JP2022114013A - ポリウレタンフォーム、圧縮成形シート、及びマスク - Google Patents

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Abstract

【課題】吸放湿性に優れたポリウレタンフォーム、及び該ポリウレタンフォームの圧縮成形シート、及び該圧縮成形シートで形成されているマスクを提供すること。【解決手段】セル膜を有するセルの個数密度が5~40個/inch2であるポリウレタンフォーム、前記ポリウレタンフォームの圧縮成形シート、及び前記圧縮成形シートで形成されているマスク。【選択図】図1

Description

本発明は高吸放湿性を有するポリウレタンフォーム、該ポリウレタンフォームの圧縮成形シート、及び該圧縮成形シートで形成した衛生マスクに関する。
口、鼻孔を覆う衛生マスクは感染症対策の一環として使用されており、布、不織布、ポリウレタンなどを原料とするマスクが使用されている。近年、マスクの通気性や装着性などを向上させた機能性マスクが提案されている。例えば、
特許文献1には、ポリウレタンフォームのセル膜を除膜して弾性と通気性を向上させたマスクが開示されている。
特許文献2には、発泡体シートの積層体を用いることで装着性を向上させたマスクが開示されている。
特許文献3には、ポリウレタンフォームに竹炭を含有させることで消臭性・抗菌性を向上させたマスクが開示されている。
特開2015-3275号公報 特開2019-206773号公報 特開2008-136754号公報
従来、マスクは感染症が流行する冬季に着用されていたが、いわゆる、コロナウイルスなど新たなウイルスに対する感染予防対策として夏季でもマスクの着用が推奨されている。しかしながら夏季にマスクを着用すると顔の被覆部分の熱が十分に放散されず、装着時の不快感が高まり易い。そのため夏季のマスク着用率低下が懸念されている。
本発明は上記のような事情に着目してなされたものであって、その目的は、吸放湿性に優れたポリウレタンフォーム、及び該ポリウレタンフォームの圧縮成形シート、及び該圧縮成形シートで形成されたマスクを提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明のポリウレタンフォームは以下の構成を有する。
[1] セル膜を有するセルの個数密度が5~40個/inchである。
[2] 上記ポリウレタンフォームを構成するポリウレタンが、ポリエチレングリコール単位を有する上記[1]に記載のポリウレタンフォーム。
[3] 上記ポリウレタンフォームはセル骨格中によもぎが包摂されて存在している上記[1]または[2]に記載のポリウレタンフォーム。
[4] 上記[1]~[3]のいずれかに記載の前記ポリウレタンフォームの圧縮成形シート。
[5] 上記[4]に記載の圧縮成形シートで形成されているマスク。
本発明によれば吸放湿性に優れたマスクの提供に適したポリウレタンフォーム、及びマスク前駆体となる圧縮成形シート、及び該圧縮成形シートで形成した吸放湿性に優れたマスクを提供できる。
本発明のポリウレタンフォームは吸放湿性に優れているため、該ポリウレタンフォームの圧縮成形シートを用いた衛生マスクは放湿に伴う冷却効果で涼感(以下、冷感効果という)が得られ、暑さや蒸れに起因するストレスを軽減できる。また良好な肌さわりを有する。
図1はマスクの一例である。
本発明のポリウレタンフォームは軟質の発泡ポリウレタンである。また本発明のポリウレタンフォームは連続気泡を有すると共に、表面観察するとセル膜を有するセルが所定の個数密度で存在している。
セル膜を有するセルが適度に存在すると吸湿作用と放湿作用を著しく向上でき、したがって優れた冷感効果が得られる。ポリウレタンフォームの外側表面の発泡セルにセル膜が存在すると、該セル膜付近に空気、呼気などに含まれる水分が付着・保持されて高い吸湿作用を発揮する。またポリウレタンフォームは連続気泡を有するため呼気に伴って該セル膜付近に保持されている水分を外気に放出する放湿作用を発揮する。この放湿によって冷感効果が得られる。ポリウレタンフォーム表面のセル膜を有するセルの数が少なすぎると十分に吸湿保持効果を発揮できず、冷感効果が極めて低い。セル膜を有するセルが多すぎると通気性が低下して十分に放湿できず、冷感効果が極めて低い。
本発明のポリウレタンフォームはセル膜を有するセルの個数密度(以下、セル膜密度ということがある)が5~40個/inchである。セル膜密度は好ましくは7個/inch以上、より好ましくは10個/inch以上、更に好ましくは15個/inch以上、より更に好ましくは20個/inch以上であって、好ましくは35個/inch以下、より好ましくは30個/inch以下、更に好ましくは25個/inch以下である。
セル膜を有するセルの個数密度はJIS K6400-1:2004「第1部 通則 付属書1(参考)セル数の求め方」に基づいてポリウレタンフォームの表面を観察してセル膜を有するセル数を数え、その平均値を個数密度(個/inch)とする。
また本発明のポリウレタンフォームは不均一なセル構造を有する軟質発泡体であることが好ましい。不均一なセル構造とはポリウレタンフォームを上記JIS K6400-1に基づいて観察すると、見かけ平面上で観察されるセル骨格で囲まれて形成されたセルの内径が均一でないこと、すなわちポリウレタンフォームが内径の異なるセルで構成されていることをいう。
更に本発明のポリウレタンフォームを構成するポリウレタンが、ポリエチレングリコール単位を有することが好ましい。
ポリエチレングリコール単位は親水性が高く、ポリエチレングリコール単位中の酸素原子に空気中の水分、呼気、汗などに由来する水分子が水素結合しやすいため、ポリウレタンフォームの保湿性が高くなる。また湿度の低下、温度、呼吸に伴う通気などによってこの水素結合が切れ易いため、放湿性にも優れている。したがって上記セル膜密度に起因する吸放湿性と、ポリエチレングリコール単位に起因する吸放湿性の相乗効果により、ポリウレタンフォームの吸放湿性を更に高めることができ、冷感効果をより一層向上できる。
ポリエチレングリコール単位はポリウレタンフォームの主鎖骨格に存在することが好ましい。
本発明のポリウレタンフォームはセル骨格内、および/またはセル膜内によもぎが包含されて存在していることも好ましい実施態様である。
セル骨格中によもぎを包含すると抗菌性、および/または消臭性(以下、よもぎ添加効果という)をポリウレタンフォームに付与できる。またセル骨格内、および/またはセル膜内によもぎを包含すれば、よもぎの剥離・脱落が抑制されて上記効果を持続できる。
「セル骨格」とはポリウレタンフォームマトリックスの3次元立体構造の支柱部分を意味する。また「よもぎが包摂されている」とは、よもぎが完全にセル骨格内部乃至セル膜内部に取り込まれて外気と遮断されている状態、よもぎ粉末の一部分がセル骨格やセル膜に包摂され、他の部分が包摂されずに外気と接する状態のいずれでもよい。
ポリウレタンフォーム中のよもぎ含有量は、ポリウレタンフォーム中にポリオール成分100質量部に対してよもぎが好ましくは7質量部以下、より好ましくは5質量部以下、更に好ましくは3質量部以下であって、好ましくは0質量部超、より好ましくは0.7質量部以上、更に好ましくは1質量部以上である。
よもぎ含有量を増加させるとよもぎ添加効果も向上する。一方、よもぎ含有量が多すぎると発泡成形性が阻害されることがある。
よもぎは所定の平均粒子径を有する粉末であることが好ましい。よもぎ粉末の平均粒子径が小さい程、よもぎ添加効果も高くなる。よもぎ粉末の平均粒子径は好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは30μm以下である。下限は取扱性や発泡性を考慮するとよもぎ粉末の最大粒子径の上限は好ましくは500μm以下である。
本発明のポリウレタンフォームのJIS K7222に基づく密度は、好ましくは40kg/m3以上、より好ましくは45kg/m3以上であって、好ましくは90kg/m3以下、より好ましくは80kg/m3以下、更に好ましくは60kg/m3以下、より更に好ましくは50kg/m3以下である。
ポリウレタンフォームの密度が大きすぎると通気性が低いため放湿に伴う冷却効果が低下する。一方、ポリウレタンフォームの密度が小さすぎると通気性は高くなるが保湿性が低下する。そのため圧縮成形したマスクの吸放湿性を考慮すると密度は上記範囲であることが好ましい。
本発明のポリウレタンフォームのJIS K6400-2に基づく25%硬さは、好ましくは30N以上、70N以下である。
ポリウレタンフォームが硬すぎると圧縮成形したマスクの装着性が低下する。一方、ポリウレタンフォームが柔らかすぎると洗濯に対する耐久性が著しく低下する。
本発明のポリウレタンフォームのJIS K6400-5に基づく引張強度は、好ましくは80kPa以上、150kPa以下である。
ポリウレタンフォームの引張強度が高すぎたり低すぎると、圧縮成形したマスクの洗濯に対する耐久性が低下したり、使用耐久性が低下する。
本発明のポリウレタンフォームのJIS K6400-3に基づく反発率は、好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上であって、好ましくは70%以下、より好ましくは60%以下である。
ポリウレタンフォームの反発率が低すぎたり、高すぎると圧縮成形したマスクの装着感などが低下するためマスクに適さない。
本発明のポリウレタンフォームのJIS K6400-7(50cm厚み)に基づく通気性は、好ましくは60cc/cm/sec以上、より好ましくは80cc/cm/sec以上、更に好ましくは100cc/cm/sec以上であって、好ましくは200cc/cm/sec以下、より好ましくは180cc/cm/sec以下である。
ポリウレタンフォームの通気性が低すぎると放湿性が低下して冷却効果が十分に得られないことがある。一方、ポリウレタンフォームの通気性が高すぎると保湿性、飛沫防止効果が低下する。そのため圧縮成形したマスクの吸放湿性や飛沫防止効果を考慮すると通気性は上記範囲であることが好ましい。
次に、本発明のポリウレタンフォームの圧縮成形シートについて説明する。
本発明の圧縮成形シートはシート状の軟質の発泡ポリウレタンであり、連続気泡を有すると共に、表面観察するとセル膜を有するセルが所定の個数密度で存在している。
上記ポリウレタンフォームを厚さ方向に熱圧縮すると表面粗さが低減する。そのため該圧縮成形シートで形成したマスクは良好な肌さわりを有し、高い耐久性も有する。
圧縮成形シートの厚みは好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上であって、好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下、更に好ましくは1.5mm以下である。
本発明の圧縮成形シートもポリウレタンフォーム同様、セル膜を有する。
圧縮成形シートのセル膜密度は5~40個/inchであり、好ましくは7個/inch以上、より好ましくは10個/inch以上、更に好ましくは15個/inch以上、より更に好ましくは20個/inch以上であって、好ましくは35個/inch以下、より好ましくは30個/inch以下、更に好ましくは25個/inch以下である。
セル膜密度を上記範囲にする効果はポリウレタンフォームと同じである。以下の物性についても特に言及がない限り、構成、効果はポリウレタンフォームを同じであるため説明を省略する。
また本発明の圧縮成形シートは不均一なセル構造を有することが好ましい。ポリウレタンフォームを圧縮してもセル内径は均一化されないため、圧縮成形後もセル内径の異なるセルを有する。
本発明の圧縮成形シートもポリエチレングリコール単位を有することが好ましい。
ポリエチレングリコール単位を有する圧縮成形シートも上記のように水素結合に伴う吸保湿性に優れる。したがって上記セル膜密度とポリエチレングリコール単位に起因する相乗効果により、圧縮成形シートの吸放湿性を更に高めることができ、冷感効果をより一層向上できる。
本発明の圧縮成形シートはセル骨格内、および/またはセル膜内によもぎが包含されていることが好ましい。
よもぎ含有量、よもぎ粉末の平均粒子径はポリウレタンフォームと同じであり、得られる効果も同じである。なお、圧縮成形シートはポリウレタンフォームよりもよもぎ密度が高く、より一層優れたよもぎ添加効果が得られる。
本発明の圧縮成形シートのJIS K6400-5に基づく引張強度は、好ましくは80kPa以上、150kPa以下である。
ポリウレタンシートの引張強度が高すぎたり低すぎると、成形したマスクの洗濯に対する耐久性が低下したり、使用耐久性が低下する。
本発明の圧縮成形シートのJIS K6400-7に基づく通気性は、好ましくは60cc/cm/sec以上、より好ましくは80cc/cm/sec以上、更に好ましくは100cc/cm/sec以上であって、好ましくは200cc/cm/sec以下、より好ましくは180cc/cm/sec以下である。
圧縮成形シートの通気性が低すぎると吸放湿性が低下して十分な冷却効果が得られないことがある。一方、圧縮成形シートの通気性が高すぎると保湿性が低下する。そのため圧縮成形したマスクの吸放湿性を考慮すると通気性は上記範囲であることが好ましい。
本発明の圧縮成形シートは伸縮性を有する。伸縮性とは圧縮成形シート(15cm×10cm)を長手方向に2cm伸張し、伸張後の圧縮成形シートの長さが15cm±5mm以下に戻ることをいう。
伸縮性を有する圧縮成形シートから成形したマスクは鼻や顎の形状に沿って装着でき、マスクと顔面の間の隙間ができることを防ぐことができる。
次に、本発明の圧縮成形シートで形成されたマスクについて説明する。
本発明のマスクは軟質の発泡ポリウレタンであり、連続気泡を有すると共に、表面観察するとセル膜を有するセルが所定の個数密度で存在している。
本発明のマスクは上記圧縮成形シートと同じ物性、効果を有する。
すなわち、本発明のマスクは優れた高吸放湿性を有する。したがって本発明のマスクは上記圧縮成形シートと同様の吸湿作用と、放湿作用を有する。放湿に伴う冷却効果で涼感が得られる。また本発明のマスクは表面粗さが低減されており、肌さわりがよく、長時間着用しても肌荒れを防止できる。
マスクの厚みは、圧縮成形シートの好適な厚みに対応した0.5mm~3mmである。なお、段階的な好ましい範囲、効果は圧縮成形シートと同じである(以下の物性についても同じ)。
マスクのセル膜を有するセルの個数密度は、圧縮成形シートの好適なセル膜を有するセルの個数密度に対応しており、5~40個/inchである。またマスクは圧縮成形シートと同様の不均一なセル構造を有していることが好ましい。
マスクのセル骨格はポリエチレングリコール単位を有することが好ましい。このようなセル骨格を有するマスクは上記のように保湿性・放湿性が高く、上記セル膜密度との相乗効果により吸放湿性が一段と向上し、冷感効果をより一層高めることができる。
マスクはセル骨格内、および/またはセル膜内によもぎが包含されていることが好ましい。上記のようによもぎに起因して抗菌性、及び消臭性を発揮する。したがって本発明のマスクは汗や吸湿に伴う雑菌の繁殖を抑制できると共に、消臭効果も発揮する。またよもぎの発する微香により、臭いに対するマスキング効果やリラックス効果が得られる。
マスクは圧縮成形シートと同じ引張強度、通気性、伸縮性を有し、各物性に基づく効果も上記の通りである。
本発明のマスクの形状は特に限定されず、平型、プリーツ型、立体型のいずれでもよい。またマスクは本発明の圧縮成形シートで少なくとも口、鼻孔を覆う本体部が形成されていればよい。該本体部両端より夫々伸びて耳に掛ける耳掛け部は圧縮成形シートで形成してもよいし、異なる材料で形成してもよい。図1は立体型マスクであり、本体部1と耳掛け部2は本発明の圧縮成形シートで一体的に成形されている。
以下、本発明のポリウレタンフォームの好適な製造方法について説明する。
本発明のポリウレタンフォームは、ポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤を含むポリウレタン原料を触媒の存在下で反応させて得られる。これらポリウレタン原料は特に言及がない限り、発泡ポリウレタンの製造に通常用いられる各種公知の原料を使用できる。また各原料は1種、または2種以上を使用してもよい。
本発明では分子量、及び官能基数を限定することで所望のセル膜密度を有し、吸保湿性に優れた特性を有する本発明品を得るために、特定のポリオール成分とポリイソシアネート成分を用いる。下記以外の成分では所望のセル膜密度を有し、吸保湿性に優れた特性を有する本発明品が得られない。
ポリオールとしては、ポリオール全体として分子量が2000~4000程度、官能基数2~4のポリエーテルポリオール(単独または複数併用)を使用する。ポリエーテルポリオールは、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
また上記ポリエーテルポリオールは、活性水素原子を持つ開始剤とアルキレンオキサイドとの反応によって得られるものであり、ポリエーテルポリオールを製造するアルキレンオキサイドにおいてポリオール全体の中でエチレンオキサイドの比率が50%以上であるものを使用する。
またポリエーテルポリオールの主骨格中の繰り返し単位としてエチレングリコール単位が含まれていることが好ましい。
本発明では例えば鎖延長剤など公知の添加剤を必要に応じて使用してもよい。
ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、及びこれらの混合物、よりなる群から選ばれる少なくとも1種である。
ポリオールとイソシアネートの配合量も物性や、用途に応じて適宜選定することができ、特に限定されないが、イソシアネートと水酸基との当量比(NCO:OH)は好ましくは100:70~150、より好ましくは100:100~120となるように混合することが好ましい。
触媒は原材料の化学的構造、物理的構造、性状、温度など目的、用途に応じて適宜選択できる。例えばモノアミン(トリメチルアミン等)、環状アミン(N-メチルモルホリン等)、ジアミン(トリエチレンジアミン等)、エーテルアミン(ジメチルエタノール等)、トリアミン、ヘキサアミン、環状ポリアミン等の有機アミン系触媒;4価のすず化合物(ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート等)、2価のすず化合物等の金属化合物が挙げられる。触媒の使用量は通常のポリウレタンフォームの製造に用いられる量でよい。例えばアミン触媒はポリオール100重量部に対して0.01~3重量部が好ましい。金属触媒は、0または0.01~1重量部が好ましい。
発泡剤としては水が好ましい。発泡剤の使用量は目的、用途に応じて適宜変更すればよく、通常のポリウレタンフォーム製造に用いられる使用量でよい。例えば水はポリオール100重量部に対して1.0~5.0重量部が好ましい。
本発明では整泡剤を使用しないか、使用しても極微量であることが好ましく、より好ましくは整泡剤を使用しないことである。極微量とはポリオール成分100重量部に対して好ましくは0.1重量部以下、より好ましくは0.05重量部以下、更に好ましくは0.01重量部以下である。本発明では従来の発泡ポリウレタンよりも整泡剤の使用量を制限することで気泡の大きさにばらつきが生じて不均一なセル構造が得られると共に、所定セル膜密度の本発明のポリウレタンシートが得られる。すなわち、ポリウレタンフォームのセルの大きさにばらつきがあると、爆破処理時にセルの大きさによってかかる圧力が異なる。大きな圧力がかかるセルは、セル骨格間に形成されているセル膜が破られて連続気泡となる。一方、小さなセル圧力がかかるセルは、セル膜が破られずに残存する。
なお、整泡剤とは軟質ポリウレタンフォームの製造に使用されるシリコン系整泡剤や含フッ素化合物系整泡剤などである。
本発明では用途に応じて上記以外にも、酸化防止剤、可塑剤、着色剤、分散剤、充填剤、強化剤、安定剤、架橋剤、界面活性剤、乳化剤、紫外線吸収剤など各種添加剤を併用してもよい。添加剤の配合量は用途に応じて適宜選択できる。
よもぎ粉末を添加する場合、製造時の発泡性を阻害しないようによもぎ粉末の平均粒径や含有量を適宜選択することが好ましい。
よもぎ粉末の平均粒子径、最大粒子径は上記の通りである。
よもぎ粉末の含有量は、ポリオール成分100質部に対して好ましくは7質量部以下(0質量部を含まない)、より好ましくは6.5質量部以下、更に好ましくは5.5質量部以下であって、好ましくは0.7質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは4質量部以上である。
よもぎ含有量を増やすと抗菌性も向上するが、よもぎ含有量が多すぎると発泡不良となって所望のポリウレタンフォームを形成できなかったり、ポリウレタンフォームが割れやすくなることがある。
よもぎ含有量はGPC分析を用いて測定することができる。また製造されたポリウレタンフォームに含まれるポリオール成分量もGPC分析によって測定することができる。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法は従来公知の製造方法をそのまま、もしくは適当に変更して採用すればよく、スラブ発泡、モールド発泡のいずれでもよい。また製造工程についても夫々の製法において通常採用されている製造条件でよく、特に限定されない。
本発明のポリウレタンフォームはポリオール、イソシアネート、水、触媒、必要に応じてその他添加剤とを混合した原料液を反応・発泡させる。この際、ポリウレタンフォームが上記程度の密度となるように製造条件を調整して発泡成形する。発泡倍率は上記密度に対応した倍率となるように適宜調整すればよく、例えば約10~20倍程度である。
なお、よもぎを添加する場合、ポリウレタンフォームのセル骨格中によもぎを包摂させるためには、よもぎ粉末を加圧処理した後、ポリオールと混合して混合物を作製し、この混合物とイソシアネートなど他の原料と混合してポリウレタンフォームを製造する。
上記加圧処理は、大気圧を超える圧力、より好ましくは大気圧の2倍以上の圧力であって、好ましくは大気圧の4倍以下、より好ましくは大気圧の3倍以下である。加圧処理をしないとセル骨格中によもぎを包含させることが困難である。一方、圧力が高すぎると有効成分が流失してよもぎ添加効果が低減する。
加圧処理時間は、好ましくは30分以上、より好ましくは1時間30分以上であって、好ましくは4時間以下、より好ましくは3時間以下である。
加圧処理温度は、加圧に伴う温度上昇はあるが、更に外部から熱を供給しながらよもぎを加圧すると、よもぎの有効成分が抽出されてしまい十分な効果が得られないため常温下で加圧処理する。
加圧手段は特に限定されず、シリンダー状の加圧装置など公知の加圧装置を用いて加圧すればよい。
またポリウレタンフォームのセル骨格中によもぎを包摂させるために加圧処理されたよもぎをポリオールと混合して得られた混合物を少なくとも6時間以上、より好ましくは12時間以上であって、好ましくは24時間以下、常温下で放置してから他の原料と混合する。長時間放置することでよもぎがポリオール中に十分分散してなじむため発泡性が阻害されず、またポリウレタンフォーム中のよもぎの均一分散性が高まる。
得られたポリウレタンフォームを爆破処理してセル膜の除去を行う。本発明のポリウレタンフォームはセル径が均一でないため、爆破処理に伴ってセルに負荷される圧力はセル径によって異なる。比較的高圧力がかかるセルのセル膜は除去されて骨格構造だけのセルが得られるが、比較的低圧力がかかるセルのセル膜は一部が除去されずに残存する。したがって得られたポリウレタンフォームにはセル膜が除去されて連通したセルとセル膜が残存しているセルとが混在している。セル膜が残存しているセルは、独立気泡、および/またはセルの一部にセル膜を有する連続気泡である。
爆破処理方法、爆破処理条件、装置は限定されず、既存の爆破処理方法、爆破処理条件および装置を使用できる。例えば本発明のポリウレタンフォームを密閉可能な防爆容器に収容し、該容器中に充填した可燃性ガスに点火して燃焼させことで、セル膜がないセルとセル膜を有するセルが混在したポリウレタンフォームが得られる。爆破処理条件を適宜調整することで所望のセル膜個数密度が得られる。
爆破処理時の可燃性ガスとしては、プロパンガス、メタンガス、炭酸ガス、水素ガス等が例示され、これらの可燃性ガスは、単独または2種以上を混合して使用することができる。また可燃性ガスと酸素との混合ガスを用いてもよい。
本発明では上記ポリウレタンフォームを圧縮して圧縮成形シートを製造する。
なお、本発明のポリウレタンフォームは好ましい用途はマスクであるが、クッション製品、スポンジたわし製品など所望の用途に使用可能である。クッション製品は例えばクッション材、天井材、ドアトリム中材、パッド材、フロアクッション、エアシール材などの車両用品;マットレス、布団、枕、コタツ敷などの寝装品;椅子のクッション材などの家具が例示される。
以下、圧縮成形シートの製造方法を例示する。
裁断処理
爆破処理後、ポリウレタンフォームに裁断処理を施す。裁断にはカッターやレザーなど公知の裁断装置を用いる。裁断後のポリウレタンフォームの厚みは圧縮率、及び圧縮後のポリウレタンシートの厚みを考慮して適宜設定すればよい。
圧縮処理
裁断処理後、ポリウレタンフォームに熱圧縮処理を施す。熱圧縮するとポリウレタンフォームの表面粗さが低減して均一性を向上できると共に、所定の厚みに圧縮されたシートが得られる。圧縮成形シートはなめらかな肌触りを有する。また圧縮することで圧縮前と比べると吸保湿性が向上し、マスクにしたときに過剰な吸湿による不快感を防ぐことができる。
熱圧縮は公知の熱プレス機を用いる。熱圧縮時の加熱温度は好ましくは180~230℃である。また加熱時間は好ましくは2~5分である。圧縮条件は上記効果が得られるように適宜調整すればよい。
ポリウレタンフォームの圧縮率は特に限定されず、所望の厚みとなるように適宜設定すればよい。例えばポリウレタンフォームの厚みを1/5~1/2程度圧縮し、圧縮成形シートの厚みは好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上であって、好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下、更に好ましくは1.5mm以下とする。
加工処理
圧縮成形されて得られたポリウレタンシートに所望の形状に加工する。加工方法は特に限定されず、例えばカッターやレザーなどによる裁断や、打ち抜きなどにより所望の形状のマスクなどに加工する。マスクの形状、加工方法は公知の形状、加工方法を採用できる。例えば鼻口を覆う本体部と、本体部と連結する耳掛け部を継ぎ目なく一体的に一枚のシートで製造されたマスク;本体部の右半分と左半分を別々に製造し、この2枚のシートを接合して製造されたマスク、なお、耳掛け部は本体部と一体的、あるいは別途形成してもよい;本体部を本発明の圧縮成形シート、耳掛け部をゴムなどの伸縮素材を用いて製造されたマスクが挙げられる。これらマスクの本体部は平型、プリーツ型、立体型のいずれでもよい。
本発明の圧縮成形シートを用いたマスクは単層が望ましい。
本発明のマスクは同一圧縮成形シート内にセル径が異なるセルを複数有しているため通気性と吸放湿性に優れた特性を有し、肌触り感も良好である。冷感効果は圧縮成形シートと肌が接している場合に感じられる。また本発明のマスクは圧縮成形シート単層であっても十分な飛沫捕集機能を有する。なお、圧縮成形シートで形成したマスクが肌と接していても、マスクの外側を他の材料(例えば不織布や布など)で覆うと放湿性が低下して冷感効果が劣る。したがって圧縮成形シートを用いたマスクは積層体ではなく単層で用いることが望ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
発明例1
ポリオール(分子量3000、官能基数3、ダウ・ポリウレタン日本株式会社製「3022J」)100質量部、イソシアネート(TDI-80、武田薬品工業株式会社製「タケネート80」)58質量部、すず触媒(オクチル酸スズ、吉富製薬株式会社製「スタノクト」)0.03質量部、アミン触媒(三共エアプロダクツ株式会社製「ダブコ33LV」)0.03質量部、水44質量部を混合したものを使用し、軟質ポリウレタンフォームを製造した。続いて該ポリウレタンフォームを防爆容器に収容して密閉し、プロパンガスを充填して爆破処理を施した。
得られたポリウレタンフォームを上記記載に基づいて各物性を評価した。
発明例1のポリウレタンフォームはセル膜を有するセルの個数密度24個/inch;密度49kg/m;25%硬さ31N;引張強度87kPa;反発率53%;通気性176cc/cm/secであった。
続いて上記ポリウレタンフォームを切断し、熱プレス機でポリウレタンフォームの厚みを1/5程度に熱圧縮処理をして厚さ2mm程度の圧縮成形シートを得た。
圧縮成形シートはセル膜を有するセルの個数密度24個/inch;引張強度87kPa;通気性176cc/cm/secであった。
得られた圧縮成形シートを用いて一枚のシートで本体部と耳掛け部が継ぎ目なく一体的に成形された本発明のマスクを製造した(図1)。
比較例1
市販の高反発ポリウレタンフォーム(モールド発泡品)の各物性を評価した。
比較例1のポリウレタンフォームはセル膜を有するセルの個数密度46個/inch;密度77kg/m;25%硬さ39N;引張強度95kPa;反発率43%;通気性46cc/cm/secであった。
高反発ウレタンフォームを厚み2mmに切断し、成形シートを得た。比較例1では熱圧縮処理せず、切断したシートをそのまま図1に示す形状のマスクに製造した(比較マスク1)。
比較例2
市販のポリウレタンマスクを比較例2とした。
本発明のマスク(発明マスク1)、比較マスク1、比較マスク2を着用し、涼感、呼吸しやすさ、肌さわりについてパネラー5名による官能試験で調べた。試験は屋外(28℃)においてマスクを10分間着用した後に評価した。
発明マスク1は比較マスク1、2と比べてマスクに接する口回りで涼感が感じられた。発明マスク1は呼吸に息苦しさも感じなかった。着用時、着用中にマスクと接触する肌さわりも気にならなかった。
比較マスク1、2は涼感が感じられず、不快感があった。また呼吸に息苦しさは感じなかったが、着用中にマスクと接触する肌さわりが気になった。

Claims (5)

  1. セル膜を有するセルの個数密度が5~40個/inchであるポリウレタンフォーム。
  2. 前記ポリウレタンフォームを構成するポリウレタンが、ポリエチレングリコール単位を有する請求項1に記載のポリウレタンフォーム。
  3. 前記ポリウレタンフォームはセル骨格中によもぎが包摂されて存在している請求項1または2に記載のポリウレタンフォーム。
  4. 請求項1~3のいずれかに記載の前記ポリウレタンフォームの圧縮成形シート。
  5. 請求項4に記載の圧縮成形シートで形成されているマスク。
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