孔用パンチ68は筒状部材60の端壁56に作用して端面孔64(第3孔)(図2(d)参照)を形成する。
また、端面孔形成金型30の下型34は、下型本体90、ダイ92、持上げ機構94、ベース部材96並びに下型本体90及び持上げ機構94を連結する連結機構98とを備え、ベース部材96がボルスタ4に取り付けられ、このベース部材96に対して下型本体90、持上げ機構94及び連結機構98が後述するように相対的に上下移動される。
主として図3を参照して、この端面孔形成金型30による端面孔形成加工について説明すると、上型本体82が図3(a)に示す上死点位置から矢印100で示す方向に下降すると、図3(b)に示すように、押えピン84の先端部が端面孔形成域Tに位置する筒状部材60の端壁56に当接する。押えピン84が筒状部材60に当接した状態で更に下降すると、上型本体82に対して押えピン84が相対的に上昇され、これにより、押えピン用ばね88が収縮してその弾性復元力でもって筒状部材60が押圧保持される。
このような状態から更に上型本体82が下降すると、下型下降用ピン86が下型本体90に当接し、この上型本体82の更なる下降によって、下型本体90、連結機構98及び持上げ機構94がベース部材96に対して相対的に下方に移動される。そして、上型本体82が図3(c)に示す下死点位置まで降下すると、図3(c)に示すように、筒状部材60がダイ92の先端部に被嵌され、かく被嵌された状態の筒状部材60の端壁56に孔用パンチ68が作用し、このようにして筒状部材60の端壁56の所定部位に端面孔64が形成される。図1及び図3では、孔用パンチ68を一つ示しているが、この孔用パンチ68は、端壁56に形成される端面孔64の数に対応した個数だけ設けられる。
この上型本体82が下死点位置から上死点位置に向けて矢印102で示す方向に上昇すると、図3(d)に示すように、上型本体82の上昇に伴い下型本体90、連結機構98及び持上げ機構94がベース部材96に対して相対的に上方に移動し、下型下降用ピン86が下型本体90から離れることによって、下型本体90、連結機構98及び持上げ機構94が元の位置に復帰する。かかる状態から更に上型本体82が上昇して上死点位置まで戻ると、押えピン84が筒状部材60から離れ、押えピン用ばね88の作用によって元の状態に戻った後に、図3(e)に示すように、上型本体82が上死点位置に戻り、このようにして筒状部材60の端壁56に端面孔64が形成される。
次に、図1及び図4を参照して、側面孔形成用金型36による端面孔形成加工について説明する。この側面孔形成用金型36の上型38は、スライド6に取り付けられた上型本体112、この上型本体112に昇降動自在に装着された押え兼下型下降用ピン114、押え兼下型下降用ピン114を下方に弾性偏倚する押えピン用ばね116及び上型本体112に取り付けられた上側カム機構118を備えている。押え兼下型下降用ピン114は、側面孔形成域Yに位置する筒状部材60の端面56(図2(e)参照)に後述するように作用するとともに、この作用状態において下型40を下方に移動させる。
また、側面孔形成金型36の下型40は、下型本体120、下型本体120に取り付けられたダイ122、持上げ機構124、ベース部材126並びに下型本体120及び持上げ機構124を連結する連結機構128とを備え、ベース部材126がボルスタ4に取り付けられ、このベース部材126に対して下型本体120、持上げ機構124及び連結機構128が後述するように相対的に上下移動される。この下型40は、更に、ベース部材126に固定された取付部材130と、この取付部材130に装着された下側カム機構132とを備え、下側カム機構132に孔用パンチ71が取り付けられている。尚、下側カム機構132は、取付部材130に移動自在に支持されたカム支持部材134と、カム支持部材134を外側に弾性的に偏倚する偏倚ばね136とを備え、このカム支持部材134に孔用パンチ71が取り付けられている。
主として、図4を参照して側面孔形成用金型36による側面孔形成加工について説明すると、上型本体112が図4(a)に示す上死点位置から矢印142で示す方向に下降すると、図4(b)に示すように、押え兼下型下降用ピン114の先端部が側面孔形成域Yにてダイ122に被嵌された筒状部材60の端壁56に当接する。この押え兼下型下降用ピン114が更に下降すると、図4(b)及び図4(c)から理解される如く、上型本体112に対して押え兼下型下降用ピン84が相対的に上昇されて押えピン用ばね116が収縮されるとともに、この押えピン用ばね116の作用によって押え兼下型下降用ピン114、筒状部材60及びダイ122を介して下型本体120、連結機構128及び持上げ機構124がベース部材126に対して相対的に下方に移動される。また、上型本体112の上側カム機構118がベース本体126に取り付けられた下側カム機構132に作用し、上型本体112の更なる下降に伴い下側カム機構132の孔用パンチ71がダイ122に被嵌された筒状部材60に近接方向に移動される。
そして、上型本体122が図4(c)に示す下死点位置まで降下すると、図4(c)に示すように、下側カム機構132の孔用パンチ71が、ダイ122に被嵌された筒状部材60の周側壁58(図2(e)参照)に作用し、このようにして筒状部材60の周側壁58の所定部位に側面孔70が形成される。図1及び図4では、孔用パンチ71を一つ示しているが、この孔用パンチ71は、周側壁58に形成される側面孔70の数に対応した個数だけ設けられる。
この上型本体122が下死点位置から上死点位置に向けて矢印143で示す方向に上昇すると、図4(d)に示すように、上型本体122の上昇に伴い、下型本体120、連結機構128及び持上げ機構124がベース部材126に対して相対的に上方に移動するとともに、下側カム機構132が、偏倚ばね136の作用によって、ダイ122に被嵌された筒状部材60から離れる方向に移動する。そして、この上側カム機構118が下側カム機構132から離れると、この下側カム機構132は元の位置に復帰する。また、押え兼下型下降用ピン114がダイ122に被嵌された筒状部材60から離れることによって、下型本体120、連結機構128及び持上げ機構124が元の位置に復帰し、また押え兼下型下降用ピン114が押えピン用ばね116の作用によって元の状態に戻った後に、図4(e)に示すように、上型本体112が上死点位置に戻り、このようにして筒状部材60の周側壁58に側面孔70が形成される。
尚、この実施形態では、押え兼下型下降用ピン114を用いて筒状部材60を押さえるとともに、この押え力を利用して下型40を下方に移動させているが、端面孔64を形成するときと同様に、押え兼下型下降用ピン114に代えて、筒状部材60を押さえるための押えピンと、下型40を下方に降下させるための下型下降用ピンを設けるようにしてもよい。
次に、図1とともに図5及び図6を参照して孔検査装置40による孔検査について説明する。図示の孔検査装置40では、照射光源42などがボルスタ4側に配設され、撮像手段44などがスライド6側に配設されている。更に説明すると、孔検査装置40の装置本体142がボルスタ4に取り付けられている。この装置本体142は、孔検査すべき筒状部材60が載置される支持ベース144有し、この支持ベース144及び側壁146によって下収容空間148が規定され、この下収容空間148内に照射光源42が配設されている。この照射光源42としては、例えば、LEDランプ、LED素子などを用いることができる。
装置本体142の支持ベース144には、孔検査域Kに対応して照射開口149が設けられおり、照射光源42からの照射光は、この照射開口149を通して、孔検査域Kに位置する筒状部材60の内側を照射する。
この孔検査装置40は、更に、孔検査域Kに保持された筒状部材60の外周側を覆うためのカバー部材150を有し、このカバー部材150がスライド4と一体的に上下動される上取付ベース152に取り付けられている。上取付ベース152及びカバー部材150は、下面が開放された上収容空間154を規定し、この上収容空間155内に撮像手段44及び反射部材46が配設されている。この実施形態では、反射部材46は、カバー部材150の内面に取り付けられ、撮像手段44は、上取付ベース152の内面に取り付けられ、孔検査域Kに位置付けられる筒状部材60の上方に配置される。
反射部材46は、撮像手段44に向けて拡径して拡がる円錐状に形成され、この反射部材46の反射面154の傾斜角度α(具体的には、水平面に対する拡がり角度)は、例えば35~55度、例えば45度程度となるように構成される。この反射部材46の反射面154は、図5に示すように、筒状部材60の側面孔70から射出した射出光74(第1射出孔)を撮像手段44の配設方向に反射して導くものであり、従って、この反射面154の傾斜角度αが45度よりも大きくなる(即ち、傾きが急になる)と、筒状部材60の側面孔70からの射出光は、径方向内側に向いて導かれ(換言すると、筒状部材60の端面孔64からの射出孔72(第3射出光)に近づくように導かれる。)、この傾斜角度αが45度よりも小さく(即ち、傾きが緩やかになる)なると、筒状部材60の側面孔70からの射出光は、径方向外側に向いて導かれ(換言すると、筒状部材60の端面孔64からの射出孔72(第3射出光)から離れるように導かれる。)、この反射面154の傾斜角度αを適宜の角度にすることにより、射出孔74(第2射出孔)の射出方向を設定することができる。
尚、この実施形態では、カバー部材150の内側に反射部材46を取り付けているが、カバー部材150を省略し、この反射部材46をカバー部材として機能させるようにしてもよく、この場合、撮像手段44側の構成を簡略化することができる。
孔検査装置40(即ち、孔検査部)に関連して、図6に示すように、吸引保持手段158を設けられている。この吸引保持手段158は、真空ポンプなどの吸引源160を備え、この吸引源160からの吸引作用が孔検査域Kに位置する筒状部材60に作用するように構成されている。この実施形態では、支持ベース144の孔検査域Kに一対の吸引口162が設けられ、かかる吸引孔口162が孔検査すべき筒状部材60の内側(即ち、周側壁58の内側)に開口するように設けられる。一対の吸引口162は吸引ライン164を介して吸引源160に接続され、この吸引ライン164に開閉弁166が配設される。
このように構成されているので、開閉弁166が開状態になると、吸引源160からの吸引力が吸引ライン164、開閉弁166及び一対の吸引口162を通して筒状部材60内に作用し、この吸引源160による吸引作用により、筒状部材60が支持ベース144の上面に吸引保持される。
筒状部材60を吸引保持するためには、照射光源42に関連する構成を、図7に示すように構成するのが好ましい。図7において、この形態では、支持ベース144に一対の取付孔172が設けられ、これら取付孔172内に照射光源としてのLED素子174が配設され、これらLED素子174が、取付孔172に透明な樹脂176充填することにより密封固定されている。かく構成することにより、取付孔172を通しての筒状部材60内への空気の流入を少なく抑え、吸引源160からの吸引作用を高めることができる。
この孔検査装置40による孔検査は、次のようにして行われる。上取付ベース152が上死点位置(図1に示す位置)から下方に移動する間に筒状部材60(端面孔64及び側面孔70が形成された筒状部材60)(図2(b)参照)が支持ベース144の孔検査位置Kに位置付けられると、開閉弁166が開状態になり、吸引源160からの吸引力が吸引ライン164を介して筒状部材60内に作用し、この吸引源160の吸引作用により筒状部材60が支持ベース144に吸引保持される。
この上取付ベース152が更に下方に下死点位置(図5に示す位置)近傍まで降下すると、図5に示すように、カバー部材150が、孔検査域Kに位置する筒状部材60の外周側を覆うとともに、その内側の反射部材46をカバー部材(その反射面154)が筒状部材60の周側壁58の径方向外方に位置する。また、照射光源42が点灯され、照射光源42からの照射光が支持ベース144の照射開口149を通して筒状部材60の内部を照射する。
かくすると、図5に示すように、筒状部材60の端壁56の端面孔64を通して射出される射出光72(第3射出孔)は、矢印で示すように、そのまま撮像手段44に向けて上方に導かれ、また筒状部材60の側壁部58の側面孔70を通して径方向外方に射出された射出光74(第1射出光)は、矢印で示すように、反射部材46の反射面154に反射された後に撮像手段44に向けて上方に導かれる。
筒状部材60からの射出光がこのように導かれるので、撮像手段44により得られる射出光の画像情報は図2(g)に示す通りとなり、画像情報の中央領域に筒状部材60の端面孔64からの射出光72(第3射出光)に対応する点状画像72aが得られ、この中央領域の径方向外側の環状領域に、筒状部材60の側面孔70からの射出光74(第1射出光)に対応する点状画像74aが得られ、このようにして筒状部材60に形成された端面孔60及び側面孔70に対応する画像情報を得ることができる。従って、この撮像手段44の画像情報を利用することによって、筒状部材60の端壁56に所定数の端面孔64が形成されているか、またその周側壁58に所定数の側面孔70が形成されているかを検査することができる。
例えば、筒状部材60の端面孔64が例えば一つ形成されていなときには、撮像手段44の画像情報のうち中央領域の点状画像72aが一つ少なくなり、またその側面孔70が例えば一つ形成されていないときには、撮像手段44の画像情報のうち環状領域の点状画像74aが一つ少なくなり、このように中央領域の点状画像72a及び環状領域の点状画像74aの個数を調べることによって、端面孔64及び側面孔70の加工不良を簡単に且つ確実に検査することができる。
上取付ベース152が下死点位置から上昇すると、筒状部材60の孔検査が終了し、この孔検査が終了後に照射光源42が消灯し、また開閉弁166が閉状態となり、筒状部材60に対する吸引保持が解除される。その後、上取付ベース152が上死点位置に戻るとともに、孔検査した筒状部材60の下流側への搬送が行われる。
上述した実施形態では、端面孔64及び側面孔70を有する筒状部材60の孔検査について説明したが、この孔検査は、側面孔70のみを有する筒状部材60の孔検査にも同様に適用することができる。
また、上述の実施形態では、端壁56及び周側壁58を有する筒状部材60に形成された孔検査について説明したが、図8に示すような筒状部材60Aにも同様に適用することができる。図8において、この筒状部材60Aは、端壁56Aと、この端壁56Aから延びる周側壁58Aを有し、この周側壁58Aが第1周側壁部202と第2周側壁部204とを有し、第1周側壁部202と第2周側壁部204との間に肩部206が設けられ、また第2周側壁部204の端部にフランジ62Aが設けられている。
この筒状部材60Aの端壁56Aには、周方向に間隔をおいて複数の端面孔64A(「第3孔」とも称する。)が設けられ、その肩部206には、周方向に間隔をおいて複数の肩面孔208(「第3孔」とも称する。)が設けられ、その周側壁58Aの第1周側壁部202には、周方向に間隔をおいて複数の第1側面孔70A(「第1孔」とも称する。)が設けられ、またその周側壁58Aの第2周側壁部204には、周方向に間隔をおいて複数の第2側面孔210(「第2孔」とも称する)が設けられている。
筒状部材60Aに形成されるこれらの孔64A,70A,208,210は、例えば図9に示すようにして形成される。尚、筒状部材60Aについては、図1に示すようなプレス装置による多数回の絞り加工により形成される。
筒状部材60Aの端壁56Aに端面孔64A(第3孔)を形成するときは、図9(a)に示すように、端面孔形成用金型212が用いられ、端面孔形成用金型212の上型214にパンチ216が設けられている。上型212が矢印215で示すように降下すると、上型212側のパンチ216が、下型218に保持された筒状部材60Aの端壁56Aに作用し、このパンチ216によって端面孔64Aが形成される。尚、この端壁56Aに形成される端面孔64Aの数だけパンチ216が設けられる。
筒状部材60Aの周側壁58Aの第1周側壁部202に第1側面孔70A(第1孔)を形成するときは、図9(b)に示すように、第1側面孔形成用金型220が用いられ、第1側面孔形成用金型220の上型222に上側カム機構224が設けられ、またその下型226に下側カム機構228がスライド自在に設けられ、この下側カム機構228にパンチ230が設けられている。上型222が矢印231で示すように降下すると、上型222側の上側カム機構224が、下型226側の下側カム機構228に作用してパンチ230が筒状部材60Aに向けて移動され、このパンチ230が、下型226に保持された筒状部材60Aの第1周側壁部202に作用し、このパンチ230によって第1側面孔70Aが形成される。尚、この第1側面部202に形成される第1側面孔70Aの数だけパンチ230が設けられる。
また、筒状部材60Aの肩部206に肩面孔208(第3孔)を形成するときは、図9(c)に示すように、肩面孔形成用金型232が用いられ、肩面孔形成用金型232の上型234にパンチ236が設けられている。上型232が矢印235で示すように降下すると、上型232側のパンチ236が、下型238に保持された筒状部材60Aの肩部206に作用し、このパンチ236によって肩面孔208が形成される。尚、この肩部206に形成される肩面孔208の数だけパンチ236が設けられる。
更に、筒状部材60Aの周側壁58Aの第2周側壁部204に第2側面孔210(第2孔)を形成するときは、図9(d)に示すように、第2側面孔形成用金型240が用いられ、第2側面孔形成用金型240の上型242に上側カム機構244が設けられ、またその下型246に下側カム機構248がスライド自在に設けられ、この下側カム機構248にパンチ250が設けられている。上型242が矢印251で示すように降下すると、上型242側の上側カム機構244が、下型246側の下側カム機構248に作用してパンチ250が筒状部材60Aに向けて移動され、このパンチ250が、下型246に保持された筒状部材60Aの第2周側壁部204に作用し、このパンチ250によって第2側面孔210が形成される。尚、この第2側面部204に形成される第2側面孔210の数だけパンチ250が設けられる。
筒状部材60Aにこれらの孔64A,70A,208,210を形成する場合、図9(a)に示す端面孔形成用金型212、図9(b)に示す第1側面孔形成用金型220、図9(c)に示す肩面孔形成用金型232、及び図9(d)に示す第2側面孔形成用金型240が、例えば、筒状部材60の搬送方向に見てこの順に配置して端面孔64Aの形成、第1側面孔70Aの形成、肩面孔208の形成及び第2側面孔210形成をこの順に行うようにすることができる。尚、これらの孔64A,70A,208,210の加工順序はこの順序に限定されず、適宜の順に組み合わせることができる。
この筒状部材60Aの孔検査は、例えば、図10及び図11に示す孔検査装置40AによるAにより行うことができる。尚、この孔検査装置40Aにおいて、図5に示す孔検査装置40と同一の部材について同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
図10及び図11において、この孔検査装置40Aにおいては、反射部材46A(上述したように、孔検査時に筒状部材60Aの径方向外周側に位置付けられる。)は、筒状部材60Aの第1周側壁部202に対応してその径方向外方に配置される第1反射部262と、その第2周側壁部204に対応してその径方向外方に配置される第2反射部264を有し、第1反射部262と第2反射部264とが接続部266を介して接続されている。
この反射部材46Aでは、第2反射部264は、第2周側壁部204の外周側から撮像手段44側に向けて拡径しながら径方向外方に円錐状に延び、接続部266は、第2反射部264の外周端から撮像手段44側に向けて円筒状に延び、また第1反射部262は、接続部266の端部から撮像手段44側に向けて拡径しながら径方向外方に円錐状に延びてカバー部材150の内面に取り付けられている。この形態では、第1反射部262の第1反射面部268の傾斜角度α1(水平面に対する第1反射部262の第1反射面268の拡がり角度)と第2反射部264の第2反射面部270の傾斜角度α2(水平面に対する第2反射面部270の拡がり角度)は同じ角度であり、例えば45度となっている。この孔検査装置40Aのその他の構成は、図5に示すものと実質上同一である。
この孔検査装置40Aにおける射出光の画像情報は、例えば、図11に示す通りとなる。筒状部材60Aの端壁56Aの端面孔64Aを通して射出される射出光72A(第3射出光)は、矢印で示すように、そのまま撮像手段44に向けて上方に導かれ、また筒状部材60の肩部206の肩面孔208を通して射出される射出光272(第3射出光)も、矢印で示すように、そのまま撮像手段44に向けて上方に導かれる。
また、筒状部材60Aの第1周側壁部202の第1側面孔70Aを通して径方向外方に射出された射出光74A(第1射出光)は、矢印で示すように、反射部材46Aの第1反射部262の第1反射面部268に反射された後に撮像手段44に向けて上方に導かれ、更に筒状部材60Aの第2周側壁部204の第2側面孔210を通して径方向外方に射出された射出光274(第2射出光)は、矢印で示すように、反射部材46Aの第2反射部264の第2反射面部270に反射された後に撮像手段44に向けて上方に導かれる。
筒状部材60からの射出光がこのように導かれるので、撮像手段44により得られる射出光の画像情報は図11に示す通りとなり、画像情報の中央領域S1に、筒状部材60Aの端面孔64Aからの射出光72A(第3射出光)に対応する点状画像72Aaが得られ、この中央領域S1の径方向外側の第1環状領域S2に、筒状部材60Aの肩面孔208からの射出光272(第3射出光)に対応する点状画像272aが得られ、また画像情報の第1環状領域S2の径方向外側の第2環状領域S3に、筒状部材60Aの第1側面孔70Aからの射出光74A(第3射出光)に対応する点状画像74Aaが得られ、更にこの第3環状領域S3の径方向外側の第3環状領域S4に、筒状部材60Aの第2側面孔210からの射出光274(第2射出光)に対応する点状画像274aが得られ、このようにして筒状部材60Aに形成された端面孔60A、肩面孔208、第1側面孔70A及び第2側面孔210に対応する画像情報を得ることができる。
従って、この撮像手段44Aの画像情報を利用することによって、筒状部材60Aの端壁56Aに所定数の端面孔64Aが形成されているか(中央領域S1の点状画像72Aaの個数の確認による検査)、その肩部206に所定数の肩面孔208が形成されているか(第1環状領域S2の点状画像272aの個数の確認による検査)、その第1周側壁部202に所定数の第1側面孔70Aが形成されているか(第2環状領域S3の点状画像74Aaの個数確認による検査)またその第2周側壁部204に所定数の第2側面孔210が形成されているか(第3環状領域S4の点状画像274aの個数確認による検査)を検査することができる。
この筒状部材60Aの第1及び第2側面孔70A、210からの射出光を反射させる反射部材については、図12(a)及び(b)に示すように構成することができる。反射部材の第1変形形態を示す図12(a)において、図示の反射部材46Bは、孔検査時に筒状部材60Aの第1周側壁部202の径方向外方に位置付けられる第1反射部262Bと、孔検査時にその第2周側壁部204の径方向外周側に位置付けられる第2反射部264Bとを有し、第1反射部262B及び第2反射部264Bが連続して設けられ(即ち、図10における上述の接続部266が省略されている。)、第1反射部262Bの第1反射面部268Bと第2反射部264Bの第2反射面部270Bとは、実質上連続する一つの円錐状の反射面を規定するように構成されている。
このような反射部材46Bを備えた孔検査装置40Bでは、上述した孔検査装置40Aと同様に、筒状部材60Aの第1周側壁部202の第1側面孔70Aを通して射出された射出光74B(第1射出光)は、矢印で示すように、反射部材46Bの第1反射部262Bの第1反射面部268Bに反射された後に撮像手段44に向けて導かれ、また筒状部材60Aの第2周側壁部204の第2側面孔210を通して射出された射出光274B(第2射出光)は、矢印で示すように、反射部材46Bの第2反射部264Bの第2反射面部270Bに反射された後に撮像手段44に向けて導かれ、この撮像手段44によって、上述したと同様の画像情報(筒状部材60Aの第1及び第2側面孔70A、210についての画像情報)を得ることができる。
また、図12(b)を参照して反射部材の第2変形形態について説明すると、この反射部材46Cにおいても、孔検査時に筒状部材60Aの第1周側壁部202の径方向外方に位置付けられる第1反射部262Cと、孔検査時にその第2周側壁部204の径方向外周側に位置付けられる第2反射部264Cとを有し、第1反射部262C及び第2反射部264Cが連続して設けられているが、第1反射部262Cの第1反射面部268Cと第2反射部264Cの第2反射面部270Cとの傾斜角度(拡がり角度)が異なり、第2反射面部270Cの傾斜角度が第1反射面部268Cの傾斜角度よりも大きくなっている(径方向外方に緩やかに拡がっている)。
尚、この変形形態では、反射部材46Cの第1反射部262Cと第2反射部264Cとの間に接続部が存在しないが、図12(a)に示すように、この接続部を設けるようにしてもよい。また、この変形形態においては、第2反射面部270Cの傾斜角度が第1反射面部268Cの傾斜角度よりも大きくなっているが、これとは反対に、第1反射面部268Cの傾斜角度が第2反射面部270Cの傾斜角度よりも大きくする(径方向外方に緩やかに拡がる)ようにしてもよい。
このような反射部材46Cを備えた孔検査装置40Cにおいても、上述したと同様に、筒状部材60Aの第1周側壁部202の第1側面孔70Aを通して射出された射出光74C(第1射出光)は、矢印で示すように、反射部材46Cの第1反射部262Cの第1反射面部268Cに反射された後に撮像手段44に向けて導かれ、また筒状部材60Aの第2周側壁部204の第2側面孔210を通して射出された射出光274C(第2射出光)は、矢印で示すように、反射部材46Cの第2反射部264Cの第2反射面部270Cに反射された後に撮像手段44に向けて導かれ、この撮像手段44によって、上述したと同様の画像情報(筒状部材60Aの第1及び第2側面孔70A、210についての画像情報)を得ることができる。
図10及び図11に示す孔検査装置40Aにおいては、第1及び第2側面孔70A,210に加えて端面孔64A及び肩面孔208を備えた筒状部材60Aの孔検査について説明したが、このような孔検査は、第1及び第2側面孔70A,210のみを備えたもの、第1及び第2側面孔70A,210に加えて端面孔64A又は肩面孔208を備えたものにも同様に適用することができる。
上述した実施形態では、孔検査装置40(40A)を組み込んだプレス装置について説明したが、この孔検査装置40(40A)はプレス装置に組み込むことなく、単独の孔検査装置40(40A)としても用いることができ、この場合、筒状部材60(60A)を孔検査域Kを通して搬送する搬送機構を設けるとともに、孔検査域Kに上述した孔検査装置40(40A)を設け、この搬送機構により搬送される筒状部材60(60A)を孔検査域Kの孔検査装置40(40A)で孔検査するように構成することができる。
以上、本発明に従う孔検査装置40及びこれを備えたプレス装置の実施形態について説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能である。
2 プレス装置本体
30 端面孔形成用金型
36 側面孔形成金型
40,40A,40B,40C 孔検査装置
42 照射光源
44 撮像手段
46,46A,46B,46C 反射部材
56 端壁
58,58A 周側壁
60,60A 筒状部材
64,64A 端面孔
70 側面孔
70A 第1側面孔
158 吸引保持手段
202 第1周側面部
204 第2周側面部
208 肩面孔
210 第2側面孔
262,262B,262C 第1反射部
264,264B,264C 第2反射部
K 孔検査域
T 端面孔形成域
Y 側面孔形成域






















Claims (7)

  1. 筒状部材の周側壁に形成された孔を検査するための孔検査装置であって、前記筒状部材の内側から外側に向けて照射するための照射光源と、前記筒状部材の外側に配設される反射部材と、前記反射部材の反射方向に配設される撮像手段とを備え、前記照射光源から前記筒状部材の前記孔を通して外側に射出された射出光は、前記反射部材の反射面に反射されて撮像手段の配設方向に導かれることを特徴とする孔検査装置。
  2. 前記筒状部材はキャップ状であり、前記周側壁と前記周側壁の一端部に設けられた端壁とを有し、前記周側壁に周方向に間隔をおいて複数の孔が設けられ、前記反射部材は、径方向外側において前記筒状部材の外周面を覆う反射面を有し、前記反射面は前記撮像手段に向けて拡径して拡がる円錐状であり、前記照射光源から前記周側壁の前記複数の孔を通して外側に射出された射出光は、前記反射部材の前記反射面に反射されて前記撮像手段の配設方向に導かれることを特徴とする請求項1に記載の孔検査装置。
  3. 前記筒状部材の前記周側壁は、前記端壁から延びる第1周側壁部と、前記第1周側壁部に設けられた肩部から延びる第2周側壁部とを有し、前記第1周側壁部に周方向に間隔をおいて複数の第1孔が設けられ、前記第2周側壁部に複数の第2孔が設けられており、前記反射部材の前記反射面は、前記筒状部材の前記径方向外側において、前記第1周側壁部の外周面を覆う第1反射面部と前記第2周側壁部の外周面を覆う第2反射面部とを有し、前記第1及び第2反射面部は前記撮像手段に向けて拡径して拡がる円錐状であり、前記照射光源から前記第1周側壁部の前記複数の第1孔を通して外側に射出された第1射出光は、前記第1反射面部に反射されて前記撮像手段に向けて導かれ、前記照射光源から前記第2周側壁部の前記複数の第2孔を通して射出された第2射出光は、前記第2反射面部に反射されて前記撮像手段に向けて導かれることを特徴とする請求項2に記載の孔検査装置。
  4. 前記筒状部材の前記端壁及び/又は前記肩部には複数の第3孔が設けられ、前記照射光源から前記第3孔を通して外側に射出された第3射出光は、そのまま前記撮像手段に向けて導かれ、前記第1周側壁部の前記複数の第1孔を通った後に前記第1反射面部にて反射された前記第1射出光の径方向内側に、前記第2周側壁部の前記複数の第2孔を通った後に前記第2反射部にて反射された前記第2射出光が導かれ、また前記第2射出光の径方向内側に、前記端壁及び/又は前記肩部の前記複数の第3孔を通った第3射出光が導かれることを特徴とする請求項3に記載の孔検査装置。
  5. 端壁と前記端壁から延びる周側壁を有するキャップ状の筒状部材を形成する筒状部材形成部と、前記筒状部材形成部の後に前記筒状部材の前記周側壁に孔を形成する孔形成部と、前記孔形成部の後に形成された孔を検査する孔検査部とを備え、前記孔検査部に請求項2~4のいずれかに記載の孔検査装置が設けられており、前記筒状部材形成部、前記孔形成部及び前記孔検査部を通して搬送される間に、筒状部材に形成された孔の検査が行われることを特徴とするプレス装置。
  6. 前記孔検査装置の照射光源は、プレス装置本体側のボルスタ側に設けられ、前記撮像手段は、前記ボルスタに対して近接及び離隔する方向に往復動されるスライド側に設けられ、前記スライド側の上型に反射部材が取り付けられ、前記反射部材の内側に前記撮像手段が配設されており、前記スライドが下死点に向けて前記ボルスタに近接する方向に移動すると、前記反射部材が前記筒状部材の径方向外方を覆い、前記反射部材が前記筒状部材を覆う状態にて前記孔検査装置により前記筒状部材の前記孔の検査が行われることを特徴とする請求項5に記載のプレス装置。
  7. 前記孔検査部に関連して、前記筒状部材を孔検査する検査域に吸引保持するための吸引保持手段が設けられていることを特徴とする請求項6に記載のプレス装置。
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