JP2022104274A - 洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な洗浄力を有すると共に、簡易な使用方法で優れた殺菌・除菌効果を示す洗浄剤組成物を提供する。【解決手段】下記(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含有する洗浄剤組成物であって、前記洗浄剤組成物を20℃、4°dHの水で500倍(質量基準)希釈した希釈物が、(1)20℃でpH9.5以上を示した後にpH5.5以上9以下を示す、及び(2)当該希釈物中で1μmol/L以上の濃度の有機過酸が生成する、を満たす、洗浄剤組成物。(a)成分:漂白剤(b)成分:漂白活性化剤(c)成分:酸【選択図】なし
Description
本発明は、洗浄剤組成物に関する。
衣類、洗濯機、風呂水といった対象物には様々な微生物が存在していることが知られている。微生物は対象物に付着した有機汚れや対象物中に存在する有機汚れを代謝することで、様々なニオイを発生し、嗅覚的不快感を助長する。これらの微生物を殺菌する方法として、次亜塩素酸塩などの強い酸化剤やカチオン系抗菌剤で処理する方法が知られている。
また、漂白剤を用いた洗浄剤では、効率的な漂白ないし漂白洗浄を行うために、組成、pHなどを調整することが行われている。例えば、特許文献1には、一次洗浄領域、二次洗浄領域及び仕上げ領域を含む少なくとも3つの異なる領域を含む単位用量形態の自動洗濯又は食器洗浄製品であって、ここで主洗浄サイクル及び主洗浄後の複数のすすぎサイクルを有する自動洗濯機又は食器洗浄機において使用される際、前記一次洗浄領域が前記主洗浄中に一次洗浄組成物を放出し、前記二次洗浄領域が最後のすすぎ前、好ましくは第1のすすぎ中に二次洗浄組成物を放出し、前記仕上げ領域が前記最後のすすぎ中に仕上げ組成物を放出する自動洗濯又は食器洗浄製品が開示されている。また、特許文献2には、無機過酸化物(a)と、テトラアセチルエチレンジアミン(b)と、プロテアーゼ(c)とを含有し、且つ(a)/(b)重量比が10/1~1/2である殺菌洗浄剤組成物が開示されている。また、特許文献3には、一般式R-C(=O)-LGで表される漂白活性化剤から有機過酸を生成させ、pHが6~8.5の処理液中で、繊維製品に有機過酸を作用させる、繊維製品の洗浄方法が開示されている。
近年の消費者の衛生意識の高まりから、例えば、衣類の洗濯に用いられる洗浄剤組成物についても、優れた殺菌効果を示すことが求められている。
本発明は、良好な洗浄力を有すると共に、簡易な使用方法で優れた殺菌効果を示す洗浄剤組成物を提供する。
本発明は、良好な洗浄力を有すると共に、簡易な使用方法で優れた殺菌効果を示す洗浄剤組成物を提供する。
本発明は、下記(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含有する洗浄剤組成物であって、
前記洗浄剤組成物を20℃、4°dHの水で500倍(質量基準)希釈した希釈物が、(1)20℃でpH9.5以上を示した後にpH5.5以上9以下を示す、及び(2)当該希釈物中で1μmol/L以上の濃度の有機過酸が生成する、を満たす、
洗浄剤組成物に関する。
(a)成分:漂白剤
(b)成分:漂白活性化剤
(c)成分:酸
前記洗浄剤組成物を20℃、4°dHの水で500倍(質量基準)希釈した希釈物が、(1)20℃でpH9.5以上を示した後にpH5.5以上9以下を示す、及び(2)当該希釈物中で1μmol/L以上の濃度の有機過酸が生成する、を満たす、
洗浄剤組成物に関する。
(a)成分:漂白剤
(b)成分:漂白活性化剤
(c)成分:酸
また、本発明は、前記本発明の洗浄剤組成物及び水を混合して得た洗浄液で繊維製品を洗浄し、その後該繊維製品を水ですすぐ、繊維製品の洗浄方法に関する。
また、本発明は、前記(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含有する洗浄剤組成物の製造方法であって、
(a)成分及び(b)成分と(c)成分との接触状態を制御して、20℃、4°dHの水で500倍(質量基準)希釈した希釈物が、(1)20℃でpH9.5以上を示した後にpH5.5以上9以下を示す、及び(2)当該希釈物中で1μmol/L以上の濃度の有機過酸が生成する、を満たす洗浄剤組成物を得る、
洗浄剤組成物の製造方法に関する。
(a)成分及び(b)成分と(c)成分との接触状態を制御して、20℃、4°dHの水で500倍(質量基準)希釈した希釈物が、(1)20℃でpH9.5以上を示した後にpH5.5以上9以下を示す、及び(2)当該希釈物中で1μmol/L以上の濃度の有機過酸が生成する、を満たす洗浄剤組成物を得る、
洗浄剤組成物の製造方法に関する。
本発明によれば、良好な洗浄力を有すると共に、簡易な使用方法で優れた殺菌効果を示す洗浄剤組成物が提供される。本発明では、殺菌は、除菌、抗菌などを含んでよいものとする。
本発明の洗浄剤組成物は、水で希釈して用いられるが、その際、希釈初期には水希釈物のpHが9.5以上のアルカリ性となって効率的に有機過酸が生成し、次いで水希釈物のpHが5.5以上9.0以下の中性に移行して有機過酸の殺菌・除菌効果がより効率よく発現する。利用者にとっては、例えば、洗浄剤組成物を投入するというワンアクションで、簡便かつ従来よりも高い除菌が可能となる。また、配合した成分がより活用できることから、配合成分を無駄にすることなく、持続可能な社会の実現にも有効な洗浄剤組成物である。
本発明の洗浄剤組成物は、水で希釈して用いられるが、その際、希釈初期には水希釈物のpHが9.5以上のアルカリ性となって効率的に有機過酸が生成し、次いで水希釈物のpHが5.5以上9.0以下の中性に移行して有機過酸の殺菌・除菌効果がより効率よく発現する。利用者にとっては、例えば、洗浄剤組成物を投入するというワンアクションで、簡便かつ従来よりも高い除菌が可能となる。また、配合した成分がより活用できることから、配合成分を無駄にすることなく、持続可能な社会の実現にも有効な洗浄剤組成物である。
<洗浄剤組成物>
本発明の洗浄剤組成物は、下記(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含有する。
(a)成分:漂白剤
(b)成分:漂白活性化剤
(c)成分:酸
本発明の洗浄剤組成物は、下記(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含有する。
(a)成分:漂白剤
(b)成分:漂白活性化剤
(c)成分:酸
(a)成分の漂白剤としては、酸素系漂白剤、塩素系漂白剤があり、殺菌・除菌性能の観点から、酸素系漂白剤が好ましい。酸素系漂白剤は、水中でHO2
-を発生させる物質である。すなわち、(a)成分としては、(b)成分と反応して有機過酸を生成させる成分(例えば、活性酸素)を生成可能な化合物が挙げられ、これらは1種又は2種以上を組み合わせて使用し得る。(a)成分としては、例えば、無機過酸が挙げられる。無機過酸としては、例えば、過酸化水素や過酸化水素放出体が挙げられる。過酸化水素放出体としては、例えば、過炭酸塩、過ホウ酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩等が挙げられる。(a)成分は、殺菌・除菌性能、配合安定性の観点から、過炭酸塩及び過ホウ酸塩から選ばれる1種以上が好ましく、より好ましくは過炭酸ナトリウム及び過ホウ酸ナトリウムから選ばれる1種以上であり、更に好ましくは過炭酸ナトリウムである。過酸化水素放出体は、粉状又は粉体状であってよい。
(b)成分の漂白活性化剤としては、殺菌・除菌性能の観点から、活性酸素と反応して有機過酸、例えば炭素数1以上14以下の有機過酸を生成する漂白活性化剤が挙げられる。
(b)成分は、殺菌・除菌性能の観点から、テトラアセチルエチレンジアミン、及び下記式(b1)で表される化合物から選ばれる1種以上の漂白活性化剤が好ましい。
R-C(=O)-LG (b1)
(式中、Rは炭素数1以上13以下のアルキル基であり、LGは脱離基である。)
式(b1)中、Rの炭素数は、殺菌・除菌性能の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは7以上、そして、殺菌・除菌性能、有機過酸生成速度向上、溶解性向上の観点から、好ましくは10以下である。Rのアルキル基は、直鎖でも分岐鎖でもよい。また、式(b1)中、Gは脱離基であり、具体的には以下の基が挙げられる。下記式中のMは水素原子、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属(1/2原子)を表す。
(b)成分は、殺菌・除菌性能の観点から、テトラアセチルエチレンジアミン、及び下記式(b1)で表される化合物から選ばれる1種以上の漂白活性化剤が好ましい。
R-C(=O)-LG (b1)
(式中、Rは炭素数1以上13以下のアルキル基であり、LGは脱離基である。)
式(b1)中、Rの炭素数は、殺菌・除菌性能の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは7以上、そして、殺菌・除菌性能、有機過酸生成速度向上、溶解性向上の観点から、好ましくは10以下である。Rのアルキル基は、直鎖でも分岐鎖でもよい。また、式(b1)中、Gは脱離基であり、具体的には以下の基が挙げられる。下記式中のMは水素原子、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属(1/2原子)を表す。
(b)成分は、テトラアセチルエチレンジアミン、炭素数2以上14以下の有機過酸を発生する1種以上の化合物が好ましい。(b)成分は、殺菌・除菌性能の観点から、炭素数2以上12以下の有機過酸を生成する1種以上の漂白活性化剤が好ましく、炭素数2以上10以下の有機過酸を生成する1種以上の漂白活性化剤がより好ましく、テトラアセチルエチレンジアミンが更に好ましい。テトラアセチルエチレンジアミンは、炭素数2の有機過酸を生成する漂白活性化剤である。
(c)成分の酸としては、有機酸及び無機酸から選ばれる1種以上の酸が挙げられる。(c)成分は、希釈物のpHに影響するが、好ましくは希釈物のpHを下げうる物質である。(c)成分は、安定性、安全性の観点から、有機酸が好ましく、洗浄性能の観点から、1価のカルボン酸及び2価以上4以下のポリカルボン酸から選ばれる1種以上の酸がより好ましい。有機酸、更にカルボン酸は、例えば、炭素数1以上10以下であってよい。カルボン酸の例としては、ギ酸、乳酸、クエン酸、アジピン酸、コハク酸、グルタル酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン酸、フマル酸、糖酸、アミノカルボン酸、及びニトリロトリ酢酸(NTA)から選ばれる1種以上の有機酸が好ましく、溶解性、安定性の観点から、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、及びフマル酸から選ばれる1種以上の有機酸がより好ましい。
また、組成物を調製する際の(c)成分の酸の形態としては、粉末、顆粒、錠剤、スラリー、液体のいずれでもよく、粉末、顆粒、錠剤などの固体状が好ましい。組成物中の(c)成分の形態は固体状がより好ましい。
本発明の洗浄剤組成物は、粉末、顆粒、錠剤などの固体状の組成物であることが好ましい。
本発明の洗浄剤組成物は、当該洗浄剤組成物を20℃、4°dHの水で500倍(質量基準)希釈した希釈物が、
(1)20℃でpH9.5以上を示した後にpH5.5以上9以下を示す(以下、条件(1)ともいう)、及び
(2)当該希釈物中で1μmol/L以上の濃度の有機過酸が生成する(以下、条件(2)ともいう)、
の2つの条件を満たす。
(1)20℃でpH9.5以上を示した後にpH5.5以上9以下を示す(以下、条件(1)ともいう)、及び
(2)当該希釈物中で1μmol/L以上の濃度の有機過酸が生成する(以下、条件(2)ともいう)、
の2つの条件を満たす。
条件(1)のようなpH挙動を、以下、本明細書では、経時的pH変動ともいう。経時的pH変動は、例えば、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の相互の接触状態を制御する、接触制御手段により達成できる。接触制御手段は、例えば、(c)成分と(a)成分及び(b)成分との反応性が低下するように、これらの成分の接触度合いを制御するものであってよく、具体的には、殺菌・除菌性能、溶解性の観点から、水溶性材料又は温度溶解性材料による包装、水溶性材料又は温度溶解性材料による被覆、圧密化などが挙げられる。例えば、本発明では、経時的pH変動は、(c)成分を、(a)成分及び(b)成分と分断して含有させることで達成できる。分断は、例えば、水溶性材料による包装、及び水溶性材料による被覆から選ばれる1種以上の手段によりなされる。このような(c)成分が分断した状態は、例えば、時間差を持って各成分が溶解すること(以下、時間差溶解ともいう)に寄与し、その結果、pHの経時的な変動が可能となり、有機過酸生成量の増加によって殺菌・除菌性能を向上させる。
水溶性材料は、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、カルボキシビニルポリマー、カチオン化グアガム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム、デンプン及びゼラチンを含む多糖類などの高分子化合物からなるものが挙げられる。水溶性材料について、水溶性とは、例えば、20℃の水100gに0.1g以上溶解することであってよい。
水溶性材料による包装では、殺菌・除菌性能、溶解性の観点から、水溶性フィルムを用いることが好ましい。水溶性フィルムは厚みによって包装している成分の溶解時間を調整することが可能であり、有機過酸生成量の増加による殺菌・除菌性能向上の観点から、好ましくは20μm以上、より好ましくは50μm以上、更に好ましくは70μm以上、そして、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下である。水溶性フィルム等の水溶性材料による包装は、例えば、(c)成分を水溶性材料で包装する、(a)成分及び(b)成分を含む混合物を水溶性材料で包装する、など、(c)成分が(a)成分及び(b)成分と分断される状態が実現できるものであれば、どのようなものであってもよい。
同様に、水溶性材料による被覆は、例えば、(c)成分を水溶性材料で被覆する、(a)成分及び(b)成分を含む混合物を水溶性材料で被覆する、など、(c)成分が(a)成分及び(b)成分と分断される状態が実現できるものであれば、どのようなものであってもよい。被覆の際は、水溶性材料を液状で用いる、例えば、水溶性材料を溶融させて用いる、水溶性材料を適当な溶剤と混合した液体を用いる、ことが好ましい。
また、温度溶解性材料は、温度に依存して水溶性が発現する材料であってよい。温度溶解性材料の形状はフィルムであってよい。温度溶解性材料としては、例えば、20℃の水100gに対する溶解量は0.1g未満であるが、20℃を超える温度の水、例えば50℃の水100gに対する溶解量が0.1g以上である高分子化合物からなるフィルムが挙げられる。
経時的pH変動は、本発明の洗浄剤組成物に配合する成分、例えば(c)成分を圧密成形体とすることでも達成できる。この場合、(c)成分は(a)成分や(b)成分と接触した状態となるが、各成分が圧密した状態となって水分や空気の介在量が低減されるため、反応を効果的に抑制できる。本発明では、(c)成分を圧密化して組成物中に配合することが好ましい。このように、圧密成形体は本発明の接触制御手段となり得る。本発明では、圧密成形体を水溶性材料で包装したり被覆したりすることもできる。また、水溶性材料で被覆した成分を圧密成形体とすることもできる。
圧密成形体としては、例えば、錠剤、顆粒、造粒、ペレット等が挙げられる。
錠剤型の圧密成形体とする場合、溶解性の観点から、中和反応の際に炭酸イオンを発生する物質、例えば重炭酸塩、更に重炭酸ナトリウムを配合することが好ましい。また、時間差溶解(溶解遅延)による殺菌・除菌性能、安定性の観点から、打錠物を水溶性材料又は温度溶解性材料でコーティングしてもよい。これらは、接触制御手段としての包装ないし被覆で用いるものと同様のものを使用でき、ポリエチレングリコールが好ましい。
条件(1)で、希釈物のpHが9.5以上である時間は、有機過酸生成量の増加による殺菌・除菌性能向上の観点から、好ましくは5秒以上、より好ましくは10秒以上、更に好ましくは50秒以上であり、そして、殺菌・除菌性能の観点から、好ましくは15分以下、より好ましくは10分以下、更に好ましくは5分以下である。
条件(1)では、本発明の洗浄剤組成物と希釈のための水の全量とが混合された時点、すなわち希釈が完了した時点(希釈物が調製された時点)から、60秒以内、更に30秒以内、更に10秒以内に、希釈物のpHが9.5以上となることが、殺菌・除菌性能の観点から、好ましい。
条件(1)では、pH9.5以上となった後のpHは、殺菌・除菌性能、各種汚れの洗浄性能を向上させる観点から、5.5以上、好ましくは6.5以上、より好ましくは7以上である。また、殺菌性能を向上させる観点から、9以下、好ましくは8.9以下、より好ましくは8.8以下である。
条件(2)の有機過酸の生成量は、以下の方法で測定されたものである。
<有機過酸生成量測定>
洗浄剤組成物と所定量の水とを、容量1Lの容器に投入し、スターラー(長さ35mm、直径8mm、回転速度900rpm)で撹拌し希釈物を調製する。撹拌開始から10分後に、ヨードメトリー法に準じて以下の方法で有機過酸濃度を測定する。この方法では、洗浄剤組成物と水を容器に投入してから撹拌を開始するまでの間隔が短い場合は、撹拌を開始した時点を、希釈が完了した時点としてよい。
撹拌開始から10分後の希釈物(測定サンプル液)10mLを採取し、1.5%のカタラーゼ水溶液を1mL添加し、撹拌する。その後、10mLの20%硫酸と10mLの10%ヨウ化カリウム水溶液を添加し、0.01mol/Lのチオ硫酸ナトリウムを用いて無色になるまで滴定する。以下の式で有機過酸生成量を測定する。
有機過酸生成量(μmol/L)={0.01×滴定量(mL)÷1000÷2}÷(10÷1000)×1000×1000
<有機過酸生成量測定>
洗浄剤組成物と所定量の水とを、容量1Lの容器に投入し、スターラー(長さ35mm、直径8mm、回転速度900rpm)で撹拌し希釈物を調製する。撹拌開始から10分後に、ヨードメトリー法に準じて以下の方法で有機過酸濃度を測定する。この方法では、洗浄剤組成物と水を容器に投入してから撹拌を開始するまでの間隔が短い場合は、撹拌を開始した時点を、希釈が完了した時点としてよい。
撹拌開始から10分後の希釈物(測定サンプル液)10mLを採取し、1.5%のカタラーゼ水溶液を1mL添加し、撹拌する。その後、10mLの20%硫酸と10mLの10%ヨウ化カリウム水溶液を添加し、0.01mol/Lのチオ硫酸ナトリウムを用いて無色になるまで滴定する。以下の式で有機過酸生成量を測定する。
有機過酸生成量(μmol/L)={0.01×滴定量(mL)÷1000÷2}÷(10÷1000)×1000×1000
条件(2)では、殺菌・除菌性能を向上させる観点から、有機過酸生成量は、1μmol/L以上、好ましくは3μmol/L以上、より好ましくは5μmol/L以上、更に好ましくは10μmol/L以上、より更に好ましくは20μmol/L以上である。また、剤の溶け残り減少、衣類の色褪せ防止、繊維及び洗濯機の基材損傷防止の観点から、有機過酸生成量は、好ましくは3500μmol/L以下、より好ましくは3000μmol/L以下、更に好ましくは2500μmol/L以下、より更に好ましくは1500μmol/L以下、より更に好ましくは1000μmol/L以下、より更に好ましくは750μmol/L以下である。
条件(2)では、本発明の洗浄剤組成物と希釈のための水の全量とが混合された時点、すなわち希釈が完了した時点(希釈物が調製された時点)から、10分以内、更に5分以内、更に1分以内に、希釈物中の有機過酸の濃度が1μmol/L以上となることが、殺菌・除菌性能の観点から、好ましい。
殺菌・除菌性能及び製剤化の観点から、本発明の洗浄剤組成物は、(a)成分を好ましくは1質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは20質量%以上、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下含有することができる。
殺菌・除菌性能及び製剤化の観点から、本発明の洗浄剤組成物は、(b)成分を好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1%以上、より更に好ましくは2.5質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは7.5質量%以上、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下含有することができる。
殺菌・除菌性能及び製剤化の観点から、本発明の洗浄剤組成物は、(c)成分を好ましくは1質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上、更に好ましくは5%以上、より更に好ましくは10質量%以上、より更に好ましくは12.5質量%以上、より更に好ましくは15質量%以上、より更に好ましくは17.5質量%以上、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下、更に好ましくは20質量%以下含有することができる。
有機過酸生成量の増加による殺菌・除菌性能を向上させる観点から、本発明の洗浄剤組成物は、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比である(a)成分/(b)成分が、好ましくは0.5以上、より好ましくは1以上、更に好ましくは1.5以上、より更に好ましくは2.0以上、より更に好ましくは3.0以上、より更に好ましくは4.0以上である。また、保存安定性、及び製剤化の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは7.5以下、更に好ましくは5以下である。
各種酸を用いた滞りない中和による殺菌・除菌性能を向上させる観点から、本発明の洗浄剤組成物は、(a)成分の含有量と(c)成分の含有量との質量比である(a)成分/(c)成分が、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上、より更に好ましくは0.4以上、より更に好ましくは1.0以上、より更に好ましくは1.1以上、より更に好ましくは1.2以上、そして、好ましくは10以下、より好ましくは7.5以下、更に好ましくは5以下、より更に好ましくは2.5以下である。
本発明の洗浄剤組成物は、殺菌・除菌性能、各種汚れの洗浄性能を向上させる観点から、界面活性剤〔以下、(d)成分という〕を含有することが好ましい。
界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物は、殺菌・除菌性能、各種汚れの洗浄性能を向上させる観点から、(d)成分として、陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤から選ばれる界面活性剤を含有することが好ましい。
界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物は、殺菌・除菌性能、各種汚れの洗浄性能を向上させる観点から、(d)成分として、陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤から選ばれる界面活性剤を含有することが好ましい。
陰イオン界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、高級アルコールの硫酸エステル塩、高級アルコールのエトキシル化物の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、α-スルホ脂肪酸塩若しくはそのエステル塩、又は脂肪酸塩が挙げられる。洗浄性能を向上させる観点から、アルキル鎖の炭素数が10以上、好ましくは12以上、そして、18以下、好ましくは14以下の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル鎖の炭素数が10以上、好ましくは12以上、そして、18以下、好ましくは16以下の高級アルコールの硫酸エステル塩、又は脂肪酸の炭素数が10以上20以下のα-スルホ脂肪酸アルキル(炭素数1以上5以下)エステル塩が好ましく、アルキル鎖の炭素数が10以上、好ましくは12以上、そして、18以下、好ましくは14以下の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル鎖の炭素数が10以上、好ましくは12以上、そして、18以下、好ましくは16以下の高級アルコールの硫酸エステル塩がより好ましい。また、陰イオン界面活性剤の対イオンとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニア、アルカノールアミン等が挙げられるが、アルカリ金属が好ましい。1種類の成分を用いてもよく、複数の成分を併用しても良い。
非イオン界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル型非イオン界面活性剤が好ましく、例えば、下記一般式(1)の非イオン界面活性剤が挙げられる。
R1-O[(EO)a/(PO)b]-H (1)
〔式中、R1は炭素数10以上、好ましくは12以上、そして、18以下、好ましくは16以下、より好ましくは14以下のアルキル基又はアルケニル基を示す。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基である。aは数平均付加モル数であり0以上、30以下の数、bは数平均付加モル数であり0以上、10以下の数を示し、a及びbの両者が0の場合を除く。〕
一般式(1)中、aの数平均付加モル数は好ましくは6以上、より好ましくは7以上、より好ましくは8以上、そして、好ましくは25以下、より好ましくは20以下、より好ましくは15以下である。bの数平均付加モル数は0以上、そして、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、より好ましくは2以下、より好ましくは1以下である。また、一般式(1)においては、EOとPOとはランダム共重合体又はブロック共重合体のいずれの形態で配列されていてもよい。
R1-O[(EO)a/(PO)b]-H (1)
〔式中、R1は炭素数10以上、好ましくは12以上、そして、18以下、好ましくは16以下、より好ましくは14以下のアルキル基又はアルケニル基を示す。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基である。aは数平均付加モル数であり0以上、30以下の数、bは数平均付加モル数であり0以上、10以下の数を示し、a及びbの両者が0の場合を除く。〕
一般式(1)中、aの数平均付加モル数は好ましくは6以上、より好ましくは7以上、より好ましくは8以上、そして、好ましくは25以下、より好ましくは20以下、より好ましくは15以下である。bの数平均付加モル数は0以上、そして、好ましくは5以下、より好ましくは3以下、より好ましくは2以下、より好ましくは1以下である。また、一般式(1)においては、EOとPOとはランダム共重合体又はブロック共重合体のいずれの形態で配列されていてもよい。
両性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば炭素数8以上18以下のアルキル基を有するアルキルアミンオキシド、カルボベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン、アミドスルホベタイン、イミダゾリニウムベタイン、ホスホベタイン等が挙げられる。洗浄性能の観点から、スルホベタイン、アミドベタイン及びカルボベタインからなる群から選ばれる1種以上の両性界面活性剤が好ましい。
陽イオン界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、第4級アンモニウム型界面活性剤又は3級アミン型界面活性剤が好ましく、更にはエーテル結合、オキシアルキレン基、エステル基、又はアミド基で分断されていてもよい炭素数6以上、22以下の炭化水素基を1つ有する第4級アンモニウム型界面活性剤又は3級アミン型界面活性剤が好ましい。
本発明の洗浄剤組成物が界面活性剤を含有する場合、殺菌・除菌性能、各種汚れの洗浄性能を向上させる観点から、該組成物は、界面活性剤を、例えば、1質量%以上、更に5質量%以上、そして、25質量%以下、更に20質量%以下含有することができる。
界面活性剤以外の任意成分としては、例えば、香料、酵素、有機溶剤、無機ビルダー、再汚染防止剤、分散剤、蛍光塗料、酸化防止剤、色素、抗菌剤、防腐剤、消泡剤、ポリマーなどが挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物は、香料を、組成物中、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、より更に好ましくは0.3質量%以上、より更に好ましくは0.5質量%以上、そして、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下含むことができる。本発明の洗浄剤組成物は、その配合が洗剤製品に行われている各種香料からなる香料組成物を含有することが好ましい。香料組成物は、洗浄剤組成物に、マイクロカプセル粒子に包含された形態で配合してもよいし、外香料(非マイクロカプセル)の形態で配合してもよい。
酵素としては、各種汚れの洗浄性能、殺菌・除菌性能を向上させる観点から、セルラーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ及びリパーゼから選ばれる1種以上の酵素が好ましく、好ましくはアミラーゼ及びプロテアーゼから選ばれる1種以上の酵素がより好ましい。酵素は、各種汚れの洗浄性能、殺菌・除菌性能を向上させる観点から、組成物中、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、より更に好ましくは0.3質量%以上、より更に好ましくは0.5質量%以上、そして、好ましくは2質量%以下、より好ましくは1質量%以下含むことができる。
本発明の洗浄剤組成物は、繊維製品などを洗浄の対象とすることができる。繊維製品用は、本発明の洗浄剤組成物の好ましい用途の一つである。本発明において繊維製品とは、疎水性繊維や親水性繊維を用いた織物、編物、不織布等の布帛及びそれを用いて得られたアンダーシャツ、Tシャツ、ワイシャツ、ブラウス、スラックス、寝具、帽子、ハンカチ、タオル、ニット、靴下、下着、タイツ、マスク等の製品が挙げられる。これらの洗浄には、それぞれの物品に適した洗浄機、例えば、洗濯機などを用いることができる。
<繊維製品の洗浄方法>
本発明は、本発明の洗浄剤組成物及び水を混合して得た洗浄液で繊維製品を洗浄し、その後、水ですすぐ、繊維製品の洗浄方法を提供する。
本発明の繊維製品の洗浄方法には、本発明の洗浄剤組成物で述べた事項を適宜適用することができる。
本発明は、本発明の洗浄剤組成物及び水を混合して得た洗浄液で繊維製品を洗浄し、その後、水ですすぐ、繊維製品の洗浄方法を提供する。
本発明の繊維製品の洗浄方法には、本発明の洗浄剤組成物で述べた事項を適宜適用することができる。
前記洗浄液は、本発明の洗浄剤組成物を水で希釈して調製することが好ましい。具体的な希釈倍率としては、本発明の洗浄剤組成物の粘度等の形態や繊維製品の洗浄時の作業性の観点から、質量基準で好ましくは100倍以上、より好ましくは200倍以上、更に好ましくは300倍以上、そして、好ましくは1000倍以下、より好ましくは800倍以下であってよい。
本発明の繊維製品の洗浄方法に使用する水、例えば組成物の希釈に用いる水やすすぎに用いる水は、硬度を有する水が好ましい。水の硬度は、洗浄性向上の観点から、ドイツ硬度で、好ましくは1°dH以上、より好ましくは2°dH以上、更に好ましくは3.5°dH以上、より更に好ましくは5°dH以上、より更に好ましくは7°dH以上、そして、好ましくは20°dH以下、より好ましくは18°dH以下、更に好ましくは15°dH以下である。ここで、本明細書におけるドイツ硬度(°dH)とは、水中におけるカルシウム及びマグネシウムの濃度を、CaCO3換算濃度で1mg/L(ppm)=約0.056°dH(1°dH=17.8ppm)で表したものを指す。
このドイツ硬度のためのカルシウム及びマグネシウムの濃度は、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩を使用したキレート滴定法で求められる。
本明細書における水のドイツ硬度の具体的な測定方法を下記に示す。
<水のドイツ硬度の測定方法>
〔試薬〕
・0.01mol/L EDTA・2Na溶液:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの0.01mol/L水溶液(滴定用溶液、0.01 M EDTA-Na2、シグマアルドリッチ(SIGMA-ALDRICH)社製)
・Universal BT指示薬(製品名:Universal BT、(株)同仁化学研究所製)
・硬度測定用アンモニア緩衝液(塩化アンモニウム67.5gを28w/v%アンモニア水570mLに溶解し、イオン交換水で全量を1000mLとした溶液)
〔硬度の測定〕
(1)試料となる水20mLをホールピペットでコニカルビーカーに採取する。
(2)硬度測定用アンモニア緩衝液2mL添加する。
(3)Universal BT指示薬を0.5mL添加する。添加後の溶液が赤紫色であることを確認する。
(4)コニカルビーカーをよく振り混ぜながら、ビュレットから0.01mol/L EDTA・2Na溶液を滴下し、試料となる水が青色に変色した時点を滴定の終点とする。
(5)全硬度は下記の算出式で求める。
硬度(°dH)=T×0.01×F×56.0774×100/A
T:0.01mol/L EDTA・2Na溶液の滴定量(mL)
A:サンプル容量(20mL、試料となる水の容量)
F:0.01mol/L EDTA・2Na溶液のファクター
このドイツ硬度のためのカルシウム及びマグネシウムの濃度は、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩を使用したキレート滴定法で求められる。
本明細書における水のドイツ硬度の具体的な測定方法を下記に示す。
<水のドイツ硬度の測定方法>
〔試薬〕
・0.01mol/L EDTA・2Na溶液:エチレンジアミン四酢酸二ナトリウムの0.01mol/L水溶液(滴定用溶液、0.01 M EDTA-Na2、シグマアルドリッチ(SIGMA-ALDRICH)社製)
・Universal BT指示薬(製品名:Universal BT、(株)同仁化学研究所製)
・硬度測定用アンモニア緩衝液(塩化アンモニウム67.5gを28w/v%アンモニア水570mLに溶解し、イオン交換水で全量を1000mLとした溶液)
〔硬度の測定〕
(1)試料となる水20mLをホールピペットでコニカルビーカーに採取する。
(2)硬度測定用アンモニア緩衝液2mL添加する。
(3)Universal BT指示薬を0.5mL添加する。添加後の溶液が赤紫色であることを確認する。
(4)コニカルビーカーをよく振り混ぜながら、ビュレットから0.01mol/L EDTA・2Na溶液を滴下し、試料となる水が青色に変色した時点を滴定の終点とする。
(5)全硬度は下記の算出式で求める。
硬度(°dH)=T×0.01×F×56.0774×100/A
T:0.01mol/L EDTA・2Na溶液の滴定量(mL)
A:サンプル容量(20mL、試料となる水の容量)
F:0.01mol/L EDTA・2Na溶液のファクター
本発明の繊維製品の洗浄方法において、繊維製品の質量(kg)と洗浄液の量(リットル)の比で表される浴比の値、すなわち洗浄液の量(リットル)/繊維製品の質量(kg)(以下、この比を浴比とする場合もある)の値は、殺菌・除菌性能、洗浄性を確保する観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上、より更に好ましくは5以上、そして、好ましくは100以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは25以下、より更に好ましくは15以下である。
本発明の繊維製品の洗浄方法において、繊維製品を洗浄する時間は、洗浄性及び殺菌・除菌性能を確保する観点から、好ましくは1分以上、より好ましくは2分以上、更に好ましくは3分以上、そして、酵素活性を維持する観点から、好ましくは5時間以下、より好ましくは3時間以下、更に好ましくは1時間以下、より更に好ましくは30分以下、より更に好ましくは15分以下である。
本発明の繊維製品の洗浄方法において、繊維製品を洗浄する温度は、洗浄性及び殺菌・除菌性能を確保する観点から、好ましくは0℃以上、より好ましくは5℃以上、更に好ましくは10℃以上、より更に好ましくは20℃以上、そして、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、更に好ましくは30℃以下である。
本発明の繊維製品を洗浄する方法は、回転式洗浄方法にも適している。回転式洗浄方法とは、回転機器に固定されていない繊維製品が洗浄液と共に、回転軸の周りに回転する洗浄方法を意味する。回転式洗浄方法は回転式洗濯機により実施できる。回転式の洗濯機としては、具体的には、ドラム式洗濯機、パルセータ式洗濯機又はアジテータ式洗濯機が挙げられる。これらの回転式洗濯機は、それぞれ、家庭用として市販されているものを使用することができる。1回の洗濯に使用する水の量がより低減できる点で、近年、ドラム式洗濯機が急速に普及している、ドラム式洗濯機は、とりわけ洗浄時の水の量を低減できる。
<洗浄剤組成物の製造方法>
本発明は、前記(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含有する洗浄剤組成物の製造方法であって、
(a)成分及び(b)成分と(c)成分との接触状態を制御して、20℃、4°dHの水で500倍(質量基準)希釈した希釈物が、(1)20℃でpH9.5以上を示した後にpH5.5以上9以下を示す、及び(2)当該希釈物中で1μmol/L以上の濃度の有機過酸が生成する、を満たす洗浄剤組成物を得る、
洗浄剤組成物の製造方法を提供する。
本発明は、前記(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含有する洗浄剤組成物の製造方法であって、
(a)成分及び(b)成分と(c)成分との接触状態を制御して、20℃、4°dHの水で500倍(質量基準)希釈した希釈物が、(1)20℃でpH9.5以上を示した後にpH5.5以上9以下を示す、及び(2)当該希釈物中で1μmol/L以上の濃度の有機過酸が生成する、を満たす洗浄剤組成物を得る、
洗浄剤組成物の製造方法を提供する。
本発明の洗浄剤組成物の製造方法は、本発明の洗浄剤組成物を製造する方法として好適である。ここでのpH挙動は、本発明の洗浄剤組成物における経時的pH変動を意味する。
本発明の洗浄剤組成物の製造方法には、本発明の洗浄剤組成物で述べた事項を適宜適用することができる。例えば、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の具体例や好ましい態様は、本発明の洗浄剤組成物と同じである。
本発明の洗浄剤組成物の製造方法には、本発明の洗浄剤組成物で述べた事項を適宜適用することができる。例えば、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の具体例や好ましい態様は、本発明の洗浄剤組成物と同じである。
本発明の洗浄剤組成物の製造方法では、(a)成分及び(b)成分と(c)成分との接触状態の制御は、本発明の洗浄剤組成物で述べた接触制御手段で行うことができる。すなわち、(c)成分と、(a)成分及び(b)成分と分断した状態する、錠剤のように圧密化する、などの手段により、接触状態を制御できる。
表1、2の配合率に従って、以下の方法で洗浄組成物を得た。なお、表で用いた成分は以下のものである。
TAED:テトラアセチルエチレンジアミン
コーティングクエン酸:クエン酸CI(磐田化学)
PEG(被覆材):ポリエチレングリコール(K-PEG6000LA、花王株式会社)
陰イオン界面活性剤:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
非イオン界面活性剤:ポリオキシエチレン(平均付加モル数6)ラウリルエーテル
酵素:プロテアーゼ(サビナーゼ8.0T、ノボザイムズ社製)
TAED:テトラアセチルエチレンジアミン
コーティングクエン酸:クエン酸CI(磐田化学)
PEG(被覆材):ポリエチレングリコール(K-PEG6000LA、花王株式会社)
陰イオン界面活性剤:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
非イオン界面活性剤:ポリオキシエチレン(平均付加モル数6)ラウリルエーテル
酵素:プロテアーゼ(サビナーゼ8.0T、ノボザイムズ社製)
表1、2の組成で、以下の手順で実施例、比較例の洗浄組成物を得た。得られた洗浄剤組成物について、条件(1)、(2)及び、除菌活性値を以下の方法で評価した。結果を表に示した。なお、実施例の洗浄剤組成物は、例えば、繊維製品用洗浄剤組成物として実用上十分な洗浄力を示すものである。
<実施例1>
コハク酸を計量し、水溶性フィルム(モノソル社より提供、M8312、厚み88μm)で包み(2cm×2cm角)、シーラー(富士インパルス株式会社、P-200)でシールした。コハク酸を除くその他の成分を計量し、水溶性フィルムで包んだコハク酸とともに個装袋に入れ、洗浄剤組成物を得た。この洗浄剤組成物は、水溶性フィルムの質量を除いた成分の総量が2.0gであった。
コハク酸を計量し、水溶性フィルム(モノソル社より提供、M8312、厚み88μm)で包み(2cm×2cm角)、シーラー(富士インパルス株式会社、P-200)でシールした。コハク酸を除くその他の成分を計量し、水溶性フィルムで包んだコハク酸とともに個装袋に入れ、洗浄剤組成物を得た。この洗浄剤組成物は、水溶性フィルムの質量を除いた成分の総量が2.0gであった。
<実施例2>
コハク酸に替えてクエン酸を表の組成で用いた以外は、実施例1と同じ方法で洗浄剤組成物を得た。
コハク酸に替えてクエン酸を表の組成で用いた以外は、実施例1と同じ方法で洗浄剤組成物を得た。
<実施例3>
コハク酸に替えて酒石酸を表の組成で用いた以外は、実施例1と同じ方法で洗浄剤組成物を得た。
コハク酸に替えて酒石酸を表の組成で用いた以外は、実施例1と同じ方法で洗浄剤組成物を得た。
<実施例4>
コハク酸に替えてリンゴ酸を表の組成で用いた以外は、実施例1と同じ方法で洗浄剤組成物を得た。
コハク酸に替えてリンゴ酸を表の組成で用いた以外は、実施例1と同じ方法で洗浄剤組成物を得た。
<実施例5>
コハク酸に替えてコーティングクエン酸(クエン酸CI、磐田化学)を表の組成で用いた以外は、実施例1と同じ方法で洗浄剤組成物を得た。
コハク酸に替えてコーティングクエン酸(クエン酸CI、磐田化学)を表の組成で用いた以外は、実施例1と同じ方法で洗浄剤組成物を得た。
<実施例6>
水溶性フィルムとして、厚み51μmの水溶性フィルム(モノソル社より提供、M7030)を用い、組成を表の通り変更した以外は、実施例1と同じ方法で洗浄剤組成物を得た。
水溶性フィルムとして、厚み51μmの水溶性フィルム(モノソル社より提供、M7030)を用い、組成を表の通り変更した以外は、実施例1と同じ方法で洗浄剤組成物を得た。
<実施例7>
コハク酸を包む水溶性フィルムの厚みを88μmに変更した以外は、実施例6と同じ方法で洗浄剤組成物を得た。
コハク酸を包む水溶性フィルムの厚みを88μmに変更した以外は、実施例6と同じ方法で洗浄剤組成物を得た。
<実施例8>
コハク酸を計量し、水溶性フィルム(モノソル社より提供、M7030、厚み51μm)で包み(2cm×2cm角)、シーラー(富士インパルス株式会社、P-200)でシールした。更にこのシール物を、水溶性フィルム(モノソル社より提供、M8312、厚み88μm)で包み(3cm×3cm角)、シーラーでシールし、コハク酸を二層の水溶性フィルムで包装した。この例では、この二層の水溶性フィルムは接触制御手段である。コハク酸を除くその他の成分を計量し、水溶性フィルムで包んだ酸成分とともに個装袋に入れ、洗浄剤組成物を得た。この洗浄剤組成物は、水溶性フィルムの質量を除いた成分の総量が2.0gであった。
コハク酸を計量し、水溶性フィルム(モノソル社より提供、M7030、厚み51μm)で包み(2cm×2cm角)、シーラー(富士インパルス株式会社、P-200)でシールした。更にこのシール物を、水溶性フィルム(モノソル社より提供、M8312、厚み88μm)で包み(3cm×3cm角)、シーラーでシールし、コハク酸を二層の水溶性フィルムで包装した。この例では、この二層の水溶性フィルムは接触制御手段である。コハク酸を除くその他の成分を計量し、水溶性フィルムで包んだ酸成分とともに個装袋に入れ、洗浄剤組成物を得た。この洗浄剤組成物は、水溶性フィルムの質量を除いた成分の総量が2.0gであった。
<実施例9>
実施例8と同じ方法で、ただし、二層の水溶性フィルムで包装したコハク酸とその他の成分とを、更に水溶性フィルム(モノソル社より提供、M8312、厚み38μm)で包み、シーラーでシールして洗浄剤組成物を得た。
実施例8と同じ方法で、ただし、二層の水溶性フィルムで包装したコハク酸とその他の成分とを、更に水溶性フィルム(モノソル社より提供、M8312、厚み38μm)で包み、シーラーでシールして洗浄剤組成物を得た。
<実施例10及び11>
クエン酸と重炭酸ナトリウムを質量比1:1で混合し、打錠機(RIKEN)を用いて30MPaで打錠した(φ1.5cm)。得られた打錠物の表面に、80℃に加温して溶解させたPEG(K-PEG6000LA、花王)を表の配合量となるような量で刷毛で塗抹し、PEGコートされた打錠物を得た。その他の成分を計量し、個装袋に入れた後、打錠物を1個入れ、洗浄剤組成物2.0gを得た。
クエン酸と重炭酸ナトリウムを質量比1:1で混合し、打錠機(RIKEN)を用いて30MPaで打錠した(φ1.5cm)。得られた打錠物の表面に、80℃に加温して溶解させたPEG(K-PEG6000LA、花王)を表の配合量となるような量で刷毛で塗抹し、PEGコートされた打錠物を得た。その他の成分を計量し、個装袋に入れた後、打錠物を1個入れ、洗浄剤組成物2.0gを得た。
<比較例1>
コハク酸を水溶性フィルムで包まず、その他の成分と混合し、個装袋に入れ、洗浄剤組成物2.0gを得た。
コハク酸を水溶性フィルムで包まず、その他の成分と混合し、個装袋に入れ、洗浄剤組成物2.0gを得た。
<比較例2>
コハク酸を配合しなかった以外は、比較例1と同じ方法で洗浄剤組成物2.0gを得た。
コハク酸を配合しなかった以外は、比較例1と同じ方法で洗浄剤組成物2.0gを得た。
<比較例3>
過炭酸Na及びTAEDを配合せず、コハク酸の量を表の通りとした以外は、比較例1と同じ方法で洗浄剤組成物2.0gを得た。
過炭酸Na及びTAEDを配合せず、コハク酸の量を表の通りとした以外は、比較例1と同じ方法で洗浄剤組成物2.0gを得た。
<比較例4>
打錠物をPEGでコーティングしなかった以外は、実施例10と同じ方法で洗浄剤組成物2.0gを得た。
打錠物をPEGでコーティングしなかった以外は、実施例10と同じ方法で洗浄剤組成物2.0gを得た。
上記において、個装袋を用いる場合は個装袋をシーラでシールすることで、使い切り個装袋の形状の洗浄剤組成物を得た。なお、用いた個装袋は凸版印刷株式会社、GL FILMであった。
<条件(1):経時的pH変動の測定>
ガラスビーカー(アズワン、容量1L)に、水1L(水道水、水温20℃、3.8°DH)と撹拌子(長さ35mm、直径8mm)を入れ、スターラー(SST-172)で900rpmで回転させた。そこに、実施例又は比較例の洗浄剤組成物を1つ投入し、pHメーター(HORIBA製 pH/イオンメーター F-23)にpH測定用複合電極(HORIBA製 ガラス摺り合わせスリーブ型)を接続し、水のpH変化を測定した。なお、水溶性フィルムで包んだ洗浄剤組成物は、水溶性フィルムを除いた質量が2.0gとなるように、そのまま投入し、使い切り個装袋の形状の洗浄剤組成物は開封して洗浄剤組成物の質量が2.0gとなるように投入した。洗浄剤組成物を水に投入した時点(始点)から一定時間毎のpHの値を表1、2に示した。本発明で規定する条件(1)(経時的pH変動)を満たすものは○、満たさないものは×で示した。
ガラスビーカー(アズワン、容量1L)に、水1L(水道水、水温20℃、3.8°DH)と撹拌子(長さ35mm、直径8mm)を入れ、スターラー(SST-172)で900rpmで回転させた。そこに、実施例又は比較例の洗浄剤組成物を1つ投入し、pHメーター(HORIBA製 pH/イオンメーター F-23)にpH測定用複合電極(HORIBA製 ガラス摺り合わせスリーブ型)を接続し、水のpH変化を測定した。なお、水溶性フィルムで包んだ洗浄剤組成物は、水溶性フィルムを除いた質量が2.0gとなるように、そのまま投入し、使い切り個装袋の形状の洗浄剤組成物は開封して洗浄剤組成物の質量が2.0gとなるように投入した。洗浄剤組成物を水に投入した時点(始点)から一定時間毎のpHの値を表1、2に示した。本発明で規定する条件(1)(経時的pH変動)を満たすものは○、満たさないものは×で示した。
<条件(2):有機過酸生成量測定>
有機過酸生成量は、前記のヨードメトリー法に準じた方法で測定した。
本発明で規定する条件(2)(有機過酸生成量)を満たすものは○、満たさないものは×で示した。表には10分後の有機過酸生成量を示したが、実施例の洗浄剤組成物は、この測定法において、希釈が完了した時点(希釈物が調製された時点)から、1分以内に、希釈物中の有機過酸の濃度が1μmol/L以上となった。
有機過酸生成量は、前記のヨードメトリー法に準じた方法で測定した。
本発明で規定する条件(2)(有機過酸生成量)を満たすものは○、満たさないものは×で示した。表には10分後の有機過酸生成量を示したが、実施例の洗浄剤組成物は、この測定法において、希釈が完了した時点(希釈物が調製された時点)から、1分以内に、希釈物中の有機過酸の濃度が1μmol/L以上となった。
<除菌活性値測定>
綿布に付着した黄色ブドウ球菌に対する除菌性能を評価するための除菌試験を、実際の洗濯を想定し、Journal of the Association of Official Analytical Chemists 52;836-842に記載されているA.N.Petrocci等の方法に準拠して実施した。以下にその具体的な手順を示した。
綿布に付着した黄色ブドウ球菌に対する除菌性能を評価するための除菌試験を、実際の洗濯を想定し、Journal of the Association of Official Analytical Chemists 52;836-842に記載されているA.N.Petrocci等の方法に準拠して実施した。以下にその具体的な手順を示した。
(綿布の前処理)
除菌試験に供する綿布として、かなきん3号(JIS L0803準拠)を用い、試験前に以下に示す方法で前処理を行った。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び炭酸ナトリウムを各5g水に溶解し、希釈して1000mLとしたものを湿潤剤とした。湿潤剤2.5g及び炭酸ナトリウム2.5gを水に溶解して5Lの洗浄液を調製した。そこに綿布を入れ約1時間煮沸した後、蒸留水に換えて約5分間煮沸した。更に、5Lの冷蒸留水で約5分間攪拌し、風乾した。
除菌試験に供する綿布として、かなきん3号(JIS L0803準拠)を用い、試験前に以下に示す方法で前処理を行った。ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル及び炭酸ナトリウムを各5g水に溶解し、希釈して1000mLとしたものを湿潤剤とした。湿潤剤2.5g及び炭酸ナトリウム2.5gを水に溶解して5Lの洗浄液を調製した。そこに綿布を入れ約1時間煮沸した後、蒸留水に換えて約5分間煮沸した。更に、5Lの冷蒸留水で約5分間攪拌し、風乾した。
(試験布の裁断)
前処理を行った綿布を裁断し、2.5cm×3.75cmの綿布と5.3cm×275cmの綿布とを作成した。5.3cm×275cmの綿布はJournal of the Association of Official Analytical Chemists 52;837に記載のステンレス製スピンドルに巻きつけて、試験液と綿布との量比を実洗濯に近づけるための負荷布とした。2.5cm×3.75cmの綿布は、以下に示す方法で菌液を添加して試験布とした。なお、これ以降の操作は、記載がない限り、すべて121℃、10分間の滅菌処理を行った布、水、器具等を用いて実施した。
前処理を行った綿布を裁断し、2.5cm×3.75cmの綿布と5.3cm×275cmの綿布とを作成した。5.3cm×275cmの綿布はJournal of the Association of Official Analytical Chemists 52;837に記載のステンレス製スピンドルに巻きつけて、試験液と綿布との量比を実洗濯に近づけるための負荷布とした。2.5cm×3.75cmの綿布は、以下に示す方法で菌液を添加して試験布とした。なお、これ以降の操作は、記載がない限り、すべて121℃、10分間の滅菌処理を行った布、水、器具等を用いて実施した。
(黄色ブドウ球菌液の添加)
試験布をオートクレーブで121℃、25分間殺菌した後に、精製水10μLを試験布上に添加した。続けて、生菌数が5.0×108~5.0×109cfu/mLとなるように調整した黄色ブドウ球菌液1.9mLと、馬血清(invitrogen社製)0.1mLとの混合液を調製し、該混合液の20μLを前記試験布上に添加した。この試験布3枚を、ろ紙を敷いたシャーレに入れ、35±2℃に調温してある培養器中のりん酸水素二ナトリウム飽和水溶液で調湿されたデシケーター内で40分間保持した後、菌液を添加した試験布3枚を、スピンドルに巻きつけた負荷布の間に挿入した。
試験布をオートクレーブで121℃、25分間殺菌した後に、精製水10μLを試験布上に添加した。続けて、生菌数が5.0×108~5.0×109cfu/mLとなるように調整した黄色ブドウ球菌液1.9mLと、馬血清(invitrogen社製)0.1mLとの混合液を調製し、該混合液の20μLを前記試験布上に添加した。この試験布3枚を、ろ紙を敷いたシャーレに入れ、35±2℃に調温してある培養器中のりん酸水素二ナトリウム飽和水溶液で調湿されたデシケーター内で40分間保持した後、菌液を添加した試験布3枚を、スピンドルに巻きつけた負荷布の間に挿入した。
(洗浄剤組成物水溶液(処理液)の調製)
実施例又は比較例の洗浄剤組成物0.50gをガラス容器中に添加した後、全量が250gとなるように水を加えて、1分間撹拌したものを除菌評価用の処理液とした。
実施例又は比較例の洗浄剤組成物0.50gをガラス容器中に添加した後、全量が250gとなるように水を加えて、1分間撹拌したものを除菌評価用の処理液とした。
(除菌試験)
調製した処理液250mLを入れたガラス容器中に、試験布を挿入した負荷布を浸漬し、ガラス容器に蓋をして回転装置(マツシタ工業製)に装着して60回転/分の速度で10分間回転させた。試験終了後、ピンセットで試験布3枚を取り出し、50mLの遠沈管に0.5%のチオ硫酸ナトリウムを添加したSCDLP培地(日本製薬(株)製Soybean-Casein Digest Broth with Lectin&Polysorbate 80)を30mL入れ、試験管撹拌機で試験布に接種した試験菌を1分間洗い出した。その抽出液を0.5%のチオ硫酸ナトリウムを添加したSCDLP培地を用いて段階的に希釈し、希釈倍率の異なる希釈液(試験サンプル)を得た。
また、菌液を添加した後、処理液での処理を行わなかった試験布3枚についても同様に遠沈管による洗い出し、抽出液の希釈を行い、希釈倍率の異なる希釈液(対照サンプル)を得た。
試験サンプル、対照サンプルの各希釈液1.0mLを滅菌済みシャーレに分注し、ニュートリエント寒天培地15~20mLを加え、よく混合した。シャーレのふたをして室温で放置し、培地が固まった後、シャーレを倒置し、37℃恒温槽で1~2日培養した後、コロニー数をカウントすることにより生菌数を求めた。生菌数から除菌活性値Δlog(cfu/試験布)を下記の式により求めた。
除菌活性値(Δlog(cfu/試験布))=(対照サンプルの試験布の生菌数(cfu/試験布)の常用対数値)-(試験サンプルの試験布の生菌数(cfu/試験布)の常用対数値)
除菌活性値から除菌性能を以下のように評価した。
◎・・・log4≦除菌活性値
〇・・・log2≦除菌活性値<log4
×・・・除菌活性値<log2
調製した処理液250mLを入れたガラス容器中に、試験布を挿入した負荷布を浸漬し、ガラス容器に蓋をして回転装置(マツシタ工業製)に装着して60回転/分の速度で10分間回転させた。試験終了後、ピンセットで試験布3枚を取り出し、50mLの遠沈管に0.5%のチオ硫酸ナトリウムを添加したSCDLP培地(日本製薬(株)製Soybean-Casein Digest Broth with Lectin&Polysorbate 80)を30mL入れ、試験管撹拌機で試験布に接種した試験菌を1分間洗い出した。その抽出液を0.5%のチオ硫酸ナトリウムを添加したSCDLP培地を用いて段階的に希釈し、希釈倍率の異なる希釈液(試験サンプル)を得た。
また、菌液を添加した後、処理液での処理を行わなかった試験布3枚についても同様に遠沈管による洗い出し、抽出液の希釈を行い、希釈倍率の異なる希釈液(対照サンプル)を得た。
試験サンプル、対照サンプルの各希釈液1.0mLを滅菌済みシャーレに分注し、ニュートリエント寒天培地15~20mLを加え、よく混合した。シャーレのふたをして室温で放置し、培地が固まった後、シャーレを倒置し、37℃恒温槽で1~2日培養した後、コロニー数をカウントすることにより生菌数を求めた。生菌数から除菌活性値Δlog(cfu/試験布)を下記の式により求めた。
除菌活性値(Δlog(cfu/試験布))=(対照サンプルの試験布の生菌数(cfu/試験布)の常用対数値)-(試験サンプルの試験布の生菌数(cfu/試験布)の常用対数値)
除菌活性値から除菌性能を以下のように評価した。
◎・・・log4≦除菌活性値
〇・・・log2≦除菌活性値<log4
×・・・除菌活性値<log2
Claims (9)
- 下記(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含有する洗浄剤組成物であって、
前記洗浄剤組成物を20℃、4°dHの水で500倍(質量基準)希釈した希釈物が、(1)20℃でpH9.5以上を示した後にpH5.5以上9以下を示す、及び(2)当該希釈物中で1μmol/L以上の濃度の有機過酸が生成する、を満たす、
洗浄剤組成物。
(a)成分:漂白剤
(b)成分:漂白活性化剤
(c)成分:酸 - (c)成分を、(a)成分及び(b)成分と分断して含有する、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
- 分断が、水溶性材料による包装、及び水溶性材料による被覆から選ばれる1種以上の手段によりなされる、請求項2に記載の洗浄剤組成物。
- 固体状である、請求項1~3の何れか1項に記載の洗浄剤組成物。
- (c)成分が圧密成形体として配合されている、請求項1~4の何れか1項に記載の洗浄剤組成物。
- 繊維製品用である、請求項1~5の何れか1項に記載の洗浄剤組成物。
- 界面活性剤を含有する、請求項1~6の何れか1項に記載の洗浄剤組成物。
- 請求項1~7の何れか1項に記載の洗浄剤組成物及び水を混合して得た洗浄液で繊維製品を洗浄し、その後該繊維製品を水ですすぐ、繊維製品の洗浄方法。
- 下記(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含有する洗浄剤組成物の製造方法であって、
(a)成分及び(b)成分と(c)成分との接触状態を制御して、20℃、4°dHの水で500倍(質量基準)希釈した希釈物が、(1)20℃でpH9.5以上を示した後にpH5.5以上9以下を示す、及び(2)当該希釈物中で1μmol/L以上の濃度の有機過酸が生成する、を満たす洗浄剤組成物を得る、
洗浄剤組成物の製造方法。
(a)成分:漂白剤
(b)成分:漂白活性化剤
(c)成分:酸
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