JP2022106635A - 多孔質シリコン材料、蓄電デバイス及び多孔質シリコン材料の製造方法 - Google Patents

多孔質シリコン材料、蓄電デバイス及び多孔質シリコン材料の製造方法 Download PDF

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宏之 川浦
Hiroyuki Kawaura
涼 鈴木
Ryo Suzuki
康仁 近藤
Yasuhito Kondo
広幸 中野
Hiroyuki Nakano
哲也 早稲田
Tetsuya Waseda
淳 吉田
Atsushi Yoshida
真輝 足立
Masaki Adachi
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Abstract

【課題】シリコン相を有するものにおいて高容量と良好なサイクル特性を実現する。【解決手段】本開示の蓄電デバイスに用いられる多孔質シリコン材料は、シリコン相と基本組成式MSi2で表されるシリサイド相とを含み、シリコン相にシリサイド相が分散し空隙を内部に有する粒子構造を有し、シリコン相とシリサイド相との全体に対しシリサイド相の体積割合が5体積%以上70体積%以下の範囲であり、粒子内部に存在する空隙の空隙率が5体積%以上50体積%以下の範囲である。【選択図】図1

Description

本明細書では、多孔質シリコン材料、蓄電デバイス及び多孔質シリコン材料の製造方法を開示する。
従来、リチウムイオン二次電池用のSi負極は、理論容量が約4199mAh/gであり、一般的な黒鉛負極の理論容量372mAh/gに比べ10倍程度高く、さらなる高容量化、高エネルギー密度化が可能となることが知られている。一方で、リチウムイオンを吸蔵したシリコン(Li4.4Si)は、吸蔵前のシリコンに対して約4倍まで体積が膨張する。このようなシリコン材料としては、結晶性のシリコン相と結晶性のシリサイド相とを含み、シリサイド相がFe,Co,Niのうち1以上を含むシリコン材料を活物質とするものが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。このシリコン材料では、高容量であり、有効なサイクル特性を有するとしている。
特開2013-253012号公報 特開2012-82125号公報
しかしながら、上述の特許文献1、2のシリコン材料では、シリサイド相を複合化させ、シリコン相の膨張をより抑制するとしているが、シリサイド相がシリコン相の外周に接続しており、その効果はまだ十分でなく、更に体積変化を抑制することが求められていた。また、上述した特許文献では、複数のシリコン微粒子が接合してなる連続した空隙を有する三次元網目構造を有するものであり、その空隙は、蓄電デバイスの正極、負極及び電解質の接続確保のための拘束圧力により押しつぶされ、空隙体積および空隙率は著しく減少する問題があった。更に、上述した特許文献では、シリコン中間合金を溶湯元素の溶湯に浸漬させることで、シリコン微粒子と第2相とに分離させ、第2相を取り除く工程により多孔質シリコン粒子を製造するが、溶湯を得るためには、大型の加熱装置が必要であり、生産性が低い問題があった。
本開示は、このような課題に鑑みなされたものであり、高容量と良好なサイクル特性を実現することができる新規な多孔質シリコン材料、蓄電デバイス及び多孔質シリコン材料の製造方法を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、シリサイドを形成する特定の元素をSiに添加して溶融したのち粒子化し、金属イオンを導入除去することにより多孔化した粉体とすると、体積変化をより抑制し、高容量と良好なサイクル特性を実現することができることを見いだし、本開示を完成するに至った。
即ち、本明細書で開示する多孔質シリコン材料は、
シリコン相と基本組成式MSi2で表されるシリサイド相とを含み、前記シリコン相に前記シリサイド相が分散し空隙を内部に有する粒子構造を有し、
前記シリコン相と前記シリサイド相との全体に対し前記シリサイド相の体積割合が5体積%以上70体積%以下の範囲であり、
粒子内部に存在する空隙の空隙率が5体積%以上50体積%以下の範囲であるものである。
本明細書で開示する蓄電デバイスは、
正極と、
上述した多孔質シリコン材料を含む負極と、
前記正極と前記負極との間に介在しイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
を備えたものである。
本明細書で開示する多孔質シリコン材料の製造方法は、
多孔質シリコン材料の製造方法であって、
前記シリコン相を形成するシリコン原料とMSi2で表されるシリサイド相を形成するM原料とを、前記シリコン相及び前記シリサイド相の全体に対し前記シリサイド相の体積割合が5体積%以上70体積%以下の範囲となるよう溶融し、前記シリコン相に前記シリサイド相が分散した構造を有する粒子を形成する粒子化工程と、
作製した前記粒子を、還元状態の芳香族炭化水素化合物と金属イオンとを含むドープ溶液に入れて前記金属イオンを前記粒子に反応させたのち、溶出液を用いて前記粒子内に導入された前記金属イオンを除去することによって、粒子内部に存在する空隙の空隙率が5体積%以上50体積%以下の範囲に前記粒子を多孔化する多孔化工程と、
を含むものである。
本開示は、高容量と良好なサイクル特性を実現する新規な多孔質シリコン材料、蓄電デバイス及び多孔質シリコン材料の製造方法を提供することができる。このような効果が得られる理由は、以下のように推察される。例えば、シリコン相中にシリサイド相をフレームワーク構造的に分散させることにより、シリコン粒子の体積変化をより抑制することができる。また、高強度シリサイドをフレームワーク構造的に粒子内部に分散させた多孔質シリコン粒子の内部に空隙が存在するため、複数のシリコン微粒子の間に空隙を有するものに比して、何らかの圧がかけられた場合でも空隙を確保することができ、この空隙によりシリコン相の体積膨張をより緩和することができる。したがって、本開示は、高容量と良好なサイクル特性を実現することができる。
多孔質シリコン材料10および蓄電デバイス20の一例を表す説明図。 多孔質シリコン材料の作製工程の一例を示すスキーム。 実験例1のシリサイド含有多孔質シリコン粒子のSEM写真。 実験例1の水銀ポロシメーターによる細孔分布測定結果。 実験例2のSEM写真及び細孔分布測定結果。 実験例7のSEM写真及び細孔分布測定結果。 多孔質シリコン材料の作製工程の他の一例を示すスキーム。 実験例10のシリサイド含有多孔質シリコン粒子のSEM写真。 実験例10の水銀ポロシメーターによる細孔分布測定結果。
(多孔質シリコン材料)
本開示の多孔質シリコン材料は、シリコン相と基本組成式MSi2で表されるシリサイド相とを含み、シリコン相にシリサイド相が分散し空隙を内部に有する粒子構造を有している。この多孔質シリコン材料は、蓄電デバイスの電極活物質として利用することができる。シリコン相は、アモルファス相であるものとしてもよい。シリサイド相は、MSi2で表され、例えば、元素MがCr、Ti、Zr、Nb、Mo、Hf、Mn、Fe、Co、Y、La、Ce、Ta及びWのうち1以上であるものとしてもよい。この元素Mは、Cr、Ti、Zr、Nb、Mo及びHfであることが好ましく、Nb及びMoのうち1以上であることが更に好ましい。また、シリサイト相は、元素Mがシリコン相とシリサイド相との共晶組成又は亜共晶組成であるものとしてもよい。このような組成であれば、シリコン相とシリサイド相とが分散した構造をとりやすく好ましい。
この多孔質シリコン材料において、元素Mは、シリコン相とシリサイド相との全体に対し3mol%以上15mol%以下の範囲で含まれることが好ましい。この範囲では、粒子強度を高めると共に高容量化を図ることができ好ましい。この元素Mの含有量は、5mol%以上がより好ましく、7mol%以上としてもよい。また、この元素Mの含有量は、15mol%以下が好ましく、12mol%以下としてもよい。シリサイト相は、2種以上の元素Mを含むことが好ましい。2種以上のMを有するシリサイト相を含むと、粒子強度を更に高めると共に更に高容量化を図ることができ好ましい。このシリサイド相は、元素MとしてZrを少なくとも含み、更にCr、Hfのうち1以上を含むものが好ましい。この組み合わせでは、粒子強度を更に高めると共に高容量化を図ることができる。このとき、Zrは、シリコン相とシリサイド相との全体に対し3mol%以上15mol%以下の範囲で含まれることが好ましい。また、Crは、シリコン相とシリサイド相との全体に対し、3mol%以上15mol%以下の範囲で含まれることが好ましい。また、Hfは、シリコン相とシリサイド相との全体に対し、3mol%以上15mol%以下の範囲で含まれることが好ましい。
この多孔質シリコン材料は、シリコン相とシリサイド相との全体に対しシリサイド相の体積割合が5体積%以上70体積%以下の範囲であるものとする。シリサイド相の体積割合が5体積%以上では、シリサイド相の粒子内の分散による骨格強度の向上をより図ることができる。また、シリサイド相の体積割合が70体積%以下では、充放電容量を有するシリコン相が相対的に多くなるため、充放電容量の観点から好ましい。このシリサイド相の体積割合は、10体積%以上が好ましく、12体積%以上がより好ましく、15体積%以上が更に好ましい。また、シリサイド相の体積割合は、66体積%以下であることが好ましく、50体積%以下であることがより好ましく、45体積%以下であることが更に好ましい。シリサイド相の体積割合は、多孔質シリコン材料を構成する各元素の構成比率を求め、得られた元素の比率から、状態図において、てこの原理を用いて求めるものとする。なお、シリサイド相の体積割合は、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して得られた粒子断面のSEM写真から、シリコン相の面積とシリサイド相の面積とを算出して、面積割合を体積割合とすることによっても、求めることができる。
この多孔質シリコン材料は、粒子内部に存在する空隙の空隙率が5体積%以上50体積%以下の範囲である。粒子内部の空隙率が5体積%以上では、例えば、充放電時のシリコン相の体積変化を吸収しやすく好ましい。また、この空隙率が50体積%以下では、充放電容量を示すシリコン相が相対的に多くなるため、より多くの充放電容量を確保することができ、好ましい。この空隙率は、10体積%以上が好ましく、12体積%以上がより好ましく、15体積%以上が更に好ましい。また、この空隙率は、45体積%以下が好ましく、40体積%以下がより好ましく、35体積%以下が更に好ましい。また、多孔質シリコン材料の粒子内部に形成された空隙の細孔径は、1nm以上1μm以下の範囲であることが好ましい。この空隙の細孔容積は、細孔径が0.2μm以上0.8μm以下の範囲にピークを示すことが好ましい。ここで、多孔質シリコン材料の粒子内部に存在する空隙率は、多孔質シリコン材料の粒子断面をSEM観察し、粒子の面積と空隙の面積とを算出して、面積割合を体積割合とすることによって求めるものとする。なお、多孔質シリコン材料の粒子内部の空隙率は、水銀ポロシメータの測定結果からも求めることができる。また、細孔径や細孔径分布は、水銀ポロシメータの測定結果から求めるものとする。
この多孔質シリコン材料は、粒子状であるものとしてもよい。この多孔質シリコン材料は、その平均粒径が0.1μm以上100μm以下の範囲の粒子状であることが好ましい。この粒子は、例えば、平均粒径が0.5μm以上であるものとしてもよいし、1μm以上であるものとしてもよいし、5μm以上であるものとしてもよい。また、この粒子は、例えば、平均粒径が50μm以下であるものとしてもよいし、25μm以下であるものとしてもよいし、10μm以下であるものとしてもよい。多孔質シリコン材料の平均粒径は、粒子をSEM観察し、視野内に含まれる各々の粒子の最大長さをその直径として求め、粒子数で平均した値とする。
(多孔質シリコン材料の製造方法)
次に、多孔質シリコン材料の製造方法について説明する。この製造方法は、上述した多孔質シリコン材料を作製する製造方法である。この製造方法は、粒子化工程と多孔化工程とを含む。図2は、多孔質シリコン材料の作製工程の一例を示すスキームである。なお、シリサイド相を分散含有するシリコン粒子を準備して、粒子化工程を省略してもよい。また、多孔化工程の前に、金属イオンを粒子内に導入するドープ溶液を調製する調製工程を含むものとしてもよい。なお、この製造方法に用いられる原料や配合比などは、上述した多孔質シリコン材料に記載のものを適宜利用するものとする。
(粒子化工程)
この工程では、シリコン相を形成するシリコン原料とMSi2で表されるシリサイド相を形成するM原料とを溶融し、シリコン相にシリサイド相が分散した構造を有する粒子を形成する。粒子化工程では、Cr、Ti、Zr、Nb、Mo、Hf、Mn、Fe、Co、Y、La、Ce、Ta及びWのうち1以上であるM原料を用いることが好ましく、Cr、Ti、Zr、Nb、Mo及びHfのうち1以上であるM原料を用いることがより好ましく、Nb及びMoのうち1以上であるM原料を用いることが更に好ましい。M原料は、塊状やスポンジ状のものを用いることができる。また、M原料は、M元素の金属とすることが好ましい。原料の配合比率は、例えば、元素Mがシリコン相とシリサイド相との共晶組成又は亜共晶組成となる範囲とすることが好ましい。この工程では、シリコン相とシリサイド相との全体に対し3mol%以上15mol%以下の範囲となるように元素Mを配合することが好ましい。この元素Mの配合量は、5mol%以上がより好ましく、7mol%以上としてもよい。また、この元素Mの配合量は、15mol%以下が好ましく、12mol%以下としてもよい。シリサイト相は、2種以上の元素Mを含むことが好ましい。また、この工程では、シリコン相及びシリサイド相の全体に対しシリサイド相の体積割合が5体積%以上70体積%以下の範囲となるようシリコン原料及びM原料を配合する。この配合量は、シリサイド相の体積割合が10体積%以上、より好ましくは12体積%以上、更に好ましくは15体積%以上となるようにするものとしてもよい。また、この配合量は、シリサイド相の体積割合が66体積%以下、より好ましくは50体積%以下、更に好ましくは45体積%以下となるようにするものとしてもよい。
粒子化工程では、原料の溶融を高周波炉を用いて行うものとしてもよい。また、この工程では、溶融した原料をアトマイズ処理によって、シリコン相にシリサイド相が分散した構造を有する粒子を形成するものとしてもよい。アトマイズ処理としては、例えば、ガスアトマイズ法や水アトマイズ法などが挙げられる。アトマイズ法では、シリサイド相がシリコン相に分散した構造を有する合金粉末が得られる。また、この工程では、ロール急冷法で薄帯合金を作製し、その後、薄帯合金を粉砕して粉末にするものとしてもよい。ガスアトマイズ法及び水アトマイズ法では合金粉末が得られ、ロール急冷法で得られた粉末は合金組織が微細となるため、溶出処理後に微細な細孔を有する多孔質シリコンを得ることができる。なお、Arアーク溶解によりシリコン合金の溶湯を金型に鋳造して、得られたインゴットを粉砕して、粒子化するものとしてもよい。最終的に得ようとする多孔質シリコン材料の粒子は、平均粒径を0.1μm以上100μm以下の範囲に調整することが好ましい。粒子化工程では、アトマイズ法やロール急冷法をAr、Heなどの不活性雰囲気下で行うことが好ましい。粒子化工程では、平均粒径が0.5μm以上5μm以下の粒子にすることが好ましく、1μm以上3μm以下が更に好ましい。
(多孔化工程)
この工程では、シリコン相にシリサイド相が分散した構造を有する粒子をドープ溶液に反応させ金属イオンを粒子内に導入したあと、溶出液を用いて金属イオンを除去し多孔化する。粒子内に形成される空隙の空隙率は、5体積%以上50体積%以下の範囲とする。この工程では、空隙率を10体積%以上とすることが好ましく、より好ましくは12体積%以上、更に好ましくは15体積%以上とする。また、この工程では、この空隙率を45体積%以下とすることが好ましく、より好ましくは40体積%以下、更に好ましくは35体積%以下とする。空隙率は、例えば、シリコン相に導入する金属イオンの量によって制御することができる。
この工程で用いるドープ液は、還元状態の芳香族炭化水素化合物と金属イオンとを含むものとする。ドープ溶液は、次式(1)及び式(2)のうち1以上である芳香族炭化水素化合物を含むものとしてもよい。また、ドープ溶液は、次式(3)及び式(4)のうち1以上により得られたものとしてもよい。即ち、芳香族炭化水素化合物に金属を反応させ、還元状態の芳香族炭化水素化合物と金属イオンとを含むものとする。金属は、芳香族炭化水素化合物と反応するよう反応性が高いものが好ましく、アルカリ金属や第2族元素の金属などが好ましい。このドープ溶液は、ナフタレン、ビフェニル、オルトターフェニル、アントラセン及びパラターフェニルのうち1以上である芳香族炭化水素化合物を含むものとしてもよい。芳香族炭化水素化合物としては、ビフェニルが好ましい。また、ドープ溶液は、リチウムイオン、ナトリウムイオン及びカリウムイオンのうち1以上である金属イオンを含むものとしてもよい。この金属イオンのうち、リチウムイオンがより好ましい。また、ドープ溶液は、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン、ジオキソラン及びジオキサンのうち1以上の溶媒を含むものとしてもよい。この溶媒のうち、THFがより好ましい。式(5)~(7)に示すように、溶媒をTHFとし、ナフタレン、ビフェニル、オルトターフェニルのいずれかにLi金属を反応させたドープ溶液を用いることが好ましい。このようなドープ溶液を用いると、シリコン相に金属イオンを導入することにより、粒子内に空隙を形成することができる。
Figure 2022106635000002
Figure 2022106635000003
Figure 2022106635000004
また、このドープ溶液において、還元状態の芳香族炭化水素化合物は、その構造中に置換基、ヘテロ原子を有してもよい。例えば、次式(8)~(10)において、R1~R14のうちいずれか1以上を置換基及びヘテロ原子としてもよい。具体的には、芳香族炭化水素化合物の水素の代わりに、ハロゲン、鎖状又は環状のアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルホニル基、アミノ基、シアノ基、カルボニル基、アシル基、アミド基、水酸基を置換基として持っていてもよいし、芳香族化合物の炭素の代わりに、窒素、硫黄、酸素が導入された構造であってもよい。この置換基において、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられ、このうちメチル基が好ましい。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、o-キシリル基などが挙げられる。アルケニル基としては、例えば、ビニル基などが挙げられる。このドープ溶液において、還元状態の芳香族炭化水素化合物は、例えば、式(11)に示すリチウム・2-メチルビフェニルや、式(12)に示すリチウム・3,3’-ジメチルビフェニル、式(13)に示すリチウム・4,4’-ジメチルビフェニルや、式(14)に示すリチウム・3,3’,4,4’-テトラメチルビフェニルなどが挙げられる。このうち、リチウム・2-メチルビフェニルとすることがより好ましい。このドープ溶液では、多孔質シリコン材料の空隙率を向上することができ、または充放電容量をより向上することができ、あるいは充放電における耐久性をより向上することができる。
Figure 2022106635000005
Figure 2022106635000006
この工程では、シリコン相にシリサイド相が分散した構造を有する粒子をドープ溶液に入れて撹拌する反応処理によって金属イオンを粒子内に導入することができる。この反応処理は、例えば、0℃以上80℃以下の温度範囲で行うことができ、より好ましくは、室温(20℃~25℃)で行うことが好ましい。この反応処理は、例えば、1時間以上48時間以下の範囲で行うものとしてもよい。この反応時間は、より好ましくは5時間以上、更に好ましくは12時間以上である。また、この反応時間は、より好ましくは40時間以下、更に好ましくは24時間以下である。金属イオンを除去する溶出液は、例えば、アルコールや直鎖状アルカンなどの有機溶媒を用いることができる。アルコールとしては、例えば、メタノールやエタノール、ブタノール、プロパノールなどが挙げられ、このうちエタノールが好ましい。直鎖状アルカンとしては、例えば、ヘキサンやヘプタンが挙げられ、このうちヘキサンが好ましい。このようにして得られた多孔質シリコン材料は、蓄電デバイスの電極活物質として利用することができる。
(蓄電デバイス)
本開示の蓄電デバイスは、正極と、上述した多孔質シリコン材料を電極活物質として含む負極と、正極と負極との間に介在しイオンを伝導するイオン伝導媒体と、を備える。この蓄電デバイスは、アルカリ金属イオンをキャリアとする二次電池としてもよい。アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられ、このうちリチウムが好ましい。また、蓄電デバイスとしては、アルカリ金属イオン二次電池、ハイブリッドキャパシタ、空気電池などが挙げられる。ここでは、リチウムイオン二次電池を主として説明する。
正極は、例えば正極活物質と、必要に応じて導電材、結着材、固体電解質などを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極合材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。正極活物質としては、遷移金属元素を含む硫化物や、リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物などを用いることができる。具体的には、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2などの遷移金属硫化物、基本組成式をLi(1-x)MnO2(0<x<1など、以下同じ)やLi(1-x)Mn24などとするリチウムマンガン複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)CoO2などとするリチウムコバルト複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)NiO2などとするリチウムニッケル複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)NiaCobMnc2(a+b+c=1)やLi(1-x)NiaCobMnc4(a+b+c=2)などとするリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物などを用いることができる。これらのうち、リチウムの遷移金属複合酸化物、例えば、LiNi1/3Co1/3Mn1/32などが好ましい。なお、「基本組成式」とは、他の元素を含んでもよい趣旨である。
正極は、キャパシタやリチウムイオンキャパシタなどに用いられているものとしてもよい。正極は、例えば、正極活物質として炭素材料を含むものとしてもよい。炭素材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、活性炭類、コークス類、ガラス状炭素類、黒鉛類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維類、カーボンナノチューブ類、ポリアセン類などが挙げられる。このうち、高比表面積を示す活性炭類が好ましい。炭素材料としての活性炭は、比表面積が1000m2/g以上であることが好ましく、1500m2/g以上であることがより好ましい。比表面積が1000m2/g以上では、放電容量をより高めることができる。この活性炭の比表面積は、作製の容易性から3000m2/g以下であることが好ましく、2000m2/g以下であることがより好ましい。なお、正極では、イオン伝導媒体に含まれるアニオン及びカチオンの少なくとも一方を吸着、脱離して蓄電するものとしてもよいが、さらに、イオン伝導媒体に含まれるアニオン及びカチオンの少なくとも一方を挿入、脱離して蓄電するものとしてもよい。
導電材は、正極の電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性及び塗工性の観点より、カーボンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、スルホン化EPDMゴム、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。正極活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、例えばN-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチレントリアミン、N,N-ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加え、SBRなどのラテックスで活物質をスラリー化してもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの多糖類を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。塗布方法としては、例えば、アプリケータロールなどのローラコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。集電体としては、ステンレス鋼、Ni、Cr、Au、Pt、Al、Fe、Ti、Znなどを例示することができる。この集電体は、金属箔にNi、Cr、C等をめっき、蒸着したものであってもよい。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。集電体の厚さは、例えば1~500μmのものが用いられる。
負極は、集電体と、集電体に隣接して設けられた負極活物質層とを有するものとしてもよい。負極活物質層は、上述した多孔質シリコン材料のほか導電材や結着材などを含むものとしてもよい。この負極の活物質層は、正極と同様であり、活物質粒子がより多く含まれることが好ましく、活物質粒子が60体積%以上98体積%以下の範囲で含まれるものとしてもよい。この負極は、負極活物質と集電体とを密着させて形成したものとしてもよいし、例えば負極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の負極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。また、負極に用いられる導電材、結着材、溶剤などは、それぞれ正極で例示したものを用いることができる。負極の集電体には、Cu、ステンレス鋼、Ni、Cr、Au、Pt、Al、Fe、Ti、Zn、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、などを例示することができる。集電体の形状は、正極と同様のものを用いることができる。
イオン伝導媒体は、支持塩を含む非水系電解液や非水系ゲル電解液などとしてもよい。非水電解液の溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、フラン類、スルホラン類及びジオキソラン類などが挙げられ、これらを単独又は混合して用いることができる。具体的には、カーボネート類としてエチレンカーボネートやプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネートなどの環状カーボネート類や、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチル-n-ブチルカーボネート、メチル-t-ブチルカーボネート、ジ-i-プロピルカーボネート、t-ブチル-i-プロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート類、γ-ブチルラクトン、γ-バレロラクトンなどの環状エステル類、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酪酸メチルなどの鎖状エステル類、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタンなどのエーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、などのフラン類、スルホラン、テトラメチルスルホランなどのスルホラン類、1,3-ジオキソラン、メチルジオキソランなどのジオキソラン類などが挙げられる。このうち、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類との組み合わせが好ましい。この組み合わせによると、充放電の繰り返しでの電池特性を表すサイクル特性が優れているばかりでなく、電解液の粘度、得られる電池の電気容量、電池出力などをバランスの取れたものとすることができる。なお、環状カーボネート類は、比誘電率が比較的高く、電解液の誘電率を高めていると考えられ、鎖状カーボネート類は、電解液の粘度を抑えていると考えられる。
支持塩は、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiSbF6、LiSiF6、LiAlF4、LiSCN、LiClO4、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiAlCl4などが挙げられる。このうち、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4などの無機塩、及びLiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23などの有機塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上の塩を組み合わせて用いることが電気特性の点から見て好ましい。この支持塩は、非水電解液中の濃度が0.1mol/L以上5mol/L以下であることが好ましく、0.5mol/L以上2mol/L以下であることがより好ましい。支持塩を溶解する濃度が0.1mol/L以上では、十分な電流密度を得ることができ、5mol/L以下では、電解液をより安定させることができる。また、この非水電解液には、リン系、ハロゲン系などの難燃剤を添加してもよい。
また、液状のイオン伝導媒体の代わりに、固体電解質を用いるものとしてもよい。負極の多孔質シリコン材料は、体積変化をより抑制していることから、イオン伝導媒体が固体電解質である全固体型リチウムイオン二次電池とすることがより効果的である。固体電解質としては、例えば、無機固体電解質や、高分子固体電解質などが挙げられる。固体電解質は、以下の組成や構造に限定されるものではなくLiイオンが移動可能であるものであればよい。以下に例示する化合物を基本骨格とするものであれば、一部置換体や組成比が異なっても使用可能である。無機固体電解質としては、例えば、Li3N、LISICONと呼ばれるLi14Zn(GeO44、硫化物のLi3.25Ge0.250.754、ペロブスカイト型のLa0.5Li0.5TiO3、(La2/3Li3x1/3-2x)TiO3(□:原子空孔)、ガーネット型のLi7La3Zr212、NASICON型と呼ばれるLiTi2(PO43、Li1.30.3Ti1.7(PO34(M=Sc,Al)、ガラスセラミックスである80Li2S・20P25(mol%)組成のガラスから得られたLi7311、さらに硫化物系で高い導電率を持つ物質であるLi10Ge2PS2、ガラス系無機固体電解質ではLi2S-SiS2、Li2S-SiS2-LiI、Li2S-SiS2-Li3PO4、Li2S-SiS2-Li4SiO4、Li2S-P25、Li3PO4-Li4SiO4、Li3BO4-Li4SiO4、そしてSiO2、GeO2、B23、P25をガラス系物質としてLi2Oを網目修飾物質とするものなどが挙げられ、チオリシコン固体電解質としてLi2S-GeS2系、Li2S-GeS2-ZnS系、Li2S-Ga22系、Li2S-GeS2-Ga23系、Li2S-GeS2-P25系、Li2S-GeS2-SbS5系、Li2S-GeS2-Al23系、Li2S-SiS2系、Li2S-P25系、Li2S-Al23系、LiS-SiS2-Al23系、Li2S-SiS2-P25系などが挙げられる。
高分子固体電解質としては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)とアルカリ金属の錯体があり、ポリマーであればPEOに限定されるものではなくリチウム塩を溶解するポリマー材料のユニット構造を例示すると、Polyether系のPEO、PPO:poly(propylene oxide)、Polyamine系のPEI:poly(ethylene imine)、PAN:poly(acrylo nitrile)、Polysulfide系のPAS:poly(alkylene sulfide)などが挙げられる。またリチウム塩としてはLiTFSI:(LiN(SO2CF32)、LiPEI:(COCF2SO2NLi)n、LiPPI:(COCF(CF3OCF2CF2SO2NLi))nが挙げられる。また、PVdF(PolyVinylidene DiFluoride)やPAN、HFP(Hexafluoropropylene)などを利用したゲルポリマー電解質などが挙げられる。また、有機イオン性プラスチック電解質としては、プラスチッククリスタル相を有するものなどが挙げられる。プラスチッククリスタル相の代表的な分子としては、Tetrachloromethane、Cyclohexane、Succinonitrile等が挙げられ、これらプラスチッククリスタル相にTf2N:(トリフルオロメチルスルホニル)アミド、LiBF4を添加する、または脂肪族4級アンモニウムとパーフルオロアニオンからなるプラスチッククリスタル相を有する塩の組み合わせであってもよい。イオン液体とガラス成分を分子レベルで混合した有機・無機ハイブリッド型イオンゲル、すなわちセルロースを利用した有機ホウ素系イオンゲル電解質、アミロースを用いた有機ホウ素系イオンゲル電解質、シクロデキストリンから誘導したホウ素多置換型マクロサイクルなどが挙げられる。
この蓄電デバイスの形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、こうした電池を複数直列に接続して電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。この蓄電デバイスの構造は、特に限定されないが、例えば図1に示す構造が挙げられる。図1は、多孔質シリコン材料10および蓄電デバイス20の一例を表す説明図である。この蓄電デバイス20は、正極活物質を含む正極21と、負極活物質材料を含む負極22と、イオン伝導媒体23と、これらの積層体24を拘束する拘束部材25と、積層体24を内包した電池ケース26とを備える。負極22は、負極活物質材料として多孔質シリコン材料10を有している。この多孔質シリコン材料10は、シリコン相11と、シリサイド相12と、空隙15とを有している。この多孔質シリコン材料10は、シリコン相11にシリサイド相12が分散し、空隙15を内部に有する粒子構造を有している。
以上詳述したように、本開示では、高容量と良好なサイクル特性を実現する新規な多孔質シリコン材料、蓄電デバイス及び多孔質シリコン材料の製造方法を提供することができる。このような効果が得られる理由は、以下のように推察される。例えば、シリコン相中にシリサイド相をフレームワーク構造的に分散させることにより、シリコン粒子の体積変化をより抑制することができる。また、高強度シリサイドをフレームワーク構造的に粒子内部に分散させた多孔質シリコン粒子の内部に空隙が存在するため、複数のシリコン微粒子の間に空隙を有するものに比して、拘束圧下など何らかの圧が加わった場合でも空隙を確保することができ、この空隙によりシリコン相の体積膨張をより緩和することができる。したがって、本開示は、高容量と良好なサイクル特性を実現することができる。
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、本開示の負極活物質材料を具体的に作製した例を実験例として説明する。実験例1~8、10、11が本開示の実施例に相当し、実験例9が比較例に相当する。
[多孔質シリコン材料の作製]
(実験例1)
多孔質シリコン材料の作製工程には、粒子化工程と多孔化工程とを含む。まず、粒子化工程では、負極活物質Si合金は塊状のシリコン原料とスポンジ状のTi原料とを所定量配合して、高周波加熱より溶解して合金溶湯とした。この合金溶湯をAr不可性ガスを用いたガスアトマイズ法によって平均粒径5μmのSi-14mol%Ti合金粉末を得た。図2は、シリサイド含有多孔質シリコン材料の多孔化工程のスキームである。多孔化工程では、Ar不活性雰囲気のグローブボックス内で、ナスフラスコに1mol/Lのビフェニルを挿入後、テトラヒドロフラン(THF)500mLを撹拌しながら溶解させた。その後、1.5mol/Lのリチウム箔を挿入し、撹拌しながら溶解し、1.5Mリチウムビフェニルを作製した(ドープ液調製処理)。この1.5Mリチウムビフェニルを含有したTHF溶液に、0.4mol/Lの配合量で上記アトマイズ粉末を挿入し、このTHF溶液中でシリサイド含有シリコンとリチウムビフェニルとを撹拌しながら反応させ、シリサイド含有リチウムシリコン化合物を作製した。撹拌および反応時間は20hとした。シリサイド含有リチウムシリコン化合物粉末は、THF溶媒をろ紙で濾過し、抽出した。その後、シリサイド含有リチウムシリコン化合物粉末に100mlのエタノールを添加して、リチウムイオンを溶出させることにより、図1に示すようなシリサイド含有多孔質シリコン粒子を得た。この粒子をSEM観察して得られた平均粒径は、6.5μmであった。上記シリサイド含有多孔質シリコン粉末を電池特性評価用の負極活物質として用いた。
(実験例2、3)
Ti原料に代えて塊状のCr原料を14mol%となるように混合した以外は実験例1と同様の工程を経て得られたシリサイド含有多孔質シリコン粒子を実験例2とした。Ti原料に代えて塊状のZr原料を9mol%となるように混合した以外は実験例1と同様の工程を経て得られたシリサイド含有多孔質シリコン粒子を実験例3とした。実験例2、3の粒子の平均粒径はそれぞれ5.4μm、6.5μmであった。
(実験例4、5)
Ti原料に代えて塊状のNb原料を5mol%となるように混合した以外は実験例1と同様の工程を経て得られたシリサイド含有多孔質シリコン粒子を実験例4とした。Ti原料に代えて塊状のMo原料を5mol%となるように混合した以外は実験例1と同様の工程を経て得られたシリサイド含有多孔質シリコン粒子を実験例5とした。実験例4、5の粒子の平均粒径はそれぞれ6.4μm、6.5μmであった。
(実験例6)
Ti原料に代えてスポンジ状のHf原料を11mol%となるように混合した以外は実験例1と同様の工程を経て得られたシリサイド含有多孔質シリコン粒子を実験例6とした。実験例6の粒子の平均粒径は6.1μmであった。
(実験例7、8)
Ti原料に代えて、塊状Cr原料および塊状Zr原料をCrが13mol%、Zrが9mol%になるように混合した以外は実験例1と同様の工程を経て得られたシリサイド含有多孔質シリコン粒子を実験例7とした。Ti原料に代えてスポンジ状のHf原料および塊状のZr原料をHfが6mol%、Zrが4mol%になるように混合した以外は実験例1と同様の工程を経て得られたシリサイド含有多孔質シリコン粒子を実験例8とした。実験例7、8の粒子の平均粒径はそれぞれ5.1μm、5.7μmであった。
(実験例9)
平均粒径が5μmのSi粉末をそのまま用いたものを実験例9とした。
(シリサイド含有多孔質シリコン粒子の物性測定)
得られた負極活物質に対して、走査電子顕微鏡(SEM)により粉末表面観察および断面観察を行った。SEM観察は、走査型電子顕微鏡(日立社製S-3600N)を用いた。また、水銀ポロシメータ(カンタクローム製POWERMASTER60GT)で細孔分布を測定した。
(シリサイド相の体積比率、空隙率)
配合した組成比から、平衡状態図において、てこの原理を用いてシリサイド相の体積割合を求めた。なお、シリサイド相の体積割合は断面SEM写真において、シリコン相の面積とシリサイド相の面積とを算出し、この面積割合を体積割合とすることによって求めることもできる。また、空隙率について、シリコン相中に存在する空隙率は、シリコン粒子の断面を観察したSEM写真から、シリコン相及びシリサイド相の面積と、全体の面積とから空隙の面積を求め、この面積比率を体積比率とすることによって求めた。なお、シリコン相中の空隙率は、水銀ポロシメータの測定結果からも求めることもできる。
図3は、実験例1のシリサイド含有多孔質シリコン粒子のSEM写真であり、図3Aが外観写真、実図3Bが切断面の写真、図3Cがその拡大写真である。また、図4は、実験例1のシリサイド含有多孔質シリコン粒子の水銀ポロシメーターによる細孔分布測定結果である。図5は、実験例2のシリサイド含有多孔質シリコン粒子のSEM写真(図5A)及び水銀ポロシメータによる実験例2の細孔分布測定結果(図5B)である。図6は、実験例7のシリサイド含有多孔質シリコン粒子のSEM写真(図6A)及び水銀ポロシメータによる実験例7の細孔分布測定結果(図6B)である。図3に示すように、実験例1では、細孔は20nm~1.0μmの分布を有し、空隙率は15体積%であった。図3の多孔質シリコン粒子のSEM像からもわかるように、平均細孔サイズは0.5μm程度であることがわかった。図5に示すように、実験例2では、細孔は20nm~1.0μmの分布を有し、空隙率は17体積%であった。図6に示すように、実験例7では、細孔は20nm~1.0μmの分布を有し、空隙率は12体積%であった。
(シリサイド相の体積割合、シリコン相の空隙率)
シリサイド相の体積割合は平衡状態図から求めた。なお、シリサイド相の体積割合はSEM写真から、シリコン相の面積とシリサイド相の面積とを算出して、面積割合を体積割合とすることによっても、求めることができる。シリコン相中の空隙率は活物質の粒子断面のSEM像から求めた。なお、シリコン相中の空隙率は水銀ポロシからも求めることができる。
(リチウム二次電池の製造)
(有機電解液を用いたリチウムイオン二次電池の製造)
実験例1~9の各々の負極活物質82質量%と、導電材として平均粒径2μmのアセチレンブラック6質量%と、ポリイミド12質量%とを混合し、N-メチルピロリドンを加えてから攪拌してスラリーを作成した。次にこのスラリーを厚さ20μmの銅箔上に塗布してから乾燥し、これを圧延して厚さ50μmの負極電極を作成した。作成した負極電極を直径16mmの円形に打ち抜き、この負極電極に多孔質ポロエチレン製セパレータを挟んで対極として金属リチウムを重ね、更にフルオロエチレンカーボネート/炭酸エチレン/炭酸ジメチル/炭酸エチルメチル(FEC/EC/DMC/EMC)を体積比で1.5:1.5:4:3の混合溶媒にLiPF6を1mol/Lの濃度で添加してなる電解液を注液することにより、トムセル型小型電池セルを用いてリチウム二次電池を製造した。
得られたリチウム二次電池に対して、電池電圧0.005V~1.5Vの範囲で0.1Cの電流密度による充放電を20サイクル繰り返し行った。放電容量はシリサイドとリチウムの吸蔵、放出に有効な活物質Siの質量を基準として算出した。
(リチウムイオン二次電池の特性)
実験例1~9の初回放電容量(mAh/g)、20サイクル後放電容量(mAh/g)、および容量維持率を表1にまとめて示した。容量維持率は1サイクル目の放電容量Q1と20サイクル目の放電容量Q20を用い、Q20/Q1×100の式から求めた。
(結果と考察)
実験例1~9の基本組成式、シリサイド相体積割合(体積%)、シリコン相中の空隙率(体積%)、初回及び20サイクル時の放電容量(mAh/g)、20サイクル時の容量維持率(%)を表1にまとめた。表1、図に示すように、実験例1~8は、粒子化工程を経ており、SEM写真から得られる平均粒径は、5μmであった。また、実験例1~8は、多孔化工程を経ており、その空隙率は、5体積%以上50体積%以下の範囲であり、より好ましくは10体積%以上35体積%以下の範囲であった。また、実験例9は、初回放電容量が高いものの、20サイクルでの容量劣化が大きいことがわかった。一方、実験例1~8の容量維持率は、89~94%と良好であり、充放電による構造の安定性が高いことが示唆された。放電容量の値はシリコン相がリチウム挿入、脱離するのに対して、シリサイド相中にはリチウム挿入・脱離にあまり寄与しないため、放電容量はシリサイド体積割合の増加にしたがって減少した。
以上のように、シリサイド含有多孔質シリコン材料は、シリコン相にシリサイド相が分散し、粒子内部に空隙を有する構造を有することが好ましいことがわかった。また、元素Mは、シリコン相とシリサイド相との共晶組成又は亜共晶組成であることが好ましく、全体に対しシリサイド相の体積割合が5体積%以上70体積%以下の範囲、より好ましくは、10体積%以上50体積%以下の範囲であることがわかった。また、シリサイド含有多孔質シリコン材料は、粒子内部に存在する空隙の空隙率が5体積%以上50体積%以下の範囲、より好ましくは、10体積%以上35体積%以下の範囲であることがわかった。また、シリサイド含有多孔質シリコン材料の平均粒径は、0.1μm以上100μm以下の範囲が好ましく、5μm以上10μm以下の範囲がより好ましいものと推察された。
Figure 2022106635000007
次に、他のドープ液を用いて多孔質シリコン材料を作製する例を検討した。図7は、多孔質シリコン材料の作製工程の他の一例を示すスキームである。この多孔質シリコン材料の作製工程には、粒子化工程と調製工程と多孔化工程とを含む。粒子化工程は、上記実験例と同様である。多孔化工程において、溶媒としてのTHFと2メチルビフェニルからなる混合溶媒にリチウムイオンをドープし、リチウム・2-メチルビフェニルをドープ溶液として調製し、これを用いた。
(実験例10)
(多孔質シリコン粒子の作製)
千住金属工業製のガスアトマイズ法により作製したシリコン合金粒子を多孔質シリコン材料の作製に用いた。この粒子の組成はSi-5molMoとし、平均粒径d50が5~7μmになるように粒度調整を行った。Ar不活性雰囲気中グローブボックス内で、ナスフラスコにTHF240mLを入れたのち、1mol/Lの2-メチルビフェニル40mLを添加し、撹拌しながら混合した。その後、1.5mol/Lに相当するリチウム箔2.48gを投入し、撹拌しながら溶解させ、1.0mol/Lのリチウム・2-メチルビフェニル溶液(ドープ溶液)を調製した。1mol/Lリチウム・2-メチルビフェニルを含有したTHF溶液に、0.4mol/Lの配合量となる、粉砕したSi-5molMo粉末3.0gをこのドープ溶液に投入し、THF溶液中でSi-5molMo粉末とリチウム・2-メチルビフェニルとを撹拌しながら反応させ、リチウムシリサイド含有シリコン化合物を作製した。撹拌および反応時間は24hとした。次に、リチウム・2-メチルビフェニルを含有したTHF溶液を0.8μmのろ紙で濾過・乾燥し、リチウムシリサイド含有シリコン化合物粉末を抽出した。その後、リチウムシリサイド含有シリコン化合物粉末に100mLのエタノールを添加して、リチウムイオンを溶出させ、0.45μmのろ紙を用いてろ過、乾燥し、実験例10の多孔質シリコン粒子を得た。この多孔質シリコン粒子をSEM観察し、水銀圧入法による細孔分布測定、電池特性評価を行った。
(実験例11)
Si-5molNbを用いた以外は実験例10と同様の工程を経て得られた多孔質シリコン粒子を実験例11とした。
実験例10、11の多孔質シリコン粒子に対して、水銀ポロシメータで細孔分布を測定し、断面SEMから求めた細孔組織と比較検討を行った。水銀ポロシメトリーから求められるポーラスシリコンの細孔分布は粒子間空隙を含むため、処理前のシリコン粉末粒子間の空隙分布を測定し、ポーラスシリコン粒子内部の細孔分布を算出した。図8は、実験例10のシリサイド含有多孔質シリコン粒子のSEM写真である。図9は、実験例10の水銀ポロシメーターによる細孔分布測定結果である。図8に示すように、実験例10の粒子の断面には、白色のSi相に、灰色で示されるMoSi2及び黒色の空隙が含まれる構造が確認された。また、図9に示すように、実験例10では、水銀ポロシメータから求めた細孔分布では、数nm~300nmの範囲に細孔を有することがわかった。
(リチウム二次電池の作製)
実験例10、11の各々の多孔質シリコン材料を負極活物質とし、これを60質量%と、導電材としての平均粒径2μmのアセチレンブラックを20質量%、結着材としてのポリイミドを20質量%混合し、N-メチルピロリドン(NMP)を加えて攪拌し、負極合材のスラリーを作成した。次に、このスラリーを厚さ20μmの銅箔上に塗布、乾燥し、これを圧延して厚さ50μmの負極電極を作製した。作製した負極電極を直径16mmの円形に打ち抜き、この負極電極に多孔質ポリエチレン製セパレータを挟んで対極として金属リチウムを重ね、電解液を注液することにより、トムセル型小型電池セルを作製した。電解液は、炭酸フルオロエチレン(FEC)/炭酸エチレン(EC)/炭酸ジメチル(DMC)/炭酸エチルメチル(EMC)を体積比で1.5/1.5/4/3とした混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lの濃度で添加したものとした。得られたリチウム二次電池に対して、電池電圧0V~1.5Vの範囲で0.2Cの電流密度による充放電を20サイクル繰り返し行った。
(結果と考察)
表2に、実験例9~11の基本組成式、原料シリサイドの体積割合(体積%)、Si相の空隙率(体積%)、平均粒径(μm)、初回放電容量(mAh/g)、20サイクル時の放電容量(mAh/g)、20サイクルの容量維持率(%)をまとめた。シリコン相中に存在する空隙率は、シリコン粒子の断面を観察したSEM写真から、シリコン相及びシリサイド相の面積と、全体の面積とから空隙の面積を求め、この面積比率を体積比率とすることによって求めた。実験例10、11では、表1に示す実験例5、4に比して空隙率が向上し、多孔性がより向上していることがわかった。また、表2に示すように、実験例10、11では、容量維持率が92~93%と良好であり、且つ初回放電容量がより向上することがわかった。このように、ドープ溶液としてリチウム・2-メチルビフェニルを用いると多孔質シリコン材料の特性を更に向上することができることが明らかとなった。
Figure 2022106635000008
なお、本開示は上述した実施例に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
本開示は、二次電池の技術分野に利用可能である。
10 多孔質シリコン材料、11 シリコン相、12 シリサイド相、15 空隙、20 蓄電デバイス、21 正極、22 負極、23 イオン伝導媒体、24 積層体、25 拘束部材、26 電池ケース

Claims (13)

  1. シリコン相と基本組成式MSi2で表されるシリサイド相とを含み、前記シリコン相に前記シリサイド相が分散し空隙を内部に有する粒子構造を有し、
    前記シリコン相と前記シリサイド相との全体に対し前記シリサイド相の体積割合が5体積%以上70体積%以下の範囲であり、
    粒子内部に存在する空隙の空隙率が5体積%以上50体積%以下の範囲である、
    多孔質シリコン材料。
  2. 前記空隙率が10体積%以上35体積%以下の範囲である、請求項1に記載の多孔質シリコン材料。
  3. 前記シリサイド相の体積割合が10体積%以上50体積%以下の範囲である、請求項1又は2に記載の多孔質シリコン材料。
  4. 平均粒径が0.1μm以上100μm以下の範囲の粒子状である、請求項1~3のいずれか1項に記載の多孔質シリコン材料。
  5. 前記シリサイド相は、MがCr、Ti、Zr、Nb、Mo、Hf、Mn、Fe、Co、Y、La、Ce、Ta及びWのうち1以上である、請求項1~4のいずれか1項に記載の多孔質シリコン材料。
  6. 前記シリサイド相は、MがNb及びMoのうち1以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の多孔質シリコン材料。
  7. 正極と、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の多孔質シリコン材料を含む負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在しイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
    を備えた蓄電デバイス。
  8. 多孔質シリコン材料の製造方法であって、
    前記シリコン相を形成するシリコン原料とMSi2で表されるシリサイド相を形成するM原料とを、前記シリコン相及び前記シリサイド相の全体に対し前記シリサイド相の体積割合が5体積%以上70体積%以下の範囲となるよう溶融し、前記シリコン相に前記シリサイド相が分散した構造を有する粒子を形成する粒子化工程と、
    作製した前記粒子を、還元状態の芳香族炭化水素化合物と金属イオンとを含むドープ溶液に入れて前記金属イオンを前記粒子に反応させたのち、溶出液を用いて前記粒子内に導入された前記金属イオンを除去することによって、粒子内部に存在する空隙の空隙率が5体積%以上50体積%以下の範囲に前記粒子を多孔化する多孔化工程と、
    を含む多孔質シリコン材料の製造方法。
  9. 前記多孔化工程では、(1)~(5)のいずれか1以上の特徴を有する前記ドープ溶液を用いる、請求項8に記載の多孔質シリコン材料の製造方法。
    (1)前記ドープ溶液は、次式(1)及び式(2)のうち1以上である前記芳香族炭化水素化合物を含む。
    Figure 2022106635000009
    (2)前記ドープ溶液は、ナフタレン、ビフェニル、オルトターフェニル、アントラセン及びパラターフェニルのうち1以上である前記芳香族炭化水素化合物を含む。
    (3)前記ドープ溶液は、リチウムイオン、ナトリウムイオン及びカリウムイオンのうち1以上である前記金属イオンを含む。
    (4)前記ドープ溶液は、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、ジオキソラン及びジオキサンのうち1以上の溶媒を含む。
    (5)前記ドープ溶液は、次式(3)及び式(4)のうち1以上により得られたものである。
    Figure 2022106635000010
  10. 前記多孔化工程では、次式(5)~(8)のいずれか1以上を含む前記ドープ溶液を用いる、請求項8又は9に記載の多孔質シリコン材料の製造方法。
    Figure 2022106635000011
  11. 前記多孔化工程では、前記溶出液としてアルコール及び直鎖状アルカンのうち1以上を用いる、請求項8~10のいずれか1項に記載の多孔質シリコン材料の製造方法。
  12. 前記粒子化工程では、前記MがCr、Ti、Zr、Nb、Mo、Hf、Mn、Fe、Co、Y、La、Ce、Ta及びWのうち1以上である前記M原料を用いる、請求項8~11のいずれか1項に記載の多孔質シリコン材料の製造方法。
  13. 前記粒子化工程では、前記MがNb及びMoのうち1以上である前記M原料を用いる、請求項8~12のいずれか1項に記載の多孔質シリコン材料の製造方法。
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