JP2022114078A - 建築物 - Google Patents

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瑞季 土居
Mizuki Doi
潤平 中原
Jumpei Nakahara
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Abstract

【課題】 大きな無柱空間を有する建築物において、当該無柱空間を1つの大空間としての繋がりを保ちつつ、当該無柱空間を様々な用途に利用可能とする建築物を提供する。【解決手段】建築物1aは、壁構造8によって区画された無柱空間4と、前記無柱空間4内に配置され、前記壁構造1aに接しない2つの壁体9a,9bと、を備えた建築物1aであって、前記2つの壁体9a,9bは互いに向かい合って配置され、当該壁体9a,9bは、それぞれ、上端が天井面12よりも低く、下端が床化粧面16に固定される。【選択図】図1

Description

新規性喪失の例外適用申請有り
本発明は、壁構造によって区画された無柱空間を有する建築物に関する。
従来より1つの屋内空間を間仕切家具等で分断することで、2つの部屋として利用可能とする建築物がある。このような、建築物において間仕切家具を互いに対向させて配置することで、2つに分断した部屋の間をつなぐ廊下であり、且つウォークスルークローゼットとして機能させたものが提案されている(特許文献1及び特許文献2参照)。
このような建築物とすれば、本格的なリフォームを行うことなく、手軽に居室の広さや収納スペースの容量を増減することができる。
特開2011-427号公報 特開2020-110722号公報
ところで、近年住宅などの建築物において、様々な用途に利用可能なフレキシブルな大空間を設けて住宅居住者などの建築物の利用者の変化に合わせてより適切な空間利用を可能とし、また、各居住者同士も適度な距離感でつながることができる建築物が求められている。
そこで、本発明は、大きな無柱空間を有する建築物において、当該無柱空間を1つの大空間としての繋がりを保ちつつ、当該無柱空間を様々な用途に利用可能とする建築物を提供することを目的としている。
本発明の建築物は、壁構造によって区画された無柱空間と、前記無柱空間内に配置され、前記壁構造に接しない2つの壁体と、を備えた建築物であって、前記2つの壁体は互いに向かい合って配置され、当該壁体は、それぞれ、上端が天井面よりも低く、下端が床化粧面に固定されることを特徴としている。
本発明の建築物は、前記2つの壁体は、その両側端に、互いに向かい合う壁体に向かって延びる袖壁部が形成されることを特徴としている。
本発明の建築物は、前記2つの壁体のうち、少なくとも一方の壁体の両端に形成される前記袖壁部は、一端が他方の壁体に向かって延びるとともに、他端が前記他方の壁体から離反する方向に向かって延びて形成されることを特徴としている。
本発明の建築物は、前記壁構造は略矩形に当該無柱空間を区画しており、前記2つの壁体は前記壁構造の一辺に対して平行に配置されることを特徴としている。
本発明の建築物は、前記壁構造は略矩形に当該無柱空間を区画しており、前記壁体はそれぞれ前記壁構造の角部に対向するように配置されることを特徴としている。
本発明の建築物は、前記2つの壁体は、前記袖壁部の上部同士を互いに連結する連結部を有することを特徴としている。
本発明の建築物は、前記2つの壁体は、湾曲して形成されており両側端が互いに接近することを特徴としている。
本発明の建築物は、前記2つの壁体のうち、少なくとも一方の壁体に、他方の壁体に向かって突出し、当該一方の壁体を補強する棚部が固定されることを特徴としている。
本発明の建築物は、前記天井面は複数の天井野縁に張り渡される天井材によって形成される面であり、前記複数の天井野縁の間に下地合板が固定されることを特徴としている。
本発明の建築物は、前記2つの壁体の間に、ウォークスルーの収納スペースが形成されることを特徴としている。
本発明の建築物は、前記2つの壁体は、少なくとも一方の壁体から他方の壁体に向かって突出するデスク天板と、前記他方の壁体から前記一方の壁体に向かって突出する収納棚と、を有することを特徴としている。
本発明の建築物によると、無柱空間内に配置される2つの壁体が、無柱空間を区画する柱構造に接することなく、互いに向かい合って配置されているので、2つの壁体の周りに回遊可能な動線が形成されることとなる。また、2つの壁体の間には所望の用途に利用することができる矩形空間が形成されることとなる。そして、壁体は上端が天井面よりも低く形成されているので、壁体の上方は無柱空間全体が隔たりなく1つの空間となっている。このような2つの壁体が設けられることで、無柱空間を完全に区画することなく、緩やかに複数の空間に分けることができ、無柱空間を1つの大空間としての繋がりを保ちつつ、当該無柱空間を複数の用途に利用することができる。た、壁体の下端は床化粧面に固定されているので、ライフスタイルの変化などで、壁体を取り除く場合や壁体を移動させる場合に、壁体を取り除いた後には床化粧材が残ることとなるので、床化粧材を剥がすことなく簡便に壁体を取り外し、移動させることができる。
本発明の建築物によると、2つの壁体は両側端にそれぞれ袖壁部が形成されており、これらの袖壁部は、互いに向かい合う壁体に向かって延びて形成されているので、上端が天井面よりも低く形成される壁体であっても、水平加重に対してより強く形成することができる。また、袖壁部が形成されることで、2つの壁体の間に上方から見て矩形の空間が形成されることとなり、収納、書斎、ワークスペースなどの様々な用途に利用することができる空間とすることができる。
本発明の建築物によると、少なくとも一方の壁体の両端に形成される袖壁部の一端が他方の壁体に向かって延びるとともに、他端が他方の壁体から離反する方向に向かって延びて形成されるので、一方の壁体は上方から見ると両端がHの字状に延びて形成されることとなり、一方の壁体はより水平加重に対して強くなる。また、袖壁部が他方の壁体から離反する方向にも延びることで、一方の壁体の他方の壁体にと逆側の面にも袖壁部によって囲まれた奥まった空間が形成されることとなり、この空間を収納、ベンチ、机の天板などの多様な用途に利用することができる。
本発明の建築物によると、壁構造は略矩形に当該無柱空間を区画しており、2つの壁体は壁構造の一辺に対して平行に配置されるので、壁体と無柱空間を区画する壁構造との間に平面視矩形の空間が形成されることとなり、無柱空間をいくつか矩形の空間に緩やかに分けることができ、それぞれの空間を別々の用途に利用することができる。また、将来的には壁体と壁構造との間に間仕切壁などの仕切体を配置して、壁体と仕切体とによっていくつかの部屋に区画することで、子供の成長などによるライフスタイルの変化に応じた間取りとすることができる。
本発明の建築物によると、矩形の無柱空間における壁構造の角部に対向するように壁体が配置されているので、壁構造と壁体との間に三角形の緩やかに区画された空間を形成することができる。2つの壁体の間の平面視矩形の空間が中央に配置され、その周りに4つの三角形の空間が形成されることとなり、それぞれの空間を別々の用途に利用することができる。また、将来的には壁体と壁構造との間に間仕切壁などの仕切体を配置して、壁体と仕切体とによっていくつかの部屋に区画することで、子供の成長などによるライフスタイルの変化に応じた間取りとすることができる。
本発明の建築物によると、2つの壁体は、袖壁部の上部同士を互いに連結する連結部を有するので、2つの壁体を水平方向の加重に対してより強くすることができる。そして、2つの壁体の間の空間に進入する出入口を形成する袖壁部の上部同士を連結する連結部が形成されることとなるので、出入口を開閉可能な例えばカーテンやスクリーンなどの開閉体を連結部に取り付けることで、2つの壁体の間の空間を開閉可能な空間とすることもできる。
本発明の建築物によると、2つの壁体は、湾曲して両側端が互いに接近して形成されているので、無柱空間に角のない安全性の高い壁体を配置することができる。
本発明の建築物によると、2つの壁体のうち、少なくとも一方の壁体に、他方の壁体に向かって突出し、当該一方の壁体を補強する棚部が固定されるので、物品を載置して収納可能な棚部として利用できるとともに、壁体の補強にも活用することができ、一方の壁体をより強いものとすることができる。
本発明の建築物によると、天井面は複数の天井野縁に張り渡される天井材によって形成される面であり、複数の天井野縁の間に下地合板が固定されるので、無柱空間の任意の場所に、例えばカーテンレールやロールスクリーンなどの開閉体を取り付けることができ、無柱空間を緩やかに仕切ることができる。
本発明の建築物によると、2つの壁体の間に、ウォークスルーの収納スペースが形成されるので、2つの壁体の周りの回遊動線と、収納スペースを通る動線とが形成されることとなり、無柱空間内の場所の移動を行う場合に距離を短くすることができる。また、ウォークスルーの収納スペースが形成されることで、無柱空間内の物品を片付けることができ、無柱空間をきれいに保つことができる。
本発明の建築物によると、2つの壁体は、少なくとも一方の壁体から他方の壁体に向かって突出するデスク天板と、前記他方の壁体から前記一方の壁体に向かって突出する収納棚と、を有するので、2つの壁体の間の空間を書斎やワークスペース又はスタディコーナーとして利用することができる。2つの壁体に囲まれた空間となっているので、例えばリモート会議等の場合にも背景にプライベートな物品が映り込むことを防ぐことができる。
第一実施形態の建築物の2階の間取りを示す図。 第一実施形態の建築物の2つの壁体の構成を説明する斜視図。 第一実施形態の建築物の2つの壁体の構成を説明する断面図。 壁体の下地の構成を説明する一部省略斜視図。 壁体の下地の構成を説明する断面図。 2つの壁体の袖壁部の上部を連結した変形例を示す図。 第二実施形態の建築物の2階の間取りを示す図。 第三実施形態の建築物の2階の間取りを示す図。 上方から見て楕円弧状に形成された2つの壁体を説明する図。 上方から見て端部が湾曲して互いに接近するように形成された2つの壁体を説明する図。
〔第一実施形態〕
以下、本発明に係る建築物1aの第一実施形態について、図1から図5を参照しつつ、説明する。本実施形態における建築物1aは2階建の戸建住宅である。なお、建築物1aは戸建住宅に限定されるものではなく、集合住宅であってもよく、例えば、介護施設や保育・教育施設などの住宅以外の建築物1aであってもよい。本実施形態においては、建築物1aの2階に特徴を有する建物であり、建築物1aの1階はどのような間取で構成されていてもよい。建築物1aの1階には、図示しないが、例えば、玄関や水回り設備が西側の外壁に沿って一列に配置され、その東側に柱が設けられていないリビング・ダイニング・キッチンを含む無柱の大空間が形成されている。建築物1aの1階の大空間には、2階に繋がる階段5、当該階段下に形成される階段下収納部、及び大空間を仕切って形成された在宅ワークスペースも配置されている。
建築物1aの2階には、図1に示すように、西側外壁に沿って南側に個室2が形成され、当該個室2に隣接して北側にウィークインクローゼット3が形成されている。そして、個室2及びウィークインクローゼット3の東側には大空間の無柱空間4が形成されている。無柱空間4の北側には1階から繋がる階段5及び吹き抜け6が設けられている。また、ウィークインクローゼット3と無柱空間4との間には、無柱空間4側に出入口が形成されたトイレ室7が設けられている。
無柱空間4は、外周を壁構造8によって区画された空間であり、本実施形態においては、平面視6m×6mの正方形に形成されており、内部に柱や間仕切壁が設けられていない空間である。壁構造8は、無柱空間4の外周に設けられ、当該無柱空間4を区画する壁構造8であり、本実施形態においては、無柱空間4と個室2との境界、無柱空間4とトイレ室7との境界、及び無柱空間4とウィークインクローゼット3との境界にそれぞれ形成される間仕切壁8a、無柱空間4と階段5との境界に形成される間仕切壁8b、無柱空間4と吹き抜け6との境界に形成される腰壁8c、南側の外壁8d、及び東側の外壁8eを含む。なお、本発明における無柱空間4は壁構造8によって完全に区画されるものに限定されるものではなく、例えば外周の一部が他の空間と連通するものであってもよい。また、無柱空間4は平面視正方形に限定されるものではなく、建築物1aの外壁や間取に応じて無柱空間4の平面形状は変更される。
無柱空間4の内部には、前述した外壁や間仕切壁などの壁構造8に接しない2つの壁体9a,9bが配置される。壁体9a,9bは、互いに向かい合って平行に配置されている本体部10と、本体部10の両端に形成される袖壁部11と、を有している。2つの壁体9a,9bはその本体部10同士が平行であるとともに、袖壁部11同士が平行に配置されて、全体として平面視略矩形に形成されている。壁体9a,9bは上端が天井面12よりも低く形成されている。天井面12は、図3に示すように、複数の天井野縁13に張り渡される天井材14によって形成されている。複数の天井野縁13の間には下地合板15が固定されている、このように下地合板15が設けられることで、例えばカーテンレールやロールスクリーンなどの開閉体を天井面12の任意の位置に取り付けることができ、壁体9a,9bの配置に応じて、無柱空間4を緩やかに区画することができる。
また、壁体9a,9bは下端が床化粧面16に固定されて形成されている。壁体9a,9bは、図4及び図5に示すように、床化粧面16に図示しないビスで固定される鋼製の下部ランナ材17と、下部ランナ材17の上に立設される柱材18と、柱材18を下部ランナ材17に固定する側面視L字状に形成された柱脚固定金物19と、柱材18の上端の間に架設される上部ランナ材20と、柱材18を上部ランナ材20に固定する柱頭固定金物21と、複数の柱材18に亘って張り付けられる石膏ボードの壁面材22と、上部ランナ材20の上に図示しないビスで固定される笠木下地39と、笠木下地39に固定される笠木40と、を有している。壁体9a,9bは、壁面材22の表面に化粧クロスを貼付していてもよい。
壁体9a,9bは、壁面材22を取り外して、各部を接合するビスを取り外して分解し、下部ランナ材17を床化粧面16から取り払うことで、床化粧面16を剥がすことなく、取り除くことができるとともに、床化粧面16の所望の位置に下部ランナ材17を配置してビス止めし、再度、各部を組み立てることで、所望の位置に壁体9a,9bを配置することができ、将来的な間取り変更のニーズに容易に対応することができる。
本実施形態の壁体9a,9bは、図2及び図3に示すように、互いに向かい合う2つの壁体9a,9bのうち、一方の壁体9aには、例えば合板製の水平平板状のデスク天板23が設けられている。デスク天板23は一方の壁体9aから他方の壁体9bに向かって突出するように形成されており、一方の壁体9aの本体部10及び両側の袖壁部11に図示しないビスで固定されている。なお、デスク天板23は、例えば引出付きであってもよく、また、一方の壁体9aは、例えばデスクライトやパソコンの電源を供給可能なコンセントが設けられていてもよい。
他方の壁体9bには、3枚の水平な棚部24が一方の壁体9aに向かって突出して設けられている。棚部24は、合板製の平板であり、他方の壁体9bの本体部10及び袖壁部11に例えばビス固定されることで、物品が載置されて収納されるとともに、当該他方の壁体9bを水平方向の外力から補強するものである。他方の壁体9bには、一方の壁体9aと反対側にベンチ25が設けられている。ベンチ25は他方の壁体9bに一体に固定されていてもよく、又は、他方の壁体9bに隣接して床化粧面16に載置されるものであってもよい。
図1に示すように、2つの壁体9a,9bは本体部10がそれぞれ、無柱空間4の角部に対向するように配置されている。なお、角部とは平面視矩形に形成された無柱空間4の角をいう。具体的には、一方の壁体9aの本体部10が無柱空間4の南西の角部に対向しており、他方の壁体9bの本体部10が無柱空間4の北東の角部に対向している。ここで、壁体9a,9bが角部に対向するとは、無柱空間4を略矩形に区画する壁構造8と壁体9a,9bの本体部10とが平行ではない角度を為すことを意味し、無柱空間4の一方の対角線が2つの壁体9a.9bの本体部10と交差することを意味する。
本実施形態においては壁構造8と壁体9a,9bの本体部10とは45度の角度を為しており、無柱空間4の対角線と壁体9a,9bの本体部10とが互いに垂直になるように配置されている。なお、壁構造8と壁体9a,9bの本体部10とが為す角度は、45度に限定されるものではなく、例えば30度~60度程度の角度であれば好ましい。
2つの壁体9a,9bの本体部10がそれぞれ、無柱空間4の角部に対向するように配置されていることで、2つの壁体9a,9bの本体部10と袖壁部11とにより形成される略矩形の構造体によって、無柱空間4が緩やかに分断される。具体的には、無柱空間4は、2つの壁体9a,9bの南東側、南西側、北東側、及び北西側の4つの空間と、2つの壁体9a,9bの間の空間と、の5つの空間に緩やかに分断される。
本実施形態においては、2つの壁体9a,9bの間の空間が例えば書斎やワークスペースとして利用可能な空間となっている。すなわち、一方の壁体9aにデスク天板23が形成され、他方の壁体9bに棚部24が形成されているので、書類等を棚部24に配置しつつ、デスク天板23に配置された椅子に腰かけることで、読書、仕事、web会議等を行うことができる空間となっている。2つの壁体9a,9bの間の空間を書斎やワークスペースとして利用することで、他の空間及び屋外から適度に切り離された空間となることで、読書や仕事に集中しやすい空間とすることができるとともに、web会議の際にも背景にプライベートな空間が写り込むことを抑制することができる。
また、2つの壁体9a,9bの北西の空間、すなわち、無柱空間4の北西角の空間は、階段5に繋がっており、一人掛けのソファ26が2つ配置されて、無柱空間4のエントランスとなっている。2つの壁体9a,9bの南西の空間、すなわち、無柱空間4の南西角の空間は、ソファ27及びローテーブル28が配置されて居住者がくつろげる空間となっている。そして、2つの壁体9a,9bの北東の空間、すなわち、無柱空間4の北東角の空間は、他方の壁体9bに接して形成されたベンチ25と、イーゼル29及び椅子30が配置されており、例えば絵画を趣味とする居住者の趣味スペースとなっている。さらにまた、2つの壁体9a,9bの南東の空間、すなわち、無柱空間4の南東角の空間は、ベッド31が配置されるとともに当該ベッド31の隣に学習机32が配置されており、南東の空間は子供用スペースとなっている。
以上のように第一実施形態の建築物1aは、1つの無柱空間4を5つの緩やかに区切られた空間とすることで、各空間をそれぞれ異なる用途の空間として利用しやすくなり、それぞれの空間の用途をライフスタイルの変化に応じてフレキシブルに変更することで、大規模なリフォームを伴うことなく、長期間のライススタイルに合った建築物1aとすることができる。
なお、第一実施形態の2つの壁体9a,9bは、図6に示すように、袖壁部11の上部同士を互いに連結する連結部33を有するものであってもよい。このような連結部33が設けられると、2つの壁体9a,9bが互いに支えあうことで、2つの壁体9a,9bに加わる水平方向の外力に対してより強固な壁体9a,9bとすることができる。そして、2つの壁体9a,9bの間の空間に進入する出入口を形成する袖壁部11の上部同士を連結する連結部33が形成されることとなるので、出入口を開閉可能な、例えばカーテンやスクリーンなどの図示しない開閉体を連結部33に取り付けることで、2つの壁体9a,9bの間の空間を開閉可能な空間とすることができる。
〔第二実施形態〕
次に、本発明の建築物1bの第二実施形態について説明する。なお、第一実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。また、第二実施形態の建築物1bは第一実施形態の建築物1aと無柱空間4以外の間取りについても変更されているが、一般的な間取りの変更であるので、同一用途の部屋等に同一の符号を付して説明を省略する。第二実施形態の建築物1bの無柱空間4は、図7に示すように、南北方向に長い矩形に形成されている。無柱空間4は、2つの壁体9c,9dの本体部10がそれぞれ、無柱空間4の角部に対向するように配置されている。具体的には、一方の壁体9cの本体部10が無柱空間4の南東の角部に対向しており、他方の壁体9dの本体部10が無柱空間4の北西の角部に対向している。本実施形態の建築物1bは、第一実施形態の建築物1aと同様に、2つの壁体9c,9dの本体部10がそれぞれ、無柱空間4の角部に対向するように配置されていることで、2つの壁体9c,9dの本体部10と袖壁部11とにより形成される略矩形の構造体によって、無柱空間4が南東、南西、北東、及び北西の4つの空間と、2つの壁体9c,9dの間の空間と、の5つの空間に緩やかに分断される。
第二実施形態の2つの壁体9c,9dのうち、少なくとも一方の壁体9cの両端に形成される袖壁部11は、一端が他方の壁体9dに向かって延びるとともに、他端が他方の壁体9dから離反する方向に向かって延びて形成されており、一方の壁体9cは上方から見た場合に、H形状となっている。一方の壁体9cの袖壁部11が、他方の壁体9dに向かって接近する方向のみならず、他方の壁体9dから離反する方向にも延びていることで、当該一方の壁体9cに加わる水平方向の外力に対して強くなる。また、袖壁部11が他方の壁体9dから離反する方向にも延びることで、一方の壁体9cの他方の壁体9dにと逆側の面にも袖壁部11によって囲まれた奥まった空間が形成されることとなり、この空間を収納、ベンチ、机の天板などの多様な用途に利用することができる。第二実施形態においては、収納棚として利用している。
また、この実施形態の建築物1bは、2つの壁体9c,9dがそれぞれ袖壁部11の間にハンガーパイプ34が架設されて衣類を収納可能となっており、2つの壁体9c,9dの間にウォークスルーの収納スペース35が形成されている。このようなウォークスルーの収納スペース35が形成されることで、2つの壁体9c,9dの周りの回遊動線と、収納スペース35を通る動線とが形成されることとなり、無柱空間4内の場所の移動を行う場合に距離を短くすることができ、また、ウォークスルーの収納スペース35が形成されることで、無柱空間4内の他の空間で使用した物品を収納スペース35内に片付けることができ、無柱空間4をきれいに保つことができる。
第二実施形態においては、2つの壁体9c,9dの北西の空間、及び2つの壁体9c,9dの南西の空間に、それぞれベッド31が配置されており、北東の空間には学習机32が設けられ、南東の空間には4人掛けのテーブル36が配置されている。このような間取りを取ることで、2点鎖線で示すように、西側の外壁と他方の壁体9dとの間、及び無柱空間4の南北に亘って例えば将来的に間仕切壁を配置して、2つの子供部屋を形成することができる。そして、このような2つの子供部屋を形成した場合であっても、ウォークスルーの収納スペース35の一方の出入口が一方の子供部屋に開口し、他方の出入口が他方の子供部屋に開口することで、2つの子供部屋の双方から収納スペース35を利用することができる。
〔第三実施形態〕
次に、本発明の建築物1cの第三実施形態について説明する。なお、第一実施形態及び第二実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。また、第三実施形態の建築物1cは第一実施形態の建築物1aと無柱空間4以外の間取りについても変更されているが、一般的な間取りの変更であるので、同一用途の部屋等に同一の符号を付して説明を省略する。第三実施形態の建築物1cの無柱空間4は、図8に示すように、2つの壁体9e,9fの本体部10がそれぞれ、壁構造8の一辺に対して平行に配置されている。具体的には、一方の壁体9eの本体部10が無柱空間4を形成する壁構造8としての南側の外壁8fに平行に対向しており、他方の壁体9fの本体部10が無柱空間4を形成する壁構造8として無柱空間4の北側に形成された間仕切壁8gに平行に対向している。
このように構成されれば、2つの壁体9e,9fによって無柱空間4をいくつかの矩形の空間に緩やかに分けることができる。そして、無柱空間4を矩形の複数空間に分断することで、それぞれの空間を別々の用途に利用することができる。第三実施形態の建築物1cの無柱空間4は、第一実施形態及び第二実施形態の建築物1a,1bとは異なり、2つの壁体9e,9fによって分けられる空間が矩形となるので、空間効率の良い空間に分割することができる。
2つの壁体9e,9fは、袖壁部11がそれぞれ、一端が対向する壁体9e,9fの本体部10に向かって延びるとともに、他端が対向する壁体9e,9fの本体部10から離反する方向に向かって延びて形成されており、2つの壁体9e,9fはそれぞれ上方からみてH形状に形成されている。2つの壁体9e,9fの間に、ウォークスルーの収納スペース35が形成されている。2つの壁体9e,9fの本体部10の互いに対向する側には袖壁部11の間にハンガーパイプ34が架設されて衣類を収納可能となっている。また、2つの壁体9e,9fの互いに対向しない側には、それぞれ棚部24が形成されており、書類等を収納可能となっている。
無柱空間4の北西の角及び無柱空間4の南西の角にはそれぞれベッド31が配置されており、南北のベッド31の間に2つの学習机32が配置されている。一方の壁体9eの南側には、ワーキングデスク37が配置されており、このワーキングデスク37と、一方の壁体9eの南側に形成されている棚部24とで、ワークスペースが形成されている。また他方の壁体9fの北側には、ピアノ38が配置されており、居住者の趣味スペースとなっている。本実施形態の建築物1cの無柱空間4には、将来的には壁体9e,9fと壁構造8との間に間仕切壁などの仕切体を配置して、壁体9e,9fと仕切体とによっていくつかの部屋に区画することで、子供の成長などによるライフスタイルの変化に応じた間取りとすることができる。具体的には、2点鎖線で示すように、2つの学習机の間から東向に間仕切壁を設けることで、ベッド31及び学習机32を有する2つの子供部屋を形成することができ、また、ワーキングスペースの両側に間仕切壁を配置すれば、適度に集中できる在宅ワーク空間を形成することもできる。
なお、第一実施形態、第二実施形態、及び第三実施形態における建築物1a,1b,1cは、無柱空間4及び2つの壁体9e,9fが2階に配置されているが、本発明の建築物はこれに限られるものではなく、1階、又は3階以上の階に配置されるものであってもよい。
また、第一実施形態、第二実施形態、及び第三実施形態においては、壁体9a乃至9fの本体部10と袖壁部11とが、いずれも平面板上であり、当該本体部10と袖壁部11とが互いに直交するように形成されているが、本発明の建築物にかかる壁体はこれに限定されるものではない。図9に示すように、2つの壁体9gはそれぞれ上方から見て円弧状又は楕円弧状に形成されるものであってもよい。2つの壁体9gには円弧又は楕円弧の中心に向かう方向に突出する棚部24が形成されていれば、収納棚として活用できるとともに、壁体の水平加重に対する補強を行うことができる。また、図10に示すように、2つの壁体9hはそれぞれ上方から見て端部が円弧状に湾曲して形成され、端部同士がたがいに接近するように形成されるものであってもよい。このように、円弧状、楕円弧状、又は端部が湾曲するように壁体9g,9hが形成されていれば、無柱空間4内に配置される壁体に角が形成されないので安全であり、また、無柱空間4を特徴的な内装デザインの空間とすることができる。
本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
本発明に係る建築物1は、例えば、広い無柱空間4を有し、当該無柱空間4をフレキシブルに利用する住宅として好適である。
1a,1b,1c 建築物
4 無柱空間
8 壁構造
9a,9b,9c,9d,9e,9f,9g,9h 壁体
11 袖壁部
13 天井野縁
14 天井材
15 下地合板
16 化粧床面
23 デスク天板
24 棚部
33 連結部

Claims (11)

  1. 壁構造によって区画された無柱空間と、
    前記無柱空間内に配置され、前記壁構造に接しない2つの壁体と、
    を備えた建築物であって、
    前記2つの壁体は互いに向かい合って配置され、
    当該壁体は、それぞれ、上端が天井面よりも低く、下端が床化粧面に固定されることを特徴とする建築物。
  2. 前記2つの壁体は、その両側端に、互いに向かい合う壁体に向かって延びる袖壁部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の建築物。
  3. 前記2つの壁体のうち、少なくとも一方の壁体の両端に形成される前記袖壁部は、一端が他方の壁体に向かって延びるとともに、他端が前記他方の壁体から離反する方向に向かって延びて形成されることを特徴とする請求項2に記載の建築物。
  4. 前記壁構造は略矩形に当該無柱空間を区画しており、
    前記2つの壁体は前記壁構造の一辺に対して平行に配置されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の建築物。
  5. 前記壁構造は略矩形に当該無柱空間を区画しており、
    前記壁体はそれぞれ前記無柱空間の角部に対向するように配置されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の建築物。
  6. 前記2つの壁体は、前記袖壁部の上部同士を互いに連結する連結部を有することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の建築物。
  7. 前記2つの壁体は、湾曲して形成されており両側端が互いに接近することを特徴とする請求項1に記載の建築物。
  8. 前記2つの壁体のうち、少なくとも一方の壁体に、他方の壁体に向かって突出し、当該一方の壁体を補強する棚部が固定されることを特徴とする請求項2から請求項7のいずれかに記載の建築物。
  9. 前記天井面は複数の天井野縁に張り渡される天井材によって形成される面であり、前記複数の天井野縁の間に下地合板が固定されることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の建築物。
  10. 前記2つの壁体の間に、ウォークスルーの収納スペースが形成されることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の建築物。
  11. 前記2つの壁体は、少なくとも一方の壁体から他方の壁体に向かって突出するデスク天板と、前記他方の壁体から前記一方の壁体に向かって突出する収納棚と、を有することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の建築物。
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