JP2022105173A - 3d細胞凝集体の生成及び培養のための装置及び方法 - Google Patents

3d細胞凝集体の生成及び培養のための装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】3D細胞凝集体の生成及び培養のための装置及び方法を提供する。【解決手段】マイクロウェルのアレイ100を含む細胞培養基材であって、各マイクロウェル401が、上部ウェルエッジ、波形状のマイクロウェルの側壁403、及び、丸みを帯びたウェル底部によって画成された前記マイクロウェル内への開口部を備え、複数の前記波形状の側壁の間の間隙に、複数の前記マイクロウェルが生成されるように、複数の前記波形状の側壁が位置合わせされている、細胞培養基材を提供する。【選択図】図4B

Description

関連出願の相互参照
本出願は、各々の全体がここに参照することによって本願に援用される、2014年10月29日出願の米国仮特許出願第62/072015号、2014年10月29日出願の同第62/072103号、2014年10月29日出願の同第62/072088号、及び、2014年12月19日出願の同第62/094471号の優先権を主張する。
本開示は、細胞を培養するための装置、システム、及び方法に関する。特に、3D細胞凝集体の生成及び培養のための装置及び方法が提供される。
三次元(3D)細胞培養は、細胞が、三次元のすべての次元において、増殖及び/又は主として互いに対する相互作用を可能にする、人工的に作り出された環境における細胞の増殖である。3D細胞培養は、少なくとも、3D条件がインビボ環境をより正確に具現化するという理由で、2D(例えば、ペトリ皿上)での細胞の増殖方法に対する改善を示す。
スフェロイドなどの三次元で培養された細胞は、単層として二次元で培養されたそれらの対応物よりもさらにインビボ様の機能を呈しうる。二次元の細胞培養システムでは、細胞は、それらがその上で培養される基材に付着しうる。しかしながら、スフェロイドなど、細胞が三次元で増殖される場合、細胞は、基材に付着するよりはむしろ、互いに相互作用する。スフェロイドをベースとしたアッセイの問題の1つは、アッセイの結果が、典型的にはスフェロイドの寸法によって変動することである。例えば、システムごとの播種密度及び増殖時間などの変数の変動は、所与のシステム内のシステムごとに又はウェルごとに、アッセイの再現性に影響を及ぼしうる。したがって、別々のウェル内で増殖させたスフェロイド間の一貫性のあるスフェロイド寸法の維持は、課題を提示しうる。
細胞培養装置内で増殖する細胞の密度が増加するにつれて、より大きい容積の細胞培養培地、又は、細胞培養培地のより頻繁な交換が、細胞を維持するために必要とされうる。しかしながら、培地交換の頻度の増加は不便でありうる。加えて、細胞培養培地の容積の増加は、培養される細胞の上の培地の高さの望ましくない増加につながりうる。培地の高さが増加するにつれて、培地を通じた細胞のためのガス交換速度は低下する。
細胞は、波状のバッグ、スピナ及び振とう機においてスフェロイド塊として高密度で増殖されている。しかしながら、このような装置内で増殖させたスフェロイドの寸法は一貫性がなく、このような装置に特有の剪断は、スフェロイドをより小さい塊へと破壊する傾向がある。さらには、このような装置は、顕在需要を満たすのに十分に高い細胞密度を達成することはできないであろう。
本開示は、細胞を培養するための装置、システム及び方法に関する。特に、3D細胞凝集体の生成及び培養のための装置及び方法が提供される。例えば、装置及び方法は、細胞の3D培養にとって有害な、当技術分野で知られた又は知られていない問題に対処するために提供される。
スフェロイドなどの三次元で培養された細胞は、単層として二次元で培養されたそれらの対応物よりも高いインビボ様の機能を示しうる。二次元の細胞培養システムでは、細胞は、それらがその上で培養される基材に付着しうる。しかしながら、スフェロイドなど、細胞が三次元で増殖される場合、細胞は、基材に付着するよりはむしろ、互いに相互作用する。三次元で培養された細胞は、細胞間コミュニケーション及び細胞外基質の発現の観点から、インビボ組織によく似ている。よって、スフェロイドは、細胞の移動、分化、生存、及び増殖の優れたモデルを提供し、したがって、研究、診断、並びに、薬効、薬理、及び毒性を試験するためのより良好なシステムを提供する。
幾つかの実施形態では、マイクロウェル又はウェルのアレイを備えた又は含む基材が提供される。基材は、細胞培養装置又はデバイスの一部を形成しうる。例えば、基材は、マルチウェルプレート、フラスコ、皿、管、多層細胞培養フラスコ、バイオリアクタ、若しくは、細胞又はスフェロイドの増殖を意図した他の研究用容器などの一部を形成しうる。マイクロウェル又はウェル(用語「マイクロウェル」及び「ウェル」は、本開示において同じ意味で用いられる)は、培養におけるスフェロイドの形成を促進する環境を提供するように構造化及び配置される。すなわち、実施形態において、マイクロウェルは、スフェロイドを誘発する幾何学形状を有する。加えて、ウェルは、基材とウェル内に取り込まれた液体又は液滴との間に空気を閉じ込めることなく、ウェルの内外への液体の移動をもたらすように構造化及び配置される。すなわち、実施形態において、マイクロウェルは毛管構造を有する。例えば、細胞がその中で増殖されるウェルは、ウェル内の細胞が互いに会合して球状物を形成するように、細胞に対して非接着性でありうる。スフェロイドは、ウェルの幾何学形状によって課せられた寸法の許容限界まで拡大する。幾つかの実施形態では、ウェルは、ウェルを細胞に対して非接着性にするために超低結合性の材料でコーティングされる。
幾つかの実施形態では、細胞培養装置は、該装置の設置面積を含むフレームを有しており、該装置の基材は、装置内で培養された細胞がスフェロイドを形成するように構成されている。例えば、装置内の細胞培養基材は、細胞が基材の代わりに互いに会合するように、細胞に対して非接着性である。細胞培養基材はさらに、その幾何学形状によって、ウェル内で増殖した細胞が同様の大きさの細胞凝集体又はスフェロイドを形成可能にする、複数のマイクロウェル(又はウェル)から構成される。スフェロイドは、マイクロウェルの幾何学形状によって課せられた寸法の許容限界まで拡大する。幾つかの実施形態では、ウェルは、該ウェルを細胞に対して非接着性にするために、低結合化処理を有するか、又は、超低結合性の材料でコーティングされる。
非接着性の材料の例としては、パーフルオロ化ポリマー、オレフィン、又は同様のポリマー、若しくはそれらの混合物が挙げられる。他の例としては、アガロース、ポリアクリルアミドなどの非イオン性ヒドロゲル、ポリエチレンオキシドなどのポリエーテル及びポリビニルアルコールなどのポリオール、又は同様の材料、若しくはそれらの混合物が挙げられる。例えば、非接着性のウェル、ウェルの幾何学形状(例えば、寸法及び形状)、及び/又は重力の組合せは、ウェル内で培養された細胞を、スフェロイドへと自己組織化するように誘発する。一部のスフェロイドは、単層で増殖させた細胞と比較して、よりインビボ様の応答を示す、分化された細胞機能を維持する。間葉系間質細胞などの他の細胞型は、スフェロイドとして培養された場合、それらの多能性を保持する。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載のシステム、装置、及び方法は、1つ以上の細胞を含む。幾つかの実施形態では、細胞は冷凍保存される。幾つかの実施形態では、細胞は、三次元培養におけるものである。幾つかのこのような実施形態では、システム、装置、及び方法は、1つ以上のスフェロイドを含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の細胞は、活発に分裂する。幾つかの実施形態では、システム、装置、及び方法は、培養培地(例えば、栄養素(例えば、タンパク質、ペプチド、アミノ酸)、エネルギー(例えば、炭水化物)、必須金属及びミネラル(例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、リン酸塩(phosphates)、硫酸塩(sulphates))、緩衝剤(例えば、リン酸塩、酢酸塩)、pH変化の指示薬(例えば、フェノールレッド、ブロモクレゾールパープル)、選択剤(例えば、化学薬剤、抗微生物剤)等を含む)を含む。幾つかの実施形態では、1つ以上の試験化合物(例えば、薬物)が、システム、装置、及び方法に含まれる。
多種多様の細胞型が培養されうる。幾つかの実施形態では、スフェロイドは単一の細胞型を含む。幾つかの実施形態では、スフェロイドは2つ以上の細胞型を含む。幾つかの実施形態では、2つ以上のスフェロイドが増殖される場合、各スフェロイドは同じ型のものであるが、他の実施形態では、2つ以上の異なる型のスフェロイドが増殖される。スフェロイド内で増殖した細胞は、天然の細胞又は改変された細胞(例えば、1つ以上の非天然型の遺伝子改変を含む細胞)でありうる。幾つかの実施形態では、細胞は体細胞である。幾つかの実施形態では、細胞は、分化の所望の状態(例えば、多能性(pluripotent、multi-potent)、運命が決定された、不死化した等)にある、幹細胞又は前駆細胞(例えば、胚性幹細胞、人工多能性幹細胞)である。幾つかの実施形態では、細胞は疾患細胞又は疾患モデル細胞である。例えば、幾つかの実施形態では、スフェロイドは、1つ以上の型のがん細胞又は過剰増殖性の状態へと誘発されうる細胞(例えば、形質転換細胞)を含む。細胞は、任意の所望の組織又は臓器の種類に由来するか、又はそれらから誘導されてよく、副腎、胆嚢(bladder)、血管、骨、骨髄、脳、軟骨、頸部、角膜、子宮内膜、食道、胃腸、免疫システム(例えば、Tリンパ球、Bリンパ球、白血球、マクロファージ、及び樹状細胞)、肝臓、肺、リンパ腺、筋肉(例えば、心筋)、神経、卵巣、膵臓(例えば、膵島細胞)、下垂体、前立腺、腎臓、唾液腺、皮膚、腱、精巣、及び甲状腺が挙げられるが、それらに限られない。幾つかの実施形態では、細胞は、哺乳動物細胞(例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ブタ、ニワトリ、ヤギ、ウマ等)である。
培養された細胞は、多種多様な研究、診断、薬物のスクリーニング及び試験、治療及び産業上の用途における利用が見出されている。
幾つかの実施形態では、細胞は、タンパク質又はウイルスの産生に用いられる。多数のスフェロイドを並行して培養するシステム、装置、及び方法は、タンパク質の産生にとって特に有効である。三次元培養は、細胞増殖表面積1平方センチメートル当たりの細胞密度の増加、及びタンパク質収量の増加を可能にする。ワクチン生産のための所望のタンパク質又はウイルスは、細胞内で増殖させることができ、所望の用途のために単離又は精製されうる。幾つかの実施形態では、タンパク質は、細胞にとって天然型のタンパク質である。幾つかの実施形態では、タンパク質は、非天然型である。幾つかの実施形態では、タンパク質は、組換え的に発現される。好ましくは、タンパク質は、非天然型プロモータを使用して過剰発現される。タンパク質は、融合タンパク質として発現されてもよい。幾つかの実施形態では、精製又は検出用のタグが、対象とするタンパク質の融合パートナーとして発現されて、その精製及び/又は検出を促進する。幾つかの実施形態では、融合は、精製後の融合パートナーの分離を可能にするための開裂可能なリンカーを伴って発現される。
幾つかの実施形態では、タンパク質は、治療用タンパク質である。このようなタンパク質としては、欠乏している又は異常なタンパク質を置換する(例えば、インスリン)、既存経路を増強する(例えば、阻害剤又はアゴニスト)、新規の機能又は活性を提供する、分子又は有機体に干渉する、又は他の化合物又はタンパク質を送達する(例えば、放射性核種、細胞傷害性薬物、エフェクタータンパク質等)、タンパク質及びペプチドが挙げられるが、それらに限られない。幾つかの実施形態では、タンパク質は、任意の種類(例えば、ヒト化、二重特異性、多特異性等)の抗体(例えば、モノクローナル抗体)など、免疫グロブリンである。治療用タンパク質の分類としては、抗体ベースの薬物、Fc融合タンパク質、抗凝固剤、抗原、血液因子、骨形成タンパク質、改変タンパク質足場、酵素、増殖因子、ホルモン、インターフェロン、インターロイキン、及び血栓溶解剤が挙げられるが、それらに限られない。治療用タンパク質は、がん、免疫異常、代謝異常、遺伝性遺伝病(inherited genetic disorders)、感染症、及び他の疾患及び状態の予防又は治療に使用されうる。
幾つかの実施形態では、タンパク質は、診断用タンパク質である。診断用タンパク質としては、抗体、親和性結合パートナー(例えば、レセプタ結合リガンド)、阻害剤、アンタゴニストなどが挙げられるが、それらに限られない。幾つかの実施形態では、診断用タンパク質は、検出用部分(例えば、蛍光部分、発光部分(例えば、ルシフェラーゼ)、比色分析用部分等)であるか、又はそれらを伴って発現される。
幾つかの実施形態では、タンパク質は産業用タンパク質である。産業用タンパク質としては、食物成分、産業用酵素、農業用タンパク質、分析用酵素等が挙げられるが、これらに限られない。
幾つかの実施形態では、細胞は、創薬、特性付け、有効性試験、及び毒性試験に用いられる。このような試験としては、薬理効果評価、発癌性評価、医療用造影剤特性評価、半減期評価、放射線安全評価、遺伝毒性試験、免疫毒性試験、生殖及び発生試験、薬物相互作用評価、用量評価、吸着性評価、体内動態評価(disposition assessment)、代謝評価、除去研究等が挙げられるが、それらに限られない。特定の細胞型が、特定の試験に用いられうる(例えば、肝毒性には肝細胞、腎毒性には腎臓近位尿細管上皮細胞、血管毒性には血管内皮細胞、神経毒性には神経細胞及びグリア細胞、心毒性には心筋細胞、横紋筋融解には骨格筋細胞等)。処理された細胞は、膜統合性、細胞内代謝物含量、ミトコンドリア機能、リソソーム機能、アポトーシス、遺伝子変異、遺伝子発現の差異などを含むがそれらに限られない、あらゆる所望のパラメータについて評価されうる。
幾つかの実施形態では、細胞培養装置は、より大きいシステムの構成要素である。幾つかの実施形態では、システムは、複数(例えば、2、3、4、5、…、10、…、20、…、50、…、100、…、1000等)のこのような細胞培養装置を含んでいる。幾つかの実施形態では、システムは、最適な培養条件(例えば、温度、雰囲気、湿度等)に培養装置を維持するためのインキュベータを備えている。幾つかの実施形態では、システムは、細胞を撮像又は他の方法で解析するための検出器を備えている。このような検出器としては、蛍光光度計、照度計、カメラ、顕微鏡、プレートリーダ(例えば、PERKIN ELMER社のEnVisionプレートリーダ;PERKIN ELMER社のViewLuxプレートリーダ)、細胞分析器(例えば、GE社のINセルアナライザー2000及び2200;THERMO社のCELLOMICS CELLNSIGHTハイコンテントスクリーニングプラットフォーム)、及び共焦点結像システム(例えば、PERKIN ELMER社のOperaPhenixハイスループットコンテントスクリーニングシステム;GE社のINCELL6000細胞結像システム)が挙げられるが、それらに限られない。幾つかの実施形態では、システムは、培養細胞に、培養培地又は他の成分を供給、再供給、及び循環させるための灌流システム又は他の構成要素を備えている。幾つかの実施形態では、システムは、培養装置の取り扱い、使用、及び/又は解析を自動化するためのロボット構成要素(例えば、ピペット、アーム、プレートムーバー等)を備えている。
マイクロウェルフォーマットのマイクロプレート又はマイクロウェルを有する他の容器の取り扱いにおいて、及び、特にマイクロウェルへの液体の添加の際には、水性液体の導入時にマイクロウェルからの空気の完全な排除を確実にすることに配慮すべきである。ウェルを含む容器に液体を添加する際に、空気は、特にウェルが円形の断面を有する場合には、液下で、かつ、ウェル(例えば、マイクロウェル)内に閉じ込められうる。ウェルに加えられる水性液体の表面張力は強力であるため、液滴は球形を保持しやすい。球形液滴は、同様の寸法の円形孔を容易に閉塞することができ、空気を孔(例えば、マイクロウェル)内に閉じ込めてしまう。
幾つかの実施形態では、ウェルの細胞培養特性(例えば、3D細胞培養における有用性)を維持しつつ、空気がマイクロウェル内に閉じ込められる可能性を低下させるウェルの幾何学形状が、本明細書において提供される。幾つかの実施形態では、ウェルの幾何学形状(例えば、マイクロウェルの幾何学形状)は、ウェルへの液体の導入の際に、空気の効率的な排除を可能にする。幾つかの実施形態では、ウェルの幾何学形状は、ウェルからの空気の抜けを遮断することなく、ウェル内への液体の流れのための経路を提供する。幾つかの実施形態では、ウェルの幾何学形状は、閉じ込められた空気を逃がすための経路を提供する。幾つかの実施形態では、細胞の凝集のための閉じ込め寸法を維持すると同時に、マイクロウェル内の空気の排除を促進し、かつ、マイクロウェル内への液体の流入を可能にする、さまざまなウェルの幾何学形状が、本明細書に提供される。
実施形態において、本開示は、例えば、スフェロイド細胞塊又は他の凝集細胞群を、培養及び評価するための装置(例えば、マルチウェルプレート、ペトリ皿、フラスコ、多層フラスコ、又はHyperStack)を提供する。幾つかの実施形態では、装置は、開口部(例えば、開口)、1つ又は複数の側壁、及び、1つ以上のマイクロウェルを有する底面を備えた、少なくとも1つのチャンバ(例えば、ウェル(例えば、マクロウェル)、フラスコ等)を備えている。幾つかの実施形態では、開口部、側壁、及び底部の幾何学形状は、チャンバ内での細胞(例えば、細胞凝集体、スフェロイド等)の3D培養、並びに、次のうち1つ以上(例えば、すべて)を可能にする:(1)チャンバへの試薬(例えば、液体試薬)の分配の際のチャンバからの空気の排除(例えば、空気が液下又は液体内に閉じ込められることなく)、(2)マイクロウェル内の液体の表面下の空気の閉じ込めの可能性を低下させる、マイクロウェルへの液体の流れのルート、(3)マイクロウェルへの液体の導入の際の空気の抜けのための経路、及び/又は(4)液面下に閉じ込められた空気の抜けのための経路。
幾つかの実施形態では、装置は、ウェル(例えば、マイクロウェル)及び表面が多角形の角度(例えば、90度の角度)を有しない、1つ以上のウェル(例えば、マイクロウェル)を含む表面を伴って準備される。
幾つかの実施形態では、ウェル(例えばマイクロウェル)は、正弦波に似た断面形状を有する。このような実施形態では、ウェルの底部は丸みを帯び(例えば半球円形)、側壁はウェルの底部から上部へと直径が増大し、ウェル間の境界は丸みを帯びている。このように、ウェルの上部は直角には終結しない。幾つかの実施形態では、ウェルは、底部と上部との間の中間点における直径D(D中間ともいわれる)、ウェルの上部における直径D上部、及び、ウェルの底部から上部までの高さHを有する。これらの実施形態では、D上部は、Dよりも大きい。ウェルの相対寸法及び絶対寸法は両方とも、所望の培養条件について選択されうる。スフェロイドの増殖では、直径Dは、好ましくは、ウェル内で培養される3D細胞凝集体の所望の直径の1~3倍である。高さHは、Dの0.7~1.3倍である。直径D上部は、Dの1.5~2.5倍である。Dは、好ましくは、100マイクロメートル(μm)~約2000マイクロメートルである(以下の値のうちのいずれか2つの値の間の範囲(例えば、200~1000μm、200~750μm、300~750μm、400~600μm等)を含む、例えば、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1200、1400、1600、1800、又は2000マイクロメートル)。しかしながら、代替的な相対寸法又は絶対寸法を使用してもよい。例えば、Dは、細胞凝集体の所望の直径の1~10倍(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9)、若しくは、それらの間の任意の値又は範囲(例えば、1、1~1.5、1~2、2、1~2.5、1~3、2~3、1~5、3~5、2~7等)でありうる。Dは、100μm~10,000μm、若しくは、それらの間の任意の値(例えば、100、200、500、1000、2000、5000)又は範囲(例えば、100~2000、200~1000、300~700、400~600、500等)でありうる。Hは、Dの0.5~10倍(例えば、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、若しくは、それらの間の任意の値又は範囲)でありうる。D上部は、Dの1.1~5倍(例えば、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、若しくは、それらの間の任意の値又は範囲)でありうる。
隣接するウェル(例えば、マイクロウェル)間の障壁は、隣接したウェルとは逆の同一形状を有してもよく、より大きい又はより小さい直径Dを有してもよく、あるいは、別の方式で形状が異なっていてもよい(例えば、ウェル底部の形状は、ウェル/障壁上部の形状とは異なっていてもよい、例えば、図2参照)。所与の表面におけるウェルの数を最大化するため、Dは、D未満であることが好ましい。Dは、Dより1.1~5倍(例えば、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、3、4、5、若しくは、それらの間の任意の値又は範囲)、大きくても小さくてもよい。
ある特定の実施形態では、本明細書の細胞培養装置は、ウェル内で培養された細胞が特定の直径のスフェロイドを形成するように各々が構成された、複数のウェルを備えている。細胞培養装置は、複数のウェルを画成する構造を含みうる。幾つかの実施形態では、複数のウェルの各々は、上部開口、ウェル底部、及び上部開口からウェル底部まで延びる側壁表面を画成する。側壁表面は、上部開口とウェル底部との間のペン先領域を画成する。細胞培養容積は、底面、側壁表面の一部、及びペン先領域によって画成される。幾つかの実施形態では、ペン先領域は、50マイクロメートル~700マイクロメートルの範囲(例えば、50μm、75μm、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、及びそれらの間の任意の範囲)のウェル底部からの高さにおいて、100マイクロメートル~700マイクロメートルの範囲(例えば、100μm、200μm、300μm、400μm、500μm、600μm、700μm、及びそれらの間の任意の範囲)の直径寸法によって画成される。側壁表面又は細胞培養容積は、各ウェル内で増殖するスフェロイドの寸法を制御するように寸法決めされる。ペン先領域は、スフェロイドを誘発する幾何学形状をしている。
実施形態は、例えば:細胞の播種又は培地交換の間の気泡の取り込みがないこと、培地交換の間の3D細胞凝集体の高い保持性、大面積の表面からのスフェロイドの採取の容易性、ガス透過性、複数のウェルの上の培地リザーバ、スフェロイド含有ウェル、及び/又は、大量かつ均一寸法でのスフェロイド生成能を含む、多くの特徴を提供する。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載のウェルは、ウェル内部の上部開口部から延びる、1つ以上の毛管構造(例えば、リッジ、割れ目、角部、鋭角、波形、ピラー等)を備えており、この毛管構造は、上部開口部からウェル底部へ又は上部開口部から口部の底部へと延びてよく、これが、ウェル内への液体の流入の際に空気を逃がすためのルートを提供する。本明細書に記載の実施形態の範囲内の適切なウェルの幾何学形状としては、次のものが挙げられる:(a)正方形の断面の上部開口部、丸みを帯びた(例えば、凹形)ウェル底部、及び、ウェルの上部の正方形の断面からウェル底部の円形の断面へと移行する側壁を有するウェル;(b)上部開口部(例えば、円形の断面の上部開口部)からウェル底部(例えば、丸みを帯びた(例えば、凹形)ウェル底部)まで延びる1つ以上の突出するリッジ線を有するウェル(例えば、図1B参照);(c)上部開口部(例えば、円形の断面の上部開口部からウェル底部(例えば、丸みを帯びた(例えば、凹形)ウェル底部)まで延びる1つ以上の割れ目を有するウェル(例えば、図2B参照);(d)ウェルを完全には取り囲まない、第1及び第2の側壁によって画成される上部と、丸底を有し、側壁が完全にウェルを囲む、ウェルの下部を有する、ウェル(例えば、図27又は図28参照);(e)1つ以上の側壁が凸状断面を有し、それによって、ピラーによって形成されうる、2つの側壁の間に鋭角を生じる、ウェル(例えば、図5参照)。幾つかの実施形態では、ウェルは、上記幾何学形状のバリエーション及び/又は組合せを含む。
実施形態において、本明細書に記載のウェルを備えた細胞培養装置を製造する方法が本明細書に提供される。
実施形態において、例えば、スフェロイド細胞培養又は細胞アッセイにおける、本明細書に記載のウェルを備えた細胞培養装置の使用方法が、本明細書に提供される。
幾つかの実施形態では、その中に配置されたウェルを有するフレームを備えた細胞培養装置が、本明細書に提供され、該ウェルは、(a)上部開口部;(b)丸みを帯びた断面形状を有するウェル底部;(c)ウェル底部から上部開口部まで延びる1つ又は複数の側壁;(d)必要に応じて、口部;及び(e)必要に応じて、液体の表面下に持続的な空気溜まりを形成することなく、ウェル内への液体の導入及びウェルからの空気の抜けを促進する毛管構造を備えている。
幾つかの実施形態では、ウェル底部は円形の断面形状を有し、ここで、上部開口部は、多角形の断面形状を有し、側壁は、円形から多角形の断面形状へと移行し、それによって、ウェル内への液体の導入及びウェルからの空気の抜けを促進する毛管構造としての役割をする角部を側壁間に生じる。幾つかの実施形態では、側壁の断面形状の移行は、ウェル内外への流体の流れに障害をもたらさない。幾つかの実施形態では、上部開口部は正方形又は六角形の断面形状を有する。
幾つかの実施形態では、ウェル内への液体の導入及びウェルからの空気の抜けを促進する構造的特徴は、1つ又は複数の側壁から突出し、ウェル底部から上部開口部まで延びるリッジである。幾つかの実施形態では、ウェルは、1つ又は複数の側壁から突出し、ウェル底部から上部開口部まで延びる、又は略そのような形状の1~20のリッジ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20)を備えている。幾つかの実施形態では、ウェル底部は円形の断面形状を有し、上部開口部は円形又は多角形の断面形状を有する。幾つかの実施形態では、リッジは、ウェルの外周の周りに対称的に離間されている。幾つかの実施形態では、リッジは、ウェルの外周の周りに非対称的に離間されている。幾つかの実施形態では、リッジは、上部開口部からウェル底部までの距離全体には及ばない。
幾つかの実施形態では、ウェル内への液体の導入及びウェルからの空気の抜けを促進する構造的特徴は、1つ又は複数の側壁内かつウェル底部から上部開口部まで延びる割れ目である。幾つかの実施形態では、ウェルは、1つ又は複数の側壁内かつウェル底部から上部開口部まで延びる1~20の割れ目(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20)を備えている。幾つかの実施形態では、ウェル底部は円形の断面形状を有し、上部開口部は円形又は多角形の断面形状を有する。幾つかの実施形態では、割れ目は、ウェルの外周の周りに対称的に離間されている。幾つかの実施形態では、割れ目は、ウェルの外周の周りに非対称的に離間されている。幾つかの実施形態では、割れ目は、上部開口部からウェル底部までの距離全体には及ばない。
幾つかの実施形態では、ウェルは、3つ以上(例えば、3、4、5、6、7、8、9、10)の隣接するピラーによって画成され、各ピラーの側部の一部は、ウェルの側壁を形成し;ここで、隣接するピラー同士の間の限定空間は、ウェル内への液体の導入及びウェルからの空気の抜けを促進する構造的特徴を形成する。幾つかの実施形態では、ウェル底部は、円形の断面形状を有し、ピラーの下に延びる。
幾つかの実施形態では、その中に配置された複数のウェルを有するフレームを備えた細胞培養装置が、本明細書に提供され;ここで、ウェルは、少なくとも一列に配置され;該列は、側壁同士の間の間隙が各波形に伴って拡大狭小するように位置合わせされた2つの波形状の側壁によって画成され;各ウェルの上部は、隣接するウェルの上部が流体連通するように、側壁の2つの狭くなった間隙の間の拡大した間隙によって画成され;各ウェルの下部は、波形状の側壁の下に延び、円形のウェル底部を形成する。幾つかの実施形態では、装置は、複数の列のウェルを備えている。
幾つかの実施形態では、1つの側壁、複数の側壁、及び/又はウェル底部は、ガス透過性かつ液体非透過性である。すなわち、幾つかの実施形態では、ウェルを形成する基材は、ガス透過性かつ液体非透過性である。
幾つかの実施形態では、1つ又は複数の側壁は不透明であり、ウェル底部は透明である。
幾つかの実施形態では、ウェル底部は、凹状のアーチ形表面を含む。
幾つかの実施形態では、1つの側壁、複数の側壁、及び/又はウェル底部は、低接着性又は非接着性の材料を含む、及び/又は、低接着性又は非接着性の材料でコーティングされる。
幾つかの実施形態では、細胞培養装置は、8~約10,000のウェル(8、16、24、32、48、64、96、128、256、384、500、600、700、800、1000、1536、2000、2400、3200、4000、10000、又はそれらの中のいずれかの範囲)を備えている。
幾つかの実施形態では、マイクロウェルパターンを有する表面は、幅広い細胞培養製品に導入される。幾つかの実施形態では、例えば、12-、24-、及び6-ウェルプレートにおける、ウェル(例えば、マクロウェル)の底部は、マイクロウェル表面を伴ってパターン化される。幾つかの実施形態では、マイクロウェル表面は、T25、T75、T125、T175及びT250フラスコなどの大表面積の細胞培養容器、並びに、CellSTACK及びHYPERStackラインの製品に導入される。幾つかの実施形態では、前記マイクロウェルを多数有する大表面積の容器内での細胞の培養は、細胞療法用途、クローン培養、幹細胞ニッチ、又はニッチ細胞の共培養に適用可能な大量の3D細胞凝集体を産生する。
幾つかの実施形態では、本明細書の細胞培養装置は、主面を画成する底部プレート、リザーバを画成する、底部プレートから延びる1つ以上の側壁、及び、主面に形成された複数のウェルを備えている。各ウェルは、主面と同一平面上にあり、かつリザーバに対して開放された上部開口、及び、主面の下に位置合わせされたウェル底部の底(nadir)を画成する。通常のウェルプレートとは対照的に、本明細書に記載のプレートは、ウェルの表面の上のリザーバを画成し、これが、使用される細胞培養培地の容積の増加を可能にし、よって、頻繁な培地交換をより少なくする。例えば、図28を参照。
さまざまな実施形態において、1つ以上の細胞培養コンパートメントを有する細胞培養装置が記載される。幾つかの実施形態では、細胞培養コンパートメントは積層される。幾つかの実施形態では、各細胞培養コンパートメントは、複数のガス透過性のウェルを画成する構造化された表面を画成する基材を備えている。幾つかの実施形態では、ウェルは、ガス透過性材料を通じて直接、若しくは、通気孔又は導管空間を介して、のいずれかによって装置の外部とガス連通する。幾つかの実施形態では、少なくとも一部に、ウェルがガス透過性材料から作られたマイクロウェルのアレイを有する基材を有する、細胞培養装置が記載される。したがって、幾つかの実施形態では、装置は、効率的な代謝ガスの交換のために、既存の細胞培養装置では高すぎるであろう、ある高さの細胞培養培地を、培養された細胞上に有しつつ、ウェル内で細胞を培養するために用いられる。細胞は、装置の外部とガス連通するガス透過性のウェル内で培養されることから、ガス交換はウェルを通じて行われ、細胞の上の培地の高さに起因する細胞培養培地を通じたガス交換の不足を克服する。
ある特定の実施形態では、細胞培養装置は、1つ以上の細胞培養コンパートメントを備えている。幾つかの実施形態では、各細胞培養コンパートメントは内部を有し、第1の主面と、反対側の第2の主面とを有する基材を備えており;第1の主面は、コンパートメントの内部の構造化された表面を画成する。幾つかの実施形態では、構造化された表面は、複数のガス透過性のウェルを画成する。幾つかの実施形態では、ウェルは、装置の外部とガス連通している。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載の細胞培養装置に培養培地を充填する工程;及び、スフェロイド形成細胞を培養培地に加える工程を含む、スフェロイドを培養する方法が本明細書に提供される。幾つかの実施形態では、方法は、培地を置換/交換(例えば、毎日、連続的に等)する工程をさらに含む。
幾つかの実施形態では、スフェロイドの培養のための本明細書に記載の細胞培養装置の使用が本明細書に提供される。
本開示の主題の追加の特徴及び利点は、以下の詳細な説明において記載され、一部にはその説明から当業者に容易に明らかになり又は以下の詳細な説明、特許請求の範囲、並びに添付の図面を含む本明細書に記載される開示の主題を実施することによって認識されよう。
前述の概要及び以下の詳細な説明は両方とも、本開示の主題の実施形態を提示するものであり、特許請求の範囲に記載される本開示の主題の性質及び特徴を理解するための概観又は枠組みを提供することが意図されているものと解されたい。添付の図面は、本開示の主題のさらなる理解をもたらすために含まれ、本明細書に取り込まれてその一部を構成する。図面は、本開示の主題のさまざまな実施形態を例証しており、その説明とともに本開示の主題の原理及び動作を説明する役割を果たす。加えて、図面及び説明は単に例証することが意図されており、いかなる方法によっても特許請求の範囲を限定することは意図されていない。
ウェルのアレイ100の例示的な実施形態の概略図。図1Aは断面図である。 ウェルのアレイ100の例示的な実施形態の概略図。図1Bは、図1Aの線B-Bで切り取ったウェルのアレイの例示的な実施形態の上視図である。 ウェルのアレイ100の別の例示的な実施形態の概略図。図2Aは断面図である。 ウェルのアレイ100の別の例示的な実施形態の概略図。図2Bは、図2Aの線B-Bで切り取ったウェルのアレイの例示的な実施形態の上視図である。 ウェルのアレイ100の別の例示的な実施形態の概略図。図3Aは断面図である。 ウェルのアレイ100の別の例示的な実施形態の概略図。図3Bは、図3Aの線B-Bで切り取ったウェルのアレイの例示的な実施形態の上視図である。 ウェルのアレイ100の別の例示的な実施形態の概略図。図3Cは、正弦波又は放物面の形状を有するウェルのアレイの図である。 ウェルのアレイ100の別の例示的な実施形態の概略図。図3Dは、ある実施形態における、スフェロイドを含むウェルのアレイの側面図である。 波形状の実施形態における、スフェロイド含有細胞培養コンパートメント又はウェルのアレイの別の例示的な実施形態を示す概略図。図4Aは、ウェルのアレイを有する基材の波形状の実施形態の上視図である。 波形状の実施形態における、スフェロイド含有細胞培養コンパートメント又はウェルのアレイの別の例示的な実施形態を示す概略図。図4Bは、同じ実施形態の部分切り取り図である。 波形状の実施形態における、スフェロイド含有細胞培養コンパートメント又はウェルのアレイの別の例示的な実施形態を示す概略図。図4Cは、ウェルのアレイを有する基材の波形状の実施形態の上視図である。 波形状の実施形態における、スフェロイド含有細胞培養コンパートメント又はウェルのアレイの別の例示的な実施形態を示す概略図。4Dは、同じ実施形態の部分切り取り図である。 一連のピラーがウェルを画成する、追加の例示的な実施形態の概略図。図5Aは上視図である。 一連のピラーがウェルを画成する、追加の例示的な実施形態の概略図。図5Bは上視図である。 一連のピラーがウェルを画成する、追加の例示的な実施形態の概略図。図5Cは、例示的な実施形態の部分的な切り取り斜視図である。 一連のピラーがウェルを画成する、追加の例示的な実施形態の概略図。図5Dは、例示的な実施形態の部分的な切り取り斜視図である。 一連のピラーがウェルを画成する、追加の例示的な実施形態の概略図。図5Eは、例示的な実施形態の部分的な切り取り斜視図である。 側壁から突出するリッジの断面形状の例示的かつ非限定的な例 側壁から突出するリッジの断面形状の例示的かつ非限定的な例 側壁から突出するリッジの断面形状の例示的かつ非限定的な例 側壁から突出するリッジの断面形状の例示的かつ非限定的な例 側壁から突出するリッジの断面形状の例示的かつ非限定的な例 側壁内の割れ目の断面形状の例示的かつ非限定的な例 側壁内の割れ目の断面形状の例示的かつ非限定的な例 側壁内の割れ目の断面形状の例示的かつ非限定的な例 側壁内の割れ目の断面形状の例示的かつ非限定的な例 側壁内の割れ目の断面形状の例示的かつ非限定的な例 マイクロウェルのアレイでマイクロパターン化された底面を有する培養フラスコ 図8に示されるフラスコの底面を形成する、マイクロウェルのアレイでマイクロパターン化された基材の拡大図 図8に示されるマイクロパターン化されたT25スフェロイド形成フラスコのマイクロウェルの内部のHT29細胞のスフェロイド マイクロパターン化されたT25スフェロイド形成フラスコから採取されたスフェロイド Nunc/ThermoFisher社から市販されるNUNCLON SPHERA(商標)低結合表面上に形成された、ヒトESC細胞のスフェロイド又は3D凝集体の顕微鏡写真 Nunc/ThermoFisher社から市販されるNUNCLON SPHERA(商標)低結合表面上に形成された、マウスESC細胞のスフェロイド又は3D凝集体の顕微鏡写真 実施形態に従ったマルチウェルアレイを有する基材の作製方法を示す図 異なる底部厚さを有するマイクロウェルにおける、マイクロウェルのアレイを有する基材(実施例1に記載されるような)を有する6ウェルプレート内で細胞を増殖後に測定した生細胞カウント数を示すグラフ 平坦な表面に対し、マイクロウェルのアレイを有する基材についての生細胞カウント数を比較したグラフ 平坦な表面に対し、マイクロウェルのアレイを有する基材についての細胞増殖率を比較したグラフ 平坦な表面に対し、マイクロウェルのアレイを有する基材上で培養されたMH677細胞から排出されたタンパク質の全力価を示すグラフ 構造化された表面の実施形態の画像 構造化された表面の実施形態のウェル内で増殖した細胞の写真 多孔膜支持体を含む細胞培養装置の実施形態を示す側面図 多孔膜支持体を含む細胞培養装置の追加的な実施形態を示す側面図 細胞の共培養を示す、多孔膜支持体を含む細胞培養装置の追加的な実施形態を示す側面図 細胞培養装置の実施形態の概略的な斜視図 細胞培養装置の実施形態の概略的な断面図 細胞培養装置の実施形態の概略的な断面図 図21~23のいずれかに示される装置の一部を形成するために利用可能なトレイの実施形態の概略的な底面図 図24Aに示されるトレイの実施形態の概略的な斜視図 細胞培養装置の実施形態の概略的な側面図 ウェルを有する細胞培養装置の実施形態の斜視図 複数のウェルの実施形態の概略的な断面図 複数のウェルの実施形態の概略的な断面図 複数のウェルの実施形態の拡大した概略的な断面図 プレート及びウェルを有する細胞培養装置の実施形態の概略的な斜視図 プレート及びウェルを有する細胞培養装置の実施形態の概略的な斜視図 細胞培養装置及びメッシュを備えたインサートの実施形態の概略的な斜視図 入口及び出口を有する装置の実施形態の概略的な斜視図 CHO5/9アルファ細胞における、96ウェルスフェロイドマイクロウェルプレートでの1cmあたりのタンパク質の産生を示すグラフ BHK-21 pc.DNA3-1HC細胞における、96ウェルスフェロイドマイクロウェルプレートでの1cmあたりのタンパク質の産生を示すグラフ
本開示のさまざまな実施形態は、図面を参照して詳細に説明される。さまざまな実施形態への言及は、本発明の範囲を限定するものではない。加えて、本明細書に記載される例は、限定するものではなく、単に、特許請求の範囲に記載される発明の多くの可能な実施形態の幾つかを記載するに過ぎない。図面内で用いられる同様の番号は、同様の要素、工程などを示している。しかしながら、所与の図面中の要素について言及するためのある番号の使用は、同じ番号が付された別の図におけるその要素を限定することは意図されていないことが理解されよう。加えて、要素について言及するための異なる番号の使用は、その異なる番号が付された要素が、他の番号が付された要素と同一又は同様でありえないことを示すことは意図されていない。
本明細書で用いられるすべての科学及び技術用語は、他に明記されない限り、当技術分野で通常用いられる意味を有する。本明細書に提供される定義は、本明細書において頻繁に用いられるある特定の用語の理解を容易にするためのものであって、本開示の範囲を限定することは意図されていない。
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の装置並びにこのような装置の製造及び使用方法は、例えば以下に論じられるものを含む、1つ以上の有利な特徴又は態様を提供する。特許請求の範囲に列挙される特徴又は態様は、概して、本発明のすべての態様に適用可能である。任意の1つの請求項における任意の記述された単一又は複数の特徴又は態様は、任意の他の請求項における任意の他の記述された特徴又は態様と組み合わせる、又は、それらの特徴又は態様で置き換えることができる。
「含む(Include, includes)」などの用語は、すなわち、包含的であって排他的ではないことを含むが、それらに限られないことを意味する。
本開示の実施形態の説明に用いられる、例えば、組成物中の成分の量、濃度、容積、処理温度、処理時間、収量、流量、圧力、粘度等の値及びそれらの範囲、又は、構成要素の寸法等の値及びそれらの範囲を修飾する「約」とは、例えば:材料、組成物、複合体、濃縮物、構成部品、製造物品、又は使用配合物(use formulations)の調製に用いられる典型的な測定及び取り扱い手順を通じて;これらの手順における不注意による誤りを通じて;製造、供給源、又は、方法の実施に用いられる出発材料又は原料の純度における差異を通じて;などによって生じうる数量の変動のことを指す。用語「約」はまた、特定の初期濃度を有する組成物又は配合物若しくは混合物の劣化に起因して異なる量、及び、特定の初期濃度を有する組成物又は配合物若しくは混合物の混合又は加工に起因して異なる量も包含する。
「随意的な」又は「必要に応じて」は、その後に記載される工程、特徴、状態、特性、又は構造が、記載される範囲内にありつつも、生じる/存在する、又は、生じない/存在しないことを意味する。
語句「好ましい」及び「好ましくは」は、ある特定の状況下において、ある特定の利益を提供しうる本開示の実施形態を指す。しかしながら、同一又は他の状況下において、他の実施形態が好ましい場合もありうる。さらには、1つ以上の好ましい実施形態についての記述は、他の実施形態が有用ではないという意味を含蓄せず、本発明に係る技術の範囲から他の実施形態を除外することは意図されていない。
本明細書に記載の装置、その作製方法、及びその使用方法は、本明細書に記載の構成要素又は工程に加えて、本明細書に記載されない他の構成要素又は工程も含みうる。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において用いられる場合、用語「又は」は、別段の明確な指示がない限り、概して、「及び/又は」を含む意味で用いられる。用語「及び/又は」は、列挙された要素の1つ又はすべて、若しくは、列挙された要素の任意の2つ以上の組合せを意味する。
本明細書で用いられる場合には、「有する(have、has、having)」、「含む(include、includes、including、comprise、comprises、comprising)」などは、非限定的な(open ended)包含的意味で用いられ、概して、「~を含むが、それらに限られない(include, but not limited to; includes, but not limited to; including, but not limited to)」ことを意味する。
範囲は、本明細書では、「約」1つの特定の値から、及び/又は、「約」別の特定の値までとして表されうる。このような範囲が表される場合、例には、その1つの特定の値から、及び/又は、他の特定の値までが含まれる。同様に、値が、先行詞「約」を用いて近似値として表される場合、その特定の値は別の態様を形成すると解される。範囲の各々の端点は、他の端点に関連して、及び、他の端点とは無関係に、の両方の意味を表すこともさらに理解されよう。
本明細書で用いられる名詞は、他に明記されない限り、少なくとも1つ、又は1つ以上の対象を指す。
当業者によく知られている略語が、使用されうる(例えば、時間についての「h」又は「hrs」、グラムについての「g」又は「gm」、ミリリットルについての「mL」、及び、室温についての「rt」、ナノメートルについての「nm」など)。
構成要素、成分、添加剤、寸法、状態、及び同様の態様についての特定の値及び好ましい値、並びにそれらの範囲は、単に例証のためであって;それらは、他に記載されない限り、他の定められた値又は定められた範囲内の他の値を除外しない。本開示の装置及び方法は、明示又は黙示の中間値及びそれらの間の範囲を含む、本明細書に記載される任意の値又は、その値、特定の値、さらに特定の値、及び好ましい値の任意の組合せを含む。
同様に本明細書において、端点による数値範囲の記述は、その範囲内に含まれるすべての数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5等を含む)。値の範囲が、ある特定の値「より大きい」、ある特定の値「より小さい」等の場合、その数値はその範囲内に含まれる。
「上部」、「底部」、「左」、「右」、「上方」、「下方」、「上」、「下」、及び他の方向及び方向付けなど、本明細書において言及される方向は、図面に関して明確性の目的で本明細書に記載され、実際の装置又はシステム、若しくは、その装置又はシステムの使用を限定するものではない。本明細書に記載される多くの装置、物品、又はシステムは、多くの方向及び方向付けにおいて使用されうる。細胞培養装置に関して本明細書で用いられる方向記述子は、多くの場合、装置内で細胞を培養する目的でその装置が方向付けされる場合の方向のことを指す。
他に明記されない限り、本明細書に記載されるいかなる方法も決して、その工程が特定の順番で実施されることを要すると解釈されることを意図していない。したがって、方法の請求項が、その工程が従うべき順番について実際に記述していない場合、又は工程がある特定の順番に限定されるべきであることが、特許請求の範囲又は説明において他に明示されていない場合、任意の特定の順番が推測されることは、決して意図されていない。任意の1つの請求項における任意の記述された単一又は複数の特徴又は態様は、任意の他の請求項における任意の他の記述された特徴又は態様と組み合わせる、又は、それらの特徴又は態様で置き換えることができる。
本明細書における記述とは、特定の方法において機能するように「構成」又は「適合」された構成要素を指すことにも留意されたい。この点において、このような記述が、意図される用途の記述とは対照的に、構造的な記述である場合、このような構成要素は、特定の態様における特定の特性又は機能を具体化するように「構成」又は「適合」される。より詳細には、本明細書において、ある構成要素が「構成」又は「適合」された態様についての言及は、その構成要素の存在する物理的条件を意味し、このように、その構成要素の構造的な特徴の明確な記述と捉えられるべきである。
特定の実施形態のさまざまな特徴、要素、又は工程は、移行句「~を含む」を用いて開示されうるが、移行句「~からなる」又は「~から本質的になる」を使用して記載されうるものを含む代替的な実施形態が含蓄されるものと解されたい。よって、例えば、複数のウェルを画成する構造を含む細胞培養装置に含蓄された代替的な実施形態は、細胞培養装置が複数のウェルを画成する構造からなる実施形態、及び、細胞培養装置が複数のウェルを画成する構造から本質的になる実施形態を含む。
さまざまな実施形態において、本開示は、ウェル(例えば、マイクロウェル)を画成する基材を備えた、細胞培養装置などの装置について記載する。ウェルは、1つの側壁(又は複数の側壁)、ウェル底部(又は底)、及び開放された上部(例えば、上部開口)を備えている。実施形態において、ウェルは、例えば、細胞培養又は細胞アッセイに用いられる組成物などの水性液体組成物を含むように構成される。例えば、水性液体組成物は、細胞アッセイに用いられる細胞培養培地、バッファ又は他の溶液又は混合物を含みうる。
本明細書に記載の実施形態は、例えば、液体を含むように構成された小さい(例えば、マイクロスケール)ウェル又は他の容器、若しくはチャンバを備えた、任意の装置を用いる用途を見出す。特定の実施形態では、本明細書に記載の装置のウェルは、細胞の培養における用途を見出す。より詳細には、装置及びその内部のマイクロウェルは、細胞凝集体又はスフェロイドの3D細胞培養における用途を見出す。
凝集体としての細胞の培養に使用されている幾つかの異なる形状が存在する。幾つかの実施形態では、細胞凝集体は、細胞の塊、胚様体、又はスフェロイドである。細胞凝集体を形成するための一般的な幾何学形状は、丸みを帯びたウェル底部のマイクロプレート上に見られる半球である。幾つかの実施形態では、細胞が表面に付着するのを防ぐために、非接着性表面が用いられる。非接着性の材料は、ウェル又はチャンバ(例えば、マイクロプレート内)が製造された後に施されてもよく、あるいは、ウェル又はチャンバ材料は、生来の非付着特性を有していてもよい。
図1は、個々のウェル115を示す、ウェルのアレイ100の例示的な実施形態の概略図である。図1に示される実施形態では、ウェル115は口部110を有する。口部110は、ウェルが縮小されて、細胞が沈降してスフェロイドを形成する、ウェルの底部を形成する前に、より大きい開放領域をもたらす、ウェル115の上部開口部111に隣接したウェルの上部の領域である。実施形態において、口部110は、円錐状(口部の底部より口部の上部の方が幅広い)及び環形状(ウェルが円形である図1A及び図2Aに示されるように)でありうる。追加の実施形態では、例えば、図3Aに示されるように、ウェルが、円形の開口部を有するが、放物面の形状である場合、口部110は放物面でありうるか、又は図27及び図28に示されるように、口部は各ウェル115内へと延びうる。実施形態において、口部は存在しない。口部構造の存在は、2つの機能をもたらしうる。第一に、口部はウェルの開口部を拡大し、液体がウェルの開口部内に導入されて、ウェルの底部へと流れ落ちることを可能にする。これは、ウェルの底部における細胞の凝集を促進し、かつ、培養におけるスフェロイドの形成を促進する。加えて、口部は、口部の環状の内面からウェルの内面への移行を作り出し、それによって、ウェル内への空気の閉じ込めを防ぐことができる幾何学形状の特徴を提供する。ウェルの上部とウェルの側壁との間の90度の角度の存在は、気泡の形成のための場所を提供しうる。口部は、90度の角度ではない、ウェルの上部と側壁との間の移行をもたらし、それによって、口部構造を有するウェル内における気泡の形成を低減する。
凝集体細胞培養法における使用のためのウェルの寸法は、おおよそマイクロメートル~ミリメートル(例えば、100μm~50mm)でありうる。細胞培養のためのウェルを備えた装置は、多くのさまざまな製造業者(例えば、Corning、Nunc、Greiner等)から市販されている。「マイクロウェル」は、概して、約マイクロメートル(例えば、≦1mm、≦500μm、≦400μm、≦200μm)又は数ミリメートル(例えば、≦10mm、≦5mm、≦3mm等)の寸法を有し、凝集体としての細胞の増殖にも使用されうるウェルである。幾つかの実施形態では、マイクロウェルは、3D細胞培養のための閉じ込めを提供する。本明細書の適切な実施形態では、用語「ウェル」は、文脈がそうでないことを説明又は示唆している場合(例えば、ウェルが複数のマイクロウェルを備えたウェル底部を有すると記載される場合)を除き、マイクロウェルの使用を包含する。マイクロウェル寸法以外であることが意図されたウェルは、「マクロウェル」又は単に「ウェル」と称されうる。幾つかの実施形態では、ウェルの高さ又はウェルの深さ(例えば、上部開口からウェル底部まで)は、上部開口におけるウェルの直径の100%以上(例えば、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、225%、250%、275%、300%、325%、350%、375%、400%、又はそれらの間の任意の範囲)である。幾つかの実施形態では、ウェルの深さ(例えば、上部開口からウェル底部まで)は、上部開口とウェル底部との間の中間点におけるウェルの直径の100%以上(例えば、100%、110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、200%、225%、250%、275%、300%、325%、350%、375%、400%、又はそれらの間の任意の範囲)である。
最も一般的に用いられるマイクロウェル製品の1つは、標準フォーマットのマイクロプレートウェルの底部に配列された、直径400又は800マイクロメートルの逆ピラミッド型の形状の幾何学形状を提示する、市販の「Aggrewell」プレート(Stem Cell technologies社から市販される)である。細胞を凝集体として増殖させるための別の幾何学形状は、「微細空間細胞培養」を用いた「Elplasia」マイクロプレート(Kuraray社)である;これらのプレートは、細胞を凝集可能にする、標準フォーマットのマイクロプレートウェルの底部に配列された直径200マイクロメートルの正方形のマイクロウェルを有する。細胞を凝集体として培養するためのマイクロウェルを作製するためのさまざまなパラメータ、寸法、及び方法は、当技術分野で理解されている(参照することによってそれらの全体が本明細書に取り込まれる、米国特許出願公開第2004/0125266号;米国特許出願公開第2012/0064627号;米国特許出願公開第2014/0227784号;国際公開第2008/106771号;国際公開第2014/165273号)。米国特許第6,348,999号には、微細な凹凸要素、及びそれらがどのように構築されるかについて、ポリマーレンズアレイとして以外のこれらの構築物の目的について言及することなく記載されている。米国特許第5,151,366号、同第5,272,084号、及び同第6,306,646号の各明細書には、基材上の細胞付着のための表面積を増加させるためにさまざまな種類の微細な凹凸パターンを有する容器、及び、培養パターンの作製方法について記載されているが、そのパターン自体は、細胞凝集体の形成を促進しないであろう。他の装置、組成物、試薬及び方法は、当技術分野において、例えば、参照することによってそれらの全体が本明細書に取り込まれる、米国特許出願公開第2014/0322806号;米国特許第8,906,685号明細書;Haycock. Methods Mol Biol. 2011; 695: 1-15;米国特許出願公開第2014/0221225号明細書;国際公開第2014/165273号;米国特許出願公開第2009/0018033号明細書に記載されている。
幾つかの市販されるウェルの幾何学形状は、細胞凝集体の形成を促進するが、必ずしも「閉じ込め」を促進しない。凝集体化された細胞が閉じ込められない場合、それらは、通常、それらの環境が許す限り大きく成長する。直径150超~400マイクロメートル(細胞型に応じて決まる)の細胞凝集体は、壊死性のコアを形成しうる。壊死は、例えば、細胞塊が大きすぎて、凝集体の中心への栄養素の拡散及び凝集体の中心の外への代謝廃棄物の排出が制限されることから生じる。幾つかの実施形態では、閉じ込めを生じさせるために、細胞凝集体の所望される最大直径寸法に非常に似ている(例えば、50%以内、40%以内、30%以内、20%以内、15%以内、10%以内、5%以内、2%以内、1%以内、又はそれらの中の適切な範囲内)が、深さが直径の少なくとも1.5~2倍(例えば、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.52.6、2.6、2.8、3.0、3.5、4.0、又はそれらの中の適切な範囲内)である、マイクロウェルの幾何学形状が用いられる。幾つかの実施形態では、閉じ込めウェルの幾何学形状はまた、該閉じ込めウェルの外に細胞スフェロイドを持ち上げることなく、灌流又は手動のピペット操作を通じた液体培養培地の交換も可能にする。
既存の装置(例えば、マイクロウェルフォーマットのマイクロプレート又はマイクロウェルを有する他の容器)は、3D細胞凝集構造の形成のためのこのような装置の使用に悪影響を及ぼす、設計上の欠陥を示す。マイクロウェルフォーマットのマイクロプレートの取り扱いは、かなり簡単ではあるが、液体(例えば、培地)の導入の際にマイクロウェルから空気が排除されないと、多くの場合、問題が生じる。空気の取り込みは、特にウェルが円形の場合における、384-ウェルフォーマットの大きさの幾何学形状を有するマイクロプレートウェルにおける一般的な問題である。水性液体の表面張力は強力であるため、液滴は球状のまま保たれる。球状の液滴は、同様の寸法の円形孔(例えば、ウェル断面形状)を塞ぐことができる。ウェル内の空気の存在は、そのウェル内の細胞の培養に悪影響を及ぼす、及び/又は、細胞の培養を抑制する。
非接着性の表面を有するスフェロイド形成ウェルのアレイを有する基材上に高密度で細胞培養容器内のスフェロイドを増殖させるためには、多くの変数の平衡を保つ培養表面が必要とされる。例えば、達成可能な最大スフェロイド密度、流体交換作業の間のスフェロイドの位置を維持すると同時に所望される場合にはそれらを取り出すことを可能にする能力、及び、容器が充填されるときにスフェロイド形成ウェル内の空気の取り込みの回避などのバランスをとることができる設計は、このような容器を扱う際の問題を避けるためには非常に望ましい。本明細書の実施形態は、閉じ込め寸法を維持するとともに、マイクロウェル内の空気の排除を助け、かつ、マイクロウェル内への液体の流入を可能にするウェルの幾何学形状を提供することによって、従来のウェルの空気の取り込みの問題に対処する。例えば、丸みを帯びたウェル底部の幾何学形状を有する、正方形の上部ウェルは、空気が水性液滴の周りのウェルの角部を伝って上ることができるため、液体を加えるときに空気を取り込む可能性がかなり低い。幾つかの実施形態では、ウェルの開口部からウェル底部まで延びるさまざまな構造(例えば、ピラー、波形、角部、リッジ、割れ目等)を包含することにより、ウェルに液体を導入する際に空気を逃がすための経路がもたらされる。幾つかの実施形態は、本明細書に記載の特徴に加えて、当技術分野に記載される及び/又は当技術分野で理解される幾何学形状、材料等も含む。
高密度スフェロイド増殖基材における空気の取り込みの問題を回避するために、一般的に用いられている設計特徴の1つは、鋭角の角部又は基材の幾何学形状の階段状の変化の回避、特に、表面を横切る液体の流路に対して直角に走るものの回避である。例えば、AggreWellプレートは、90度に近い角度で傾斜する壁を有する。これは、空気で満たされたウェルを残して容器が満たされる際に、表面からの液切りを促進する。
個別のスフェロイドの増殖及び高密度の維持を促進するウェル特徴(例えば、丸みを帯びたウェル底部)を維持する、液体の導入の間の空気の取り込みの問題に対処する表面幾何学形状が、本明細書に提供される。
幾つかの実施形態では、ウェル形状の移行は、ウェルに液体を導入する際に空気を逃がす問題を軽減するために用いられる。例えば、幾つかの実施形態では、円形断面のウェル底部(又はウェルの底部部分)がスフェロイド形成に用いられる。しかしながら、円形の断面は、ポケットの形成なしに空気を逃がすためには特に問題でありうる。この問題を軽減するため、円形のウェル底部断面及び非円形(例えば、三角形、正方形、矩形、五角形、六角形等)の上部開口部を有するウェルが形成される。このような実施形態では、側壁は、非円形(例えば、多角形)の上部開口部から円形のウェル底部へと移行する。幾つかの実施形態では、移行は、ウェルに液体を導入する際に、ウェルから逃げる気泡の「ハングアップ(hanging up)」を生じうるような、干渉する、ギザギザした、又は水平を呈する側壁特徴を導入しないように、漸進的に移行する。幾つかの実施形態では、移行する壁及び上部開口部の非円形(例えば、多角形)の形状によって作り出された側壁の角部は、液体の流入及び/又は空気の抜けのための経路を提供する。
幾つかの実施形態では、ウェルの幾何学形状は、ウェルに液体を導入する際に空気の抜けを促進するために、ウェル壁内に毛管構造(例えば、口部、リッジ、割れ目、丸みを帯びた又は放物面の上部開口部等を含む)を含む。図1Bは、リッジ170を示す、図1Aの線B-Bで切り取った上視図である。図1Bに示されるように、リッジは、ウェルの口部110又は側壁113からの隆起(bump)又は突起である。実施形態において、リッジは、上部開口部111からウェル底部116までのマイクロウェルの長さを延長する。追加の実施形態では、リッジは、口部の上部111から口部の底部112まで延びる。リッジ170のいずれかの側に形成される鋭角は、水性流体に毛管力を作り出して、空気溜まりのない、マイクロウェルへの流体の流入をもたらす。図2Bは、図2Aにおける断面を示す、ウェルのアレイ100の上視図である。図2Bは、割れ目270を示している。図2Bに示されるように、割れ目は、ウェル115の側壁113における刻み目(indentation)である。割れ目270のいずれかの側に形成される鋭角は、水性流体がマイクロウェル内へ流入可能にする毛管力を作り出す。
図3A及びBは、ウェルのアレイ100の別の例示的な実施形態の概略図である。図3Aは断面図である。図3Bは、図3Aの線B-Bで切り取ったウェルのアレイの例示的な実施形態の上視図である。図3A及びBは、各ウェル115が2つ以上のリッジ170又は割れ目270を有しうること、及び、リッジ170又は割れ目270がウェル115内にアレイ状に配置されうることを示している。図3A及びBに示されるように、実施形態において、リッジ及び/又は割れ目の径方向分布が想定されている。毛管構造の数は、1マイクロウェルあたり1つに限られない。幾つかの実施形態では、毛管の数が多いほうが、マイクロウェル内への流体の流入速度を低下させる。
図3A~Dは、単一のウェル内に複数の(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、16、20、24、28、32、又はそれらの中のいずれかの範囲)垂直に方向づけられた毛管構造を包含することを実証している。特徴は、一定間隔で離間されてよく(図3に示すように)、不規則な間隔で離間されてもよく、集団化(grouped)/隆起等であってもよい。幾つかの実施形態では、毛管構造は、ウェルの上部開口部からウェル底部まで延びる。単一のウェル内に複数の毛管構造が存在する場合、その複数の特徴は、異なる種類(例えば、リッジ線及び/又は割れ目)のものであってよく、異なる形状(例えば、方形、円形等)を含んでいてもよい。
図3Cは、ウェルのアレイ100が、正弦波又は放物面の形状を有しうることを示している。この形状は、丸みを帯びた上部エッジ又はウェルエッジを作り出し、このことにより、実施形態において、ウェルの上部の鋭角の角部又は90度の角度における空気の取り込みを低減する。この正弦波又は放物面のウェル形状、又は丸みを帯びた上部ウェルエッジもまた、毛管構造である。図3Cに示されるように、ウェル115は、上部直径D上部、ウェルの底部116からウェルの上部までの高さH、及びウェルの上部とウェルの底部116との間の高さの中間点におけるウェルの直径D中間を有する、上部開口部を有する。
図3Dは、上記図1~3、及び実施形態に記載されるウェルのアレイの概略図である。図3Dは、基材1114内にアレイ状に配置された複数のマイクロウェル115を示している。複数のマイクロウェル115内に存在する複数のスフェロイド500もまた図3Dに示されている。
図4A及び4Bは、スフェロイド含有細胞培養コンパートメント、又はウェルのアレイの別の例示的な実施形態を示す概略図である。図4Aは、ウェルのアレイの波形状の実施形態の上視図であり、図4Bは、同じ実施形態の部分切り取り図である。図4A及び4Bに示される実施形態では、ウェルは隔離されておらず、ウェル同士間の液体の流れを可能にする。図4A~Bに示されるように、波形状の側壁403が該波形状の側壁403同士の間の間隙にマイクロウェル401を生成するように位置合わせされた、例示的な実施形態が示されている。図4A及び4Bに示された波形状の側壁は、フレーム402によって取り囲まれ、マイクロウェル401の列が作り出す周期でそれらが遠く離れ、次には互いに近づく(例えば、接触して又は接触せずに)領域を有する。幾つかの実施形態では、マイクロウェルのくぼみは、より遠く離れた壁によって画成される、各セグメントのベースに位置している(例えば、スフェロイド500を収容するため)。図4C及び4Dは、波形状のマイクロウェルアレイの実施形態の追加の概略図である。図4Cは実施形態の上視図であり、図4Dは実施形態の斜視図である。図4Dに示されるように、実施形態において、フレームは存在しない。図4C及び4Dは、スフェロイド形成を誘発するのに適した幾何学形状を有する空間401を形成する、波形状又は波状の側壁403を示している。ウェル内に存在するスフェロイド500もまた図4C及び4Dに示されている。図4A及びBに示される実施形態に液体が導入される場合、排除された空気は、壁が互いに近づく領域を通じて局所領域の外に移動することができる。より幅広いウェルの領域の内外への流体及び空気の移動は、狭隘部によって促進され、空気の取り込みを回避する。これらの波形はまた、縮小された増殖領域をもたらすことによってスフェロイドの形成を促進する。すなわち、波形は、毛管構造であり、かつ、スフェロイドを誘発する幾何学形状である。
図5A及び5Bは、一連のピラーがウェルを画定する、ウェルのアレイ100の例示的な実施形態の概略的な上視図を示している。図5C~5Eは、ウェル515を形成するようにアレイ状に配置されたピラー501を示すマイクロウェルのアレイの実施形態の斜視図である。実施形態において、ピラー501の上部510は、平坦でありうる(図5Aに示される)。この実施形態では、ピラー501によって作り出される凸面壁は、ピラー形成側壁間の接合部に非常に鋭角又は不連続性を作り出す。図5Bは、培養においてスフェロイド500の形成を誘発するのに適した閉じ込めの幾何学形状を作り出すようにピラーによって取り囲まれたマイクロウェルのくぼみを示している。ピラー501間の空間505を通って、空気は逃げ、流体が入る。ピラー501は上部510を有する。実施形態において、ピラー上部510は、図5B、5D及び5Eに示されるように、図3Aに示される放物面又は正弦波の形状を有するウェルを生じるであろう、丸みを帯びうる。ピラーはまた、縮小された増殖領域をもたらすことによってスフェロイドの形成も促進する。すなわち、ピラーは毛管構造であり、かつ、スフェロイドを誘発する幾何学形状である。
例えば、リッジ、割れ目、隆起、ディボット、上部開口又は口部構造の開放環構造、ピラー、不連続な壁、口部構造、放物面又は正弦波のウェル形状、丸みを帯びたウェル開口部、又はウェルの側壁の滑らかな内面における中断、若しくは、これらの特徴の任意の組合せを含む、これらの構造は、毛管構造である。毛管構造はまた、液体を加えた後に閉じ込められうる空気を逃がすルートも提供する。幾つかの実施形態では、不連続な壁、リッジ又は割れ目を含む壁、若しくは、ウェルの側壁の滑らかさを中断する他の特徴は、充填の間に、ウェル内に通気場所を設けることによって、空気の取り込みを回避するために使用される。
幾つかの実施形態では、毛管構造は、ウェルの壁の垂直方向の長さに沿って延びる。幾つかの実施形態では、毛管構造は、ウェルの上部開口部まで又はその上まで延びる。他の実施形態では、毛管構造は、ウェルの上部開口部の近くに延びる(例えば、上部開口部から<0.1μm、0.1μm、0.2μm、0.5μm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、10μm、又は20μm(又はそれらの間の範囲))。幾つかの実施形態では、毛管構造は、ウェル底部まで延びる。他の実施形態では、毛管構造は、ウェル底部の近くまで延びる(例えば、ウェル底部から<0.1μm、0.1μm、0.2μm、0.5μm、1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、10μm、又は20μm(又はそれらの間の範囲))。
幾つかの実施形態では、毛管特徴は、ウェルに入る液体が、ウェル内に空気を取り込むことなく移動するための経路をもたらすという利益を提供する。幾つかの実施形態では、毛管構造は、ウェルに入る液体の導入に応答してウェルを出る空気のための経路を提供する。技術は、空気の取り込みを防ぐための特定の作用機構に限られず、また、本発明の実施するためには機構の理解は必要ではない。
急速な容器の充填又は別の流体導入事象が空気の取り込みにつながる場合には、このような取り込みを防ぐように構成されたウェルの幾何学形状にもかかわらず、毛管特徴は、閉じ込められた空気下での液体の移動を可能にし、それによってウェルから空気を放出する。例えば、図4に示される波形状の実施形態では、液体及び空気は、アレイの狭隘部を通じて、1つのウェル領域から次のウェル領域へと開放ウェル構造を通って流れることができる。あるいは、図5に示されるピラーの実施形態では、液体又は閉じ込められた空気は、ピラー間の空間を通じてウェルから出ることができる。幾つかの実施形態では、毛管構造を通る液体の下向きの力は、ウェル壁から空気を分離し、空気を液体で取り囲み、それによって空気溜まりを泡としてウェルの外へと上昇させる役割をする。
さまざまな異なる垂直に方向づけられた構造は、毛管特徴としての用途を見出す。例えば、ある特定の実施形態では、特徴は、隆起したリッジ(例えば、図1A及び図1Bに示すように)、若しくは、隠れ溝又は割れ目(例えば、図2A及びBに示されるように)である。本明細書の実施形態における用途を見出すリッジ線及び割れ目は、図示される物理的な幾何学形状に限られない。幾つかの実施形態では、特徴は、水平に移動することなく、ウェルの側壁に沿って垂直に延びる。大抵の場合、水平な構造特徴は、既存のウェル幾何学形状に用いられる急角度と同様の方式でウェル内の空気の取り込みを促進する。リッジの適切な断面形状は図6に示されており、丸みを帯びた(図6A)、角のある(図6B)、針状(図6C)、半六角形(図6D及び6E)の形状等が挙げられる。割れ目の適切な断面形状は図7に示されており、丸みを帯びた(図7A)、角のある(図7B)、針状(図7C)、半六角形(図7D及び7E)の形状等が挙げられる。リッジ及び/又は割れ目は、任意の適切な断面寸法のものでありうる(例えば、0.1~20マイクロメートル(例えば、0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、15、20、又はそれらの間のいずれかの適切な範囲)の幅、長さ等を有する)。リッジ及び/又は割れ目の形状及び寸法を最適化して、液面下に空気溜まりを形成することなく、液体の導入及び空気の排出を促進するため、及び/又は、閉じ込められた空気溜まりの除去を促進するために、工学的原理及びマイクロ流体原理を本明細書の実施形態と組み合わせて使用してもよい。
幾つかの実施形態では、ウェル内への液体の移動及びウェル外への空気の移動は、不連続な側壁の幾何学形状を介して行われる。不連続なウェルの幾何学形状は、ウェルの側壁の不連続性という形態を取る。不連続な側壁の形状の例は、図4の「波状の壁」又は「波形状」の幾何学形状、及び図5の「ピン壁」又は「ピラー壁」の幾何学形状に示されるようなものである。これらの形状は単なる例証にすぎず、側壁の一部分(例えば、上部)に間隙又は他の不連続性を導入する他の側壁の方向性は、本明細書の実施形態における用途を見出しうる。これらの幾何学形状において、壁における中断は、流体が容器に入る際に、空気を、その低粘着性によって、ウェルの外へと急速に移動可能にする。幾つかの実施形態では、不連続な幾何学形状は、基材の壁の特徴における鋭角での変化の回避(例えば、水平の障害物(obstructions)を作り出す特徴の回避)を維持する。幾つかの実施形態では、不連続な側壁の幾何学形状は、ウェル形状の移行及び/又は毛管の壁構造とともに用いられて、液体の導入の際に泡の放出及び/又は空気の排出を助ける。
幾つかの実施形態では、1つ以上のウェルは、半球面又は丸底を有する円錐面、及び同様の表面形状又はそれらの組合せなど、凹曲面を有する。ウェル及びウェル底部は、くぼみ又はウェル、及び同様の凹形円錐台状の起伏表面など、丸みを帯びた面又は曲面、若しくはそれらの組合せにおいて、最終的に終結、終端、又は底付き(bottom-out)しうる。スフェロイドを助長するウェルの他の形状及び構成は、本開示と矛盾しない限り、その全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第14/087,906号明細書に記載されている。実施形態において、ウェル底部は平坦であるか、又は先が細くなっている。ウェル底部は、任意の他の適切な形状又は寸法を有していてもよい。例えば、実施形態において、ウェル底部は丸みを帯びた面又は曲面を有し、あるいは、ウェル底部は、縮小された増殖領域をもたらすことによってスフェロイドの形成を促進する、くぼみ、凹み、及び同様の凹形円錐台状の起伏表面、複数のくぼみ又はペン先領域、若しくはそれらの組合せなどの構造を有しうる。すなわち、丸みを帯びた又は曲面状の又はくぼみのあるウェル底部若しくはペン先領域若しくは波形若しくはピラーは、スフェロイドを誘発する幾何学形状である。
例示的なウェルの幾何学形状及び寸法は、例えば、図1及び2に示されている。幾つかの実施形態では、本明細書に記載のウェル100は、下記の値のうちのいずれか2つの値の間の範囲(例えば、200~1000μm、200~750μm、300~750μm、400~600μm等)を含む、例えば、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1200、1400、1600、1800、又は2000マイクロメートルなど、約100マイクロメートル~約2000マイクロメートルの範囲のウェル底部直径130/230を有する。このような直径寸法は、スフェロイドの内部の細胞が健康な状態に維持されるように、その中で増殖するスフェロイドの寸法を制御する。すなわち、これらの寸法は、縮小された増殖領域をもたらすことによって、スフェロイドの形成を促進する。すなわち、これらの寸法は、スフェロイドを誘発する幾何学形状である。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載のウェル100/200は、下記の値のうちのいずれか2つの値の間の範囲を含む、例えば、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1200、1400、1600、1800、又は2000マイクロメートルなど、約100マイクロメートル~約2000マイクロメートルの範囲の上部開口部の断面寸法120/220(例えば、直径又は幅)を有する。幾つかの実施形態では、ウェル100は、下記の値のうちのいずれか2つの値の間の範囲を含む、例えば、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000マイクロメートルなど、約500マイクロメートル~約1500マイクロメートルの範囲の上部開口部からウェル底部までの深さ160/260を有する。幾つかの実施形態では、ウェル100/200は、下記の値のうちのいずれか2つの値の間の範囲を含む、例えば、50、60、70、80、90,100、200、300、400、又は500マイクロメートルなど、約50マイクロメートル~約500マイクロメートルの範囲の深さ140/240を有する上部を有する。幾つかの実施形態では、ウェル100は、下記の値のうちのいずれか2つの値の間の範囲を含む、例えば、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1200、又は1400マイクロメートルなど、約100マイクロメートル~約1400マイクロメートルの範囲の深さ150/250を有する下部を有する。当然ながら、他の適切な寸法もまた用いられうる。
幾つかの実施形態では、移行ウェルの構造及び特性、並びに、ウェルへの液体の導入の際に空気の抜けを可能にするように構成された1つ以上の設計要素及び/又は物理的特徴に加えて、本明細書に記載の装置及びウェル(例えば、マイクロウェル)は、例えば、マイクロウェル内での細胞の3D培養に関する特化された機能を提供するように、追加の特徴を備えうる。以下の段落は、上述の実施形態と組み合わせた用途を見出しうる、このような特徴に対処するものである。
幾つかの実施形態では、ウェルの側壁及び/又はウェル底部のすべて又は一部は、ガス透過性である。幾つかの実施形態では、ガス透過性は、ウェル内に含まれる液体又は培地に溶解する酸素及び他のガスのウェル内への移動を可能にする。透過性の側壁、ウェル底部、又はそれらの一部は、ウェル液体内に空気溜まり又は泡を形成させない。
幾つかの実施形態では、複数のガス透過性のウェルを画成する構造化された表面を有する細胞培養装置が提供される。幾つかの実施形態では、ウェルは、装置の外部表面を画成する外面を備えうる。幾つかの実施形態では、ウェルは、装置の外部と連通した外部又は非培養表面を含みうる。幾つかの実施形態では、とりわけ、各々が複数のガス透過性のウェルを画成する構造化された表面を有する、複数の積層された細胞培養コンパートメントを有する細胞培養装置が、本明細書に提供される。幾つかの実施形態では、さまざまな実施形態におけるウェルは、通気孔を通じて又は導管空間を通じて間接的に、若しくは、外部壁を通じて直接的になど、装置の外部とガス連通している。
幾つかの実施形態では、ウェルは、ウェル内で培養された細胞がスフェロイドを形成するように構成される。例えば、幾つかの実施形態では、ウェルは、該ウェル内の細胞を互いに会合させる(例えば、スフェロイドを形成する)ように、細胞に対して非接着性である。スフェロイドは、ウェルの幾何学形状によって課せられた寸法の許容限界まで拡大する。幾つかの実施形態では、ウェルは、該ウェルを細胞に対して非接着性にするために超低結合性の材料でコーティングされる。
スフェロイドなどの三次元(3D)細胞凝集体の形成は、細胞が表面に単層を形成する二次元細胞培養とは対照的に、細胞培養装置内で増殖する細胞の密度を増加させるが、それにより、装置内で培養される細胞の栄養要求も増大させうる。代謝ガスの交換は、細胞がその中で培養されるガス透過性のウェルを通じて生じうることから、細胞培養装置内の培地容積は、代謝ガスの交換が、細胞培養培地を通じた拡散に本質的に制限される装置を用いた場合に可能な容積よりも大きくすることができる。したがって、本明細書に記載の細胞培養装置に用いる細胞培養培地の高さをより高くすることができ、したがって、容積もより大きくできる。
幾つかの実施形態では、細胞は、細胞培養培地が細胞の上2mm以上の高さにある、本明細書に記載の装置のウェル内で培養される。幾つかの実施形態では、細胞培養培地は、細胞の上5mm以上の高さにある。細胞が培養される基材又はその表面、又はその近くが、代謝ガスに対して非透過性又は比較的非透過性である場合(例えば、細胞培養培地と比較して)など、代謝ガスの交換が本質的に培地を通した交換に制限される場合には、細胞培養培地の最大高さ2mm~5mmは、概して、培地の高さの上限と考えられる。
効率的な代謝ガス交換の目的で、幾つかの実施形態では、装置内の細胞培養培地が、細胞の上2mm以上、細胞の上5mm以上、又は細胞の上10mm以上など、細胞の上の任意の高さにある場合、細胞は、本明細書に記載の装置のウェルの培養物内で維持される。しかしながら、当業者は、装置内の細胞培養培地の高さが細胞の上に増加するにつれて、細胞に与えられる静水圧も増加することを理解するであろう。したがって、細胞の上の細胞培養培地の高さには実施上の制限が存在しうる。幾つかの実施形態では、本明細書に記載の物品のウェル内で培養される細胞の上の細胞培養培地の高さは、以下のいずれか2つの間の範囲を含む、例えば5、6、7、8、9、10、15又は20mmなど、例えば5mm~15mm、6mm~15mm、5mm~10mm又は6mm~10mmなどの5mm~20mmの範囲内にある。
ある特定の実施形態では、装置の外部とガス連通した非培養表面を有する細胞培養基材又は層は、本明細書に記載のガス透過性のウェルを画成する構造化された表面を有するように適合されうる。このような細胞培養装置の例としては、Tフラスコ、TRIPLE-FLASK細胞培養容器(Nunc.,Intl.社)、HYPERFLASK細胞培養容器(Corning,Inc.社)、CELLSTACK培養チャンバ(Corning,Inc.社)、CELLCUBEモジュール(Corning,Inc.社)、CELL FACTORY培養装置(Nunc,Intl.社)、及び、本明細書に提示される開示と矛盾しない限りにおいて、それぞれの全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、国際公開第2007/015770号、米国特許出願公開第2014/0315296号、米国特許第8,846,399号、米国特許第8,178,345号、及び米国特許第7,745,209号の各明細書に記載の細胞培養物品が挙げられる。
幾つかの実施形態では、ガス透過性/液体不透過性の材料は、本明細書の細胞培養装置、又はそれらの一部(例えば、ウェル、微細構造等)の構成に用いられる。任意の適切なガス透過性/液体不透過性の材料、例えば、ポリスチレン、ポリカーボネート、エチレン酢酸ビニル、ポリスルホン、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又は相容性のフッ素ポリマー、シリコーンゴム又は共重合体、ポリ(スチレン-ブタジエン-スチレン)、若しくは、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリオレフィン、若しくは、これらの材料の組合せなどが用いられうる。基材は、ウェルの少なくとも一部に適切なガス透過性を有する、任意の適切な材料から形成されうる。適切な基材の例としては、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、(ポリ)4-メチルペンテン(PMP)、ポリエチレン(PE)、及びポリスチレン(PS)が挙げられる。PDMSは、高度のガス透過性を有することができ、最大40mmの厚さにおいて十分なガス透過性を達成することができる。PMPは、最大約01mmの厚さにおいて十分なガス透過性を達成することができる。幾つかの実施形態では、PMPは、約0.02~1mmの範囲の厚さを有する。より薄い基材は十分な構造健全性を有しない可能性があるが、PE又はPSは、最大0.2mmの厚さにおいて十分なガス透過性を達成することができる。乏しい構造健全性を補償するために、開口フレーム、スタンドオフなどが、底部から基材を支持するために用いられうる。実施形態において、ウェルの厚さは、下記のいずれか2つの間の範囲を含む、0.02、0.05、0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20又は40mmでありうる。実施形態において、ウェルは、2000cm/m/日以上のガス透過性のポリマー材料を通る酸素透過速度を有する。幾つかの実施形態では、ウェルは、3000cm/m/日以上の基材を通るガス透過性を有する。幾つかの実施形態では、ウェルは、5000cm/m/日以上の基材を通るガス透過性を有する。
このような材料は、外側と内部コンパートメントとの間の有効なガス交換を可能にし、液体又は汚染物質の通過を防ぐと同時に、酸素及び他のガスの進入を可能にする。
幾つかの実施形態では、ウェル基材材料の厚さは、最適化されたガス交換を可能にするように調整される。幾つかの実施形態では、ウェルの厚さは、10~100μm(例えば、10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、60μm、70μm、80μm、90μm、100μm、及びそれらの間のいずれかの範囲)である。本明細書の実施形態の開発中に行われた実験は、厚さがより薄いウェルを用いると、産生される生細胞数がより多くなることを実証した(例えば、17μm>30μm>57μm)。
図8は、細胞培養装置の表面として含まれる、マイクロウェルのアレイを有する基材を包含する実施形態を示す図である。図8では、細胞培養装置はフラスコ800である。しかしながら、実施形態において、基材は、限定はしないが、マルチウェルプレート、フラスコ、皿、管、多層細胞培養フラスコ、バイオリアクタ、若しくは、細胞又はスフェロイドの増殖が意図されている任意の他の研究用容器を含む、任意の種類の細胞培養装置の一部を形成しうるものと解されたい。マイクロウェルのアレイを有する基材は、ガス透過性材料でありうる。図9は、図8に示されるフラスコの底面を形成する、マイクロウェルのアレイでマイクロパターン化された、9で示される基材の拡大図を示している。
図8及び図9に示される実施形態に関して、図示される装置は、細胞培養チャンバ850を備えたフラスコ又は筐体である。筐体は、マイクロウェルのアレイを有する基材(図9に示される)を含む。筐体はまた、上面815、及び構造化された表面110から上面815まで延びる1つ以上の側壁820も有する。幾つかの実施形態では、筐体800は、円筒型の壁など、単一の取り囲む側壁を備えている。このような装置の追加の例は、例えば、本開示と矛盾しない限り、その全体が参照することによって本明細書に取り込まれる、本発明の譲受人に譲渡された米国仮特許出願第62/072,015号に記載されている。
筐体はポート860を備えている。ねじぶた861を有する開口部が図8に示されている。しかしながら、実施形態において、筐体は、液体及び細胞を筐体に出し入れ可能にするための任意の種類のポートを有しうる。ポート860は、側壁、上面815又は細胞培養表面110に存在しうる。ポート860は、細胞培養チャンバ850内へ細胞及び細胞培養培地を導入する又は取り出すために、管又は他の連結部に連結されうる。
図8に示される筐体は固定された側壁820を示しているが、実施形態において、側壁は、細胞培養チャンバ850内に入る細胞培養培地の可変容積を可能にするように、可撓性又は拡張性かつ折り畳み式でありうる。追加の細胞培養培地がポート860を介して細胞培養チャンバ850内へ導入される際に、可撓性の側壁820は伸長可能であり、また、細胞培養培地がポート860を介して細胞培養チャンバ850から取り出される際には、可撓性の側壁820はしぼみうる。幾つかの実施形態では、側壁820及び上部815は、バッグから形成される。加えて、細胞培養チャンバ850は、最大で筐体の固定容積まで、細胞培養培地の容積で満たされうる。幾つかの実施形態では(図示せず)、内部容積全体又はそれに近い容積が細胞培養培地で満たされる。
図8に示される実施形態では、細胞培養チャンバ850内の細胞培養培地の容積は、細胞の上の培地の高さHで存在する。上述のように、本明細書に記載される筐体内の培養された細胞の上の培地の高さHは、ウェルがガス透過性ではない場合に可能であろう高さよりも高くできる。幾つかの実施形態では、細胞培養チャンバ850は、装置内で細胞を培養する目的で、その限度容量まで満たされる。
図10Aは、図9に示されるマイクロパターン化されたT25スフェロイド形成フラスコのマイクロウェル110内のHT29細胞のスフェロイド500を示している。図10Bは、マイクロパターン化されたT25スフェロイド形成フラスコから採取されたスフェロイド500を示しており、両方とも、後述する実施例2に従っている。図11A及びBは、Nunc社から市販されるNUNCLON SPHERA(商標)低結合表面上で形成された3D凝集体(図11AのヒトESC細胞及び図11BのマウスESC)の広範囲のサイズ分布を示す顕微鏡写真である。NUNCLON SPHERA(商標)低結合表面は、低細胞結合表面処理を有するが、均一なスフェロイドの形成を可能にする本明細書に開示される幾何学形状を欠いている。
図12は、実施形態に従い、かつ、下記実施例1に記載される、マルチウェルアレイ基材の作製方法の図である。図12は、熱エンボス/熱成形法を示しているが、コイニング、射出成形、エンボス加工及び当技術分野で知られた他の方法を含む、実施形態に従ったマイクロウェルアレイを製造する他の方法も予定されている。
図13、図14A及びB、及び図15は、平坦な表面に対し、マイクロウェルのアレイを有する基材についての生細胞カウント数(図13及び図14A)及び細胞増殖率(図14B及び図15)を比較するグラフである。ウェルのガス透過性は、基材の材料及びウェルに沿った基材の厚さに部分的に依存しうる。実施形態において、ウェルのマイクロアレイを有する基材におけるウェルの側壁及び底部の厚さは一定であって差し支えなく、比較的薄くてよい。あるいは、実施形態において、マイクロウェルのアレイにおけるウェルの壁は、ウェル内への開口部の最も近くで比較的厚く、ウェルの底部で比較的薄くなっていてもよい。あるいは、実施形態において、マイクロウェルのアレイにおけるウェルの壁は、ウェル内への開口部の最も近くで比較的薄く、ウェルの底部で比較的厚くなっていてもよい。使用される材料及び採用される厚さに応じて、マイクロウェルのアレイを有する基材は、本開示の目的でガス透過性でありうる。
図15は、平坦な表面に対し、マイクロウェルのアレイを有する基材の上で培養されたMH677細胞から排出されたタンパク質の全力価を表すグラフを示している。これらのデータは下記実施例2で論じられる。
図8に示される装置は、側部硬質性のフラスコ又は側部軟質性の細胞培養フラスコでありうるが、細胞培養装置の外面を画成する、又は、装置の外部とガス連通した、表面を有する構造化されたマイクロウェルアレイを備えた任意の他の細胞培養装置は、本明細書に記載のガス透過性材料から形成されるマイクロウェルのアレイを有する基材を有しうることが理解されよう。
本明細書に記載のマイクロウェルのアレイを有する細胞培養装置の構造化された表面は、適切な寸法又は形状を有しうる、適切な数のウェルを画成しうる。ウェルは、その寸法及び形状に基づいて容積を定める。多くの実施形態では、1つ以上又はすべてのウェルは、対称であり、及び/又は、長手方向軸の周りに対称に回転可能である。幾つかの実施形態では、1つ以上又はすべてのウェルの長手方向軸は、互いに平行である。ウェルは、均一又は不均一に離間されうる。幾つかの実施形態では、ウェルは、均一に離間される。1つ以上又はすべてのウェルは、同一の寸法及び形状を有していても、異なる寸法及び形状を有していてもよい。
幾つかの実施形態では、ウェルの周りの基材の厚さ及び形状は、内面に入り、外面から出る光の反射を補正するように構成される。幾つかの実施形態では、補正は、ウェルを形成する基材材料の厚さを調整することによって達成される。幾つかの実施形態では、ウェル底部(又は底)の最も近くにおける基材材料の厚さは、側壁及び/又は上部開口の最も近くの基材材料の厚さより大きい。幾つかの実施形態では、基材材料の厚さは、ウェル底部の底における最大から上部開口における最小まで、漸進的に低下する。例えば、形状及び厚さは、本開示と矛盾しない限り、その全体がここに参照することによって取り込まれる、本発明の譲受人に譲渡された米国仮特許出願第62/072,019号明細書に記載されるものでありうる。
例えば、非接着性のウェル、スフェロイドを誘発するウェルの幾何学形状、及び重力の組合せは、ウェル内で培養される細胞の増殖が制限される閉じ込め容積を画成することができ、それにより、結果的に、閉じ込め容積によって画成される寸法を有するスフェロイドの形成を生じる。
幾つかの実施形態では、ウェル2115の内面は、細胞に対して非接着性である。ウェルは、非接着性の材料から形成されて差し支えなく、あるいは、非接着性の材料でコーティングされて、非接着性のウェルを形成してもよい。非接着性の材料の例としてはパーフルオロ化ポリマー、オレフィン、又は同様のポリマー、若しくはそれらの混合物が挙げられる。他の例としては、アガロース、ポリアクリルアミドなどの非イオン性ヒドロゲル、ポリエチレンオキシドなどのポリエーテル及びポリビニルアルコールなどのポリオール、又は同様の材料、若しくはそれらの混合物が挙げられる。例えば、非接着性のウェル、ウェルの幾何学形状、及び重力の組合せは、ウェル内で培養された細胞を、スフェロイドへと自己組織化するように誘発しうる。一部のスフェロイドは、単層において増殖させた細胞と比較してより大きいインビボ様応答を示す、分化された細胞機能を維持することができる。
幾つかの実施形態では、1つ以上のウェルは、半球面などの凹曲面、丸底を有する円錐面などの表面幾何学形状、又はそれらの組合せを有する。ウェル及びウェル底部は、最終的には、くぼみ、凹み、及び同様の凹形円錐台状の起伏表面、又はそれらの組合せなど、スフェロイドを助長する丸みを帯びた面又は曲面に終結、終端、又は底付きしうる。ガス透過性のスフェロイドを助長するウェルの他の形状及び構成は、本開示と矛盾しない限り、その全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第14/087,906号明細書に記載されている。
幾つかの実施形態では、ウェル底部は平坦であるか、又は先が細くなっている。ウェル底部は、任意の他の適切な形状又は寸法を有しうる。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載のウェル115は、下記の値のうちのいずれか2つの値の間の範囲を含む、例えば、200、250、300、350、400、450又は500マイクロメートルなど、約200マイクロメートル~約500マイクロメートルの範囲の直径寸法wを有する。このような直径寸法によって、スフェロイドの内部の細胞が健康な状態に維持されるように、その中で増殖するスフェロイドの寸法を制御することができる。幾つかの実施形態では、ウェル115は、下記の値のうちのいずれか2つの値の間の範囲を含む、例えば、100、150、200、250、300、350、400、450又は500マイクロメートルなど、約100マイクロメートル~約500マイクロメートルの範囲の高さHを有する。当然ながら、他の適切な寸法もまた使用されうる。
幾つかの実施形態では、ウェルを画成する構造化された表面は、六方最密充填型のウェル構造のアレイを含む。六角形のマイクロウェルのアレイ100を有するこのような基材の実施形態の画像が、六角形のウェル1601のアレイを有する基材を示す図16に示されている。図17は、六方最密充填型のウェル構造を有するマイクロウェルのアレイ100を有する基材の実施形態のウェル1601内で増殖させた細胞(スフェロイド)500を示す概略図である。幾つかの実施形態では、各ウェル1601内の細胞は、図示されるように、単一のスフェロイド500を形成する。
図18は、多孔膜支持体を含む細胞培養装置の実施形態を示す側面図である。多孔膜支持体2500を取り込む細胞培養装置2100のさまざまな実施形態が図18~20に示されている。多孔膜支持体2500は、筐体の内部を別々の培養チャンバ2152及び2154へとコンパートメント化するように、筐体を横断して(例えば、1つ以上の側壁2120に連結されて)装置に配置される。第1の培養チャンバ2152は、装置の外部とガス連通したガス透過性のウェル2200を画成する構造化された表面を形成する基材を備えている。チャンバ2152の上部は、多孔膜2500によって画成される。第2の培養チャンバ2154の底部は、多孔膜2500によって画成される。したがって、細胞の第1の集団2200は、第1のチャンバ2152における、基材2110によって形成された構造化された表面のウェル2115内で培養されてよく、細胞の第2の集団2202は、第2のチャンバ2154内の多孔膜2500上で培養されうる。
図18~20に示される装置は、第1のチャンバ2152と連通した第1のポート2162、及び、第2のチャンバ2154と連通した第2のポート2164を備えている。追加の実施形態では、第1のチャンバ2152又は第2のチャンバ2154は、チャンバを通って液体が流れることができるように、必要に応じて、追加のポート(出口ポート、図示せず)を有しうる。ポート2162、2164は、例えば、下記図21~23に関して図示及び論述されるポート(例えば、ポート2160)と同様のポートでありうる。ポート2162、2164は、図示されるように、装置2100の同一の側にあって差し支えなく、両側にあってもよく、又は、チャンバ又はチャンバ2152、2154を通る流れに対して別のアクセスを提供するために、任意の他の適切な方式で方向づけられてもよい。
図18では、装置は、上部空間がない(限度容量まで細胞培養培地で満たされている)状態で操作されるように示されている。図19~20では、装置は、上部空間を有する(限度容量までは培養培地で満たされていない)状態で操作されるように示されている。支持体2500の多孔性の性質に起因して、チャンバ2152は、培養培地で満たされたままの状態にあるが、チャンバ2154は、上部空間を有する又は有しない状態で操作されうる。ウェル2115のガス透過性の性質に起因して、細胞2200の上の培地の高さは、例えば上述のように、重大な懸念事項ではないかもしれない。しかしながら、筐体が他の方法でガス透過性ではない場合、多孔膜支持体2500上で培養された細胞の上の培地の高さを制限することが望ましいことがある。図20に示されるように、多孔膜支持体2500は、例えば上述のように、マイクロウェルのアレイを有する基材を形成しうる。
図18~20に示される実施形態によれば、細胞の2つ以上の集団の共培養が予定されている。例えば、細胞の第1の集団は第1のチャンバ2152内に存在しうると同時に、細胞の第2の集団は第2のチャンバ2154内に存在しうる。これらの細胞集団は、透過性の膜2500によって隔てられうる。この膜は、細胞の第1の集団と細胞の第2の集団との化学連通を可能にする。実施形態において、これらの細胞集団のうちの1つ又は両方は、スフェロイドでありうる。例えば、図20に示されるように、スフェロイド細胞2200の第1の集団は、細胞培養基材のスフェロイドを誘発する幾何学形状に起因してスフェロイドを形成する第1のチャンバ2152内で増殖しうるとともに、第2の細胞培養チャンバ内に存在する細胞培養基材のスフェロイドを誘発する幾何学形状に起因してスフェロイドを形成するスフェロイド細胞2202の第2の集団もまた、第2のチャンバ2154内で増殖しうる。多孔膜2500を通じて、スフェロイド細胞2202の第2の集団は、スフェロイド細胞2200の第1の集団と化学連通している。このように、スフェロイド細胞の2つの別々の集団を互いに化学連通可能にしつつ、スフェロイド細胞の2つの別々の集団を共培養することが可能である。あるいは、実施形態において、図18に示されるように、細胞の第1の集団は、第1の細胞培養チャンバ2152内で増殖するスフェロイド細胞であってよく、スフェロイド細胞ではない細胞の第2の集団(第2の細胞培養チャンバはスフェロイドを誘発する幾何学形状を有しないため)は、第2の細胞培養チャンバ2154内で増殖されうると同時に、多孔膜2500の存在が細胞の第1及び第2の集団を互いに化学連通可能にする。図19に示されるように、細胞の第2の集団は、上部空間の存在下で増殖されてよく、あるいは、図18に示されるように、細胞の第2の集団は、上部空間の不存在下で増殖されてもよい。同様に、上部空間は、第1の細胞培養チャンバに存在してもしていなくてもよい。あるいは、スフェロイドを誘発する幾何学形状は、第1の細胞培養チャンバに存在してもしていなくてもよい。当業者は、これらの特徴の多くの組合せが、ユーザの細胞培養要求に応じて、望ましい場合があることを認識するであろう。
幾つかの実施形態では、装置の筐体はガス透過性である。例として、ガス透過性のフィルム又はバッグは、筐体の少なくとも一部を形成しうる。
幾つかの実施形態では、1つ以上のウェルは、少なくとも一部には、それらの画定された寸法及び形状に基づいて、画定された寸法の単一のスフェロイドを増殖するように構成される。スフェロイドは、それらがその中で培養されるウェルの幾何学形状によって課せられた寸法の許容限界まで拡大しうる。例えば、各ウェルは、スフェロイドをある特定の直径まで増殖可能にするマイクロウェル又は細胞培養容積を含みうる。言い換えれば、マイクロウェル又は細胞培養容積の幾何学的寸法は、スフェロイドの直径が最大値に達し、その最大値にとどまるように、スフェロイドの増殖を強制しうる。一貫した寸法のスフェロイドの産生は、アッセイ結果の再現性の改善にとって理想的でありうる、組織様の、非膨張性スフェロイドを生じうる。一貫性のあるスフェロイドの産生は、1つ以上のウェルの内部によって画成されるさまざまな形作られ、寸法決めされた容積(例えば、マイクロウェル又は細胞培養容積)の結果として生じうる。例えば、マイクロウェル又は細胞培養容積は、約200マイクロメートル~500マイクロメートル又は前述の値内のいずれかの範囲(例えば、100マイクロメートル~200マイクロメートル、100マイクロメートル~500マイクロメートル、又は200マイクロメートル~700マイクロメートル)など、約100マイクロメートル~約700マイクロメートルの範囲の直径寸法を有しうる。マイクロウェル又は細胞培養容積は、約100マイクロメートル~500マイクロメートル、又は前述の値内のいずれかの範囲など、約50マイクロメートル~約700マイクロメートルの範囲の深さを有しうる。
図19は、多孔膜支持体を含む細胞培養装置の追加的な実施形態を示す側面図である。図20は、細胞の共培養を示す、多孔膜支持体を含む細胞培養装置の追加的な実施形態を示す側面図である。
図21に関して、複数の積層された細胞培養コンパートメント1410A、1410B、1410Cを有する細胞培養装置1400の実施形態が示されている。各細胞培養コンパートメントは、本明細書に記載のマイクロウェルのアレイを有する基材を備えうる。装置1400は、そこを通って細胞培養培地が導入及び除去されうる開口部1435を有する充填マニホルド1430を備えている。充填マニホルド1430は、複数の開口(図示せず)を備えている。各細胞培養コンパートメント1410A、1410B、1410Cは、開口部1435を通して導入される細胞培養培地が細胞培養コンパートメント1410A、1410B、1410C内へと流れることができるように、マニホルド1430の開口と流体連通した少なくとも1つの開口(図示せず)を有する。装置1400が細胞培養位置に方向づけられる場合、開口部1435は、キャップ(図示せず)などで覆われてよい。装置1400はまた、必要に応じて、そこを通って空気、代謝ガスなどが流れうる開口部1425を画成する通気マニホルド1420を備えている。通気マニホルド1420は、複数の開口(図示せず)を備えている。各細胞培養コンパートメント1410A、1410B、1410Cは、細胞培養代謝ガスが開口部1425を介して細胞培養チャンバの内部と装置の外部1400との間で交換可能なように、マニホルド1420の開口とガス連通した少なくとも1つの開口(図示せず)を有する。装置1400が細胞培養位置に方向づけられる場合、開口部1425は、通気キャップ(図示せず)、フィルタ(図示せず)などで覆われうる。
次に、図22を参照すると、図21に示されるタイプの装置でありうる、細胞培養装置1400の断面図が示されている。装置1400は、各々が上述のガス透過性のウェルのアレイを有する構造化された表面を画成する基材1110を有する、複数の積層された細胞培養コンパートメント1410A、1410B、1410Cを有する。図22に示す実施形態では、積層における最上部のコンパートメント1410Aを除き、各コンパートメント(例えば、1410B、1410C)は、隣接するコンパートメントの構造化された基材1110の第2の主面によって画成される上面1450を有する。例えば、コンパートメント1410Bの基材1110の第2の主面は、コンパートメント1410Cの上部内面としての役割をする。したがって、隣接するコンパートメントの内部は、底部の構造化された表面/上面を形成する一般的な基材1110を通じて、互いにガス連通する。最上部のコンパートメント1410は、プレートでありうる、上部によって形成された上部内面1450を有している。
コンパートメント(例えば、コンパートメント1410A、1410B、1410C)の内部は、マイクロウェルのアレイを有する基材(例えば、図9に示されるアレイ100)、上記コンパートメントの基材の外部の第2の主面によって画成される上面、及び、1つ以上の側壁1440によって画成される。1つ以上の側壁1440は、マニホルド1420によって画成された1つ以上の開口部1425、1426を介して装置の外部と連通した、マニホルド1420によって画成された通気カラム1429と連通した通気開口1442を有する。通気開口1442は、装置が細胞培養に方向付けられる場合(例えば、図22に示されるように)、細胞培養チャンバの内部に存在しうる細胞培養培地1300の最大容積を画成する。コンパートメント内の細胞培養培地の容積は、最大未満でありうる。通気開口1442はまた、細胞培養コンパートメントの内部の最小上部空間容積も画成する。コンパートメントの内部の上部空間の容積は、最小上部空間容積より大きくなりうる(細胞培養培地容積が最大の培地容積未満の場合)。
したがって、隣接するチャンバ(例えば、チャンバ1410C)の上のチャンバ(例えば、チャンバ1410B)の基材1110によって画成される構造化された表面のウェル内で培養される細胞は、ガス透過性のウェルを介して、隣接するチャンバ(例えば、チャンバ1410C)の上部空間1441とガス連通する。上部空間1441は、1つ以上の開口部1425、1426を介して装置の外部と連通した、マニホルドによって画成されるカラム1429と連通している。
随意的なフィルタ1427は、代謝ガスを通気するために、開口部1425又はキャップ1422内に導入されうる。装置の底部に通気孔を有することは、幾つかの実施形態では有利でありうる。例えば、代謝廃棄物ガスの二酸化炭素は大気よりも高密度であり、底部の通気孔を有しない培養装置の底部において最高濃度となる勾配を形成する傾向にある。したがって、装置の底部における通気孔の存在(例えば、通気カラム1429及び開口部1426によって形成される)は、廃棄物二酸化炭素の装置外への移動を促進しうる。
次に、図23を参照すると、図21に示されるタイプの装置でありえ、かつ、図22に示される装置の一部でありうる、細胞培養装置1400の断面図が示されている。図23における各参照番号が明確に論じられない限り、図22に関して上に述べた同様に番号付けされた構成要素の説明を参照されたい。例証される実施形態において、コンパートメント(例えば、コンパートメント1410A、1410B、1410C)の内部は、基材1110の内部の構造化された表面、上記コンパートメントの基材の外面によって画成される上面、及び1つ以上の側壁1440によって画成される。1つ以上の側壁1440は、装置が細胞培養に方向付けられる場合、キャップ1432によって覆われうる、マニホルド1430によって画成される開口部1435を介して装置の外部と連通した、充填マニホルド1430によって画成されるカラム1439と連通した開口1443を有する。細胞培養培地1300は、装置の操作によって、カラム1439及び開口部1435を介して、細胞培養コンパートメント(例えば、コンパートメント1410A、1410B、1410C)内に導入又は細胞培養コンパートメントから除去されうる。
次に、図24A及び24Bを参照すると、複数のトレイが互いの上部に積層される場合に、細胞培養コンパートメント(例えば、図21~23に示されるコンパートメント1410A、1410B、1410C)を形成する役割をしうる、トレイ1415の概略的な底面図(24A)及び概略的な斜視図(24B)が示されている。トレイ1415は、マイクロウェルのアレイを有する基材を画成する、基材1110から延びる側壁1440A、1440B、1440C、1440Dを備えている。幾つかの実施形態では、トレイは、単一の取り囲む側壁(図示せず)を備えている。部分的な高さの壁1472は、側壁1440A及び側壁1440Dに連結している。部分的な高さの壁1472及び側壁1440A、1440Dは、通気開口1442を取り囲み、それを画成する。細胞培養装置が積層されたトレイから組み立てられる場合、トレイ1415によって形成されたチャンバの内部の代謝ガスは、部分的な壁1472を越えて、開口1442を通って流れうる。積層されたトレイ1415の通気開口1442、部分的な壁1472及び連結する側壁は、通気カラム(例えば、図22に示される通気カラム1429)の少なくとも一部を形成しうる。
トレイ1415はまた、側壁1440A及び側壁1440Bに連結した部分的な高さの壁1473も備えている。部分的な高さの壁1473及び側壁1440A、1440Bは、充填開口1443を取り囲み、それを画成する。細胞培養装置が積層されたトレイから組み立てられる場合、培養培地は、組み立てられた装置の操作によって、部分的な壁1473を越えて、充填開口1443を通って、トレイ1415によって形成されたチャンバの内部に導入され又はそこから除去されうる。積層されたトレイ1415の充填開口1443、部分的な壁1473及び連結する側壁は、充填カラム(例えば、図23に示される充填カラム1439)の少なくとも一部を形成しうる。
部分的な壁1473の高さは、トレイ1415によって形成された細胞培養コンパートメント内に含まれうる、細胞培養培地の最大の高さ及び容積を画成する。部分的な壁1473の上部は、構造化された表面を形成する基材1110から任意の適切な距離にありうる。幾つかの実施形態では、距離は、下記のいずれか2つの間の範囲を含む、6、7、8、9、10、12、15、又は20mmなど、5mm以上である。このようなトレイから組み立てられた細胞培養装置の構造化された表面のガス透過性のウェルが、装置の外部と連通していることから、細胞の上の細胞培養培地の高さは、ガス交換が主に細胞培養培地を通して生じる、通常の細胞培養装置を用いた場合に利用できる高さよりも高くなりうる。
部分的な壁1472の上部から基材1110までの距離は、部分的な壁1473の上部から基材1110までの距離と同一又はそれ以上でありうる。したがって、コンパートメントが培養培地を過充填される場合、過剰の培地は、通気開口1442よりはむしろ、充填開口1443を通して排出される。通気カラムに底部フィルタ(図22のフィルタ1427など)を採用する実施形態では、底部フィルタは、培地で汚染されないであろう。当然ながら、組み立てられた装置の適切な操作によっても、底部フィルタの培地による汚染を防ぐことができよう。
次に、図25を参照すると、複数の積層された細胞培養コンパートメント1410A、1410B、1410Cを有する細胞培養装置1400の実施形態の概略的な側面図が示されている。各コンパートメントは、上述の構造化された表面を画成する基材1110を含みうる。装置1400は、構造化された表面を形成する基材1110に隣接して位置づけられ、かつ、チャンバの外部への空気流のための通路を提供する、スペーサ1500を備えており、該通路は「導管空間」(例えば、導管空間1460A、1460B、1460C)と称される。構造化された表面は、細胞がその中で培養されうるガス透過性のウェルを画成することから、代謝ガスはウェルを通して、装置の外部1400までスペーサ1500によって画成される導管空間1460A、1460B、1460Cへと交換されうる。装置1400はまた、細胞培養培地がそこを通って導入又は除去されうる開口部を画成するマニホルド1430も備えている。マニホルド1430は、複数の開口(図示せず)を備えている。各細胞培養コンパートメント1410A、1410B、1410Cは、マニホルド1430を通って導入される細胞培養培地が細胞培養コンパートメント1410A、1410B、1410C内に流れうるように、マニホルド1430の開口と流体連通した少なくとも1つの開口(図示せず)を有する。
図25における細胞培養装置1400の底部は、スペーサ1500がその上に配置されたプレート1510を備えている。実施形態において、プレート1510及びスペーサ1500は、成形されたパーツなど、単一化されたパーツである。このようなプレートは、他の細胞培養コンパートメント(例えば、コンパートメント1410A、1410B、1410C)の上面を形成しうる。各コンパートメントについて、1つ以上の側壁1440は、構造化された表面を画成する基材1100から上面まで延び、この上面は、スペーサを備えたプレートから形成されうる。ポート1430の開口(図示せず)と連通した開口(図示せず)は、側壁によって画成されうる。
積層された細胞培養トレイ又はチャンバは、任意の適切な方式で組み立てられうる。例えば、このような構成要素は、溶接技法(例えば、熱、レーザ、長波IR又は超音波溶接など)、接着、溶剤接合などを使用して接合されうる。
幾つかの実施形態では、構造化された表面は、バッグに連結される。細胞培養に適したバッグは、加熱封止、レーザ溶接、接着剤の塗布、又は膨張式のバッグ製造の分野で知られたいずれかの他の方法によって、フィルムから形成されうる。バッグの壁又はそれらの一部は、壁を横切るガスの効率的な移動を可能にする厚さを有しうる。所望の厚さは、壁を形成する材料に応じて変化しうると解されたい。例として、壁又は壁を形成するフィルムは、約0.02ミリメートル~0.8ミリメートルの厚さでありうる。バッグは、細胞の培養に適した任意の材料から作製されうる。さまざまな実施形態において、バッグは、該バッグ内で培養された細胞の目視検査を可能にするために、場合に応じて透明な材料から形成される。バッグの形成に用いられうる、場合に応じて透明な、ガス透過性材料の例としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ(エチレン-酢酸ビニル)、ポリスルホン、ポリメチルペンテン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又は相容性のフッ素ポリマー、シリコーンゴム又は共重合体、ポリ(スチレン-ブタジエン-スチレン);又は、ポリエチレン又はポリプロピレンなどのポリオレフィン;若しくはこれらの材料の組合せが挙げられる。
本明細書に記載される細胞培養装置は、構造化された表面のウェル内で細胞を培養するために用いられうる。上述のように、装置内の細胞培養培地は、細胞の上の任意の適切な高さで存在しうる。幾つかの実施形態では、細胞の上(例えば、ウェルの上部又は底の上)の装置における細胞培養培地の高さは、約5mm以上である。幾つかの実施形態では、細胞の上(例えば、ウェルの上部又は底の上)の装置における細胞培養培地の高さは、約6mm以上、約7mm以上、約8mm以上、約9mm以上又は約10mm以上である。
ウェルのガス透過性の理由から、細胞培養培地のこのような高さは、細胞を健康な状態に維持するために用いられうる。したがって、本明細書に記載の装置内で培養された細胞は、このような高さの細胞培養培地とともに、長期間、培養されうる。例えば、細胞は、このような高さの培地とともに、24時間以上、48時間以上、72時間以上、96時間以上、又は、培地が交換されるまで、連続的に培養されうる。
ウェルが細胞に対して非接着性の実施形態では、細胞は、重力によって細胞をウェルから移動可能にするために装置を反転させることによって、採取されうる。
幾つかの実施形態では、多孔膜は、同一装置内であるが、装置の外部とガス連通した構造化された表面上で培養された第1の細胞型とは分離して、第2の細胞型の増殖を支援するために(又は、同一の型の追加の細胞の増殖を支援するために)、本明細書に記載される細胞培養装置内に配置される。幾つかの実施形態では、幹細胞は、装置の外部と連通したガス透過性のウェルを有する構造表面で培養され、支持細胞が、多孔膜上で培養される。当然ながら、このような装置を使用して、細胞とコンパートメント化の任意の他の所望される組合せも採用されうる。
多孔膜は、筐体を2つの増殖チャンバへとコンパートメント化するために、細胞培養装置の筐体内に配置されうる。好ましくは、透過性の膜は、膜を通じた細胞移動を制限するが、生体分子の通過を可能にする。多孔膜の形成に用いられうる材料の例としては、トラックエッチドメンブレン若しくは、織られた又は織られていない多孔質の材料が挙げられる。多孔膜の材料は、細胞に対してより接着性又はより非接着性にするために処理又はコーティングされうる。処理は、プラズマ放電、コロナ放電、ガスプラズマ放電、イオン衝撃、電離放射、及び高輝度UV光線を含む、当技術分野で知られたあらゆる方法によって達成されうる。コーティングは、印刷、噴霧、凝縮(condensation)、放射エネルギー、イオン化法又は浸漬を含む、当技術分野で知られた任意の適切な方法によって導入することができる。コーティングは、次に、共有又は非共有のいずれかの結合部位を提供しうる。このような部位は、細胞培養成分(例えば、増殖又は接着を促進するタンパク質)などの部分を結合させるために用いられうる。さらには、コーティングはまた、細胞(例えば、ポリリシン)の結合を高めるために用いられうる。あるいは、上述の細胞非接着性のコーティングは、細胞結合を防止又は抑制するために用いられうる。幾つかの実施形態では、多孔膜は、複数のガス透過性のウェルを画成する構造化された表面を形成する基材に関して上述されるような複数のウェルを有する構造化された表面を有するように製作されうる。しかしながら、この事例では、多孔膜材料は、構造化された表面を有するように形成される。
構造化された表面のガス透過性のウェル(例えば、上述のもの)は、細胞増殖を可能にするように装置を配置したインキュベータ内のガス濃度を調節することによって、酸素張力を制御可能にする。透過性の膜支持体は、生物学的に活性な成分の移動を可能にしつつ、異なる細胞集団を物理的に分離する方法を提供する。
多孔膜は、任意の適切な方式で装置の筐体(例えば、側壁等)に取り付けられうる。例えば、多孔膜は、上述の複数のガス透過性のウェルを有する構造化された表面を画成する基材を形成する基材の導入と同様の方式で装置内に導入されうる。
図26に示す実施形態では、細胞培養装置3100は、フレーム3113によって取り囲まれたプレート3111内にウェル3115を有する96-ウェルマルチウェルプレートである。しかしながら、上述のように、細胞培養装置は、適切な数のウェルを有しうる(例えば、3、6、12、96、又は任意の他の数のウェルが提供されうる)。図示された実施形態では、複数のウェル3115の各々の少なくとも一部は、マイクロウェルのアレイを有する基材を備え、かつ、上述のスフェロイドを形成するための位置を提供する。細胞の培養に使用されるウェルを有する、ほとんどあらゆる種類の細胞培養装置は、幾つかの実施形態では、ウェルの全容積を形成することができ、あるいは、幾つかの実施形態では、ウェルの細胞培養部分容積(sub-volume)を形成することができる、マイクロウェルのアレイを有する基材を採用することによって、設計されうる。幾つかの実施形態では、マイクロウェルの設計がそれを用いて実施されうる細胞培養装置は、例えば、96-ウェルマルチウェルプレート、384-ウェルマルチウェルプレート、1536-ウェルマルチウェルプレートなどのマルチウェルプレートでありうる。幾つかの実施形態では、マルチウェルプレートの少なくとも表面はガス透過性である。
スフェロイドが形成されるように細胞を凝集可能にする複数のウェルの能力、並びに、複数のウェルにわたって一貫性のある寸法を維持するようにスフェロイドを複数のウェルの各々内に形成可能にする能力は、任意の適切な方式で達成されうる。例えば、複数のウェル3115は、細胞がその中でスフェロイド500として増殖する図1~5、又は16に示されるマイクロウェルのように構造化及び配置されたマイクロウェルのアレイを備えうる。
幾つかの実施形態では、1つ以上のウェルは、少なくとも一部には、それらの画定された寸法及び形状に基づいて、画定された寸法の単一のスフェロイドを増殖させるように構成される。スフェロイドは、それらがその中で培養されるウェルの幾何学形状によって課せられた寸法の許容限界まで拡大しうる。例えば、各ウェルは、スフェロイドをある特定の直径まで成長可能にするマイクロウェル又は細胞培養容積を備えうる。言い換えれば、マイクロウェル又は細胞培養容積の幾何学的寸法は、スフェロイドの直径が最大値に達し、その最大値にとどまるように、スフェロイドの成長を強いることができる。一貫した大きさのスフェロイドの生成は、アッセイ結果の再現性を改善するために理想的でありうる、組織様の非膨張性スフェロイドを結果的に生じうる。一貫性のあるスフェロイドの生成は、1つ以上のウェルの内部によって画成された、さまざまな形作られ、かつ寸法決めされた容積(例えば、マイクロウェル又は細胞培養容積)の結果でありうる。例えば、マイクロウェル又は細胞培養容積は、約200マイクロメートル~500マイクロメートル又は前述の値内のいずれかの範囲(例えば、100マイクロメートル~200マイクロメートル、100マイクロメートル~500マイクロメートル、又は200マイクロメートル~700マイクロメートル)など、約100マイクロメートル~約700マイクロメートルの範囲の直径寸法を有しうる。マイクロウェル又は細胞培養容積は、約100マイクロメートル~500マイクロメートル、又は前述の値内のいずれかの範囲など、約50マイクロメートル~約700マイクロメートルの範囲の深さを有しうる。
本明細書に記載の複数のウェルの各々は、その中に堆積された細胞がスフェロイドを形成するように補助しうる。複数のウェルの各々はまた、各スフェロイドの直径を、約、例えば、500マイクロメートル以下、400マイクロメートル以下、300マイクロメートル以下、250マイクロメートル以下、150マイクロメートル以下等又は前述の値内のいずれかの範囲(例えば、150~250、150~300、150~400、150~500、250~300、250~400等)の値に制限又は強いることができる。幾つかの実施形態では、複数のウェルの各々は、該複数のウェル内で増殖したすべてのスフェロイドの平均直径とは、約、例えば、20%以下、15%以下、10%以下、5%以下、2%以下等又は前述の値内のいずれかの範囲だけ異なる直径によって画成されたスフェロイドを形成する。
図27~29に示される実施形態では、マイクロウェル3115のアレイは、基材3110内に形成される。複数のウェル3115の各々は、上部開口3118、底面3112、及び、上部開口3118から底面3112まで延びる側壁表面3120を有しうる。加えて、側壁表面3120は、上部開口3118と底面3112の間に、ウェルの底部における縮小された領域がペンの先端のように見えるためにそのように呼ばれる、ペン先領域3116(図29参照)を画成しうる。ペン先領域は、スフェロイドを誘発する幾何学形状をしている。
複数のウェル3115の各々の上部開口3118は、そこを通って細胞を複数のウェル3115の各々に播種するための開口部として利用されうる。上部開口3118は、さまざまな異なる形状及び寸法を有しうる。例えば、上部開口3118は、円形、楕円形、正方形、矩形、六角形、四辺形等である、形状によって画成されうる。上部開口3118はまた、直径寸法(形状に応じて、例えば、直径、幅等)によっても画成されうる。上部開口3118の直径寸法は、最も幅の広い地点における、上部開口を横切る距離として定義されうる。上部開口3118の直径寸法は、約、例えば、300マイクロメートル以上、500マイクロメートル以上、800マイクロメートル以上、1000マイクロメートル以上、1500マイクロメートル以上、2000マイクロメートル以上等、又は、7000マイクロメートル以下、6000マイクロメートル以下、4000マイクロメートル以下、2500マイクロメートル以下、1700マイクロメートル以下、1200マイクロメートル以下等、若しくは前述の値内のいずれかの範囲でありうる。
複数のウェル3115の各々の底面3112は、それらの上又はそれらの上方での細胞の培養を可能にするように促しうる。底面3112は、さまざまな異なる形状及び寸法を有しうる。例えば、底面3112は、円形、半球状、平坦、円錐状等でありうる。さらなる例として、底面3112はまた、円形、楕円形、正方形、矩形、六角形、四辺形等の形状によっても画成されうる。図27~29に示されるように、底面3112は平坦であり、直径寸法によって画成される。底面の直径寸法は、約、例えば、0マイクロメートル以上、50マイクロメートル以上、75マイクロメートル以上、100マイクロメートル以上、200マイクロメートル以上、275マイクロメートル以上等、又は、700マイクロメートル以下、500マイクロメートル以下、400マイクロメートル以下、300マイクロメートル以下、250マイクロメートル以下、150マイクロメートル以下等、若しくは、前述の値内のいずれかの範囲でありうる。底が最下点に位置づけられた、丸底又は同様の表面(例えば、半球状、円錐状等)を有する底面3112については、底面3112の直径寸法は、ゼロと見なされる。幾つかの実施形態では、上部開口3118の直径寸法は、底面3112の直径寸法より大きい。他の実施形態では、上部開口3118の直径寸法は、底面3112の直径寸法に等しい。
幾つかの実施形態では、複数のウェル3115の各々の底面3112は、ウェルのマイクロアレイを有する基材を伴って、均一に構築されうる(図29も参照)。他の実施形態では、底面3112は、基材3110の形成に用いられる材料とは異なる材料から製造されうる。複数のウェルを製造するさまざまな方法について以下にさらに記載する。底面3112又は側壁表面3120は、ウェル3115内で培養される細胞又はスフェロイド3130への酸素の供給を助けるためにガス透過性でありうる。幾つかの実施形態では、底面3112を画成する基材3150は、ガス透過性の基材でありうる。幾つかの実施形態では、基材3150は、ガス透過性のフィルムを含みうる。外部に対する底面3112のガス透過性は、該底面3112の材料及び底面3112の厚さに部分的に依存する。例えば、ウェルのガス透過性は、本開示と矛盾しない限り、その全体がここに参照することによって取り込まれる、2014年10月29日に出願した、「ガス透過性の培養フラスコ(GAS PERMEABLE CULTURE FLASK)」という発明の名称の米国仮特許出願第62/072,088号に記載されうる。
ペン先領域3116(図29参照)は、上部開口3118と底面3112との間の側壁表面3120によって画成されうる。ペン先領域3116の位置は、ウェルの他の構成要素によって画成されてもよい。例えば、ペン先領域3116は、側壁表面3120を横切る直径寸法3144によって画成されうる。ペン先領域3116の直径寸法3144は、ペン先領域3116における側壁表面3120を横切る距離として定義されうる。ペン先領域3116は、約、例えば、50マイクロメートル以上、100マイクロメートル以上、200マイクロメートル以上、300マイクロメートル以上、400マイクロメートル以上、550マイクロメートル以上等、又は、800マイクロメートル以下、700マイクロメートル以下、600マイクロメートル以下、500マイクロメートル以下、450マイクロメートル以下、350マイクロメートル以下等、若しくは、前述の値内のいずれかの範囲の直径寸法3144によって画成されうる。ペン先領域3116はまた、約、例えば、50マイクロメートル以上、100マイクロメートル以上、150マイクロメートル以上、250マイクロメートル以上、350マイクロメートル以上、450マイクロメートル以上等、又は、800マイクロメートル以下、700マイクロメートル以下、600マイクロメートル以下、500マイクロメートル以下、400マイクロメートル以下、300マイクロメートル以下等、若しくは、前述の値内のいずれかの範囲の底面3112からの高さ3142によっても画成されうる。高さ3142は、底面3112の最下点から測定されうる。このような実施形態では、ウェル3115の全容積は細胞培養容積3140である。
上部開口3118の直径寸法は、ペン先領域3116の直径寸法3144以上でありうる。ペン先領域3116の直径寸法3144は、底面3112の直径寸法以上でありうる。底面3112の直径寸法は、ペン先領域3116の直径寸法3144以下である、あるいは、ペン先領域3116の直径寸法3144は、上部開口3118の直径寸法以下でありうると記載することもできる。幾つかの実施形態では、上部開口3118はペン先領域3116でありうる。
複数のウェルの各々の側壁表面3120は、上部開口3118から底面3112まで延びる。側壁表面3120は、上部側壁表面3124及び下部側壁表面3122を含みうる。上部側壁表面3124は、上部開口3118とペン先領域3116との間に画成されうる。下部側壁表面3122は、ペン先領域3116と底面3112との間に画成されうる。幾つかの実施形態では、複数のウェル3115の各々の側壁表面3120は、細胞非接着性の表面を画成しうる。細胞非接着性の表面は、先に述べた細胞培養容積3140におけるスフェロイド3130への細胞の増殖を促進する。細胞非接着性の上部側壁表面3124は、細胞培養容積3140内への播種された細胞の沈降を促進しうる。上部側壁表面3124が細胞非接着性であるかどうかにかかわらず、上部側壁表面3124は、幾つかの実施形態では、ウェル内に播種された細胞のペン先領域3116内への沈降を生じさせ、重力の結果として細胞培養容積3140を形成するように構成されうる。
幾つかの実施形態では、上部側壁表面3124及び下部側壁表面3122は、例えば、放物面、円錐状、階段状、さまざまな角度、曲線状等の形状によって画成されうる。上部及び下部側壁表面3124、3122は、同一又は異なる形状を有しうる。幾つかの実施形態では、側壁表面3120は、上部及び下部側壁表面3124、3122が出会う位置に、変曲点3121を有しうる(例えば、図29に示される)。他の実施形態では、側壁表面3120は、上部及び下部側壁3124、3122の表面が出会う変曲点3121に、連続した傾斜を有しうる。
幾つかの実施形態では、底面112と隣接している側壁3120の一部は、底面3112に対して垂直又は底面3112に対してある角度で存在しうる。底面3112と隣接する側壁3120の一部は、下部側壁表面3122として記載されうる。側壁3120の一部が底面3112と交差する角度は、底面3112に対して、例えば、90度以上、92度以上、95度以上、100度以上等、又は、110度以下、105度以下、102度以下、97度以下等、若しくは、前述の値内のいずれかの範囲で画成されうる。幾つかの実施形態では、側壁表面3120を横切る直径寸法は、底面3112から上部開口3118の方へと増加するように説明されうる。側壁の幾何学形状は、細胞を複数のウェル3115の各々内に十分に沈降可能にするような幾何学形状でありうる。
平坦な表面を有しない底面3112に関しては、側壁3120の角度は、底面3112の底の接線方向にある仮想平面に対するものと考えられる。他の実施形態では、仮想平面はまた、仮想平面が底の接線方向であるかどうかにかかわらず、上部開口3118と同一平面上にあるものとして定められうる。
底面3112、ペン先領域3116及び側壁表面3120の一部の組合せは、細胞培養容積3140を画成しうる。細胞培養容積3140を画成する側壁表面3120の一部は、下部側壁表面3122とも説明されうる。細胞は、細胞培養容積3140内でのみ培養されるように限定されない。しかしながら、複数のウェル3115の各々内に堆積された細胞は、スフェロイド3130を形成及び増殖するように、細胞培養容積3140内で凝集しうる。また、スフェロイド3130の寸法は、細胞培養容積3140の形状及び寸法の結果でありうる。例えば、複数のウェル3115の各々の細胞培養容積3140は、スフェロイド3130が、約、例えば、500マイクロメートル以下、400マイクロメートル以下、300マイクロメートル以下、250マイクロメートル以下、150マイクロメートル以下等又は前述の値内のいずれかの範囲の直径まで増殖するように構成される。幾つかの実施形態では、複数のウェル3115の各々の細胞培養容積3140は、複数のウェル3115内で増殖したすべてのスフェロイド3130の平均直径とは、約、例えば、20%以下、15%以下、10%以下、5%以下、2%以下等だけ異なる、又は前述の値内のいずれかの範囲だけ異なる直径によって画成される、スフェロイド3130を形成する。
上部開口3118、ペン先領域3116及び側壁表面3120の一部の組合せは、第2の容積3145を画成する。第2の容積3145を画成する側壁表面3120の一部は、上部側壁表面3124としても説明されうる。第2の容積3145は、細胞培養容積3140よりも大きくてよい。例えば、第2の容積3145は、細胞培養容積3140の約、100%以上、200%以上、500%以上、1,000%以上、10,000%以上、100,000%以上、200,000%以上等、又は前述の値内のいずれかの範囲でありうる。例として、96-ウェルプレートは、0.1マイクロリットルの容積によって画成される細胞培養容積と、200マイクロリットルの容積によって画成される、結果的に細胞培養容積よりも2,000倍大きい容積を生じうる、第2の容積とを有しうる。
細胞培養装置3100の一実施形態が図27に示されている。図27に示されるように、複数のウェル3115の各々の側壁表面3120は、上部開口3118から底面3112へと次第に細くなっている。特に、側壁表面3120は、ほぼ上部開口3118に垂直な方向であるが、側壁表面3120が底面3112の方へと延びるにつれて側壁表面3120を横切る直径寸法を低下させる僅かな角度で、上部開口3118から延びている。上部開口3118とペン先領域3116との間の側壁表面3120に沿った点3123において、側壁表面3120の角度は、側壁表面3120が底面3112の方へ延びるにつれて、側壁表面3120を横切る直径寸法をさらに低下させるように変化する。ペン先領域3116において、側壁表面3120の角度は、この場合も変化し、かつ底面3112の方へと延びる。側壁表面3120のこの最後の部分は、時折、下部側壁表面3122と記載される。図27に示されるように、実施形態において、下部側壁表面3122は、底面3112に対して垂直から僅かに角度をなしてよく、側壁表面3120を横切る直径寸法は、側壁表面3120が底面3112の方に延びるにつれて低下する。スフェロイド3130は、下部側壁表面3122内かつ底面3112に対して位置づけられるように示されている(すなわちペン先領域3116内)。下部側壁表面3122は、スフェロイド3130が増殖可能な寸法を制限又は限定しうる。
細胞培養装置3100の一実施形態が図28に示されている。図28に示されるように、複数のウェル3115の各々の側壁表面3120は、上部開口3118から底面3112へと次第に細くなっている。詳細には、側壁表面3120は、最初に、上部開口3118から該上部開口3118に垂直な角度で伸び、次に、ペン先領域3116の方へ放物線軌道に沿って延びる。ペン先領域3116では、側壁表面3120の角度は変化し、かつ底面3112の方へと延びる。側壁表面3120のこの最後の部分は、時折、下部側壁表面3122と記載される。図29に示されるように、下部側壁表面3122は、底面3112に対して垂直から僅かに角度をなし、側壁表面3120を横切る直径寸法は、側壁表面3120が底面3112の方に延びるにつれて低下する。スフェロイド3130は、ペン先領域3116内において下部側壁表面3122内かつ底面3112に対して位置づけられるように示されている。下部側壁表面3122は、スフェロイド3130が成長可能な寸法を制限又は限定しうる。ペン先領域は、スフェロイドを誘発する幾何学形状をしている。
次に、図30に着目すると、幾つかの実施形態では、細胞培養装置3650は、図30に示されるように、底部プレート3610と1つ以上の側壁3620とを備えうる。底部プレート3610は主面3611を画成することができ、1つ以上の側壁3620は、底部プレート3610から延びうる。底部プレート3610は、全体的に又は部分的に、マイクロウェル3615のアレイを有する基材から形成されうる。図30は、底部プレートがマイクロウェル3615の複数のアレイのうちの1つのアレイを有しうることを示している。すなわち、図30に示されるマイクロウェル3615のアレイとして識別される領域の各々は、はるかに小さいマイクロウェルのアレイを含みうる。実施形態において、細胞培養装置3650はまた、底部プレート3610の主面3611に形成された複数のウェル3615も備えうる。マイクロウェル3615の複数のアレイの各ウェルは、スフェロイドの増殖を促進又は誘発する、先に記載したマイクロウェル又は細胞培養容積を画成しうる。底部プレート3610の主面3611及び1つ以上の側壁3620は、リザーバの容積を画成する。本明細書に記載のリザーバプレートは、培養培地の添加を可能にし、その過剰分が典型的にはマイクロウェルプレートの個々の浅いウェルを満たすのに用いられ、流体連通する異なるウェル内での細胞培養を可能にする。
幾つかの実施形態では、1つ以上の側壁3620は、幾つかの現行の市販される細胞培養装置よりも、底部プレート3610からさらに遠くに(例えば、側壁の高さ)延伸でき、リザーバが培地の通常の容積より多くの培地を保持可能にする。リザーバにとってより大きい限度容量の条件により、スフェロイドが、各個々のウェル内の培地の量にのみに依拠する必要がなくなりうるように、過剰の培養培地をリザーバに加えることを可能になりうる。言い換えれば、スフェロイドは、該スフェロイドが標準的なマイクロプレートウェル内で増殖する場合ほど頻繁には、細胞培養培地を供給する必要がなくなりうる。図30に示されるように、リザーバ内の細胞培養培地はリザーバ内のすべてのウェルと連通していることから、栄養素及び代謝物は、細胞培養培地全体を通じて交換されうる。
幾つかの実施形態では、細胞培養組立体3600は、細胞培養装置3650及び流体透過性のメッシュ3670を備えうる。流体透過性のメッシュ3670は、細胞がウェル内に播種された後に、ウェル3615の上部に配置されうる。複数のウェル3615間で共通に連通する細胞培養培地は、ウェル内の細胞をかき乱すことなく、手動のバッチ供給プロセスの間に隔離及び置換されうる。細胞は、幾つかの実施形態では、ウェルの表面に対して非接着性でありうることから、スフェロイドをかき乱す又は失うことのない細胞培養培地の交換は困難でありうる。しかしながら、上述のメッシュ3670を使用することにより、このような困難さが緩和されうる。例えば、細胞培養装置と流体透過性のメッシュとの組合せは、本開示と矛盾しない限り、その全体がここに参照することによって取り込まれる、「リザーバ・スフェロイド・プレート(RESERVOIR SPHEROID PLATE)」という発明の名称で2014年10月29日に出願の、米国仮特許出願第62/072,103号明細書に記載されるようなものでありうる。
本明細書に記載の細胞培養装置3650のウェル3615は、任意の寸法、形状又は構成でありうることが理解されよう。幾つかの実施形態では、ウェルは、図17に示されるように六方最密充填型のウェル構造から形成される。小さい容積のウェルは、追加のリザーバ容積のない、細胞培養培地の頻繁な交換を必要とするであろうことから、密に充填された小さい容積のウェルを有する構造化された表面を有するリザーバプレート装置は、特に有利でありうる。
本明細書に記載のリザーバプレートは、例えば、培養培地の添加を可能にし、その過剰分は、典型的にはマイクロウェルプレートの個々の浅いウェルを満たすのに用いられ、かつ、異なるウェル内で培養された細胞を流体連通可能にする。
図31に示されるように、細胞培養装置4100は、底部プレート4110及び1つ以上の側壁4120を備えうる。底部プレートは主面を画成してよく、1つ以上の側壁4120は、底部プレートから延びうる。底部プレートと1つ以上の側壁との組合せは、リザーバを画成しうる。細胞培養装置はまた、底部プレートの主面に形成されたマイクロウェル4115のアレイを有する基材を、全体又は一部に含みうる。マイクロウェルアレイ内の複数のウェルの各ウェルは、上部開口及び底を画成しうる。上部開口は、主面と同一平面上にあってよく、底は、主面の下に位置づけされうる、すなわち、底は、1つ以上の側壁が底部プレートから延びる方向とは逆の方向に位置づけされうる。上部プレート(図示せず)は、細胞をインキュベートする間に、所望されるリザーバ上に配置されうる。
幾つかの実施形態では、1つ以上の側壁は、典型的なものよりも底部プレートから遠くに延伸でき、したがって、リザーバを培地の通常の容積より大きい容積を保持可能にする。リザーバにとってより大きい限度容量の条件は、スフェロイドが、各個々のウェル内の培地の量にのみ依拠する必要がなくなりうるように、過剰の培養培地をリザーバに添加可能にしうる。言い換えれば、スフェロイドは、該スフェロイドが標準的なマイクロプレートウェル内で増殖する場合ほど頻繁には、細胞培養培地を供給する必要をなくしうる。図31に示されるように、リザーバ内の細胞培養培地はリザーバ内のすべてのウェルと連通していることから、栄養素及び代謝物は、細胞培養培地全体を通じて交換されうる。
幾つかの実施形態では、細胞培養組立体4200は本明細書に記載される。組立体は、装置4100(例えば、図31に関して示しかつ述べたような装置)及び流体透過性のメッシュ4570を備えうる。流体透過性のメッシュ4570は、細胞がウェル内に播種された後に、ウェル4115の上部に配置されうる。共通に連通する細胞培養培地は、ウェル内の細胞をかき乱すことなく、手動のバッチ供給プロセスの間に隔離及び置換されうる。
幾つかの実施形態(例えば、図32に示される)では、フレーム4560は、図示されるようにメッシュ4570に連結しうる。フレーム4560は、メッシュ4570をウェルの第1のウェル4515上の適所に維持するように構成されうる。幾つかの実施形態では、メッシュ4570は、装置4100の側壁4120の上部エッジ上に配置されるように構成されうる。フレーム4560は、締まり嵌め、スナップ嵌め、又はメッシュをプレート4110の主面上に保持するための任意の他の適切な機構を介して、1つ以上の側壁4120を係合することができる。幾つかの実施形態では、ユーザは、メッシュがウェル4115上のプレート4110の主面に保持されるように、フレーム4560を適所に手動で保持することができる。
流体透過性のメッシュ4570は、任意の適切な材料から形成されうる。幾つかの実施形態では、流体透過性のメッシュは、細孔を画成する。細孔は、任意の適切な寸法のものでありうる。幾つかの実施形態では、細孔は、10マイクロメートル~100マイクロメートルの範囲の平均細孔寸法を画成する。幾つかの実施形態では、細孔は、40マイクロメートル以下の平均細孔寸法を画成する。好ましくは、メッシュの細孔は、スフェロイドがメッシュを通り抜けるのを防ぐのに十分に小さい寸法のものである。
幾つかの実施形態では、メッシュは、本開示と矛盾しない限り、その全体がここに参照することによって取り込まれる、例えば、本発明の譲受人に譲渡された米国仮特許出願第62/072094号明細書に記載されている。
幾つかの実施形態では、細胞培養培地を手動で置換する代わりに、本明細書に記載のリザーバプレートは、細胞培養培地をウェルの主面上のリザーバを越えて流すことができる、灌流装置として製作されうる。
例えば及び図33を参照すると、図31に記載され、かつ図31に関して論じられる細胞培養装置4100は、1つ以上の側壁が入口4140を形成し、かつ、1つ以上の側壁が出口4145を形成するように、適合されうる。細胞培養流体は、入口から出口までリザーバ全体に灌流されうる。図33に示される装置の形状因子は、開放された上部の形状因子であってよく、あるいは、閉じられた上部であってもよい。形状因子が開放された上部である場合、図2に関して論じられたフレーム及びメッシュを含むインサートは、そうでなければ高い灌流速度がスフェロイドなどの細胞をウェルから移動させてしまうかもしれない場合に、細胞をウェル4115内に保持するために用いられうる。
本明細書に記載される細胞培養装置は、任意の適切な方式で製造されうる。さまざまな実施形態において、細胞培養装置の製造方法は、ポリマー材料、又は本明細書に記載の任意の他の適切な材料を成形して、細胞培養装置を形成する工程を含む。ポリマー材料は、細胞培養装置の複数のウェルを画成しうる。複数のウェルの各々は、上部開口、底面、及び、上部開口から底面まで延びる側壁表面を画成しうる。側壁表面はまた、上部開口と底面との間のペン先領域も画成しうる。ポリマー材料は、ピンの周りに成形されたポリマー材料が本明細書に記載の複数のウェルの特性を有するように、ピンを有する鋳型内へと注がれうる。
幾つかの実施形態では、ポリマー材料は、基材上に被覆成形されて細胞培養装置を形成する。基材は底面を画成し、ポリマー材料と基材との組合せは複数のウェルを画成する。ポリマー材料は、ピンの周りに成形されたポリマー材料が本明細書に記載の複数のウェルの特性を有するように、ピンを有する鋳型内へと注がれうる。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載の細胞培養装置がどのように製造されるかにかかわらず、複数のウェルの各々の側壁表面は、本明細書にさらに記載される細胞非接着性の材料でコーティングされうる。
幾つかの実施形態では、ウェルは、側壁の一部又は側壁に付け加えられた、さまざまな特徴を含む。このような基材の特徴は、直接射出成形されてもよく、あるいは、それらは、形成された基材上に型押しされてもよい。特徴の材料は、任意のポリマー、ポリマーブレンド、共重合体、ガラス、金属、若しくは、本明細書に記載の又は当技術分野で理解されている任意の他の材料でありうる。
本明細書に記載の装置、ウェル、側壁、ウェル底部、及び他の特徴は、任意の適切な材料で形成される。好ましくは、細胞又は培養培地との接触が意図される材料は、細胞及び培地と相容性である。典型的には、細胞培養構成要素は、ポリマー材料から形成される。適切なポリマー材料の例としては、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリスチレン共重合体、フッ素ポリマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレンブタジエン共重合体、完全水素化スチレンポリマー、ポリカーボネートPDMS共重合体、並びに、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリプロピレン共重合体及び環状オレフィン共重合体などのポリオレフィンなどが挙げられる。
実施形態において、ウェルの内面は細胞に対して非接着性である。ウェルは、非接着性の材料から形成されて差し支えなく、あるいは、非接着性の表面を形成するように非接着性の材料でコーティングされてもよい。例となる非接着性の材料としては、パーフルオロ化ポリマー、オレフィン、又は同様のポリマー、若しくはそれらの混合物が挙げられる。他の例としては、アガロース、ポリアクリルアミドなどの非イオン性ヒドロゲル、ポリエチレンオキシドなどのポリエーテル、及びポリビニルアルコールなどのポリオール、又は同様の材料、若しくはそれらの混合物が挙げられる。幾つかの実施形態では、例えば、非接着性のウェル、ウェルの幾何学形状、及び/又は重力のうちの2つ以上の組合せにより、ウェル内で培養された細胞がスフェロイドへと自己組織化するように誘発される。一部のスフェロイドは、単層において増殖した細胞と比較して、より大きいインビボ様応答を示す、分化された細胞機能を維持する。ウェルが細胞に対して非接着性の実施形態では、細胞は、重力によって細胞をウェルから移動可能にするように、装置を逆さまにすることによって採取されうる。
幾つかの実施形態では、材料の表面改質は、所望の特性を達成するために用いられる。このような改質は、表面化学の改質を含み、機械的特性は、生物学的コーティング(例えば、Matrigel(商標)、コラーゲン、ラミニン等)及び合成コーティング(例えば、Synthemax(登録商標)、シリコーンハイドロゲル等)を使用して利用されうる。材料に対する他の表面改質(例えばウェル又は微細構造内)は、本発明の範囲内にある。
本明細書に記載される構造化された表面を有する基材は、任意の適切な方式で、細胞培養チャンバ又はトレイへと組み立てられうる。例えば、細胞培養チャンバ又はトレイの構造化された表面及び1つ以上の他の構成要素は、単一のパーツとして成形されうる。幾つかの実施形態では、構造化された表面又はその一部は、底部及び1つ以上の構成要素を形成するように被覆成形され、該構造化された表面は、細胞培養装置の1つ以上の他の構成要素に、溶接(例えば、熱、レーザ、長波IR又は超音波溶接など)、接着、溶剤結合等がなされる。
さまざまな実施形態において、細胞培養システムは、上述の細胞培養装置の構成要素を2つ以上備えうる。例として、装置の構成要素は、細胞培養システムを形成するように積層されうる。本明細書に記載の細胞培養装置の構成要素を取り込みうる積層された細胞培養システムの例としては、例えば、それらが本開示と矛盾しない限り、それぞれの全体がここに参照することによって本明細書に取り込まれる、(i)「多層培養容器(MULTILAYER CULTURE VESSEL)」という発明の名称で2014年10月29日出願の米国仮特許出願第62/072,015号明細書;(ii)「灌流バイオリアクタプラットフォーム(PERFUSION BIOREACTOR PLATFORM)」という発明の名称で2014年10月29日出願の米国仮特許出願第62/072,039号明細書が挙げられる。
本明細書に記載される細胞培養装置は、装置のウェル内の細胞を任意の適切な方式で培養するために用いられうる。例えば、細胞を培養するための方法は、本明細書に記載される細胞培養装置の複数のウェルの1つ以上に細胞及び細胞培養培地を導入する工程を含む。細胞培養培地は、細胞培養容積のみに、又は、細胞培養容積及び第2の容積を含む、複数のウェルの各々の全体に、含まれうる。本方法はまた、複数のウェルの1つ以上における培地内で細胞を培養する工程も含む。複数のウェルの1つ以上において細胞を培養する工程は、1つ以上のウェル内でスフェロイドを形成する工程を含みうる。1つ以上のウェル内で培養されたスフェロイドは、約、例えば、500マイクロメートル以下、400マイクロメートル以下、300マイクロメートル以下、250マイクロメートル以下、150マイクロメートル以下等、又は前述の値内のいずれかの範囲の直径によって画成されうる。1つのスフェロイドの直径は、複数のウェル内で増殖したすべてのスフェロイドの平均直径とは、約、例えば、20%以下、15%以下、10%以下、5%以下、2%以下等又は前述の値内のいずれかの範囲で異なりうる。
幾つかの実施形態では、ウェル底部は、凹状のアーチ形表面又は「カップ」の幾何学形状、例えば、半球面、丸底を有する円錐面、及び同様の表面形状、又はそれらの組合せなどを含む。ウェル(例えば、マイクロウェル)及びウェル底部は、くぼみ、凹形円錐台状の起伏表面、又はそれらの組合せなど、スフェロイドに「フレンドリー」な丸みを帯びた面又は曲面内で最終的には終結、終端、又は底付きしうる。
ある特定の実施形態では、側壁の一部及び/又はウェル底部は、可視及び/又はUVスペクトル内の波長に対してさまざまな度合いの不透明性/透明性のものである。例えば、不透明な側壁は、透明なマイクロウェル底部と組み合わせられうる。不透明な部分から透明な部分への移行は、漸進的又は激的でありうる。
幾つかの実施形態では、ウェル(例えば、マイクロウェル)は、少なくとも1つの凹状のアーチ形表面上など、ウェルの一部の上に、低接着性、非接着性、又は高接着性のコーティングを含む。
幾つかの実施形態では、本装置はさらに、吸引用のピペットの先端を受け入れるため、例えば、ウェル付属部(well annex)、ウェル拡張領域、又は補助サイドチャンバを備えている。幾つかの実施形態では、ウェル付属部又はウェル拡張部(例えば、サイドポケット)は、例えば、ウェル(例えば、マイクロウェル)に隣接し、かつ、流体連通した一体型表面である。幾つかの実施形態では、ウェル付属部は、ウェルのガス透過性の透明な底部から離間された底部を有する。ウェル付属部及びチャンバウェルの第2の底部は、例えば、より高い位置又は比較的高所など、ガス透過性の透明な底部から離間されている。幾つかの実施形態では、ウェル付属部の第2の底部は、スフェロイドの分裂又はかく乱を避けるために、ピペットから分配される流体を透明な底部から離すように偏向させる。
ある特定の実施形態では、装置はさらに、ウェルの一部の内部に位置した、ウェル付属部の一部の内部に位置した、又はウェル及びウェル付属部分の両方の内部に位置した、ライナ又はメンブレンインサートなどの多孔膜を備えている。多孔膜は、底部近くの1つ又は両方のウェルの下部の第1の細胞材料から、ウェルの上部に位置した、多孔膜によって形成されたウェルの上部に位置した、又は両方のウェルの上部に位置した、異なる細胞型又は異なる細胞状態などの第2の細胞材料の単離又は分離を提供しうる。
装置及びウェルの幾何学形状は、当技術分野で知られた任意の適切な技法によって製造される。幾つかの実施形態では、熱エンボス加工、熱変形、及び/又は射出成形法が、細胞培養と相容性のプラスチックにおけるマイクロパターン化された表面の生成に使用される。図12は、本明細書において使用される熱エンボス/熱成形の製造プロセスの図式を示している。幾つかの実施形態では、特定の厚さのポリスチレンフィルム(又は別の適切なポリマーフィルム)が耐熱性のシリコーン支持体上に配置される。次に、鋳型が下向きのマイクロポストを有するフィルム上に配置される。組立体全体が、130℃で10分間、予備加熱したプレートの間で、5Nの荷重下で押圧される。10分後、プレートが100℃未満に冷却されて、マイクロパターン化され、型押し/熱成形されたフィルムが組立体から取り外され、3D凝集促進表面として標準的な(regular)細胞培養容器内に取り込まれる。他の温度、時間、圧力、及び材料は、本発明の範囲内でありうる。
細胞付着を防ぐために、幾つかの実施形態では、マイクロパターン化された表面は、poly-HEMA、プルロニック(登録商標)(Pluronic)、又は商標名ULA(超低接着表面)処理など、細胞付着を抑制するポリマーを用いて処理される。初期のポリマーフィルムの厚さ及び処理パラメータに応じて、異なる底部厚さを有するマイクロウェルを有する表面が生成される。幾つかの実施形態では、マイクロウェル底部のポリマーの厚さは、酸素透過性に直接的影響を有する。より薄いマイクロウェル底部は、マイクロウェル内部に位置する細胞へのより良好な酸素供給を可能にする。上記作製方法は、高度に酸素透過性のマイクロウェルを有する表面をもたらす。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載の装置及びシステムは、このような装置におけるさまざまなコンパートメント、ウェル等の内外への流体(例えば、培地)及び細胞(例えば、スフェロイド)の移動のためのマイクロ流体要素を備えている。マイクロ流体要素としては、チャネル、リザーバ、弁、ポンプ等が挙げられうる。
インビトロ3D腫瘍細胞培養は、単純な二次元細胞単層よりも正確な複合インビボ微小環境を反映する。幾つかの実施形態では、本明細書に記載のマイクロウェルパターン化表面を有する細胞培養フォーマットは、日常的なハイスループットの薬物開発及び前臨床研究と相容性の均一寸法の3D培養物(例えば、腫瘍スフェロイド)の大量の生成をもたらす。
幾つかの実施形態では、本明細書に記載の培養容器は、均一かつ容易な大規模の凝集体形成を可能にする、誘発された多能性幹(iPS)細胞及び胚性幹細胞(ESC)からの胚様体(EB)の形成に用いられる。幾つかの実施形態では、培地交換は、EBが連続的に数週間、増殖するように行われる。幾つかの実施形態では、寸法は、播種された細胞の数及び培養時間に応じて決まることから、各凝集体の寸法は制御される。幾つかの実施形態では、凝集体は、より大きい培地容積又はスフェロイドの解析が可能な従来のウェルプレートへと移される。幾つかの実施形態では、多数形成されたEBは、単一のプレート内でのトランスフェクトされた標的又は小分子のハイスループット解析に由来する統計的に重要なデータを提供する。1つの培養容器内での多数の3D細胞凝集体の形成を支援する能力は、例えば改変されたペトリ皿などのこれらの容器を、細胞の再プログラミングのためのEB形成クローンの選択に適用可能にする。幾つかの実施形態では、本明細書に記載の容器はまた、肝細胞及び胚性幹細胞など、毒性に関連するさまざまな細胞型の3D細胞凝集体の形成を支援する。幾つかの実施形態では、マイクロウェル表面の容器は、例えば、生体処理工学の分野におけるタンパク質生成の目的で、3D凝集体の細胞培養に用いられる。幾つかの実施形態では、本明細書に記載のマイクロウェルパターン化された表面を有する細胞培養フォーマットは、幹細胞ニッチ共培養、特に、クローン培養の単一の幹細胞とニッチの共培養を可能にする手段を提供する。幹細胞表面マーカー又は幹細胞分化マーカーについての確立された染色プロトコル、並びに画像処理と組み合わせて、単一の幹細胞とニッチの共培養のコンピュータによる同定が行われうる。
マイクロパターン化された容器はまた、3Dフォーマットで細胞を保存するための細胞の保管目的でも用いられる。幾つかの実施形態では、スフェロイドがひとたび特定の寸法まで増殖されると(典型的には、安定状態以前の過渡的状態において)、それらはマイクロウェルから移され、回収されたスフェロイドは冷凍保存され、後日使用するために保管される。過渡的スフェロイドとは、スフェロイドの寸法が連続的に成長可能であることを意味し、一方、安定なスフェロイドとは、スフェロイドが、その固有の寸法の許容限界に達した時点で、寸法の成長を停止することを意味する。さまざまな凍結保存方法が本発明の範囲内にあり、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ウシ胎児血清(FBS)等が挙げられるがこれらに限られない。
実施例1:基材の製造
実施形態に従った基材を、図12に示されるエンボス加工法を使用して製造した。図12は、ポリマーフィルムにおけるマイクロウェル形成の熱エンボス/熱成形法を示している。ホットプレート1を提供する。ホットプレートを130℃まで予備加熱した。所望のウェルプロファイルを反映する、エンボス加工の鋳型2を提供した。ポリマーフィルム3の層を提供し、シリコーンマット4をポリマーフィルムの後ろに提供した。ホットプレートを加熱し、シリコーン層で支えられたポリマーフィルムに対して押圧した。ホットプレートを取り外したときに、その内部で型押しされた所望のウェルプロファイルを有するマイクロウェルのアレイを有するポリマーフィルムを得た。
実施例2:細胞培養
本明細書に記載の実施形態の開発中に行われた実験は、例えば、3D細胞凝集体の所望の直径の約1~3倍の直径(D)を有する、各々が半球形の円形底部及び丸みを帯びた上部を有する、個別の空間的に離間されたマイクロウェルのアレイにおいて、均一な直径の3D細胞培養凝集体が形成及び培養されることを実証するものである。マイクロウェル高さ(H)は、円形の底部部分の直径の約0.7~1.3倍に等しく、マイクロウェルの上部開口部の直径(D上部)は、円形の底部の直径の約1.5~2.5倍に等しい。
マイクロウェルパターン化された表面を有するT25細胞培養フラスコのプロトタイプを製造し、提示された設計のスフェロイド形成の一様性、及び、保持/採取の利益について検証するために、細胞培養用途において試験される、実験を行った。図8は、円形の底部幾何学形状を有するT25プロトタイプのマイクロウェル断面の逆複製(reverse replica)の画像を含む。プロトタイプのT25フラスコ内でHT29細胞によって形成されたスフェロイドの画像が図10Aに示されている。図10Bは、フラスコから採取されたスフェロイドを示しており、これは、図11に示される、Nunc Nunc/Thermo Fisher社から市販される、市販のNUNCLON SPHERA(商標)低結合表面フラスコを用いて増殖させたものと比較可能であり、低結合表面を有するがスフェロイドの生成を画成及び制御するためのウェルを有しない市販の対照と比較して、本明細書に記載のウェルの優れた性能が、実施形態において生成されたスフェロイドの均一性に表れている。円形の底部幾何学形状は、スフェロイドを誘発する幾何学形状である。本明細書の実施形態の開発中に、細胞培養性能におけるマイクロウェルの酸素透過性の影響を実証するための実験を行った。上記実施例1に記載されるように、異なる厚さのマイクロウェルを有する、6ウェル及び12ウェルプレートを製造した。図13は、異なる底部厚さを有するマイクロウェルにおける、マイクロウェルのアレイを備えた基材(実施例1に記載される)を有する6ウェルプレートで細胞を増殖させた後に測定した生細胞カウント数を実証するグラフを示している。図13に示されるように、Aは70μmの厚さであり、Bは120μmの厚さであり、Cは320μmである。対照は、TCT処理された1mm厚の平坦なポリスチレンであった。図13に示される結果から分かるように、より薄い材料(よりガス透過性を示す)は、実施形態において、より力強い細胞増殖を支援した。
図13は、異なる底部厚さを有するマイクロウェルにおける、マイクロウェルのアレイを備えた基材(実施例1に記載される)を有する6ウェルプレート内で細胞を増殖させた後に測定した生細胞カウント数を実証するグラフを示している。図14A及びBは、平坦な表面に対し、マイクロウェルのアレイを有する基材についての生細胞カウント数及び細胞増殖率を比較するグラフを示している。図15は、平坦な表面に対し、マイクロウェルのアレイを有する基材上で培養されたMH677細胞から排出されたタンパク質の全力価を示すグラフを示している。
MH677細胞の培養を、2日ごとに培地交換しつつ、7日間又は9日間の間、行った。図13に提示される結果は、マイクロウェル底部の厚さに対する全生細胞カウント数の依存を実証している。酸素透過性のマイクロウェル(カラムA、70μm厚の底部)内で培養された細胞は、より低酸素透過性のカラムCの320μm厚の底部と比較して82%高い生細胞カウント数を得た。全体的に、マイクロウェルパターン化された表面での培養は、標準的な平坦な非接着性の表面と比較して、より高い生細胞カウント数(図14A)及び、1細胞当たりのより高い増殖率(図14B)を生じる(図14)。これは、85%高いタンパク質収率を生じる(図15)。
本明細書の実施形態の開発中に、本明細書に記載の細胞培養装置及びウェルを使用して、2D培養に対し3D培養での細胞の有利な増殖を実証するために、実験を行った。CHO5/9アルファ細胞(図34A)及びBHK-21細胞(図34B)の両方において、2Dと比較した場合に、3D培養では1cmあたり、はるかに多いタンパク質(図34Aのhm-CSF;図34BのEPO)を生成した。
本明細書で言及した及び/又は以下に列挙するすべての刊行物及び特許文献は、参照することによって本明細書に取り込まれる。本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、本明細書に記載される特徴及び実施形態のさまざまな改質、組み換え、及びバリエーションは、当業者にとって明白であろう。特定の実施形態について記載してきたが、特許請求の範囲に記載される発明は、このような特定の実施形態に不当に限定されるべきではないと解されたい。実際、当業者にとって自明な、記載されるモード及び実施形態のさまざまな修正は、以下の特許請求の範囲内にあることが意図されている。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
少なくとも1つの毛管構造と、スフェロイドを誘発する幾何学形状とを含むマイクロウェルのアレイを有する細胞培養基材。
実施形態2
前記少なくとも1つの毛管構造が、リッジ、割れ目、ピラー、不連続な壁、波形状の壁、口部、放物面又は正弦波のウェル形状、若しくは組合せからなる群より選択されることを特徴とする、実施形態1に記載の細胞培養基材。
実施形態3
前記リッジが、円形状、角形状、針状、又は六角形の形状であることを特徴とする、実施形態2に記載の細胞培養基材。
実施形態4
前記割れ目が、円形状、角形状、針状、又は六角形の形状であることを特徴とする、実施形態2に記載の細胞培養基材。
実施形態5
前記スフェロイドを誘発する幾何学形状が、ピラー、不連続な壁、波形状の壁、丸みを帯びたセル底部、くぼみのあるウェル底部、凹み、ペン先領域、不連続な壁、又は組合せを含むことを特徴とする、実施形態1~4のいずれかに記載の細胞培養基材。
実施形態6
前記基材が、前記細胞培養基材の表面1平方センチメートル当たり、前記マイクロウェルを2~10000個含むことを特徴とする、実施形態1~5のいずれかに記載の細胞培養基材。
実施形態7
前記マイクロウェルの少なくとも前記底部が、非接着性の表面を含むことを特徴とする、実施形態1~6のいずれかに記載の細胞培養基材。
実施形態8
前記マイクロウェルの少なくとも前記底部が、ガス透過性材料を含むことを特徴とする、実施形態1~7のいずれかに記載の細胞培養基材。
実施形態9
前記基材が、前記細胞培養基材の表面1平方センチメートル当たり、前記マイクロウェルを2~10000個含むことを特徴とする、実施形態1~8のいずれかに記載の細胞培養基材。
実施形態10
前記細胞培養基材が、細胞培養容器の少なくとも一部を含むことを特徴とする、実施形態1~9のいずれかに記載の細胞培養基材。
実施形態11
前記細胞培養容器が、マルチウェルプレート、皿、フラスコ、管、多層フラスコ、側部軟質性のフラスコ及びバッグからなる群より選択されることを特徴とする、実施形態10に記載の細胞培養基材。
実施形態12
前記細胞培養容器が、透過性の膜によって互いに分離された少なくとも2つの細胞培養チャンバを備えていることを特徴とする、実施形態10に記載の細胞培養基材。
実施形態13
前記マイクロウェルが、該マイクロウェルの少なくとも1つと単一の液体貯槽との間の流体連通を可能にするように構成されることを特徴とする、実施形態1~12のいずれかに記載の細胞培養基材。
実施形態14
前記細胞培養容器が、前記マイクロウェルの上部に配置されたメッシュを備えていることを特徴とする、実施形態1~10のいずれかに記載の細胞培養基材。
実施形態15
各マイクロウェルが、上部開口、ウェル底部、及び、1つ以上の側壁を備えており、
前記上部開口が有効直径D上部を有し、前記1つ以上の側壁が前記ウェル底部から前記上部開口まで延びる高さHを有し、前記マイクロウェルが前記上部開口とウェル底部との間の有効直径の中間点D中間を有し、D上部:D中間の比が1.5:2.5である
ことを特徴とする、実施形態1~14のいずれかに記載の細胞培養基材。
実施形態16
上部=1.5~2.5D中間であることを特徴とする、実施形態15に記載の細胞培養基材。
実施形態17
H=0.7~1.3D中間であることを特徴とする、実施形態15に記載の細胞培養基材。
実施形態18
中間が200~1000μmであることを特徴とする、実施形態15に記載の細胞培養基材。
実施形態19
実施形態10~12のいずれかに記載の細胞培養容器に培養培地を充填する工程;及び、
スフェロイド形成細胞を前記培養培地に加える工程
を含む、スフェロイドを培養する方法。
実施形態20
前記培養培地を置換又は交換する工程をさらに含むことを特徴とする、実施形態19に記載の方法。
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100 ウェルのアレイ
110 口部
111 上部開口部/口部の上部
112 口部の底部
113 側壁
115 ウェル
116 ウェルの底部
170 リッジ
270 割れ目
401 マイクロウェル
402 フレーム
403 側壁
500 スフェロイド
501 ピラー
505 空間
510 上部
515 ウェル
800 フラスコ
815 上面
820 側壁
850 細胞培養チャンバ
860 ポート
861 ねじぶた
1110 基材
1114 基材
1300 細胞培養培地
1400 細胞培養装置
1410A~C 細胞培養コンパートメント
1415 トレイ
1420 通気マニホルド
1422 キャップ
1425 開口部
1426 開口部
1427 フィルタ
1429 通気カラム
1430 充填マニホルド
1432 キャップ
1435 開口部
1439 列
1440 側壁
1441 上部空間
1442 通気開口
1443 充填開口
1450 上部内面/上面
1460A~C 通路/導管空間
1500 スペーサ
1510 プレート
1601 六角形のウェル
2100 細胞培養装置
2110 基材
2115 ウェル
2120 側壁
2152 培養チャンバ
2154 第2のチャンバ
2162 第1のポート
2164 第2のポート
2202 スフェロイド細胞
3100 細胞培養装置
3110 基材
3111 プレート
3113 フレーム
3115 ウェル
3116 ペン先領域
3118 上部開口
3120 側壁表面
3121 変曲点
3122 下部側壁表面
3123 点
3124 上部側壁表面
3130 スフェロイド
3140 細胞培養容積
3142 高さ
3144 直径寸法
3145 第2の容積
3150 基材
3600 細胞培養組立体
3610 底部プレート
3611 主面
3615 マイクロウェル/ウェル
3620 側壁
3650 細胞培養装置
3670 メッシュ
4100 細胞培養装置
4110 底部プレート
4115 マイクロウェル/ウェル
4120 側壁
4140 入口
4145 出口
4200 細胞培養組立体
4560 フレーム
4570 メッシュ

Claims (1)

  1. マイクロウェルのアレイを含む細胞培養基材であって、各マイクロウェルが、上部ウェルエッジ、波形状のマイクロウェルの側壁、及び、丸みを帯びたウェル底部によって画成された前記マイクロウェル内への開口部を備え、
    複数の前記波形状の側壁の間の間隙に、複数の前記マイクロウェルが生成されるように、複数の前記波形状の側壁が位置合わせされている、細胞培養基材。
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