JP5202872B2 - クッションカバー部材およびクッション - Google Patents

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本発明は、寝具、自動車の座席シート、椅子に使用するクッション材、座布団、車椅子用等に使用される褥瘡予防用クッションに適用されるポリウレタンフォームなどからなる芯材を被覆してなるクッションカバー部材、および該クッションカバー部材で被覆されたクッションに関する。
老齢化社会を迎え、歩行が困難、車椅子生活という人が増加しつつある。このような場合は、長時間座ることが強いられるので、場合によっては臀部に褥瘡が発症する事態となっている。従って、時代とともに椅子に用いるクッション材や座布団等のクッション材はクッション性能もより高いものが要求されるようになってきている。近年、褥瘡が発生するための外的要因としては、着座した際に加わる体圧(圧縮応力)だけでなく、横方法への剪断力なども複合化したずれ力が重要な要因のひとつになってきている。例えば、着座姿勢の悪化や自分で体位変換できない人にとっては、長時間座っている間に上記のようなずれ力が働くようになる。
上記の用途に用いられるクッション材としては、綿などの天然素材の他、エアークッション材、ウレタン発泡体からなるクッション材、ゲル状物からなるクッション材などが挙げられる。エアークッション材は荷重分散性能(以下、応力緩和性ということもある)が高いが、体位保持性能が低いという問題を有する。また、ウレタン発泡体からなるクッション材は一定水準の応力緩和性を有するが、近年褥瘡発生の原因の一つとして注目されているずれ力の吸収性能が低い。特に、ずれ力発生の主要因となる横方向の応力の吸収性能が低い。これに対して、ゲル状物からなるクッション材は、ゲル自体が液体と固体の両物性を併せ持つので、変形しやすく、横方向を含めあらゆる方向の応力から生じるずれ力の吸収性能が高い。しかし、ゲル状物からなるクッション材には一般的に液状成分が含まれているので、この液状成分の滲出を防ぐ必要がある。つまり、過剰な液状成分の漏洩を防ぐため、ゲルを被覆する必要がある。また、ゲル状クッション材は他のクッション材と比べて、重量が大きいため、自重で変形するので十分な厚さを確保しにくく、荷重分散性能を確保することができない。
体圧分散性能を有し、かつ横方向の力から生じるずれ力の分散性能を有するクッション材として軟質ポリウレタン発泡体の一種であるゲル構造を有するポリウレタン発泡体を芯材としたクッションが提案されている(特許文献1、特許文献2)。このゲル構造の発泡体は、活性水素成分ポリエーテルポリオールと有機ポリイソシアネートからなる軟質ポリウレタン発泡体を芯材とし、ポリウレタンゲルが発泡した構造となっている。このゲルには可塑剤として別途配合したポリオールと、ウレタン骨格を形成するために配合した活性水素成分ポリエーテルポリオールの未反応分が液状成分として含まれており、その芯材の表面は滲出した液状成分によってべたつき、被接触体を汚染する恐れがある。そこで、滲出液の外部への漏出を防止するために、芯材の表面を柔軟なフィルム等により被覆することが必要である。従来、このような被覆材としては、伸縮性のあるポリウレタンフィルムが用いられていた。しかし、フィルム状の材料を用いてクッションカバー部材とした場合は、着座時に加わる応力による芯材の変形・回復に影響を及ぼしやすいという問題があった。従って、滲出液が外部に漏洩、汚染することを防止し、かつポリウレタン発泡体が有する特性である速やかな変形・回復に影響を及ぼしにくいカバー材の開発が必要である。
特開2006−51067号公報 特開2006−188629号公報
上記の問題に鑑みて、本発明は前記の芯材から生じる滲出液が外部に漏出、汚染することを防止し、かつクッション材本来の変型速やかな変形・回復に必要な空気の出入りを妨げないクッションカバー部材およびこのようなクッションカバー部材で被覆されて得られるクッションを提供することを課題とする。
本発明者らは、クッションカバー部材の性状を種々検討し、鋭意検討を重ねた結果、繊維布の目の粗さ、目付量、透気度、破断強度等の各種条件を特定することによって上記課題を解決できることを見出し本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下からなる。
1.ポリウレタン発泡体からなり液状成分が滲出可能なゲル構造を有する芯材からなるクッション材のカバー部材であって、布目の粗さが400〜800nmの可視光波長による透過率が40%以下であり、目付量が17〜200g/m であり、透気度が2秒以下の繊維布からなることを特徴とするクッションカバー部材。
2.前記カバー部材の破断強度が15N/20mm幅以上である前項1に記載のクッションカバー部材。
3.前記芯材から滲出する液状成分と非相溶性の材料からなる前項1または2に記載のクッションカバー部材。
4.液状成分がポリオールである前項1〜3のいずれか1に記載のクッションカバー部材。
5.前記繊維布がスパンボンド不織布またはメリヤス織の布である前項1〜4のいずれか1に記載のクッションカバー部材。
6.ポリウレタン発泡体からなり液状成分が滲出可能なゲル構造を有する芯材からなるクッション材が前項1に記載のクッションカバー部材によって被覆されてなるクッション。
クッションカバー部材として本発明からなる部材を用いて芯材を被覆することにより、芯材からの滲出液が外部に漏洩、被接触体を汚染することが防止され、かつ発泡体の速やかな変形、回復に必要な空気の出入りが妨げられないクッションカバー部材およびクッションを提供することができる。
本発明におけるクッションカバー部材は、繊維布であり、布目の粗さが400〜800nmの可視光波長による透過率が40%以下であることを特徴とする。透過率が、40%を超えると目が粗すぎてクッション材を構成する芯材内部からの滲出液が漏洩を阻止しえないからである。また、目付量は17〜200g/mであることを特徴とする。目付量が17g/mより少なければ布の目が粗すぎたり、繊維量が少なすぎるので、カバー部材としての機械的強度が不足する。他方、200g/mより大きければ布目が詰まりすぎたり、繊維量が多すぎて、カバー部材としての風合いに欠けてゴワゴワ感を与え、芯材のクッション性に影響を与える。
また、本発明のより好ましい態様では、クッションカバー部材の透気度が2秒以下である。透気度が、2秒より大きければ、カバー材の内外への空気の移動が遅すぎるので、着座して芯材が変形しても元の形状への回復がスムーズに行われない傾向を示す。さらに、本発明のより好ましい態様では、クッションカバー部材の破断強度が15N/20mm幅以上である。15N/20mm幅よりも小さければ、機械的強度が小さすぎて繰り返し着座操作や着座中での座位移動の際にカバー材が破断する恐れがあり、クッションカバー部材としての機能を発揮しえない場合がある。さらに、本発明のクッションカバー部材は、前記芯材から滲出する液状成分と非相溶性の材料であることが好ましい。つまり、該芯材から滲出する液状成分によってクッションカバー部材自体が溶解することを避けるためであり、本発明のカバー部材では特定の布目粗さや目付量を有する繊維布に形成されている空隙で滲出する液状成分を保持するものである。
本発明において目付量とは、クッションカバー部材に使用されている繊維布の繊維量を単位面積あたりの重量(g/m)で表現したものである。透気度とは、透気度試験機B型を用いて、規定された空気量100mlが直径28.6mmφあたりの面積部分を通過するときに要する時間を秒数(s)で示したものである。この場合の測定環境は温度23±2℃、相対湿度65±5%である。透過率とは、繊維布の目の粗さを可視光の透過率(%)で表現したものをいう。測定には、分光光度計(島津製作所社製、UV−1600)を使用し、サンプルホルダーに繊維布を貼り付け、リファレンスを空気として測定する。この場合の光束断面は、巾1mm、高さ10mmである。
本発明において、クッションカバー部材である繊維布とは、不織布または織物を意味し、その原材料としてはポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンなどの各種プラスチック繊維、綿、絹、麻などの天然繊維等が挙げられる。これらのうち、機械的強度が高く、伸長せずに目の粗さが変化しにくい物としては、各種プラスチック繊維からなるスパンボンド不織布が好ましく、溶融接着できて製造が容易であるという点からは、各種プラスチック繊維を用いることが好ましい。また、伸長しやすく使用時のごわつき感が少ない物としては、各種プラスチック繊維や天然繊維をメリヤス織した物を用いることが好ましい。
本発明において、液状成分が滲出可能なゲル構造を有する芯材とは、クッション材の主体となるものであり、芯材内に液状成分が含有されており、加圧等で液状成分が滲出するようなものであれば特に限定されないが、具体的には軟質プラスチック、これらプラスチックの発泡体、軟質ゴムなどが挙げられる。これらのうち、圧縮応力やずれ応力を緩和し褥瘡発生の防止により優れた効果を発揮できるものとして、軟質プラスチック発泡体、特にポリウレタン発泡体が好ましく、特に一般的に低反発性と呼ばれるポリウレタン発泡体を用いることが良い。これらの発泡体の発泡形態としては、独立発泡や連続発泡の何れでも良いが、緩衝部材としての応力緩和性をより発揮するためには、連続発泡形態(独立発泡セルのセル壁が破れて連続発泡状態になっているような混在系も含む)のものが好ましい。
上記ポリウレタン発泡体としては、所謂、ポリイソシアネートとポリオールとを重付加反応させて得られる熱可塑性エラストマーの類の属するものであって、ポリエステルポリウレタンやポリエーテルポリウレタンなどからなる発泡体を用いることができる。具体的には、ジフェニルメタンジイソシアネートやトリレンジイソシアネートなどのポリイソシアネートと、エチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのポリオールとを官能基数換算で当モル量反応させて得られるポリイソシアネートプレポリマーに、ポリオールを加えて反応させて三次元構造(ゲル構造)を有するポリウレタン組成物を一旦作製する。次いで、水を加えることによって、ポリイソシアネートプレポリマー中に残存する未反応のイソシアネート基と水が反応して炭酸ガスを発生、発泡すると共に、水との反応でイソシアネート基がアミノ基等に変化することで、これが他のイソシアネート残基と反応してウレア結合などを生じて架橋構造が進み、目的とするゲル構造を有するポリウレタン発泡体を得ることができるのである。この際に、ポリオールをポリイソシアネートに対して過剰量配合しておくことで未反応で残存するポリオールがポリウレタン発泡体中で可塑剤として作用する。なお、別途低反応性の可塑剤や軟化剤を配合しても良い。
上記したゲル構造を有するポリウレタン発泡体は、可塑剤の目的で添加した低反応性のポリオールと一部ウレタン構造形成のために添加したポリオールの未反応物が液状成分として、ポリウレタン系内に取り込まれた状態でゲル構造となっている。これによってゲル本来の特性である圧縮応力に対する緩和性以外に、横方向の力から生じる剪断応力等が複合化したずれ力をも吸収する性能を持ち、ポリウレタン発泡体からなるクッション材として優れた荷重分散性能を発揮する。また、発泡体であるためクッション材全体の軽量化も図れるものである。
本発明において、芯材には、ポリウレタ発泡体作製時に過剰量配合されて未反応で残存するポリオールが可塑作用を有する物質として含有されていたり、別途配合する低反応性の可塑剤や軟化剤のような芯材から滲出可能な液状成分が含まれる。このような可塑剤や軟化剤としては、例えばエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルグリコールジメチルエーテルメチルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等のグリコールジエーテル類や炭酸プロピレン、その他芳香族系炭化水素類が挙げられる。
上記可塑剤や軟化剤のような液状成分の芯材中の含有量は、5〜30重量%、好ましくは10〜20重量%とすることができる。可塑剤の含有量が5重量%に満たない場合は芯材に対する可塑効果がなく充分なクッション性を付与しがたくなる傾向を示し、30重量%を超えると芯材自体が柔らかくなりすぎると共に、クッション材としては小さい応力でも変形が容易に起こってしまうので褥瘡防止という本発明の本来の効果を発揮しがたくなる傾向を示す。
本発明における芯材は、所定の型に流して所望の形状にゲル化させ、液状成分が滲出可能な状態で含有されたゲル構造体に調製した後、前記した特定の布目粗さや目付量を有する繊維布からなるカバー部材(内装袋)に封入し、これを任意の外装袋に入れて目的とするクッション材を作製することができる。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
(実施例1)
ジフェニルメタンジイソシアネート50重量部と、ポリエーテルポリオール(ポリオキシエチルポリオキシプロピル化グルコール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド:75/25重量%、OH価:56mg/g、重量平均分子量:3000)50重量部とを反応させてポリイソシアネートプレポリマーA(NCO基含量:15モル%)を作製した。
また、トリレンジイソシアネート5重量部と、ポリオール(ポリオキシエチルポリオキシプロピル化グルコール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド:70/30重量%、OH価:7.5mg/g、重量平均分子量:15000)95重量部とを反応させてポリイソシアネートプレポリマーB(NCO基含量:2モル%)を作製した。
上記にて作製したポリイソシアネートプレポリマーAを23.8重量部およびポリイソシアネートプレポリマーBを9.2重量部に、三官能ポリエーテルポリオール(ポリオキシエチルポリオキシプロピル化グルコール、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド:50/50、OH価70mg/g)61重量部、可塑剤としてのポリエーテルポリオール(ポリプロピレンオキサイドユニットの両末端を安息香酸でブロックしたもの、重量平均分子量:342)を反応させて、ポリウレタンゲル組成物を作製し、次に室温下で水3重量部を添加して攪拌、混合して発泡させてゲル構造を有するポリウレタン発泡体からなるクッション材の芯材組成物を作製した。
なお、上記芯材組成物の作製ののち、目的とするクッション材を得るために、所望の成形型中に芯材組成物を流し込んで熟成を行い、縦38cm、横38cm、総厚10cmのクッション材を作製した。
表1に示すような目付量、透過率、透気度を有するポリエチレンテレフタレート(PET)製スパンボンド不織布からなるカバー部材の二種類を用いて上記にて作製したクッション材を被覆し、図1に示すようなクッションを作製した。なお、不織布での被覆は、袋状にしたカバー部材に入れて熱融着封入した。クッションカバー部材の目付け量、透過率、透気度などの性状は、本発明の定義に従って測定した。
(実施例2)
芯材として、実施例1と同様のクッション材を作製した。カバー部材として表1に示す目付量、透過率、透気度を有するメリヤス織した綿布からなる織物を用いた以外は実施例1と同様にクッション材を被覆してクッションを作製した。
(比較例1)
芯材として、実施例1と同様のクッション材を作製した。カバー部材として表1に示す透気度を有する厚さ30μmのポリウレタン(PU)フィルムを用いた以外は実施例1と同様にしてクッション材を被覆してクッションを作製した。
(比較例2)
芯材として、実施例1と同様のクッション材を作製した。カバー部材として表1に示す目付量、透過率、透気度を有するPET製スパンボンド不織布を用いた以外は実施例1と同様にしてクッションを作製した。
(比較例3)
芯材として、実施例1と同様のクッション材を作製した。カバー部材として表1に示す根付量、透過率、透気度を有するPET製スパンボンド不織布を用いた以外は実施例1と同様にしてクッションを作製した。
Figure 0005202872
(試験例)
上記実施例および比較例で作製されたクッションにおいて、芯材を被覆しているクッションカバー部材を通して芯材中の液状成分が漏洩するか否かと、クッションへの着座時の安定性(体位保持性)、ごわつきを評価したところ、比較例2品では液状成分の漏洩が確認され、比較例3品では明らかなごわつきが確認された。比較例1品の場合は、風船に乗ったような感じで、着座時の体位安定性の点では不安定であると評価された。
なお、実施例品および比較例品についての評価結果を表2に示した。評価方法は、以下の通りである。
液状成分の漏洩の有無は、本発明のクッションカバー部材で芯材を被覆したクッション材について、製造1カ月経過後に体重60kg前後の標準体重のボランティアにて着座操作を100回繰り返し行い、クッションカバー部材の上から手で触ることによって行なった。このときクッションカバー材の表面に液状成分が滲出してべたついたり、手に残存物(液状成分)が残ったりした場合には、漏洩があると評価した。
接触最大圧の変化量(増加率)は、図2に示すように、38cm×38cm×10cmの芯材2を、本発明のクッションカバー部材1で被覆し、これに圧力測定用センサーマット4を載せ、その上から、21.7cmφのスチール半球3で17kgの荷重をかけて、このときの最大接触圧を測定した。なお、各実施例品および比較例品に用いた繊維布と同じ繊維布で目付量15g/mの繊維布をカバー部材に用いた時の最大接触圧を基準として、クッションカバー部材の目付量を実施例品もしくは比較例品の目付量に変えたときの最大接触圧の増加量を百分率で表示した。測定にはニッタ株式会社の座圧分布測定システムBIG-MATを使用した。
着座試験は、各実施例品および比較例品として作製したクッションを車椅子の座面に置き、被験者6人がその上に着座したときの安定感(体位保持性)とごわつき(マット表面の硬さの感覚)を評価した。評価は実施例1の目付量21g/mのクッションカバー部材を用いた場合を基準(3点)とし、5段階の点数で評価した。点数が高いほど良好な評価とした。
表2の結果から明らかなように、実施例品は液状成分の漏洩は一切なく、最大接触圧の増加率も28%以下で経時的な変動が少なく、優れたクッション性を有するものであり、着座試験でも体位保持性も良好でごわつきもないものであった。
Figure 0005202872
本発明の特定の繊維布によるクッションカバー部材は、ゲル構造を有する芯材から滲出する液状成分が外部に漏洩して被接触体を汚染することを防止し、かつ芯材の変形・回復を由来とする荷重分散性やずれ力吸収、体位を安定に保持する性能を阻害することがない。したがって、前述のクッションカバー部材を用いたクッション材を寝具、椅子、座布団、車椅子用クッション等として用いれば、エアークッションや透気性のないクッションカバー部材を用いたクッションに見られるような風船に乗ったような不安定感がなくなる。また、クッション用芯材に求められる機能である除圧効果が妨げられることがないので、褥瘡防止効果も高く、介護の分野で有効活用ができる。
本発明のクッションカバー材によって芯材を被覆したクッション材の斜視透視図である。 実施例で測定した最大接触圧の測定方法を説明するための模式図である。
符号の説明
1 クッションカバー部材
2 芯材
3 スチール半球
4 圧力測定用センサーマット

Claims (6)

  1. ポリウレタン発泡体からなり液状成分が滲出可能なゲル構造を有する芯材からなるクッション材のカバー部材であって、布目の粗さが400〜800nmの可視光波長による透過率が40%以下であり、目付量が17〜200g/m であり、透気度が2秒以下の繊維布からなることを特徴とするクッションカバー部材。
  2. 前記カバー部材の破断強度が15N/20mm幅以上である請求項1に記載のクッションカバー部材。
  3. 前記芯材から滲出する液状成分と非相溶性の材料からなる請求項1または2に記載のクッションカバー部材。
  4. 液状成分がポリオールである請求項1〜3のいずれか1に記載のクッションカバー部材。
  5. 前記繊維布がスパンボンド不織布またはメリヤス織の布である請求項1〜4のいずれか1に記載のクッションカバー部材。
  6. ポリウレタン発泡体からなり液状成分が滲出可能なゲル構造を有する芯材からなるクッション材が請求項1に記載のクッションカバー部材によって被覆されてなるクッション。
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