JP2022104297A - ウインチ制御システム及び車両 - Google Patents
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Description
図1に示すように、本発明の実施形態に係る車両用ウインチ装置20(以下、単に「ウインチ装置20」と称する)が適用された車両1は、車体2の後面に形成された後部開口2aのバックドア(テールゲートともいう)3を開けた状態で、当該後部開口2aから車体2の床面2b上に被搭載物(例えば、被介護者が座った車椅子)Xを搭載することができるように構成されている。本実施形態において、バックドア3は、車体2の後部開口2aの上縁部に対して回動可能に支持されている。車両1には、スロープ10と、左右一対のウインチ装置20(左側のみを図示)と、が設けられている。
スロープ10は、車体2の床面2bと車両1の後方の地面Gとの間に架設可能な金属製の部材である。スロープ10は、床面2bの後端部に対して回動可能に支持されており、車体2の床面2b上に倒れた状態で格納される第一の格納状態(床上格納状態、図示せず)と、車両1内において起立状態で格納される第二の格納状態(起立格納状態、図示せず)と、車両1の後方の地面Gへ架設された展開状態と、をとることができる。スロープ10は、第一の板部11と、第二の板部12と、第三の板部13と、を備える。
図1に示すように、ウインチ装置20は、車体2に設けられており、被搭載物Xを車両1に乗車及び降車させるためのものである。ウインチ装置20は、被搭載物Xが搭載されるスペースよりも前方の床面2b上(本実施形態では、床面2bと車両1の前席4(運転席又は助手席)の座面部との間)に設置されている。図2に示すように、ウインチ装置20は、ウインチ本体として、ドラム21と、牽引ベルト22と、係止部材23(図1参照)と、筐体24と、ガイド25と、を備える。また、ウインチ装置20は、ロータリーエンコーダ26(図5参照)と、モータ27と、伝達機構28と、第一のブレーキ部30と、第二のブレーキ部40と、を備える。
ドラム21は、円柱形状又は円筒形状を呈しており、筐体24内に回動可能に収容されている。ドラム21は、牽引ベルト22が引き出される力によって牽引ベルト22の引出方向に回転し、モータ27の駆動力によって牽引ベルト22の巻取方向に回転する。
牽引ベルト22は、ドラム21に巻き取られることによって被搭載物Xを乗車させたり、ドラム21から送り出されることによって被搭載物Xを降車させたりする。牽引ベルト22の基端部は、ドラム21に固定されている。牽引ベルト22の中間部は、ガイド25及び第一のブレーキ部30に当接している。牽引ベルト22の先端部には、係止部材23が取り付けられている。本実施形態において、牽引ベルト22は、ドラム21の上側から引き出されたり巻き取られたりするように、ドラム21に巻回されている。ドラム21から引き出された牽引ベルト22は、先端部に向かうにつれて、その下面がガイド25に当接し、その上面が第一のブレーキ部30に当接するように構成されている。本実施形態では、牽引ベルト22は、第一のブレーキ部30よりも先端部側において、その下面が例えば床面2d上に格納された後席5に当接するように構成されている。
図1に示すように、係止部材23は、ウインチ装置20のドラム21から延びて被搭載物Xに係止可能な金属製部材である。本実施形態において、係止部材23は、S字形状を呈するフックである。係止部材23の基端部は、牽引ベルト22の先端部に取り付けられている。係止部材23の先端部は、被搭載物Xに係止される。
図2に示すように、筐体24は、ドラム21及び当該ドラムに巻回される牽引ベルト22を収容する金属製の箱状部材である。筐体24の後端部には、牽引ベルト22が引き出される開口部24aが形成されている。
ガイド25は、牽引ベルト22が当接される部材の一例であって、正面視で横長の棒状を呈しており、筐体24に固定されて当該筐体24の開口部24aに臨むように設けられている。牽引ベルト22が当接し得るガイド25は、円柱形状又は円筒形状を呈している。本実施形態では、牽引ベルト22の下面が、ガイド25の上面に当接している。
ロータリーエンコーダ26(図5参照)は、ドラム21の回転量を検出し、検出結果を制御部70へ出力する。
モータ27は、ドラム21を牽引ベルト22の巻取方向に回転させることによって、牽引ベルト22の弛みをとるためのものである。かかるモータ27は、係止部材23に被搭載物Xが係止された状態で、利用者による被搭載物Xの乗車方向への力無しに、ドラム21を巻取方向に回転させる能力は有していない。本実施形態において、モータ27の回転力は、伝達機構28及び後記するラッチギヤ41を介してドラム21に伝達される。
第一のブレーキ部30は、牽引ベルト22のドラム21からの引出性を変更する機構である。第一のブレーキ部30は、牽引ベルト22に作用する摩擦抵抗を変更することによって、牽引ベルト22がドラム21から引き出しやすい状態(ベルトフリー状態)と、牽引ベルト22がドラム21から引き出しにくい状態(ブレーキ状態)とを切り替える。第一のブレーキ部30は、筐体24外に設けられており、固定部31と、円筒部32と、摩擦力発生部33と、電磁クラッチ34と、を備える。円筒部32及び摩擦力発生部33は、回転体を構成する。
第二のブレーキ部40は、ドラム21の回転性を変更する機構である。第二のブレーキ部40は、ラッチギヤ41と、アーム42と、アーム作動部43と、を備える。
図5に示すように、ウインチ制御システム6は、前記したウインチ装置20(図1参照)と、操作パネル50と、操作リモコン60と、制御部70と、を備える。
操作パネル50は、車両1に車室内に設けられている。操作パネル50は、主電源ボタン51と、ベルトフリーボタン52と、ブザー53と、これらを制御する制御部54(図5参照)と、を備える。
操作リモコン60は、利用者が携行可能に構成されている。操作リモコン60は、電源ボタン61と、乗車ボタン62と、降車ボタン63と、制御部64と、を備える。
制御部70は、CPU、ROM、RAM、入出力回路等によって構成されている。制御部70は、ロータリーエンコーダ26の検出結果、操作パネル50の操作結果及び操作リモコン60の操作結果を取得し、取得された検出結果及び操作結果に基づいて、モータ27、第一のブレーキ部30及び第二のブレーキ部40を制御する。
図6に示すように、本発明の第一の変形例に係る車両1は、いわゆる3列シート構成であり、2列目の中席に対応する位置及び3列目の後席に対応する位置のそれぞれに被搭載物(牽引物)Xを搭載可能である。この場合には、車両1は、2列目の中席に対応する位置に被搭載物(牽引物)Xを搭載するためのウインチ装置20F及びこれを制御する制御部70(図5参照)と、3列目の後席に対応する位置に被搭載物(牽引物)Xを搭載するためのウインチ装置20R及びこれを制御する制御部70(図5参照)と、を備える。
続いて、本発明の第二の変形例に係る車両について、第一の変形例との相違点を中心に説明する。図8に示すように、本発明の第二の変形例に係る車両1において、搭載領域2b2は、前方に行くほど上方に傾斜する(例えば、地面G基準で0.4°)。また、搭載領域2b2とスロープ10の基端部との間の領域2b3は、前方に行くほど下方に傾斜する(例えば、地面G基準で13.8°)。搭載領域2b2(の少なくとも後端部)の車両上下方向高さは、スロープ10の基端部(後部開口2a側端部)の車両上下方向高さよりも低く設定されている。かかる構成によると、搭載領域2b2に搭載された被搭載物Xが後部開口2a側に移動したり後部開口2aから脱落したりすることを防止することができる。
続いて、本発明の実施形態に係るウインチ制御システム6の動作例について、図9及び図10のフローチャートを参照して説明する。
なお、牽引ベルト22の巻回量が所定値未満である場合には、制御部70は、ベルトフリー許可状態となってベルトフリー信号を待機する。そして、制御部70は、主電源が切れた状態でベルトフリー信号を取得すると、電磁クラッチ34を連結解除状態とするとともにラッチギヤ34を歯合解除状態とすることによってウインチ装置29をベルトフリー状態とし、利用者の手動による牽引ベルト22の引出を許容する。
したがって、ウインチ制御システム6は、電源ON状態で牽引ベルト22の出入操作が行われた場合にベルトフリーモードを禁止するので、利用者が牽引ベルト22に牽引された状態の牽引物を手動で引出方向に移動させようとした場合に、当該引出方向への移動を防止することができる。また、ウインチ制御システム6は、電源ON状態で牽引ベルト22の出入操作が行われていない場合にベルトフリーモードを許可するので、利用者が牽引ベルト22を引き出したい場合、及び、利用者が自身で牽引物を引出方向に移動させたい場合に、手間をかけることなく容易にベルトフリー動作を行わせることができる。
したがって、ウインチ制御システム6は、ベルトフリーモード禁止状態における牽引物の引出方向への移動をより好適に防止することができる。
したがって、ウインチ制御システム6は、ベルトフリーモード禁止状態を好適に設定することによって、牽引物の引出方向への移動をより好適に防止することができる。
したがって、ウインチ制御システム6は、巻回方向への牽引物の移動量が小さい場合にベルトフリーモードを許可するので、利用者により好適にベルトフリー動作を行わせることができる。
したがって、車両1は、搭載領域2b1が開口部(後部開口2a)に向かうにつれて上方に傾斜するので、搭載領域2b1に搭載された被搭載物Xとしての車椅子が不必要に後部開口2a側に移動したり後部開口2aを通過したりすることを防止することができる。
したがって、車両1は、搭載領域2b2が開口部(後部開口2a)の下縁部よりも低く設定されているので、搭載領域2b1に搭載された被搭載物Xとしての車椅子が不必要に後部開口2a側に移動したり後部開口2aを通過したりすることを防止することができる。
したがって、車両は、車両1に搭載された被搭載物Xとしての車椅子がスロープ20及び/又はフロアパネルに乗っている場合にベルトフリーモードを禁止することができるので、かかる状態で利用者が牽引ベルト22に牽引された状態の被搭載物Xを手動で引出方向に移動させようとした場合に、当該引出方向への移動を防止することができる。また、車両1は、巻取量の所定値を長く設定することができるので、例えば、入操作が誤操作である場合等にベルトフリーモードを許可することができ、利用者により好適にベルトフリー動作を行わせることができる。
20 ウインチ装置(電動ウインチ)
21 ドラム
22 牽引ベルト
26 ロータリーエンコーダ(引出長検知部)
27 モータ(電動モータ)
34 電磁クラッチ
41 ラッチギヤ
42 アーム
43 アーム作動部
50 操作パネル
60 操作リモコン
70 制御部(引出長検知部)
Claims (7)
- 牽引物を牽引可能なベルトと、
前記ベルトが巻回可能なドラムと、
前記ドラムを回転させる電動モータと、
前記ドラムの回転に対する抵抗を付与する抵抗状態と、前記ドラムの回転に対する抵抗を解除することによって手動による前記ベルトの引出を許容する抵抗解除状態と、を切替可能な電磁クラッチと、
を有する電動ウインチと、
前記電動モータ及び前記電磁クラッチを制御することによって、前記ドラムに対する前記ベルトの出し入れを行う制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記電動ウインチの電源が入った状態で前記ベルトの出入操作が行われた場合に、前記電磁クラッチを前記抵抗状態に維持することによって、手動による前記ベルトの引出を許容するベルトフリーモードへの切替を禁止する
ことを特徴とするウインチ制御システム。 - 前記電動ウインチは、
前記ドラムに設けられるラッチギヤと、
前記ラッチギヤに歯合することによって前記ベルトの引出を規制する歯合状態と、前記ラッチギヤから離間することによって手動による前記ベルトの引出を許容する歯合解除状態と、を切替可能なアームと、
を備え、
前記制御部は、前記ベルトフリーモードへの切替を禁止する際に、前記アームを前記歯合状態に維持する
ことを特徴とする請求項1に記載のウインチ制御システム。 - 前記制御部は、前記電動ウインチの電源が切れてから次回に電源が入るまでの間、前記ベルトフリーモードへの切替禁止を維持する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のウインチ制御システム。 - 前記ベルトの引出長を検知する引出長検知部を備え、
前記制御部は、前記電動ウインチの電源が入った状態で前記電動モータによる前記ベルトの巻回が行われており、当該巻回による前記ベルトの引出長の変化量が所定値未満である場合に、前記ベルトフリーモードへの切替を許可する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のウインチ制御システム。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のウインチ制御システムと、
車両の開口部を介して、前記電動ウインチによって牽引された前記牽引物としての車椅子が搭載される車両のフロアパネルと、
を備え、
前記フロアパネルにおける前記車椅子の搭載領域は、前記電動ウインチ側から前記開口部側に向かうにつれて上方に傾斜する
ことを特徴とする車両。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のウインチ制御システムと、
車両の開口部を介して、前記電動ウインチによって牽引された前記牽引物としての車椅子が搭載される車両のフロアパネルと、
を備え、
前記フロアパネルにおける前記車椅子の搭載領域の車両上下方向高さは、前記開口部の下縁部の車両上下方向高さよりも低い
ことを特徴とする記載の車両。 - 請求項4に記載のウインチ制御システムと、
車両の開口部を介して、前記電動ウインチによって牽引された前記牽引物としての車椅子が搭載される車両のフロアパネルと、
を備え、
前記フロアパネルには、前記車椅子の搭載位置の目安である目安部が設定されており、
前記所定値は、前記目安部及び前記開口部の距離に基づいて設定されている
ことを特徴とする車両。
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JP2018150167A (ja) * | 2017-03-15 | 2018-09-27 | 本田技研工業株式会社 | 車両用ウインチ装置 |
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