JP2022102571A - 壁構造、壁構造の施工方法、および、壁構造の設計方法 - Google Patents

壁構造、壁構造の施工方法、および、壁構造の設計方法 Download PDF

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大二郎 緒方
Daijiro Ogata
勝 江村
Masaru Emura
一穂 巻島
Kazuo Makishima
浩也 萩尾
Hiroya Hagio
訓祥 杉本
Kuniyoshi Sugimoto
晃 田才
Akira Tasai
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Abstract

【課題】開口部を有する壁の壁耐力を向上させることのできる壁構造、壁構造の施工方法、および、壁構造の設計方法を提供する。【解決手段】壁構造は、所定の厚さを有するセメント組成物の壁部と、壁部の厚さの厚さ方向と直交する面内方向における内側に設けられた矩形の開口部と、開口部を囲み、壁部のセメント組成物の内側に接合される金属製の矩形の枠材25と、枠材25の隅部に固定され、壁部のセメント組成物に埋設される金属製の板材26と、を有する。【選択図】図8

Description

本発明は、開口部を有する壁構造、該壁構造の施工方法、および、該壁構造の設計方法に関する。
鉄筋コンクリート造の建築物を構成する既存壁部に対する耐震補強として、例えば特許文献1には、H形鋼フレームを柱や梁に取り付けることにより壁耐力を向上させる技術が開示されている。また、耐震補強としては、既存壁部に対して鉄筋コンクリート製の増打ち壁部を増設する技術も知られている。
特開2004-169504号公報
ところで、耐震補強の対象となる既存壁部には、開口部が設けられている場合もある。図15は、開口部を有する既存壁部について、開口率と安全余裕度との関係の一例を示すグラフである。安全余裕度とは、所定の条件のもと、日本建築防災協会に規定された診断基準式で求められる壁耐力を分母、実験により求められる壁耐力を分子として算出される値である。図15に示すように、安全余裕度は、開口部の開口比が大きいほど低くなり、0.4を超えたあたりで大きく低下する。このため、増打ち壁部を用いた耐震補強には、既存壁部の開口部を残しつつ壁耐力を向上させる技術が求められている。なお、こうした要望は、既存壁部に増打ち壁部を増設した壁構造に限らず、例えば、柱や梁に接するように新設される壁構造にも共通する。
上記課題を解決する壁構造は、所定の厚さを有するセメント組成物の壁部と、前記壁部の前記厚さの厚さ方向と直交する面内方向における内側に設けられた矩形の開口部と、前記開口部を囲み、前記壁部のセメント組成物の内側に接合される金属製の矩形の枠材と、前記枠材の隅部に固定され、前記壁部のセメント組成物に埋設される金属製の板材と、を有する。
上記課題を解決する壁構造の施工方法は、矩形の開口部を有する壁構造の施工方法であって、前記開口部を囲むとともに隅部に板材が固定された金属製の矩形の枠材を設置する枠材設置工程と、前記板材が埋設されるように前記枠材の周囲にセメント組成物を打設して、セメント組成物の壁部を形成する壁部形成工程と、を有する。
上記構成によれば、壁部のセメント組成物に対し、開口部を囲う枠材が内側に接合され、かつ、該枠材の隅部に固定された板材が埋設されることで、開口部を有する壁構造の壁耐力を向上させることができる。
上記構成の壁構造において、前記枠材の周囲に、前記壁部のセメント組成物に埋設される鉄筋をさらに有し、前記セメント組成物がコンクリートを含むとよい。
上記構成の壁構造の施工方法は、前記枠材設置工程と前記壁部形成工程との間に、前記枠材の周囲に鉄筋を配筋する配筋工程をさらに備え、前記壁部形成工程では、前記板材が埋設されるように前記枠材の周囲にコンクリートを打設して、鉄筋コンクリート製の壁部を形成することが好ましい。
上記構成によれば、壁部が鉄筋コンクリート製となることで、壁部の壁耐力を効果的に向上させることができる。
上記構成において、前記開口部の開口比は、0.4を超えてもよい。
上記構成のように、開口部の開口比が0.4を超える場合に壁構造の壁耐力を効果的に向上させることができる。
上記構成において、前記板材は、前記面内方向と平行に延在して埋設されていることが好ましい。
上記構成によれば、板材が面内方向と平行であることにより、枠材の縦枠材と横枠材との間において、機械的な負荷を効果的に伝達することができる。
上記構成においては、前記壁部の前記面内方向の外側に、前記壁部に接する既存構造部を有していてもよい。
上記構成のように、壁構造は、既存構造部に対して接するように壁部を設けることができる。
上記構成において、前記壁部と前記既存構造部は、前記既存構造部に予め設けられたあと施工アンカーを介して接合されていることが好ましい。
上記構成によれば、既存構造部に対して壁部をより強固に接合することができる。
上記構成においては、前記壁部の前記厚さ方向に、前記壁部に接する既存壁部を有していてもよい。
上記構成のように、既存壁部に接するように壁部が設けられることにより、既存壁および壁部を含めた壁構造の壁耐力を向上させることができる。
上記構成において、前記既存壁部の前記壁部に接する面は、目荒らしされている、又は、コッターが設けられていることが好ましい。
上記構成によれば、既存壁部と壁部とをより強固に一体化させることができる。
上記課題を解決する壁構造の設計方法は、矩形の既存開口部を有する既存壁部と前記既存壁部に接合される増打ち壁部とで構成される壁構造の設計方法であって、前記増打ち壁部は、所定の厚さを有するセメント組成物の壁部と、前記既存開口部に重なる枠材開口部を有し、前記壁部のセメント組成物の内側に接合される金属製の矩形の枠材と、前記枠材の隅部に固定され、前記壁部のセメント組成物に埋設される金属製の板材と、を有するものであり、前記既存壁部の代表的な形状ごとに前記増打ち壁部の増設後の壁耐力を予め求めておき、前記既存壁部の形状と前記予め求めた壁耐力とに基づいて前記壁構造の壁耐力を算出する。
上記構成によれば、既存壁部の形状と予め求めた壁耐力とに基づいて増打ち壁部の増設後の壁耐力を算出することができるため、壁構造の壁耐力が目標値に達しているか否かをすばやく判断することができる。
壁構造の一実施形態の概略構成を模式的に示す正面図。 枠体の正面図。 壁構造の施工方法の一実施形態を示すフローチャート。 あと施工アンカー設置工程が完了した状態を模式的に示す正面図。 枠材設置工程が完了した状態を模式的に示す正面図。 6-6線における断面図。 二点鎖線7で囲まれた部分の拡大図。 配筋工程が完了した状態を模式的に示す正面図。 第1型枠設置工程が完了した状態を模式的に示す正面図。 第2型枠設置工程が完了した状態を模式的に示す正面図。 第2打設工程が完了した状態を模式的に示す正面図。 壁構造の設計方法の一実施形態を示すフローチャート。 変形例において、枠体の構造の一例を示す図。 変形例において、枠体の構造の一例を示す図。 従来例において、開口率と安全余裕度との関係の一例を示すグラフ。
図1~図12を参照して、壁構造、壁構造の施工方法、および、壁構造の設計方法の一実施形態について説明する。
図1に示すように、壁構造10は、建築物11に設けられる。建築物11の構造種別は、鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造である。建築物11は、柱12、梁13、および、既存壁部14と、を備える。柱12と梁13は、既存構造部である。柱12と梁13は、仕口部15を介して互いに接続されている。既存壁部14は、柱12および梁13に接するように設けられているとともに正面視において矩形の既存開口部16を有する。本実施形態において、壁構造10は、既存壁部14と、既存壁部14の接触面14aに接する増打ち壁部20とで構成される。
増打ち壁部20は、壁部21と枠体22とを有する。また、増打ち壁部20は、壁部21の厚さ方向に直交する面内方向における内側に、正面視において既存開口部16に重なる矩形の開口部23を有する。壁部21は、所定の厚さを有するセメント組成物である。本実施形態の壁部21には、後述する縦筋および横筋が埋設されている。壁部21は、柱12および梁13に接するように設けられる。枠体22は、壁部21の内側に接合されているとともに開口部23を囲んでいる。
図2に示すように、枠体22は、枠材25、板材26を有する。枠体22は、接続材27およびスタッド28を有していてもよい。枠体22を構成する各部材は、金属製である。板材26、スタッド28、および、接続材27は、壁部21に埋設される部分である。
枠材25は、正面視において矩形枠状の形状を有する。枠材25は、開口部23を構成する枠材開口部30を有する。枠材25は、一対の縦材31と一対の横材32とで構成されている。
各縦材31および各横材32は、矩形板状の形状を有する。各縦材31および各横材32は、各々の板面が壁部21の厚さ方向に沿うように配設される。各縦材31および各横材32は、壁部21の厚さと略等しい幅を有する。縦材31と横材32は、その交差部分において溶接などの接合法によって接合されている。縦材31と横材32は、突き合わせ溶接によって接合されることが好ましい。縦材31と横材32との交差部分は、枠材25の隅部を形成する。
板材26は、枠材25の各隅部における外側面に、面内方向と平行となるように設けられている。板材26は、正面視においてL字状の形状を有する。板材26は、枠材25の隅部が嵌まる凹部を有する。板材26は、凹部に隅部を嵌め込んだのち、縦材31および横材32における幅方向の中央部に対して、溶接などの接合法によって接合されている。
接続材27およびスタッド28は、枠材25の外側面から枠材25の外方に向かって延びる棒状の部材である。具体的には、接続材27およびスタッド28は、縦材31からは横方向に沿うように、横材32からは縦方向に沿うように延びている。接続材27およびスタッド28の各々は、縦材31および横材32の幅方向における中央部に配設されてもよいし、幅方向に並ぶように配設されてもよい。
接続材27は、例えば、鉄筋である。接続材27は、縦材31および横材32の各々に対して、一方の端部が溶接などの接合法によって接合されている。縦材31に設けられる接続材27は、壁部21に埋設される横筋を構成するとともに、縦方向における縦材31の中央を基準として対称となるように配列されている。横材32に設けられる接続材27は、壁部21に埋設される縦筋を構成するとともに、横方向における横材32の中央を基準として対称となるように配列されている。接続材27の配列は、端に位置する接続材27については、縦材31と横材32との交差部分からの間隔や板材26からの間隔などのことをいう。そのほかの接続材27については、隣接する他の接続材27からの間隔などのことをいう。接続材27は、同じ長さの接続材27が枠材25に設けられてもよいし、例えば、長い接続材27と短い接続材27とが交互に設けられてもよい。
スタッド28は、例えば、頭付きスタッドである。スタッド28は、接続材27よりも短い。スタッド28は、隣接する2つの接続材27の間に設けられている。スタッド28は、縦材31あるいは横材32に対して、頭部とは反対側の端部が溶接などの接合法によって接合されている。縦材31に設けられるスタッド28は、縦方向における縦材31の中央を基準として対称となるように配列されている。横材32に設けられるスタッド28は、横方向における横材32の中央を基準として対称となるように配列されている。スタッド28の配列は、各スタッド28に隣接する接続材27との間隔やスタッド28同士の間隔などのことをいう。
(壁構造10の施工方法)
図3~図11を参照して、上述した壁部21と枠体22とを有する壁構造10の施工方法について説明する。
図3に示すように、壁構造10の施工方法は、凹凸形成工程(ステップS101)、あと施工アンカー設置工程(ステップS102)、枠材設置工程(ステップS103)、配筋工程(ステップS104)、および、壁部形成工程(ステップS105)を備える。また、壁部形成工程(ステップS105)は、第1型枠設置工程(ステップS105-1)、第1打設工程(ステップS105-2)、第2型枠設置工程(ステップSS105-3)、および、第2打設工程(ステップS105-4)を備える。
凹凸形成工程(ステップS101)では、既存壁部14の接触面14aに凹凸を形成する。具体的には、例えば、既存壁部14に対してピッキング加工や斫り加工を施すことにより、既存壁部14の接触面14aを目荒らしして凹凸を形成する。また例えば、既存壁部14に対して複数のコッターを設置することにより、既存壁部14の接触面14aに凹凸を形成する。
あと施工アンカー設置工程(ステップS102)では、既存構造部である柱12および梁13に、あと施工アンカー40を所定の配列で設置する。
具体的には、図4に示すように、あと施工アンカー40は、柱12からは横方向に沿うように、梁13からは縦方向に沿うように延びている。あと施工アンカー40は、柱12および梁13に対して内側からドリルで孔を形成したのち、その孔を利用して設置される。あと施工アンカー40用の孔は、増打ち壁部20の壁部21が接する部分のうち、例えば、その壁部21の厚さ方向の中央部に対応する位置に形成される。また例えば、壁部21の厚さ方向に並ぶように形成される。
あと施工アンカー40の配列の一例は、端に位置するあと施工アンカー40については、柱12および梁13の端からの距離のことをいう。そのほかのあと施工アンカー40については、隣接する他のあと施工アンカー40との間隔などのことをいう。
柱12に設置されるあと施工アンカー40の一部は、枠体22の縦材31から延びる接続材27の延長線上となる位置に設けられることが好ましい。梁13に設置されるあと施工アンカー40の一部は、枠体22の横材32から延びる接続材27の延長線上となる位置に設けられることが好ましい。
あと施工アンカー40は、柱12に設置されるあと施工アンカー40、および、梁13に設置されるあと施工アンカー40の少なくとも一方が、枠材25から延びる接続材27の配置領域まで延びていることが好ましい。本実施形態においては、梁13に設置されるあと施工アンカー40が、枠材25の横材32から延びる接続材27の配置領域まで延びている。
あと施工アンカー40は、柱12あるいは梁13からの突出長さが同じであってもよいし、例えば、突出長さが長いあと施工アンカー40と短いあと施工アンカー40とが交互に設置されてもよい。
枠材設置工程(ステップS103)では、枠材25を有する枠体22を設置する。
具体的には、図5および図6に示すように、既存開口部16に枠材開口部30が重なり、かつ、板材26が面内方向と平行となる位置に枠体22を保持した状態で、その枠体22をあと施工アンカー40に接続する。
図7に示すように、本実施形態においては、枠体22の横材32から延びる接続材27と梁13に設置されたあと施工アンカー40とを定着金物などの連結具41を用いて連結することにより、枠体22をあと施工アンカー40に接続する。
なお、あと施工アンカー40が接続材27の配置領域まで延びていない場合は、例えば鉄筋などを用いて枠体22をあと施工アンカー40に接続する。
配筋工程(ステップS104)では、壁部21の形成部分に鉄筋を配筋する。
具体的には、図8に示すように、縦方向で対向するあと施工アンカー40同士を接続するように縦筋42を配設したのち、その縦筋42をあと施工アンカー40に図示されない連結具を用いて連結する。また、横方向で対向するあと施工アンカー40同士を接続するように横筋43を配設したのち、その横筋43をあと施工アンカー40に図示されない連結具を用いて連結する。また、横方向において対向する接続材27とあと施工アンカー40を接続するように横筋44を配設したのち、その横筋44を接続材27およびあと施工アンカー40に図示されない連結具を用いて連結する。接続材27、施工アンカー40、ならびに、各縦筋42および横筋43,44は、交差部分において結束線によって結束されていてもよい。
壁部形成工程(ステップS105)では、まず、第1型枠設置工程(ステップS105-1)を行う。第1型枠設置工程(ステップS105-1)では、第1型枠を設置する。
図9に示すように、第1型枠51は、左右両側の柱12および下側の梁13に接するとともに上側の梁13との間に例えば20cm程度の隙間52を形成するように設けられる。第1型枠51は、正面視において枠材開口部30よりも内側に配置される型枠開口部53を有する。第1型枠51は、例えば、複数の木板材から構成される。第1型枠51は、既存壁部14との間に壁部21の厚さの分の空間を形成する位置に配置される。第1型枠51は、柱12や梁13など、建築物11を構成する部材に取り付けられた図示されない支持具に支持される。
第1打設工程(ステップS105-2)では、既存壁部14と第1型枠51との間の空間に第1セメント組成物を流し込んで硬化させる。
具体的には、上述した隙間52を通じて、既存壁部14と第1型枠51との間の空間に第1セメント組成物を流し込む。第1セメント組成物は、第1型枠51の上辺付近に到達するまで流し込まれる。第1セメント組成物は、隙間52を通じて挿入されるバイブレータなどによって振動が与えられることで脱気される。第1セメント組成物の一例は、普通コンクリートである。
図10に示すように、第1打設工程では、第1セメント組成物の硬化後に第1型枠51が撤去される。第1型枠51が撤去されると第1壁部21Aが露出する。第1壁部21Aが形成されると、既存開口部16と枠材開口部30とによって壁構造10の開口部23が形成される。第1壁部21Aは、正面視において、上側の梁13に設置されたあと施工アンカー40の根本部分のみが露出するように形成されることが好ましい。これにより、全てのあと施工アンカー40と第1壁部21Aとを接続することができる。
第2型枠設置工程(ステップS105-3)では、第2型枠を設置する。
図10に示すように、第2型枠55は、正面視において矩形状の形状を有する。第2型枠55は、左右両側の柱12および上側の梁13に接するように設けられる。第2型枠55には、第2セメント組成物を流し込むための図示されない流し込み口が設けられている。流し込み口は、上側の梁13に近い位置に設けられる。第2型枠55は、例えば、複数の木板材から構成される。第2型枠55は、既存壁部14との間に壁部21の厚さの分の空間を形成する位置に配置される。第2型枠55は、柱12や梁13など、建築物11を構成する部材に取り付けられた図示されない支持具に支持される。
第2打設工程(ステップS105-4)では、既存壁部14と第2型枠55との間の空間に第2セメント組成物を流し込んで硬化させる。これにより、壁部21の残部を構成する第2壁部21Bが形成される。
具体的には、第2型枠55に設けられた流し込み口を通じて、既存壁部14と第2型枠55との間の空間に第2セメント組成物を流し込む。第2セメント組成物は、流し込み口から溢れる程度に流し込まれる。第2セメント組成物は、木槌などを用いて正面側から第2型枠55を叩くことにより脱気される。第2セメント組成物の一例は、流動性のある無収縮モルタルである。
図11に示すように、第2打設工程では、第2セメント組成物の硬化後に第2型枠55が撤去される。第2型枠55が撤去されると第1壁部21Aと第2壁部21Bとが一体化した壁部21が露出する。壁部21は、既存壁部14の接触面14aに形成された凹凸に噛み合った状態で既存壁部14に接合される。このようにして増打ち壁部20が既存壁部14に接合されることで壁構造10が構成される。
(作用)
壁構造10は、既存壁部14が増打ち壁部20によって補強されている。
増打ち壁部20においては、圧縮に強いセメント組成物製の壁部21で圧縮力を負担することができ、引張に強い金属製の枠体22、あと施工アンカー40、ならびに、各縦筋42および横筋43,44で引張力を負担することができる。また、壁構造10の開口部23を矩形枠状の枠材25が構成している。その枠材25は、スタッド28を介して壁部21に定着されているとともに隅部が板材26で補強されている。これにより、地震時などに柱12および梁13を介して壁構造10に荷重が作用したとしても、枠材25の隅部を変形しにくくすることができる。そして、こうした増打ち壁部20が既存壁部14に接合されていることから、壁構造10においては、開口部23の周辺、特に開口部23の角部付近を変形しにくくすることができる。これにより、変形によって失われる圧縮力のエネルギーが小さくなることから、セメント組成物製の壁部21に作用する圧縮力を大きくすることができる。その結果、壁構造10の壁耐力を向上させることができる。
(壁構造10の設計方法)
図12を参照して、上述した壁構造10の設計方法について説明する。この設計方法では、既存壁部14を補強するにあたり、増打ち壁部20を増設した場合の壁耐力を算出し、その算出した壁耐力が目標値を満足するか否かを判断する。
図12に示すように、まず、建築物11が適用条件を満足しているか否かを判断する(ステップS201)。
適用条件は、建築物11そのものについては、鉄筋コンクリート造または鉄骨鉄筋コンクリート造であることである。
柱12については、断面寸法、主筋の断面に対する比、フープの割合、コンクリート強度、ならびに、主筋およびフープの基準強度などの各種の強度条件が所定の基準値を満たしていることである。
梁13については、断面寸法、主筋の断面に対する比、スターラップの割合、コンクリート強度、ならびに、主筋およびフープの基準強度などの各種の強度条件が所定の基準値を満たしていることである。
既存壁部14については、開口位置や開口比、壁形状などの形状条件のほか、厚み、コンクリート強度、縦筋比および横筋比、および、鉄筋の基準強度などの各種の強度条件が所定の基準値を満たしていることである。
適用条件を満足する場合(ステップS201:YES)、既存壁部14が単層壁であるか否かを判断する(ステップS202)。
既存壁部14が単層壁である場合(ステップS202:YES)、早見表を用いて壁耐力を算出する。早見表は、代表的な既存壁部14の形状条件ごとに、増打ち壁部20の増設後の壁耐力が規定されたものである。早見表に規定される壁耐力は、シミュレーションの結果に基づく値である。具体的には、既存壁部14に増打ち壁部20を増設した場合について行ったFEM解析の結果に基づく値である。
FEM解析は、柱12、梁13、および、既存壁部14については、強度条件の基準値を用いて行われる。またFEM解析は、増打ち壁部20については、壁部21の厚み(例えば2種類程度)、壁部21の強度(セメント組成物の強度)、縦筋比および横筋比、鉄筋の基準強度、縦材31および横材32の材質や厚さ、幅(=壁部21の厚さ)、スタッド28の材質や長さなどの増打ち条件について、予め定めた基準値を用いて行われる。
既存壁部14が単層壁である場合(ステップS202:YES)、既存壁部14の形状と早見表とに基づいて壁耐力が算出される(ステップS203)。具体的には、増打ち壁部20の増設対象となる既存壁部14の形状に近い形状条件の壁耐力を複数選択し、その選択した複数の壁耐力を線形補間することによって算出される。そして、早見表を用いて算出された壁耐力が目標値よりも大きい場合、増打ち条件にしたがって増打ち壁部20が設計される。
既存壁部14が連層壁である場合(ステップS202:NO)、日本建築防災協会が規定する診断基準式に基づく壁耐力に対する早見表に基づく壁耐力の安全余裕度を算出する(ステップS204)。その算出した安全余裕度が所定の閾値よりも大きいことを条件として、その条件を満足する場合(ステップS205:YES)、開口率が0.4を超えていても診断基準式に基づいて壁耐力が算出される(ステップS206)。そして、診断基準式に基づく壁耐力が目標値よりも大きくなる条件にしたがって増打ち壁部20が設計される。
また、建築物11が適用条件を満足していない場合(ステップS201:NO)、および、安全余裕度が所定の閾値以下である場合(ステップS205:NO)、個別にFEM解析を行い(ステップS207)、その解析結果に基づいて壁耐力が算出される(ステップS208)。そして、その解析結果に基づく壁耐力が目標値よりも大きい場合、解析時に設定した増打ち壁部20の条件にしたがって増打ち壁部20が設計される。
本実施形態の効果について説明する。
(1)壁構造10においては、既存壁部14に接するように増打ち壁部20が設けられている。これにより、地震時などに柱12や梁13を介して荷重が作用したとしても変形しにくくなるため、壁構造10の壁耐力を向上させることができる。
(2)第1壁部21Aが鉄筋コンクリート製となることで壁構造10の壁耐力を効果的に高めることができる。
(3)既存開口部16の開口比が0.4を超えていたとしても、壁構造10の壁耐力を効果的に高めることができる。
(4)枠体22においては、枠材25の隅部を補強する板材26が面内方向と平行に埋設されている。これにより、枠材25の隅部を面内方向に沿って変形させようとする力に対して、板材26の耐力を有効的に活用することができる。
(5)増打ち壁部20の壁部21は、既存構造部である柱12および梁13に対して、あと施工アンカー40を介して接合されている。これにより、柱12および梁13に対して壁部21をより強固に接合することができる。
(6)既存壁部14の接触面14aに凹凸が形成されている。これにより、既存壁部14と増打ち壁部20とをより強固に一体化することができる。
(7)枠体22とあと施工アンカー40とが接続されていることで、増打ち壁部20における荷重の伝達効率を高めることができる。その結果、柱12や梁13から増打ち壁部20に伝達された荷重を効果的に分散させることができる。
(8)枠材25においては、縦材31と横材32とが突き合わせ溶接により接合されている。これにより、縦材31と横材32との間における力の伝達効率を高めることができる。
(9)接続材27よりもスタッド28が短いことで、接続材27とあと施工アンカー40との連結作業のスペースが確保されやすくなる。
(10)スタッド28が頭付きスタッドであることにより、枠材25と壁部21とをより強固に接合することができる。
(11)増打ち壁部20の壁部21は、第1壁部21Aと第2壁部21Bとで構成されている。これにより、柱12および梁13に対して確実に接するように壁部21を形成することができる。
(12)早見表を利用することにより壁構造10の壁耐力を容易に算出することができる。その結果、壁構造10の壁耐力が目標値に達しているか否かをすばやく判断することができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・既存壁部14の接触面14aには、凹凸が形成されていなくともよい。
・壁構造10は、既存壁部14と増打ち壁部20とで構成されるものに限られない。
例えば、壁構造10は、既存構造部である柱12および梁13に接するように新設される壁であって、増打ち壁部20と同じ構造を有する壁であってもよい。
・壁構造10においては、既存構造部である柱12や梁13に対してあと施工アンカー40を介して壁部21が接合される構成に限られない。例えば、壁部21は、柱12や梁13の表面に形成された凹凸に硬化後のセメント組成物が噛み合うことにより、柱12や梁13に接合されてもよい。
・枠体22において、板材26は、枠材25の隅部を補強する板状のものであればよい。このため、板材26は、面内方向に対して傾斜して設けられていてもよい。
・例えば、図13に示すように、枠体22は、枠材25の外側面から枠材25の外方に延びる棒状の部材として、接続材27のみを有する構成であってもよい。この場合、接続材27は、上述したスタッド28に代えて設けられること、すなわち、スタッド28を有する枠体22よりも狭い間隔で接続材27が設けられることが好ましい。これにより、壁部21に対する枠材25の定着力を高めることができるとともに増打ち壁部20に荷重が作用したときに枠材25が変形しにくくなる。
・例えば、図14に示すように、枠体22は、枠材25の外側面にリブ材57が接合される構成であってもよい。リブ材57の一例は、矩形板状の形状を有し、その長手方向が枠材25に沿うように配設される。これにより、枠体22そのものの機械的な強度が高められることから、増打ち壁部20に荷重が作用したときに枠材25が変形しにくくなる。
リブ材57は、縦材31および横材32に対して、板材26を繋ぐように1つだけ設けられてもよいし、板材26を繋ぐように複数個設けられてもよい。リブ材57は、枠材25の隅部付近にのみ設けられていてもよい。
また、リブ材57は、縦材31および横材32の幅方向において、接続材27などの棒状の部材を挟むように配設されてもよいし、棒状の部材の一方側、例えば既存壁部14側だけに配設されてもよい。
また、リブ材57は、縦材31および横材32の幅方向における中央部に配設されてもよい。こうした場合、接続材27などの棒状の部材は、縦材31および横材32の幅方向において、リブ材57を挟むように配設されてもよいし、リブ材57の一方側と反対側とに交互に配設されてもよい。
・下側に位置する横材32には、第1打設工程(ステップS105-2)での打設時に、セメント組成物内の気泡の抜け道となるエア抜き孔が設けられていることが好ましい。これにより、下側に位置する横材32付近において、セメント組成物の充填不良が生じにくくなる。
・下側に位置する横材32付近におけるセメント組成物の充填不良を生じにくくする施工方法として、壁部形成工程(ステップS105)が、下側に位置する横材32に到達する高さの壁部を形成する工程を含んでいてもよい。
この工程の一例では、上述した第1型枠設置工程(ステップS105-1)~第2打設工程(ステップS105-4)に準ずるように、下側に位置する横材32との間に20cm程度の隙間が形成される高さの壁部を形成したのち、その隙間を埋めるような新たな壁部を形成する。
・壁構造10は、開口部23を有するものであればよく、概ね0.5を限度とする任意の開口比に対して適用可能である。
・セメント組成物は、普通コンクリートや無収縮モルタルに限られない。例えば、セメント組成物は、コンクリートのみであってもよいし、スリムクリート(登録商標)等、繊維を混合したセメント系材料(繊維補強コンクリート材料)であってもよい。また、壁部21には、配筋がなされていなくともよい。
10…壁構造、11…建築物、12…既存構造部としての柱、13…既存構造部としての梁、14…既存壁部、14a…接触面、15…仕口部、16…既存開口部、20…増打ち壁部、21…壁部、21A…第1壁部、21B…第2壁部、22…枠体、23…開口部、25…枠材、26…板材、27…接続材、28…スタッド、30…枠材開口部、31…縦材、32…横材、40…施工アンカー、41…連結具、42…縦筋、43,44…横筋、51…第1型枠、52…隙間、53…型枠開口部、55…第2型枠、57…リブ材。

Claims (11)

  1. 所定の厚さを有するセメント組成物の壁部と、
    前記壁部の前記厚さの厚さ方向と直交する面内方向における内側に設けられた矩形の開口部と、
    前記開口部を囲み、前記壁部のセメント組成物の内側に接合される金属製の矩形の枠材と、
    前記枠材の隅部に固定され、前記壁部のセメント組成物に埋設される金属製の板材と、を有する壁構造。
  2. 前記枠材の周囲に、前記壁部のセメント組成物に埋設される鉄筋をさらに有し、
    前記セメント組成物がコンクリートを含む
    請求項1に記載の壁構造。
  3. 前記開口部の開口比は、0.4を超える
    請求項1または2に記載の壁構造。
  4. 前記板材は、前記面内方向と平行に延在して埋設されている
    請求項1~3のいずれか一項に記載の壁構造。
  5. 前記壁部の前記面内方向の外側に、前記壁部に接する既存構造部を有する
    請求項1~4のいずれか一項に記載の壁構造。
  6. 前記壁部と前記既存構造部は、前記既存構造部に予め設けられたあと施工アンカーを介して接合されている
    請求項5に記載の壁構造。
  7. 前記壁部の前記厚さ方向に、前記壁部に接する既存壁部を有する
    請求項1~6のいずれか一項に記載の壁構造。
  8. 前記既存壁部の前記壁部に接する面は、目荒らしされている、又は、コッターが設けられている
    請求項7に記載の壁構造。
  9. 矩形の開口部を有する壁構造の施工方法であって、
    前記開口部を囲むとともに隅部に板材が固定された金属製の矩形の枠材を設置する枠材設置工程と、
    前記板材が埋設されるように前記枠材の周囲にセメント組成物を打設して、セメント組成物の壁部を形成する壁部形成工程と、を有する
    壁構造の施工方法。
  10. 前記枠材設置工程と前記壁部形成工程との間に、前記枠材の周囲に鉄筋を配筋する配筋工程をさらに備え、
    前記壁部形成工程では、
    前記枠材の周囲にコンクリートを打設して、鉄筋コンクリート製の壁部を形成する
    請求項9に記載の壁構造の施工方法。
  11. 矩形の既存開口部を有する既存壁部と前記既存壁部に接合される増打ち壁部とで構成される壁構造の設計方法であって、
    前記増打ち壁部は、
    所定の厚さを有するセメント組成物の壁部と、
    前記既存開口部に重なる枠材開口部を有し、前記壁部のセメント組成物の内側に接合される金属製の矩形の枠材と、
    前記枠材の隅部に固定され、前記壁部のセメント組成物に埋設される金属製の板材と、を有するものであり、
    前記既存壁部の代表的な形状ごとに前記増打ち壁部の増設後の壁耐力を予め求めておき、前記既存壁部の形状と前記予め求めた壁耐力とに基づいて前記壁構造の壁耐力を算出する
    壁構造の設計方法。
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