JP6838984B2 - 既存柱軸力の仮受け構造及び免震工事方法 - Google Patents

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Description

本発明は、既存柱軸力の仮受け構造及び免震工事方法に関する。特に、既存建築物に設置された免震装置を交換する際、又は既存建築物に免震装置を設置する際において、既存柱の軸力を仮受けし、免震装置の周囲に配置したジャッキに伝達するための構造、及びその免震工事方法に関する。
建築物を免震化する免震装置として、主に積層ゴムが使用されている。積層ゴムのゴム部材は経年劣化するおそれがあり、劣化が生じた場合には積層ゴムを交換する必要がある。
積層ゴムの交換工事を行う場合、建築物の居住者が居ながら施工する必要があり、且つ、作業中の建築物の免震性能を確保した状態で施工を行う必要がある。これらの条件を満すために、特許文献1には、免震装置の交換時に既存柱からの荷重を仮受けするジャッキの下端に滑り支承を設けることにより、ジャッキで支えられた状態でも免震機能を維持することが開示されている。
特開2008−163636号公報
しかしながら、免震建築物には超高層建築物が多い。これは、底面に対して背の高い建築物は転倒モーメントが生じやすいため、免震装置によって建築物に入力する地震動を小さくすれば、転倒モーメントを抑えることができるためである。
超高層建築物においては、最下階の柱が支持する軸力は大きく、1本の柱、すなわち1つの免震装置で20MN以上を支持することも多い。
しかしながら、柱の軸力の仮受けに使用される一般的な乾式ブラケットは鉄鋼材からなり、形鋼では支持可能な荷重は10MN程度である。これ以上の荷重が作用すると、形鋼は荷重を支持できず、端部が変形する。20MN以上の荷重を支持可能なブラケットを形鋼で作製することは可能であるが、ブラケットは大きく且つ重くなり過ぎ、運搬、設置などが困難になる。
本発明は、以上の点に鑑み、形鋼で作製した場合と比較して、大きさ及び重量の低減を図ることが可能であり、免震工事の際に既存柱にかかる大きな軸力を支持することが可能な既存柱軸力の仮受け構造及び免震工事方法を提供することを目的とする。
本発明の既存柱軸力の仮受け構造は、既存建築物の免震装置が挿入される部分の上方に存在する柱の軸力の仮受け構造であって、前記柱を前後方向両側方から挟み込み、前記挟み込む方向と直交する方向の両外側部に位置する突出部に前記柱の前記挟み込む方向と直交する方向における外側を通る緊張棒材がそれぞれ挿通されて、前記緊張棒材により緊張力がかけられた状態で連結された一対の結合ブラケットからなり、前記結合ブラケットは、それぞれ、複数のコンクリート製のブロックが垂直方向に結合されてなり、前記各ブロックは、前記突出部の前記挟み込む方向と直交する方向の間に前記柱に向って凹んだ切欠部を有することを特徴とする。
本発明の既存柱軸力の仮受け構造によれば、既存建築物の柱は、緊張棒材により緊張力がかけられた状態で連結された一対の結合ブラケットが、柱の両側面を挟み込んで押し付けるように固定されている。そして、結合ブラケットを構成する各ブロックは、前記挟み込む方向と直交する方向の両外部に位置する突出部の間に柱に向って凹んだ切欠部を有している。
このため、各ブロックは、緊張力をかける緊張棒材が挿通される突出部は、緊張力による圧縮力が作用して変形、破損等が生じないように挟み込む方向に長さ(厚さ)を確保することが可能である。そして、各ブロックにはこの緊張力による圧縮力が突出部から既存柱との当接面の中央に向けて斜めに伝達される。そこで、伝達範囲から外れて圧縮力の影響の少ない突出部の間の部分に柱に向って凹んだ切欠部を形成することにより、ブロックの重量の低減を図ることが可能となる。
さらに、各ブロックはコンクリート製であるので、従来のように鉄鋼材からなる場合と比較して、形状の自由度が高い。また、各結合ブラケットは、複数のブロックが結合されてなるので、運搬、設置などが容易である。
これらの理由によって、各ブロックは、上述したような圧縮力に耐えられると共に重量の低減を図った形状とすることが容易となっている。
本発明の既存柱軸力の仮受け構造において、記複数のブロックは、当該複数のブロックの側面に当接するプレートが、ボルトによって当該複数のブロックの側面に形成されているボルト穴に螺合することにより、結合されており、前記プレートに形成され、前記ボルトが挿通する貫通穴は、水平方向の幅と比較して垂直方向の幅が広くなっていることが好ましい。
この場合、ブロック間の上下方向に多少の隙間の変化があっても、ブロックを簡易に結合することが可能となる。これにより、ブロック間に充填するモルタルなどの量を厳密に管理する必要がない。
本発明の既存柱軸力の仮受け構造において、前記複数のブロックは、それぞれ、前記切欠部の上方部又は下方部に貫通穴が形成されており、異なる前記ブロックの貫通穴を挿通する挿通具によって、当該異なるブロックが結合されている。
また、本発明の既存柱軸力の仮受け構造において、前記結合ブラケットを構成する前記複数のブロックと前記柱との間、及び、前記結合ブラケットを構成する前記複数のブロックのうち最下段のブロックとその下方の部材の上面との間に、固化したグラウトが存在することが好ましい。
これらの場合、ブロック間の結合をさらに高めることができる。
本発明の既存柱軸力の仮受け構造において、前記結合ブラケットを構成する前記複数のブロックのうち最下段のブロックに、当該ブロックの下面とその下方の部材の上面との隙間を調整する隙間調整手段が備わることが好ましい。
この場合、最下段のブロックの下面とその下方の部材の上面との隙間を調整することができる。これにより、結合ブラケットを前記部材の上面から予め定めた適切な高さに設置することが可能となる。
本発明の第1発明の免震工事方法は、既存建築物の柱の下方に位置し当該柱と一体化してコンクリートからなる上部構造体と当該上部構造体とは分離した下部構造体との間に設置されている免震装置を交換する免震工事方法であって、それぞれ、複数のコンクリート製のブロックを積み上げ、当該積み上げたブロックを結合して一対の結合ブラケットを形成する工程と、前記一対の結合ブラケット前記柱を前後方向両側方から挟み込み、当該挟み込む方向と直交する方向の両外側部に位置する突出部に前記柱の前記挟み込む方向と直交する方向における外側を通るように緊張棒材をそれぞれ挿通して、前記緊張棒材により緊張力をかけた状態で連結する工程と、前記上部構造体にコンクリートを増し打ちして増し打ち部を形成する工程と、前記増し打ち部と前記下部構造体との間にジャッキを設置する工程と、前記免震装置と前記下部構造体又は前記上部構造体の一方との連結を解除する工程と、前記ジャッキを伸長させる工程と、前記免震装置と前記下部構造体又は前記上部構造体との他方との連結を解除する工程と、前記免震装置を新規の免震装置と交換する工程と、前記ジャッキを短縮させる工程と、前記新規の免震装置と前記上部構造体及び前記下部構造体とを連結する工程と、前記緊張棒材を取り外す工程と、前記一対の結合ブラケットをそれぞれ構成する前記複数のブロック間の結合を解除する工程と、前記複数のブロックを取り外す工程とを備え、前記各ブロックは、前記突出部の前記挟み込む方向と直交する方向の間に前記柱に向って凹んだ切欠部を有することを特徴とする。
本発明の第2発明の免震工事方法は、既存建築物の柱の下方に位置し当該柱と一体化してコンクリートからなる上部構造体と当該上部構造体とは分離した下部構造体との間に免震装置を設置する免震工事方法であって、それぞれ、複数のコンクリート製のブロックを積み上げ、当該積み上げたブロックを結合して一対の結合ブラケットを形成する工程と、前記一対の結合ブラケット前記柱を前後方向両側方から挟み込み、当該挟み込む方向と直交する方向の両外側部に位置する突出部に前記柱の前記挟み込む方向と直交する方向における外側を通るように緊張棒材をそれぞれ挿通して、前記緊張棒材により緊張力をかけた状態で連結する工程と、前記上部構造体にコンクリートを増し打ちして増し打ち部を形成する工程と、前記増し打ち部と前記下部構造体との間にジャッキを設置する工程と、前記ジャッキを伸長させる工程と、前記免震装置を前記上部構造体と前記下部構造体との間に挿入する工程と、前記ジャッキを短縮させる工程と、前記免震装置と前記上部構造体及び前記下部構造体とを連結する工程と、前記緊張棒材を取り外す工程と、前記一対の結合ブラケットをそれぞれ構成する前記複数のブロック間の結合を解除する工程と、前記複数のブロックを取り外す工程とを備え、前記各ブロックは、前記突出部の前記挟み込む方向と直交する方向の間に前記柱に向って凹んだ切欠部を有することを特徴とする。
本発明の第1発明又は第2発明の免震工事方法によれば、既存建築物の柱を両側方から挟み込む一対のコンクリート製のブラケットを、挟み込む方向と直交する方向の両外側部に位置する突出部に柱の挟み込む方向と直交する方向における外側を通るように緊張棒材をそれぞれ挿通して、緊張棒材により緊張力をかけた状態で連結している。そして、各ブラケットは、前記挟み込む方向と直交する方向の両外部に位置する突出部の間に柱に向って凹んだ切欠部を有している。
このため、各ブラケットは、緊張力をかける緊張棒材が挿通される突出部は、緊張力による圧縮力が作用して変形、破損等が生じないように挟み込む方向に長さを確保することが可能である。そして、各ブラケットにはこの緊張力による圧縮力が突出部から既存柱との当接面の中央に向けて斜めに伝達される。そこで、伝達範囲から外れて圧縮力の影響の少ない突出部の間の部分に柱に向って凹んだ切欠部を形成することにより、ブラケットの重量の低減を図ることが可能となる。さらに、各ブラケットはコンクリート製であるので、従来のように鉄鋼材からなる場合と比較して、形状の自由度が高い。また、各結合ブラケットは、複数のブロックが結合されてなるので、運搬、設置などが容易である。
これらの理由によって、各ブラケットは、上述したような圧縮力に耐えられると共に重量の低減を図った形状とすることが容易となる。よって、これらブラケットを用いて柱の軸力をジャッキまで伝達する部材を設置する作業の簡易化を図ることが可能となる。
本発明の第1発明又は第2発明の免震工事方法において、前記複数のブロックは、それぞれ、前記切欠部の上方部又は下方部に貫通穴が形成されており、異なる前記ブロックの貫通穴を挿通する挿通具によって、当該異なるブロックを結合する工程を備えることが好ましい。
この場合、ブロック間の結合を高めることができる。
本発明の実施形態に係る既存柱軸力の仮受け構造を用いて免震装置の交換工事を行う状態を示す正面図。 図1のII―II線断面図。 既存柱軸力の仮受け構造を用いて免震装置の交換工事を行う状態を示す側面図。
本発明の実施形態に係る既存柱軸力の仮受け構造(以下、柱軸力仮受け構造という)について図1から図3を参照して説明する。
ここでは、柱軸力仮受け構造は、既存建築物10の免震装置20を交換する工事の際に、既存建築物10の柱(以下、既存柱という)11の軸力を仮受けするための構造に適用する場合について説明する。さらに具体的には、地下ピットに設置された免震装置20を交換するために、1階の既存柱11の軸力を仮受けするための構造を例にとって説明する。
ただし、本発明の柱軸力仮受け構造は、既存建築物に新たに免震装置を設置する工事の際に、既存柱の軸力を仮受けするための構造などに適用してもよい。
免震装置20は、例えば、積層ゴムを用いたアイソレータである。ただし、免震装置20は、これに限定されず、従来から使用されている何れの方式により免震化を図る装置であればよい。
ここでは、免震装置20は、その上端部に存在するフランジプレート21が、既存建築物10の上部基礎12の下面に、当該上部基礎12と一体となったベースプレート13に不図示のボルト等によって取り外し可能に連結されている。上部基礎12は、既存柱11の下方に位置し、当該既存柱11と一体化してコンクリートが固化してなるものである。
そして、免震装置20は、その下端部に存在するフランジプレート22が、既存建築物10の基礎14の上面に、当該基礎14と一体に形成されたベースプレート15に不図示のボルト等によって取り外し可能に連結されている。基礎14は、上部基礎12とは分離されてコンクリートが固化してなるものである。
そして、免震装置20周りの基礎14の上面に、滑りプレート(滑り支承)31等を介して複数台のジャッキ30が設置される。本実施形態では、ジャッキ30の設置台数は6台であるが、これに限定されない。ジャッキ30の個数は、1本の既存柱11に作用する鉛直方向の荷重(柱軸力)及び1台のジャッキ30が負担可能な荷重に応じて定まる。ジャッキ30の個数が多く、既存の基礎14のみではジャッキ30を配置できない場合、基礎14の幅方向にコンクリートを増し打ちして基礎14の幅を広げればよい。
これらジャッキ30は、上部基礎12と基礎14との間に設置される。ジャッキ30の上方に上部基礎12が存在しない場合には、上部基礎12と1階スラブ19下の1階梁18の側面にコンクリートを増し打ちして、上部基礎12と1階床下の梁に一体化して前後方向に延びる増し打ち部16を形成する。ジャッキ30と上部基礎12又は増し打ち部16の下面との隙間には、図示しないが高さ調整用プレートを適宜な枚数挿入して、これらの間の隙間を失くす。
なお、増し打ち部16の下面に、当該増し打ち部16と一体となった補強プレート17を設け、この補強プレート17を上部基礎12と一体となっているベースプレート13と溶接等によって接合することが好ましい。
また、上部基礎12又は1階梁18のせん断応力が不足する場合には、上部基礎12又は1階梁18の幅方向の側面にも、鋼板等からなる補強プレート17をエキポシ等で接着して補強すればよい。
柱軸力仮受け構造は、既存柱11を両側方から一対の結合ブラケット40が挟み込み、これら結合ブラケット40がPC(プレキャストコンクリート)鋼棒51で連結された構成となっている。PC鋼棒51が本発明の緊張棒材に相当する。ここでは、既存柱11の断面は四角形である。なお、既存柱11の内部の鉄筋は、図面では省略されている。以下、結合ブラケット40が既存柱11を挟み込む方向を前後方向として、この挟み込む方向と直交する方向を幅方向として説明する。
これらPC鋼棒51に緊張力がかけられ、既存柱11と結合ブラケット40との密着する面の間の摩擦力が作用することによって、既存柱11に作用する柱軸力を結合ブラケット40を介してジャッキ30に伝達することができる。
結合ブラケット40は、それぞれ、複数、ここでは、3個のコンクリート製のブロック41が結合されたものである。各ブロック41は、コンクリートプレキャスト部材、特に超高強度の繊維補強モルタル材料を用いたものであることが好ましい。超高強度の繊維補強モルタル材料は、例えば、ダクタル(登録商標)、サクセム(登録商標)である。
超高強度のモルタル系材料は、鉄鋼材料と比較して、強度は1/2程度であるが、重量は1/3程度である。さらに、超高強度のモルタル系材料からなる部材は、鉄鋼からなる部材と比較して、形状の設計自由度が大きい。そのため、超高強度のモルタル系材料からなるブロック41が結合されてなる結合ブラケット40は、従来の鉄鋼からなるブラケットと比較して、既存柱11の軸力をジャッキ30へ伝達するのに最適な形状とすることが容易であり、且つ、軽量でありながら大きな柱軸力を支持することが可能である。
各ブロック41は、既存柱11の前後方向の面、ここでは既存建築物10の1階梁18側の面と当接する当接面41aを有している。そして、各ブロック41は、この当接面41aから前後方向に既存柱11から離れる方向に延出しており、大略直方体となっている。
そして、各ブロック41には、前後方向外側の側面側(梁側)から既存柱11側に向って窪んだ切欠部41bが形成されている。この切欠部41bは、ブロック41の上下方向の中間部に形成されている。これにより、各ブロック41の前後方向外側の側面は、ロの字状になっている。
各ブロック41において、当接面41aと切欠部41bとの前後方向における部分は、所定の厚みを有する押圧部41cとなっている。押圧部41cの厚みは、PC鋼棒51の緊張力によりブロック41が既存柱11に押圧されても、破損や変形が生じない厚さに設定されている。
各ブロック41において、切欠部41bの幅方向の両外側に位置し、押圧部41cの幅方向の両外側部から既存柱11から離れる方向に延出する部分は、それぞれ突出部41dとなっている。
そして、これら突出部41dには、前後方向に貫通して、それぞれシース管41eが埋設されている。ここでは、各ブロック41において、上下方向に並んで、複数段のシース管41eが突出部41dに埋設されている。シース管41eは、例えば、塩化ビニルなどの樹脂製である。
さらに、各ブロック41において、切欠部41bの上下方向の両外側に位置し、押圧部41cの上下方向の両外側部から既存柱11から離れる方向に延出する部分は、それぞれ連結部41fとなっている。
そして、突出部41d及び連結部41fの幅方向両側側面には、複数のインサート41gが埋設されている。ここでは、各連結部41fにおいて、前後方向及び上下方向に並んで、複数のインサート41gが埋設されている。インサート41gは、連結部41fの幅方向の外側面にボルト穴が露出するように埋設されている。
さらに、連結部41fには、上下方向に貫通して、それぞれシース管41hが埋設されている。ここでは、各連結部41fにおいて、幅方向及び前後方向に並んで、複数のシース管41hが埋設されている。シース管41hは、例えば、塩化ビニルなどの樹脂製である。
また、各ブロック41における連結部41fにおいて、補助連結プレート41iが、前後方向外側の側面に設けられている。補助連結プレート41iは、鉄鋼などの金属製のプレートであり、裏面に頭付きスタッド41jが溶接などによって固定されており、コンクリートを打設してブロック41を形成するときにブロック41と一体化されている。
このような構成されたブロック41は、上下方向に3個積み重ねられて結合されて結合ブラケット40を構成する。以下、最下段のブロック41から上方向に向けて順に、1段目のブロック41、2段目のブロック41、3段目のブロック41という。
1段目と2段目のブロック41及び2段目と3段目のブロック41は、それぞれ、側面プレート42、水平プレート43及び固化したモルタル44によって表面の不陸などが埋められて連結されている。以下、1段目と2段目のブロック41との連結を例に挙げて説明する。
側面プレート42は、鉄鋼などの金属からなるプレートであり、貫通穴が形成されている。側面プレート42は、1段目のブロック41及び2段目のブロック41の幅方向の両側面に露出した複数のボルト穴にそれぞれ螺合されるボルト45が、貫通穴を挿通することにより、連結部41fの側面に当接して固定される。
結合ブラケット40に作用する応力は既存柱11からの軸力が基本であるが、ジャッキ30の位置が既存柱11の表面から水平方向に離れた位置にあるので、曲げモーメントとその曲げモーメントに応じたせん断力も作用することになる。このせん断力は各ブロック41の接合面を水平方向にずらすように作用するため、側面プレート42の厚さとボルト45の径及び本数はそのせん断力を負担できるように設計すればよい。
ここで、側面プレート42に形成されている貫通穴は、水平方向の幅と比較して垂直方向の幅が広くなっている。これは、側面プレート42は主として水平方向のせん断力を伝達するためのものであることから、垂直方向は余裕があってもよいが、水平方向の余裕はなるべく少なくすることが好ましいからである。これにより、1段目のブロック41と2段目のブロック41との隙間が、モルタルの厚みの相違などによってある程度変化しても、これらのブロック41を容易に結合することが可能となる。
水平プレート43は、鉄鋼などの金属からなるプレートであり、貫通穴が形成されている。水平プレート43は、1段目のブロック41及び2段目のブロック41のそれぞれの連結部41fに埋設されているシース管41hを、ボルト46が共に挿通され、このボルト46をナット47などで固定することにより、これらブロック41の連結部41f同士が当接して固定される。
さらに、1段目のブロック41の上面と2段目のブロック41の下面との間には、固化したモルタル44が存在しており、これによっても1段目と2段目とのブロック41は固定されている。なお、固化したモルタル44はブロック41の間の全面に亘って存在するものであることが好ましいが、その一部に亘って存在するものであってもよい。
また、1段目のブロック41のみに、当該ブロック41の下面と増し打ち部16上の1階スラブ19の上面との隙間の高さを調節することが可能な隙間調整手段48が備わっている。1階スラブ19とその下の増し打ち部16が本発明のブロックの下方の部材に相当する。
隙間調整手段48は、ここでは、ブロック41の前後方向の外側側面に図示しないインサート及びボルトなどで固定されたブラケット48aと、ブラケット48aに形成された貫通穴を挿通するボルト48bと、ボルト48bに螺合されたナット48cとから構成されている。ボルト48bに対するナット48cの螺合位置を変更することによって、ブラケット48aに対するボルト48bの固定位置が変化し、ボルト48bの下端面に当接する増し打ち部16上の1階スラブ19の上面とブロック41の下面との隙間を調整することができる。
このように構成された結合ブラケット40は、既存柱11の前後方向の面と各ブロック41の当接面41aとを当接させた状態で、既存柱11の前後を挟み込むようにして、PC鋼棒51及び支圧板52などを用いて固定される。
前側に位置する結合ブラケット40を構成するブロック41の突出部41dに埋設されたシース管41eと、後側に位置する結合ブラケット40を構成するブロック41の突出部41dに埋設されたシース管41eとに、同じPC鋼棒51が挿通される。そして、これら各ブロック41から前後方向に突出するPC鋼棒51の先端部に、それぞれ支圧板52に形成されている貫通穴を挿通させた状態でナット53を螺合させ締め付け固定している。
この締め付け力により、PC鋼棒51に緊張力がかけられ、一対の結合ブラケット40を介して既存柱11に圧縮力が付加される。この圧縮力によって既存柱11と結合ブラケット40とが密着され、押し付けによって当接面41aとこれと密着する面の間の摩擦力が大きくなる。
このように、PC鋼棒51の緊結によって結合ブラケット40に圧縮力が作用する。そして、この圧縮力が作用する部分である突出部41dの幅は、PC鋼棒51の緊結による圧縮力に耐えることができ、且つ、PC鋼棒51の端部を固定するために必要なナット53などを取り付けるために必要な幅が確保されている。
各ブロック41の突出部41dの前後方向の長さ(奥行き長さ)は、既存柱11から上部基礎12又は増し打ち部16を介して柱軸力をジャッキ30に伝達することが可能な長さが確保されている。ここでは、各ブロック41の突出部41dは、上面視において、ジャッキ30の中央位置付近まで延びている。
切欠部41bの断面は、ここでは台形形状となっている。このような切欠部41bを設けることにより、ブロック41の軽量化を図ることができる。
ただし、PC鋼棒51からの緊張力によって、各ブロック41の突出部41dには幅方向外側に広がるように変形して当接面41aが弓なりに反る形になり、既存柱11と結合ブラケット40との当接する部分が既存柱11の隅角部付近のみになるので、柱軸力を十分に伝達できなくなる、又は、既存柱11の隅角部やブロック41が破損するおそれが生じる。そこで、突出部41dを幅方向に連結する連結部41fを設け、切欠部41bが形成されていない部分を設けることが好ましい。
さらに、連結部41fの前後方向外側に補助連結プレート41iを突出部41dと一体に形成して補強することが好ましい。これにより、PC鋼棒51の緊張力によりブロック41が既存柱11に押圧されても、押圧部41cの破損や変形に対して、連結部41fと補助連結プレート41iが一体に抵抗できる。また、補助連結プレート41iに貫通孔を設け、PC鋼棒51を貫通させて各ブロック41に固定する場合と比較して、PC鋼棒51に軸方向と直交する応力を与えないという点で好ましい。
なお、補助連結プレート41iがPC鋼棒51と支圧板52の設置の障害にならないように、補助連結プレート41iの外面は連結部41f及び突出部41dと面一に形成することが好ましい。
切欠部41bの既存柱11側の端部は、当接面41aの中央から前後方向の既存柱11から離れる方向に向って45°の方向に押圧部41cの厚さだけ前後方向に直線を延長させた際の幅方向の長さと略同一となっている。切欠部41bの既存柱11側の端部をこれにより広くした場合、PC鋼棒51の緊張力をブロック41の突出部41dを介して既存柱11に伝達することが困難になる。一方、切欠部41bの既存柱11側の端部をこれより狭くすると、PC鋼棒51の緊張力は既存柱11に伝達し易くなるが、ブロック41の重量が増加するという不都合が生じる。
そして、本実施形態では、切欠部41bの幅方向の側面の傾きは、突出部41dの端から、切欠部41bの既存柱11側の平面部とを平らな面で連結した形状となっている。このようにして、切欠部41bの断面は、前述したように台形形状となっている。ただし、切欠部41bの断面は、台形形状に限定されず、重量が増加する不都合があるが、この台形形状より小さな形状としてもよい。
さらに、結合ブラケット40の1段目のブロック41と上部基礎12及び増し打ち部16とは上方の1階スラブ19を介して固化したグラウト54によって連結されている。また、各段のブロック41と既存柱11とも固化したグラウト54によって連結されている。
なお、結合ブラケット40を介して大きな柱軸力を伝達するためには、既存柱11と結合ブラケット40との間に大きな摩擦力が必要であり、結合ブラケット40は上下方向にある程度の長さを有することが好ましい。ただし、結合ブラケット40の上下方向の長さを長くすると、個々のブラロック41が重くなり、また、体積も嵩張るので、運搬、設置などが困難になるので、好ましくない。そこで、本実施形態では、結合ブラケット40を上下に3分割している。
以下、上述した柱軸力仮受け構造を用いた、既存建築物の免震装置の交換工事について図1から図3を参照して説明する。
まず、下面と基礎14との間に免震装置20が挿入されている上部基礎12において、ジャッキ30が基礎14との間との配設されるように、前後方向にそれぞれコンクリートを増し打ちして、増し打ち部16を形成する工程を行う。
各増し打ち部16は、図示しない型枠を設置し、後施工アンカを上部基礎12や1階床下の梁に打接すると共に配筋を行い、コンクリートを打設し、その後、養生させることにより形成する。このとき、1階スラブ19の下端に増し打ち部16の上面が密着するようにする。補強プレート17を設置する場合には、補強プレート17は、増し打ち部16形成用の型枠の一部をなしており、上部基礎12の下面に一体となったベースプレート13に溶接等により接合する。
次に、必要であれば、上部基礎12又は1階梁18の側面にも補強プレートをエキポシなどの接着剤によって接着する。
次に、基礎14の上に、上記特許文献1に開示されているように滑りプレート31等を設置する。
次に、結合ブラケット40の1段目の2個のブロック41を上部基礎12及び増し打ち部16の上に設置する工程を行う。このとき、ブロック41の下面と増し打ち部16の上面との隙間の高さを、隙間調整手段48を用いて所定の高さ(例えば30〜40mm)に調整する。
次に、結合ブラケット40の1段目のブロック41の上面にモルタルを塗布した後、1段目のブロック41のそれぞれの上に2段目のブロック41を設置する工程を行う。このとき、1段目と2段目とのブロック41を側面プレート42によって仮固定しておく。
次に、結合ブラケット40の2段目のブロック41の上面にモルタルを塗布した後、2段目のブロック41のそれぞれの上に3段目のブロック41を設置する工程を行う。このとき、2段目と3段目とのブロック41を側面プレート42によって仮固定しておく。
次に、1段目と2段目とのブロック41及び2段目と3段目とのブロック41を、側面プレート42及び水平プレート43によって固定する。その後の時間経過によってモルタルが固化し、結合ブラケット40が完成する。
次に、既存柱11、上部基礎12、既存柱11及び増し打ち部16上の1階スラブ19と各結合ブラケット40との隙間にグラウトを充填する工程を行う。具体的には、これらの隙間の外周に図示しない型枠を設置し、この型枠内にグラウトを充填する。型枠は、グラウトが漏れ出ないように桟木やシール材を用いて構成すればよい。グラウトが固化した後、型枠を除去する。
次に、一対の結合ブラケット40を、シース管41eにPC鋼棒51を挿通させ、既存柱11の前後方向から挟み込んだ状態で、緊張力をかけて連結する工程を行う。このとき、PC鋼棒51は、支圧板52の貫通孔も挿入させ、ナット53を用いて固定する。
次に、基礎14と増し打ち部16との間にジャッキ30を設置する工程を行う。
次に、免震装置20の上端部に存在するフランジプレート21と、上部基礎12と一体となったベースプレート13との連結を解除する工程を行う。なお、この解除工程の代わりに、免震装置20の下端部に存在するフランジプレート22と、基礎14と一体に形成されたベースプレート15との連結を解除する工程を行ってもよい。
次に、ジャッキ30を少し、例えば数mm伸長させ、その状態で停止させる工程を行う。この場合、1本の既存柱11に係る全てのジャッキ30を同時に伸長させる。このとき、隣接する複数本の既存柱11に係る全てのジャッキ30を同時に伸長させてもよい。
次に、前記解除工程では連結を解除しなかった連結を解除する工程を行う。つまり、前記解除工程で、フランジプレート21とベースプレート13との連結を解除した場合は、フランジプレート22とベースプレート15との連結を解除し、フランジプレート22とベースプレート15との連結を解除した場合は、フランジプレート21とベースプレート13との連結を解除する。
次に、免震装置20を新規の免震装置と交換する工程を行う。
次に、ジャッキ30を短縮して、元の状態に戻す工程を行う。
次に、新規の免震装置の上端部に存在するフランジプレート21と上部基礎12と一体となったベースプレート13とを、及び新規の免震装置の下端部に存在するフランジプレート22と基礎14と一体に形成されたベースプレート15とを、それぞれ連結する工程を行う。
最後に、結合ブラケット40、PC鋼棒51、ジャッキ30等を取り外す工程を行う。なお、これら取り外しした部材は、同じ既存建築物10の他の既存柱11に対して再度使用してもよい。結合ブラケット40は、側面プレート42及び水平プレート43を取り外し、個々のブロック41に分割して取り外すことが好ましいが、一体として取り外してもよい。
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、既存柱11は、PC鋼棒51により緊張力がかけられた状態で連結された一対の結合ブラケット40が、既存柱11の両側面を挟み込んで押し付けるように固定されている。そして、結合ブラケット40を構成する各ブロック41は、幅方向両外部に位置する突出部41dの幅方向の間に柱に向って凹んだ切欠部41bを有している。
このため、各ブロック41は、緊張力をかけるPC鋼棒51が挿通される突出部41dは、緊張力による圧縮力が作用して変形、破損等が生じないように前後方向に長さを確保することが可能である。
さらに、各結合ブラケット40にはこの緊張力による圧縮力が突出部41dから既存柱11との当接面41aの中央に向けて斜めに伝達される。そこで、伝達範囲から外れて圧縮力の影響の少ない突出部41dの間の部分に柱に向って凹んだ切欠部41bを形成することにより、ブロック41の重量の低減が図られている。さらに、各ブロック41は超高強度の繊維補強モルタル材料からなるので、従来のように鉄鋼材からなる場合と比較して、形状の自由度が高い。
これらの理由によって、各ブロック41は、上述したような圧縮力に耐えられると共に重量の低減を図った形状とすることが容易である。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、本発明の柱軸力仮受け構造を用いて、既存建築物の免震装置を交換する工事に使用する場合について説明した。しかし、本発明の柱軸力仮受け構造は、このような工事だけでなく、既存建築物に免震装置を新設する工事などにも使用することができる。
この場合、免震装置を挿入する部分を確保する必要があるが、その部分より上方に位置する既存柱に対して本発明の柱軸力仮受け構造を適用すればよい。
また、上部基礎12と基礎14との間に免震装置20が挿入されている場合の工事について説明した。しかし、本発明の柱軸力仮受け構造は、このような工事だけでなく、免震装置が中間階の柱の間に挿入されている場合にも同様に施工することが可能である。この場合、本発明の柱軸力仮受け構造は、免震装置が挿入された部分の上に存在する既存柱に設置すればよい。
なお、本発明の柱軸力仮受け構造は柱軸力が大きい既存柱11にのみ使用し、柱軸力が小さい既存柱には従来の形鋼等からなるブラケットを使用してもよい。
また、対象が既存建築物の外周の柱である場合、各結合ブラケット40は共に設置した床の下に梁の存在する方向に設置されることが構造上望ましい。
また、結合ブラケット40を上下に3個のブロック41を積み重ねた構成としたが、2個又は4個以上のブロックを積み重ねた構成であってもよい。さらに、各ブロック41が上面視で同じ形状である場合について説明したが、これに限定されず、例えば上段のブロックのほど、上面視の形状で小さくなるものであってもよい。
また、ブロック41を水平プレート43を用いて結合する場合について説明したが、水平プレート43を用いて結合しないものであってもよい。そして、この場合、切欠部41bは、ブロック41の上下方向全体に亘って形成されていてもよい。
また、1枚の支圧板52に1本のPC鋼棒51が挿通される場合について説明したが、、1枚の支圧板52に複数本のPC鋼棒51が挿通されるものであってもよい。
また、結合ブラケット40を現場でブロック41を積み重ねて結合する場合について説明したが、結合ブラケット40を現場又は現場以外で結合した後、既存建築物10に取り付けてもよい。
また、側面プレート42又は水平プレート43と各ブロック41の表面との間に隙間が生じる場合は、適宜な枚数の調整用プレート等を挿入して調整してもよい。
10…既存建築物、 11…既存柱(柱)、 12…上部基礎(上部構造体)、 13,15…ベースプレート、 14…基礎(下部構造体)、 16…増し打ち部、 17…補強プレート、 18…1階梁、 19…1階スラブ、 20…免震装置、 21,22…フランジプレート、 30…ジャッキ、 31…滑りプレート、 40…結合ブラケット、 41…ブロック、 41a…当接面、 41b…切欠部、 41c…押圧部、 41d…突出部、 41e…シース管、 41f…連結部、 41g…インサート、 41h…シース管、 41i…補助連結プレート、 41j…頭付きスタッド、 42…側面プレート、 43…水平プレート、 44…固化したモルタル、 45,46…ボルト、 47…ナット、 48…隙間調整手段、 48a…ブラケット、 48b…ボルト、 48c…ナット、 51…PC鋼棒(緊張棒材)、 52…支圧板、 53…ナット、54…固化したグラウト。

Claims (7)

  1. 既存建築物の免震装置が挿入される部分の上方に存在する柱の軸力の仮受け構造であって、
    前記柱を前後方向両側方から挟み込み、前記挟み込む方向と直交する方向の両外側部に位置する突出部に前記柱の前記挟み込む方向と直交する方向における外側を通る緊張棒材がそれぞれ挿通されて、前記緊張棒材により緊張力がかけられた状態で連結された一対の結合ブラケットからなり、
    前記結合ブラケットは、それぞれ、複数のコンクリート製のブロックが垂直方向に結合されてなり、
    前記各ブロックは、前記突出部の前記挟み込む方向と直交する方向の間に前記柱に向って凹んだ切欠部を有し、
    前記複数のブロックは、それぞれ、前記切欠部の上方部又は下方部に貫通穴が形成されており、
    異なる前記ブロックの貫通穴を挿通する挿通具によって、当該異なるブロックが上下に結合されていることを特徴とする既存柱軸力の仮受け構造。
  2. 前記複数のブロックは、当該複数のブロックの側面に当接するプレートが、ボルトによって当該複数のブロックの側面に形成されているボルト穴に螺合することにより、結合されており、
    前記プレートに形成され、前記ボルトが挿通する貫通穴は、水平方向の幅と比較して垂直方向の幅が広くなっていることを特徴とする請求項1に記載の既存柱軸力の仮受け構造。
  3. 前記結合ブラケットを構成する前記複数のブロックと前記柱との間、及び、前記結合ブラケットを構成する前記複数のブロックのうち最下段のブロックとその下方の部材の上面との間に、固化したグラウトが存在することを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の既存柱軸力の仮受け構造。
  4. 前記結合ブラケットを構成する前記複数のブロックのうち最下段のブロックに、当該ブロックの下面とその下方の部材の上面との隙間を調整する隙間調整手段が備わることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の既存柱軸力の仮受け構造。
  5. 既存建築物の柱の下方に位置し当該柱と一体化してコンクリートからなる上部構造体と当該上部構造体とは分離した下部構造体との間に設置されている免震装置を交換する免震工事方法であって、
    それぞれ、複数のコンクリート製のブロックを積み上げ、当該積み上げたブロックを結合して一対の結合ブラケットを形成する工程と、
    前記一対の結合ブラケット前記柱を前後方向両側方から挟み込み、当該挟み込む方向と直交する方向の両外側部に位置する突出部に前記柱の前記挟み込む方向と直交する方向における外側を通るように緊張棒材をそれぞれ挿通して、前記緊張棒材により緊張力をかけた状態で連結する工程と、
    前記上部構造体にコンクリートを増し打ちして増し打ち部を形成する工程と、
    前記増し打ち部と前記下部構造体との間にジャッキを設置する工程と、
    前記免震装置と前記下部構造体又は前記上部構造体の一方との連結を解除する工程と、
    前記ジャッキを伸長させる工程と、
    前記免震装置と前記下部構造体又は前記上部構造体との他方との連結を解除する工程と、
    前記免震装置を新規の免震装置と交換する工程と、
    前記ジャッキを短縮させる工程と、
    前記新規の免震装置と前記上部構造体及び前記下部構造体とを連結する工程と、
    前記緊張棒材を取り外す工程と、
    前記一対の結合ブラケットをそれぞれ構成する前記複数のブロック間の結合を解除する工程と、
    前記複数のブロックを取り外す工程とを備え、
    前記各ブロックは、前記突出部の前記挟み込む方向と直交する方向の間に前記柱に向って凹んだ切欠部を有することを特徴とする免震工事方法。
  6. 既存建築物の柱の下方に位置し当該柱と一体化してコンクリートからなる上部構造体と当該上部構造体とは分離した下部構造体との間に免震装置を設置する免震工事方法であって、
    それぞれ、複数のコンクリート製のブロックを積み上げ、当該積み上げたブロックを結合して一対の結合ブラケットを形成する工程と、
    前記一対の結合ブラケット前記柱を前後方向両側方から挟み込み、当該挟み込む方向と直交する方向の両外側部に位置する突出部に前記柱の前記挟み込む方向と直交する方向における外側を通るように緊張棒材をそれぞれ挿通して、前記緊張棒材により緊張力をかけた状態で連結する工程と、
    前記上部構造体にコンクリートを増し打ちして増し打ち部を形成する工程と、
    前記増し打ち部と前記下部構造体との間にジャッキを設置する工程と、
    前記ジャッキを伸長させる工程と、
    前記免震装置を前記上部構造体と前記下部構造体との間に挿入する工程と、
    前記ジャッキを短縮させる工程と、
    前記免震装置と前記上部構造体及び前記下部構造体とを連結する工程と、
    前記緊張棒材を取り外す工程と、
    前記一対の結合ブラケットをそれぞれ構成する前記複数のブロック間の結合を解除する工程と、
    前記複数のブロックを取り外す工程とを備え、
    前記各ブロックは、前記突出部の前記挟み込む方向と直交する方向の間に前記柱に向って凹んだ切欠部を有することを特徴とする免震工事方法。
  7. 前記複数のブロックは、それぞれ、前記切欠部の上方部又は下方部に貫通穴が形成されており、
    異なる前記ブロックの貫通穴を挿通する挿通具によって、当該異なるブロックを結合する工程を備えることを特徴とする請求項5又は6に記載の免震工事方法。
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