JP2022100883A - ステビア植物の酵素処理組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ステビア植物の更なる有効活用を図るための技術が求められていた。【解決手段】ステビア植物の酵素処理組成物であって、前記酵素処理組成物におけるアミノ酸/ステビオール配糖体の重量比が0.3以上である、組成物。【選択図】図2

Description

本発明は、ステビア植物の酵素処理組成物、および該組成物の製造方法に関する。また、本発明は、前記製造方法により製造された組成物を含む飲食品、および飲食品の甘味増強方法にも関する。
キク科ステビア(Stevia rebaudiana)の葉にはジテルペノイドの一種であるステビオール(Steviol)とよばれる二次代謝産物が含まれており、ステビオール配糖体は砂糖の約300倍もの甘味を呈することからカロリーレスの甘味料として食品産業に利用されている。肥満が深刻な社会問題として国際的に発展しており、健康増進および医療費削減の観点からもカロリーレスの甘味料の要望は日々大きくなっている。現在では人工的に合成されたアミノ酸誘導体のアスパルテーム(Aspartame)やアセスルファムカリウム(Acesulfame Potassium)が人工甘味料として利用されているが、ステビオール配糖体のように天然に存在するカロリーレス甘味料はより安全で消費者理解(Public Acceptance)が得られやすいと期待される。
近年、ステビア植物を抽出処理した後に発生する残渣の廃棄量を抑える等の目的から、ステビア植物の抽出残渣を有効に活用する取り組みが報告されている(例えば、非特許文献1および2)。また、ステビア植物の抽出時に酵素を利用する手法も知られている(特許文献1)。
米国特許第10463065号公報
Journal of Functional Foods, Vol.72, September 2020, 103983 Ecotoxicology and Environmental Safety, Vol.172, May 2019, 403-410
このような状況の下、ステビア植物の更なる有効活用を図るための技術が求められていた。
本発明は、下記に示すとおりである。
[1]
ステビア植物の酵素処理組成物であって、
前記酵素処理組成物におけるアミノ酸/ステビオール配糖体の重量比が0.3以上である、組成物。
[2]
前記酵素処理組成物の総重量に対して、100~10000ppmのアミノ酸を含む、[1]に記載の組成物。
[3]
前記アミノ酸は、アルギニン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、トリプトファンおよびシスチンからなる群から選択される1種以上である、[1]または[2]に記載の組成物。
[4]
前記アミノ酸が、ステビア植物由来のアミノ酸である請求項[1]~[3]のいずれか一項に記載の組成物。
[5]
前記ステビオール配糖体は、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドG、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドM、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドQ、レバウジオシドR、ズルコシドA、ズルコシドC、ルブソシド、ステビオールモノシド、ステビオールビオシドおよびステビオシドからなる群から選択される1種以上である、[1]~[4]のいずれか一項に記載の組成物。
[6]
前記酵素処理組成物は、ヘミセルラーゼおよび/またはプロテアーゼにより酵素処理されたものである、[1]~[5]のいずれか一項に記載の組成物。
[7]
前記ステビア植物は、ステビア植物の葉、茎および/または組織を含む、[1]~[6]のいずれか一項に記載の組成物。
[8]
[1]~[7]のいずれか一項に記載の組成物を含む、飲食品。
[9]
ステビア植物の酵素処理組成物の製造方法であって、
ステビア植物を溶媒を用いて抽出することと、
ヘミセルラーゼおよび/またはプロテアーゼを用いて前記抽出後の残留物を酵素処理することと、を含む、方法。
[10]
前記残留物は、少なくとも1回以上の抽出後の残留物である、[9]に記載の方法。
[11]
前記酵素処理後に固液分離することをさらに含む、[9]または[10]に記載の方法。
[12]
前記ヘミセルラーゼおよび/またはプロテアーゼの添加量が、ステビア植物の乾燥重量に対して0.5~15重量%である、[9]~[11]のいずれか一項に記載の方法。
[13]
酵素処理時間が1~48時間である、[9]~[12]のいずれか一項に記載の方法。
[14]
酵素処理時のpHが2~10である、[9]~[13]のいずれか一項に記載の方法。
[15]
酵素処理時の温度が10~80℃である、[9]~[14]のいずれか一項に記載の方法。
[16]
[9]~[15]のいずれか一項に記載の方法により得られる、組成物。
[17]
[16]に記載の組成物を含む、飲食品。
[18]
[1]~[7]および[16]のいずれか一項に記載の組成物を飲食品に配合することを含む、飲食品の甘味増強方法。
本発明によれば、ステビオール配糖体およびアミノ酸を含むステビア植物の酵素処理組成物、またその製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、前記組成物を含む飲食品、飲食品の甘味増強方法を提供することができる。
酵素処理中のBrixの推移を示す図である。 ステビア植物の酵素処理組成物に含まれるアミノ酸量を示す図である。 ステビア植物の酵素処理組成物に含まれるステビオール配糖体量を示す図である。 種々の酵素を用いて酵素処理した際の酵素処理組成物に含まれるアミノ酸組成を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこの実施の形態のみに限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施をすることができる。なお、本明細書において引用した全ての文献、および公開公報、特許公報その他の特許文献は、参照として本明細書に組み込むものとする。
本明細書において、「Reb」および「Reb.」は同じ意味を表すものであり、いずれも「レバウジオシド(rebaudioside)」を意味するものである。
1.ステビア植物の酵素処理組成物
本発明は、ステビア植物の酵素処理組成物(以下、単に「酵素処理組成物」または「組成物」とも称する)に関する。具体的には、本発明は、ステビア植物の酵素処理組成物であって、前記酵素処理組成物におけるアミノ酸/ステビオール配糖体の重量比が3以上である、組成物に関する。
本明細書において、「ステビア植物」には、ステビア植物の植物全体および植物の部分が包含される。「植物の部分」には、ステビア植物の葉、茎、花、根およびこれらを任意に切断したもの、並びにステビア植物の細胞および組織が包含される。
本明細書において、「ステビア植物の酵素処理組成物」とは、前記ステビア植物を溶媒を用いて抽出した後の残留物(残渣)に酵素処理を施すことで得られる組成物を意味する。酵素処理については後述する。
ステビアは、ステビオール配糖体以外にも多種多様な成分を含んでいる。そのような成分としては、水溶性成分と不溶性成分とがある。水溶性成分としては、例えば、水溶性食物繊維などの多糖類、アルカロイドおよびフラボノイドおよびテルペノイドなどの二次代謝産物、メタノール、ポリフェノール、ミネラル、ビタミン、アミノ酸、有機酸、水溶性タンパク質、ならびに様々な他の配糖体が挙げられる。また、不溶性成分としては、例えば、不溶性食物繊維などを含む不溶性多糖類、不溶性タンパク質および脂質が挙げられる。
本発明の一態様によれば、ステビア植物の酵素処理組成物は、アミノ酸を多く含む。また、いくつかの態様において、ステビア植物の酵素処理組成物には、少量のステビオール配糖体が含まれ得る。いくつかの態様において、ステビア植物の酵素処理組成物は、ステビオール配糖体を実質的に含まないことが好ましいが、ステビア植物に由来する除去しきれないステビオール配糖体が不可避的に少量含まれていてもよい。
アミノ酸は、タンパク質を形成する20種のアミノ酸の1種以上が含まれることが好ましい。具体的には、アラニン(Ala)、アルギニン(Arg)、アスパラギン(Asn)、アスパラギン酸(Asp)、システイン(Cys)、グルタミン(Gln)、グルタミン酸(Glu)、グリシン(Gly)、ヒスチジン(His)、イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)、リジン(Lys)、メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、プロリン(Pro)、セリン(Ser)、スレオニン(トレオニン)(Thr)、トリプトファン(Trp)、チロシン(Tyr)およびバリン(Val)が挙げられる。
また、アミノ酸は、アルギニン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、トリプトファンおよびシスチンからなる群から選択される1種以上であってもよい。
本明細書において、「アミノ酸含有量」または「アミノ酸濃度」というときは、特に断らない限り、上記18種のアミノ酸の合計量および合計濃度を意味する。アミノ酸は、その種類に応じて、アミノ酸自動分析機やHPLCを用いて公知の方法で定量することができる。
ここで、アミノ酸は、ステビア植物由来のアミノ酸であることが好ましい。本明細書において、「ステビア植物由来」とは、前記ステビア植物から得られるアミノ酸を意味する。アミノ酸を含む他の成分を加えていない限り、酵素処理組成物に含まれるアミノ酸はステビア植物由来のものであり得る。
本発明の一態様において、アミノ酸は、D体であってもよく、L体であってもよく、D体とL体からなるラセミ体であってもよい。アミノ酸は、好ましくは、D体と比較してL体のものを多く含む。具体的には、酵素処理組成物に含まれるL体のアミノ酸は、アミノ酸の含有量に対して50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上または95%以上等であってもよい。
本発明の一態様において、ステビオール配糖体としては、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドG、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドM、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドQ、レバウジオシドR、ズルコシドA、ズルコシドC、ルブソシド、ステビオール、ステビオールモノシド、ステビオールビオシドおよびステビオシドなどが挙げられる。
また、いくつかの態様において、酵素処理組成物は、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドG、レバウジオシドI、レバウジオシドM、レバウジオシドN、ステビオシド、ステビオールビオシドズルコシドAおよびルブソシドからなる総ステビオール配糖体(TSG)を含むものであってもよい。
本明細書において、「ステビオール配糖体含有量」または「ステビオール配糖体濃度」というときは、特に断らない限り、上記に列挙した総ステビオール配糖体の合計量および合計濃度を意味する。ステビオール配糖体は、液体クロマトグラフ質量分析計を用いて公知の方法で定量することができる。
本発明の一態様において、酵素処理組成物におけるアミノ酸/ステビオール配糖体の重量比は、例えば、0.3以上、0.5以上、0.7以上、1以上、1.2以上、1.5以上、2以上、3以上、4以上、5以上、6以上、7以上、8以上、9以上、10以上、11以上、12以上、13以上、14以上、15以上、16以上、17以上、18以上、19以上または20以上等であってもよい。アミノ酸の比率が高いほど、素材としての純度が高くなるため好ましい。
本発明の一態様において、アミノ酸は、酵素処理組成物の総重量に対して、例えば、100~10000ppm、150~10000ppm、200~10000ppm、250~10000pm、300~10000ppm、350~10000ppm、100~9000ppm、150~9000ppm、200~9000ppm、250~9000pm、300~9000ppm、350~9000ppm、100~8000ppm、150~8000ppm、200~8000ppm、250~8000pm、300~8000ppm、350~8000ppm、100~7000ppm、150~7000ppm、200~7000ppm、250~7000pm、300~7000ppm、350~7000ppm、100~6000ppm、150~6000ppm、200~6000ppm、250~6000pm、300~6000ppm、350~6000ppm、100~5000ppm、150~5000ppm、200~5000ppm、250~5000pm、300~5000ppm、350~5000ppm、100~4000ppm、150~4000ppm、200~4000ppm、250~4000pm、300~4000ppm、350~4000ppm、100~3000ppm、150~3000ppm、200~3000ppm、250~3000pm、300~3000ppm、350~3000ppm、100~2000ppm、150~2000ppm、200~2000ppm、250~2000pm、300~2000ppm、350~2000ppm、100~1000ppm、150~1000ppm、200~1000ppm、250~1000pm、300~1000ppmまたは350~1000ppm等であってもよい。
本発明の一態様において、ステビオール配糖体は、酵素処理組成物の総重量に対して、3000ppm以下、2500ppm以下、2300ppm以下、2000ppm以下、1500ppm以下、1000ppm以下、750ppm以下、720ppm以下、700ppm以下、500ppm以下、450ppm以下、400ppm以下、350ppm以下、300ppm以下、250ppm以下、200ppm以下、150ppm以下、100ppm以下、90ppm以下、85ppm以下、80ppm以下、75ppm以下、70ppm以下、65ppm以下、60ppm以下、55ppm以下、50ppm以下、45ppm以下、40ppm以下、35ppm以下、30ppm以下、25ppm以下、20ppm以下、15ppm以下、10ppm以下、5ppm以下または1ppm以下等であってもよい。なお、ステビオール配糖体濃度の下限は、0である。
本発明の一態様において、ステビア植物の酵素処理組成物に含まれるアミノ酸含有量は、酵素処理組成物の固形分量に対して、例えば、0.1~50重量%、0.5~50重量%、1.0~50重量%、1.5~50重量%、1.0~50重量%、2.5~50重量%、3.0~50重量%、3.5~50重量%、4.0~50重量%、4.5~50重量%、5.0~50重量%、5.5~50重量%、6.0~50重量%、0.1~40重量%、0.5~40重量%、1.0~40重量%、1.5~40重量%、2.0~40重量%、2.5~40重量%、3.0~40重量%、3.5~40重量%、4.0~40重量%、4.5~40重量%、5.0~40重量%、5.5~40重量%、6.0~40重量%、0.1~30重量%、0.5~30重量%、1.0~30重量%、1.5~30重量%、2.0~30重量%、2.5~30重量%、3.0~30重量%、3.5~30重量%、4.0~30重量%、4.5~30重量%、5.0~30重量%、5.5~30重量%、6.0~30重量%、0.1~20重量%、0.5~20重量%、1.0~20重量%、1.5~20重量%、2.0~20重量%、2.5~20重量%、3.0~20重量%、3.5~20重量%、4.0~20重量%、4.5~20重量%、5.0~20重量%、5.5~20重量%または6.0~20重量%等であってもよい。酵素処理組成物のBrix(固形分量)は、組成物が液体である場合は、Brix計(例えば、ATAGO製Brix計RX-5000αなど)を用いて求めることができ、HPLC等で測定したアミノ酸の量を用いて、組成物の固形分量に対するアミノ酸の量を算出することができる。
本発明の一態様において、ステビア植物の酵素処理組成物に含まれるアミノ酸含有量は、乾燥重量基準で、酵素処理組成物の総重量に対して、例えば、0.1~60重量%、0.5~60重量%、1.0~60重量%、1.5~60重量%、2.0~60重量%、2.5~60重量%、3.0~60重量%、3.5~60重量%、4.0~60重量%、4.5~60重量%、5.0~60重量%、5.5~60重量%、6.0~60重量%、0.1~50重量%、0.5~50重量%、1.0~50重量%、1.5~50重量%、2.0~50重量%、2.5~50重量%、3.0~50重量%、3.5~50重量%、4.0~50重量%、4.5~50重量%、5.0~50重量%、5.5~50重量%、6.0~50重量%、0.1~40重量%、0.5~40重量%、1.0~40重量%、1.5~40重量%、2.0~40重量%、2.5~40重量%、3.0~40重量%、3.5~40重量%、4.0~40重量%、4.5~40重量%、5.0~40重量%、5.5~40重量%、6.0~40重量%、0.1~30重量%、0.5~30重量%、1.0~30重量%、1.5~30重量%、2.0~30重量%、2.5~30重量%、3.0~30重量%、3.5~30重量%、4.0~30重量%、4.5~30重量%、5.0~30重量%、5.5~30重量%、6.0~30重量%、0.1~20重量%、0.5~20重量%、1.0~20重量%、1.5~20重量%、2.0~20重量%、2.5~20重量%、3.0~20重量%、3.5~20重量%、4.0~20重量%、4.5~20重量%、5.0~20重量%、5.5~20重量%または6.0~20重量%等であってもよい。
本発明の一態様において、ステビア植物の酵素処理組成物は、ヘミセルラーゼおよび/またはプロテアーゼにより酵素処理されたものである。ヘミセルラーゼは、ヘミセルロースを加水分解する酵素であれば特に制限されず、公知の酵素を使用することができる。ヘミセルラーゼは、例えば、キシラン、アラビノキシラン、キシログルカンおよびグルコマンナンなどの多糖類であるヘミセルロースを分解するものであり、キシラナーゼやガラクタナーゼが知られている。
プロテアーゼは、ペプチド結合加水分解酵素を意味するものである。プロテアーゼは、ペプチド鎖の末端から切断するエキソペプチダーゼであってもよいし、ペプチド鎖の中央から切断するエンドペプチダーゼであってもよい。両者を併用することもできる。また、ペプチダーゼは、例えば、パパイヤ、パイナップル、ショウガ、イチジク、キウイフルーツなどの植物由来であってもよいし、麹、カビ、納豆菌などの細菌類に由来するものであってもよい。ヘミセルラーゼおよびプロテアーゼは、市販のものを購入して使用することができる。
本発明の一態様において、ステビア植物の酵素処理組成物は、液状、ペースト状、粉末状または顆粒状等の形態であってもよい。液状またはペースト状とする場合、溶媒は、水道水、イオン交換水、軟水、蒸留水のほか、これらの水を脱気処理した脱気水などが挙げられる。
2.ステビア植物の酵素処理組成物の製造方法
本発明は、ステビア植物の酵素処理組成物の製造方法にも関する。具体的には、本発明は、ステビア植物の酵素処理組成物の製造方法であって、ステビア植物を溶媒を用いて抽出することと、ヘミセルラーゼおよび/またはプロテアーゼを用いて前記抽出後の残留物を酵素処理することと、を含む、方法に関する。
(A)ステビア植物を溶媒を用いて抽出すること
本発明の一態様における製造方法には、ステビア植物を溶媒を用いて抽出することが含まれる。例えば、前述したステビア植物を、水性溶媒を用いて抽出することが挙げられる。
ステビア植物は、例えば、ステビアの乾燥葉(茎や他の組織が含まれていてもよい)を使用することができる。ステビアの乾燥葉とは、ステビア植物の新鮮葉を乾燥させることにより含水量を減らしたものをいう。ステビア植物の乾燥葉の含水率は、好ましくは1~10重量%、より好ましくは、2~8重量%、特に好ましくは3~4重量%である。
本発明の製造方法に用いるのに好ましいステビア植物の乾燥葉は、含水率が10重量%以下の場合に乾燥葉100g中に100~800mgのアルギニン、100~400mgのヒスチジン、100~600mgのチロシン、100~800mgのイソロイシン、100~1000mgのバリン、100~900mgのグリシン、400~2000mgのグルタミン酸、100~800mgのスレオニン、50~400mgのトリプトファンを含むものであってもよい。
溶媒としては、水やアルコール、あるいはそれらの混合溶液等が挙げられる。好ましい溶媒としては、イオン交換水、純水(例えば、ミリQ水)およびエタノール水溶液などが挙げられる。抽出する際には、ステビア植物(例えば、乾燥葉)を破砕してもよく、破砕しなくてもよい。破砕する場合は、ボールミルなどを用いて破砕してもよい。あるいは、カラム抽出機(GEヘルスケア製)やニーダー抽出器(SKN-R100、三友機器株式会社製)等を用いて抽出処理をしてもよい。
抽出時には、溶媒を加熱してもよい。抽出する際の温度は、例えば、10~80℃、25~80℃、30~75℃、35~70℃、40~65℃、45~70℃であってもよく、好ましくは45~70℃である。なお、本明細書において、温度の下限値及び上限値は、例えば、各温度の±1℃、±2℃、±3℃、±4℃、±5℃の温度であってもよい。
抽出は、1回だけでなく、複数回行ってもよい。複数回抽出を行うことで、葉に含まれているステビオール配糖体がより多く抽出される。
ステビア植物の抽出率は、例えば、10~60%を目安とすることができ、20~50%であることが好ましく、25~45%であることがより好ましく、30~40%であることがさらに好ましい。なお、抽出率は、原料のステビア植物の重量に対する抽出液中の固形分量の比率(%)である。
(B)ヘミセルラーゼおよび/またはプロテアーゼを用いて前記抽出後の残留物を酵素処理すること
本発明の一態様における製造方法には、ヘミセルラーゼおよび/またはプロテアーゼを用いて前記抽出後の残留物を酵素処理することが含まれる。ヘミセルラーゼおよび/またはプロテアーゼは、前記「1.ステビア植物の酵素処理組成物」で述べたものを使用することができる。いくつかの態様では、ステビア植物の抽出後の残留物は、少なくとも1回の抽出後の残留物である。別のいくつかの態様では、前記残留物は、少なくとも2回の抽出後の残留物である。更に別のいくつかの態様では、前記残留物は、少なくとも3回の抽出後の残留物である。
また、本発明の一態様における製造方法は、上記(B)の工程において酵素を添加する前または後に、ステビア植物の抽出後の残留物をスラリーにすることをさらに含んでもよい。スラリーに使用する溶媒としては、上記(A)で述べた水性溶媒が挙げられる。水性スラリーの濃度は特に制限されないが、流動性や処理効率などを考慮すると、5~70%であることが好ましく、5~50%がより好ましく、7~30%がさらに好ましい。
本発明の一態様において、ヘミセルラーゼおよびプロテアーゼは、併用することが好ましい。これにより、酵素処理組成物に含まれるアミノ酸濃度を増加させることができる。
また、ヘミセルラーゼおよびプロテアーゼを併用する場合、ヘミセルラーゼ処理後にプロテアーゼ処理を行ってもよいし、ヘミセルラーゼ処理とプロテアーゼ処理を同時に行ってもよい。より具体的には、前記(A)の工程において先ずヘミセルラーゼを添加し、次に(B)の工程においてプロテアーゼを添加してもよいし、(B)の工程においてヘミセルラーゼおよびプロテアーゼをともに添加してもよい。
ヘミセルラーゼおよびプロテアーゼを併用する場合の合計添加量は、ステビア植物の乾燥重量に対して、0.5~15重量%、1~14.5重量%、1.5~14重量%、2~13.5重量%、2.5~13重量%、3~12.5重量%、3.5~12重量%、4~11.5重量%、4.5~11重量%、5~10.5重量%または5~10重量%等であってもよい。
また、ヘミセルラーゼおよびプロテアーゼを併用する場合のそれぞれの酵素の添加量は、上記の合計添加量を踏まえ適宜調整することができる。例えば、ヘミセルラーゼの添加量は、ステビア植物の乾燥重量に対して、0.5~15重量%、1~14重量%、1.5~13重量%、2~12重量%、2.5~11重量%または3~10重量%等であってもよい。同様に、プロテアーゼの添加量は、ステビア植物の乾燥重量に対して、0.5~15重量%、1~14重量%、1.5~13重量%、2~12重量%、2.5~11重量%または3~10重量%等であってもよい。なお、ヘミセルラーゼまたはプロテアーゼを単独で使用する場合の添加量は、これらを併用する場合の合計添加量を目安に添加することができる。
酵素処理の時間は、例えば、1~48時間、1~36時間、1~24時間、1~18時間、2~48時間、2~36時間、2~24時間、2~18時間、3~48時間、3~36時間、3~24時間、3~18時間、4~48時間、4~36時間、4~24時間、4~18時間、5~48時間、5~36時間、5~24時間、5~18時間、6~48時間、6~36時間、6~24時間、6~18時間、7~48時間、7~36時間、7~24時間、7~18時間、8~48時間、8~36時間、8~24時間、8~18時間、9~48時間、9~36時間、9~24時間、9~18時間、10~48時間、10~36時間、10~24時間、10~18時間または10~16時間等としてもよい。酵素反応の時間は、使用する酵素の至適温度や酵素の添加量等を踏まえ、適宜調整することができる。
酵素反応の温度は、使用する酵素の種類によって適宜変更することができるが、例えば、10~80℃、15~80℃、20~80℃、25℃~80℃、30~80℃、35~80℃、40~80℃、10~75℃、15~75℃、20~75℃、25℃~75℃、30~75℃、35~75℃、40~75℃、10~70℃、15~70℃、20~70℃、25℃~70℃、30~70℃、35~70℃または40~70℃等であってもよい。また、加熱装置を用いて上記範囲の温度に調整することもできる。加熱装置は、特に制限されるものではないが、例えば、スチーム加熱機、電熱加熱機、ウォータージャケット加熱機、電磁加熱機等を挙げることができる。
酵素反応時のpHは、使用する酵素の種類によって適宜変更することができるが、例えば、2~10、2.2~10、2.4~10、2.6~10、2.8~10、3~10、2~9、2.2~9、2.4~9、2.6~9、2.8~9、3~9、2~8、2.2~8、2.4~8、2.6~8、2.8~8または3~8等であってもよい。
pHを調整する際には、例えば、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、ケイ酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩等のアルカリ剤や、クエン酸、乳酸、酢酸等の有機系のpH調整剤、リン酸、塩酸、硫酸、二酸化炭素等の無機系のpH調整剤を使用することができる。
酵素処理中の反応液のBrix(固形分量)は、例えば、0.25~30、0.25~25、0.25~20、0.25~18、0.25~16、0.25~14、0.25~12、0.25~10、0.25~8.0、0.25~6.0、0.25~5.0、0.25~4.0、0.25~3.0、0.5~30、0.5~25、0.5~20、0.5~18、0.5~16、0.5~14、0.5~12、0.5~10、0.5~8.0、0.5~6.0、0.5~5.0、0.5~4.0または0.5~3.0等であってもよい。
いくつかの態様では、酵素反応を効率的に実施するため、ステビア植物の抽出後の残留物(例えば、スラリー化した残留物)を撹拌しながら酵素処理してもよい。撹拌装置に特に制限はなく、例えば、縦軸撹拌装置、横軸撹拌装置、マグネチックスターラー、振とう機等を用いることができる。
また、いくつかの態様において、ステビア植物の抽出後の残留物(例えば、スラリー化した残留物)は、複数回に分けて酵素処理してもよい。例えば、前記残留物は、2~10回、2~5回または2~4回に分けて酵素処理してもよい。
(C)その他の工程
本発明の一態様における製造方法は、前記残留物を含む酵素反応液を高温に加熱することで酵素反応を終了することを含んでいてもよい。使用する酵素の耐熱性によって条件は異なるが、例えば、前記残留物を含む酵素反応液を80℃、90℃、95℃または100℃を超える温度に加熱することで、酵素を失活させることができる。酵素を失活させるための時間は、例えば、30秒~1時間、1~30分間または1~10分間等であってもよい。酵素失活にはプレートヒーターや向流接触装置を使用することができる。
本発明の一態様における製造方法は、上記(B)の工程後に固液分離処理することを含んでいてもよい。固液分離処理としては、固体と液体が十分に分離されれば特に限定されないが、例えば、遠心分離器やフィルタープレスを用いた処理や、フィルターやメッシュを用いた重力ろ過が挙げられる。
本発明の一態様における製造方法は、固液分離処理された酵素処理組成物をさらに濃縮、乾燥、造粒等の処理を施すことを含んでいてもよい。濃縮、乾燥、造粒等の処理は、公知の方法を用いて実施することができる。
以上の各工程により、ステビア植物の酵素処理組成物を製造することができる。得られる酵素処理組成物の特徴は、上記「1.ステビア植物の酵素処理組成物」で述べた特徴と同じである。また、本発明の一態様における製造方法によって得られるステビア植物の酵素処理組成物を含む飲食品の特徴および当該飲食品の製造方法は、後述するとおりである。
3.ステビア植物の酵素処理組成物を含む飲食品
本発明は、ステビア植物の酵素処理組成物を含む飲食品にも関する。本発明の飲食品は、ステビア植物の酵素処理組成物を含んでいれば特に限定されない。飲食品とは、飲料および食品を意味する。好ましくは、飲食品は飲料である。
飲食品に対する酵素処理組成物の配合量は、飲食品の種類に応じて異なるが、飲食品中のステビア植物由来のアミノ酸量に換算して設定することができ、例えば、前記アミノ酸量が0.0001~1重量%、0.001~0.1重量%、0.005~0.1重量%または0.005~0.05重量%等となるように設定することができる。
食品は、例えば、製菓、製パン類、穀粉、麺類、飯類、農産・林産加工食品、畜産加工品、水産加工品、乳・乳製品、油脂・油脂加工品、調味料またはその他の食品素材等が挙げられる。
飲料は、例えば、炭酸飲料、スポーツドリンク、フレーバーウォーター、果汁飲料、アルコール飲料、非アルコール飲料、ビールやノンアルコールビール等のビールテイスト飲料、コーヒー飲料、茶飲料、ココア飲料、栄養飲料、機能性飲料等が挙げられる。また、炭酸飲料としては、スパークリング飲料、コーラ、ダイエットコーラ、ジンジャーエール、サイダー、果汁フレーバー炭酸飲料および果汁風味が付与された炭酸水等が挙げられる。
本発明の一態様において、飲料は、ステビア植物由来のアミノ酸の含有量が、例えば、1~600ppm、10~600ppm、20~600ppm、30~600ppm、40~600ppm、50~600ppm、1~500ppm、10~500ppm、20~500ppm、30~500ppm、40~500ppm、50~500ppm、1~400ppm、10~400ppm、20~400ppm、30~400ppm、40~400ppm、50~400ppm、1~350ppm、10~350ppm、20~350ppm、30~350ppm、40~350ppm、50~350ppm、1~300ppm、10~300ppm、20~300ppm、30~300ppm、40~300ppm、50~300ppm、1~2500ppm、10~250ppm、20~250ppm、30~250ppm、40~250ppm、50~250ppm、1~200ppm、10~200ppm、20~200ppm、30~200ppm、40~200ppmまたは50~200ppm等であってもよい。アミノ酸の含有量を上記範囲とすることで、飲料の甘味を増強することができる。いくつかの態様では、アミノ酸の含有量を上記範囲とすることで、スクロースの甘味を増強することができる。別のいくつかの態様では、アミノ酸の含有量を上記範囲とすることで、レバウジオシドAの甘味を増強することができる。
また、いくつかの態様において、飲料は、ステビオール配糖体を含んでいてもよい。飲料におけるステビオール配糖体の含有量は、1~800ppmであるのが好ましく、例えば、20~750ppm、20~700ppm、20~650ppm、20~600ppm、20~550ppm、25~550ppm、30~550ppm、35~550ppm、40~550ppm、45~550ppm、50~550ppm、55~550ppm、20~540ppm、25~540ppm、30~540ppm、35~540ppm、40~540ppm、45~540ppm、50~540ppm、55~540ppm、20~530ppm、25~530ppm、30~530ppm、35~530ppm、40~530ppm、45~530ppm、50~530ppm、55~530ppm、20~520ppm、25~520ppm、30~520ppm、35~520ppm、40~520ppm、45~520ppm、50~520ppm、55~520ppm、20~510ppm、25~510ppm、30~510ppm、35~510ppm、40~510ppm、45~510ppm、50~510ppm、55~510ppm、20~505ppm、25~505ppm、30~505ppm、35~505ppm、40~505ppm、45~505ppm、50~505ppm、55~505ppm、20~500ppm、25~500ppm、30~500ppm、35~500ppm、40~500ppm、45~500ppm、50~500ppm、55~500ppm、20~495ppm、25~495ppm、30~495ppm、35~495ppm、40~495ppm、45~495ppm、50~495ppm、55~495ppm、20~490ppm、25~490ppm、30~490ppm、35~490ppm、40~490ppm、45~490ppm、50~490ppm、55~490ppm、100~400ppm、150~400ppm、200~400ppm、250~400ppm、300~400ppm、100~150ppm、100~200ppm、100~250ppmまたは100~300ppm等であってもよい。ステビオール配糖体の含有量をこの範囲とすることで、飲料に適度な甘みを付与することができる。
本発明の一態様において、飲料は、ステビオール配糖体以外の甘味料を含んでいてもよい。そのような甘味料としては特に限定されないが、例えば、スクロース、果糖ぶどう糖液糖、エリスリトール、モグロシドV、コーンシロップ、アスパルテーム(L-フェニルアラニン化合物とも称される)、スクラロース、アセスルファムカリウム、サッカリンおよびキシリトールからなる群から選択される1種以上の甘味料をさらに含んでいてもよい。その中でも、すっきりさ、飲みやすさ、自然な味わい、適度なコク味の付与の観点から、天然甘味料を用いることが好ましく、特に、果糖ぶどう糖液糖、スクロース、コーンシロップが好適に用いられる。これら甘味成分は1種類のみ用いてもよく、また複数種類を用いてもよい。これらの甘味料は、飲料中にショ糖換算のBrixで5.0以下、4.5以下、4.0以下、3.5以下、3.0以下、2.5以下、2.0以下、1.5以下、1.0以下または0.5以下等に相当する量で含まれていてもよく、下限値は0.1以上であってもよい。
飲料が発泡性飲料である場合、ガス圧は、2.2kgf/cm~5.0kgf/cmであってもよい。いくつかの態様において、発泡性飲料のガス圧は、2.2kgf/cm~4.5kgf/cm、2.2kgf/cm~4.0kgf/cm、2.2kgf/cm~3.5kgf/cm、2.2kgf/cm~3.3kgf/cm、2.2kgf/cm~3.2kgf/cm、2.3kgf/cm~4.0kgf/cm、2.3kgf/cm~3.5kgf/cm、2.3kgf/cm~3.2kgf/cm、3.0kgf/cm~4.0kgf/cmまたは3.0kgf/cm~3.5kgf/cm等であってもよい。発泡性飲料におけるガスの含量は、ガス圧で規定することができる。本明細書において「ガス圧」とは、特に記載がなければ、容器内の発泡性飲料の液温を20℃にし、その後一度ヘッドスペースのエアを大気開放(スニフト)した後の飲料における炭酸ガスのガス圧をいう。ガス圧の測定は、液温20℃にした飲料をガス内圧計に固定し、一度ガス内圧計活栓を開いて大気開放することでヘッドスペース内の炭酸ガスを抜いた後、再度活栓を閉じ、ガス内圧計を振り動かして指針が一定の位置に達した時の値を読み取ることにより行うことができる。本明細書においては、特に記載がなければ、当該方法を用いて発泡性飲料のガス圧を測定する。
飲料のショ糖換算のBrixは、特に限定されないが、好ましくは1~15、より好ましくは3~14、さらに好ましくは5~13、特に好ましくは7~11である。Brixは、ショ糖(スクロース)に対するステビオール配糖体等の各甘味料の公知の甘味度と、各甘味料の含有量から計算することができる。なお、ショ糖の甘味1に対する各種甘味料の甘味の相対比は、公知の砂糖甘味換算表(例えば、ビバレッジジャパン社「飲料用語辞典」資料11頁)等から求めることができる。甘味の値が数値範囲で記載されているものや、文献によって値が異なる甘味料については、ショ糖の甘味1に対する甘味の相対比を官能試験によって定めることができる。そのような官能試験としては、例えば、Brix3.0から5.0まで0.5刻となるよう砂糖を純水に添加したサンプルを調製し、その中から所定濃度の甘味料の水溶液と同等の甘味強度を持つ砂糖添加サンプルを選択する方法が挙げられる。
飲料は、アルコールを含有してもよい。アルコール飲料とは、アルコールを含有する飲料のことであるが、ここでいうアルコールとは、上述のとおり、特に断らない限り、エチルアルコール(エタノール)を意味する。アルコール飲料は、アルコールを含有していれば特に種類は問わない。ビール、発泡酒、チューハイやカクテルのようなアルコール含有量が0.05~40v/v%、1.0~10v/v%、2.0~9.0v/v%または3.0~8.0v/v%の飲料であってもよく、ノンアルコールビール、チューハイテイスト飲料や清涼飲料水のようなアルコール含有量が0.05v/v%未満の飲料であってもよい。いくつかの態様では、飲料はアルコール含有量が0.05v/v%未満であることが好ましく、さらに0.00v/v%であることが好ましい。なお、本明細書において、アルコール含有量は体積/体積基準の百分率(v/v%)で示されるものとする。また、飲料のアルコール含有量は、公知のいずれの方法によっても測定することができるが、例えば、振動式密度計によって測定することができる。
飲料の風味(フレーバー)は特に限定されず、種々の風味に調整することができる。例えば、飲料は、オレンジ風味、レモン風味、ライム風味、グレープ風味、ジンジャーエール風味、カシス風味、緑茶風味、ウーロン茶風味、紅茶風味、コーヒー風味またはコーラ風味の飲料であってもよい。本発明の飲料の風味は、果汁、酸味料、香料、植物の抽出物、乳製品、その他のフレーバー等、食品添加物として認可されている成分、または認可されていなくても古くから食経験があり、一般的に安全であると認識されている成分を添加することで調整することができる。
飲料には、本発明の効果を妨げない範囲で、各種の添加剤を配合してもよい。そのような添加剤としては、例えば、酸味料、香料、ビタミン類、色素類、酸化防止剤、乳化剤、保存料、調味料、エキス類、pH調整剤、品質安定剤等を挙げることができる。
飲料のエネルギー(総エネルギー量)は、特に限定されないが、0~50Kcal/100ml、0~45Kcal/100ml、0~40Kcal/100ml、0~35Kcal/100ml、0~30Kcal/100ml、0~24Kcal/100ml、0~22Kcal/100ml、0~20Kcal/100ml、0~15Kcal/100ml、0~10Kcal/100ml、0~5Kcal/100ml、0.1~50Kcal/100ml、0.1~45Kcal/100ml、0.1~40Kcal/100ml、0.1~35Kcal/100ml、0.1~30Kcal/100ml、0.1~24Kcal/100ml、0.1~22Kcal/100ml、0.1~20Kcal/100ml、0.1~15Kcal/100ml、0.1~10Kcal/100ml、0.1~5Kcal/100ml、1~50Kcal/100ml、1~45Kcal/100ml、1~40Kcal/100ml、1~35Kcal/100ml、1~30Kcal/100ml、1~24Kcal/100ml、1~22Kcal/100ml、1~20Kcal/100ml、1~15Kcal/100ml、1~10Kcal/100ml、1~5Kcal/100ml、5~50Kcal/100ml、5~45Kcal/100ml、5~40Kcal/100ml、5~35Kcal/100ml、5~30Kcal/100ml、5~24Kcal/100ml、5~20Kcal/100ml、5~15Kcal/100ml、5~10Kcal/100ml、10~50Kcal/100ml、10~45Kcal/100ml、10~40Kcal/100ml、10~35Kcal/100ml、10~30Kcal/100ml、10~24Kcal/100ml、10~20Kcal/100ml、10~15Kcal/100ml、15~50Kcal/100ml、15~45Kcal/100ml、15~40Kcal/100ml、15~35Kcal/100ml、15~30Kcal/100ml、15~24Kcal/100ml、15~20Kcal/100ml、20~50Kcal/100ml、20~45Kcal/100ml、20~40Kcal/100ml、20~35Kcal/100ml、20~30Kcal/100ml、20~24Kcal/100ml、24~50Kcal/100ml、24~45Kcal/100ml、24~40Kcal/100ml、24~35Kcal/100mlまたは24~30Kcal/100ml等であってもよい。
飲料は、加熱殺菌をされ、容器に詰められた状態の容器詰飲料として調製してもよい。容器としては、特に限定されず、例えば、PETボトル、アルミ缶、スチール缶、紙パック、チルドカップ、瓶などを挙げることができる。加熱殺菌を行う場合、その種類は特に限定されず、例えば、UHT殺菌およびレトルト殺菌等の通常の手法を用いて行うことができる。加熱殺菌工程の温度は特に限定されないが、例えば、65~130℃、好ましくは85~120℃で、10~40分である。ただし、上記の条件と同等の殺菌価が得られれば適当な温度で数秒、例えば5~30秒での殺菌でも問題はない。
飲食品の製造方法は、上記の各成分を含む飲食品が得られれば特に限定されない。本発明の一態様によれば、飲食品の製造方法であって、ステビア植物の酵素処理組成物を得ることと、前記酵素処理組成物を飲食品またはその原料に添加することと、を含む製造方法が提供される。ステビア植物の酵素処理組成物を得ることは、上記「2.ステビア植物の酵素処理組成物の製造方法」に記載のとおりである。酵素処理組成物を飲食品またはその原料に添加することは、飲食品の製造工程における任意の工程で行うことができ、例えば、飲食品の原料を混合する際や、飲食品の味質の最終調整の際に行ってもよい。
4.飲食品の甘味増強方法
本発明は、飲食品の甘味増強方法にも関する。具体的には、本発明は、上記「1.ステビア植物の酵素処理組成物」で述べた組成物を飲食品(例えば、飲料)に配合することを含む、飲食品の甘味増強方法に関する。前記組成物については、上記「1.ステビア植物の酵素処理組成物」で述べたとおりである。また、前記組成物を飲食品に配合することは、上記「3.ステビア植物の酵素処理組成物を含む飲食品」で述べたように、例えば、飲食品の原料を混合する際や、飲食品の味質の最終調整の際に、前記組成物を飲食品またはその原料に添加(または配合)してもよい。
本明細書において、「甘味増強」または「甘味を増強する」とは、本発明の一態様に係るステビア植物の酵素処理組成物を含む飲食品が、これを含まない飲食品と比較して甘味を強く感じる性質、または当該性質を得ることを意味する。
本発明の一態様における甘味増強方法は、ステビオール配糖体およびスクロースの甘味を増強するものであってもよい。いくつかの態様では、前記方法は、スクロースの甘味を増強するものであってもよい。別のいくつかの態様では、前記方法は、ステビオール配糖体の甘味を増強するものであってもよい。更に別のいくつかの態様では、前記方法は、レバウジオシドAの甘味を増強するものであってもよい。
本発明の一態様における甘味増強方法は、前記酵素処理組成物を、ステビア植物由来のアミノ酸の含有量が1~600ppmとなるように飲食品に添加することを含むものであってもよい。飲食品における前記アミノ酸の含有量は、例えば、10~600ppm、20~600ppm、30~600ppm、40~600ppm、50~600ppm、1~500ppm、10~500ppm、20~500ppm、30~500ppm、40~500ppm、50~500ppm、1~400ppm、10~400ppm、20~400ppm、30~400ppm、40~400ppm、50~400ppm、1~350ppm、10~350ppm、20~350ppm、30~350ppm、40~350ppm、50~350ppm、1~300ppm、10~300ppm、20~300ppm、30~300ppm、40~300ppm、50~300ppm、1~2500ppm、10~250ppm、20~250ppm、30~250ppm、40~250ppm、50~250ppm、1~200ppm、10~200ppm、20~200ppm、30~200ppm、40~200ppmまたは50~200ppm等であってもよい。
5.飲食品の甘味増強剤
本発明は、飲食品の甘味増強剤にも関する。また、本発明は、飲食品の甘味増強用組成物であってもよい。本明細書において、「甘味増強剤」または「甘味増強用組成物」とは、飲食品(例えば、飲料)に添加された場合に、当該飲食品の甘味を増強する物質のことを意味する。本明細書において、甘味増強剤についての説明は、甘味増強用組成物についても当てはまる。甘味増強剤は、好ましくは、飲食品に添加された際に、甘味増強剤自体の味を消費者が認識することなく、その飲食品の甘味を増強することができる。
本発明の一態様において、甘味増強剤は、上記「1.ステビア植物の酵素処理組成物」で述べた酵素処理組成物を含む。甘味増強剤における有効成分は、前記酵素処理組成物に含まれるステビア植物由来のアミノ酸であり得る。
本発明の一態様において、甘味増強剤は、液状、ペースト状、粉末状または顆粒状等の形態であってもよい。
本発明の一態様において、甘味増強剤に含まれる酵素処理組成物の含有量は、甘味増強剤の全重量に対して、30~100重量%、40~99重量%、50~98重量%、60~97重量%、70~96重量%または80~95重量%等であってもよい。いくつかの態様において、甘味増強剤は、実質的にステビア植物由来のアミノ酸のみからなっていてもよい。本明細書において、「実質的にステビア植物由来のアミノ酸のみからなる」とは、酵素処理組成物の製造過程において不可避的に含まれるステビオール配糖体や他の不純物は含まれていてもよいことを意味する。例えば、甘味増強剤の全重量に対して、5重量%以下、4重量%以下、3重量%以下、2重量%以下、1.5重量%以下、1.0重量%以下または0.5重量%以下等の前記アミノ酸以外のステビオール配糖体や他の不純物を含んでいてもよい。
いくつかの態様において、甘味増強剤は、酵素処理組成物以外の成分を含んでいてもよい。そのような成分として、例えば、甘味料が挙げられる。甘味料としては、例えば、果糖、砂糖、果糖ぶどう糖液糖、ぶどう糖、麦芽糖、高果糖液糖、糖アルコール、オリゴ糖、はちみつ、サトウキビ搾汁液(黒糖蜜)、水飴、羅漢果末、羅漢果抽出物、甘草末、甘草抽出物、ソーマトコッカスダニエリ種子末、ソーマトコッカスダニエリ種子抽出物などの天然甘味料や、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテーム、アスパルテーム、サッカリンなどの人工甘味料などが挙げられる。その中でも、すっきりさ、飲みやすさ、自然な味わい、適度なコク味の付与の観点から、天然甘味料を用いることが好ましく、特に、果糖、ぶどう糖、麦芽糖、ショ糖、砂糖が好適に用いられる。これら甘味料は、1種のみを含んでもよく、複数を含んでもよい。
6.微生物の発酵促進剤
本発明は、微生物の発酵促進剤にも関する。また、本発明は、微生物の発酵促進用組成物であってもよい。本明細書において、「発酵促進剤」または「発酵促進用組成物」とは、微生物を培養する培地や微生物を含む飲食品(例えば、飲料)に添加された場合に、微生物の発酵や増殖を促進するものを意味する。本明細書において、発酵促進剤についての説明は、発酵促進用組成物についても当てはまる。
本発明の一態様において、発酵促進剤は、上記「1.ステビア植物の酵素処理組成物」で述べた酵素処理組成物を含む。発酵促進剤における有効成分は、前記酵素処理組成物に含まれるステビア植物由来のアミノ酸であり得る。
本発明の一態様において、発酵促進剤は、液状、ペースト状、粉末状または顆粒状等の形態であってもよい。
本発明の一態様において、発酵促進剤に含まれる酵素処理組成物の含有量は、発酵促進剤の全重量に対して、30~100重量%、40~99重量%、50~98重量%、60~97重量%、70~96重量%または80~95重量%等であってもよい。いくつかの態様において、発酵促進剤は、実質的にステビア植物由来のアミノ酸のみからなっていてもよい。また、別のいくつかの態様において、発酵促進剤は、糖、ビタミンおよびミネラル等の他の成分を任意に含んでいてもよい。
本発明の一態様における発酵促進剤を適用し得る微生物は、窒素を資化できるものであれば特に制限されず、例えば、細菌や酵母が挙げられる。
[本発明の例示的態様]
本発明の一態様において、
ステビア植物の酵素処理組成物であって、
前記酵素処理組成物におけるアミノ酸/ステビオール配糖体の重量比が0.3以上であり、
前記酵素処理組成物の総重量に対して、100~10000ppmのアミノ酸を含む、組成物が提供される。本態様において、アミノ酸は、100~2000ppm、150~2000ppm、200~2000ppm、250~2000pm、300~2000ppm、350~2000ppm、100~1000ppm、150~1000ppm、200~1000ppm、250~1000pm、300~1000ppmまたは350~1000ppm等であってもよい。
本発明の一態様において、
ステビア植物の酵素処理組成物であって、
前記酵素処理組成物におけるアミノ酸/ステビオール配糖体の重量比が0.3以上であり、
前記酵素処理組成物の総重量に対して、500ppm以下のステビオール配糖体を含む、組成物が提供される。本態様において、ステビオール配糖体は、400ppm以下、300ppm以下、200ppm以下、100ppm以下、90ppm以下、80ppm以下、70ppm以下、60ppm以下または50ppm以下等であってもよい。
本発明の一態様において、
ステビア植物の酵素処理組成物であって、
前記酵素処理組成物におけるアミノ酸/ステビオール配糖体の重量比が0.3以上であり、
前記酵素処理組成物の総重量に対して、100~10000ppmのアミノ酸を含み、
前記アミノ酸は、アルギニン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、トリプトファンおよびシスチンからなる群から選択される1種以上である、組成物が提供される。本態様において、アミノ酸は、100~2000ppm、150~2000ppm、200~2000ppm、250~2000pm、300~2000ppm、350~2000ppm、100~1000ppm、150~1000ppm、200~1000ppm、250~1000pm、300~1000ppmまたは350~1000ppm等であってもよい。
本発明の一態様において、
ステビア植物の酵素処理組成物であって、
前記酵素処理組成物におけるアミノ酸/ステビオール配糖体の重量比が0.3以上であり、
前記酵素処理組成物の総重量に対して、100~10000ppmのアミノ酸を含み、かつ500ppm以下のステビオール配糖体を含む、組成物が提供される。本態様において、アミノ酸は、100~2000ppm、150~2000ppm、200~2000ppm、250~2000pm、300~2000ppm、350~2000ppm、100~1000ppm、150~1000ppm、200~1000ppm、250~1000pm、300~1000ppmまたは350~1000ppm等であってもよい。また、本態様において、ステビオール配糖体は、400ppm以下、300ppm以下、200ppm以下、100ppm以下、90ppm以下、80ppm以下、70ppm以下、60ppm以下または50ppm以下等であってもよい。
本発明の一態様において、
ステビア植物の酵素処理組成物であって、
前記酵素処理組成物におけるアミノ酸/ステビオール配糖体の重量比が0.3以上であり、
前記酵素処理組成物に含まれるアミノ酸含有量は、酵素処理組成物の固形分量に対して、0.1~50重量%である、組成物が提供される。本態様において、アミノ酸含有量は、1.0~50重量%、2.0~40重量%、3.0~30重量%、3.0~20重量%、3.5~20重量%、4.0~20重量%、4.5~20重量%、5.0~20重量%、5.5~20重量%または6.0~20重量等であってもよい。
本発明の一態様において、
ステビア植物の酵素処理組成物であって、
前記酵素処理組成物におけるアミノ酸/ステビオール配糖体の重量比が0.3以上であり、
前記酵素処理組成物に含まれるアミノ酸含有量は、乾燥重量基準で、酵素処理組成物の総重量に対して、0.1~60重量%である、組成物が提供される。本態様において、アミノ酸含有量は、1.0~50重量%、2.0~40重量%、3.0~30重量%、3.0~20重量%、3.5~20重量%、4.0~20重量%、4.5~20重量%、5.0~20重量%、5.5~20重量%または6.0~20重量等であってもよい。
本発明の一態様において、
ステビア植物の酵素処理組成物の製造方法であって、
ステビア植物を溶媒を用いて抽出することと、
ステビア植物の抽出後の残留物をスラリーにすることと、
ヘミセルラーゼおよび/またはプロテアーゼを用いて前記スラリーを酵素処理することと、を含み、前記スラリーの濃度が5~70%である、方法が提供される。本態様において、スラリー濃度は5~50%または7~30%等であってもよい。
本発明の一態様において、
ステビア植物の酵素処理組成物の製造方法であって、
ステビア植物を溶媒を用いて抽出することと、
ヘミセルラーゼおよび/またはプロテアーゼを用いて前記抽出後の残留物を酵素処理することと、を含み、前記酵素処理中の反応液のBrixが0.25~30である、方法が提供される。本態様において、酵素処理中の反応液のBrixは、0.25~10、0.25~8.0、0.25~6.0、0.25~5.0、0.5~10、0.5~8.0、0.5~6.0または0.5~5.0等であってもよい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
[製造例]
1.ステビア植物の抽出
ステビア乾燥葉(含水率:10重量%以下)を60℃±5℃に加熱したイオン交換水に浸し、20分静置した。その後、カラム抽出機(カラム容量:1L、GEヘルスケア製)にて下部から加熱したイオン交換水を通液し、乾燥葉の30倍量の抽出液量を採取した(1st)。次に90℃±5℃のイオン交換水を下部から通液し、ステビア乾燥葉の45倍量の抽出液を採取した(2nd)。抽出後、カラム中のイオン交換水及びステビア葉を酵素処理用の容器に移し、次工程にて使用した。なお、原料として使用したステビア乾燥葉100g当たりに含まれるアミノ酸量を酸分解法により事前に分析した結果を表1に示す。アミノ酸量は、アルギニン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、セリン、スレオニンおよびアスパラギン酸の15種については、サンプルに塩酸を添加し、脱気および封管して加水分解し、定容後に適宜希釈または濃縮し、pHを2.2に調整したものを試験溶液とし、アミノ酸自動分析計を用いて分析した。シスチンおよびメチオニンについては、サンプルに過ギ酸溶液を添加し、酸化処理したものを減圧下で濃縮乾固し、塩酸を添加して加水分解し、定容後に適宜希釈または濃縮し、pHを2.2に調整したものを試験溶液とし、アミノ酸自動分析計を用いて分析した。トリプトファンについては、サンプルに水酸化バリウム八水和物、チオジエチレングリコールおよび水を添加して加熱・溶解し、塩酸を加え脱気および封管して加水分解した後に微アルカリに調整し、定容して適宜希釈したものを試験溶液とし、高速液体クロマトグラフィーを用いて分析した。
Figure 2022100883000002
2.抽出残留物の酵素処理
上記「1.ステビア植物の抽出」で得られた残留物(スラリー)に、ヘミセルラーゼ(天野エンザイム製、ヘミセルラーゼ「アマノ」90)およびプロテアーゼ(天野エンザイム製、プロテアーゼAアマノ)を添加し、pH5.84、42℃の条件で16時間、撹拌しながら酵素処理した。この際、スラリー濃度は約11.2%とした。酵素の添加量は、ステビア植物の乾燥重量に対してそれぞれ4重量%となるように添加した。また、酵素処理中のBrixは、図1に示すように推移した。その後、反応液を温浴で加熱して酵素を失活させた。さらに、遠心分離により固液分離を行い、ステビア植物の酵素処理組成物をエキスとして得た。
[実施例A]ステビア植物の酵素処理組成物におけるアミノ酸量およびステビオール配糖体量の確認
上記製造例に記載の方法で得たステビア植物の酵素処理組成物について、アミノ酸量およびステビオール配糖体量を分析した。結果を図2および図3にそれぞれ示す。なお、アミノ酸量は、アルギニン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、シスチン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、セリン、スレオニンおよびアスパラギン酸の17種については、サンプルにスルホサリチル酸溶液を添加して抽出を行い、次いで、pHを2.2に調整し、定容およびろ過を行い、適宜希釈して試験溶液を調整し、アミノ酸自動分析計を用いて分析した。トリプトファンについては、上記17種と同様にして試験溶液を調整し、微アルカリに調整した後に定容して高速液体クロマトグラフィーを用いて分析した。ステビオール配糖体量は、液体クロマトグラフ質量分析計を用いて分析した(カラム:Shim-pack XR-ODS II (2.0 mm (i.d.) x 150 mm (L)(島津製作所製)、移動相:30%アセトニトリル/70%ミリQ水(0.1%ギ酸を含む)、流量:0.34ml/min)。また、図2および図3において、「1st」および「2nd」のサンプルは、上記製造例における「1.ステビア植物の抽出」で得た1回目の抽出液および2回目の抽出液を分析した際の結果である(以下同様)。また、「3rd(前)」および「3rd(後)」は、それぞれ酵素処理前および酵素処理後のサンプルである(以下同様)。
図2に示されるように、ヘミセルラーゼおよびプロテアーゼによる酵素処理により、得られた組成物のアミノ酸濃度が酵素添加前と比較して著しく増加したことが確認された。なお、図2に示すアミノ酸量における各アミノ酸の組成は、下記表2のとおりであった。
Figure 2022100883000003
また、図3に示されるように、得られた組成物には、ステビオール配糖体が少量含まれていた(1st:2231.42ppm、2nd:719.78ppm、3rd(前):28.51ppm、3rd(後):55.53ppm)。ここで、図3に示すステビオール配糖体量は、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドG、レバウジオシドI、レバウジオシドM、レバウジオシドN、ステビオシド、ステビオールビオシド、ズルコシドAおよびルブソシドからなる総ステビオール配糖体の含有量である。1回目および2回目の抽出液、並びに酵素処理後のサンプルにおける、総ステビオール配糖体に占める各ステビオール配糖体の割合は、下記表3のとおりであった。
Figure 2022100883000004
[実施例B]種々のプロテアーゼを使用した際のアミノ酸量の確認
酵素反応の条件を下記表4に示す条件とした以外は上記製造例と同様の方法で、種々の酵素を用いて酵素処理されたステビア植物の酵素処理組成物を得た。各組成物について、実施例Aに準じる条件でアミノ酸量を分析した。結果を図4に示す。なお、図4に示す各アミノ酸の組成は、下記表5のとおりであった。
Figure 2022100883000005
Figure 2022100883000006
図4に示されるように、使用する酵素を変更した場合でも、実施例Bで得られた各組成物は、上記製造例で得られた組成物とおおむね同様のアミノ酸組成を有することが確認された。
[実施例C]レバウジオシドAの甘味増強効果の評価
下記表6の濃度となるようにレバウジオシドA(守田化学工業製、J-100(純度95%以上))と上記製造例で得られたステビア植物の酵素処理組成物を純水に添加して水溶液を調製した。酵素処理組成物については、表6のアミノ酸濃度となるように添加した。なお、サンプル1は酵素処理組成物を含まない対照サンプルである。各サンプルを、官能に関して訓練を受けた者(3名)がパネラーとなって下記の基準で評価した。結果を表7に示す。
Figure 2022100883000007
評価基準
○:対照サンプルと比較して、甘味を強く感じる
△:対照サンプルと比較して、甘味をやや強く感じる
×:対照サンプルと比較して、甘味が弱い
Figure 2022100883000008
[実施例D]スクロースの甘味増強効果の評価
下記表8の濃度となるようにスクロース(三井製糖製)と上記製造例で得られたステビア植物の酵素処理組成物を純水に添加して水溶液を調製した。酵素処理組成物については、表8のアミノ酸濃度となるように添加した。なお、サンプル1は酵素処理組成物を含まない対照サンプルである。各サンプルを、官能に関して訓練を受けた者(3名)がパネラーとなって下記の基準で評価した。結果を表9に示す。
Figure 2022100883000009
評価基準
○:対照サンプルと比較して、甘味を強く感じる
△:対照サンプルと比較して、甘味をやや強く感じる
×:対照サンプルと比較して、甘味が弱い
Figure 2022100883000010

Claims (18)

  1. ステビア植物の酵素処理組成物であって、
    前記酵素処理組成物におけるアミノ酸/ステビオール配糖体の重量比が0.3以上である、組成物。
  2. 前記酵素処理組成物の総重量に対して、100~10000ppmのアミノ酸を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記アミノ酸は、アルギニン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、トリプトファンおよびシスチンからなる群から選択される1種以上である、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 前記アミノ酸が、ステビア植物由来のアミノ酸である請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記ステビオール配糖体は、レバウジオシドA、レバウジオシドB、レバウジオシドC、レバウジオシドD、レバウジオシドE、レバウジオシドF、レバウジオシドG、レバウジオシドI、レバウジオシドJ、レバウジオシドK、レバウジオシドM、レバウジオシドN、レバウジオシドO、レバウジオシドQ、レバウジオシドR、ズルコシドA、ズルコシドC、ルブソシド、ステビオールモノシド、ステビオールビオシドおよびステビオシドからなる群から選択される1種以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 前記酵素処理組成物は、ヘミセルラーゼおよび/またはプロテアーゼにより酵素処理されたものである、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 前記ステビア植物は、ステビア植物の葉、茎および/または組織を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物を含む、飲食品。
  9. ステビア植物の酵素処理組成物の製造方法であって、
    ステビア植物を溶媒を用いて抽出することと、
    ヘミセルラーゼおよび/またはプロテアーゼを用いて前記抽出後の残留物を酵素処理することと、を含む、方法。
  10. 前記残留物は、少なくとも1回以上の抽出後の残留物である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記酵素処理後に固液分離することをさらに含む、請求項9または10に記載の方法。
  12. 前記ヘミセルラーゼおよび/またはプロテアーゼの添加量が、ステビア植物の乾燥重量に対して0.5~15重量%である、請求項9~11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 酵素処理時間が1~48時間である、請求項9~12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 酵素処理時のpHが2~10である、請求項9~13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 酵素処理時の温度が10~80℃である、請求項9~14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 請求項9~15のいずれか一項に記載の方法により得られる、組成物。
  17. 請求項16に記載の組成物を含む、飲食品。
  18. 請求項1~7および16のいずれか一項に記載の組成物を飲食品に配合することを含む、飲食品の甘味増強方法。
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