JP2022112034A - 冷凍バリ取り装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バケットへの被処理物の投入や搬出を行う際の作業性に優れるとともに、装置の耐久性やメンテナンス性にも優れ、小型且つ低コストであって、冷却効率にも優れた冷凍バリ取り装置を提供する。【解決手段】冷媒によって冷却される処理室2と、処理室2の内部空間Dに配置されるとともに、被処理物が投入される投入口3aが開口して設けられ、内部に被処理物を収容するバケット3と、被処理物に向けてショット材を投射するショット機4と、処理室2の開口部21を開閉する扉5と、バケット3に接続されて該バケット3を回転させる回転軸81を有し、扉に取り付けられたモータ8と、を備え、さらに、扉5の開閉動作に連動して作動することにより、バケット3及びモータ8の位置及び向きを変更する移動機構9を有する。【選択図】図3

Description

本発明は、冷凍バリ取り装置に関するものである。
従来、樹脂製品や金属製品等(以下、被処理物と称する場合がある。)のバリを除去する装置として、例えば、冷凍した処理室内に配置されたバケット中に被処理物を投入し、ばバケットを回転させながら被処理物に向けてショット材を投射することにより、バリ取りを行う冷凍バリ取り装置が提案されている(例えば、特許文献1,2を参照)。
上記のような冷凍バリ取り装置は、冷凍設備によって処理室内を冷却し、回転するバケットに収容された被処理物を冷却しながら、被処理物に向けてショット材を投射して、加工過程で被処理物に残存したバリを除去する。
また、冷凍バリ取り装置は、処理室の前面側に開閉可能な扉が配置され、この扉を開放することで、バケットへの被処理物の投入、並びに、バリ取りが完了した被処理物の装置外への搬出を実施するとともに、被処理物のバリ取り処理中は、扉を閉めて処理室内を密閉することで、被処理物の冷却効率を高めることが可能な構成とされている。
また、従来の冷凍バリ取り装置においては、バケットの支持部が、処理室の内壁や装置の筐体等に固定されており、被処理物の材質が異なる場合においても、同じバケットを用いてバリ取り処理を行うように構成されている。
特開2013-86215号公報 特開平7-100767号公報
特許文献1,2に記載されたような従来の冷凍バリ取り装置においては、バケットへの被処理物の投入や搬出を行うために、バケットの向きを都度変更するための揺動機構が必要となることから、この揺動機構の耐久性やメンテナンス性の面で改善の余地があった。
また、上記の揺動機構を設けた場合には、装置が大型化するとともに、装置コストも増大するという問題があった。
さらに、上記構成においては、扉を開放した後に、作業者がバケットを扉側に揺動させる操作が必要となることから、処理室の内部空間を大気に開放する時間が長くなり、処理室を冷却する冷媒の消費量が多くなるため、運転コストが増大するという問題があった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、バケットへの被処理物の投入や搬出を行う際の作業性に優れるとともに、装置の耐久性やメンテナンス性にも優れ、小型且つ低コストであって、冷却効率にも優れた冷凍バリ取り装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記問題を解決するために鋭意検討を重ねた。この結果、扉の開閉動作に連動して作動することでバケットの投入口の配置変更を行う移動機構を採用することで、バケットへの被処理物の投入や搬出を行う際の優れた作業性が得られ、冷却効率も向上するとともに、装置の耐久性やメンテナンス性も向上することを見いだし、本発明を完成させた。
即ち、請求項1に係る発明は、冷媒によって冷却される処理室と、前記処理室の内部空間に配置されるとともに、被処理物が投入される投入口が開口して設けられ、内部に被処理物を収容するバケットと、前記被処理物に向けてショット材を投射するショット機と、前記処理室の開口部を開閉する扉と、前記バケットに接続されて該バケットを回転させる回転軸を有し、前記扉に取り付けられたモータと、を備え、さらに、前記扉の開閉動作に連動して作動することにより、前記バケット及び前記モータの位置及び向きのうちの少なくとも何れかを変更する移動機構を有することを特徴とする冷凍バリ取り装置を提供する。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の冷凍バリ取り装置であって、前記移動機構は、前記扉が前記開口部を覆って閉じているときは、前記バケットの前記投入口が前記開口部と反対側に位置するように前記バケット及び前記モータを配置し、前記扉が前記開口部を開放しているときは、前記バケットの前記投入口が前記開口部側に位置するように前記バケット及び前記モータを配置する移動機構を有することを特徴とする冷凍バリ取り装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の冷凍バリ取り装置であって、前記扉が、前記処理室の前記開口部に対してプルダウン方式で開閉する構造を有していることを特徴とする冷凍バリ取り装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1~請求項3の何れか一項に記載の冷凍バリ取り装置であって、さらに、前記モータにおける前記回転軸の先端にバケット保持部が設けられ、前記バケットが、前記バケット保持部に対して、該バケット保持部のバケット挿入口から着脱自在に取り付けられていることを特徴とする冷凍バリ取り装置である。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の冷凍バリ取り装置であって、前記扉が前記開口部を開放しているとき、前記バケット保持部の前記バケット挿入口が、前記処理室の前記開口部と対向しない方向を向いて配置されることを特徴とする冷凍バリ取り装置である。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の冷凍バリ取り装置であって、前記扉が前記開口部を開放しているとき、前記バケット保持部の前記バケット挿入口が鉛直上方を向いて配置されることを特徴とする冷凍バリ取り装置である。
請求項7に係る発明は、請求項1~請求項6の何れか一項に記載の冷凍バリ取り装置であって、前記扉が前記開口部を覆って閉じているとき、前記バケットの投入部と、前記ショット機における投射口とが対向するように配置されることを特徴とする冷凍バリ取り装置である。
本発明に係る冷凍バリ取り装置によれば、扉の開閉動作に連動して作動することにより、前記バケット及び前記モータの位置及び向きのうちの少なくとも何れかを変更する移動機構を有する構成を採用している。
本発明によれば、上記のような構成を採用することで、扉の開閉とバケットの移動を同時に行うことができるので、処理室を解放する時間が短縮されるため、処理室の温度上昇が抑制され、冷媒の消費量を削減できる。
また、従来のようなバケットの揺動機構が不要となるので、装置全体を小型化することができ、装置の設置面積を削減できるとともに、構造がシンプルになることから、耐久性やメンテナンス性も向上する。さらに、処理室をコンパクトに構成できるので冷却効率も向上する。
従って、バケットへの被処理物の投入や搬出を行う際の作業性に優れるとともに、装置の耐久性やメンテナンス性にも優れ、冷却効率にも優れた冷凍バリ取り装置を、小型且つ低コストで実現できる。
本発明の一実施形態である冷凍バリ取り装置について模式的に説明する図であり、冷凍バリ取り装置全体の外観を示す斜視図である。 本発明の一実施形態である冷凍バリ取り装置について模式的に説明する図であり、冷凍バリ取り装置の内部構成を示す破断図で、扉を閉めて処理室の開口部を覆った状態を示す図である。 本発明の一実施形態である冷凍バリ取り装置について模式的に説明する図であり、冷凍バリ取り装置の内部構成を示す破断図で、扉を空けて処理室の開口部を開放した状態を示す図である。 本発明の一実施形態である冷凍バリ取り装置について模式的に説明する図であり、バケットの取り付け構造を示す要部拡大図である。 本発明の一実施形態である冷凍バリ取り装置について模式的に説明する図であり、バケットが取り付けられるバケット保持部の構造を示す要部拡大図である。 本発明の一実施形態である冷凍バリ取り装置について模式的に説明する図であり、モータとバケットとの組付構造の他の例を示す破断図である。
以下、本発明を適用した一実施形態である冷凍バリ取り装置について、図1~図5を適宜参照しながら説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするため、便宜上、特徴となる部分を拡大あるいは簡略化して示している場合がある。また、以下の説明において例示される材料等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本実施形態の冷凍バリ取り装置1によってバリ取り処理が施される被処理物Mとしては、特に限定されないが、例えば、プラスチック成型品やゴム成型品等のような樹脂製品、又は、ダイカスト成型品等の金属製品が挙げられる。
<冷凍バリ取り装置の構成>
以下、本実施形態の冷凍バリ取り装置について詳述する。
図1は、本実施形態の冷凍バリ取り装置1の全体の外観を示す斜視図である。図2及び図3は、冷凍バリ取り装置1の側方から見た内部構成を示す破断図で、図2は、扉を閉めて処理室の開口部を覆った状態を示す図であり、図3は、扉を空けて処理室の開口部を開放した状態を示す図である。図4Aは、バケットの取り付け構造を示す要部拡大図であり、図4Bは、バケットが取り付けられるバケット保持部の構造を示す要部拡大図である。また、図5は、モータとバケットとの組付構造の他の例を示す破断図である。
本実施形態の冷凍バリ取り装置1は、図視略の冷媒によって冷却される処理室2と、処理室2の内部空間Dに配置されるとともに、被処理物Mが投入される投入口3aが開口して設けられ、内部に被処理物Mを収容するバケット3と、被処理物Mに向けてショット材Sを投射するショット機4と、処理室2の開口部21を開閉する扉5と、バケット3に接続されて該バケット3を回転させる回転軸81を有し、扉5に取り付けられたモータ8と、を備え、概略構成される。
そして、本実施形態の冷凍バリ取り装置1は、さらに、扉5の開閉動作に連動して作動することにより、バケット3及びモータ8の位置及び向きのうちの少なくとも何れかを変更する移動機構9を有する。
また、本実施形態の冷凍バリ取り装置1には、上記の各構成に加え、さらに、排気部11と、制御パネル12とが備えられている。
上記の各構成要素は、冷凍バリ取り装置1全体の枠組体となる筐体10に組み付けられるか、あるいは、筐体10に収容されるように備えられる。
本実施形態の冷凍バリ取り装置1は、上記の移動機構9により、例えば、扉5が開口部21を覆って閉じているときは、バケット3の投入口3aが開口部21と反対側に位置するようにバケット3及びモータ8を配置し、扉5が開口部21を開放しているときは、バケット3の投入口3aが開口部21側に位置するようにバケット3及びモータ8を配置することができるものである。なお、本明細書で説明する開口部21の反対側とは、開口部21に対して、冷凍バリ取り装置1の内部側を意味する。また、開口部21側とは、開口部21に対して、冷凍バリ取り装置1の外部側を意味する。
処理室2は、内部に備えられるバケット3に収容された被処理物Mを冷凍しながら、内部空間Dで被処理物Mのバリ取り処理を実施するものである。
処理室2は、例えば、ステンレス材料からなる内壁板と外壁板との間に発泡スチレンやフォーミング材等の断熱材が介装され、断熱構造を有した複合板2Aによって、図2等に示すような内部空間Dが確保された構成を採用できる。
処理室2には、冷凍バリ取り装置1の前面側に開口した開口部21が設けられ、この開口部21からバケット3が外部に露出することで、バケット3に収容するバリ取り処理前の被処理物Mの搬入、並びに、バリ取り処理が完了した被処理物Mの搬出が可能な構成とされている。即ち、図示例においては、開口部21が、扉5によって開閉可能に覆われており、バケット3への被処理物Mの搬入又は搬出を行う際に、扉5を開閉できるように構成されている。
また、処理室2における開口部21の平面視で外側には、平面視囲繞形状で図視略のプレートが配置されており、このプレートの表面には、後述のシール固定板及びボルトによって図視略のシール材が固定されている。
処理室2の底部側は、排出孔24を有したホッパ25とされており、排出孔24から、被処理物Mから除去された図視略のバリ等の廃棄物、及び、使用したショット材Sの両方を、後述の選別器7に向けて送り込むことが可能な構造とされている。
処理室2には、冷媒供給部28が接続されており、この、冷媒供給部28から処理室2の内部に向けて冷媒を供給することで、処理室2(内部空間D)が冷却される構成とされている。冷媒供給部28としては、例えば、冷媒を貯留するタンクに加え、バルブ28bが介装された冷媒供給管28aと、処理室2内の温度を測定する図視略の温度センサと、該温度センサからの指令によってバルブ28bを開閉操作させ、冷媒の供給量を調整する制御部と、処理室2の内部空間Dに向けて冷媒を噴出するノズル28cとからなるものを採用できる。
上記の冷媒供給部28は、温度センサで測定された処理室2の温度に応じてバルブ28bが自動的に開閉されることで、処理室2の温度を自動調整できる。このような処理室2の温度の調整は、例えば、制御パネル12を操作することで冷却温度を設定することで、図視略の制御手段によって行われる。
処理室2の冷却、ひいては被処理物Mの冷却に用いる冷媒としては、被処理物Mを脆化温度以下に冷却でき、且つ、不活性な物質を使用することができ、例えば、液化窒素、液化炭酸ガス等の液化不活性ガスからなる冷媒が挙げられる。
さらに、本実施形態では、処理室2内で発生した冷媒を含む気化ガスを大気中に放出するための配管からなる排気部11を備えた構成を採用できる。排気部11としては、排気管に加え、さらに、大気の処理室2内への流入を制限する図視略のダンパと、処理室2内で発生した塵埃を集塵する図視略の集塵機とを備えた構成を採用できる。
バケット3は、上述したように、処理室2内に設置され、内部に被処理物Mを収容しながら軸方向で回転する筒状の籠状部材からなる。バケット3の材料には、例えば、詳細を後述するショット機4から投射されるショット材Sが通過可能な透孔を有する多孔板等が用いられる。
モータ8は、バケット3を回転させる駆動源であり、回転軸81にバケット3が取り付けられていることで、バケット3を軸方向で正逆転方向に回転させる。図2中に示す例では、モータ8は、扉5の処理室2側と外部(大気)側を跨ぐように、且つ、回転軸81が処理室2側を向くように配置されている。
図2及び図3等に示す例では、モータ8の回転軸81の先端81aに筒状のバケット保持部31が取り付けられている。バケット保持部31のバケット挿入口31aにバケット3が挿入されることで、バケット3がバケット保持部31に対して着脱自在に取り付けられている。これにより、本実施形態では、扉5を閉めた状態において、モータ8、バケット保持部31及びバケット3が、処理室2の内部空間D内に浮かぶように設置されている。
バケット保持部31に対するバケット3の保持方法としては、特に限定されないが、例えば、バケット3を筒状のバケット保持部31内に挿入する方法の他、バケット3を筒状のバケット保持部31内に挿入して嵌合する方法、複数の金具等によってバケット3をバケット保持部31に固定する方法を採用できる。バケット3を筒状のバケット保持部31内に挿入する方法を採用する場合、バケット保持部31に挿入される部分のバケット3の外径は、バケット保持部31の内径よりも小さい径とする。これにより、作業者がバケット3を容易に脱着することが可能となる。
なお、バケット3の保持方法は、図示例のような、バケット保持部31に着脱可能に保持される方法には限定されず、例えば、モータ8の回転軸81の先端81aに、バケット3を直接取り付けることも可能である。
上記のように、バケット3が着脱可能に構成されることで、被処理物Mの種類に適した形状、材質のバケット3を用いてバリ取りを行うことができるので、効率的な処理が可能になる。
また、被処理物Mをバケット3に収容した状態で、バケット保持部31にバケット3を挿入、脱着できるので、被処理物Mの紛失や、落下等による汚損を防止することが可能になる。
また、被処理物Mを、バケット3に収容した状態で管理できるため、工程において、誤って別製品が混入するのを防止することが可能になる。
図2及び図3に示すように、本実施形態の冷凍バリ取り装置1に備えられるバケット3は、詳細を後述する移動機構9により、後述のモータ8とともに扉5に支持されている。また、バケット3は、移動機構9によって扉5の開閉動作に連動して作動することで、扉5が開口部21を覆って閉じているときは、バケット3の投入口3aが処理室2の開口部21と反対側に位置するように、モータ8とともに配置される。一方、扉5が開口部21を開放しているときは、バケット3の投入口3aが開口部21側に位置するように、モータ8とともに配置される。
図3に示す例においては、バケット3及びモータ8は、扉5が開口部21を開放しているとき、移動機構9によって処理室2の外部に位置するように配置されている。即ち、図示例では、バケット3は、扉5を開放しているとき、バケット保持部31のバケット挿入口31aが鉛直上方を向いて配置される。
図4A及び図4Bに示すように、バケット保持部31は、金属製の棒材からなる保持フレーム31bと、該保持フレーム31bとモータ8の回転軸81とを連結する連結体31cとから構成される。バケット保持部31の内径、即ち、投入口3aの内径は、バケット3の外径よりも大きく構成され、また、保持フレーム31bの高さは、筒状とされたバケット3の軸方向高さに対して概略半分程度とされている。また、バケット保持部31に開口領域31dが設けられ、ショット材Sやバリがバケット3を通過しやすい構成とされている。
また、本実施形態におけるバケット3には、投入口3aを覆うように蓋33が備えられ、この蓋33が、詳細を後述するショット機4の投射口4aと対向するように配置される。本実施形態においては、被処理物Mを収容するバケット3と蓋33とが、締結部34によって開閉可能に締結されている。また、バケット3には、ショット材Sが通過でき、且つ、被処理物Mが漏れない程度の大きさを有する複数の透孔が設けられている。さらに、バケット3の内部には、図視略の攪拌翼が、少なくとも1つ以上で配置され、且つ、攪拌翼が複数である場合には均等な距離で配置されている。
扉5は、処理室2の開口部21を開閉するものであり、例えば、図視略の蝶番部材によって開閉自在に構成される。即ち、扉5は、被処理物Mをバケット3内に搬入あるいは搬出する際に、作業者あるいは図視略の自動開閉機構によって開閉動作が行われる。扉5は、処理室2内で被処理物Mにバリ取り処理を施す際、処理室2の開口部21を覆うことで内部空間D並びに被処理物Mの冷却効率を向上させることにより、効果的なバリ取り処理が可能になるという効果を奏する。
また、本実施形態で説明する扉5は、処理室の前記開口部に対して、所謂プルダウン方式で開閉する構造を有している。即ち、扉5は、下端5bが蝶番51によって筐体10に固定され、また、左右の両端5c、5dがスライドレール52及びダンパ53を介して筐体10に固定されていることで、上端5aが揺動して扉5の開閉を行うことが可能な構成とされている。
図1及び図3に示すように、移動機構9は、レバー91と、スライドレール92と、ダンパ93とを有する。
レバー91は、扉5の下側に設けられた蝶番51と反対側、即ち、扉5の上側における両側の2箇所に設けられ、扉5と筐体10との間を着脱可能に固定できる構造を備える。
冷凍バリ取り装置1において、例えば、扉5を開放状態とする場合には、レバー91を操作して扉5と筐体10との間の固定状態を解消させることで、扉5が蝶番51を支点に回動して開放方向に移動可能となる。一方、扉5を閉じる場合には、蝶番51を支点に扉5を回動させ、開口部21を覆う方向に移動させることで、レバー91の固定構造によって扉5と筐体10とを固定する。
スライドレール92は、扉5における鉛直方向で概略中間の位置で、扉5の両側に設けられ、扉5が所定の角度以上で開放されないように筐体10に対して固定しながら、且つ、扉5を開放自在に支持する構造を備える。
スライドレール92は、詳細な図示を省略するが、例えば、長尺板状の金具と、その両端を扉5又は筐体10に支持するボルトとからなり、上記の金具に長尺方向に沿って形成された長孔に、ボルトが隙間を有して緩く介挿されることで、ボルトが長孔に沿って移動可能に構成される。これにより、スライドレール92は、扉5の開放角度を制限しながら、扉5を筐体10に対して固定するとともに、扉5を開放自在に支持する。
ダンパ93は、扉5の下側における両側、即ち、蝶番51の側方の2箇所に設けられ、スライドレール92と同様、扉5を、その開放角度を制限しながら筐体10に対して固定し、且つ、扉5を開放自在に支持するとともに、扉5を所望の位置で一時的に停止させることが可能なダンパ機能を有する。
ダンパ93は、例えば、介挿状態でスライド可能な大径部と小径部とからなり、作動油等を用いることで、ダンパ機能を有するとともに、伸縮自在とされたものを使用できる。
そして、本実施形態においては、図2に示すように、上記構成の移動機構9を備えるとともに、扉5に対して、モータ8、バケット保持部31並びにバケット3が所定の角度αで取り付けられていることで、バケット3及びモータ8の位置及び向きの両方が、扉5の開閉動作に連動して作動する。
即ち、図2に示すように、扉5が開口部21を覆って閉じているときは、バケット3の投入口3a及び蓋33が開口部21と反対側に位置するようにバケット3及びモータ8を配置する。このように、扉5が閉じているときは、バケット3の投入口3a及び蓋33が、ショット機4の投射口4aと相対するように配置されることで、ショット材Sによる被処理物Mのバリ取りを効率よく行うことが可能となる。
一方、図3に示すように、扉5が開口部21を開放しているときは、バケット3の投入口3aが、蓋33を取り外した状態で開口部21側に位置するようにバケット3及びモータ8を配置する。即ち、扉5が開放しているときは、バケット3及びモータ8が処理室2の外部に移動し、バケット3の投入口3a及び蓋33が鉛直上方を向くように配置されることで、バケット3のバケット保持部31への着脱や、蓋33の取り外し、あるいは被処理物Mの搬入及び搬出等を容易に行うことが可能となる。
図2に示した断面図のように、扉5を閉めた状態における、扉5の垂直方向に沿った線L1とバケット保持部31の中心軸線L2とがなす角度αは、バケット3がバケット保持部31から脱落しない程度の角度に設定することが好ましい。上記の角度αの好ましい反意は、バケット3の保持性並びにバリ取り効率を考慮した場合、下限は40°であり、上限は90°(水平)である。ここで、被処理物Mの撹拌効率が高められ、効率的にバリの除去が可能になる観点からは、上記の角度αは水平(90°)に近づくほど好ましいが、バケット3の保持性及びバリ取り効率を両立させる観点からは、上記の角度αを50~60°程度とすることがより好ましい。
図3に示した断面図のように、移動機構9を構成するレバー91のロックを解除することで、スライドレール92が伸びるとともに、ダンパ93が縮み、扉5を開放することができる。
一方、図2中においては移動機構の図示を省略しているが、扉5を閉めた状態とした場合には、スライドレールが縮むとともに、ダンパが伸びた状態となる。
なお、上記のようなプルダウン方式で開閉する構造を有する扉5の開閉角度は、特に限定されないが、バケット3の蓋33が、筐体10や処理室2の内壁等に対向しない状態、即ち、バケット3が起き上がり、投入口3a及び蓋33が上方に配置されるような角度が好ましい。また、バケット3のバケット保持部31に対する着脱のし易さを考慮し、バケット3の中心軸が鉛直上方を向くような角度であることがより好ましい。
本実施形態においては、扉5が開口部21を開放しているとき、バケット保持部31のバケット挿入口31aが、処理室2の開口部21と対向しない方向を向いて配置されることが好ましい。
さらに、本実施形態では、図3に示す例のように、扉5が開口部21を開放しているとき、バケット保持部31のバケット挿入口31aが鉛直上方を向いて配置されることがより好ましい。
このように、扉5が開いているときの、バケット保持部31のバケット挿入口31aの開口方向や位置を最適化することにより、バケット3が、処理室2の内壁や筐体10等に接触・衝突し難くなるので、処理室2の内部空間Dへのバケット3の搬入や搬出が容易になる。
また、バケット保持部31のバケット挿入口31aが鉛直上方を向いていることで、バケット3をバケット保持部31に着脱するときの作業性が向上する。
また、扉5を開放したとき、作業者が、扉5、モータ8、バケット保持部31及びバケット3の両側(左右側)に立って作業することができるので、作業者が作業環境に応じて作業位置を選択することができることから、作業性がより向上する効果が得られる。さらに、バケット保持部31のバケット挿入口31aが鉛直上方を向いていることで、場所を有効活用しながら工程上の作業ラインを構築することが可能になる。
選別器7は、処理室2に備えられたホッパ25(排出孔24)から下方に落下するバリ等の廃棄物を含んだ状態のショット材Sを、このショット材Sよりもサイズが大きなバリ、ショット材S、及びショット材Sよりもサイズが小さなバリに選別する。
具体的には、図2等に示す選別器7は、詳細な図示を省略するが、大バリ収納タンクを備える大バリ選別用振動篩と、ショット材貯槽73及び小バリ収納タンクを有するショット材選別用振動篩を備えた選別部とを備える。
選別器7は、上記構成により、処理室2からホッパ25を介して落下排出される、バリ等の廃棄物を含んだ状態のショット材Sを、外気に触れることなく選別する。
ショット機4は、上述したように、被処理物Mに向けてショット材Sを投射する。
具体的には、ショット機4は、上述した選別器7に備えられるショット材貯槽73内に収容されたショット材Sを、インペラ42の回転によって吸引ホース41で吸引し、バケット3内に向けて投射する。バリを有する被処理物Mは、ショット材Sの投射に伴う衝撃により、バリが除去される。
ショット機4のケース体には、断熱構造のものを使用することができる。
また、ショット機4によって投射されるショット材Sとしては、一般的なプラスチック材料からなるものが用いられる。
また、本実施形態においては、扉5が開口部21を覆って閉じているとき、バケット3の投入口3aと、ショット機4における投射口4aとが対向するように配置されることがより好ましい。
このように、バケット3の投入口3aと、ショット機4の投射口4aとが対向することで、被処理物Mに対してショット材Sを効率的に投射できるので、効率的なバリ取り処理が可能となる。
本実施形態の冷凍バリ取り装置1の各部材に用いられる材料としては、特に限定されず、適宜選択することが可能である。例えば、本実施形態の冷凍バリ取り装置1が、処理室2及び被処理物M等を冷却し、さらに、その周辺部材も冷却されるであろうことを考慮すると、各部材の材料には、強度、防錆性及び耐低温特性等の観点から、ステンレス材料を用いることが好ましい。
なお、本実施形態の冷凍バリ取り装置1においては、扉5によって開口部21が覆われた処理室2(内部空間D)の密閉性を高めるため、図視略のシール材を設けることができる。シール材は、例えば、処理室2の開口部21を取り囲むように配置される図視略のフレームに沿って設置され、全体として平面視で囲繞形状となるように配置される長尺の部材からなる。シール材は、例えば、図視略のフレームに接着されるか、あるいは、フレームとシール固定板との間に狭持されることで、フレームに固定することができる。
シール材は、処理室2の開口部21を扉5で覆ったとき、扉5と図視略のフレームとの間で圧縮されることで、扉5と開口部21との間をシールする作用が得られるものである。
シール材は、長尺状、例えば、平面視で紐状に構成され、耐寒性(耐低温性)に優れる弾性体材料からなる。このようなシール材を構成する弾性体材料としては、特に限定されないが、ニトリルゴムやシリコーンゴム等のゴム材料が挙げられる。
また、シール材は、例えば、長手方向に沿った中空構造とされているとともに、その表面に、シール材の長手方向で連続するように長尺に形成された複数の突起を設けた構成とすることで、扉5を閉めた際にシール材が圧縮され、処理室2(内部空間D)の密閉性をより高めることが可能となる。
また、シール材は、処理室2の開口部21に沿って完全に繋がった平面視囲繞形状であってもよいが、例えば、長手方向の少なくとも一部が分割された、複数の部材からなるシール材としてもよい。このように、シール材を複数の部材に分割することで、開口部21の周囲に配置されたフレームにシール材を固定する際の作業性が向上する効果が得られる。また、処理室2の形状に沿うように変形させた部分から、シール材を段階的に固定できるので、シール材の設置作業が容易になる。また、シール材を紐状として平面視囲繞形状に配置することで、シール材を特注仕様とすることなく、処理室2の開口部21に応じた形状に形成することができるので、冷凍バリ取り装置1のコストダウンが可能となる。
また、図示を省略するが、シール材は、例えば、中空構造の内部にヒータが設置された構成を採用することも可能である。シール材にヒータを設置することにより、例えば、処理室2の内部空間Dが所定の温度まで低下したときに、通電加熱により、シール材が硬化するのを抑制する。
一般的に、シール材には、上述したようなゴム等の樹脂材料が用いられるが、このような材料は、冷却によって弾性を失い、シール性やシール耐久性が低下する傾向がある。シール材の内部にヒータを設けた構成を採用することにより、シール材の温度が低下するのを防止できるので、シール性及びシール耐久性が向上する顕著な効果が得られる。
なお、上述した「平面視囲繞形状」とは、平面視で中心方向を囲むように長尺で配置、形成された形状を含み、例えば、平面視で矩形状や環状の他、これらの中間的な形状も含むものである。
<冷凍バリ取り装置の運転方法>
次に、上述した本実施形態の冷凍バリ取り装置1を用いて被処理物Mのバリ取り処理を行う手順について、上記と同じ図面を参照しながら説明する。
まず、制御パネル12を操作し、処理室2に向けて、冷媒供給部28から液体窒素等の冷媒を供給して内部空間Dの冷却を開始し、所望の温度に冷却する。この際の冷却温度は、被処理物Mが脆化する温度以下とする。被処理物Mが樹脂やゴムからなる場合には、ガラス転移温度以下に冷却することが好ましいが、脆化温度以上の冷却温度であってもよい。
処理室2が十分に冷却された後、レバー91のロックを解除して扉5を開放することで処理室2の開口部21を開放した状態とする。この際、バケット保持部31は、バケット挿入口31aが鉛直上方を向いた状態で、処理室2の外部に搬出された状態となる。
そして、予め被処理物Mが収容されたバケット3をバケット保持部31にセットし、扉5を閉めて開口部21を覆う。このとき、バケット3の投入口3a側が、ショット機4の投射口4aと相対するように配置される。
次いで、被処理物Mの温度が脆化温度以下になった後、所定の回転速度でショット機4に備えられるインペラ42を回転させる。これにより、ショット材Sがショット材貯槽73から吸引ホース41を介して吸い上げられ、投射口4aからバケット3に向けて投射される。このとき、ショット材Sは、バケット3に形成された透孔を通過して被処理物Mに衝突し、この被処理物Mのバリが除去される。また、バケット3が、モータ8の回転によって所定の速度で回転するのに伴い、内部に収容された被処理物Mが、図視略の攪拌翼によって攪拌される。
ショット機4で投射されたショット材Sと、被処理物Mから除去されたバリは、ホッパ25から選別器7に向けて落下し、選別器7に備えられる図視略の大バリ選別用振動篩において、大きなバリを大バリ収納タンクへ回収する。一方、大バリ選別用振動篩を通過したショット材Sや小さなバリは、図視略のショット材選別用振動篩においてショット材Sと小さなバリに選別し、ショット材Sをショット材貯槽73へ、小さなバリを図視略の小バリ収納タンクへ収納する。
上記のような、篩を備える各選別手段としては、公知のものを何ら制限無く用いることができる。
上記の手順により、ショット材Sは、ショット材貯槽73、吸引ホース41、ショット機4、処理室2、ホッパ25及び選別器7の間で循環して使用され、ショット機4及び選別器7が連動して作動するので、ショット材Sが経路中に滞留することなく、高効率で処理できる。
ショット材Sの投射により、バケット3内の被処理物Mからバリが除去された後、ショット機4,選別器7(ショット材貯槽73を含む)の駆動を停止させる。
次いで、レバー91のロックを解除して扉5を開放することで、再び、処理室2の開口部21が開放した状態とする。この際、バケット保持部31は、バケット3を取り付けるときと同様、バケット挿入口31aが鉛直上方を向いた状態で、モータ8及びバケット3とともに処理室2の外部に搬出された状態となる。
次いで、バリ取り処理が終了した被処理物Mが収容されたバケット3をバケット保持部31から取り外す。
次に、バケット保持部31から取り外したバケット3内から、バリが除去された被処理物Mを取り出した後、次にバリ取り処理を予定する被処理物Mをバケット3内に収容する。
次いで、新たに被処理物Mが収容されたバケット3を、再びバケット保持部31にセットした後、扉5を閉めて開口部21を覆う。
次いで、上記同様、被処理物Mの温度が脆化温度以下になった後、所定の回転速度でショット機4に備えられるインペラ42を回転させることで、ショット材Sをバケット3に向けて投射することで、バケット3に収容された被処理物Mのバリ取り処理を行う。
これにより、上記同様のバリ取り処理作業を繰り返すことができる。
以下に、本実施形態の冷凍バリ取り装置1によって得られる作用効果について、より詳細に説明する。
本実施形態の冷凍バリ取り装置1によれば、まず、扉5の開閉とバケット3の移動が連動することにより、扉5の開閉とバケット3の移動を同時に行うことができる。これにより、処理室2の内部空間Dを解放する時間が短縮されるので、処理室2の温度上昇が抑制され、冷媒の消費量を削減できる効果が得られる。
また、従来の装置に用いられていたバケットの揺動機構が不要となるので、装置全体をコンパクトに構成することができ、設置面積を削減できるとともに、全体構造がシンプルになるので、耐久性やメンテナンス性も向上する。
さらに、処理室2をコンパクトに構成できるので、冷却効率が向上する効果も得られる。
また、本実施形態の冷凍バリ取り装置1によれば、バケット3が着脱可能に構成されることで、被処理物Mの種類に適した形状、材質のバケット3を用いてバリ取りを行うことができるので、効率的な処理が可能になる。また、被処理物Mをバケット3に収容した状態で、バケット保持部31にバケット3を挿入、脱着できるので、被処理物Mの紛失や、落下等による汚損を防止することが可能になる。また、被処理物Mを、バケット3に収容した状態で管理できるため、工程において、誤って別製品が混入するのを防止することが可能になる。
また、本実施形態によれば、扉5が開口部21を開放しているとき、バケット保持部31のバケット挿入口31aが、処理室2の開口部21と対向しない方向を向いて配置され、特に、バケット保持部31のバケット挿入口31aが鉛直上方を向いて配置されることにより、バケット3が、処理室2の内壁や筐体10等に接触・衝突し難くなるので、処理室2の内部空間Dへのバケット3の搬入や搬出が容易になる。また、バケット保持部31のバケット挿入口31aが鉛直上方を向いていることで、バケット3をバケット保持部31に着脱するときの作業性が向上する。また、扉5を開放したとき、作業者が、扉5、モータ8、バケット保持部31及びバケット3の両側(左右側)に立って作業することができるので、作業者が作業環境に応じて作業位置を選択することができることから、作業性がより向上する効果が得られる。さらに、バケット保持部31のバケット挿入口31aが鉛直上方を向いていることで、場所を有効活用しながら工程上の作業ラインを構築することが可能になる。
さらに、本実施形態によれば、扉5が閉じているとき、バケット3の投入口3a及び蓋33が、ショット機4の投射口4aと相対するように配置されることで、ショット材Sによる被処理物Mのバリ取りを効率よく行うことが可能となる。
<その他の形態>
以上、実施形態により、本発明に係る冷凍バリ取り装置の一例を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記の実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
図5は、本発明の変形例である冷凍バリ取り装置100を概略で示す破断図である。
冷凍バリ取り装置100は、モータ8が、冷凍バリ取り装置100の外部における扉5の表面に設置されており、且つ、図視略の回転軸が鉛直下方を向いているとともに、この回転軸から回転が伝達されるギアボックス32が取り付けられている点で、図1~図3等に示す冷凍バリ取り装置1とは異なる。
冷凍バリ取り装置100は、モータ8の回転が、ギアボックス32を介してバケット保持部31に伝達され、バケット3を回転させてことが可能な構成とされている。
即ち、図5に示すように、冷凍バリ取り装置100には、処理室2の外部であって扉5の表面に設置されたギアボックス32から、所定の角度で処理室2内に入り込むように設けられる回転軸ケース32aが備えられる。そして、この回転軸ケース32aの先端から突出するように設けられ、モータ8の回転を伝達する出力軸32bにバケット保持部31が取り付けられている。
ギアボックス32の内部には、詳細な図示を省略するが、モータ8の回転軸から回転が伝達される図視略の複数のギアが備えられ、これら複数のギアにより、回転の伝達方向を変更しながら回転数の減速等を行い、出力軸32bを回転させる。
上述した変形例である冷凍バリ取り装置100の構成によれば、モータ8よりも断面積が小さいギアボックス32を介して動力(回転)を伝達するため、外部から処理室2に熱が流入するのを抑制することが可能になる。
また、モータ8が扉5の表面、即ち外部の大気側に設置されることで、モータ8が発生する熱が大気側に放出されるため、処理室2の温度が上昇するのを抑制できる。
従って、処理室2(内部空間D)の冷却効率が向上するので、冷媒供給部28から供給する冷媒の消費量を低減することができ、運転コストの低減が可能となる。
また、上述した変形例の冷凍バリ取り装置100の構成を採用した場合においても、上述した冷凍バリ取り装置1と同様、被処理物Mの投入や搬出を行う際の作業性に優れ、処理室2を解放する時間を短縮できることから処理室2の温度上昇が抑制され、冷媒の消費量を削減できる効果が得られる。また、装置の耐久性やメンテナンス性、冷却効率にも優れ、小型化や製造コストの削減も可能となる。
また、本実施形態においては、扉5の下側に設けられた蝶番51を支点に扉5が開閉動作を行う、所謂プルダウン方式とされた例を挙げて説明しているが、これには限定されない。扉の開閉構造としては、例えば、扉の左右の何れかの側に蝶番が設けられた片開き方式の構造を採用してもよいし、あるいは、モータ8やバケット保持部31及びバケット3の取り付け形態を最適化することで、両開き方式、即ち、所謂観音開き構造を採用しても構わない。
上記の何れの開閉構造を扉に採用した場合であっても、上述した本実施形態の冷凍バリ取り装置1,100と同様の効果が得られる。
<作用効果>
以上説明したように、本実施形態の冷凍バリ取り装置1によれば、扉5の開閉動作に連動して作動することにより、バケット3及びモータ8の位置及び向きのうちの少なくとも何れかを変更する移動機構9を有する構成を採用している。
本実施形態では、上記のような構成を採用することで、扉5の開閉とバケット3の移動を同時に行うことができるので、処理室2を解放する時間が短縮されるため、処理室2の温度上昇が抑制され、冷媒の消費量を削減できる。
また、従来のようなバケットの揺動機構が不要となるので、装置全体を小型化することができ、装置の設置面積を削減できるとともに、構造がシンプルになることから、耐久性やメンテナンス性も向上する。さらに、処理室2をコンパクトに構成できるので冷却効率も向上する。
従って、バケット3への被処理物Mの投入や搬出を行う際の作業性に優れるとともに、装置の耐久性やメンテナンス性にも優れ、冷却効率にも優れた冷凍バリ取り装置1を、小型且つ低コストで実現できる。
本発明の冷凍バリ取り装置は、上記のように、バケットへの被処理物の投入や搬出を行う際の作業性に優れるとともに、装置の耐久性やメンテナンス性にも優れ、小型且つ低コストであって、冷却効率にも優れるとというものである。従って、本発明は、例えば、ショットブラスト方式により、樹脂製品や金属製品等の被処理物からバリを除去する装置、並びに、その装置を用いた工程において極めて有用である。
1…冷凍バリ取り装置
2…処理室
2A…複合板
21…開口部
24…排出孔
25…ホッパ
28…冷媒供給部
28a…冷媒供給管
28b…バルブ
28c…ノズル
D…内部空間
3…バケット
3a…投入口
31…バケット保持部
31a…バケット挿入口
31b…保持フレーム
31c…連結体
31d…開口領域
32…ギアボックス
32a…回転軸ケース
32b…出力軸
33…蓋
34…締結部
4…ショット機
4a…投射口
41…吸引ホース
42…インペラ
5…扉
51…蝶番
7…選別器
73…ショット材貯槽
8…モータ
81…回転軸
9…移動機構
91…レバー
92…スライドレール
93…ダンパ
10…筐体
11…排気部
12…制御パネル
M…被処理物
S…ショット材

Claims (7)

  1. 冷媒によって冷却される処理室と、
    前記処理室の内部空間に配置されるとともに、被処理物が投入される投入口が開口して設けられ、内部に被処理物を収容するバケットと、
    前記被処理物に向けてショット材を投射するショット機と、
    前記処理室の開口部を開閉する扉と、
    前記バケットに接続されて該バケットを回転させる回転軸を有し、前記扉に取り付けられたモータと、を備え、
    さらに、前記扉の開閉動作に連動して作動することにより、前記バケット及び前記モータの位置及び向きのうちの少なくとも何れかを変更する移動機構を有することを特徴とする冷凍バリ取り装置。
  2. 前記移動機構は、前記扉が前記開口部を覆って閉じているときは、前記バケットの前記投入口が前記開口部と反対側に位置するように前記バケット及び前記モータを配置し、前記扉が前記開口部を開放しているときは、前記バケットの前記投入口が前記開口部側に位置するように前記バケット及び前記モータを配置する移動機構を有することを特徴とする請求項1に記載の冷凍バリ取り装置。
  3. 前記扉が、前記処理室の前記開口部に対してプルダウン方式で開閉する構造を有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の冷凍バリ取り装置。
  4. さらに、前記モータにおける前記回転軸の先端にバケット保持部が設けられ、前記バケットが、前記バケット保持部に対して、該バケット保持部のバケット挿入口から着脱自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1~請求項3の何れか一項に記載の冷凍バリ取り装置。
  5. 前記扉が前記開口部を開放しているとき、前記バケット保持部の前記バケット挿入口が、前記処理室の前記開口部と対向しない方向を向いて配置されることを特徴とする請求項4に記載の冷凍バリ取り装置。
  6. 前記扉が前記開口部を開放しているとき、前記バケット保持部の前記バケット挿入口が鉛直上方を向いて配置されることを特徴とする請求項5に記載の冷凍バリ取り装置。
  7. 前記扉が前記開口部を覆って閉じているとき、前記バケットの投入部と、前記ショット機における投射口とが対向するように配置されることを特徴とする請求項1~請求項6の何れか一項に記載の冷凍バリ取り装置。
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