JP2022101290A - 車両用加飾部材 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022101290000001
【課題】厚さの異なる部分を有する車両用加飾部材であって意匠性に優れるものを提供すること。
【解決手段】
第1の透明樹脂製の第1樹脂成形体10と、
前記第1樹脂成形体10と一体に成形され、前記第1の透明樹脂と屈折率、色および可視光透過率の少なくとも一種において同等な第2の透明樹脂製であり、前記第1樹脂成形体10の裏面11の一部に一体化され裏方向に突出する第2樹脂成形体20と、
前記第2樹脂成形体20の裏面25に形成されている意匠部30と、を具備する、車両用加飾部材1。
【選択図】図1

Description

本発明は車両用加飾部材に関する。
一般的な車両には、各種の車両用加飾部材が取り付けられる。車両用加飾部材は、車両の外面に取り付けられる車両用外装部品や、車両室内に取り付けられる車両用内装部品の一部または全体を構成する。車両用外装部品としては、フロントグリルやバックドアパネル、フロントガーニッシュおよびリヤガーニッシュ等を例示できる。一方、車両用内装部品としては、センターコンソールボックスおよびインストルメントパネル等を例示できる。
近年、車両に対する軽量化の要求が高まっており、車両用加飾部材にもまた軽量化が要求されている。このため、車両用加飾部材の材料としては、樹脂を選択するのが一般的になっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2013-112179号公報
特許文献1に開示されている車両用加飾部材は、車両に取り付けられるハウジングと、当該ハウジングを表側から覆う透明または半透明のレンズ部材と有する。ハウジングにはハウジング意匠面が設けられており、当該ハウジング意匠面に表示される意匠は、レンズ部材を通して、車両の表側から視認される。レンズ部材は、ハウジングに向けて突起する突部を有する。当該突部は、レンズに入射した光を屈折させる機能を有する。
ところで、当該車両用加飾部材におけるレンズ部材の厚さは、突部とその他の部分とで異なる。このように厚さの異なる部分を有する車両用加飾部材を、樹脂を材料として成形する場合、その厚さの差が過大であれば、成形後、収縮する際に、車両用加飾部材の表面側にヒケと呼ばれる窪みが生じて車両用加飾部材の意匠性が低下することが懸念される。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、厚さの異なる部分を有する車両用加飾部材であって意匠性に優れるものを提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の車両用加飾部材は、
第1の透明樹脂製の第1樹脂成形体と、
前記第1樹脂成形体と一体に形成され、前記第1の透明樹脂と屈折率、色および可視光透過率の少なくとも一種において同等な第2の透明樹脂製であり、前記第1樹脂成形体の裏面の一部に一体化され裏方向に突出する第2樹脂成形体と、
前記第2樹脂成形体の裏面に形成されている意匠部と、を具備する、車両用加飾部材である。
本発明の車両用加飾部材は、厚さの異なる部分を有する車両用加飾部材であって意匠性に優れる。
実施例1の車両用加飾部材の断面を模式的に表す説明図である。 実施例1の車両用加飾部材における第1の樹脂成形体を裏側からみた様子を模式的に表す説明図である。 実施例1の車両用加飾部材における第2の樹脂成形体を裏側からみた様子を模式的に表す説明図である。 実施例2の車両用加飾部材における第1樹脂成形体を裏側からみた様子を模式的に表す説明図である。 実施例2の車両用加飾部材における第2樹脂成形体を裏側からみた様子を模式的に表す説明図である。 実施例3の車両用加飾部材における第1樹脂成形体を裏側からみた様子を模式的に表す説明図である。 実施例3の車両用加飾部材における第2樹脂成形体を裏側からみた様子を模式的に表す説明図である。
本発明の樹脂成形体は、
第1の透明樹脂製の第1樹脂成形体と、
前記第1樹脂成形体と一体に形成され、前記第1の透明樹脂と屈折率、色および光透過性の少なくとも一種において同等な第2の透明樹脂製であり、前記第1樹脂成形体の裏面の一部に一体化され裏方向に突出する第2樹脂成形体と、
前記第2樹脂成形体の裏面に形成されている意匠部と、を具備する、車両用加飾部材である。
本発明の車両用加飾部材における第2樹脂成形体は、第1樹脂成形体の裏面の一部に一体化され裏方向に突出する。このため、本発明の車両用加飾部材の厚さは、当該第2樹脂成形体が突出する部分において厚くなる。
ここで、厚さの異なる部分を有する樹脂成形体における成形時の収縮量は、厚い部分においては薄い部分に比べて大きい。この収縮量の差に起因して、厚い部分の表面にはヒケと呼ばれる窪みが生じると考えられている。
しかし、本発明の車両用加飾部材は、第1樹脂成形体と、当該第1樹脂成形体の裏側に位置する第2樹脂成形体と、を有し、その厚さ方向において第1樹脂成形体と第2樹脂成形体との少なくとも2つに分断されている。これにより、たとえ第2樹脂成形体が成形時に大きく収縮したとしても、その影響は、当該第2樹脂成形体の表側に位置する第1樹脂成形体にまでは及び難く、第1樹脂成形体の表面にはヒケが生じ難い。したがって、本発明の車両用加飾部材は、厚さの異なる部分を有する車両用加飾部材であって、意匠性にも優れる。
また、本発明の車両用加飾部材における第1樹脂成形体および第2樹脂成形体は透明であり、このうち第2樹脂成形体の裏面には意匠部が形成されている。換言すると、本発明の車両用加飾部材は、意匠部と、第1樹脂成形体および第2樹脂成形体を含み当該意匠部の表側を覆う透明な層と、を有する。このため、本発明の車両用加飾部材の表面は、透明な層である第1樹脂成形体および第2樹脂成形体を通して、意匠部の意匠を表示する。そして、第1樹脂成形体の材料である第1の透明樹脂と、第2成形体の材料である第2の透明樹脂とは、屈折率、色、および可視光透過率において同等である。このため、ユーザーや通行人等が本発明の車両用加飾部材を表側から見た場合に、意匠部は歪み等なく鮮明に表示される。このため、本発明の車両用加飾部材によると、第1樹脂成形体および第2樹脂成形体という2層の透明層を通して意匠部の意匠を表示するにも拘わらず、当該意匠を鮮明に美しいままで表示することが可能である。
以下、本発明の車両用加飾部材をその構成要素毎に説明する。
本発明の車両用加飾部材は、第1樹脂成形体と、第2樹脂成形体と、意匠部と、を具備する。
第1樹脂成形体は、第1の透明樹脂製である。本明細書でいう透明とは、可視光透過率が80%以上であることを意味する。第1の透明樹脂は、透明でありさえすればよく、その世については特に限定しないが、耐久性等を考慮すると、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA:所謂アクリル樹脂)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、スチレンアクリロニトリルコポリマー(SANまたはAS樹脂)、ポリシクロヘキシルメタアクリレート(PCHMA)等が好適である。
第1樹脂成形体は、車両用加飾部材のうち表側に位置する部分である。したがって、既述したヒケの発生を抑制し車両用加飾部材に優れた意匠性を付与するために、少なくとも車両に取り付けた際に視認される部分においては、第1樹脂成形体の厚さは一定であるのが好ましい。本明細書において、厚さが一定とは、最も薄い部分の厚さと最も厚い部分の厚さとの差が1.5mm以下、1.3mm以下または1.2mm以下であることを意味する。
なお、後述するように第1樹脂成形体が流路部を有する場合には、流路部において第1樹脂成形体の厚さは薄くなる。しかしこの場合にも、第1樹脂成形体の厚さが上記した範囲内であれば、流路部以外の部分に生じるヒケを抑制でき、意匠性に優れる車両用加飾部材を得ることが可能である。
第2樹脂成形体は、第1樹脂成形体と一体に成形される。第1樹脂成形体と第2樹脂成形とはどちらが先に成形されても良いが、第1樹脂成形体を先に成形し、次いで第2樹脂成形体を成形する場合には、後述するように、第1樹脂成形体に境界領域および流路部を設け、第2樹脂成形体に凸部および連結部を設けるのが好ましい。
第1樹脂成形体と第2樹脂成形体とを一体に成形する成形方法としては、インサート成形法や二色成形法等の既知の方法を用いれば良い。
第2樹脂成形体を構成する第2の透明樹脂としては、上記した第1の透明樹脂と屈折率、色および可視光透過率の少なくとも一種において同等なものを用いれば良い。第2の透明樹脂は、このうち特に、屈折率において第1の透明樹脂と同等であるのが好ましい。第1の透明樹脂と第2の透明樹脂との屈折率を同等とすることで、第1樹脂成形体と第2樹脂成形体との境界が視覚的に判別し難くなり、第1樹脂成形体と第2樹脂成形体とが一つの連続した透明樹脂成形体であるように見えるためである。
ここで、本明細書において屈折率が同等とは、屈折率の差が0.1未満、好ましくは0.095以下、0.075以下、0.05以下または0.05未満であることを意味する。屈折率は、JIS K 7142:2014に準拠して測定すれば良い。
また、本明細書において色が同等とは、マンセル・カラーチャートにおける色相の差が2以内であることを意味する。当該マンセル・カラーチャートにおいては、具体的には、色相をR(赤)、YR(黄赤)、Y(黄)、GY(黄緑)、G(緑)、BG(青緑)、B(青)、PB(紫青)、P(紫)、RP(赤紫)と互いに連続する10段階に分けている。なお、RとRPとは連続するものとする。この10段階に分けられた色相において、その差が2以内である場合に、色が同等と判断できる。より具体的には、例えば第1透明樹脂の色相がRであれば、第2透明樹脂の色相がYR、Y、RPまたはPである場合に、第2透明樹脂が第1透明樹脂と色において同等といい得る。
また、本明細書において可視光透過率が同等とは、可視光透過率の差が10%以下、好ましくは5%以下であることを意味する。可視光透過率はJIS K 7375:2008の全光線透過率に準拠して測定すれば良い。
第2の透明樹脂は、上記した項目の少なくとも一種を満たせば良く、第1の透明樹脂と異なるものであっても良い同じものであっても良い。
例えば二色成形法やインサート成形法を用いて本発明の車両用加飾部材を成形する場合、第1樹脂成形体と第2樹脂成形体とを相溶させ両者を強固に一体化するためには、第1の透明樹脂と第2の透明樹脂とが同じものであるのが好ましい。
また、成形時において、第1樹脂成形体および第2樹脂成形体のうちで先に成形されたものの形状変化を抑制するためには、第1の透明樹脂と第2の透明樹脂とを異なるものとするのが好ましい。この場合、さらに、第1の透明樹脂と第2の透明樹脂とが軟化温度において5℃以上異なるのが好ましく、10℃以上異なるのがより好ましい。軟化温度の低いものを、第1樹脂成形体および第2樹脂成形体のうち後で成形するものの材料とすれば良い。軟化温度は、JIS K 7206のビカット軟化温度(B50法)に準拠して測定すれば良い。
第2樹脂成形体は、第1樹脂成形体の裏面側にあり、車両用加飾部材の表側からは視認され難い。このため、第2樹脂成形体には多少のヒケが生じても構わない。つまり、第2樹脂成形体の厚さは一定であっても良いし、一定でなくても良い。勿論、車両用加飾部材の意匠性を信頼性高く向上させるためには、第2樹脂成形体の厚さは一定であるのが好ましい。当該一定については既に定義した。
本発明の車両用加飾部材において、第1樹脂成形体は、裏面の一部である複数の境界領域と、裏方向に開口する溝状をなし隣り合う当該境界領域を繋ぐ流路部と、を有するのが好ましい。そしてこの場合、第2樹脂成形体は、第1樹脂成形体における各々の境界領域に一体化され裏方向に突出する複数の凸部と、複数の当該凸部に連続し第1樹脂成形体における流路部に一体化されている連結部と、を有するのが好ましい。
第1樹脂成形体の裏面の一部である境界部は、第1樹脂成形体のうち第2樹脂成形体の凸部の表側にあり当該凸部が一体化される部分である。また、第1樹脂成形体の流路部は、裏方向に開口する溝状をなし隣り合う境界部同士を繋ぐために、第1樹脂成形体の裏側に配置される第2樹脂成形体を成形する際に、第2樹脂成形体の材料すなわち第2の樹脂材料の流路として機能し得る。
第2樹脂成形体における凸部は、第1樹脂成形体の境界部から裏方向に突起するために、車両用加飾部材の厚さは凸部において他の部分よりも厚くなり、車両用加飾部材の形状は凸部付近において三次元的に複雑な形状となる。このような複雑な形状の樹脂成形体を製造する場合、樹脂成形体を成形精度高く成形するためには、成形時に、複雑な形状の部分にまで十分な量の樹脂材料を行き渡らせるのが肝要である。
本発明の車両用加飾部材において、第1樹脂成形体を上記した境界領域および流路部を有する形状とし、第2樹脂成形体を凸部および連結部を有する形状とすることで、第2樹脂成形体の材料である第2の樹脂材料を、成形時に、各々の凸部にまで行き渡らせることが可能である。これにより、複雑な形状の車両用加飾部材であっても成形精度高く成形することが可能であり、車両用加飾部材により優れた意匠を付与することが可能である。
なお、第1樹脂成形体の境界部は、第1樹脂成形体の裏面におけるその他の部分と面一であっても良いし、裏方にやや隆起していても良い。この場合にも、第1樹脂成形体の厚さが上記した均一の範囲にあれば、成形時に第1樹脂成形体に生じるヒケは十分に抑制され、第1樹脂成形体の意匠性を良好に維持できる。
本発明の車両用加飾部材は、個々の凸部によってそれぞれ別の意匠を形成しても良いし、複数の凸部によってひとつの意匠を形成しても良い。複数の凸部によって一つの意匠を形成する場合には、簡単な構造の第2樹脂成形体によって複雑な意匠を形成することが可能であり、複雑な意匠を表示する本発明の車両用加飾部材を安価に製造することが可能である。本発明の車両用加飾部材が複数の凸部によってひとつの意匠を形成する場合、ひとつの意匠を形成する複数の凸部の集合体を凸部群と称する。本発明の車両用加飾部材は、当該凸部群を一つ有しても良いし複数有しても良い。
本発明の車両用加飾部材は、上記した第1樹脂成形体および第2樹脂成形体に加えて、意匠部を有する。意匠部は、第2樹脂成形体および第1樹脂成形体を通じて、車両用加飾部材の表側に意匠を表示するための部分である。このような意匠部は、屈折率、色、可視光透過率において、第1樹脂成形体および第2樹脂成形体とは異なるものである。意匠部は、第2樹脂成形体の裏面に形成されるところ、上記したように第2樹脂成形体が複数の凸部を有する場合には、意匠部は各凸部の裏面に各々形成されれば良い。これにより、意匠部は各々の凸部に対応する位置で意匠を表示する。
意匠部は、平板状であっても良いし、第2樹脂成形体の裏面に沿った立体形状をなしても良い。意匠部が立体形状をなす場合には、本発明の車両用加飾部材は、立体的な奥行きのある意匠を表示することができる。
意匠部は、例えば、金属や塗料等を有するシートを第2樹脂成形体の裏面に張り付けることで形成しても良い。または、印刷や塗装等の方法で第2樹脂成形体の裏面に直接形成しても良い。さらには、第2樹脂成形体を成形する際にその裏面側にシボ等の立体形状を成形し、第2樹脂成形体のうち当該シボ等が設けられた部分を意匠部としても良い。この場合、第2樹脂成形体のうち意匠部との界面が第2樹脂成形体の裏面となる。
ところで、本発明の車両用加飾部材において、第2樹脂成形体は第1樹脂成形体の裏面の一部に一体に形成される。このため、本発明の車両用加飾部材における第1樹脂成形体の裏面には、第2樹脂成形体が一体化されない部分がある。当該部分を、必要に応じて、第1樹脂成形体の一般部と称する。
第1樹脂成形体の一般部は、本発明の車両用加飾部材における最裏側にそのまま露出しても良い。或いは、第2の樹脂成形体の裏面と同様の意匠部を第1樹脂成形体の一般部に形成しても良い。
一般部に形成される意匠部は、第2樹脂成形体の裏面に形成される意匠部とは、異なる意匠を表示するものであっても良いし、同じ意匠を表示するものであっても良い。第1樹脂成形体の一般部および第2樹脂成形体の裏面に、互いに異なる意匠を表示する意匠部が形成される場合には、当該異なる意匠に由来する、コントラストのついた意匠が本発明の車両用加飾部材に付与される。
なお、第1樹脂成形体の一般部に形成される意匠部と、第2樹脂成形体の裏面に形成される意匠部とが、同じ意匠を表示する場合にも、本発明の車両用加飾部材はこの二つの意匠部によって奥行きのある立体的な意匠を表示することができる。つまり、第2樹脂成形体の裏面に形成される意匠部と第1樹脂成形体の一般部に形成される意匠部とは、本発明の車両用加飾部材における表-裏方向、すなわち、厚さ方向に離れて配置される。同じ意匠を表示する二つの意匠部が厚さ方向に離れた位置に配置されることにより、車両用加飾部材には奥行きのある立体的な意匠が表示される。
本発明の車両用加飾部材は、既述した車両用内装部品として用いても良いし、車両用外装部品として用いても良く、その大きさや形状は特に限定しない。本発明の車両用加飾部材は、ヒケの防止が可能であり優れた意匠性を発揮し得ることから、ユーザーや歩行者等の目につく位置、具体的には車両前側に設ける車両用外装部品として用いるのが特に好適である。車両用外装部品として、具体的には、フロントグリルやエンブレム等を例示できる。
以下、具体例を挙げて本発明の車両用加飾部材を説明する。
(実施例1)
実施例1の車両用加飾部材は、車両前側に設ける車両用外装部品として用いられる。
実施例1の車両用加飾部材の断面を模式的に表す説明図を図1に示す。実施例1の車両用加飾部材における第1の樹脂成形体を裏側からみた様子を模式的に表す説明図を図2に示す。また、実施例1の車両用加飾部材における第2の樹脂成形体を裏側からみた様子を模式的に表す説明図を図3に示す。
以下、表、裏とは、図1に示す表、裏を指すものとする。なお、表-裏方向は、車両用加飾部材の厚さ方向と一致する。参考までに、車両に取り付けた実施例1の車両用加飾部材において、表側は車両進行方向の先側、つまり、車両の外側に露出する側となり、裏側は車両進行方向の後側、つまり、車体によって隠される側となる。
図1に示すように、実施例1の車両用加飾部材1は、第1樹脂成形体10、第2樹脂成形体20および意匠部30を具備する。
第1樹脂成形体10および第2樹脂成形体20は、透明樹脂の一種であるPMMA製である。実施例1の車両用加飾部材1におけるPMMAは、本発明の車両用加飾部材1における第1の透明樹脂、および、第2の透明樹脂に相当する。
図1に示すように第1樹脂成形体10は略板状をなす。第1樹脂成形体10の裏面11には、裏方向に突出する第2樹脂成形体20が一体化されている。より具体的には、第2樹脂成形体20は、凸状をなす2つの凸部21と、当該二つの凸部21に連続する連結部22と、を有する。
各凸部21は、互いに離れて配置され、第1樹脂成形体10の裏面11の一部である境界領域12において、当該第1樹脂成形体10の裏面11に一体化されている。
第1樹脂成形体10の裏面11には、上記した境界領域12以外に、流路部13が設けられている。流路部13は、裏方向に開口する溝状をなし、二つの境界領域12を繋ぐ。
第2樹脂成形体20の連結部22は、当該流路部13の裏側に配置され、当該流路部13に一体化されている。
ここで、流路部13は溝状をなすために、裏面11は流路部13において境界領域12よりも表方向に一段下がっている。このため、連結部22もまた凸部21よりも表方向に一段下がっている。連結部22は、凸部21よりも表において、二つの凸部21を連結している。
図1に示すように、第1樹脂成形体10の厚さは、流路部13において最も薄く、その他の部分では略均一である。第1樹脂成形体10における流路部13以外の部分の厚さ(b)は3.6mmであり、第1樹脂成形体10における流路部13の深さ(a)は1.2mmである。このため、第1樹脂成形体10における最も薄い部分の厚さと最も厚い部分の厚さとの差は、流路部13の深さと同じ1.2mmである。したがって、第1樹脂成形体10の厚さは一定といい得る。
また、第2樹脂成形体20の厚さは、凸部21において最も厚く、連結部22において最も薄い。凸部21の厚さ(c)は、連結部22の厚さすなわち流路部13の深さ(a)の3倍程度である。
実施例1の車両用加飾部材1における意匠部30は、凸部21の裏面25に塗布され乾燥した塗料からなる。実施例1の車両用加飾部材1において、当該意匠部30は、凸部21の裏面25にのみ形成されている。したがって、第2樹脂成形体20における凸部21の側面、第2樹脂成形体20における連結部22の裏面には、意匠部30は形成されていない。さらに、第1樹脂成形体10における一般部15、すなわち、第1樹脂成形体10の裏面11のうち第2樹脂成形体20が一体化されない部分にも、意匠部30は形成されていない。
実施例1の車両用加飾部材1は、以下のように製造できる。
先ず、第1の透明樹脂を材料として、第1樹脂成形体10の形状に応じたキャビティを有する第1成形型(図略)にて、第1樹脂成形体10を成形する。これにより、境界領域12および流路部13を有する第1樹脂成形体10が得られる。
図2に示すように、第1樹脂成形体10の裏面11は、流路部13以外の部分において略平面状をなし、二つの境界領域12を有する。流路部13は裏方向に開口する溝状をなし、二つの境界領域12を繋ぎつつ、第1樹脂成形体10の端にまで延び、第1樹脂成形体10の側面16に開口している。
第2樹脂成形体20を成形するための図略の第2成形型のキャビティは、第1樹脂成形体10を配置しつつ当該第1樹脂成形体10と一体に第2樹脂成形体20を成形し得る形状をなす。当該第2成形型のゲートは、第1樹脂成形体10における流路部13の開口17に連絡するサイドゲートである。したがって、第2樹脂成形体20の成形時に、流動状態にある第2の透明樹脂が、当該開口17を通じて第1樹脂成形体10の流路部13に流入し、当該流路部13を通ってキャビティにおける境界領域12付近の部分に供給される。
ここで、第2成形型のキャビティのうち第2樹脂成形体20の凸部21を成形するための部分は、三次元的に複雑な形状であるため、第2樹脂成形体20における凸部21付近の部分を寸法精度高く成形するのが困難な場合がある。
しかし、実施例1の車両用加飾部材1における第1樹脂成形体10は、溝状をなす流路部13を有し、当該流路部13は、凸部21の表側に位置する境界領域12と、第2成形型のゲートとを連絡する第2の透明樹脂の流路となる。この流路によって、成形時において凸部21付近にまで十分な量の樹脂が供給されるために、実施例1の車両用加飾部材1における第2樹脂成形体20は寸法精度高く成形される。これにより、実施例1の車両用加飾部材1は、優れた意匠性を発揮する。
実施例1の車両用加飾部材1における第2樹脂成形体20は、二つの凸部21に加えて、当該二つの凸部21に連続する連結部22を有する。連結部22は、流路部13に残存した第2の透明樹脂が、冷却され硬化した部分ともいい得る。
実施例1の車両用加飾部材1は、図1に示すように、厚さの厚い部分である凸部21を有する第2樹脂成形体20と、凸部21以外の大部分である第1樹脂成形体10と、に厚さ方向に二分割されている。このため、実施例1の車両用加飾部材1は、第2樹脂成形体20の成形時にもヒケが生じ難く、意匠性に優れる。
また、図1に示すように、凸部21は第2樹脂成形体20の一部であり、第1樹脂成形体10の裏側に隠される。このため、第2樹脂成形体20における凸部21の表面26に多少のヒケが生じても、当該ヒケは第1樹脂成形体10により吸収されかつ第1樹脂成形体10によって隠されるために、実施例1の車両用加飾部材1の表側からは視認し難い。
また、第1樹脂成形体10と第2樹脂成形体20とは別々に成形されることから、第2樹脂成形体20の内部応力のうち、第1樹脂成形体10にまで伝達される力は小さい。これにより、実施例1の車両用加飾部材1は、凸部21を有するにも拘わらず車両用加飾部材1の表面、すなわち第1樹脂成形体10の表面にヒケが生じ難い。
ところで、第2樹脂成形体20は、厚さの厚い部分である凸部21と、当該凸部21よりも厚さの薄い部分である連結部22とを有するために、凸部21の表面には依然としてヒケが生じる可能性がある。しかし実施例1の車両用加飾部材1における連結部22は、凸部21に対して表側に一段下がった位置にあり、凸部21とは一体ではあるものの力的には分断されたかの如き状態である。したがって、成形後、第2の透明樹脂が冷却され収縮する際にも、凸部21は連結部22の影響を受け難い。これにより、実施例1の車両用加飾部材1では、第2樹脂成形体20における凸部21の表面にもヒケが生じ難い。このことによっても、実施例1の車両用加飾部材1は優れた意匠性を発揮する。
(実施例2)
実施例2の車両用加飾部材は、第1樹脂成形体における流路部の形状と、第2樹脂成形体における連結部の形状とにおいて実施例1の車両用加飾部材と相違し、その余においては実施例1と概略同じである。
以下、実施例1の車両用加飾部材との相違点を中心に、実施例2の車両用加飾部材を説明する。
実施例2の車両用加飾部材における第1樹脂成形体を裏側からみた様子を模式的に表す説明図を図4に示す。また、実施例2の車両用加飾部材における第2樹脂成形体を裏側からみた様子を模式的に表す説明図を図5に示す。
図4に示すように、実施例2の車両用加飾部材1における第1樹脂成形体10は、二つの境界領域12を繋ぐ部分にのみ形成された短い流路部13を有する。実施例2の車両用加飾部材1における第2樹脂成形体20を成形するための第2の成形型(図略)は、流路部13における長手方向の略中央部に連絡するダイレクトゲートを有する。したがって、実施例2の車両用加飾部材1は、第1樹脂成形体10の端部にまで到達しない短い流路部13を有するものの、第2樹脂成形体20の成形時には、流動状態にある第2の透明樹脂が、第1樹脂成形体10の流路部13に流入し、当該流路部13を通ってキャビティにおける境界領域12付近の部分にまで十分に供給される。このため実施例2の車両用加飾部材1もまた、第2樹脂成形体20が寸法精度高く成形された、意匠性に優れたものである。
また、実施例2の車両用加飾部材1もまた、実施例1の車両用加飾部材1と同様に第1樹脂成形体10と第2樹脂成形体20とを有し、厚さ方向に二分割された状態で成形される。これにより、実施例2の車両用加飾部材1もまた、厚さの異なる部分を有するにも拘らず、ヒケが抑制され意匠性に優れる。
(実施例3)
実施例3の車両用加飾部材における第2樹脂成形体は、複数の凸部からなりひとつの意匠を表示する凸部群を有するものであり、第1樹脂成形体は当該凸部群に対応する流路部を有する。これ以外は、実施例3の車両用加飾部材は実施例2の車両用加飾部材と概略同じものである。
実施例3の車両用加飾部材における第1樹脂成形体を裏側からみた様子を模式的に表す説明図を図6に示す。実施例3の車両用加飾部材における第2樹脂成形体を裏側からみた様子を模式的に表す説明図を図7に示す。
図7に示すように、実施例3の車両用加飾部材1における第2樹脂成形体20では、数多くの凸部21が集まって一つの意匠を形成している。当該数多くの凸部21は、凸部群29を構成している。
各々の凸部21の裏面には、図略の意匠部が形成されている。当該意匠部により、凸部21の配置に沿った意匠が表示される。
図6に示すように、実施例3の車両用加飾部材1における第1樹脂成形体10は、数多くの凸部21に対応する、数多くの境界領域12を有する。また、第1樹脂成形体10における流路部13は、多数の境界領域12に対応すべく、多数に分岐している。さらに流路部13の一部は、独立して、隣り合う境界領域12同士を繋いでいる。
実施例3の車両用加飾部材1は、多数の凸部21からなる凸部群29によってひとつの意匠を形成し、当該凸部21に対応した多数の意匠部によって、凸部群29の形成した意匠を表示する。これにより、実施例3の車両用加飾部材1によると、複雑な意匠を形成するための第2樹脂成形体20を簡単な構造にできる利点がある。これにより、実施例3の車両用加飾部材1は複雑な意匠を表示するにも拘らず、容易かつ安価に製造できる。
勿論、実施例3の車両用加飾部材1もまた、実施例1の車両用加飾部材1および実施例2の車両用加飾部材1と同様に、流路部13を有することにより第2樹脂成形体20の寸法精度を向上させることが可能である。さらに、実施例3の車両用加飾部材1もまた、実施例1の車両用加飾部材1および実施例2の車両用加飾部材1と同様に、第1樹脂成形体10と第2樹脂成形体20とを有し、厚さ方向に二分割された状態で成形される。これにより、実施例3の車両用加飾部材1もまた、厚さの異なる部分を有するにも拘わらず、ヒケが抑制され意匠性に優れる。
本発明は、上記し且つ図面に示した実施形態にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。また、実施形態を含む本明細書に示した各構成要素は、それぞれ任意に抽出し組み合わせて実施できる。
1:車両用加飾部材
10:第1樹脂成形体
11:第1樹脂成形体の裏面
12:境界領域
13:流路部
20:第2樹脂成形体
21:凸部
22:連結部
25:凸部の裏面(第2樹脂成形体の裏面)
26:凸部の表面
29:凸部群
30:意匠部

Claims (4)

  1. 第1の透明樹脂製の第1樹脂成形体と、
    前記第1樹脂成形体と一体に成形され、前記第1の透明樹脂と屈折率、色および可視光透過率の少なくとも一種において同等な第2の透明樹脂製であり、前記第1樹脂成形体の裏面の一部に一体化され裏方向に突出する第2樹脂成形体と、
    前記第2樹脂成形体の裏面に形成されている意匠部と、を具備する、車両用加飾部材。
  2. 前記第1樹脂成形体は、前記裏面の一部である複数の境界領域と、裏方向に開口する溝状をなし隣り合う前記境界領域を繋ぐ流路部と、を有し、
    前記第2樹脂成形体は、各々の前記境界領域に一体化され前記裏方向に突出する複数の凸部と、複数の前記凸部に連続し前記流路部に一体化されている連結部と、を有する、請求項1に記載の車両用加飾部材。
  3. 前記第2樹脂成形体は、複数の前記凸部からなりひとつの意匠を表示する凸部群を有する、請求項2に記載の車両用加飾部材。
  4. 請求項1~請求項3の何れか一項に記載の車両用加飾部材を具備する、車両用外装部品。
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