JP2022110437A - 硫黄化合物含有排ガス浄化用触媒及び硫黄化合物含有排ガスの浄化方法 - Google Patents

硫黄化合物含有排ガス浄化用触媒及び硫黄化合物含有排ガスの浄化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性及び耐硫黄被毒性を有する硫黄化合物含有排ガス浄化用触媒を提供すること。【解決手段】基材と、基材上に担持されたγ-アルミナを含む担体層と、担体層に担持された白金及びパラジウムを含む貴金属と、を備え、γ-アルミナの担持量が、基材の単位体積当たり22g/L以上であり、パラジウムの担持量が、基材の単位体積当たり0.55g/L以上であり、パラジウムの担持量に対する白金の担持量の質量比(Pt/Pd)が0.55~4.0である、硫黄化合物含有排ガス浄化用触媒。【選択図】なし

Description

本開示は、硫黄化合物含有排ガス浄化用触媒及び硫黄化合物含有排ガスの浄化方法に関する。
石油化学工場等から排出されるガス中には、可燃性があり、有害な悪臭成分が含まれている。そのような排ガスを処理するために、触媒による含有成分の酸化分解が行われている。触媒による酸化分解は発熱反応なので、触媒には耐熱性が求められる。また、排ガス中には触媒毒となる硫黄化合物が含まれている場合がある。硫黄化合物は触媒の寿命を低減させるため、触媒には硫黄被毒に対する耐性も求められる。特許文献1には、二酸化チタン-アルミナ混合成形担体に白金族元素を担持させたことを特徴とする硫黄化合物含有排ガス浄化用触媒が開示されている。
特開昭55-064839号公報
特許文献1に記載された発明は硫黄化合物への耐性を有するとされているものの、高温下では性能が低下する虞がある。
本開示は上記事情に鑑みてなされたものであり、耐熱性及び耐硫黄被毒性を有する硫黄化合物含有排ガス浄化用触媒を提供することを目的とする。また、本開示は、当該触媒を用いた硫黄化合物含有排ガスの浄化方法を提供することを目的とする。
本開示は、基材と、基材上に担持されたγ-アルミナを含む担体層と、担体層に担持された白金及びパラジウムを含む貴金属と、を備え、γ-アルミナの担持量が、基材の単位体積当たり22g/L以上であり、パラジウムの担持量が、基材の単位体積当たり0.55g/L以上であり、パラジウムの担持量に対する白金の担持量の質量比(Pt/Pd)が0.55~4.0である、硫黄化合物含有排ガス浄化用触媒を提供する。
本開示において、担体層のBET比表面積が150m/g以上であってよい。
本開示において、触媒は実質的に塩素原子を含まなくてよい。
本開示において、白金の平均粒子径が、パラジウムの平均粒子径より小さくてよい。
本開示において、白金の平均粒子径が6nm以下であり、パラジウムの平均粒子径が15nm以下であってよい。
本開示は、上記触媒と、硫黄化合物を含有する排ガスとを接触させる工程を備える、硫黄化合物含有排ガスの浄化方法を提供する。
本開示において、上記の工程が、排ガスに含まれる炭化水素を酸化する工程であってよい。
本開示において、炭化水素がプロパンを含んでよい。
本開示によれば、耐熱性及び耐硫黄被毒性を有する硫黄化合物含有排ガス浄化用触媒を提供することができる。また、本開示によれば、当該触媒を用いた硫黄化合物含有排ガスの浄化方法を提供することができる。
以下、本開示の好適な実施形態について詳細に説明するが、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
<硫黄化合物含有排ガス浄化用触媒>
硫黄化合物含有排ガス浄化用触媒(以下、単に「触媒」と言う場合がある。)は、基材と、基材上に担持されたγ-アルミナを含む担体層と、担体層に担持された白金及びパラジウムを含む貴金属と、を備える。貴金属は貴金属粒子であってもよい。
(基材)
基材の形状は特に制限されないが、ガス流通時に発生する差圧が小さく、ガスとの接触面積が大きい形状であってよい。基材の形状としては、ハニカム、球、シート、メッシュ、発泡体、繊維、パイプ、フィルター等が挙げられる。基材の材質は特に制限されないが、例えばコージェライト、アルミナ等の公知の触媒担体、炭素繊維、金属繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、チタン、アルミニウム、ステンレス等の金属が挙げられる。ハニカムや発泡体等の空孔を有する基材である場合、基材の体積とは空孔を含めた全体積であり、外周部に囲われた部分の体積である。例えば、直方体形状のハニカムや発泡体であれば、直方体の3辺の長さ(長さ×幅×高さ)から基材の体積を算出することができる。
(担体層)
γ-アルミナは、チタニアのように高温下での比表面積低下が生じ難い。そのため、γ-アルミナを含む担体層を用いることで、耐熱性に優れ、高温下でも活性が低下し難い触媒とすることができる。この観点から、γ-アルミナの担持量は、基材の単位体積当たり22g/L以上であり、30g/L以上であってよく、40g/L以上であってよい。γ-アルミナの担持量の上限は、活性の観点からは特に限定されるものではないが、担持量を多くし過ぎることは製造における生産効率を下げるおそれがあるので200g/Lとすることができる。
担体層におけるγ-アルミナの含有量は、耐熱性及び高温下での活性維持の観点から、25質量%以上であってよく、30質量%以上であってよく、100質量%(実質的に担体層がγ-アルミナからなる)であってもよい。
担体層は、γ-アルミナ以外のその他の成分を含み得る。その他の成分としては、γ-アルミナの特性を補強したり、γ-アルミナにない特性を担体層に付与したりすることを企図した種々の無機酸化物が挙げられる。例えば、耐熱性をより向上させる観点から、ランタン、イットリウム等の希土類元素の酸化物、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属元素の酸化物、その他遷移金属元素の酸化物などを担体層に配合してもよい。また、酸素吸蔵性能を付与する観点から、セリウムの酸化物を担体層に配合してもよい。その他、一般的に担体として用いられている、ジルコニウム、ケイ素、鉄、銅等の酸化物、又はこれらの複合酸化物を担体層に配合してもよい。また、その他の成分としては、コロイダルシリカ、シリカゾル、アルミナゾル、ケイ酸ゾル、チタニアゾル、ベーマイト、白土、カオリン、セピオライト等の、基材上に担体層をコートするために用いられるバインダー成分などが挙げられる。ここで挙げたバインダー成分は無機バインダーであり、担体層の耐熱性が維持され易い。
担体層のBET法による比表面積(BET比表面積)は、触媒活性をより高めるという観点から、150m/g以上であってよく、180m/g以上であってよい。
担体層の平均細孔径(BJH法による吸着側)は、触媒活性をより高めるという観点から、5~40nmであってよく6~20nmであってよい。同様の観点から、担体層における1.7~300nmの範囲の細孔容積は、0.1~2.0cm/gであってよく、0.5~1.0cm/gであってよい。平均細孔径及び細孔容積は、窒素吸着法により求めることができる。
(貴金属)
担体層が、貴金属として白金及びパラジウムを共に担持することで、活性の高い触媒とすることができる。パラジウムの担持量に対する白金の担持量の質量比(Pt/Pd)は0.55~4.0であり、0.6~3.5であってよい。Pt/Pdが0.55以上であると、高温(650℃以上)に曝される前(Fresh状態)及び曝された際に十分な耐硫黄被毒性を維持することができる。Pt/Pdが4.0以下であると、優れた耐熱性が得られるため高温に曝された際に十分な触媒活性を維持することができる。
パラジウムの担持量は、基材の単位体積当たり0.55g/L以上であり、0.6g/L以上であってよい。これにより、優れた耐熱性が得られるため高温に曝された際に十分な触媒活性を維持することができる。白金の担持量は、上記の比率Pt/Pdが満たされるように調整すればよい。
白金及びパラジウムの、それぞれの担持量の上限は、触媒としての性能の点からは特に制限されないが、貴金属使用量を抑制する観点から10g/Lとすることができる。
触媒は、触媒活性が適切に維持される範囲において、白金及びパラジウム以外の貴金属(例えば、金、銀、銅、ロジウム、ルテニウム等)を含んでいてもよい。貴金属中に含まれる白金及びパラジウムの合計量は90質量%以上であってよく、100質量%(実質的に貴金属が白金及びパラジウムのみを含む)であってもよい。
白金及びパラジウムの担持量は、触媒を王水に溶解した後、ICP分析によって定量することができる。
白金の平均粒子径は、パラジウムの平均粒子径より小さくてよい。これにより、触媒活性と耐硫黄被毒性をより高水準で両立することができる。この観点から、白金の平均粒子径は6nm以下であってよく、4nm以下であってよく、パラジウムの平均粒子径は15nm以下であってよく、10nm以下であってよい。両粒子の平均粒子径の下限は特に制限されないが、製造技術上の観点から0.5nm以上とすることができる。平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査透過型電子顕微鏡(STEM)等によって確認することができる。ここで粒子径は、得られた画像における粒子の最小外接円の直径をいう。平均粒子径は、そのようにして求められた20個の粒子の直径を平均して求めることができる。
触媒は、好ましくは実質的に塩素原子を含まない。触媒は、好ましくは不可避不純物により含まれ得る塩素原子以外の塩素原子を含まない。触媒が塩素原子を含まないことにより、触媒活性がより高まる。触媒が実質的に塩素原子を含まないようにするためには、担体層を形成する際に塩素原子を含む前駆体を使用しないことや、貴金属を担持させる際に塩素原子を含む前駆体を使用しないといったことが挙げられる。
<硫黄化合物含有排ガス浄化用触媒の製造方法>
硫黄化合物含有排ガス浄化用触媒の製造方法は特に限定されないが、例えば以下の方法が挙げられる。
γ-アルミナ又はγ-アルミナの前駆体となるベーマイトを含むスラリーを調製する。スラリーは上記にて例示したその他の成分を含んでもよい。
調製したスラリーを基材上にコートし、乾燥する。コート方法は特に限定されず、ウォッシュコートやディッピング等の公知の方法を用いることができる。ベーマイトを用いた場合には、乾燥後に400~700℃で焼成することでベーマイトがγ―アルミナへと変化する。担体層の厚さやγ-アルミナの担持量は、スラリー中の固形分濃度を調整したり、コート-乾燥の工程を繰り返すことにより調整することができる。以上により、基材上にγ-アルミナを含む担体層が形成される。
次いで、含浸法により担体層上に貴金属を担持させる。含浸法では、貴金属前駆体溶液に担体層を含浸させる。白金前駆体としては特に制限されず、通常用いられる白金の塩を使用することができる。白金塩としては、例えばジニトロジアミン白金、塩化白金酸、テトラアンミン白金等が挙げられる。活性をより高める観点からは、塩素原子を含まない白金塩が好ましい。パラジウム前駆体としては特に制限されず、通常用いられるパラジウムの塩を使用することができる。パラジウム塩としては、例えば硝酸パラジウム、塩化パラジウム、テトラアンミンパラジウム等が挙げられる。活性をより高める観点からは、塩素原子を含まないパラジウム塩が好ましい。
貴金属前駆体溶液への含浸後、担体層を80℃~200℃で乾燥させる。担体層を乾燥させた後、全体を250~600℃で焼成する。以上により、基材と、基材上に担持されたγ-アルミナを含む担体層と、担体層に担持された白金及びパラジウムを含む貴金属と、を備える触媒が得られる。
<硫黄化合物含有排ガスの浄化方法>
硫黄化合物含有排ガスの浄化方法は、上記触媒と、硫黄化合物を含有する排ガスとを接触させる工程を備える。当該工程により、排ガス中の被処理物が分解される。例えば、当該工程は、排ガスに含まれる炭化水素を酸化する工程であってよい。上記触媒は、炭化水素としてプロパンを含むものに対して有効である。上記触媒を用いることで、排ガスが硫黄化合物を含んでいても、また、被処理物の触媒分解によって高温が生じても、分解活性を長期にわたり維持することができる。
硫黄化合物としては、二酸化硫黄、三酸化硫黄、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルスルフィド、ジメチルジスルフィド等が挙げられる。上記触媒は、排ガス中に含まれる硫黄化合物の濃度が0.1体積ppm以上であっても、有効に触媒活性を発揮させることができる。硫黄化合物の濃度の上限は、有効に触媒活性を発揮させる観点から、50体積ppm以下とすることができる。
処理対象である排ガスの触媒に対する空間速度(SV)は、排ガスの性質や分解率の目標値等を考慮して適宜決定されるが、100~100000hr-1とすることができる。分解反応の温度は、排ガス中の性状(水蒸気濃度やアンモニア濃度)、反応条件(空間速度等)、触媒の劣化度合い等により適宜決定されるが、200~500℃であってよく、250~450℃であってよい。
本開示を以下の実施例によりさらに詳細に説明するが、本開示はこれらの例に限定されるものではない。
<触媒の作製>
(実施例1)
γ-アルミナ粉末(日揮ユニバーサル株式会社製)100gと、バインダーとしてベーマイト(UOP社製)25gとを、硝酸酸性水溶液350gに混合してスラリーを調製した。このスラリーを、コージェライトハニカム基材(日本碍子株式会社製、200セル/平方インチ)に、ハニカム1リットルあたりの担体層の重量(担体層形成後の重量)が40gになるように、ウォッシュコート法により塗布し、過剰のスラリーを圧縮空気で吹き払った。その後、スラリーがコートされたハニカム基材を、乾燥器中で150℃において3時間乾燥し、さらに、空気中で500℃において2時間焼成することで、コージェライトハニカム基材上にγ-アルミナ(γ-Al)の担体層を担持させた。担体層のBET比表面積は223m/g、平均細孔径(BJH法の吸着側)は10.9nm、1.7~300nmの範囲の細孔容積は0.70cm/gであった。
その後、ジニトロジアミン白金水溶液(田中貴金属工業株式会社製)と、硝酸パラジウム(田中貴金属工業株式会社製)との混合溶液(含浸液)を調製した。混合量は、白金の担持量が1.0g/L、パラジウムの担持量が1.5g/Lになるように調整した。上記で得られた、担体層付きのハニカム基材を、この含浸液中に含浸させた。これを、150℃において3時間乾燥し、次いで500℃において空気雰囲気下で1時間加熱した。これにより、γ-アルミナ担体層上に、白金を1.0g/L、パラジウムを1.5g/L担持した、ハニカム型の触媒を得た。白金の平均粒子径は1.0nm、パラジウムの平均粒子径は5.1nmであった。
(実施例2)
含浸液の組成を変更して、白金の担持量が1.5g/L、パラジウムの担持量が1.5g/Lになるようにした以外は実施例1と同じ方法で触媒を得た。白金の平均粒子径は1.2nm、パラジウムの平均粒子径は5.0nmであった。
(実施例3)
含浸液の組成を変更して、白金の担持量が2.0g/L、パラジウムの担持量が1.5g/Lになるようにした以外は実施例1と同じ方法で触媒を得た。白金の平均粒子径は1.2nm、パラジウムの平均粒子径は5.1nmであった。
(実施例4)
含浸液の組成を変更して、白金の担持量が3.0g/L、パラジウムの担持量が1.5g/Lになるようにした以外は実施例1と同じ方法で触媒を得た。白金の平均粒子径は1.7nm、パラジウムの平均粒子径は5.1nmであった。
(実施例5)
含浸液の組成を変更して、白金の担持量が1.0g/L、パラジウムの担持量が0.75g/Lになるようにした以外は実施例1と同じ方法で触媒を得た。白金の平均粒子径は1.1nm、パラジウムの平均粒子径は4.7nmであった。
(実施例6)
含浸液の組成を変更して、白金の担持量が2.0g/L、パラジウムの担持量が0.75g/Lになるようにした以外は実施例1と同じ方法で触媒を得た。白金の平均粒子径は1.5nm、パラジウムの平均粒子径は4.6nmであった。
(実施例7)
含浸液の組成を変更して、白金の担持量が1.0g/L、パラジウムの担持量が0.6g/Lになるようにした以外は実施例1と同じ方法で触媒を得た。白金の平均粒子径は1.0nm、パラジウムの平均粒子径は4.5nmであった。
(実施例8)
含浸液の組成を変更して、白金の担持量が2.0g/L、パラジウムの担持量が0.6g/Lになるようにした以外は実施例1と同じ方法で触媒を得た。白金の平均粒子径は1.2nm、パラジウムの平均粒子径は4.5nmであった。
(実施例9)
γ-アルミナ担体層の担持量を80g/Lにした以外は実施例3と同じ方法で触媒を得た。
(実施例10)
γ-アルミナ粉末(日揮ユニバーサル株式会社製)38gと、酸化ジルコニウム粉末(第一稀元素化学工業株式会社製、RC-100)50gと、バインダーとしてベーマイト(UOP社製)49gとを、硝酸酸性水溶液350gに混合してスラリーを調製した。このスラリーを、コージェライトハニカム基材(日本碍子株式会社製、200セル/平方インチ)に、ハニカム1リットルあたりの担体層の重量(担体層形成後の重量)が80gになるように、ウォッシュコート法により塗布し、過剰のスラリーを圧縮空気で吹き払った。その後、スラリーがコートされたハニカム基材を、乾燥器中で150℃において3時間乾燥し、さらに、空気中で500℃において2時間焼成することで、コージェライトハニカム基材上にγ-アルミナ(60質量%)及び酸化ジルコニウム(40質量%)を含む担体層を担持させた。担体層のBET比表面積は199m/g、平均細孔径は8.2nm、1.7~300nmの範囲の細孔容積は0.62cm/gであった。その後、実施例3と同じ方法で白金及びパラジウムを担体層に担持させ、触媒を得た。
(実施例11)
酸化ジルコニウム粉末(第一稀元素化学工業株式会社製、RC-100)89gと、バインダーとしてベーマイト(UOP社製)49gとを、硝酸酸性水溶液350gに混合してスラリーを調製した。このこと以外は、実施例10と同様にして、コージェライトハニカム基材上にγ-アルミナ(30質量%)及び酸化ジルコニウム(70質量%)を含む担体層を担持させた。担体層のBET比表面積は224m/g、平均細孔径は6.2nm、1.7~300nmの範囲の細孔容積は0.55cm/gであった。その後、実施例3と同じ方法で白金及びパラジウムを担体層に担持させ、触媒を得た。
(比較例1)
酸化チタン粉末(石原産業株式会社製)100gと、バインダーとしてコロイダルシリカ(日産化学製、スノーテックスOUP)25g(固形分)とを、硝酸酸性水溶液350gに混合してスラリーを調製した。このスラリーを、コージェライトハニカム基材(日本碍子株式会社製、200セル/平方インチ)に、ハニカム1リットルあたりの担体層の重量(担体層形成後の重量)が40gになるように、ウォッシュコート法により塗布し、過剰のスラリーを圧縮空気で吹き払った。その後、スラリーがコートされたハニカム基材を、乾燥器中で150℃において3時間乾燥し、さらに、空気中で500℃において2時間焼成することで、コージェライトハニカム基材上にチタニア(80質量%)及びシリカ(20質量%、バインダー)を含む担体層を担持させた。その後、実施例3と同じ方法で白金及びパラジウムを担体層に担持させ、触媒を得た。
(比較例2)
含浸液の組成を変更して、白金の担持量が1.0g/L、パラジウムの担持量が2.0g/Lになるようにした以外は実施例1と同じ方法で触媒を得た。白金の平均粒子径は1.1nm、パラジウムの平均粒子径は5.3nmであった。
(比較例3)
γ-アルミナ担体層の担持量を20g/Lにした以外は実施例3と同じ方法で触媒を得た。
上記のとおり、各例において、担体層を形成する際に塩素原子を含む前駆体や、貴金属を担持させる際に塩素原子を含む前駆体を用いなかった。各例で得られた触媒は、実質的に塩素原子を含まないと言える。
<各種評価>
(プロパン分解活性の評価方法)
各例で得られたハニカム型触媒から、円柱状(直径21mm、長さ50mm)のハニカム型触媒を採取し、これを流通式反応装置に充填した。マスフローコントローラーにより流量を制御して、所定量のガスを触媒に流通させた。電気炉にて触媒を加熱し、触媒入口の温度(入口温度)を所定の温度として、プロパン分解活性(分解率)を評価した。評価には、各例につき未処理品(作製したそのままの触媒)と、熱処理品(650℃で50時間の熱処理を行った触媒)の2種類を用いた。ガス条件は以下のとおりとした。
ガス条件:
SV=30000h-1、触媒温度(入口温度)=400℃、プロパン濃度200体積ppm、SO=10体積ppm、水分=20体積%、酸素=4体積%、窒素バランス。
触媒出口側のプロパンガス濃度をガスクロマトグラフィー(ジーエルサイエンス株式会社製、GC4000)により分析し、プロパン分解率を算出した。
評価結果を表1に示す。実施例の触媒は、以下の合格基準を満たしていた。
合格基準:
未処理品(Fresh):初期活性が80%以上、かつ、SO被毒120hr経過後の活性が80%以上。
熱処理品:初期活性が30%以上、かつ、SO被毒120hr経過後の活性が50%以上。
Figure 2022110437000001
本開示の触媒によれば、硫黄化合物含有排ガスを好適に浄化することができる。本開示の触媒は、硫黄化合物が含まれる工場排ガスの浄化に適しており、特にアクリル酸製造工場等から排出されるプロパンを含んだ排ガスの浄化に適している。

Claims (8)

  1. 基材と、前記基材上に担持されたγ-アルミナを含む担体層と、前記担体層に担持された白金及びパラジウムを含む貴金属と、を備え、
    前記γ-アルミナの担持量が、前記基材の単位体積当たり22g/L以上であり、
    前記パラジウムの担持量が、前記基材の単位体積当たり0.55g/L以上であり、
    前記パラジウムの担持量に対する前記白金の担持量の質量比(Pt/Pd)が0.55~4.0である、硫黄化合物含有排ガス浄化用触媒。
  2. 前記担体層のBET比表面積が150m/g以上である、請求項1に記載の触媒。
  3. 実質的に塩素原子を含まない、請求項1又は2に記載の触媒。
  4. 前記白金の平均粒子径が、前記パラジウムの平均粒子径より小さい、請求項1~3のいずれか一項に記載の触媒。
  5. 前記白金の平均粒子径が6nm以下であり、前記パラジウムの平均粒子径が15nm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載の触媒。
  6. 請求項1~5のいずれか一項に記載の触媒と、硫黄化合物を含有する排ガスとを接触させる工程を備える、硫黄化合物含有排ガスの浄化方法。
  7. 前記工程が、前記排ガスに含まれる炭化水素を酸化する、請求項6に記載の浄化方法。
  8. 前記炭化水素がプロパンを含む、請求項7に記載の浄化方法。
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