JP2022103769A - 除菌水供給装置及びそれを用いた空気浄化システム - Google Patents

除菌水供給装置及びそれを用いた空気浄化システム Download PDF

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Abstract

【課題】比較的溶解しにくい固形塩素薬剤を迅速に、且つ、高濃度で溶解させて次亜塩素酸を生成し、希釈して所定濃度の次亜塩素酸を含有する除菌水として供給することができる除菌水供給装置及びそれを用いた空気浄化システムを提供する。【解決手段】除菌水供給装置1は、第一水に固形有機塩素薬剤8を溶解させて第一次亜塩素酸水を生成する溶解槽5と、第一次亜塩素酸水を第二水によって希釈し、所定の次亜塩素酸濃度を有する第二次亜塩素酸水を調製する希釈槽11と、第二次亜塩素酸水を除菌水として装置外に供給する送水ポンプ12と、を備える。そして、第一水は、第二水よりも高温であり、第一水と第二水の温度差が一定値以上となるように加熱される。【選択図】図1

Description

本発明は、有機塩素薬剤を用いて次亜塩素酸を含有する除菌水を生成する除菌水供給装置及びそれを用いた空気浄化システムに関するものである。
除菌脱臭を行う手段として次亜塩素酸を含有する除菌水を活用することは有効な手段であり、除菌水を直接洗浄等に活用する、また、揮発噴霧等で空間を除菌する等、様々なシーンで活用されている。特許文献1に示すように、除菌水を得る方法として、溶解時に次亜塩素酸を生成する固形塩素薬剤を水に溶解させることで次亜塩素酸含有水を得る方法が提案されている。
特開2019-154884号公報
しかしながら、固形塩素薬剤として、特に固形有機塩素薬剤を用いた場合には、溶解に一定の時間を要し、所定の次亜塩素酸濃度を有する次亜塩素酸含有水を得るのには時間がかかるという課題があった。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、比較的溶解しにくい固形塩素薬剤を迅速に、且つ、高濃度で溶解させて次亜塩素酸を生成し、希釈して所定濃度の次亜塩素酸を含有する除菌水として供給することができる除菌水供給装置及びそれを用いた空気浄化システムを提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明に係る除菌水供給装置は、第一水に固形有機塩素薬剤を溶解させて第一次亜塩素酸水を生成する溶解槽と、第一次亜塩素酸水を第二水によって希釈し、所定の次亜塩素酸濃度を有する第二次亜塩素酸水を調製する希釈槽と、第二次亜塩素酸水を除菌水として装置外に供給する送水ポンプと、を備える。そして、第一水は、第二水よりも高温であり、第一水と第二水の温度差が一定値以上となるように加熱されることを特徴とする。
また、本発明に係る空気浄化システムは、上述した除菌水供給装置と、流入した液体を気化させる気液接触部と、気液接触部を通風する空気を対象空間に放出する送風機と、を備える。そして、気液接触部は、希釈槽から送出される第二次亜塩素酸水を通水可能な構成とすることを特徴とする。これらにより所期の目的を達成するものである。
本発明によれば、比較的溶解しにくい固形塩素薬剤を迅速に、且つ、高濃度で溶解させて次亜塩素酸を生成し、希釈して所定濃度の次亜塩素酸を含有する除菌水として供給することができる除菌水供給装置及びそれを用いた空気浄化システムとすることができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る除菌水供給装置を示す模式図である。 図2は、除菌水供給装置における制御部の構成を示すブロック図である。 図3は、除菌水供給装置による除菌水供給処理を示すフローチャートである。 図4は、本発明の実施の形態2に係る空気浄化システムを示す模式図である。
本発明に係る除菌水供給装置では、第一水に固形有機塩素薬剤を溶解させて第一次亜塩素酸水を生成する溶解槽と、第一次亜塩素酸水を第二水によって希釈し、所定の次亜塩素酸濃度を有する第二次亜塩素酸水を調製する希釈槽と、第二次亜塩素酸水を除菌水として装置外に供給する送水ポンプと、を備える。そして、第一水は、第二水よりも高温であり、第一水と第二水の温度差が一定値以上となるように加熱される。こうした構成によれば、加熱した第一水を用いることにより、比較的溶解しにくい固形有機塩素薬剤を迅速に、且つ、高濃度で溶解させて第一次亜塩素酸水を生成することができる。そして、生成した第一次亜塩素酸水を希釈することにより、所定の濃度の次亜塩素酸を含有する除菌水とすることができる。このため、除菌水供給装置は、固形有機塩素薬剤から生成される次亜塩素酸水を除菌水として迅速に供給することができる。
また、本発明に係る除菌水供給装置では、第二水を加熱して第一水とする加熱部をさらに備える。そして、第一水は、加熱部により加熱され、第二水との温度差が一定値以上の状態で溶解槽に供給されることが好ましい。これにより、加熱された第一水が溶解槽に流入し、固形有機塩素薬剤の溶解に供されるため、溶解槽内での固形有機塩素薬剤の溶解がより迅速に進行し、第一次亜塩素酸水が得られる。第一次亜塩素酸水の希釈により、第二次亜塩素酸水が得られるため、次亜塩素酸水を含有する除菌水をより迅速に供給することができる。
また、本発明に係る除菌水供給装置では、第一水の温度は、45℃~90℃であることが好ましい。これにより、固形有機塩素薬剤の溶解がより迅速に進行し、高濃度の次亜塩素酸を含有する第一次亜塩素酸水が得られる。第一次亜塩素酸水の希釈により、第二次亜塩素酸水が得られるため、次亜塩素酸水を含有する除菌水をより迅速に供給することができる。
また、本発明に係る除菌水供給装置では、固形有機塩素薬剤は、ジクロロイソシアヌール酸ナトリウム及びトリクロロイソシアヌール酸を含む薬剤であることが好ましい。これにより、溶解性の高いジクロロイソシアヌール酸ナトリウムが溶解することで、トリクロロイソシアヌール酸の溶解性を高めることができ、固形有機塩素薬剤が第一水に溶解しやすくなるため、より迅速に次亜塩素酸を含有する除菌水を供給することができる。
また、本発明に係る空気浄化システムは、上述した除菌水供給装置と、流入した液体を気化させる気液接触部と、気液接触部を通風する空気を対象空間に放出する送風機と、を備える。そして、気液接触部は、液体として、希釈槽から送出される第二次亜塩素酸水を通水可能な構成とする。こうした構成によれば、除菌水供給装置にて生成した次亜塩素酸を含む除菌水を気化させ、対象空間に放出することができる。そのため、固形有機塩素薬剤の溶解により生成した除菌水を用いて対象空間の浄化を行う空気浄化システムとすることができる。
以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。また、全図面を通して、同一の部位については同一の符号を付して説明を省略している。さらに、本発明に直接には関係しない各部の詳細については重複を避けるために、図面ごとの説明は省略している。
(実施の形態1)
図1を参照して、本発明の実施の形態1に係る除菌水供給装置1について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る除菌水供給装置1の模式図である。
(全体構成)
除菌水供給装置1は、外部から得られる市水(第二水)に固形有機塩素薬剤8を溶解させた後に希釈し、除菌水として供給する装置である。
具体的には、除菌水供給装置1は、流入口2と、溶解槽5と、薬剤供給部7と、希釈槽11と、送水ポンプ12と、制御部15と、を有して構成される。
(流入口)
流入口2は、外部から得られる市水を装置内に導入するための開口である。流入口2は、第一流入口2aと、第二流入口2bとを含んで構成される。第一流入口2aは、第一給水流路3aによって溶解槽5と連通接続されている。第二流入口2bは、第二給水流路3bによって希釈槽11と連通接続されている。
第一流入口2aは、第二水を溶解槽5に導入するための開口である。第二流入口2bは、市水を希釈槽11に導入するための開口である。
(給水流路)
第一給水流路3aは、第一電磁弁4a及び加熱部9を備える流路である。第一給水流路3aは、第一流入口2aから流入する第二水を加熱部9によって加熱し、第一水とした後、溶解槽5へ供給する。
第二給水流路3bは、第二電磁弁4bを備える流路である。第二給水流路3bは、第二流入口2bから流入する第二水を希釈槽11に供給する。
第二水は、外部から得られる市水であり、第二給水流路3bを流通させる際には、加熱処理は行われない。一方、第二水は、第一給水流路3aを流通させる際には、加熱処理されて第一水として供給される。
第一水は、第一流入口2aから流入した第二水を加熱部9により加熱した水である。そのため、第一水及び第二水には一定値(例えば25℃~70℃)以上の温度差があり、第一水は、第二水よりも高温である。この温度差は、第一水の加熱状況及び市水(第二水)の温度によって変化する。なお、第一水は、後述する固形有機塩素薬剤8の溶解を促進させるために加熱部9によりに加熱され、その温度は、固形有機塩素薬剤8を速やかに溶解可能な温度(例えば45℃~90℃)とする。そして、固形有機塩素薬剤8の溶解を速やかに行うために、第一水の温度は、第一水が沸騰しない範囲で可能な限り高温とすることが好ましい。
(加熱部)
加熱部9は、第一流入口2aから流入する第二水を加熱し、第一水とする部材である。加熱部9は、第一給水流路3aにおける第一流入口2aの後段、且つ、溶解槽5の前段に設けられる。加熱部9として、例えば第一給水流路3aを構成する配管の外周に巻き付けられて設置されるヒーターを用いることができる。加熱部9により加熱された第一水は、溶解槽5に流入し、固形有機塩素薬剤8の溶解に供される。また、加熱部9は、後述する制御部15と無線又は有線により通信可能に接続されている。
(電磁弁)
第一電磁弁4a、第二電磁弁4b、及び第三電磁弁4cは、各流路にそれぞれ設けられ、各流路において「開放」した状態と、「閉止」した状態とを切り替える。また、第一電磁弁4a、第二電磁弁4b、及び第三電磁弁4cのそれぞれは、後述する制御部15と無線又は有線により通信可能に接続され、制御部15からの信号により開閉される。
(溶解槽)
溶解槽5は、加熱部9により加熱された第一水によって、薬剤供給部7から供給される固形有機塩素薬剤8を溶解させ、第一次亜塩素酸水を生成させるための槽である。溶解槽5は、第一給水流路3aにより第一流入口2aと連通接続される。また、溶解槽5は、第一供給流路10aにより希釈槽11と連通接続される。溶解槽5は、槽内部に、第一フロートスイッチ6aを有する。
溶解槽5では、第一水により、固形有機塩素薬剤8の溶解が行われる。固形有機塩素薬剤8の溶解には、流入口2から流入する第二水ではなく、第二水の加熱により生じる第一水を用いる。このようにすることで、比較的溶解しにくい固形有機塩素薬剤8を高濃度、且つ、短時間(例えば5分)で溶解させることができ、第一次亜塩素酸水とすることができる。生成した第一次亜塩素酸水は、第一供給流路10aにより、希釈槽11へと送出される。
第一フロートスイッチ6aは、溶解槽5の水位を検知するユニットである。第一フロートスイッチ6aは、溶解槽5の内部に設けられる。第一フロートスイッチ6aは、溶解槽5が満水状態の水位であるか、渇水状態の水位であるかを検知する。第一フロートスイッチ6aが検知した水位情報を基にして、溶解槽5への第一水の流入及び溶解槽5からの第一次亜塩素酸水の送出が制御される。第一フロートスイッチ6aは、無線又は有線により制御部15と通信可能に接続され、検出した水位情報は、制御部15の入力信号として用いられる。
(薬剤供給部)
薬剤供給部7は、固形有機塩素薬剤8を貯蔵し、制御部15からの信号により、固形有機塩素薬剤8を溶解槽5へ供給する部材である。薬剤供給部7は、溶解槽5の内部ではなく、外部に設けられることが好ましい。これは、溶解槽5の内部には加熱された第一水が流入し、槽内に湯気が立ち込めているため、固形有機塩素薬剤8が薬剤供給部7の内部で潮解することを抑制するためである。なお、薬剤供給部7は、後述する制御部15と無線又は有線により通信可能に接続されている。
また、固形有機塩素薬剤8は、遊離塩素としての成分を有する薬剤(例えば、ジクロロイソシアヌール酸ナトリウム、トリクロロイソシアヌール酸)である。本実施の形態では、水への溶解性を高めるために、固形有機塩素薬剤8として、ジクロロイソシアヌール酸ナトリウム及びトリクロロイソシアヌール酸の混合薬剤を用いている。このようにすることで、溶解性の比較的高いジクロロイソシアヌール酸ナトリウムが先に溶解し、固形有機塩素薬剤8が崩壊するため、トリクロロイソシアヌール酸と水との接触面積が増大する。したがって、比較的溶解性の低いトリクロロイソシアヌール酸が水に溶解しやすくなり、固形有機塩素薬剤8の溶解性を向上させることができる。なお、ジクロロイソシアヌール酸ナトリウム及びトリクロロイソシアヌール酸は、水に溶解した際に、次亜塩素酸と対となる有機分子成分であるシアヌール酸が生成する。
(希釈槽)
希釈槽11は、溶解槽5から送出される第一次亜塩素酸水と、第二流入口2bから導入される第二水を混合し、第一次亜塩素酸水の希釈を行い、第二次亜塩素酸水を生成する槽である。つまり、希釈槽11には、溶解槽5と連通接続された第一供給流路10aにより、第一次亜塩素酸水が流入する。また、希釈槽11には、第二流入口2bと連通接続された第二給水流路3bにより、第二水が流入する。そして、第一次亜塩素酸水が第二水により希釈されることにより、目的に応じた濃度の次亜塩素酸を含有する第二次亜塩素酸水が得られる。
また、希釈槽11の下流側は、第二供給流路10bと接続されている。したがって、希釈槽11により生成された第二次亜塩素酸水は、第二供給流路10bに設けられた送水ポンプ12により、除菌水供給装置1外に送出され、除菌水として活用可能となる。
希釈槽11の内部には、第二フロートスイッチ6bが設けられている。第二フロートスイッチ6bは、希釈槽11の水位を検知するユニットである。第二フロートスイッチ6bは、希釈槽11が満水状態の水位であるか、渇水状態の水位であるかを検知する。第二フロートスイッチ6bが検知した水位情報を基にして、希釈槽11への第二水の流入が制御される。第二フロートスイッチ6bは、無線又は有線により制御部15と通信可能に接続され、検出した水位情報は、制御部15の入力信号として用いられる。
(制御部)
次に、図2を参照して、除菌水供給装置1における制御部15について説明する。図2は、除菌水供給装置1における制御部15の構成を示すブロック図である。
制御部15は、第一電磁弁4a、第二電磁弁4b、第三電磁弁4c、薬剤供給部7、加熱部9、及び送水ポンプ12の各動作を制御する。制御部15は、図2に示すように、入力部16、処理部17、及び出力部18を備える。
入力部16は、第一フロートスイッチ6aが検出した溶解槽5の水位情報(第一水位情報)と、第二フロートスイッチ6bが検出した希釈槽11の水位情報(第二水位情報)を受け付ける。入力部16は、受け付けた各情報を処理部17に出力する。
処理部17は、入力部16からの第一水位情報及び第二水位情報を受け付ける。処理部17は、第一水位情報を用いて、溶解槽5における第一次亜塩素酸水の生成動作に関する制御情報(第一制御情報)を特定する。また、処理部17は、第二水位情報を用いて、希釈槽11における第二次亜塩素酸水の生成動作に関する制御情報(第二制御情報)を特定する。
そして、処理部17は、それぞれ特定した制御情報(第一制御情報、第二制御情報)を出力部18に出力する。
出力部18は、処理部17からの制御情報を受け付ける。出力部18は、第一電磁弁4a、第二電磁弁4b、第三電磁弁4c、薬剤供給部7、加熱部9、及び送水ポンプ12とそれぞれ電気的に接続される。そして、出力部18は、受け付けた制御情報に基づいて、加熱部9での第一水生成動作、溶解槽5での第一次亜塩素酸水生成動作、及び希釈槽11での第二次亜塩素酸水生成動作を制御する信号を出力する。
そして、第一電磁弁4a、第三電磁弁4c、及び薬剤供給部7は、出力部18からの信号を受け付け、受け付けた信号に基づき、第一次亜塩素酸水の生成動作の制御を実行する。また、第二電磁弁4b、希釈槽11、及び送水ポンプ12は、出力部18からの信号を受け付け、受け付けた信号に基づき、第二次亜塩素酸水の生成動作の制御を実行する。また、加熱部9は、受け付けた信号に基づき、第一水の生成動作の制御を実行する。
以上のようにして、制御部15は、第一電磁弁4a、第二電磁弁4b、第三電磁弁4c、薬剤供給部7、加熱部9、及び送水ポンプ12の各動作を制御させる。
(除菌水供給処理)
次に、図3を参照して、除菌水供給装置1による除菌水供給処理について説明する。図3は、除菌水供給装置1による除菌水供給処理を示すフローチャートである。除菌水供給処理は、薬剤溶解処理、次亜塩素酸水希釈処理、及び外部供給処理の3段階の処理を有する。
(薬剤溶解処理)
薬剤溶解処理は、第一水によって固形有機塩素薬剤8の溶解を行い、第一次亜塩素酸水を生成する処理である。
まず、図3に示すように、制御部15は、除菌水供給装置1の起動に伴い、加熱部9を起動する(ステップS01)。これにより、加熱部9は、第一給水流路3a内の市水(第二水)を加熱し、第一水を生成可能となる。
次に、制御部15は、次亜塩素酸水供給のループを開始する(ステップS02)。そして、制御部15は、所定量の固形有機塩素薬剤8を薬剤供給部7から溶解槽5へ投入するように制御を行う(ステップS03)。この時、第一電磁弁4a及び第三電磁弁4cは、閉止している。なお、所定量とは、溶解槽5にて第一次亜塩素酸水を生成し、さらに希釈槽11にて希釈し、所望の次亜塩素酸濃度を有する第二次亜塩素酸水(除菌水)とするために必要な量である。
その後、制御部15は、第一電磁弁4aを開放することにより、溶解槽5への給水(第一水の供給)を開始する(ステップS04及びステップS05)。そして、溶解槽5の内部に設けられた第一フロートスイッチ6aにより、溶解槽5の水位が第一水位となったことが検知される(ステップS06)。なお、第一水位とは、溶解槽5が満水となった時の水位である。そして、制御部15は、第一電磁弁4aを閉止する(ステップS07)。この時、溶解槽5では、加熱された第一水による固形有機塩素薬剤8の溶解が迅速に進行し、高濃度の次亜塩素酸を含有する第一次亜塩素酸水が生成する。
そして、制御部15は、希釈槽11への第一次亜塩素酸水の供給が必要となった場合には、第三電磁弁4cを開放する(ステップS07)。これにより、第一次亜塩素酸水は、溶解槽5から第一供給流路10aを流通し、希釈槽11に流入する。
その後、第一フロートスイッチ6aにより、溶解槽5の水位が第二水位以下になったことが検知される(ステップS08)。すると、第三電磁弁4cが閉止され、溶解槽5から希釈槽11への第一次亜塩素酸水の供給が停止される(ステップS09)。これにより、溶解槽5にて生成された所定量の第一次亜塩素酸水が希釈槽11に送出される。なお、第二水位とは、溶解槽5が渇水となった時の水位である。
そして、薬剤溶解処理が終了すると、次亜塩素酸水希釈処理へと移行する。
(次亜塩素酸水希釈処理)
次亜塩素酸水希釈処理は、薬剤溶解手順により生成した第一次亜塩素酸水を、第二水により希釈し、所定の濃度の次亜塩素酸を含有する第二次亜塩素酸水とする処理である。
まず、制御部15は、第二電磁弁4bを開放することにより、希釈槽11への給水(第二水の供給)を開始する(ステップS10及びステップS11)。その後、第二フロートスイッチ6bにより、希釈槽11の水位が第三水位以上になったことが検知される(ステップS12)。すると、制御部15は、第二電磁弁4bを閉止し、希釈槽11への第二水の供給を停止する(ステップS13)。これにより、希釈槽11に供給された第一次亜塩素酸水が、第二水により希釈され、所定の次亜塩素酸水濃度を有する第二次亜塩素酸水となり、除菌水として活用可能となる。なお、第三水位とは、希釈槽11が満水となった時の水位である。
そして、次亜塩素酸水希釈処理が終了すると、外部供給処理へと移行する。
(外部供給処理)
外部供給処理は、次亜塩素酸水希釈処理により生成した第二次亜塩素酸水を、送水ポンプ12により、除菌水供給装置1外に供給し、除菌水として活用可能にする処理である。
ステップS13による第二電磁弁4bの閉止後、外部への第二次亜塩素酸水の供給が必要となった場合には、制御部15は、送水ポンプ12を起動する(ステップS14)。これにより、希釈槽11内の第二次亜塩素酸水が、第二供給流路10bを流通し、除菌水供給装置1外に送出される(ステップS15)。そして、除菌水供給装置1外に送出された第二次亜塩素酸水は、除菌水として使用される。
そして、除菌水供給装置1では、第二次亜塩素酸水の外部への送出が継続的に行われると、希釈槽11内の水位が減少していく。その後、第二フロートスイッチ6bにより、希釈槽11の水位が第四水位以下となったことが検知される(ステップS16)。すると、制御部15は、送水ポンプ12を停止させ、ステップS02に戻り、その後の各ステップを繰り返して実行させる。なお、第四水位とは、例えば希釈槽11に容積の2割程度の水が存在するときの水位である。第四水位をこのように定義したのは、希釈槽11内に常に第二次亜塩素酸水が存在し、第二次亜塩素酸水を外部に継続して供給できるようにするためである。
そして、制御部15は、除菌水供給装置1の停止信号が入力されると、次亜塩素酸水供給のループを停止する(ステップS17)。その後、制御部15は、動作中であれば加熱部9及び送水ポンプ12のそれぞれを停止する(ステップS18)。これにより、加熱部9による市水の加熱及び送水ポンプ12による装置外への第二次亜塩素酸水の送出が停止される。
以上のようにして、除菌水供給装置1では、薬剤溶解処理、次亜塩素酸水希釈処理、及び外部供給処理の3段階の処理が実行される。
以上、本実施の形態1に係る除菌水供給装置1によれば、以下の効果を享受することができる。
(1)除菌水供給装置1は、第一水に固形有機塩素薬剤8を溶解させて第一次亜塩素酸水を生成する溶解槽5と、第一次亜塩素酸水を第二水によって希釈し、所定の次亜塩素酸濃度を有する第二次亜塩素酸水を調製する希釈槽11と、第二次亜塩素酸水を除菌水として装置外に供給する送水ポンプ12と、を備える。そして、第一水は、第二水よりも高温であり、第一水と第二水の温度差が一定値以上となるように加熱されるようにした。
こうした構成によれば、加熱した第一水を用いることにより、比較的溶解しにくい固形有機塩素薬剤8を迅速に、且つ、高濃度で溶解させて第一次亜塩素酸水を生成することができる。そして、生成した第一次亜塩素酸水を希釈することにより、所定の濃度の次亜塩素酸を含有する除菌水とすることができる。このため、除菌水供給装置は、固形有機塩素薬剤8から生成される次亜塩素酸水を除菌水として迅速に供給することができる。
(2)除菌水供給装置1では、第二水を加熱して第一水とする加熱部9をさらに備えるようにした。そして、第一水は、加熱部9により加熱され、第二水との温度差が一定値以上の状態で溶解槽5に供給される。これにより、加熱された第一水が溶解槽5に流入し、固形有機塩素薬剤8の溶解に供されるため、溶解槽5内での固形有機塩素薬剤8の溶解がより迅速に進行し、第一次亜塩素酸水が得られる。そして、第一次亜塩素酸水の希釈により、第二次亜塩素酸水が得られるため、次亜塩素酸水を含有する除菌水をより迅速に供給することができる。
(3)除菌水供給装置1では、第一水の温度は、45℃~90℃であるようにした。これにより、固形有機塩素薬剤8の溶解がより迅速に進行し、第一次亜塩素酸水が得られる。第一次亜塩素酸水の希釈により、第二次亜塩素酸水が得られるため、次亜塩素酸水を含有する除菌水をより迅速に供給することができる。
(4)除菌水供給装置1では、固形有機塩素薬剤8は、ジクロロイソシアヌール酸ナトリウム及びトリクロロイソシアヌール酸を含む薬剤であるようにした。これにより、溶解性の高いジクロロイソシアヌール酸ナトリウムが溶解することで、トリクロロイソシアヌール酸の溶解性を高めることができ、固形有機塩素薬剤8が第一水に溶解しやすくなるため、より迅速に次亜塩素酸を含有する除菌水を供給することができる。
(実施の形態2)
図4を参照して、本発明の実施の形態2に係る空気浄化システム100について説明する。図4は、本発明の実施の形態2に係る空気浄化システム100の模式図である。以下、実施の形態1で説明済みの内容は再度の説明を適宜省略し、実施の形態1と異なる点を主に説明する。
(全体構成)
空気浄化システム100は、外部から得られる市水である第二水に固形有機塩素薬剤8を溶解させた後に希釈し、次亜塩素酸を含む除菌水を生成した後、気液接触により空気中に次亜塩素酸を放出し、空間の除菌を行うシステムである。
具体的には、空気浄化システム100は、除菌水供給装置1aと、空気調和装置20とを備えて構成される。除菌水供給装置1aは、流入口2と、溶解槽5と、薬剤供給部7と、希釈槽11と、送水ポンプ12と、制御部15aと、を備えて構成される。また、空気調和装置20は、還気ダクト21と、フィルタ22と、空気冷却器23と、空気加熱器24と、気液接触部25と、送風機26と、給気ダクト27と、ドレンパン28と、排水流路29と、熱源装置30と、複数の流路(流路31~流路34)と、制御部35とを備えて構成される。
(希釈槽)
希釈槽11は、第二供給流路10bにより、気液接触部25と連通接続されている。第二次亜塩素酸水は、空気調和装置20からの要求に応じて、第二供給流路10bに設けられた送水ポンプ12により、気液接触部25に送出される。
(送水ポンプ)
送水ポンプ12は、第二供給流路10b上に設けられる。送水ポンプ12は、希釈槽11によって生成した第二次亜塩素酸水を、気液接触部25に供給するためのポンプである。
(制御部)
制御部15aは、後述する制御部35からの信号に基づいて、空気調和装置20への送水を行うように除菌水供給装置1aを制御する。制御部15aは、無線又は有線により制御部35と通信可能に接続される。なお、制御部15aは、制御部15と同様の構成であり、且つ、同様の制御を行う。
(空気調和装置)
空気調和装置20は、装置外部から取り込んだ空気の温度及び湿度の調節を行い、希釈槽11から送出される第二次亜塩素酸水を気化させ、除菌対象空間に放出することにより、除菌対象空間の除菌を行う。空気調和装置20は、上述した通り、還気ダクト21と、フィルタ22と、空気冷却器23と、空気加熱器24と、気液接触部25と、送風機26と、給気ダクト27と、ドレンパン28と、排水流路29と、熱源装置30と、複数の流路(流路31~流路34)と、制御部35とを備える。空気調和装置20に導入された空気は、還気ダクト21、フィルタ22、空気冷却器23、空気加熱器24、気液接触部25、及び送風機26の順に通風され、給気ダクト27により、装置外に排出される。
還気ダクト21は、空気調和装置20内に空気を導入するための開口である。還気ダクト21により導入された空気から、フィルタ22により、塵及び埃等の不純物が除去される。
フィルタ22は、導入された空気から塵及び埃等の不純物を除去する。フィルタ22を通過した空気は、空気冷却器23へと通風される。
空気冷却器23は、通過する空気の冷却を行うユニットである。空気冷却器23は、流路31及び流路32により熱源装置30と連通接続されている。空気冷却器23には、熱源装置30から流路31を流通して冷水が流入し、冷水は、空気冷却器23内を通水する。流入した冷水と、空気冷却器23を通過する空気との間で熱交換が行われ、通過した空気の冷却が行われる。熱交換が行われた冷水は、流路32を流通し、熱源装置30へと送水される。この時、結露により発生する水は、ドレンパン28により回収される。空気冷却器23を通過した空気は、空気加熱器24へと通風される。空気冷却器23は、無線又は有線により制御部35と通信可能に接続され、制御部35により制御される。
空気加熱器24は、通過する空気の加熱を行うユニットである。空気加熱器24は、流路33及び流路34により熱源装置30と連通接続されている。空気加熱器24には、熱源装置30から流路33を流通して温水が流入し、温水は、空気加熱器24内を通水する。流入した温水と、空気加熱器24を通過する空気との間で熱交換が行われ、通過した空気の加熱が行われる。熱交換が行われた温水は、流路34を流通し、熱源装置30へと送水される。この時、結露により発生する水は、ドレンパン28により回収される。空気加熱器24を通過した空気は、気液接触部25へと通風される。空気加熱器24は、無線又は有線により制御部35と通信可能に接続され、制御部35により制御される。
気液接触部25は、内部に取り入れた空気を加湿するユニットであり、加湿の際に、空気中に次亜塩素酸水(除菌水供給装置1aからの第二次亜塩素酸水)を含ませる。気液接触部25は、第二供給流路10bによって希釈槽11と連通接続されている。つまり、希釈槽11で生成した第二次亜塩素酸水は、第二供給流路10bに設けられた送水ポンプ12により、気液接触部25に供給される。気液接触部25は、希釈槽11から送出される第二次亜塩素酸水を含有することが可能な構造(例えばフィルタ)を有する。そのため、気液接触部25を通過する空気に、第二次亜塩素酸水を含有させることが可能となる。第二次亜塩素酸水を含んだ空気が気化することにより、除菌対象空間内に次亜塩素酸が放出され、除菌対象空間の除菌が行われる。なお、除菌水供給装置1aの動作中には、気液接触部25に第二次亜塩素酸水が常時供給されるため、気液接触部25が含有しきれなかった第二次亜塩素酸水は、ドレンパン28によって回収される。
送風機26は、気液接触部25の後段、且つ、給気ダクト27の前段に設けられる。送風機26は、空気調和装置20内の空気を外部に排出することにより、還気ダクト21から給気ダクト27へ向かう空気の流れを生成する。これにより、除菌脱臭対象となる空気を空気調和装置20内に流入させることができる。送風機26により、次亜塩素酸を含む空気が除菌対象空間に放出され、空間の除菌を行うことが可能となる。また、送風機26は、後述する制御部35と無線又は有線により通信可能に接続され、制御部35により制御される。
給気ダクト27は、空気調和装置20内の空気を除菌対象空間に放出するための開口である。給気ダクト27から、次亜塩素酸を含む空気が除菌対象空間に放出され、空間の除菌を行うことが可能となる。
ドレンパン28は、空気調和装置20内の水を集めるための受け皿である。ドレンパン28は、空気冷却器23、空気加熱器24、及び気液接触部25の下部に設けられ、空気冷却器23、空気加熱器24、及び気液接触部25から流出する水を回収する。
排水流路29は、空気調和装置20内に溜まった水を排水するための流路である。排水流路29は、ドレンパン28と接続され、ドレンパン28により集められた水を装置外に排出する。
熱源装置30は、市水の冷却及び加熱を行い、空気冷却器23に供給するための冷水及び空気加熱器24に供給する温水とする装置である。熱源装置30は、無線又は有線により制御部35と通信可能に接続され、制御部35により制御される。
流路31は、熱源装置30により冷却された市水を、熱源装置30から空気冷却器23へ送水する流路である。
流路32は、空気冷却器23を通水した市水を熱源装置30へ送水する流路である。
流路33は、熱源装置30により加熱された市水を、熱源装置30から空気加熱器24へ送水する流路である。
流路34は、空気加熱器24を通水した市水を熱源装置30へ送水する流路である。
制御部35は、空気冷却器23、空気加熱器24、送風機26、及び熱源装置30の各動作を制御する。制御部35は、無線又は有線により制御部15aと通信可能に接続される。
(空気浄化処理)
次に、空気浄化システム100による空気浄化処理について説明する。空気浄化処理は、実施の形態1で示した除菌水供給処理(ステップS01~ステップS17)に加え、除菌水気化処理を有する。空気浄化処理は、除菌水供給処理、除菌水気化処理の順で行われる。なお、実施の形態1の除菌水供給処理のステップS15で示した「除菌水供給装置1外に送出される」の除菌水供給装置1外とは、本実施の形態2においては、気液接触部25とする。つまり、本実施の形態2では、送水ポンプ12によって希釈槽11から送出された第二次亜塩素酸水は、気液接触部25に流入する。
(除菌水気化処理)
除菌水気化処理は、除菌水供給装置1aから送出された除菌水(第二次亜塩素酸水)を、空気調和装置20によって気化させ、除菌対象空間に放出する処理である。
まず、制御部35は除菌水気化処理の開始に伴い、送風機26を起動する。これにより、空気調和装置20内の空気が除菌対象空間に排出され、還気ダクト21から空気が導入される。導入された空気は、フィルタ22により不純物の除去が行われる。その後、空気冷却器23及び空気加熱器24によって熱交換され、調温された空気となる。そして、気液接触部25を通過することにより、空気の加湿が行われる。加湿の際に、気液接触部25を通過した空気は、第二次亜塩素酸水を含有する。第二次亜塩素酸水を含む空気は、送風機26により給気ダクト27から除菌対象空間に放出され、気化することにより、除菌対象空間内に次亜塩素酸が放出され、除菌対象空間の除菌が行われる。
最後に、制御部15aは、動作中であれば、加熱部9及び送水ポンプ12のそれぞれを停止する。また、制御部35は、動作中であれば、送風機26を停止する。これにより、除菌水供給装置1aによる除菌水の生成及び空気調和装置20による除菌対象空間への次亜塩素酸を含む空気の放出が停止される。
以上のようにして、空気浄化システム100では、制御部15aによって、除菌水供給装置1aでの除菌水供給処理の制御及び空気調和装置20での除菌水気化処理の制御が行われ、空気浄化処理が実行される。
本実施の形態2に係る空気浄化システム100によれば、以下の効果を享受することができる。
(5)空気浄化システム100は、除菌水供給装置1aと、流入した液体を気化させる気液接触部25と、気液接触部25を通風する空気を対象空間に放出する送風機26と、をさらに備える。そして、気液接触部25は、流入する液体として、希釈槽11から送出される第二次亜塩素酸水を通水可能とするように構成した。これにより、除菌水供給装置1aにて生成した次亜塩素酸を含む除菌水を気化させ、対象空間に放出することができる。そのため、固形有機塩素薬剤の溶解により生成した除菌水を用いて対象空間の浄化を行う空気浄化システム100とすることができる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
本実施の形態1に係る除菌水供給装置1では、溶解槽5は、希釈槽11の外部に配置されたが、これに限られない。例えば、溶解槽5が、希釈槽11の内部に配置されてもよい。このようにしても、固形有機塩素薬剤の溶解及び溶解により生成した次亜塩素酸水の希釈により、所定濃度の次亜塩素酸を含有する除菌水を供給することができる。
また、本実施の形態1に係る除菌水供給装置1では、固形有機塩素薬剤8の溶解は、加熱された第一水によって行われたが、これに限られない。例えば、溶解槽5に撹拌機を備える構成としてもよい。このようにすれば、撹拌機によって溶解槽5内の撹拌を行うことができるため、固形有機塩素薬剤8の溶解がより促進され、第一次亜塩素酸水をより速やかに得ることが可能となる。
また、本実施の形態1に係る除菌水供給装置1では、加熱部9は、第一流入口2aの後段、且つ、溶解槽5の前段に設けられたが、これに限られない。例えば、溶解槽5の外壁等、溶解槽5を加熱可能な場所に設けてもよい。このようにしても、固形有機塩素薬剤8の溶解に用いる第一水を加熱することができるため、溶解槽5での固形有機塩素薬剤8の溶解を行うことができる。
また、本実施の形態1に係る除菌水供給装置1では、薬剤溶解処理を行った後に次亜塩素酸希釈処理を行うようにしたが、これに限られない。例えば、ステップS04での第一電磁弁4aの開放及びステップS10での第二電磁弁4bの開放を同時に行ってもよい。このようにすれば、第一次亜塩素酸水の生成時には、既に希釈槽11に第二水が存在するため、速やかに希釈槽11での希釈を行うことができる。そのため、より迅速に第二次亜塩素酸水を生成可能となる。
また、本実施の形態1に係る除菌水供給装置1では、溶解槽5への固形有機塩素薬剤8の投入後に第一水の流入を行うようにしたが、これに限られない。例えば、第一水の流入後に固形有機塩素薬剤8を投入してもよい。このようにしても、第一次亜塩素酸水を生成することができる。
また、本実施の形態1に係る除菌水供給装置1では、溶解槽5の水位が第二水位以下になると第三電磁弁4cが閉止され、溶解槽5から希釈槽11への第一次亜塩素酸水の供給が停止されるようにしたが、これに限られない。例えば、第三電磁弁4cを開放してから、一定時間の経過後に第三電磁弁4cを閉止するように構成してもよい。このようにすれば、溶解槽5の水位によらず、希釈槽11への第一次亜塩素酸水の供給を行うことができる。
また、本実施の形態2に係る空気浄化システム100では、気液接触部25が含有しきれなかった第二次亜塩素酸水は、ドレンパン28によって回収され、排水される構造としたが、これに限られない。例えば、ドレンパン28とは別に、気液接触部25専用のドレンパン、配管、及び送水ポンプを設け、回収された第二次亜塩素酸水を再び気液接触部25に供給可能な構造としてもよい。このようにすれば、気液接触部25専用のドレンパンを設けない場合と比較し、同量の第二次亜塩素酸水を用いると、より多くの空気に次亜塩素酸を含有させることが可能となる。
また、本実施の形態2に係る空気浄化システム100では、制御部15a及び制御部35を備えるように構成したが、これに限られない。例えば、制御部15aが、制御部35の機能を兼ねてもよいし、制御部35が、制御部15aの機能を兼ねてもよい。また、制御部15a及び制御部35を統合する統合制御部を別途設けるようにしてもよい。このようにすれば、空気浄化システム100の構成要素を低減できるため、装置構成の簡略化及びコストの低減が可能となる。
本発明に係る空気浄化装置及びそれを用いた空気浄化システムは、固形有機塩素薬剤を用いて次亜塩素酸水を生成して対象空間の浄化を行う装置として有用である。
1 除菌水供給装置
1a 除菌水供給装置
2a 第一流入口
2b 第二流入口
3a 第一給水流路
3b 第二給水流路
4a 第一電磁弁
4b 第二電磁弁
4c 第三電磁弁
5 溶解槽
6a 第一フロートスイッチ
6b 第二フロートスイッチ
7 薬剤供給部
8 固形有機塩素薬剤
9 加熱部
10a 第一供給流路
10b 第二供給流路
11 希釈槽
12 送水ポンプ
15 制御部
15a 制御部
16 入力部
17 処理部
18 出力部
20 空気調和装置
21 還気ダクト
22 フィルタ
23 空気冷却器
24 空気加熱器
25 気液接触部
26 送風機
27 給気ダクト
28 ドレンパン
29 排水流路
30 熱源装置
31 流路
32 流路
33 流路
34 流路
35 制御部
100 空気浄化システム

Claims (5)

  1. 第一水に固形有機塩素薬剤を溶解させて第一次亜塩素酸水を生成する溶解槽と、
    前記第一次亜塩素酸水を第二水によって希釈し、所定の次亜塩素酸濃度を有する第二次亜塩素酸水を調製する希釈槽と、
    前記第二次亜塩素酸水を除菌水として装置外に供給する送水ポンプと、
    を備え、
    前記第一水は、前記第二水よりも高温であり、前記第一水と前記第二水の温度差が一定値以上となるように加熱されることを特徴とする除菌水供給装置。
  2. 前記第二水を加熱して第一水とする加熱部をさらに備え、
    前記第一水は、前記加熱部により加熱され、前記第二水との温度差が一定値以上の状態で前記溶解槽に供給されることを特徴とする請求項1に記載の除菌水供給装置。
  3. 前記第一水の温度は、45℃~90℃であることを特徴とする請求項1または2に記載の除菌水供給装置。
  4. 前記固形有機塩素薬剤は、ジクロロイソシアヌール酸ナトリウム及びトリクロロイソシアヌール酸を含む薬剤であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の除菌水供給装置。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の除菌水供給装置と、
    流入した液体を気化させる気液接触部と、
    前記気液接触部を通風する空気を対象空間に放出する送風機と、
    を備え、
    前記気液接触部は、前記液体として、前記希釈槽から送出される前記第二次亜塩素酸水を通水可能な構成とすることを特徴とする空気浄化システム。
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