JP2016131521A - ウェルプレート及びこれを用いた対象物の観察装置 - Google Patents

ウェルプレート及びこれを用いた対象物の観察装置 Download PDF

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Abstract

【課題】温度調整が的確に行える一方で、担持された対象物の観察もクリアに行い得るウェルプレートを提供する。【解決手段】ウェルプレート1は、対象物の吸引及び吐出を行うチップによって、前記対象物の投入が行われるものであり、プレート本体2及びウェル3を備える。ウェル3は、プレート本体2の上面21に設けられ前記チップの進入を許容する開口部31と、プレート本体2の内部に位置する底部32と、開口部31から底部32に向けて下方に延びる筒状の壁面33とを含む。プレート本体2は、ウェル3の上方部分が形成され、良熱伝導性であって非透明性の第1部材23と、ウェル3の少なくとも底部32を構成する部分を含む下方部分が形成され、透明性の第2部材24とを備える。第1部材23の下面と第2部材24の上面とが、ウェル3の前記上方部分と前記下方部分とが位置合わせされた状態で接合される。【選択図】図7

Description

本発明は、固形物や液体からなる対象物を保持するウェルプレート、及びこれを用いた対象物の観察装置に関する。
細胞乃至は細胞凝集塊等の対象物の観察、選別、検査若しくは培養等のために、ウェルプレートが用いられることがある。一般にウェルプレートは、平板状のプレート本体と、このプレート本体に独立的に設けられた複数のウェルとからなる(例えば特許文献1参照)。通常、細胞の吸引及び吐出が可能なチップにより、各ウェルに細胞及びその培養液(培地)が投入される。さらに、細胞を収容したウェルに対し、反応試験や検査等の目的で、前記チップによって試薬が追加投入される場合がある。
培地の温度制御や細胞の培養温度のコントロールのために、ウェルプレートが配置される環境の温度調整が必要となる場合がある。例えば、基底膜マトリックスのコーニングマトリゲル(Matrigel;コーニング社商品名)や、BDマトリゲル(ベクトンディッキンソン社商品名)が培地として用いられる場合、ある種の試験では、当該培地の温度が4℃となるように試験環境を設定することが求められる。また、ウェルプレートに担持された状態の細胞の観察画像が、度々カメラで撮像される。当該撮像は、ウェルプレートの上面側に照明装置が配置されると共に下面側にカメラが配置され、透過照明下で実行されることが多い。このため、ウェルプレートとしては、一般に透明な樹脂部材からなるプレートが用いられている。
特開2006−109715号公報
上記の培地温度の設定のためには、ウェルプレートを直接冷却若しくは加熱することが望ましい。この場合、ウェルプレートは熱伝導性に優れた材料によって形成されたプレートを用いることが、温度制御を的確に行う観点からは好ましい。しかし、熱伝導性に優れた材料としては、ベースポリマーに熱伝導性フィラーが充填されてなる材料が一般に用いられており、当該材料は不透明な材料である。このため、ウェルプレートの熱伝導性を重視すると、カメラによる観察画像の撮像が困難になるという問題が生じる。
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、温度調整が的確に行える一方で、担持された対象物の観察もクリアに行い得るウェルプレート、及びこれを用いた対象物の観察装置を提供することを目的とする。
本発明の一局面に係るウェルプレートは、対象物の吸引及び吐出を行うチップによって、前記対象物の投入又は取り出しが行われるウェルプレートであって、第1面と、該第1面と対向する第2面とを備え、前記第1面を上方に向けて用いられるプレート本体と、前記第1面に設けられ前記対象物が投入される開口部と、前記プレート本体の内部に位置する底部と、前記開口部から前記底部に向けて下方に延びる筒状の壁面とを含み、前記対象物を保持可能な1又は複数のウェルと、を備え、前記プレート本体は、前記第1面となる第1上面と、該第1上面と対向する第1下面とを有し、前記ウェルの上方部分が形成され、良熱伝導性であって非透明性の第1部材と、第2上面と、該第2上面と対向し前記第2面となる第2下面とを有し、前記ウェルの少なくとも前記底部を構成する部分を含む下方部分が形成され、透明性の第2部材と、を備え、前記第1部材の前記第1下面と前記第2部材の前記第2上面とが、前記ウェルの前記上方部分と前記下方部分とが位置合わせされた状態で接合されてなる。
このウェルプレートによれば、上側部材である第1部材と下側部材である第2部材との接合によって1つのウェルプレートが形成され、前記第1部材は非透明な部材ではあるが良熱伝導性の部材、前記第2部材は透明な部材である。従って、ウェルに収容された対象物に対する熱伝導は前記第1部材によって良好に行われる。また、ウェルの透視性は前記第2部材によって確保されているので、ウェルに収容された対象物の観察性も良好なもとすることができる。
上記のウェルプレートにおいて、前記第1部材は、前記筒状の壁面の下端付近を除く部分を構成する筒部と、前記第1上面に形成され前記筒部の上端縁であって前記開口部となる第1開口と、前記第1下面に形成され前記筒部の下端縁となる第2開口とを含み、前記第2部材は、前記底部と前記筒状の壁面の下端付近を構成し、前記第2上面に第3開口を有する凹部を備え、前記第2開口と前記第3開口とが位置合わせされた状態で、前記第1部材と前記第2部材とが接合されていることが望ましい。
このウェルプレートによれば、透明な第2部材が凹部を有する。従って、例えば対象物が固形物である場合、この凹部に当該固形物を接面させた状態で、前記第2面の側からカメラ等で前記固形物を撮像させることができる。この場合、単なる平板の第2部材に比べて、対象物が観察視野の範囲に入り易くなるので、当該対象物の観察性を高めることができる。
この場合、前記第2開口と前記第3開口とは、同一の水平断面サイズを有するものとすることができる。
このウェルプレートによれば、前記第2開口と前記第3開口とが同サイズであるので、ウェルの内面に段差が生じず、対象物の収容性を良好にすることができる。
或いは、前記第3開口の水平断面サイズが、前記第2開口の水平断面サイズよりも大きいものとすることができる。
このウェルプレートによれば、第1部材と第2部材との接合精度、つまり前記第2開口と前記第3開口との位置合わせ精度を厳格に行う必要性を回避することができる。すなわち、前記第2開口が前記第3開口に対して少々芯ズレして位置合わせされても、前記第2開口の全領域を前記第3開口の開口範囲内に対向させることができる。従って、第1部材と第2部材との接合作業を簡素化することができる。
上記のウェルプレートにおいて、前記第1部材は、前記筒状の壁面を構成する筒部と、前記第1上面に形成され前記筒部の上端縁であって前記開口部となる第1開口と、前記第1下面に形成され前記筒部の下端縁となる第2開口とを含み、前記第2部材の前記第2上面は、前記底部を構成する平板状の面を備える構成とすることができる。
このウェルプレートによれば、第2部材の前記第2上面を実質的に平面とすることができる。つまり、前記第2部材に対する何らの加工を施さずとも良いウェルプレートとすることができ、製造工数を少なくすることが可能となる。
上記のウェルプレートにおいて、前記筒状の壁面は、前記底部から上方の所定領域であって、前記対象物を収容可能な第1の水平断面サイズを有する収容部と、前記収容部の上方から前記開口部に至る領域であって、前記第1の水平断面サイズよりも大きい第2の水平断面サイズを有する受入部とを含むことが望ましい。
このウェルプレートによれば、チップによるウェルへのアプローチ性を悪化させることなく、ウェルの容積を小さくすることができる。従って、ウェルに高価な液体を収容する場合等に、その使用量を最小限に抑制することが可能となる。
本発明の他の局面に係る対象物の観察装置は、上記のウェルプレートと、前記プレート本体の前記第1部材に冷熱又は温熱を与える熱源と、前記プレート本体の前記第2面側に配置され、前記第2部材を通して前記ウェルに保持された前記対象物の画像を撮像する撮像装置と、を備える。
この観察装置によれば、熱源から投入される冷熱又は温熱によってウェルプレートの温度調整が為された状態で、撮像装置によって前記ウェルに保持された前記対象物の画像を取得することができる。
本発明によれば、ウェルに収容された対象物の温度調整が的確に行える一方で、前記収容された対象物の観察もクリアに行い得るウェルプレート、及びこれを用いた対象物の観察装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るウェルプレートの上面図である。 図1のII−II線断面図である。 本発明の実施形態に係る対象物の観察装置の構成を示す図である。 上記観察装置のブロック図である。 前記ウェルプレートの拡大断面図である。 前記ウェルプレートの分解断面図である。 前記ウェルプレートが備えるウェルに、チップから対象物が投入される状態、及び対象物の観察が行われている状態を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係るウェルプレートを示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係るウェルプレートを示す断面図である。 (A)〜(C)は、ウェルの変形例を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るウェルプレート1の上面図、図2は、図1のII−II線断面図である。ウェルプレート1は、固形物、液体若しくはこれらの混合物からなる対象物を担持することが可能なプレートである。当該対象物の操作には、先端開口を備え、該先端開口を通して前記対象物を吸引しこれを保持すること、並びに、保持している前記対象物を前記先端開口から吐出することが可能なチップ6(図3参照)が用いられる。このような吸引及び吐出を行うチップ6によって、ウェルプレート1に対し前記対象物が投入され、又は投入された前記対象物がウェルプレート1から取り出される。
本発明において、対象物について特に制限はなく、各種の固形物、液体をウェルプレート1の担持対象とすることができる。本実施形態では、固形の対象物として生体由来の細胞、特に細胞凝集塊を例示する。また液体の対象物として、マトリゲルのような細胞凝集塊の培地(細胞培養液)を例示する。この場合、ウェルプレート1は、細胞乃至は細胞凝集塊の観察、選別、検査若しくは培養等のために用いられる。この他、対象物は、小型の電子部品や機械部品、有機又は無機の破砕片や粒子、ペレット等の固形物、水、油、生体液、溶媒、試薬、各種の溶液等の液体であっても良い。
ウェルプレート1は、プレート本体2と、該プレート本体2に形成される複数のウェル3とを備えている。図1に例示する通り、ここでは4個×6個=24個のウェル3がマトリクス状に配列されているウェルプレート1を示している。ウェル3は、少なくとも1個、プレート本体2に備えられていれば良い。複数個のウェル3をプレート本体2に具備させる場合、その配列態様は、均等配列又は不均等配列のマトリクス状、ハニカム状、或いはランダム配列とすることができる。
プレート本体2は、所定の厚みを有する平板状の部材からなり、上面21(第1面)と下面22(第1面と対向する第2面)とを備える。ウェルプレート1は、通常使用時には、上面21を上方に向けて用いられる。プレート本体2は、良熱伝導性であって非透明性の第1部材23と、透明性の第2部材24とが上下に接合されてなる。第1部材23は、プレート本体2の上下方向の厚みの大半を占める厚さを有する平板である。第2部材24は、第1部材に比べて上下方向の厚みが1/4〜1/15程度の薄肉の平板であり、第1部材23の下面に一体的に接合されている。
ウェル3は、プレート本体2に設けられた有底の孔であり、固形物及び/又は液体の対象物を保持する。ウェル3は、開口部31、底部32及び筒状の壁面33を含む。開口部31は、対象物が投入される開口である。開口部31は、上面21に設けられた円形の開口であり、余裕を持って前記チップの進入を許容する内径を有する。底部32は、プレート本体2の内部であって、下面22の近くに位置している。筒状の壁面33は、開口部31から底部32に向けて鉛直下方に延びる壁面である。筒状の壁面33は、底部32から上方にウェル3の上下全長の半分程度の領域(所定領域)を占める収容部34と、収容部34の上方から開口部31に至る領域を占める受入部35とを含む。収容部34は、固形物の対象物を収容可能な第1の水平断面サイズを有する。受入部35は、前記第1の水平断面サイズよりも大きい第2の水平断面サイズを有する。プレート本体2及びウェル3の形状については、図5及び図6に基づき、後記で詳述する。
図3は、本発明の一実施形態に係る、ウェルプレート1を用いた対象物の観察装置Sの構成を示す図である。ここでは、ウェルプレート1に保持された細胞凝集塊Cを観察するための観察装置Sを例示している。対象物の観察装置Sは、本実施形態のウェルプレート1、細胞凝集塊Cの選別容器4、カメラレンズ51を備えたカメラユニット5(撮像装置)、チップ6が搭載されたヘッドユニット61、及びウェルプレート1に冷熱を与える冷却部7(熱源)を備えている。
選別容器4は、細胞培養液41を貯留する容器であり、細胞選別用の選別プレート42を細胞培養液41に浸漬される状態で保持している。選別プレート42は、細胞凝集塊Cを個別に担持可能な保持凹部を複数備える。保持凹部の底面には、所定サイズの細胞凝集塊Cは通過できないが、微小な夾雑物等は通過可能な逃がし孔が設けられている。多数の細胞凝集塊Cを含む細胞懸濁液が、選別プレート42の上方から投入される。検査対象となる、所定サイズを有する細胞凝集塊Cは、前記保持凹部にトラップされる一方で、夾雑物等は前記逃がし孔から選別容器4の底面に落下する。これにより、選別プレート42の上面に検査対象の細胞凝集塊Cが担持された状態が形成される。図3は、この状態を示している。なお、ウェル3の底面に、下面22へ至る小径の貫通孔を設ければ、これを選別プレート42として用いることもできる。
カメラユニット5は、選別容器4において選別プレート42に保持されている細胞凝集塊C、或いはウェルプレート1においてウェル3に保持されている細胞凝集塊Cの画像を撮像する。カメラユニット5は、CCDイメージセンサのような撮像素子を備える。カメラレンズ51は、前記撮像素子の受光面に、細胞凝集塊Cの光像を結像させる。カメラユニット5は、カメラレンズ51が選別容器4及びウェルプレート1の各下面と対向するように、これらの下方に配置されている。つまり、選別容器4又はウェルプレート1に担持されている細胞凝集塊Cの画像を、これらの下面側から撮像する。カメラユニット5は、図中に矢印A2で示すように、ガイドレール52に沿って、選別容器4の下方とウェルプレート1の下方との間を水平方向に移動可能である。
チップ6は、先端開口を備えたチューブ状の部材であり、細胞凝集塊Cを含む細胞培養液41の吸引及び吐出を行う。具体的にはチップ6は、選別容器4から、細胞凝集塊Cを細胞培養液41と共に吸引し、これらをウェルプレート1のウェル3へ吐出する。また、図示は省いているが、必要に応じてチップ6は、試薬液等を吸引し、これを細胞凝集塊Cを担持しているウェル3内へ吐出する。チップ6は、ヘッドユニット61に備えられたロッド6Rの下端に装着されている。ロッド6Rにはピストン機構が搭載されており、該ピストン機構の動作によってチップ6の先端開口に吸引力及び吐出力が与えられる。また、ロッド6Rは上下方向に移動可能である。ヘッドユニット61は、前記ピストン機構の動力部等を備え、図中に矢印A1で示すようにガイドレール62に沿って水平方向に移動可能である。
冷却部7は、ウェルプレート1を一定の冷却温度に冷却することで、ウェル3に保持されている細胞培養液41を所望の温度に維持する。冷却部7は、プレート本体2の構成部材のうち、熱伝導性に優れた第1部材23に対して冷熱を与える。冷却部7としては、例えばペルチェ素子を好適に用いることができる。この場合、前記ペルチェ素子の吸熱部が第1部材23の一部に当接される。この他、冷却部7としては、予め所定温度に冷却したアルミニウムなどの金属ブロック、保冷剤などの蓄冷部材、或いは気化圧縮装置及び気化吸収装置を用いたエバポレーターを適用することができる。
例えば、マトリゲルは4℃で液化し、細胞の培養のために37℃程度の温度で用いられることが多い。常温環境に対象物の観察装置Sが配置され、培地としてマトリゲルをウェル3に収容する場合、冷却部7はウェルプレート1が4℃を維持できるように、第1部材23に冷熱を与える。なお、ウェル3に収容される対象物が加熱を要する場合、冷却部7に代えて加熱装置が用いられ、第1部材23に温熱が与えられる。この加熱は、冷却部7としてペルチェ素子を適用している場合、当該ペルチェ素子に与える駆動電流を反転させる、或いは当該ペルチェ素子の放熱側を利用する手段を採用することができる。
図4は、対象物の観察装置Sのブロック図である。観察装置Sは、カメラユニット5、ヘッドユニット61、移動機構M及び冷却部7の動作を制御する制御部8を備える。移動機構Mは、ガイドレール52、62に沿ってカメラユニット5、ヘッドユニット61を各々移動させる駆動モータを含む。
制御部8は、選別容器4又はウェルプレート1に担持されている細胞凝集塊Cの画像を取得する際、カメラユニット5及び落射照明器9(図7参照)を制御し、落射照明の下で撮像動作を実行させる。また制御部8は、ヘッドユニット61が備えている前記ピストン機構の動力部、及びロッド6Rの上下動機構等を制御し、チップ6の先端開口に吸引力又は吐出力を発生させる動作、及びロッド6Rを上下動させる動作を制御する。さらに制御部8は、移動機構Mの前記駆動モータを動作させ、カメラユニット5及びヘッドユニット61のガイドレール52、62上における位置を制御する。また制御部8は、冷却部7を制御することで、ウェルプレート1の温度(ウェル3中の対象物の温度)を調整する。
図3は、細胞凝集塊Cが選別容器4からウェルプレート1へ搬送される工程を示す図でもある。この搬送の前に、ウェルプレート1のウェル3に所定量のマトリゲルを注液しておくことが望ましい。この場合、マトリゲルが固化することを防止するため、冷却部7によるウェルプレート1の冷却を事前に開始しておく。図3及び図4を参照して、先ず、制御部8は移動機構Mを駆動し、ヘッドユニット61を選別容器4の上空へ、カメラユニット5を選別容器4の下方へ各々移動させる。次いで、制御部8はカメラユニット5に撮像動作を行わせ、選別プレート42の保持凹部に保持されている細胞凝集塊Cの位置情報を取得する。そして、制御部8は、チップ6を選別プレート42の1つの保持凹部に位置決めした後、ヘッドユニット61の上下動機構を動作させてロッド6Rを下降させ、チップ6の先端開口を前記保持凹部に担持されている細胞凝集塊Cに接近させる。続いて、制御部8は、前記ピストン機構を作動させ、周囲の細胞培養液41と共に細胞凝集塊Cをチップ6内へ吸引させる。しかる後、ロッド6Rが元の高さ位置まで上昇される。図3において、実線で示すヘッドユニット61は、前記上昇を終えた状態を示している。
次に細胞凝集塊Cがウェルプレート1へ移動される。制御部8は、ヘッドユニット61をガイドレール62に沿って移動させ、図3において点線で示すように、ウェルプレート1の上空で停止させる。この際、細胞凝集塊Cを保持しているチップ6と、その細胞凝集塊Cの投入ターゲットとなる1のウェル3とが位置合わせされる。カメラユニット5もまた、ウェルプレート1の下方へ移動される。続いて、制御部8は、ロッド6Rを下降させ、チップ6の先端開口をウェル3に入り込ませる。そして、制御部8は、前記ピストン機構を作動させ、細胞凝集塊Cを含む細胞培養液41をチップ6の先端開口からウェル3内へ吐出させる。
制御部8は、必要に応じて冷却部7を動作させ、ウェルプレート1に冷熱を与えてウェル3中の細胞培養液41及び細胞凝集塊C対象物の温度を調整する。また、制御部8は、カメラユニット5及び落射照明器9(図7参照)を動作させて、ウェル3に収容されている細胞凝集塊Cの観察画像を撮像させる。
続いて、第1実施形態のウェルプレート1が備えるウェル3の詳細構造について、図5及び図6を参照して詳細に説明する。図5は、ウェルプレート1の拡大断面図、図6は、ウェルプレート1の分解断面図である。上述の通り、プレート本体2は、非透明性の第1部材23と、透明性の第2部材24との接合体からなる。プレート本体2に形成されるウェル3は、いずれの高さ位置における水平断面の形状が円形であり、開口部31、底部32及び筒状の壁面33を含み、筒状の壁面33は、収容部34と受入部35とを含んでいる。開口部31及び底部32は、図1に示している通り、上面視において円の形状を備え、両者は同心円の位置関係にある。
第1部材23は、プレート本体2の上面21となる第1上面23Uと、第1上面23Uと対向する第1下面23Lとを有し、ウェル3の底部32付近を除く上方部分が形成されている。第1上面23U及び第1下面23Lは、いずれも平面である。詳しくは、第1部材23は、筒状の壁面33の下端付近を除く部分を構成する筒部233と、第1上面23Uに形成され筒部233の上端縁である第1開口231と、第1下面23Lに形成され筒部233の下端縁となる第2開口232とを含む。第1開口231は、プレート本体2の開口部31となる開口である。筒部233は、筒状の壁面33の大半を形成する部分であり、収容部34の下端付近を除いた大半部分と、受入部35の全部を構成している。
第2部材24は、第2上面24Uと、第2上面と対向しプレート本体2の下面22となる第2下面24Lとを有し、ウェル3の底部32を構成する部分を含む下方部分が形成されている。第2上面24U及び第2下面24Lは、いずれも平面である。具体的には、第2部材24は、底部32と筒状の壁面33の下端付近を構成する凹部241を備える。凹部241は、第2上面24Uに開口する第3開口242を有し、下方に向けて凹んだ曲面を備えている。この凹曲面の底部付近がウェル3の底部32であり、上縁付近が筒状の壁面33(収容部34)の下端である。凹部241の最深部から下面22に貫通する小孔を、必要に応じて設けるようにしても良い。なお、この第3開口242と、第1部材23の第2開口232とは、同一径(同一の水平断面サイズ)の開口である。
第1部材23と第2部材24とは、第1下面23Lと第2上面24Uとが接合するように、上下に積層されている。この接合の際、ウェル3の前記上方部分と前記下方部分とが位置合わせされた状態、つまり、第2開口232と第3開口242とが位置合わせされた状態とされる。このような接合によって、第1部材23と第2部材24とからなる1つのプレート本体2が形成されると共に、当該プレート本体2に開口部31から底部32まで1つの空間で連通したウェル3が形成される。本実施形態では、第2開口232と第3開口242とが同径の円形開口であるので、両者の位置合わせを正確に行えばウェル3の内面に段差が生じないようにすることができる。これにより、収容部34における、細胞凝集塊Cの収容性を良好にすることができる。なお、上記の位置合わせを効率良く行えるようにするため、第1部材23と第2部材24とを位置決めする部材を設けることが望ましい。例えば、第2部材24の第2上面24Uに、第1部材23の第1下面23Lの一部と係合する位置決め用のリブを突設することが望ましい。
プレート本体2の材質については特に制限は無く、孔開け加工や金型成型でウェル3を形成可能な材料であって、担持する対象物(細胞凝集塊C及び細胞培養液41など)に化学的、生態的に影響を与えない材料であれば良い。例えば、樹脂成型品からなるプレート本体2は、好適な例の一つである。但し、第1部材23は良熱伝導性であることが、また第2部材24は透明性であることが求められる。
第1部材23を形成する材料としては、例えば、ベース樹脂に熱伝導性フィラーを適量充填してなる樹脂組成物を用いることができる。ベース樹脂としては、特に制限はないが、例えばエポキシ樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート樹脂)、ポリアミド樹脂、PPS(ポリフェニレンスルファイド)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、POM(ポリオキシメチレン)、CA(セルロースアセテート)、CAB(セルロースアセテートブチレート)、フェノール樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂などを例示することができる。また、熱伝導性フィラーとしては、無機フィラーを例示することができる。無機フィラーとしては、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、窒化ホウ素、銅、金、銀、チタン、SUS、鉄、黒鉛、ケイ素、炭化ケイ素、窒化ホウ素、窒化ケイ素などを例示することができる。
第2部材24を形成する材料としては、透明性を有する樹脂であれば特に制限はなく、例えばメタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、などを例示することができる。
上記のような無機フィラー含有樹脂組成物は、一般に非透明である。このため、第1部材23は透視性に劣り、側面方向(水平方向)からウェル3に保持された細胞凝集塊Cを観察することは難しい。しかし、第1部材23は熱伝導性に優れた部材であるので、例えば第1部材23の側周縁から冷却部7(図3参照)によって冷熱が与えられた場合、その冷熱を各ウェル3へ良好に伝熱する。従って、ウェル3に保持された細胞培養液41の低温維持(例えば4℃)、並びに細胞凝集塊Cのマトリゲル浮遊や包埋等の用途において、本実施形態のウェルプレート1は有用である。
また、第1部材23は非透明な部材ではあるが、第2部材24は透明な部材である。従って、ウェル3の収容部34に収容された細胞凝集塊Cを、ウェルプレート1の下面22側から、第2部材24を通して観察することは可能である。ウェルプレート1の下面22側から見ると、透明な第2部材24を通して、第1部材23の第1下面23Lが視認されることになる。この場合、ウェルプレート1の上面21側に照明光を当てると、筒部233は第1部材23を上下に貫く孔であるので、第2開口232が照明光を通過させる明るい領域となり、その他の部分は暗領域となる。ウェル3の収容部34に細胞凝集塊Cが収容されている場合、その像を視認することができる。従って、ウェル3の底部32の直下にカメラレンズ51を配置することで、細胞凝集塊Cの画像を取得することができる。
つまり、本実施形態のウェルプレート1によれば、ウェル3に対する熱伝導は第1部材23によって良好に行われ、ウェル3の透視性は第2部材24によって確保されているので、ウェル3に収容された細胞凝集塊Cの熱コントロール性及び観察性の双方を良好なもとすることができる。さらに、透明な第2部材24が凹部241を有する。従って、この凹部241に細胞凝集塊Cを接面させた状態で、下面22の側から当該細胞凝集塊Cを撮像させることができる。凹部241は凹曲面の形状を有するので、細胞凝集塊Cが接面した場合、当該細胞凝集塊Cが安定すると共に、細胞凝集塊Cが観察視野の範囲に入るので細胞凝集塊Cの外表面を直接撮像できる範囲が広くなる利点がある。
第1部材23と第2部材24とを接合させる手法については特に制限はない。第1部材23の第1下面23L若しくは第2部材24の第2上面24Uに接着剤を塗布し、両者を接着接合することは好ましい手法の一つである。この場合、第1部材23と第2部材24とを、第2開口232と第3開口242とが位置合わせされた状態で、上下方向に離間・接近させることが可能な治具が用いられる。当該治具によって第1部材23と第2部材24とを上下に離間させた状態で、前記接着剤の塗布処理を施し、しかる後、両者を接近させて第1下面23Lと第2上面24Uとを接面させることで、両者を接合することができる。この他、第1下面23L及び第2上面24Uに、互いに係合する嵌合部分を各々形成し、これらの嵌め合わせによって両者を接合する手法や、ネジ止め等により両者を機械的に結合する手法を例示することができる。
次に、ウェル3の形状について詳述する。ウェル3の開口部31は、筒状の壁面33(受入部35)の上端に連なり、底部32は、筒状の壁面33(収容部34)の下端に連なっている。開口部31の内径は、チップ6の先端を受容するのに十分な径に設定されている。筒状の壁面33は、いずれの高さにおいても水平断面の形状が円である。筒状の壁面33の収容部34は、全高さに亘り所定の第1の内径を有する壁面であり、円柱状の空間を区画している。つまり、収容部34の水平断面サイズは、上下方向において実質的に変化していない。前記第1の内径は、収容部34に入り込んだ細胞凝集塊Cを徒に水平方向に揺動させないサイズに選ばれる。
受入部35は、大略的には、前記第1の内径よりも大きい第2の内径を有する壁面である。本実施形態では、受入部35の水平断面サイズが上下方向において連続的に変化するテーパ形状の壁面を例示している。受入部35の内径(水平断面サイズ)は、開口部31に連なる上端部分の内径が最大であり、収容部34との境界部となる下端部分の内径が最小であって、これらの間において内径が連続的に変化している。このような受入部35によって、円錐台状の空間が区画されている。
このような形状特徴を有するウェル3によれば、チップ6(図3参照)がウェル3に進入する際のアプローチ性を良好に維持しつつ、当該ウェル3の内容積を少なくすることができる。図5において、点線で示す矩形形状Rは、開口部31の内径と同一径で底部32の位置までウェルが延伸しているとした場合の、当該ウェルの垂直断面形状である。この矩形形状Rに比べて、本実施形態のウェル3は、水平断面サイズが抑制されている。一般に、矩形形状Rの如き形状が、ウェルプレート1(第1部材23)を生産する際に用いられる金型の形状をシンプルにすることができる形状と言える。しかし、本実施形態のウェル3は、あえて水平断面サイズが細胞凝集塊Cのサイズに応じて抑制された収容部34と、最大サイズ部分が開口部31である円錐台形状の受入部35とによって、筒状の壁面33を構成している。これにより、ウェル3の内容積が抑制され、例えば高価な試薬液をウェル3へ投入する必要がある場合において、当該試薬液の使用量を節約することが可能となり、ひいては試験や検査のコストダウンに貢献する。
ウェル3の内容積が抑制されていても、開口部31付近が最大サイズを有しているので、チップ6のウェル3へのアプローチ性は損なわれない。つまり、開口部31は矩形形状Rの場合と同サイズであり、チップ6が少々芯ズレしてウェル3へ進入しても、これを受け入れることができる。また、受入部35は、下方に向かうに連れて径小となるテーパ形状を有するので、細胞凝集塊C、細胞培養液或いは試薬液などの対象物が受入部35のどの部位に投入された場合でも、重力を利用して当該対象物を下方の収容部34へスムースに導くことができる。そして、上述の通り収容部34に入り込んだ細胞凝集塊Cは良好に保持されるものである。なお、上記のようなコスト要請を特に考慮しない場合は、矩形形状Rの如き直円柱状の孔形状を有するウェル3としても良い。
図7は、ウェル3に、チップ6から細胞凝集塊Cが投入される状態を示す垂直断面図である。図3に基づき先述した通り、細胞凝集塊Cがウェル3に投入される際、細胞凝集塊C及び細胞培養液41を保持したチップ6が、上方からウェル3の開口部31に向けて下降される。そして、チップ6の先端開口6Tが、受入部35に所定深さだけ入り込んだ位置で、チップ6の前記下降が停止される。その後、先端開口6Tから細胞凝集塊C及び細胞培養液41が吐出される。図7の左方のウェル3は、前記吐出が行われる直前の状態を示している。なお、前記吐出の前に、予め所定量の細胞培養液をウェル3に注液しておいても良い。一方、図7の中央及び右方のウェル3は、前記吐出が完了した状態を示している。これらのウェル3においては、細胞培養液41は、ウェル3の収容部34の全部と受入部35の下半分程度とを満たし、細胞凝集塊Cは、収容部34で側周囲が拘束される態様で、底部32付近に接面又は浮遊している。細胞培養液41の液量は、適宜調整される。予め細胞培養液をウェル3に注液する実施形態では、細胞凝集塊Cの吸引時にチップに保持される細胞培養液の液量分を考慮して、ウェル3に予め保持させる細胞培養液の液量が決定される。
なお、先端開口6Tが受入部35に進入しない位置で、チップ6の下降が停止されても良い。すなわち、開口部31はチップ6の先端開口6Tの進入を許容するサイズの開口を有していれば良く、細胞凝集塊Cの投入時に、実際に先端開口6Tが開口部31を越えてウェル3内に進入しなくても良い。例えば、開口部31の位置よりも数mm程度上方に先端開口6Tを停止させ、その位置の先端開口6Tから細胞凝集塊C及び細胞培養液41を吐出させても良い。この場合、先端開口6Tが、底部32の直上でなくとも、開口部31の上空に位置していれば、吐出された細胞凝集塊C及び細胞培養液41は、受入部35のテーパ状の壁面に案内されて収容部34へ向かうことができる。
図7においては、右方のウェル3に対して、カメラユニット5及び落射照明器9が位置決めされている状態を模式的に示している。落射照明器9は、ウェルプレート1の上方に配置され、撮像対象となる細胞凝集塊Cを担持しているウェル3の直上から照明光Lを照射する。カメラユニット5はウェルプレート1の下方に配置され、カメラレンズ51の光軸及び焦点は、撮像対象の細胞凝集塊Cに合わされる。この状態で、細胞凝集塊Cの撮像動作が実行される。このような態様の撮像動作は、ウェルプレート1の全体が良熱伝導性材料(無機フィラー含有樹脂組成物)で形成され、不透明な部材である場合には実行することができない。しかし、本実施形態のウェルプレート1では、第2部材24によって下方からのウェル3の視認性が確保されているので、第2部材24を通してウェル3に保持された細胞凝集塊Cの画像撮像動作を、問題なく実行させることができる。
図8は、本発明の第2実施形態に係るウェルプレート1Aを示す断面図である。第2実施形態では、第1実施形態のような凹部241を具備しない、平板からなる第2部材24Aを具備するウェルプレート1Aを例示する。
ウェルプレート1Aは、プレート本体2Aと、このプレート本体2Aに形成された複数のウェル3Aとを含む。プレート本体2Aは、第1実施形態と全く同一の第1部材23と、凹部241を具備しない第2部材24Aとの接合体からなる。ウェル3Aは、開口部31、底部32A、筒状の壁面33を含み、筒状の壁面33は、収容部34と受入部35とを含んでいる。第1実施形態と相違する点は、底部32Aが平坦な水平面からなる点である。この第2実施形態では、第1部材23の筒部233が、受入部35の上下方向全長だけでなく、収容部34の全長を構成することになる。
第2部材24Aの第2上面24AUは、その全体が凹凸の無い平板状の面からなる。従って、第1部材23に対して第2部材24Aが接合された状態において、筒部233の第2開口232と対向する第2上面24AUの一部が底部32Aとなる。つまり、第2上面24AUの任意の部分が各ウェル3Aの底部32Aとなり得る。
第2実施形態のウェルプレート1Aによれば、第2部材24Aの第2上面24AUを実質的に平面とすることができる。このため、第2部材24Aとして何らの加工を施さない単純な平板素材を用いることができる。また、第1実施形態のように、凹部241と第2開口232との位置合わせは不要となるので、第1部材23と第2部材24Aとの接合作業を簡素化することができる。これらによって、ウェルプレート1Aの製造工数を少なくすることが可能となる。さらに、ウェル3Aが、実質的に良熱伝導性の第1部材23によって全体が構成されるので、ウェル3Aに収容された対象物に対する熱コントロールを一層正確に実行することが可能となる。
図9は、本発明の第3実施形態に係るウェルプレート1Bを示す断面図である。第3実施形態では、第1実施形態の凹部241とは異なる凹部241Bを有する第2部材24Bを具備するウェルプレート1Bを例示する。
ウェルプレート1Bは、プレート本体2Bと、このプレート本体2Bに形成された複数のウェル3Bとを含む。プレート本体2Bは、第1実施形態と全く同一の第1部材23と、開口径が大きい凹部241Bを具備する第2部材24Bとの接合体からなる。ウェル3Bは、開口部31、底部32B、筒状の壁面33を含み、筒状の壁面33は、収容部34と受入部35とを含んでいる。凹部241Bは、底部32Bと筒状の壁面33の下端付近を構成している。凹部241Bは、第2上面24BUに開口する第3開口242Bを有し、下方に向けて凹んだ曲面を備えている。
第3開口242B及び第1部材23の第2開口232は、円形の開口である。第3開口242Bの内径(水平断面サイズ)は、第2開口232の内径よりも5%〜50%程度大きく設定されている。第1実施形態では、第3開口242Bと第2開口232とが同一径とされているのに対し、本実施形態では、第3開口242Bが第2開口232よりも大径とされている。
第3実施形態のウェルプレート1Bによれば、第1部材23と第2部材24Bとの接合精度、つまり第2開口232と第3開口242Bとの位置合わせ精度を厳格に行う必要性を回避することができる。すなわち、第2開口232が第3開口242Bに対して少々芯ズレして位置合わせされても、第2開口232の全領域を第3開口242Bの開口範囲内に対向させることができる。従って、第1部材23と第2部材24Bとの接合作業を簡素化することができる。また、第3開口242Bが凹曲面の形状を有するので、第1実施形態と同様に、細胞凝集塊Cが接面した場合、当該細胞凝集塊Cが安定すると共に、斜視線で細胞凝集塊Cの外表面を直接撮像できる範囲が広くなる利点がある。
この他、ウェルの形状としては、種々の形状を採用することができる。上掲の実施形態では、テーパ形状の壁面を有する受入部35を備えるウェル3、3A、3Bを例示した。ウェルは、テーパ形状部のような部分を備えていなくても良い。図10に、ウェルの他の例を示す。図10(A)に示すウェル3Cは、第1部材23に形成された筒状の壁面部分が同径の円柱空間を区画し、第2部材24に形成された底部が半球状の空間を区画している。図10(B)に示すウェル3Dは、第1部材23に形成された筒状の壁面部分が同径の円柱空間を区画し、第2部材24に形成された底部が円錐状の空間を区画している。図10(C)に示すウェル3Eは、第1部材23に形成された筒状の壁面部分から第2部材24に形成された底部まで、同径の円柱空間を備えている。このようなウェル3C、3D、3Eも、本発明において採用し得る。
以上説明した通り、本実施形態によれば、ウェル3に収容された細胞凝集塊C(対象物)の温度調整が的確に行える一方で、細胞凝集塊Cの観察もクリアに行い得るウェルプレート1を提供することができる。
1 ウェルプレート
2 プレート本体
21 上面(第1面)
22 下面(第2面)
23 第1部材
231 第1開口
232 第2開口
233 筒部
23U 第1上面
23L 第1下面
24 第2部材
241 凹部
242 第3開口
24U 第2上面
24L 第2下面
3 ウェル
31 開口部
32 底部
33 筒状の壁面
34 収容部
35 受入部
4 選別容器
5 カメラユニット(撮像装置)
6 チップ
7 冷却部(熱源)
8 制御部

Claims (7)

  1. 対象物の吸引及び吐出を行うチップによって、前記対象物の投入又は取り出しが行われるウェルプレートであって、
    第1面と、該第1面と対向する第2面とを備え、前記第1面を上方に向けて用いられるプレート本体と、
    前記第1面に設けられ前記対象物が投入される開口部と、前記プレート本体の内部に位置する底部と、前記開口部から前記底部に向けて下方に延びる筒状の壁面とを含み、前記対象物を保持可能な1又は複数のウェルと、を備え、
    前記プレート本体は、
    前記第1面となる第1上面と、該第1上面と対向する第1下面とを有し、前記ウェルの上方部分が形成され、良熱伝導性であって非透明性の第1部材と、
    第2上面と、該第2上面と対向し前記第2面となる第2下面とを有し、前記ウェルの少なくとも前記底部を構成する部分を含む下方部分が形成され、透明性の第2部材と、を備え、
    前記第1部材の前記第1下面と前記第2部材の前記第2上面とが、前記ウェルの前記上方部分と前記下方部分とが位置合わせされた状態で接合されてなる、ウェルプレート。
  2. 請求項1に記載のウェルプレートにおいて、
    前記第1部材は、前記筒状の壁面の下端付近を除く部分を構成する筒部と、前記第1上面に形成され前記筒部の上端縁であって前記開口部となる第1開口と、前記第1下面に形成され前記筒部の下端縁となる第2開口とを含み、
    前記第2部材は、前記底部と前記筒状の壁面の下端付近を構成し、前記第2上面に第3開口を有する凹部を備え、
    前記第2開口と前記第3開口とが位置合わせされた状態で、前記第1部材と前記第2部材とが接合されている、ウェルプレート。
  3. 請求項2に記載のウェルプレートにおいて、
    前記第2開口と前記第3開口とは、同一の水平断面サイズを有している、ウェルプレート。
  4. 請求項2に記載のウェルプレートにおいて、
    前記第3開口の水平断面サイズが、前記第2開口の水平断面サイズよりも大きい、ウェルプレート。
  5. 請求項1に記載のウェルプレートにおいて、
    前記第1部材は、前記筒状の壁面を構成する筒部と、前記第1上面に形成され前記筒部の上端縁であって前記開口部となる第1開口と、前記第1下面に形成され前記筒部の下端縁となる第2開口とを含み、
    前記第2部材の前記第2上面は、前記底部を構成する平板状の面を備える、ウェルプレート。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のウェルプレートにおいて、
    前記筒状の壁面は、
    前記底部から上方の所定領域であって、前記対象物を収容可能な第1の水平断面サイズを有する収容部と、
    前記収容部の上方から前記開口部に至る領域であって、前記第1の水平断面サイズよりも大きい第2の水平断面サイズを有する受入部と、を含むウェルプレート。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のウェルプレートと、
    前記プレート本体の前記第1部材に冷熱又は温熱を与える熱源と、
    前記プレート本体の前記第2面側に配置され、前記第2部材を通して前記ウェルに保持された前記対象物の画像を撮像する撮像装置と、
    を備える、対象物の観察装置。
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