JP2022115686A - 光ファイバ用多孔質ガラス母材の焼結方法 - Google Patents

光ファイバ用多孔質ガラス母材の焼結方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ヒータ間に低温度領域が存在しても脱水を全体として十分に行うことが可能な光ファイバ用多孔質ガラス母材の焼結方法を提供する。【解決手段】光ファイバ用多孔質ガラス母材をその長手方向が軸方向を向くように収容する炉心管と、互いに独立して温度制御可能な2以上のヒータのそれぞれが炉心管を取り囲み、炉心管の軸方向に配列されることにより、炉心管内に加熱領域を形成する多段ヒータと、を備える焼結装置を用い、光ファイバ用多孔質ガラス母材を、加熱領域において加熱する第1の脱水処理を行うステップと、第1の脱水処理後の光ファイバ用多孔質ガラス母材について、所定の方法により最も脱水が不十分であると特定された長手方向の位置が、加熱領域のうち最も温度が高い炉心管の軸方向の位置にくるように、第1の脱水処理後の光ファイバ用多孔質ガラス母材を移動させた上で、更に加熱する第2の脱水処理を行うステップと、を実行する。【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバ用多孔質ガラス母材を脱水し焼結することで光ファイバ用ガラス母材を製造する光ファイバ用多孔質ガラス母材の焼結方法に関する。
ガラスロッドなどのターゲット棒にガラス微粒子を堆積させて形成される光ファイバ用多孔質ガラス母材は、脱水し焼結することで透明ガラス化されて光ファイバ用ガラス母材とされる。光ファイバ用多孔質ガラス母材の製造方法として、VAD法やOVD法と称される方法がある。これらの方法では、まず火炎中でガラス原料を燃焼し加水分解させてガラス微粒子を生成し、これを、回転するターゲット棒の軸方向又は径方向に付着させることで光ファイバ用多孔質ガラス母材を製造する。
光ファイバ用多孔質ガラス母材の脱水及び焼結は、支持棒に把持された光ファイバ用多孔質ガラス母材を収容する炉心管と、炉心管の外周に配設されたヒータとを備える脱水焼結装置を用いて行われる。炉心管の下部にはガス供給口が設けられ、ガス供給口からは、ハロゲン系ガスや不活性ガス等の光ファイバ用多孔質ガラス母材を脱水し焼結するのに必要なガスが供給させる。一方、炉心管の上部にはガス排気管が設けられ、炉心管内のガスが排出される。そして、支持棒に把持された光ファイバ用多孔質ガラス母材は、炉心管内を回転しながら降下し、ヒータによる加熱領域を通過することで脱水され焼結される。
特許文献1には、脱水及び焼結の方法として、多孔質ガラス母材を900~1300℃の温度に設定された加熱領域を通過させて脱水し、脱水した多孔質ガラス母材を、炉心管内の所定位置まで一旦引き上げた後、加熱領域の温度を1400~1600℃に変更した後、再び加熱領域を通過させて焼結させる、2段ガラス化の方法が記載されている。しかし、特許文献1の方法には、処理に長時間を要し、生産効率が悪いという弱点がある。そこで、これを克服すべく、ヒータを多段にし、加熱領域を広くするという方法が特許文献2に記載されている。
特開2010-189251号公報 特開2016-88821号公報
特許文献2に記載された方法のようにヒータを多段配置する場合、ヒータ間に低温度領域が存在し、脱水が不十分な箇所が生じうる。そして、このような箇所が存在する光ファイバ用多孔質ガラス母材をガラス化すると、製造された光ファイバ用ガラス母材の長手方向の一部において、OH吸収波長である1383nmにおける伝送損失が上昇するという問題が生じる。
本発明の目的は、ヒータ間に低温度領域が存在しても、脱水を全体として十分に行うことが可能な光ファイバ用多孔質ガラス母材の焼結方法を提供することにある。
本発明の光ファイバ用多孔質ガラス母材の焼結方法は、光ファイバ用多孔質ガラス母材をその長手方向が軸方向を向くように収容する炉心管と、互いに独立して温度制御可能な2以上のヒータのそれぞれが炉心管を取り囲み、炉心管の軸方向に配列されることにより、炉心管内に加熱領域を形成する多段ヒータと、を備える焼結装置を用い、光ファイバ用多孔質ガラス母材を、加熱領域において加熱する第1の脱水処理を行う第1焼結ステップと、第1の脱水処理後の光ファイバ用多孔質ガラス母材について、所定の方法により最も脱水が不十分であると特定された長手方向の位置が、加熱領域のうち最も温度が高い炉心管の軸方向の位置にくるように、第1の脱水処理後の光ファイバ用多孔質ガラス母材を移動させた上で、更に加熱する第2の脱水処理を行う第2焼結ステップと、を実行する。
このような方法を採ることで、第1の脱水処理において、ヒータ間の低温度領域の存在により光ファイバ用多孔質ガラス母材の長手方向の一部に脱水が不十分な部分が生じても、脱水が不十分な部分について第2の脱水処理において更に脱水を行うため、脱水を全体として十分に行うことができる。
第2の脱水処理は、例えば2時間以上行ってもよい。
これにより、脱水をより確実に行うことができる。
第1の脱水処理は、光ファイバ用多孔質ガラス母材を加熱するに際し、炉心管の軸方向に繰り返し往復移動させながら加熱を行ってもよい。
第1の脱水処理においてこのように繰り返し往復移動させながら加熱することで、少なくとも静止状態で加熱した場合よりも、脱水が不十分な部分の箇所数や範囲を縮小することができる。
第2の脱水処理は、第1の脱水処理後に移動された光ファイバ用多孔質ガラス母材を更に加熱するに際し、移動された位置を中心に炉心管の軸方向に繰り返し往復移動させながら加熱を行ってもよい。
第2の脱水処理においてこのように繰り返し往復移動させながら加熱することで、多段ヒータによる加熱領域における最も高い温度で、低温度領域にあった部分を満遍なく加熱することができるため、十分な脱水を全体としてより確実に行うことができる。
第1の脱水処理後の光ファイバ用多孔質ガラス母材について最も脱水が不十分である位置を特定する所定の方法としては、例えば、光ファイバ用多孔質ガラス母材と同様な方法で製造された別の光ファイバ用多孔質ガラス母材に第1の脱水処理を実行し、更に、第1の脱水処理における加熱温度よりも高い温度で加熱し焼結することにより生成された光ファイバ用ガラス母材について長手方向の所定の光学特性の分布を測定して、この測定結果に基づき特定する方法が挙げられる。
焼結後の光ファイバ用ガラス母材は、焼結前の光ファイバ用多孔質ガラス母材に対して収縮するが、両者の長手方向の相対的な位置関係は維持される。そのため、焼結後の光ファイバ用ガラス母材の長手方向の各位置における光学特性を把握することで、焼結前の光ファイバ用多孔質ガラス母材の長手方向の各位置における光学特性を把握することができる。
光ファイバ用多孔質ガラス母材の焼結装置の概略断面図及び炉心管軸方向の温度分布を示す図である。 第2の脱水処理において光ファイバ用多孔質ガラス母材を移動する方法を説明する図である。 第2の脱水処理の実施時間と光ファイバ用多孔質ガラス母材の長手方向の最も低い屈折率との関係を示す図である。 比較例、実施例1及び実施例2のそれぞれにおける光ファイバ用ガラス母材の長手方向の屈折率分布を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、各図面における共通の構成要素については同じ符号を付す。
図1(a)は、本発明の光ファイバ用多孔質ガラス母材の焼結方法の実施に用いる光ファイバ用多孔質ガラス母材の焼結装置100の概略断面図である。
光ファイバ用多孔質ガラス母材の焼結装置100は、光ファイバ用多孔質ガラス母材の脱水及び焼結を行う装置であり、支持棒110、炉心管120、多段ヒータ130及び昇降手段140を備える。
焼結に供される光ファイバ用多孔質ガラス母材Bは、VAD法など任意の方法により予め製造され、中心部に形成されたコア部とその外周に形成されたクラッド部を有する。
支持棒110は、光ファイバ用多孔質ガラス母材Bを一端において支持する。
炉心管120は、支持棒110に支持された光ファイバ用多孔質ガラス母材Bを、その長手方向Lが炉心管120の軸方向Dを向くように収容する。炉心管120は、例えば石英ガラス製の円筒形の炉心管であり、開閉可能な上蓋を備える。また、炉心管120は、脱水、焼結に必要なガスを炉心管120内に供給するためのガス供給ポート121を下部に備えるとともに、炉心管120内のガスを外部に排出するためのガス排出ポート122を上部に備える。
多段ヒータ130は、互いに独立して温度制御可能なヒータ131及び132を備える。ヒータ131及び132は、それぞれ炉心管120を取り囲んで設けられ、かつ、炉心管120の軸方向Dに配列されることにより、炉心管120内に加熱領域を形成する。なお、ここではヒータが2段の場合を例示しているが、3段以上であっても構わない。
昇降手段140は、支持棒110の他端を把持し、必要に応じ、支持棒110を介して光ファイバ用多孔質ガラス母材Bを炉心管120の軸方向Dに昇降させる。
本発明においては、以上の光ファイバ用多孔質ガラス母材の焼結装置100を用い、以下説明する第1の脱水処理、第2の脱水処理及び焼結処理を順次実行することにより、光ファイバ用多孔質ガラス母材Bを脱水・焼結して光ファイバ用ガラス母材を生成する。
<第1の脱水処理>
第1の脱水処理では、まず、一端が光ファイバ用多孔質ガラス母材Bに接続された支持棒110の他端を昇降手段140に接続し、この状態の光ファイバ用多孔質ガラス母材Bを炉心管120内に挿入して、上蓋で蓋をする。
次に、昇降手段140により、光ファイバ用多孔質ガラス母材Bを炉心管120内の所定の位置にセットし、ヒータ131及び132を、光ファイバ用多孔質ガラス母材Bに対する加熱領域が所定の温度範囲になるように昇温させる。例えば、1000~1300℃程度の範囲が好適である。
このとき、ハロゲン系ガス又はハロゲン系ガスと不活性ガスの混合ガスをガス供給ポート121から炉心管120内に供給する。供給されたガスは、炉心管120内の圧力が一定に保たれるよう、適量がガス排出ポート122から排出される。供給するハロゲン系ガスの体積濃度は20~100%が好ましい。脱水処理上、ハロゲン系ガスはCl又はSiClが望ましく、不活性ガスはHe、Ar、Nが望ましい。
第1の脱水処理において光ファイバ用多孔質ガラス母材Bを加熱する際に、光ファイバ用多孔質ガラス母材Bを、昇降手段140により炉心管120の軸方向Dに繰り返し往復移動させながら加熱を行ってもよい。
図1(b)に、図1(a)に示す炉心管120内に形成された加熱領域の軸方向Dの位置に応じた温度分布の一例を示す。図1(b)から、多段ヒータ130を構成するそれぞれのヒータの中央部近傍で温度がピークになる一方で、ヒータ間に低温度領域が生じることがわかる。
このような温度分布の加熱領域に光ファイバ用多孔質ガラス母材Bを静止させて加熱すると、低温度領域にあった部分において脱水が不十分な部分が生じるのみならず、場合によっては、複数の箇所あるいは広い範囲において脱水が不十分になる。しかし、光ファイバ用多孔質ガラス母材Bを炉心管120の軸方向Dに繰り返し往復移動させながら加熱することで、長手方向Lに満遍なく加熱されるため、少なくとも静止状態で加熱した場合よりも、脱水が不十分な部分の箇所数や範囲を縮小することができる。
なお、往復移動の移動幅、及び往復回数又は往復時間は、光ファイバ用多孔質ガラス母材Bの直胴部が加熱領域内で満遍なく加熱されるように適宜設定してよい。
<第2の脱水処理>
第2の脱水処理では、第1の脱水処理後の光ファイバ用多孔質ガラス母材Bについて、所定の方法により最も脱水が不十分であると特定された長手方向の位置が、加熱領域のうち最も温度が高い炉心管120の軸方向Dの位置にくるように、第1の脱水処理後の光ファイバ用多孔質ガラス母材Bを移動させた上で、更に加熱を行う。
例えば、図2(a)に示すように、第1の脱水処理後の光ファイバ用多孔質ガラス母材Bの長手方向Lにおいて、最も脱水が不十分な位置Xが太線で示す位置であると特定されたとする。このとき、図2(a)に示す炉心管120内に形成された加熱領域の、軸方向Dの位置に応じた温度分布が図2(b)に示す状態である場合、第1の脱水処理後の光ファイバ用多孔質ガラス母材Bを、最も脱水が不十分な位置Xが炉心管120内の加熱領域の最高温度の位置である点線で示す位置にくるように移動させる。
第1の脱水処理後の光ファイバ用多孔質ガラス母材Bについて最も脱水が不十分な位置Xを特定する所定の方法としては、例えば、光ファイバ用多孔質ガラス母材Bと同様な方法で製造された別の光ファイバ用多孔質ガラス母材に第1の脱水処理を実行し、更に、第1の脱水処理における加熱温度よりも高い温度で加熱し焼結することにより生成された光ファイバ用ガラス母材について長手方向の所定の光学特性の分布を測定して、この測定結果に基づき特定する方法が挙げられる。
第1の脱水処理後の光ファイバ用多孔質ガラス母材Bにおける最も脱水が不十分な位置Xの特定に用いる光ファイバ用ガラス母材の光学特性としては、例えば、クラッド部分の長手方向の屈折率分布や赤外吸収などが挙げられる。
焼結後の光ファイバ用ガラス母材は、焼結前の光ファイバ用多孔質ガラス母材に対して収縮するが、両者の長手方向の相対的な位置関係は維持される。そのため、焼結後の光ファイバ用ガラス母材の長手方向の各位置における光学特性を把握することで、焼結前の光ファイバ用多孔質ガラス母材の長手方向の各位置における光学特性を把握することができる。そして例えば、脱水が不十分な位置では脱水処理ガス由来の塩素の残存により、クラッド部分の屈折率が高くなるため、焼結後の光ファイバ用ガラス母材のクラッド部分について長手方向の屈折率分布を把握することで、焼結前の光ファイバ用多孔質ガラス母材における最も脱水が不十分である位置を特定することができる。また、脱水が不十分でOH濃度が高い位置では赤外吸収が大きくなるため、長手方向の赤外吸収の状況を把握することによっても最も脱水が不十分な位置を特定することができる。
図3は、第2の脱水処理の実施時間と、長手方向で最も低い屈折率との関係を示したものである。図3からわかるように、2時間より短いときは、時間が経つにつれ最も低い屈折率が上昇しており、すなわち徐々に脱水不足が解消される過程にあるといえる一方、2時間を経過すると概ね一定となっており、すなわち十分な脱水状態に至っているといえる。このことから、第2の脱水処理は2時間以上実施するのが望ましい。
第1の脱水処理に加え第2の脱水処理を行うことで、第1の脱水処理において、ヒータ間の低温度領域の存在により光ファイバ用多孔質ガラス母材の長手方向の一部に脱水が不十分な部分が生じても、脱水が不十分な部分について第2の脱水処理において更に脱水を行うため、脱水を全体として十分に行うことができる。
第2の脱水処理において、第1の脱水処理後に移動された光ファイバ用多孔質ガラス母材Bを更に加熱するに際し、移動された位置を中心に炉心管120の軸方向Dに繰り返し往復移動させながら加熱を行ってもよい。
前述のとおり、第1の脱水処理において図1(b)に示すような温度分布の加熱領域に光ファイバ用多孔質ガラス母材Bを静止させて加熱すると、低温度領域にあった部分において脱水が不十分な部分が生じるのみならず、場合によっては、複数の箇所あるいは広い範囲において脱水が不十分になる。しかし、第1の脱水処理後に移動された、加熱領域のうち最も温度が高い炉心管120の軸方向Dの位置を中心に、光ファイバ用多孔質ガラス母材Bを炉心管120の軸方向Dに繰り返し往復移動させながら加熱することで、多段ヒータ130による加熱領域における最も高い温度で、低温度領域にあった部分を満遍なく加熱することができるため、十分な脱水を全体としてより確実に行うことができる。
なお、往復移動の移動範囲は、例えば、最も脱水が不十分な位置Xを特定するために行った光ファイバ用ガラス母材の長手方向Lの光学特性の分布の測定結果に基づき、一定レベル以上に脱水が不十分な長手方向Lの位置範囲を特定し、特定された位置範囲を移動範囲としてもよい。例えば、特定された位置範囲が図2(a)に示す斜線部である場合、光ファイバ用多孔質ガラス母材Bを図2(b)に示すように移動させた上で、この斜線部の位置範囲が炉心管120内の加熱領域の最高温度の位置である点線で示す位置を繰り返し通過するように往復移動させる。
<焼結処理>
第2の脱水処理の後、ヒータ132を更に昇温させて、第1の脱水処理及び第2の脱水処理における加熱領域より高温の加熱領域を形成する。昇温温度は1400~1600℃程度が好適である。そして、第2の脱水処理後の光ファイバ用多孔質ガラス母材を降下させつつ、当該高温の加熱領域を通過させることにより下方から順次焼結させて光ファイバ用ガラス母材を生成する。
以上説明した本発明の光ファイバ用多孔質ガラス母材の焼結方法によれば、ヒータ間に低温度領域が存在しても、脱水を全体として十分に行うことが可能となる。
以下、本発明の効果を裏付ける実施例を比較例とともに説明する。
<比較例>
光ファイバ用多孔質ガラス母材に対して第1の脱水処理を実施した後、焼結処理を実施し光ファイバ用ガラス母材を生成した。図4に、このように生成された光ファイバ用ガラス母材の長手方向の屈折率分布を長破線で示す。この屈折率分布から、長手方向の一部に脱水が不十分であることに起因する屈折率が大きく落ち込んだ領域が存在していることがわかる。
<実施例1>
比較例と同じ条件で第1の脱水処理を実施した後の光ファイバ用多孔質ガラス母材について、比較例により生成された光ファイバ用ガラス母材のクラッド部の長手方向について測定された屈折率分布に基づき最も脱水が不十分であると特定された位置を、多段ヒータの加熱領域内で最も温度が高い位置に移動させた上、静止させた状態で加熱する第2の脱水処理を2時間実施した。そして、第2の脱水処理後の光ファイバ用多孔質ガラス母材に対して更に焼結処理を実施して光ファイバ用ガラス母材を生成した。図4に、このように生成された光ファイバ用ガラス母材の長手方向の屈折率分布を実線で示す。この屈折率分布から、脱水が不十分であることに起因する屈折率が大きく落ち込んだ領域は存在せず、全域で十分に脱水されていることがわかる。
<実施例2>
比較例と同じ条件で第1の脱水処理を実施した後の光ファイバ用多孔質ガラス母材について、比較例により生成された光ファイバ用ガラス母材のクラッド部の長手方向について測定された屈折率分布に基づき最も脱水が不十分であると特定された位置を、多段ヒータの加熱領域内で最も温度が高い位置に移動させた上で、光ファイバ用多孔質ガラス母材の往復移動の上端位置を、一定レベル以上に脱水不十分な領域の下端位置が加熱領域の最高温度の位置に合致する位置とし、往復移動の下端位置を、一定レベルに脱水不十分な領域の上端位置が加熱領域の最高温度の位置と合致する位置として、繰り返し往復移動させながら加熱する第2の脱水処理を2時間実施した。そして、第2の脱水処理後の光ファイバ用多孔質ガラス母材に対して更に焼結処理を実施して光ファイバ用ガラス母材を生成した。図4に、このように生成された光ファイバ用ガラス母材の長手方向の屈折率分布を短破線で示す。この屈折率分布から、脱水が不十分であることに起因する屈折率が大きく落ち込んだ領域は存在せず、全域で十分に脱水されていることがわかる。
本発明は上記の実施形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる変更がされたものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
100 光ファイバ用多孔質ガラス母材の焼結装置
110 支持棒
120 炉心管
121 ガス供給ポート
122 ガス排出ポート
130 多段ヒータ
131、132 ヒータ
140 昇降手段
B 光ファイバ用多孔質ガラス母材
D 炉心管の軸方向
L 光ファイバ用多孔質ガラス母材の長手方向
X 最も脱水が不十分な位置

Claims (5)

  1. 光ファイバ用多孔質ガラス母材をその長手方向が軸方向を向くように収容する炉心管と、
    互いに独立して温度制御可能な2以上のヒータのそれぞれが前記炉心管を取り囲み、前記炉心管の前記軸方向に配列されることにより、前記炉心管内に加熱領域を形成する多段ヒータと、
    を備える焼結装置を用い、
    前記光ファイバ用多孔質ガラス母材を、前記加熱領域において加熱する第1の脱水処理を行う第1焼結ステップと、
    前記第1の脱水処理後の前記光ファイバ用多孔質ガラス母材について、所定の方法により最も脱水が不十分であると特定された前記長手方向の位置が、前記加熱領域のうち最も温度が高い前記炉心管の前記軸方向の位置にくるように、前記第1の脱水処理後の前記光ファイバ用多孔質ガラス母材を移動させた上で、更に加熱する第2の脱水処理を行う第2焼結ステップと、
    を実行する光ファイバ用多孔質ガラス母材の焼結方法。
  2. 前記第2の脱水処理は、2時間以上であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ用多孔質ガラス母材の焼結方法。
  3. 前記第1の脱水処理は、前記光ファイバ用多孔質ガラス母材を加熱するに際し、前記炉心管の軸方向に繰り返し往復移動させながら加熱を行う処理であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバ用多孔質ガラス母材の焼結方法。
  4. 前記第2の脱水処理は、前記第1の脱水処理後に移動された前記光ファイバ用多孔質ガラス母材を更に加熱するに際し、移動された位置を中心に前記炉心管の軸方向に繰り返し往復移動させながら加熱を行う処理である
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光ファイバ用多孔質ガラス母材の焼結方法。
  5. 前記第1の脱水処理後の前記光ファイバ用多孔質ガラス母材について最も脱水が不十分である位置を特定する前記所定の方法は、前記光ファイバ用多孔質ガラス母材と同様な方法で製造された別の光ファイバ用多孔質ガラス母材に前記第1の脱水処理を実行し、更に、前記第1の脱水処理における加熱温度よりも高い温度で加熱し焼結して生成された光ファイバ用ガラス母材について長手方向の所定の光学特性の分布を測定して、この測定結果に基づき特定する方法であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光ファイバ用多孔質ガラス母材の焼結方法。

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