JP2019003430A - 画像処理装置 - Google Patents

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Shoji Umemura
昇治 梅村
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Abstract

【課題】例えば、パターン領域と非パターン領域とを含む処理対象面に所定の画像処理を実行することが可能な不都合の少ない新規な構成の画像処理装置を得る。【解決手段】本開示の画像処理装置にあっては、例えば、第一方向に延びた複数の単位形状が第二方向に並んだ繰り返しパターンが設けられているパターン領域と、当該パターン領域と隣接し繰り返しパターンが設けられていない非パターン領域と、を有した表面の撮影画像に基づいて所定の画像処理を実行する画像処理装置であって、撮影画像から、第一方向に延びてそれぞれ単位形状に対応した帯状領域を検出する帯状領域検出部と、帯状領域に基づいて非パターン領域に対応して帯状領域と並んだ補填領域を決定する補填領域決定部と、帯状領域および補填領域に基づいて処理領域を決定する処理領域決定部と、処理領域に所定の処理を実行する処理実行部と、を備える。【選択図】図3

Description

本開示は、画像処理装置に関する。
従来、画像処理装置として、良品画像と撮影画像とを比較して異常を検出する画像検査装置が、知られている(例えば、特許文献1)。
特開2014−38425号公報
画像検査装置に限らず、処理対象面に、一方向に単位形状が繰り返し形成されているパターン領域と、当該パターン領域に隣接して当該繰り返しパターンが形成されていない非パターン領域とが設けられているような場合にあっても、より精度良くあるいはより効率良く所定の処理を実行することが可能な画像処理装置が得られれば、有益である。
そこで、本開示の課題の一つは、例えば、処理対象面にパターン領域と非パターン領域とが含まれている場合にあっても所定の画像処理を実行することが可能な不都合の少ない新規な構成の画像処理装置を得ることである。
本開示の画像処理装置にあっては、例えば、第一方向に延びた複数の単位形状が上記第一方向と交差した第二方向に並んだ繰り返しパターンが設けられているパターン領域と、当該パターン領域と隣接し上記繰り返しパターンが設けられていない非パターン領域と、を有した表面の撮影画像に基づいて所定の画像処理を実行する画像処理装置であって、上記撮影画像から、上記第一方向に延びてそれぞれ上記単位形状に対応した帯状領域を検出する帯状領域検出部と、上記帯状領域に基づいて上記非パターン領域に対応して上記帯状領域と並んだ補填領域を決定する補填領域決定部と、上記帯状領域および上記補填領域に基づいて処理領域を決定する処理領域決定部と、上記処理領域に所定の処理を実行する処理実行部と、を備える。
図1は、実施形態の検査システムの概略構成を示す例示的かつ模式的な平面図である。 図2は、実施形態の検査システムの概略構成を示す例示的かつ模式的な側面図である。 図3は、実施形態の画像処理装置の概略構成を示す例示的かつ模式的なブロック図である。 図4は、実施形態の画像処理装置において得られた撮影画像を示す例示的かつ模式的な説明図である。 図5は、検査対象面の撮影画像において、実施形態の画像処理装置によって検出された境界線を示す、例示的かつ模式的な説明図である。 図6は、実施形態の画像処理装置において撮影画像から取得された帯状領域および処理領域を示す例示的かつ模式的な説明図である。 図7は、図6の一部の拡大図である。 図8は、実施形態の画像処理装置において得られた図4とは別の撮影画像を示す例示的かつ模式的な説明図である。 図9は、検査対象面のうちパターン領域と非パターン領域とを有した部位の撮影画像において、実施形態の画像処理装置が非パターン領域において境界線を補填するアルゴリズムを示す例示的かつ模式的な説明図である。 図10は、図9の一部の拡大図である。 図11は、検査対象面のうちパターン領域と非パターン領域とを有した部位の撮影画像において、実施形態の画像処理装置が非パターン領域において境界線を補填する別のアルゴリズムを示す例示的かつ模式的な説明図である。 図12は、検査対象面のうちパターン領域と非パターン領域とを有した部位の撮影画像において、実施形態の画像処理装置によって検出あるいは設定された境界線を示す、例示的かつ模式的な説明図である。 図13は、実施形態の画像処理装置において撮影画像から取得された帯状領域、補填領域、および処理領域を示す例示的かつ模式的な説明図である。 図14は、実施形態の画像処理装置による画像データの取得から異常検出までの演算処理の手順を示す例示的かつ模式的なフローチャートである。
以下、本発明の例示的な実施形態および変形例が開示される。以下に示される実施形態および変形例の構成や制御、ならびに当該構成や制御によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。本発明は、以下の実施形態および変形例に開示される構成や制御以外によっても実現可能である。また、本発明は、基本的な構成や制御によって得られる派生的な効果も含む種々の効果を得ることが可能である。
(検査システムの構成)
以下、画像処理システムが検査システムとして構成された実施形態について説明する。図1は、検査システム1の概略構成を示す平面図、図2は、検査システム1の概略構成を示す側面図である。図1,2において、中心軸Axは、検査対象物2の回転対称形状の中心であるとともに検査対象物2の回転の中心軸であり、方向Rは、中心軸Axの径方向(外方)であり、方向Cは、中心軸Axの周方向(反時計回り方向)であり、方向Zは中心軸Axの軸方向である。
検査システム1は、検査対象物2の画像を取得するセンサ10を有している。センサ10は、一例としては、複数の撮像素子が一列に配置されたラインセンサである。センサ10では、複数の撮像素子が、当該センサ10の長手方向に沿って配置されている。
検査システム1では、検査対象物2が不図示の搬送機構によって搬送されることにより、検査対象面2aがセンサ10の長手方向と交差する方向に移動する。検査対象面2aは、表面の一例である。
図1,2に示されるように、本実施形態では、一例として、検査対象物2はタイヤであり、検査対象面2aはタイヤの側面である。不図示の搬送機構は、検査対象物2を中心軸Ax(タイヤの回転中心)回りに回転させる(搬送する)。これにより、検査対象面2aは周方向(図1の反時計回り方向、方向C)に回転する。なお、本実施形態の検査システム1では、センサ10が固定され、検査対象物2が移動するが、これには限定されず、検査対象物2が固定され、センサ10が移動してもよいし、検査対象物2およびセンサ10の双方が移動してもよい。
センサ10は、図1に示されるように、複数の撮像素子が検査対象物2の中心軸Axの径方向(方向R)に沿って並ぶ姿勢で、配置されている。また、センサ10は、図2に示されるように、検査対象面2aから中心軸Axの軸方向(方向Z)に間隔をあけて離れた位置で、検査対象面2aと略平行に配置されている。
センサ10は、各時刻において、移動する検査対象面2aの異なる位置を撮影し、1次元の画像データを取得する。各時刻において、検査対象物2は、検査精度や解像度等に影響の無い速度で動いてもよいし、ステップ的に止まってもよい。本実施形態では、径方向(方向R)は主走査方向であり、周方向(ただし方向Cの反対方向)は、副走査方向である。
画像処理装置100(図3)は、複数の1次元の画像データに基づいて、2次元の画像データを取得し(作成し)、当該2次元の画像データについて、画像処理に基づく異常検査を実行する。すなわち、本実施形態では、画像処理装置100は、画像検査装置として機能する。
(画像処理装置の概略構成)
図3は、画像処理装置100の概略構成を示すブロック図である。図3に示されるように、画像処理装置100は、演算処理部110や、主記憶部120、参照データ記憶部130等を有している。演算処理部110は、例えば、central processing unit(CPU)やコントローラ等であり、主記憶部120は、例えば、read only memory(ROM)や、random access memory(RAM)等であり、参照データ記憶部130は、例えば、hard disk drive(HDD)や、solid state drive(SSD)、フラッシュメモリ等である。参照データ記憶部130は、補助記憶装置の一例である。また、参照データ記憶部130は、データベースの一例である。
演算処理部110による演算処理や制御は、ソフトウエアによって実行されてもよいし、ハードウエアによって実行されてもよい。また、演算処理部110による演算処理や制御には、ソフトウエアによる演算処理や制御とハードウエアによる演算処理や制御とが含まれてもよい。ソフトウエアによる処理の場合にあっては、演算処理部110は、ROMや、HDD、SSD、フラッシュメモリ等に記憶されたプログラム(アプリケーション)を読み出して実行する。演算処理部110は、プログラムにしたがって動作することにより、演算処理部110に含まれる各部、すなわち、画像データ取得部111や、処理対象決定部112、異常検出部113等として、機能する。この場合、プログラムには、上記各部に対応するモジュールが含まれる。
プログラムは、それぞれインストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD−ROMや、FD、CD−R、DVD、USBメモリ等の、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されうる。また、プログラムは、通信ネットワークに接続されたコンピュータの記憶部に記憶され、ネットワーク経由でダウンロードされることによって導入されうる。また、プログラムは、ROM等に予め組み込まれてもよい。
また、演算処理部110の全部あるいは一部がハードウエアによって構成される場合、演算処理部110には、例えば、field programmable gate array(FPGA)や、application specific integrated circuit(ASIC)等が含まれうる。
画像データ取得部111は、センサ10から、検査対象物2の検査対象面2aを撮影した2次元の画像データを取得する。2次元の画像データは、画像データ取得部111が作成してもよいし、センサ10が生成してもよい。
なお、以下では、撮影された検査対象面2aの2次元の画像データ(撮影画像)は、検査画像と称され、検査画像との比較対象である2次元のマスタ画像データは、参照画像と称される。参照画像は、検査システム1において取得された、検査対象物2の基準品(良品、参照品)の画像データである。検査システム1は、参照画像を取得した場合と同じ条件で、検査画像を取得する。
処理対象決定部112は、参照画像と検査画像との比較に基づく異常検査において、検査画像における比較単位としての処理領域を決定するとともに、参照画像の処理領域と検査画像の処理領域との対応付けを決定する。処理領域の詳細については、後述する。なお、検査画像の処理領域は、一例としては、予め決定され、参照データ記憶部130に記憶されているが、これには限定されず、例えば、検査画像の状態等に応じて、検査画像および参照画像の処理領域が設定されてもよい。その場合、演算処理部110は、参照データ記憶部130に記憶された参照画像から、当該参照画像の処理領域を取得する。
異常検出部113は、参照画像と検査画像とを、互いに対応付けられた処理領域毎に比較することにより、検査画像における異常を検出する。異常検出部113は、処理実行部の一例である。
(繰り返しパターン)
図4は、検査画像Imの一例を示す図である。図中、方向Xおよび方向Yは、検査画像Imおよび参照画像(不図示)に共通の2次元の画素の配列方向である。方向Xは方向R(主走査方向)に対応し、方向Yは方向Cの反対方向(副走査方向)に対応している。方向Xは、第一方向の一例であり、方向Yは、第二方向の一例である。
図4に示されるように、検査対象面2aは、方向Yに略一定のピッチで繰り返し配置された複数の単位形状Suを有している。単位形状Suは、一例として、凸条(凸部)であり、方向Xの後方(径方向内方、図4の左方)の端部Eiと方向Xの前方(径方向外方、図4の右方)の端部Eoとの間で、方向Yにおける略一定の幅で、帯状に細長く延びている。単位形状Suは、方向Xの前方かつ方向Yの後方(図4の右上方)に向けて凸に湾曲した状態で延びている。単位形状Suの中心線(不図示)の曲率半径は、端部Eoに近付くにつれて小さくなっている。端部Eiは、一端の一例であり、端部Eoは、他端の一例である。また、複数の単位形状Suは、繰り返しパターンの一例である。繰り返しパターンは、セレーションと称されうる。
単位形状SuのY方向の両側には、凹溝Gが設けられている。凹溝Gは、端部Eiと端部Eoとの間で、単位形状Suに沿って延びている。検査対象面2aには、複数の凹溝Gが、方向Yに単位形状Suと略同じピッチで繰り返し配置されている。
参照画像および検査画像Imにおいて、凹溝Gは黒い(暗い)影となって輝度値の低い領域として検出され、単位形状Suは凹溝Gと隣接した当該凹溝Gよりも輝度値の高い領域として検出される。なお、複数の単位形状Suや凹溝Gの繰り返し方向は、方向Yには限定されず、方向Xや、その他の方向であってもよい。
(処理領域決定部)
図5は、検査対象面2aのうち繰り返しパターンが形成された部位の検査画像Imにおいて検出された境界線Lbを示す図であり、図6は、図5の検査画像Imから取得された帯状領域および処理領域の一例を示す図であり、図7は、図6の一部の拡大図である。
図3に示されるように、処理対象決定部112は、帯状領域検出部112aや、補填領域決定部12b、処理領域決定部112c、位置合わせマーク検出部112d、対応付け部112e等を有している。
帯状領域検出部112aは、単位形状Suに対応した帯状領域Ab(図6)を検出する。帯状領域検出部112aは、まず、検査画像Imから、帯状領域Abの境界線Lbを検出する。境界線Lbは、例えば、検査画像Imの輝度値に基づいて、図5中に破線で示されるように、線状に延びる凹溝Gの中心線として、検出されうる。
また、帯状領域検出部112aは、端部Eiおよび端部Eoを検出する。端部Eiおよび端部Eoは、例えば、図5中に一点鎖線で示されるように、複数の境界線Lbの方向Xの端部同士を方向Yに結ぶ端辺Lei,Leoとして、検出されうる。端辺Leiは、第一端部の一例であり、端辺Leoは、第二端部の一例である。
次に、帯状領域検出部112aは、境界線Lbおよび端部Ei,Eo(端辺Lei,Leo)の検出結果に基づいて、帯状領域Abを決定する。図4,5の例の場合にあっては、帯状領域検出部112aは、例えば、図6に示されるように、方向Yに隣り合う二つの境界線Lbと端辺Lei,Leoとで囲まれた湾曲した帯状領域を、帯状領域Abとして決定する。
補填領域決定部112bは、繰り返しパターンの非形成領域において、帯状領域Abに対応した補填領域As(図13)を決定する。補填領域決定部112bの作動については後述する。
処理領域決定部112cは、帯状領域Abを方向Xに分割して、処理領域Acを決定する。処理領域決定部112cは、例えば、図5に示されるように、端部Eiと端部Eoとの間を等分割する分割線Lpを設定する。なお、図5の例では、分割線Lpの数は6本であるが、当該分割線Lpの本数、すなわち、帯状領域Abにおける処理領域Acの分割数は、これには限定されない。なお、処理領域Acは、処理区画や、処理単位とも称されうる。
次に、処理領域決定部112cは、帯状領域Abを分割線Lpで分割した処理領域Acを決定する。処理領域Acは、参照画像と検査画像Imとの比較の単位となる領域である。
この場合、図7に示されるように、処理領域決定部112cは、処理領域Acを、境界線Lbと分割線Lp(または端辺Lei,Leo)との交点pcを有した、図7中に実線で示される四角形Fcとして決定してもよい。境界線Lbの曲率が比較的大きく、直線に近い場合にあっては、このような取り扱いをしても検出精度にはほぼ影響がない場合がある。また、処理領域Acを四角形とした場合、処理領域Acを湾曲した領域とした場合に比べて、異常検出部113等における演算の負荷が軽減されうる。なお、処理領域Acは、四角形に替えて三角形に設定されてもよい。この場合、例えば、四角形の領域が対角線でさらに分割されればよい。
位置合わせマーク検出部112dは、検査画像Imの輝度値に基づいて、図4に示されるようなマーク画像Imm(位置合わせマーク)を検出する。ここで、マーク画像Immは、参照画像にも含まれている。よって、対応付け部112eは、マーク画像Immに対する処理領域Acの相対的な位置に基づいて、参照画像における処理領域Acと、検査画像Imにおける処理領域Acと、を対応付けることができる。
(異常検出部)
異常検出部113は、参照画像の処理領域と検査画像Imの処理領域Acとの比較に基づいて、検査画像Imにおける異常を検出する。ここで、検査対象物2が例えばタイヤ等のゴム製品のように可撓性を有している場合にあっては、センサ10と検査対象面2aとの距離が変化するなどにより、参照画像と検査画像Imとで、大きさが異なったり、歪みが生じていたりする虞がある。そこで、異常検出部113は、処理領域Ac毎に座標変換による位置合わせ、すなわち、座標変換に基づいて画像を変形した上で、参照画像の処理領域と検査画像Imの処理領域Acとを比較する。
この場合において、異常検出部113は、参照画像の処理領域を検査画像Imの処理領域Acに重なるように座標変換した変形画像と、検査画像Imの処理領域Acとを比較するのが好適である。検査画像Imは、参照画像と比べると異常が含まれている確率が高い。このため、検査画像Imを座標変換した場合、当該異常が、処理領域Acの境界に影響を及ぼし、座標変換によって適切に変形できない虞があるからである。
具体的に、異常検出部113は、まずは、参照画像の処理領域の座標と検査画像Imの処理領域の座標とを比較して、検査画像Imの処理領域Acと重なるような座標変換の係数を取得する。ここで、比較する座標は、例えば処理領域のコーナー(検査画像Imでは交点pc)の座標であり、座標変換は、例えば射影変換等である。処理領域が三角形に設定される場合にあっては、座標変換としては、アフィン変換を用いてもよい。
次に、異常検出部113は、取得した座標変換係数を用いて、参照画像の処理領域を座標変換(例えば射影変換)することにより、変形画像を得る。変形画像は、検査画像Imの処理領域Acとは、同じ形状および画素分布を有し、各画素における輝度値が異なる画像である。変形画像は、変形済処理領域の一例である。
そして、異常検出部113は、変形画像と、検査画像Imの処理領域Acとを比較することにより、処理領域Acにおける異常の有無、すなわち、所定の条件を超えた差異の有無を検出する。
(繰り返しパターンの非形成領域)
図8は、検査画像Imの一例を示す図である。図8の例では、検査対象面2aには、繰り返しパターンが設けられているパターン領域Apと、繰り返しパターンが設けられていない非パターン領域Anとが含まれている。図8から明らかとなるように、パターン領域Apには、繰り返しパターンの単位形状Suおよび凹溝Gが含まれているが、非パターン領域Anには、単位形状Suおよび凹溝Gは含まれていない。このため、帯状領域検出部112aは、非パターン領域Anでは、凹溝Gまたは単位形状Suに基づく帯状領域Abを検出することができない。
(補填領域の決定)
補填領域決定部112bは、非パターン領域Anにおいて、帯状領域Abと連なるとともに帯状領域Abと並ぶ補填領域As(図13)を決定する。
図9は、非パターン領域Anにおいて境界線Lbsを補填するアルゴリズムの一例を示す説明図であり、図10は、図9の一部の拡大図である。また、図12は、パターン領域Apにおいて検出された境界線Lbdと、非パターン領域Anにおいて設定された(補填された)境界線Lbsと、を示す説明図である。図9,10の例では、補填領域決定部112bは、まずは、非パターン領域An1における境界線Lbs(Lb1)を、方向Yに間隔をあけて隣接したパターン領域Ap1で検出された境界線Lbd(Lb0)、すなわち図9,10では上側に位置されている境界線Lbd(Lb0)に基づいて、補填する。図9,10の例では、点p1は、非パターン領域An1よりも図9の左側に位置されているパターン領域Apで検出された境界線Lbd(Lb1)の右側の端点である。また、点p2は、非パターン領域An1よりも図9の右側に位置されているパターン領域Apで検出された境界線Lbd(Lb1)の左側の端点である。補填領域決定部112bは、点p1と点p2との間において、例えば、境界線Lb0と点p1との間の方向Yにおける距離d1と、境界線Lb0と点p2との間の方向Yにおける距離d2とが、同じ値であった場合には、点p1と点p2との間の境界線Lbs(Lb1)を、例えば、境界線Lb0からの方向Yにおける距離d(=d1=d2)が一定になる線として、取得することができる。あるいは、補填領域決定部112bは、例えば、距離d1と距離d2とが異なる値であった場合には、境界線Lb0からの補填される境界線Lbs(Lb1)までの方向Yの距離dが、点p1から点p2にかけて、距離d1から距離d2に徐々に変化する線、例えば線形的に変化する線として、取得することができる。このようなアルゴリズムにより、補填領域決定部112bは、非パターン領域Anに、パターン領域Apで検出された境界線Lbdと連なるとともに、当該境界線Lbdと並んだ境界線Lbsを、設定することができる。換言すれば、補填領域決定部112bは、パターン領域Apで検出された境界線Lbdに基づいて、非パターン領域Anにおいて、境界線Lbsを補填することができる。パターン領域Ap1は、第一パターン領域の一例であり、非パターン領域An1は、第一非パターン領域の一例である。
補填領域決定部112bは、上記と同様のアルゴリズムを順次実施することにより、非パターン領域Anにおいて、境界線Lbsを順次補填することができる。具体的には、例えば、補填領域決定部112bは、図12の上側の境界線Lbd,Lbsから、図12の下側に間隔をあけて隣接した境界線Lbsを設定することによりパターン領域Apと非パターン領域Anとに渡る一連の境界線Lbを設定し、同様のアルゴリズムを繰り返すことにより、図12の上側から下側にかけて、順次、パターン領域Apと非パターン領域Anとに跨る一連の境界線Lbを設定することができる。なお、補填領域決定部112bが境界線Lbsを順次補填する方向は上側からには限定されず、補填領域決定部112bは、下側からあるいは上側および下側の両方から境界線Lbsを補填してもよい。
図11は、非パターン領域Anにおいて境界線Lbsを補填するアルゴリズムの別の一例を示す説明図である。図11の例では、補填領域決定部112bは、非パターン領域An2における境界線Lbs(Lb2)を、当該非パターン領域An2と方向Xに隣接したパターン領域Ap2で検出された境界線Lbd(Lb2)に基づいて、補填する。この場合、補填領域決定部112bは、境界線Lbsを、例えば、境界線Lbdを用いた曲線当てはめ(例えば、曲線回帰、内挿、外挿、最小二乗法等)や、補間(例えば、ラグランジュ補間、ニュートン補間、スプライン補間等)により、設定することができる。このようなアルゴリズムによっても、補填領域決定部112bは、非パターン領域Anに、パターン領域Apで検出された境界線Lbdと連なるとともに、当該境界線Lbdと並んだ境界線Lbsを、設定することができる。換言すれば、補填領域決定部112bは、パターン領域Apで検出された境界線Lbdに基づいて、非パターン領域Anにおいて、境界線Lbsを補填することができる。パターン領域Ap2は、第二パターン領域の一例であり、非パターン領域An2は、第二非パターン領域の一例である。
図13は、図8の検査画像Imから取得された帯状領域および処理領域の一例を示す図である。補填領域決定部112bは、処理領域決定部112cがパターン領域Apで検出された境界線Lbのみに基づいて処理領域Acを決定した場合と同様に、パターン領域Apで検出された境界線Lbdと非パターン領域Anで補填された境界線Lbsとを含む境界線Lbに基づいて帯状領域Abおよび補填領域Asを決定することができる。補填領域Asは、補填された二つの境界線Lbsによって挟まれた領域であるとともに、検出された境界線Lbdによって挟まれた帯状領域Abと隣接し、連なり、かつ並んだ領域である。この場合、処理領域決定部112cは、図13に示されるように、帯状領域Abと補填領域Asとが帯状に連なった領域を方向Xに分割して、処理領域Acを決定する。
(演算処理のフロー)
図14は、演算処理部110による異常検出までの演算処理の手順を示すフローチャートである。
図8に示されるように、演算処理部110は、画像データ取得部111として機能し、センサ10で取得された画像データに基づく検査画像Imを取得する(S10)。
次に、演算処理部110は、帯状領域検出部112aとして機能し、複数の単位形状Suおよび凹溝Gが方向Yに繰り返された繰り返しパターンの領域から、例えば、凹溝Gの中心線として、帯状領域Abの境界線Lbを検出する(S11)。
次に、帯状領域検出部112aは、繰り返しパターンのパターン領域Apにおいて、二つの境界線Lbと端辺Lei,Leoとで囲まれた帯状領域Abを検出する(S12)。
次に、補填領域決定部112bは、繰り返しパターンの非パターン領域Anにおいて、補填領域Asを決定する(S13)。
次に、演算処理部110は、処理領域決定部112cとして機能し、帯状領域Abおよび補填領域Asを分割線Lpによって分割した複数の処理領域Acを決定する(S14)。
次に、演算処理部110は、位置合わせマーク検出部112dとして機能し、位置合わせ用のマーク画像Imm(位置合わせマーク)を検出する(S15)。
次に、演算処理部110は、対応付け部112eとして機能し、マーク画像Immとの相対的な位置に基づいて、検査画像Imの処理領域Acと参照画像の処理領域との対応付けを決定する(S16)。
次に、演算処理部110は、異常検出部113として機能し、座標変換および画像比較により、処理領域毎に、検査画像Im中の異常を検出する、すなわち所定の処理を実行する(S17)。なお、演算処理部110は、所定の異常が検出された場合には音声出力や映像表示が行われるよう、不図示のディスプレイやスピーカ等の出力部を制御してもよい。
以上、説明したように、本実施形態では、帯状領域検出部112aが、検査画像Imから複数の帯状領域Abを検出し、処理領域決定部112cが、帯状領域Abが分割された複数の処理領域Acを決定し、異常検出部113(処理実行部)が、検査画像Imと参照画像とを、処理領域毎に比較することにより、異常を検出する(所定の処理を実行する)。このような構成によれば、例えば、繰り返しパターンを含む検査対象面2aに撓みや歪みが生じやすいような場合にあっても、検査画像Imと参照画像とを、帯状領域Abを分割した処理領域Ac毎に位置合わせして比較することができるため、異常をより精度良く検出することができる。
また、本実施形態では、異常検出部113は、例えば、検査画像Imの処理領域Acおよび参照画像の処理領域のうち一方を他方と形状が合うように座標変換した変換画像(変形済処理領域)と、他方とを比較することにより、異常を検出する。このような構成によれば、例えば、座標変換によって、検査画像Imと参照画像との対応する画素同士を比較することができるため、異常をより精度良く検出することができる。
また、本実施形態では、異常検出部113は、例えば、参照画像の処理領域が検査画像Imの処理領域Acと形状が合うように座標変換された変換画像(変形済処理領域)と、検査画像Imの処理領域Acとを比較する。このような構成によれば、例えば、検査画像Imの処理領域Acを座標変換した場合に比べて、検査画像Imに含まれている異常の影響を受け難くなる分、異常をより精度良く検出することができる。
また、本実施形態では、位置合わせマーク検出部112dは、検査画像Imから、繰り返しパターンとは外れて設定されたマーク画像Imm(位置合わせマーク)を検出し、対応付け部112eは、マーク画像Immに対する相対的な位置に基づいて、検査画像Imの処理領域Acを、参照画像の処理領域と対応付ける。このような構成によれば、例えば、マーク画像Immに基づいて、検査画像Imの処理領域Acと参照画像の処理領域との位置決めを、より容易にあるいはより精度良く行えるため、異常をより迅速にあるいはより精度良く検出することができる。
また、本実施形態では、処理領域は、例えば、四角形である。このような構成によれば、処理領域が湾曲している場合に比べて、異常検出部113における演算負荷を低減することができる。
また、本実施形態では、補填領域決定部112bは、帯状領域Abに基づいて非パターン領域Anに対応して帯状領域Abと並んだ補填領域Asを決定し、処理領域決定部112cは、帯状領域Abおよび補填領域Asに基づいて処理領域Acを決定する。このような構成によれば、上述した効果に加えて、パターン領域Apと非パターン領域Anとを含む検査対象面2aにおいて、パターン領域Apに対応したアルゴリズムによって、比較的容易にあるいは比較的迅速に異常検査が行われうる。
また、本実施形態では、パターン領域Apは、パターン領域Ap1(第一パターン領域)を含み、非パターン領域Anは、パターン領域Ap1と方向Y(第二方向)に隣接した非パターン領域An1(第一非パターン領域)を含み、補填領域決定部112bは、非パターン領域An1に対応した補填領域Asを、パターン領域Ap1内の単位形状Suに対応した帯状領域Abに基づいて決定する。このような構成によれば、非パターン領域An1と方向Yに隣接したパターン領域Ap1において検出された帯状領域Ab(境界線Lb0)に基づいて、より容易にあるいはより迅速に、補填領域As(境界線Lbs)を決定することができる。
また、本実施形態では、パターン領域Apは、パターン領域Ap2(第二パターン領域)を含み、非パターン領域Anは、パターン領域Ap2と方向X(第一方向)に隣接した非パターン領域An2(第二非パターン領域)を含み、補填領域決定部112bは、非パターン領域An2に対応した補填領域Asを、パターン領域Ap2内の単位形状Suに対応した帯状領域Abに基づいて決定する。このような構成によれば、非パターン領域An2と方向Xに隣接したパターン領域Ap2において検出された帯状領域Ab(境界線Lbd)に基づいて、より容易にあるいはより迅速に、補填領域As(境界線Lbs)を決定することができる。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態はあくまで一例である。実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、実施形態の構成や形状は、部分的に他の構成や形状と入れ替えて実施することも可能である。また、各構成や形状等のスペック(構造や、種類、方向、角度、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
例えば、上記実施形態では、処理実行部が異常検出部113であって、処理領域毎の撮影画像と参照画像との比較結果に基づいて異常を検出したが、処理実行部はこれには限定されず、例えば、処理対象面に、処理領域毎に、処理領域の長手方向に沿った中心線を描くなど、処理領域の端点や端辺等に基づいて検査対象物に異常検査とは異なる何らかの処理を実行してもよい。
また、帯状領域Abは、凹溝Gに対応した境界線Lbによって区分されるのに替えて、明るい部分の中心線を境界線Lbとして区分されてもよい。すなわち、帯状領域Abは、単位形状Suとは一致せず、単位形状Suに対してずれた領域や、隣接する単位形状Suを跨った領域として検出されてもよい。ただし、これらの場合においても、帯状領域Abは、単位形状Suと対応しており、帯状領域Abのピッチは、単位形状Suが繰り返されるピッチと略同じになる。帯状領域Abにおける処理領域Acの分割数は、1であってもよい。換言すれば、帯状領域Abが処理領域Acであってもよい。
また、境界線Lbsひいては補填領域Asは、方向Yに隣接した境界線Lbおよび方向Xに隣接した境界線Lbの双方に基づいて、すなわち検出されたパターン領域Ap1およびパターン領域Ap2の双方に基づいて、決定されてもよい。
2a…検査対象面(表面)、100…画像処理装置、112a…帯状領域検出部、112b…補填領域決定部、112c…処理領域決定部、113…異常検出部、Ab…帯状領域、Ac…処理領域、An…非パターン領域、An1…(第一)非パターン領域、An2…(第二)非パターン領域、Ap…パターン領域、Ap1…(第一)パターン領域、Ap2…(第二)パターン領域、Su…単位形状、X…方向(第一方向)、Y…方向(第二方向)。

Claims (6)

  1. 第一方向に延びた複数の単位形状が前記第一方向と交差した第二方向に並んだ繰り返しパターンが設けられているパターン領域と、当該パターン領域と隣接し前記繰り返しパターンが設けられていない非パターン領域と、を有した表面の撮影画像に基づいて所定の画像処理を実行する画像処理装置であって、
    前記撮影画像から、前記第一方向に延びてそれぞれ前記単位形状に対応した帯状領域を検出する帯状領域検出部と、
    前記帯状領域に基づいて前記非パターン領域に対応して前記帯状領域と並んだ補填領域を決定する補填領域決定部と、
    前記帯状領域および前記補填領域に基づいて処理領域を決定する処理領域決定部と、
    前記処理領域に所定の処理を実行する処理実行部と、
    を備えた、画像処理装置。
  2. 前記パターン領域は、第一パターン領域を含み、前記非パターン領域は、前記第一パターン領域と前記第二方向に隣接した第一非パターン領域を含み、
    前記補填領域決定部は、前記第一非パターン領域に対応した前記補填領域を、当該第一パターン領域内の前記単位形状に対応した前記帯状領域に基づいて決定する、請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記パターン領域は、第二パターン領域を含み、前記非パターン領域は、前記第二パターン領域と前記第一方向に隣接した第二非パターン領域を含み、
    前記補填領域決定部は、前記第二非パターン領域に対応した前記補填領域を、当該第二パターン領域内の前記単位形状に対応した前記帯状領域に基づいて決定する、請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記処理領域決定部は、前記帯状領域、前記帯状領域と前記補填領域とが前記第一方向に連なった領域、または前記補填領域を、前記第一方向において、複数の前記処理領域に分割する、請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の画像処理装置。
  5. 前記処理実行部は、前記撮影画像と参照画像とを、前記処理領域毎に比較して前記撮影画像における異常を検出する異常検出部であり、
    前記異常検出部は、前記撮影画像の処理領域および前記参照画像の処理領域のうち一方を他方と形状が合うように座標変換した変形済処理領域と、他方とを比較することにより、異常を検出する、請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の画像処理装置。
  6. 前記処理実行部は、前記撮影画像と参照画像とを、前記処理領域毎に比較して前記撮影画像における異常を検出する異常検出部であり、
    前記異常検出部は、前記参照画像の処理領域を前記撮影画像の処理領域と形状が合うように座標変換した変形済処理領域と、前記撮影画像の処理領域とを比較することにより、異常を検出する、請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の画像処理装置。
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