JP2022113969A - プラスチック光ファイバ - Google Patents

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Abstract

【課題】理論開口数が高い場合であっても、曲げ状態における透光損失の小さいプラスチック光ファイバを提供すること。【解決手段】コアと少なくとも1層のクラッドを有するプラスチック光ファイバであって、コアの曲げ弾性率X[GPa]と、最内層のクラッドの曲げ弾性率Y[MPa]が、X×Y≦100の関係を満たすプラスチック光ファイバ。【選択図】なし

Description

本発明は、プラスチック光ファイバとそれを用いた内視鏡照明用機器、眼科手術照明用プローブ、血管用カテーテルに関するものである。
内視鏡手術や眼科手術においては、一般的に、プラスチック光ファイバの一端から光を入射させ、出射端面から光を照射させて患部を観察する方法がとられている。光の照射角度が大きいほど、患部周辺を広く観察することができるため、開口数の大きいプラスチック光ファイバが好ましく用いられる。
一般に、プラスチック光ファイバの開口数を大きくするためには、高屈折率のコアと低屈折率のクラッドを組み合わせることが有効である。このようなコアとクラッドの組み合わせとして、例えば、ポリカーボネート樹脂またはノルボルネン系樹脂からなる芯の周囲に、ビニリデンフロライド成分が40~62モル%、テトラフロロエチレン成分が28~40モル%、ヘキサフロロプロペン成分が8~22モル%からなり、23℃におけるショアD硬度の値が35~45の鞘樹脂からなる鞘で取り囲み、さらにその周囲に、融点が150℃以上のビニリデンフロライド系樹脂またはナイロン12樹脂からなる厚さ50~700μmの保護層を被覆したことを特徴とする耐熱プラスチック光ファイバ(例えば、特許文献1参照)、芯部と鞘部とによって構成され、芯部は、脂環族ポリオレフィン樹脂を含有しかつガラス転移温度が150℃以上である樹脂にて形成され、鞘部は、前記芯部を形成する樹脂に、屈折率調整剤としての非晶質フッ素樹脂を、前記鞘部の屈折率が芯部の屈折率よりも低くなるような量で含有させた組成物にて形成されていることを特徴とする耐熱性プラスチック光ファイバー(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
また、医療機器照明用途などに好適に用いられる、耐屈曲性に非常に優れたプラスチック光ファイバとして、コアと、少なくとも1層のクラッドとからなるプラスチック光ファイバであって、最内層のクラッドの曲げ弾性率が20~70MPaであることを特徴とするプラスチック光ファイバ(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
特開2000-275448号公報 特開2011-75751号公報 国際公開第2019/171894号
特許文献1~2に記載される高開口数のプラスチック光ファイバは、コア/クラッド界面において剥離が生じやすく、界面から光が漏れやすいことから、プラスチック光ファイバを屈曲させたとき(曲げ状態)の透光損失が増大する課題があった。また、特許文献3に記載された技術は、コア/クラッドの密着性に優れるものの、コアの弾性率が大きく、コア/クラッド界面において応力が発生しやすく、曲げ状態において透光損失が大きくなる課題があった。
そこで、本発明は、理論開口数が高い場合であっても、曲げ状態における透光損失の小さいプラスチック光ファイバを提供することを目的とする。
本発明は、コアと少なくとも1層のクラッドを有するプラスチック光ファイバであって、コアの曲げ弾性率X[GPa]と、最内層のクラッドの曲げ弾性率Y[MPa]が、X×Y≦100の関係を満たすプラスチック光ファイバである。
本発明によれば、理論開口数が高い場合であっても曲げ状態における透光損失の小さいプラスチック光ファイバを得ることができる。
以下、本発明に係るプラスチック光ファイバの好適な実施の形態を具体的に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、目的や用途に応じて種々に変更して実施することができる。
本発明の実施の形態に係るプラスチック光ファイバは、コアと、少なくとも1層のクラッドを有する。クラッドを2層以上有してもよい。光を通す機能を有するコアの周囲に、求められる特性に応じて選択されたクラッドを組み合わせることにより、理論開口数や柔軟性等を所望の範囲に調整することができる。
本発明においては、開口数の高いプラスチック光ファイバにおいて、コア/クラッド界面の剥離に起因する曲げ損失の増大を抑制するために、コアの曲げ弾性率と、コアに接するクラッドの曲げ弾性率との積に着目した。すなわち、本発明は、コアの曲げ弾性率X[GPa]と、最内層のクラッドの曲げ弾性率Y[MPa]が、X×Y≦100の関係を満たすことを特徴とする。特許文献3に記載されるように、最内層のクラッドの曲げ弾性率が70MPa以下であると、クラッドが柔らかくなり、曲げ状態における透光損失を小さくすることができる。さらに、本発明者らの検討により、特に開口数の高いプラスチック光ファイバにおいては、クラッドの曲げ弾性率だけでなく、コアの曲げ弾性率も曲げ状態における透光損失に影響すること、具体的には、コアの曲げ弾性率X[GPa]と、最内層のクラッドの曲げ弾性率Y[MPa]との積を100以下とすることによって、曲げ状態における透光損失をさらに小さくすることができることがわかった。XまたはYの値が小さくても、XとYの積が100を超える場合、曲げ状態における透光損失が増大する。XとYの積は、90以下が好ましい。なお、「最内層のクラッド」とは、クラッドを1層有する場合はその1層を、クラッドを2層以上有する場合はそのクラッドのうち、コアと接する最内層に位置する1層を指す。
ここで、コアおよび最内層のクラッドの曲げ弾性率は、ASTM D790(2010年)により測定することができる。より具体的には、127mm×13mm×3.1mmの試験片について、曲げ荷重-たわみ曲線をプロットし、初期の最も傾斜の大きい部分の接線から曲げ弾性率を算出する。
コアの曲げ弾性率X[GPa]と、最内層のクラッドの曲げ弾性率Y[MPa]との積を100以下とする手段としては、例えば、コアおよび最内層のクラッドのそれぞれを、後述する好ましい材料から形成することなどが挙げられる。
コアを形成する重合体としては、例えば、透明性が高く、屈折率が大きいことから、芳香族環やシクロアルキル基などの環状構造や、原子屈折の大きい構造を有することが好ましく、例えば、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、ポリスチレン、ポリカーボネート、フルオレン含有ポリエステル、ポリメチルペンテン等が好ましい。これらを2種以上用いてもよい。これらの中でも、環状構造を有するものが好ましい。
コアには、さらに酸化防止剤などの安定剤やその他添加剤を、透光性に影響しない範囲で少量含有してもよい。
コアの屈折率は、1.50以上が好ましい。コアの屈折率を低くするためには、環状構造を有する重合体を用いることが好ましい。また、コアを形成する材料として、各種コアの屈折率を有する市販の重合体の中から、所望の屈折率を有する重合体を選択することができる。
ここで、コアの屈折率は、20mm×8mm×1.4mmの試験片について、室温25℃雰囲気下、アッベ屈折率計を用いて測定することができる。なお、コアを採取して直接屈折率を測定することが困難な場合、採取したコアをプレス成形機により210℃で5分間加熱した後、室温に冷却して、20mm×8mm×1.4mmに成形した試験片を作製し、屈折率を測定することができる。また、コアの組成が既知であれば、既知の組成から同様に試験片を作製し、屈折率を測定することができる。
コア/界面の密着性を高めて曲げ状態における透光損失をより小さくする観点から、コアのロックウエル硬度(Mスケール)Mは小さいことが好ましく、90以下が好ましく、80以下がより好ましい。
コアのロックウエル硬度Mを90以下にする手段としては、例えば、コアの曲げ弾性率を後述する好ましい範囲にすることなどが挙げられる。
ここで、コアのロックウエル硬度Mは、ロックウエル硬さスケールMを用いて、JIS-K7202-2(2001年)により測定することができる。なお、コアを採取して直接ロックウエル硬度Mを測定することが困難な場合、採取したコアをプレス成形機により210℃で5分間加熱した後、室温に冷却して、厚み6mm以上の板状の試験片を作製して、ロックウエル硬度Mを測定することができる。
コア/界面のコア/クラッド界面における応力を低減して曲げ状態における透光損失をより小さくする観点から、コアの曲げ弾性率は2.8GPa以下が好ましく、2.5GPa以下がより好ましい。なお、コアを形成する材料として、各種コアの曲げ弾性率を有する市販の重合体の中から、所望の曲げ弾性率を有する重合体を選択することができる。
本発明の実施の形態に係るプラスチック光ファイバは、少なくとも1層のクラッドを有する。2層以上のクラッドを有することが好ましい。この場合、最内層のクラッドを低屈折率の材料から形成することが好ましく、プラスチック光ファイバから照射される光の照射範囲を広くすることができ、内視鏡や眼科手術照明、カテーテルなどの医療機器部材に好適に用いることができる。
最内層のクラッドを形成する重合体としては、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体や、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体などのフッ素含有ポリマーが好ましい。フッ素含有ポリマーを用いることにより、最内層のクラッドの柔軟性を向上させることができる。これらを2種以上用いてもよい。これらの中でも、ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、パーフルオロアルキルビニルエーテルを共重合成分として含む共重合体が好ましく、共重合成分中、ヘキサフルオロプロピレンを10~30重量%、テトラフルオロエチレンを45~75重量%、弗化ビニリデンを10~35重量%、パーフルオロアルキルビニルエーテルを1~10重量%を含むことが好ましい。かかる共重合体により、屈折率が低く、柔軟性により優れるプラスチック光ファイバを得ることができる。
パーフルオロアルキルビニルエーテルは、直鎖構造、分岐構造および/または環状構造のパーフルオロアルキル基を有することが好ましい。パーフルオロアルキルビニルエーテルとしては、例えば、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)、パーフルオロ(ヘキシルビニルエーテル)、パーフルオロ(オクチルビニルエーテル)などが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらの中でも、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)が好ましい。
最内層のクラッドを形成する重合体の、温度265℃、荷重5kgの条件におけるメルトフローレート(以下、MFRと略記することがある。)は、10~60g/10分が好ましい。
最内層のクラッドは、係る共重合体から実質的になることが好ましい。
コア/界面の密着性を高めて曲げ状態における透光損失をより小さくする観点から、最内層のクラッドのショアD硬度は、50以下が好ましく、40以下がより好ましい。
ここで、最内層のクラッドのショア硬度Dは、ASTM D2240(2005年)により測定することができる。なお、クラッドを採取して直接ショア硬度Dを測定することが困難な場合、採取したクラッドをプレス成形機により210℃で5分間加熱した後、室温に冷却して、厚み6mm以上の板状の試験片を作製して、ショアD硬度を測定するものとする。試験片の端から12mm以上内側において、硬度計を密着させてから1秒以内の硬度の最大値を求め、5点の測定値の中央値をショア硬度Dとする。なお、最内層のクラッドを形成する材料として、各種のショア硬度を有する市販の重合体の中から、所望のショア硬度を有する重合体を選択することができる。
最内層のクラッドの屈折率は、1.33~1.37が好ましい。
ここで、最内層の屈折率は、コアの屈折率と同様に測定することができる。なお、クラッドを採取して直接屈折率を測定することが困難な場合、採取したクラッドをプレス成形機により210℃で5分間加熱した後、室温に冷却して、20mm×8mm×1.4mmに成形した試験片を作製し、屈折率を測定することができる。また、クラッドの組成が既知であれば、既知の組成から同様に試験片を作製し、屈折率を測定することができる。
最内層のクラッドの厚みは、2~20μmが好ましい。
ここで、最内層のクラッドの厚みは、プラスチック光ファイバから無作為に選択した5箇所について、長手方向に対し垂直に切断し、コア/クラッドの界面が観察できるように断面を研磨した後、デジタルマイクロスコープ VHX-7000(Keyence製)を用いて、断面を拡大観察することにより測定することができる。拡大観察の倍率は、10~200倍の間で、断面が全て視野範囲に入り、界面が観察できる範囲を選択する。断面において、最内層のクラッドの最も薄い部分の厚みを測定し、最内層のクラッドの厚みとする。5断面についてそれぞれ最内層のクラッドの厚みを測定し、その平均値を最内層のクラッドの厚みとする。
クラッドを2層以上有する場合、最外層のクラッドを形成する重合体としては、エチレンおよびテトラフルオロエチレンを共重合成分として含む共重合体が好ましい。エチレンを共重合することにより、最外層のクラッドの可撓性を維持しながら、耐傷性を向上させ、曲げ状態における透光損失をより小さくすることができる。エチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体がより好ましい。共重合成分中、エチレンを10~35重量%、テトラフルオロエチレンを45~69重量%、ヘキサフルオロプロピレンを20~45重量%含むことが好ましい。最外層のクラッドにおいて、エチレンが10重量%以上の場合、成形安定性が向上する。35重量%以下の場合、結晶性を低くでき、透明性が向上する。エチレンの割合は11~30重量%が好ましい。テトラフルオロエチレンが45重量%以上の場合、成形安定性が向上する。69重量%以下の場合、結晶性を低くでき、透明性が向上する。ヘキサフルオロプロピレンが20重量%以上の場合、柔軟性が向上し、曲げ状態における透光損失をより小さくすることができる。45重量%以下の場合、粘着性が低下し、被覆層を被覆するときの加工性が向上する。
かかる共重合体は、さらにカルボニル基含有官能基を有することが好ましく、耐溶剤性を向上させることができる。ポリマー鎖末端にカルボニル基含有官能基を有してもよいし、側鎖にカルボニル基含有官能基を有してもよい。
カルボニル基含有官能基としては、例えば、-OC(=O)O-の結合を有するカーボネート基、-COY[Yはハロゲン元素]の構造を有するカルボン酸ハライド基などが挙げられる。これらの中でも、カーボネート基が好ましい。また、カルボニル含有官能基はフッ素を有することが好ましく、含フッ素カーボネート基(-RF-O-C(=O)-RF’-)、カルボン酸フルオライド基(-C(=O)F)が好ましい。ここで、RFやRF’はフッ素を有する基、例えばフッ化アルキル基やフッ化ビニリデン基などを表す。
また、前記共重合体は、下記一般式(1)で示されるフルオロビニル化合物を共重合成分として含むことが好ましい。
CH=CX(CF (1)
上記一般式(1)中、Xはフッ素原子または水素原子を示し、Xはフッ素原子または水素原子を示し、nは1~10の整数である。
上記式(1)で表されるフルオロビニル化合物としては、例えば、CH=CF(CFH、CH=CH(CFH、CH=CF(CFH、CH=CH(CFH、CH=CF(CFCH、CH=CF(CF、CH=CH(CFFなどが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。これらの中でも、下記構造式(2)で表される、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)が好ましく、プラスチック光ファイバの生産性、コスト、環境性および伝送特性において優れている。
CH=CF(CFH (2)。
最外層のクラッドは、係る共重合体から実質的になることが好ましい。
最外層のクラッドを形成する共重合体の融点は、150~200℃が好ましい。また、最外層のクラッドの屈折率は、1.37~1.41が好ましく、比重は、1.6~1.9が好ましく、曲げ弾性率は、1~2GPaが好ましく、シェアD硬度は、50~90が好ましい。
プラスチック光ファイバの開口数は、0.65以上が好ましい。開口数が0.65以上であれば、例えば内視鏡や眼科手術照明、カテーテルのように、数メートル程度の長いプラスチック光ファイバであっても、光量損失を抑制し、照射範囲を大きくすることができる。
プラスチック光ファイバの外径は、0.1~2.0mmが好ましい。ここで、プラスチック光ファイバの直径Dは、マイクロメーターを用いて測定することができる。
プラスチック光ファイバの透光損失は、3dB/m以下が好ましい。ここで、プラスチック光ファイバの透光損失は、かせ巻きの状態にしたプラスチック光ファイバに、ハロゲンの平行光(波長650nm、入射NA=0.25)を入射し、入射部から5mの位置における光量A(dBm)と入射部から2mの位置における光量B(dBm)を測定し、(B-A)/(5-2)から算出することができる。
プラスチック光ファイバの製造方法としては、例えば、コアと2層のクラッドを有する場合、コア材とクラッド材とを、加熱溶融状態下、同心円状複合用の複合口金から吐出してコア/最内層のクラッド/最外層のクラッドの3層芯鞘構造を形成する複合紡糸法が好ましく用いられる。続いて、1.2~3倍程度の延伸処理を行うことが一般的であり、機械特性を向上させることができる。
本発明の実施の形態に係るプラスチック光ファイバは、内視鏡照明用途、眼科手術照明用途、腹腔鏡手術用照明、カテーテル用照明等の医療用照明用途に好適に用いることができる。
本発明の実施の形態に係る内視鏡照明用機器は、前述のプラスチック光ファイバを有し、内視鏡と組み合わせて用いることができる。本発明の実施の形態に係る眼科手術照明用プローブは、前述のプラスチック光ファイバを眼科手術用照明として有する。本発明の実施の形態に係る血管用カテーテルは、前述のプラスチック光ファイバをカテーテル用照明または光センサーとして有する。
以下、本発明を実施例により、更に詳細に説明する。なお、各実施例および比較例における評価は、以下の方法により行った。
クラッド組成比:各実施例および比較例に用いたクラッド材について、固体19F-NMR(Bruker社製AVANCE NEO 400)とFT-IR(Bio-Rad Digilab製FT-IR)を用いて組成比(重量%)を求めた。
コアとクラッドの曲げ弾性率:ASTM D790(2010年)により測定した。各実施例および比較例に用いたコアとクラッド材からそれぞれ127mm×13mm×3.1mmの試験片を作製し、曲げ荷重-たわみ曲線をプロットした。測定単位はkg/cmとした。曲げ荷重-たわみ曲線の初期のもっとも傾斜の大きい傾きから接線から曲げ弾性率を求めた。
コアのロックウエル硬度:各実施例および比較例において用いたコアとクラッド材からそれぞれ厚み6mm以上の板状の試験片を作製し、JIS-K7202に準拠した方法でMスケールの値を求めた。
コアとクラッドの屈折率:各実施例および比較例において用いたコアとクラッド材からそれぞれ20mm×8mm×1.4mmの試験片を作製し、アッベ屈折率計を用いて、室温25℃雰囲気下、屈折率を測定した。
最内層のクラッドのショア硬度D:各実施例および比較例において用いた最内層のクラッド材を、プレス成形機により210℃で5分間加熱した後、室温へ冷却して、厚み6mm以上の板状の試験片を作製した。得られた試験片について、ASTM D2240(2005年)に準拠した方法によりショア硬度Dを測定した。すなわち、試験片の端から12mm以上内側において、硬度計を密着させてから1秒以内の硬度の最大値を求め、5点の測定値の中央値をショア硬度Dとした。
プラスチック光ファイバの直径:各実施例および比較例において得られたプラスチック光ファイバについて、マイクロメーターを用いて直径を測定した。
プラスチック光ファイバの理論開口数:前述の方法により測定した屈折率から、下記式により開口数を算出した。
開口数=((コアの屈折率)2―(第1クラッドの屈折率)1/2
プラスチック光ファイバの曲げ状態の光量損失:各実施例および比較例により得られたプラスチック光ファイバについて、820nmLED(発光ダイオード)を使用して光量を測定した。また、各実施例および比較例により得られたプラスチック光ファイバを、金属製半径1mmの棒に360°巻きつけ、同様に光量を測定した。曲げ状態の光量から初期の光量を差し引いた値を曲げ状態における透光損失とした。透光損失の数値がマイナスであることは、初期の光量に対して曲げ状態の光量が低下したことを意味する。
プラスチック光ファイバの透光損失:各実施例および比較例により得られたかせ巻きの状態の光ファイバについて、ハロゲンの平行光(波長650nm、入射NA=0.25)を入射し、入射部から5mの位置における光量A(dBm)と入射部から2mの位置における光量B(dBm)を測定し、(B-A)/(5-2)から、透光損失C(dB/m)を求めた。
各実施例および比較例に用いた材料を以下に示す。
コア材A:シクロオレフィンポリマー(商品名「1060R」、日本ゼオン(株)製)
コア材B:ポリカーボネート(商品名「LC1202」、出光興産(株)製)
コア材C:シクロオレフィンコポリマー(商品名「APL6011T」、三井化学(株)製)
コア材D:ポリメチルペンテン(商品名「DX820」、三井化学(株)製)
コア材E:環状オレフィンコポリマー(商品名「FBK80」JSR(株)製)
コア材F:ポリスチレン(商品名「PS679」、PSジャパン(株)製)
クラッド材A:フッ化ビニリデン18重量%/テトラフルオロエチレン62重量%/ヘキサフルオロプロピレン16重量%/パーフルオロプロピルビニルエーテル4重量%の共重合体
クラッド材B:エチレン20重量%/テトラフルオロエチレン54.5重量%/ヘキサフルオロプロピレン25重量%/フルオロビニル化合物(パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)0.5重量%の共重合体にカルボニル基を導入した化合物
クラッド材C:フッ化ビニリデン40重量%/テトラフルオロエチレン40重量%/ヘキサフルオロプロピレン20重量%の共重合体
クラッド材D:フッ化ビニリデン20重量%/テトラフルオロエチレン60重量%/ヘキサフルオロプロピレン20重量%の共重合体
クラッド材E:フッ化ビニリデン74.5重量%/テトラフルオロエチレン25.5重量%の共重合体。
[実施例1]
前記コア材A、最内層のクラッドとしてクラッド材Aおよび最外層のクラッドとしてクラッド材Bを複合紡糸機に供給し、温度250℃にてコア、クラッドを芯鞘複合溶融紡糸し、ファイバ径250μm(コア径:238μm、内層のクラッド厚み:3μm、第2クラッド厚み:3μm)、理論開口数0.72のプラスチック光ファイバ1を得た。得られたプラスチック光ファイバについて、前述の方法により評価した結果を表1に示す。
[実施例2~5、比較例1~5]
コア材とクラッド材を表1に記載のとおり変更した以外は、実施例1同様の方法でプラスチック光ファイバを作製し、前述の方法により評価した結果を表1に示す。
Figure 2022113969000001

Claims (11)

  1. コアと少なくとも1層のクラッドを有するプラスチック光ファイバであって、コアの曲げ弾性率X[GPa]と、最内層のクラッドの曲げ弾性率Y[MPa]が、X×Y≦100の関係を満たすプラスチック光ファイバ。
  2. 前記最内層のクラッドが、
    ヘキサフルオロプロピレン 10~30重量%
    テトラフルオロエチレン 45~75重量%
    フッ化ビニリデン 10~35重量%
    パーフルオロアルキルビニルエーテル 1~10重量%
    を共重合成分として含む共重合体を含む請求項1に記載のプラスチック光ファイバ。
  3. 前記コアのロックウエル硬度(Mスケール)Mが90以下である請求項1または2に記載のプラスチック光ファイバ。
  4. 前記クラッドのショアD硬度が50以下である請求項1~3のいずれかに記載のプラスチック光ファイバ。
  5. 前記コアの曲げ弾性率が2.8GPa以下である請求項1~4のいずれかに記載のプラスチック光ファイバ。
  6. 理論開口数が0.65以上である請求項1~5のいずれかに記載のプラスチック光ファイバ。
  7. クラッドを2層以上有し、最外層のクラッドが、エチレンおよびテトラフルオロエチレンを共重合成分として含む共重合体を含む請求項1~6にいずれかに記載のプラスチック光ファイバ。
  8. 請求項1~7のいずれかに記載の光ファイバを有する内視鏡照明用機器。
  9. 請求項1~7のいずれかに記載の光ファイバを眼科手術用照明として有する眼科手術照明用プローブ。
  10. 請求項1~7のいずれかに記載の光ファイバをカテーテル用照明または光センサーとして有する血管用カテーテル。
  11. 請求項1~7のいずれかに記載のプラスチック光ファイバの外層に、少なくとも1層の被覆層を有するプラスチック光ファイバコード。
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