JP2020115781A - 細胞培養チップ - Google Patents

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Abstract

【課題】ポートの内径が細い細胞培養チップにおいて、ピペットによる溶液の投入を容易にする。【解決手段】細胞培養チップは、第一面を有する板材と、板材の内部に形成され、一方の端部が第一面上に露出してなる第一開口部と、板材の内部であって第一開口部とは異なる位置に形成され、一方の端部が第一面上に露出してなる第二開口部と、第一開口部の他方の端部と第二開口部の他方の端部とを連絡する中空状の連絡部とを備える。第一開口部と第二開口部の少なくとも一方は、第一面と連絡部との間の位置において、第一面から連絡部に向かう深さ方向に進むに連れて開口面積が小さくなる第一開口領域を有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、細胞培養チップに関する。
従来、細胞及び組織培養は、寒天又は培地とした培養ディッシュやプレートを使用して行われてきた。これら培養ディッシュやプレートを用いた細胞及び組織の培養は、2次元(平面)の環境で行われるものであるため、細胞外微小環境を再現することができない。そこで、近年、従来法では困難であった、3次元(立体)の細胞培養・実験環境を作製することができるマイクロ流路を有する細胞培養チップ(「バイオチップ」、「マイクロチップ」とも称される)が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
図18は、特許文献1に開示されているマイクロ流路チップの構造を模式的に示す斜視図である。マイクロ流路チップ100は、基材112と樹脂フィルム114とを備える。基材112の一方の面には、流入口123及び流出口125が設けられており、流入口123及び流出口125は、基材112から樹脂フィルム114に達する開口溝を構成する。また、基材112には、流入口123と流出口125とを連絡する流路122が形成されている。流路122の一部は、検出部127を兼ねている。
検査対象とする液体試料は流入口123から導入される。この液体試料は、流出口125に向けて流路122内を流れる。流路122の途中に設けられた検出部127には、検出対象物質(例えば特定のタンパク質)に反応して蛍光を発する物質が固定されている。かかる構成とすることで、検出部127を蛍光顕微鏡で観察することにより、液体試料に検出対象物質が含まれているか否かが判定される。
特開2018−47614号公報
培養条件を種々変えながら細胞を培養して、細胞の状況を検証することが行われる場合がある。従来は、培養条件毎に異なる細胞培養チップが用いられていたが、マイクロ流路の高密度化に伴い、1枚の細胞培養チップに複数のマイクロ流路を実装することが可能となった。この場合、複数の流路が近接して配置されるため、ポート(以下では、「開口部」とも称される。)同士の間隔も小さくなる。また消費する試薬量を抑えるため、ポートの開口の径も小径となる。
マイクロ流路への溶液供給方法としては、ポンプとチューブを用いて連続的に溶液を供給する方式と、マイクロピペット等を用いて定容量の溶液を供給するバッチ式の方式がある。しかし、ポンプ及びチューブを用いる方式においては、チップの周囲にポンプ及びチューブを配置する必要があるため、全体としてサイズが大型化してしまう上、電源の取り回しなどが複雑化するという課題がある。そこで、簡易な方法でマイクロ流路に溶液を供給する観点からは、マイクロピペット等を用いて溶液をマイクロ流路内に供給する方式が好ましい。
培養液などの溶液をピペットでポートに投入するに際しては、溶液がポートの外に溢れるのを防止するため、一般的には、ピペットの先端をポートの内壁に沿わせた状態で溶液を投入する。しかし、上述したように、高密度に流路が実装された細胞培養チップにおいては、ポートの径がピペットの径に対して細すぎるため、ピペットの先端をポートの内壁に容易に接触させることができない。また、このような作業を自動化する場合には、ピペットの先端の位置決めの精度の要求が高くなりすぎ、溶液の投入に時間を要するおそれもある。
一方で、ピペットの先端をポートの内壁に接触させることなく溶液を投入した場合、高密度に実装された細胞培養チップにおいては、近接する別の流路の導入口が近いため、溶液が隣の流路に混入するおそれもある。
本発明は、上記の課題に鑑み、ポートの内径が細い細胞培養チップにおいて、ピペットによる溶液の投入を容易にすると共に、近接する別のポートに溶液が混入するおそれを低減することのできる、細胞培養チップを提供することを目的とする。
本発明に係る細胞培養チップは、
第一面を有する板材と、
前記板材の内部に形成され、一方の端部が前記第一面上に露出してなる第一開口部と、
前記板材の内部であって前記第一開口部とは異なる位置に形成され、一方の端部が前記第一面上に露出してなる第二開口部と、
前記第一開口部の他方の端部と前記第二開口部の他方の端部とを連絡する中空状の連絡部とを備え、
前記第一開口部と前記第二開口部の少なくとも一方は、前記第一面と前記連絡部との間の位置において、前記第一面から前記連絡部に向かう深さ方向に進むに連れて開口面積が小さくなる第一開口領域を有することを特徴とする。
上記の構成によれば、第一開口部又は第二開口部の少なくとも一方には、第一面と連絡部との間の位置において、内壁が傾斜面(テーパ面)を有する領域が形成されるため、この内壁の面にピペットの先端を接触させやすい。この結果、第一開口部又は第二開口部の少なくとも一方において、連絡部に近い深さ位置では開口径を小さいままとしながらも、溶液の投入時に系外にあふれるおそれを低減できる。また、溶液を投入する工程を自動化した場合であっても、ピペットの先端の位置決めの要求精度を低下させることができ、作業時間の短縮化が図られる。
また、深さ方向に関して、連絡部に近づくに連れて開口面積が低下する領域を有するため、溶液投入時において、液面の面積を測定することで、既に投入した溶液の量を間接的に把握することが可能である。これにより、溶液の投入作業を自動化した場合において、溶液の投入作業を停止させるタイミングが自動的に検出できるため、溶液の投入量が過多となることによって溶液が溢れるおそれが低減される。
前記第一開口部と前記第二開口部の少なくとも一方は、前記第一開口領域と前記連絡部とを前記深さ方向に連絡する、開口面積が実質的に一定である第二開口領域を有するものとしても構わない。
この場合、溶液投入時において、液面の面積を測定し、液面の面積が急に変化したことを検知して、溶液の投入を停止するタイミングを自動的に検出することができる。
前記第一開口部と前記第二開口部の少なくとも一方は、前記深さ方向に関して、前記第一面から、前記連絡部よりは前記第一面側の所定の深さ位置までの領域全体に前記第一開口領域を有するものとしても構わない。
前記第一開口領域は、当該第一開口領域側を凸とする曲面を呈する内壁で囲まれた領域で構成されているものとしても構わない。
前記第一開口部と前記第二開口部の少なくとも一方は、前記深さ方向に関して、前記第一面から前記連絡部に達するまでの領域全体に前記第一開口領域を有するものとしても構わない。
前記細胞培養チップは、前記第一開口領域を取り囲むように形成された内壁の一部と前記連絡部とを、前記第一開口領域の外側の位置において前記深さ方向に連絡する孔部を備えるものとしても構わない。
連絡部内で細胞を培養するに際しては、厳密な細胞培養環境を実現する観点から、投入する培養液以外の要素ができるだけ入りこまないことが好ましい。上記の構成によれば、孔部を通じた毛細管現象により、孔部が存在しない場合と比較して、溶液の投入時に液面が上昇する傾向にある。これにより、溶液を投入する際に気泡が入りにくくなるため、好ましい細胞培養環境を構築しやすくなる。
なお、ウェルドラインを上記孔部として利用するものとしても構わない。
前記細胞培養チップは、前記第一開口部、前記連絡部、及び前記第二開口部が連絡されて形成された流路を、離散して複数備えるものとしても構わない。
上記の構成によれば、近接した他の流路内に投入する培養液などの溶液が混入するおそれを大幅に低減できる。
本発明の細胞培養チップによれば、ポートの内径が細くても、ピペットによる溶液の投入が容易化される。
細胞培養チップの一実施形態の構造を模式的に示す斜視図である。 第一基板2a側から細胞培養チップを見たときの模式的な平面図である。 図2に示す細胞培養チップを、X1−X1線で切断したときの模式的な断面図である。 図3の一部拡大図である。 細胞培養チップの寸法を説明するための、模式的な断面図である。 培養液が注入された状態の細胞培養チップを、図3にならって図示した模式的な断面図である。 ピペットを用いて細胞培養チップに培養液を注入する様子を模式的に示す図面である。 ピペットを用いて従来の細胞培養チップに培養液を注入する様子を模式的に示す図面である。 培養液を注入している途中の状態を示す図面である。 図9Aの状態から更に培養液を注入したときの状態を示す図面である。 別実施形態の細胞培養チップの構造を、図4にならって図示した模式的な断面図である。 別実施形態の細胞培養チップの構造を、図4にならって図示した模式的な断面図である。 別実施形態の細胞培養チップの構造を、図2にならって図示した模式的な平面図である。 図12に示す細胞培養チップの構造を、X1−X1線で切断したときの模式的な断面図である。 図13の一部拡大図である。 別実施形態の細胞培養チップの構造を模式的に示す平面図である。 別実施形態の細胞培養チップの構造を模式的に示す平面図である。 別実施形態の細胞培養チップの構造を模式的に示す平面図である。 従来のマイクロ流路チップの構造を模式的に示す斜視図である。
本発明に係る細胞培養チップにつき、図面を参照して説明する。なお、以下の各図面はあくまで模式的に図示されたものである。すなわち、図面上の寸法比と実際の寸法比とは必ずしも一致しておらず、また、各図面間においても寸法比は必ずしも一致していない。
図1は、細胞培養チップの一実施形態の構造を模式的に示す斜視図である。図1に示すように、細胞培養チップ1は、第一基板2aと第二基板2bからなる板材2を備える。図2は、第一基板2a側から細胞培養チップ1を見たときの模式的な平面図である。図3は、細胞培養チップ1を、図2内のX1−X1線で切断したときの模式的な断面図である。
図1〜図3に示すように、細胞培養チップ1が備える板材2のうち、第一基板2aには、離間した位置に2つの貫通孔が形成されている。そして、これらの貫通孔の一方の面が第二基板2bと接触することで、第一開口部10及び第二開口部20が形成されている。つまり、細胞培養チップ1を第一基板2a側から見たとき、図2に示すように、第一開口部10の一方の端部10a、及び第二開口部20の一方の端部20aが露出されている。図2に示すように、第一基板2aの面のうち、各開口部(10,20)の端部(10a,20a)が露出されている側の面3が「第一面」に対応する。以下、この面を適宜「第一面3」と称する。
第一基板2aは、第二基板2b側の面に、細管状の凹部を有しており、この凹部と第二基板2bとの間の領域によって連絡部5が形成されている。連絡部5は、第一開口部10の端部10aとは反対側の端部10b、及び第二開口部20の端部20aとは反対側の端部20bとを連絡する中空流路を構成する(図3参照)。本実施形態では、連絡部5が、細胞を培養する空間(培養チャンバ)を構成する。
言い換えれば、培養チャンバを構成する連絡部5は、板材2からなる壁部によって周囲が覆われ、第一開口部10から第二開口部20に向かう方向d1を長手方向とする細管状空間で構成される。例えば、図3において、第一開口部10の端部10a側から細胞41を含む培養液40が投入されることで、培養チャンバを構成する連絡部5内で細胞41が培養される(後述する図6も参照)。なお、連絡部5の、方向d1に直交する平面で切断したときの断面形状について、円形状、半円形状、又は矩形状など、種々の形状とすることが可能である。
図4は、図3の第一開口部10付近を拡大した図面である。図4に示すように、第一開口部10は、第一開口領域11と第二開口領域12とを有する。第一開口領域11は、第一面3から深さ方向d2に連絡部5側に進むに連れて開口面積A1が小さくなる領域である。第二開口領域12は、第一開口領域11と連絡部5とを深さ方向d2に連絡しており、深さ方向d2の位置によらず開口面積A2が実質的に一定である領域である。ここで、開口面積A2が実質的に一定であるとは、加工による寸法誤差を含む概念であり、より詳細には、開口面積A2のズレ量が15%以内であるものを指す。
寸法の一例は以下の通りである(図5参照)。第二基板2bの高さ(厚み)w3は約1mmであり、好ましくは100μm以上、2mm以下である。第一開口部10の高さh10、及び第二開口部20の高さh20は、いずれも約3mmである。連絡部5(培養チャンバ)の高さh5は、約300μmであり、好ましくは200μm以上800μm以下である。また、連絡部5(培養チャンバ)の長手方向に係る長さt5は、約9mmである。
第一開口部10の端部10aから、連絡部5を介して、第二開口部20の端部20aに達する空間の容積は、100mm3(100μL)以下であり、より好ましくは、10mm3(10μL)である。
本実施形態の細胞培養チップ1は、図7に示すように、第一開口領域11内において、第一開口部10の内壁10cが傾斜面(テーパ面)を構成する。このため、ピペット45の先端45aを第一開口部10の内壁10cに接触させやすい。
これに対し、図18を参照して上述した従来のマイクロ流路チップ100の場合、図8に示すように、流入口123は、基材112の面に対して直交する細い溝で構成されるため、ピペット45の先端45aを、流入口123の内壁123cに接触させるのが難しい。この結果、培養液40の投入作業中に、培養液40の一部が流入口123から外側に溢れるおそれがある。また、ピペット45の先端45aの位置決めについて、高い精度が要求される。
本実施形態の細胞培養チップ1によれば、ピペット45の先端45aを第一開口部10の内壁10cに容易に接触できるため、培養液40の投入作業中に、培養液40の一部が第一開口部10の外側に溢れにくくなり、また、ピペット45の先端45aの位置決めも容易に行える。なお、第一開口領域11内における内壁10cの、第一面3に対する傾斜角は、限定されないが、好ましくは、45°以上87°以下であり、より好ましくは、40°以上55°以下である。
なお、第一開口領域11と第二開口領域12との境界の深さ位置は、任意である。また、第二開口領域12内における第一開口部10の開口径は、外接円(円形状である場合には当該円)の直径(内径)が、5mm以下であるのが好ましく、3mm以下であるのがより好ましい。また、第一開口領域11内における第一開口部10の開口径の最大値は、第二開口領域12内における前記開口径よりは大きい範囲内において、15mm以下であるのが好ましく、5mm以下であるのがより好ましい。
また、板材2を構成する第一基板2a及び第二基板2bは、好ましくは実質的に非多孔質体の材料からなる。ここで、「実質的に非多孔質体」であるとは、媒体の見かけ状の表面積が、実際の表面積に近似している状態を指す。上記のような非多孔質体を形成する材料の例としては、ガラスやシリコンなどの無機材料、又はポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリスチレン(PS)などの樹脂材料が挙げられる。なお、これらの樹脂材料が2種以上組み合わせられていても構わない。かかる材料で板材2を構成することで、連絡部5内で培養されている細胞41から放出された生理活性物質が、連絡部5の壁を構成する板材2内に吸収されるのを抑制しながら、再び細胞41側へと戻すことができる。
板材2を構成する第一基板2a及び第二基板2bは、好ましくは、光透過性を有する材料で構成される。板材2が上記の樹脂材料で構成された場合、細胞41を細胞培養チップ1の外側から視認することができる。
なお、本実施形態の細胞培養チップ1によれば、培養液40の注入作業中に、培養液40の液面の面積A40を確認することで、現時点で培養液40の投入量を検出できるという効果も奏される(図9A、図9B参照)。すなわち、培養液40が第二開口領域12内に留まっているときは、液面の面積A40はほぼ一定の値を示す(図9A参照)。一方、培養液40が第一開口領域11内にも貯留され始めると、液面の面積A40は徐々に大きくなる(図9B参照)。
よって、培養液40を自動で投入する場合において、例えば第一面3よりも上方に撮像センサ(不図示)を設置しておくのが好ましい。撮像センサは、第一開口部10を撮像することで、液面の面積A40を検出する。そして、液面の面積A40が所定の値又は所定の範囲内に達した時点で、撮像センサからの信号に基づいて、ピペット45から培養液40を投入するのを停止させる制御が行われる。これにより、培養液40の投入作業を自動化した場合であっても、培養液40を過不足なく投入することができる。
上記においては、図4〜図9を参照して第一開口部10の構造を例に挙げて説明したが、第二開口部20についても同様の形状を有しているものとしても構わない。以下においても共通である。
第一開口部10は、図10に示すように、第一開口領域11内において内壁10cが曲面で構成されていても構わない。より詳細には、図10に示す例では、内壁10cは、第一開口領域11側(第一開口部の端部10a側)を凸とする曲面を呈している。
また、第一開口部10は、図11に示すように、第二開口領域12を備えず、第一開口領域11のみを備えるものとしても構わない。すなわち、第一開口部10は、深さ方向d2に関して、第一面3から連絡部5に達するまでの領域全体にわたって、深さ方向d2に進むに連れて開口面積A1が減少するように構成されても構わない。第一面3から連絡部5までの深さ方向の全体にわたって、第一開口部10の内壁10cは傾斜面を構成する。
更に、図12〜図14に示すように、細胞培養チップ1は、第一開口部10に連絡された孔部13を備えるものとしても構わない。図12は、この別実施形態の細胞培養チップ1を、図2にならって図示した平面図である。図13は、図12内のX1−X1線における模式的な断面図である。図14は、図13の一部拡大図である。なお、図13及び図14では、図面の煩雑化を避ける目的で、孔部13を構成する箇所が破線にて表記されている。
図12〜図14に示すように、第一開口領域11内に位置する内壁10cの一部箇所から、深さ方向d2に延伸する孔部13が形成されている。図12〜図14に示す例では、孔部13は、第一開口領域11の外側の位置において、第一開口部10に連絡された状態で相互に離間した4箇所に設けられている。ただし、孔部13の配置数は4には限定されない。
この構成によれば、培養液40を注入する際に、毛細管現象によって孔部13を通じて培養液40の液面が上昇しやすくなる。これにより、ピペット45によって培養液40を投入する際に、ピペット45の先端45aが培養液40の液面又は液中に接触した状態となりやすく、気泡が培養液40の液中に入り込むのを抑制できる。これにより、細胞41に対する好ましい培養環境を構築しやすくなる。
また、細胞41を培養する際には、雰囲気の相対湿度Rhは、95%〜100%とされるのが一般的である。このため、培養の最中に、培養液40の液面を通じて雰囲気に含まれる水分が吸収され、培養液40が膨張する場合がある。孔部13は、第一開口部10に連絡されてはいるものの、径が極めて細い(例えば1〜100μm)ため、完全には培養液40が充填されにくい。この結果、孔部13が、膨張した培養液40の退避空間を構成し、第一開口部10の外側に溢れるおそれを低減できる。
なお、各基板(2a,2b)は、例えば、所定の金型に樹脂材料を流し込んで射出成形を行うことで製造される。このとき、樹脂の流れが集中する箇所にウェルドラインと呼ばれる溝が形成されることがある。第一開口領域11の外側の位置において、第一開口部10に連絡されたウェルドラインが形成されている場合には、当該ウェルドラインを孔部13として利用しても構わない。
なお、図12〜図14では、孔部13が第一開口部10側にのみ形成されている場合が図示されているが、第二開口部20側にも孔部13が形成されているものとしても構わない。
[別実施形態]
以下、別実施形態につき説明する。
〈1〉上記実施形態では、第一開口部10及び第二開口部20の双方において、第一面3から深さ方向d2に進行するに連れて開口面積A1が小さくなる第一開口領域11を有するものとして説明した。しかし、第一開口部10と第二開口部20のいずれか一方については、深さ位置によらず開口面積が共通であるものとしても構わない。
〈2〉図15に図示されるように、細胞培養チップ1において、複数の流路が互いに独立した状態で同一の板材2内に形成されていても構わない。ここでいう流路とは、第一開口部10、連絡部5、及び第二開口部20が相互に連絡されることで形成された、中空状の空間を指す。
かかる構成によれば、並行して複数の細胞41を培養することができるため、実験・評価の効率が向上する。なお、図15に図示されている各培養空間の配置数や配置の態様はあくまで一例である。例えば、図15では、行方向及び列方向に複数個の培養空間が形成されている場合が例示的に示されているが、例えば、一方の方向には1個の培養空間が形成されていても構わない。
〈3〉上記実施形態では、一対の開口部(10,20)が培養チャンバを構成する連絡部5に連絡されてなる細胞培養チップ1について説明した。しかし、本発明の細胞培養チップ1において、連絡部5に対して連絡される開口部(10,20)の数は限定されない。
図16及び図17は、別実施形態の細胞培養チップ1を、図2にならって第一基板2a側から見たときの模式的な平面図である。図16に示す細胞培養チップ1は、2つの第一開口部10と、1つの第二開口部20とを備え、各開口部(10,20)が連絡部5によって連絡されている。また、図17に示す細胞培養チップ1は、1つの第一開口部10と、3つの第二開口部20とを備え、第一開口部10とそれぞれの第二開口部20とを連絡するように3つの連絡部5が設けられている。第一開口部10の構造は、上述した実施形態と共通であるため、説明を割愛する。
〈4〉本発明は、第一面3の近傍の高さ位置において、開口面積が深さ方向d2によらず実質的に一定である構造を排除しない。言い換えれば、第一開口領域11は、第一面3から深さ方向d2に所定の長さだけ連絡部5側に位置している箇所から、深さ方向d2に向かって進行するに連れて開口面積A1が減少するように形成されていても構わない。
1 : 細胞培養チップ
2 : 板材
2a : 第一基板
2b : 第二基板
3 : 第一面
5 : 連絡部
10 : 第一開口部
10a : 第一開口部の露出面側の端部
10b : 第一開口部の連絡部側の端部
10c : 第一開口部の内壁
11 : 第一開口領域
12 : 第二開口領域
13 : 孔部
20 : 第二開口部
20a : 第二開口部の露出面側の端部
20b : 第二開口部の連絡部側の端部
40 : 培養液
41 : 細胞
45 : ピペット
45a : ピペットの先端
100 : 従来のマイクロ流路チップ
112 : 基材
114 : 樹脂フィルム
122 : 流路
123 : 流入口
123c : 流入口の内壁
125 : 流出口
127 : 検出部
A1 : 第一開口領域の開口面積
A2 : 第二開口領域の開口面積
A40 : 培養液40の液面の面積
d1 : 連絡部の長手方向
d2 : 細胞培養チップの深さ方向

Claims (7)

  1. 第一面を有する板材と、
    前記板材の内部に形成され、一方の端部が前記第一面上に露出してなる第一開口部と、
    前記板材の内部であって前記第一開口部とは異なる位置に形成され、一方の端部が前記第一面上に露出してなる第二開口部と、
    前記第一開口部の他方の端部と前記第二開口部の他方の端部とを連絡する中空状の連絡部とを備え、
    前記第一開口部と前記第二開口部の少なくとも一方は、前記第一面と前記連絡部との間の位置において、前記第一面から前記連絡部に向かう深さ方向に進むに連れて開口面積が小さくなる第一開口領域を有することを特徴とする、細胞培養チップ。
  2. 前記第一開口部と前記第二開口部の少なくとも一方は、前記第一開口領域と前記連絡部とを前記深さ方向に連絡する、開口面積が実質的に一定である第二開口領域を有することを特徴とする、請求項1に記載の細胞培養チップ。
  3. 前記第一開口部と前記第二開口部の少なくとも一方は、前記深さ方向に関して、前記第一面から、前記連絡部よりは前記第一面側の所定の深さ位置までの領域全体に前記第一開口領域を有することを特徴とする、請求項2に記載の細胞培養チップ。
  4. 前記第一開口領域は、当該第一開口領域側を凸とする曲面を呈する内壁で囲まれた領域で構成されていることを特徴とする、請求項3に記載の細胞培養チップ。
  5. 前記第一開口部と前記第二開口部の少なくとも一方は、前記深さ方向に関して、前記第一面から前記連絡部に達するまでの領域全体に前記第一開口領域を有することを特徴とする、請求項1に記載の細胞培養チップ。
  6. 前記第一開口領域を取り囲むように形成された内壁の一部と前記連絡部とを、前記第一開口領域の外側の位置において前記深さ方向に連絡する孔部を備えたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の細胞培養チップ。
  7. 前記第一開口部、前記連絡部、及び前記第二開口部が連絡されて形成された流路を、離散して複数備えたことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の細胞培養チップ。
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