JP7363217B2 - 外観検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、外観検査装置に関する。
工場で製造されたタイヤは、品質検査を経て出荷される。人に頼らず高い精度で検査を行うために、検査装置の開発が進められている(例えば、下記の特許文献1)。
特開2004-361344号公報
タイヤの外観不具合のひとつに、タイヤの側面において確認されるベアがある。ベアは、滑らかな面で構成された凹みである。ベアは、エアの残留によって生じる。
ベアは、周囲から僅かに凹んでいるに過ぎない。このため、レーザー変位計による形状測定では、ベアを検出することは難しい。
ベアは、周囲に比べて滑らかな面で構成される。このため、光の反射を利用すれば、ベアを検出できる見込みはある。しかし、タイヤの側面は湾曲している。このため、照明とカメラとを準備すれば、ベアを確実に検出できるというわけではない。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、タイヤの側面にベアが生じている場合に、このベアを確実にそして容易に検出できる、外観検査装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る外観検査装置は、タイヤを支持する支持手段と、前記タイヤの中心軸を中心に前記タイヤを回転させる回転手段と、前記タイヤの側面に光を当てる照明と、前記タイヤの側面を撮影するカメラとを備える。前記照明と前記カメラとは、前記タイヤの中心軸を含む仮想平面を挟んで配置される。前記照明が放つ光の向きが前記仮想平面に対してなす角度は、前記カメラの光軸の向きが前記仮想平面に対してなす角度と同じである。
好ましくは、この外観検査装置は、前記タイヤを搬送する搬送手段を備える。
好ましくは、この外観検査装置では、前記カメラはラインカメラである。
本発明の外観検査装置によれば、タイヤの側面にベアが生じている場合に、ベアが確実にそして容易に検出される。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤの外観検査装置の一例を示された概略平面図である。 図2は、図1のタイヤの外観検査装置が示された正面図である。 図3は、タイヤの側面に生じたベアが示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて、本発明が詳細に説明される。
図1及び図2には、本発明の一実施形態に係る外観検査装置2の概要が示される。この外観検査装置2(以下、検査装置2とも称される。)は、タイヤ4の側面6にベアが生じているかどうかを検査するための装置である。
図1において、タイヤ4の側面6に示された実線Dで表されている部分は、ベアが生じている部分である。
この検査装置2において、タイヤ4の側面6とは、タイヤ4を側面6から見た場合に確認できる、タイヤ4の外面を意味する。
この検査装置2は、支持手段8と、回転手段10と、照明12と、カメラ14と、制御手段16とを備える。
支持手段8は、タイヤ4を支持する。この検査装置2では、支持手段8はディスク状のテーブルである。図2に示されるように、タイヤ4は、一方の側面6を上にして支持手段8としてのテーブルに載置される。この支持手段8は、テーブルに限定されない。この支持手段8として、例えば、リムが用いられてもよい。この場合、タイヤ4をリムに組み込み、このタイヤ4の内部に空気を充填した状態で、タイヤ4の側面6を検査できる。
図1において、符号Rで示される位置はタイヤ4の径方向中心である。この検査装置2では、このタイヤ4の径方向中心Rが中心軸と称される。この中心軸Rは、タイヤ4の外径に基づいて特定される。図1及び2において、一点鎖線Sはタイヤ4の中心軸Rを含む仮想平面である。
回転手段10は、回転軸18と、駆動部20とを備える。この回転手段10において、駆動部20はモーターである。この回転手段10では、駆動部20が回転軸18を回転させる。この検査装置2では、前述の支持手段8はこの回転軸18に固定される。駆動部20が回転軸18を回転させることにより、支持手段8が回転する。
この検査装置2では、タイヤ4は、その中心軸Rが回転軸18の軸心と一致するように、支持手段8に支持される。回転手段10が支持手段8を回転させることにより、タイヤ4が中心軸Rを中心に回転する。換言すれば、この検査装置2の回転手段10は、中心軸Rを中心にタイヤ4を回転させる。これにより、タイヤ4の側面6がタイヤ4の周方向に動かされる。
照明12は、タイヤ4の上方に配置される。照明12は、タイヤ4の側面6に光を当てる。この照明12としては、エリア照明及びライン照明が挙げられる。タイヤ4の側面6に線状にむらなく光を当てることができる観点から、ライン照明が好ましい。照明12に用いられる光源としては、指向性の高い光を照射できる光源が好適に用いられる。このような光源としては、LED光源が挙げられる。この検査装置2の照明12としては、多数のLED光源が直線状に並んだライン照明がより好ましい。
カメラ14は、タイヤ4の側面6を撮影する。このカメラ14としては、エリアカメラ及びラインカメラが挙げられる。後述するように、この検査装置2では、中心軸Rを中心にタイヤ4を回転させながら、このタイヤ4の側面6が連続的又は断続的に撮影される。この場合、カメラ14としてはラインカメラが好ましい。
制御手段16は、例えばCPU等の演算部、RAM及びROMを含む記憶部等を有するマイクロコンピュータにより構成され、記憶部に記憶されたプログラムを演算部が実行することによって所定の機能を発揮する。この制御手段16は、検査装置2を構成する、支持手段8、回転手段10、照明12、カメラ14等の要素の動作を制御する。詳述しないが、この検査装置2では、カメラ14が撮影した画像データは、制御手段16に入力される。制御手段16は、画像データを解析し、この画像データにベアDが含まれているかどうかの判定を行う。この制御手段16は、画像データを解析する解析手段としても機能し、ベアDの有無を判定する判定手段としても機能する。
図1及び図2に示されるように、この検査装置2では、照明12とカメラ14とは、タイヤ4の側面6の上方において、タイヤ4の中心軸Rを含む仮想平面Sを挟んで配置される。
図2において、角度αは、照明12が光を放つ向きが仮想平面Sに対してなす角度を表す。角度βは、カメラ14の光軸の向きが仮想平面Sに対してなす角度を表す。この検査装置2では、角度αと角度βとが一致するように、照明12の向きとカメラ14の向きとが調整される。
図1において、点線Cは、支持手段8に支持された状態にあるタイヤ4の側面6の頂点を表す。この頂点Cは、タイヤ4が支持手段8に支持された状態において、照明12又はカメラ14に最も近接する側面6上の位置により特定される。この検査装置2では、この側面6の頂点Cにおいて、角度αと角度βとが一致するように、照明12の向きとカメラ14の向きとが調整される。なお、この検査装置2では、角度αと角度βとは一致する、又は角度αと角度βとは同じであるとは、角度αと角度βとの差が-5°以上5°以下の範囲にあることを意味する。
この検査装置2では、タイヤ4の側面6のうち、照明12によって光が照らされている部分を、カメラ14が撮影する。前述したように、この検査装置2では、中心軸Rを中心にタイヤ4を回転させることにより、側面6が周方向に動かされる。この検査装置2では、照明12が光を照らす部分(以下、照明部分)を側面6は通過し、この照明部分を通過する側面6をカメラ14は撮影する。
この検査装置2では、照明12とカメラ14とはタイヤ4の中心軸Rを含む仮想平面Sを挟んで配置され、照明12が放つ光の向きが仮想平面Sに対してなす角度αは、カメラ14の光軸の向きが仮想平面Sに対してなす角度βと同じである。
図3には、この検査装置2が検出の対象とするベアDの概要が示された断面図である。この図3に示されるように、ベアDは周囲から僅かに窪んだ凹みである。ベアDは、周囲に比べて滑らかな面で構成される。
ベアDは滑らかな面で構成された凹みであるため、ベアDを含む部分が照明部分を通過すると、このベアDに当たった光はこのベアDにおいて反射しカメラ14に入る。ベアD以外の部分に当たった光は散乱するので、カメラ14は、光沢としてベアDを撮影できる。この検査装置2は、高感度でベアDを検出できる。この検査装置2は、タイヤ4の側面6にベアDが生じている場合、このベアDを確実に検出できる。
この検査装置2では、中心軸Rを中心にタイヤ4を一回転させれば、側面6全体の画像が得られる。この検査装置2では、側面6全体の画像を得るために、側面6に対する照明12及びカメラ14の位置調整や、得られた画像データの調整を行う必要はない。この検査装置2は、タイヤ4の側面6にベアDが生じている場合に、このベアDを確実にそして容易に検出できる。この検査装置2は、高品質なタイヤ4の製造に貢献できる。
この検査装置2は、タイヤ4を搬送する搬送手段22を備えることができる。搬送手段22を備えた検査装置2は、製造したタイヤ4を順に支持手段8に供給し、このタイヤ4の側面6におけるベアDの有無を検査できる。この検査装置2は確実にベアDを検出できるので、ベアDが発生したタイヤ4が確実に特定される。この検査装置2は、高品質なタイヤ4の製造に貢献する。この観点から、この検査装置2はタイヤ4を搬送する搬送手段22を備えるのが好ましい。
図1及び2に示された検査装置2では、搬送手段22としてローラーコンベアが用いられている。この検査装置2では、搬送手段22はローラーコンベアに限られない。例えば、ベルトコンベアが搬送手段22として用いられてもよい。
この検査装置2は、タイヤ4を支持する支持手段8を上下に昇降できる昇降手段24を備えることができる。この昇降手段24を備えた検査装置2では、照明12及びカメラ14に対する側面6の上下方向の位置が調整できる。この検査装置2では、断面幅が異なるタイヤ4が供給されても、照明12及びカメラ14に対する側面6の上下方向の位置を調整することで、照明12及びカメラ14に対して側面6が適正な位置に配置され、側面6におけるベアDの有無が検査される。この検査装置2は、サイズが異なるタイヤ4についても適用可能である。この検査装置2は、高品質なタイヤ4の生産に貢献できる。この観点から、この検査装置2は、タイヤ4を支持する支持手段8を上下に昇降できる昇降手段24を備えるのが好ましい。この場合、異なる断面高さを有するタイヤ4の側面6の撮影ができるように、このタイヤ4の断面高さを考慮した、長さを有する照明12、そして、このタイヤ4の断面高さを考慮した、視野幅を有するカメラ14が選定されるとともに、照明12及びカメラ14に対する側面6の上下方向の位置を確認できるセンサー(図示されず)が設けられる。
図2に示された検査装置2では、昇降手段24は、ピストン26と、このピストン26を上下に移動可能に支持するシリンダ28と備える。この検査装置2では、シリンダ28はこの検査装置2のフレーム30に固定される。ピストン26に、前述の回転手段10が支持される。この回転手段10には、タイヤ4を支持する支持手段8が取り付けられるので、シリンダ28に対してピストン26が上方に動くと、タイヤ4は上方に移動する。シリンダ28に対してピストン26が下方に動くと、タイヤ4は下方に移動する。この昇降手段24としては、油圧式、空圧式又は電動式のアクチュエータが挙げられる。
前述したように、この検査装置2では、照明12が光を放つ向き、そして、カメラ14の光軸の向きが調整される。タイヤ4の側面6にベアDが生じている場合に、このベアDが確実に検出できる観点から、照明12が光を放つ向きが仮想平面Sに対してなす角度αは、30°以上が好ましく、60°以下が好ましい。この検査装置2では、カメラ14の光軸の向きが仮想平面Sに対してなす角度βはこの角度αと同じであるので、この角度βも、30°以上が好ましく、60°以下が好ましい。
以上説明したように、本発明の外観検査装置2によれば、タイヤ4の側面6にベアDが生じている場合に、ベアDが確実に検出される。この外観検査装置2は、高品質なタイヤ4の生産に貢献する。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の技術的範囲は前述の実施形態に限定されるものではなく、この技術的範囲には特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
以上説明された、光の反射を利用してタイヤの側面に生じたベアの有無を検査する技術は、タイヤ表面の汚れ等の検査にも適用できる。
2・・・外観検査装置
4・・・タイヤ
6・・・側面
8・・・支持手段
10・・・回転手段
12・・・照明
14・・・カメラ
16・・・制御手段
18・・・回転軸
20・・・駆動部
22・・・搬送手段
24・・・昇降手段
26・・・ピストン
28・・・シリンダ

Claims (2)

  1. タイヤの湾曲した側面に、周囲に比べて滑らかな面で構成された凹みであるベアが生じているかを検査するための装置であって、
    タイヤを支持する支持手段と、
    前記タイヤの中心軸を中心に前記タイヤを回転させる回転手段と、
    前記タイヤの側面に光を当てる照明と、
    前記タイヤの側面を撮影するカメラと
    を備え、
    前記照明と前記カメラとが、前記タイヤの中心軸を含む仮想平面を挟んで配置され、
    前記照明が放つ光の向きが前記仮想平面に対してなす角度が、前記カメラの光軸の向きが前記仮想平面に対してなす角度と同じであり、
    前記照明が、多数のLED光源が直線状に並んだライン照明であり、
    前記カメラがラインカメラであり、
    前記タイヤが前記中心軸を中心に回転すると、前記側面が周方向に動き、
    前記照明が光を照らす部分を、前記側面が通過し、
    前記カメラが、前記照明が光を照らす部分を通過する前記側面を撮影し、
    前記ベアを含む部分が、前記照明が光を照らす部分を通過すると、前記カメラが前記ベアを光沢として撮影する、外観検査装置。
  2. 前記タイヤを搬送する搬送手段を備える、請求項1に記載の外観検査装置。
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