JP2022100628A - 果実テイスト飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウッディー感が向上されて香味が向上した果実テイスト飲料、その製造方法、ならびに果実テイスト飲料の香味向上方法を提供する。【解決手段】ケイ皮酸エチルを10μg/L以上含有する果実テイスト飲料とすることにより、前記課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、果実テイスト飲料、その製造方法等に関する。
果実テイスト飲料は、果実の香味を有する飲料であって、果実のフルーティー感やフレッシュ感などが消費者に好まれており、果実テイストノンアルコール飲料(清涼飲料、果実飲料など)や果実テイストアルコール飲料(果実酒、甘味果実酒、リキュールなど)が多く開発され、販売もされている。
例えば、特許文献1には、腐敗的または漬物的な香りが低減され、かつ良好な果実香または熟成香を有する「飲みやすい」果実酒様飲料として、ジアセチルと乳酸エチルとを所定量含む果実酒様飲料が開示されている。
特開2017-085936号公報
しかしながら、果実テイスト飲料に求められる香味は多様であり、新たな香味の開発や香味向上が常に求められている。特に、果実テイスト飲料における、木樽のような香りが含まれる香味であるウッディー感についてはさらなる改善の余地がある。
そこで本発明は、ウッディー感が増強されて香味が向上した果実テイスト飲料、その製造方法、ならびに果実テイスト飲料の香味向上方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者は鋭意検討し、香気成分であるケイ皮酸エチルが果実テイスト飲料の香味、特にウッディー感に影響を与えることを明らかにした。この知見から、ケイ皮酸エチルを10μg/L以上含有する果実テイスト飲料とすることにより、ウッディー感が増強されて香味が向上した果実テイスト飲料を提供できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は次の<1>~<8>である。
<1>ケイ皮酸エチルを10μg/L以上含有する、果実テイスト飲料。
<2>前記ケイ皮酸エチルの含有量が6000μg/L以下である、<1>に記載の果実テイスト飲料。
<3>さらに、プロピレングリコールを20mg/L以上含有する、<1>または<2>に記載の果実テイスト飲料。
<4>前記プロピレングリコールの含有量が6000mg/L以下である、<3>に記載の果実テイスト飲料。
<5>前記果実テイスト飲料が梅テイスト飲料である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の果実テイスト飲料。
<6>アルコール度数が1v/v%以上の果実テイストアルコール飲料である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の果実テイスト飲料。
<7>ケイ皮酸エチルの含有量を10μg/L以上とする工程を含む、果実テイスト飲料の製造方法。
<8>果実テイスト飲料において、ケイ皮酸エチルを10μg/L以上含有させてウッディー感を増強させることを特徴とする、果実テイスト飲料の香味向上方法。
本発明によれば、ウッディー感が増強されて香味が向上した果実テイスト飲料を提供することができる。
本発明について詳細に説明する。
本発明は、ケイ皮酸エチルを10μg/L以上含有する果実テイスト飲料(以下においては「本発明の果実テイスト飲料」という場合もある)、その製造方法等である。
ここで、本発明の「果実テイスト飲料」とは、果実の香味を有する飲料であり、つまり、果実由来成分(果肉、果汁、果皮、これらのエキスや発酵液、浸漬液など)、および/または、果実様フレーバー(香料など)を含有する飲料である。そして、この果実の香味には、収穫された状態の(未加工の)果実の香味だけでなく、果実の加工品(果実の塩漬け品や砂糖漬け品など)の香味も包含される。また、この果実テイスト飲料には、果実テイストノンアルコール飲料(清涼飲料など)および果実テイストアルコール飲料(果実酒、甘味果実酒、リキュールなど)のいずれも包含される。
なお、この「果実酒」、「甘味果実酒」、および「リキュール」とは、いずれも酒税法(昭和二十八年法律第六号)により定義されるものが例示されるが、これらは酒税法により定義されるものに限定されず、それ以外の、果実または果実および水を原料として発酵させたものを原料酒類として使用して製造されたアルコール飲料(例えば、酒税法の定義ではスピリッツに分類されるアルコール飲料など)も包含される。したがって、本発明の果実テイストアルコール飲料には、酒税法の定義では果実酒、甘味果実酒、リキュール、スピリッツに分類されるものなどが包含され、当然、これら以外に分類される果実の香味を有するアルコール飲料も包含される。ここで、酒税法により定義される果実酒は、果実または果実および水を原料としてアルコール発酵させることにより製造されるアルコール分が20v/v%未満の酒類、果実または果実および水に糖類を加えてアルコール発酵させることにより製造されるアルコール分が15v/v%未満の酒類、あるいはこれらに糖類を加えてアルコール発酵させることにより製造されるアルコール分が15v/v%未満の酒類である。また、酒税法により定義される甘味果実酒は、果実または果実および水に糖類を加えてアルコール発酵させることにより製造される酒類、あるいはこれに糖類を加えてアルコール発酵させることにより製造される酒類、あるいはこれらの酒類にブランデー等、糖類、香味料または水を加えた酒類のうち上記果実酒に包含されない酒類である。さらに、酒税法により定義されるリキュールは、酒類と糖類その他の物品(酒類を含む)を原料とした酒類でエキス分が二度以上のものである。
また、本発明の果実テイスト飲料は、本発明の効果がより発揮されやすいことから、バラ科果実の香味を有するバラ科果実テイスト飲料であるのが好ましい。バラ科果実としては、梅、桃、杏、スモモ、桜桃、プルーン、ネクタリン、カリン、ビワ、ナシ、リンゴ、イチゴ、ラズベリーなどの果実が例示される。特に、バラ科サクラ属果実(梅、桃、杏、スモモ、桜桃、プルーン、またはネクタリンの果実)テイスト飲料であるのがより好ましく、梅果実の香味を有する梅テイスト飲料であるのがさらに好ましい。そして、この梅テイスト飲料には、梅果実の加工品の香味を有する飲料も包含され、例えば、梅果実の塩漬けである梅干しの香味を有する梅干しテイスト飲料なども包含される。
以下、本発明の果実テイスト飲料を構成する成分等について詳細に説明する。
まず、本発明の果実テイスト飲料は、ケイ皮酸エチル(Ethyl Cinnamate:C1112)を含有する。このケイ皮酸エチルは、3-フェニル-2-プロペン酸エチルエステルなどとも称され、下記式(1)で表されるエステル類の化合物であって、香気成分の一つである。
Figure 2022100628000001
そして、本発明の果実テイスト飲料においては、ケイ皮酸エチルの含有量を10μg/L以上、好ましくは20μg/L以上、より好ましくは30μg/L以上、さらに好ましくは40μg/L以上、さらに好ましくは50μg/L以上、さらに好ましくは60μg/L以上、さらに好ましくは80μg/L以上、さらに好ましくは100μg/L以上、さらに好ましくは130μg/L以上、さらに好ましくは150μg/L以上とする。果実テイスト飲料において、ウッディー感を増強、つまり木樽のような香りが含まれる香味を付与または増加させることができ、これにより果実テイスト飲料の香味を向上させることができるからである。同時に、果実テイスト飲料の香味に複雑さが付与され、つまり果実の香り、甘味、酸味、渋みなどがいずれも突出せずに複雑に混ざり合って感じられる果実テイスト飲料とすることができ、さらに、熟成感も向上させることができる。また、果実テイスト飲料としての香味全体のバランスも優れたものとすることができる。なお、このケイ皮酸エチルの含有量は、市販されているケイ皮酸エチル製剤やケイ皮酸エチル含有原料(香料など)の使用により調整することができ、これらを複数併用しても良い。
また、本発明の果実テイスト飲料においては、ケイ皮酸エチルの含有量を、好ましくは6000μg/L以下、より好ましくは5000μg/L以下、さらに好ましくは4000μg/L以下、さらに好ましくは3500μg/L以下、さらに好ましくは3300μg/L以下、さらに好ましくは3000μg/L以下、さらに好ましくは2800μg/L以下、さらに好ましくは2500μg/L以下、さらに好ましくは2300μg/L以下、さらに好ましくは2000μg/L以下となるように調整すると、ウッディー感、複雑さ、および熟成感を高度に維持しつつ、果実テイスト飲料としての香味全体のバランスがより優れたものとすることができるため好適である。
そして、本発明の果実テイスト飲料は、さらにプロピレングリコール(Propylene Glycol:C)を含有するのが好ましい。このプロピレングリコールは、プロパン-1,2-ジオールなどとも称され、下記式(2)で表されるジオール類の化合物であって、単体ではほぼ無味無臭の成分である。
Figure 2022100628000002
本発明の果実テイスト飲料においては、プロピレングリコールの含有量を、好ましくは20mg/L以上、より好ましくは30mg/L以上、さらに好ましくは50mg/L以上、さらに好ましくは80mg/L以上、さらに好ましくは100mg/L以上、さらに好ましくは150mg/L以上、さらに好ましくは200mg/L以上、さらに好ましくは300mg/L以上、さらに好ましくは400mg/L以上とする。これにより、ケイ皮酸エチルとの相乗効果などから、果実テイスト飲料において前述した熟成感をさらに向上させることができる。そして、果実テイスト飲料としての香味全体のバランスもより優れたものとすることができる。さらに、果実テイスト飲料としてはあまり好ましくない香味となり易い土の香味をより軽減することもできる。このプロピレングリコールの含有量も、市販されているプロピレングリコール製剤やプロピレングリコール含有原料の使用により調整することができ、これらを複数併用しても良い。
また、本発明の果実テイスト飲料においては、プロピレングリコールの含有量を、好ましくは6000mg/L以下、より好ましくは5000mg/L以下、さらに好ましくは4000mg/L以下、さらに好ましくは3000mg/L以下、さらに好ましくは2500mg/L以下、さらに好ましくは2200mg/L以下、さらに好ましくは2000mg/L以下、さらに好ましくは1800mg/L以下、さらに好ましくは1500mg/L以下、さらに好ましくは1200mg/L以下となるように調整するのが好適である。果実テイスト飲料において、熟成感などを高度に維持し、且つ果実テイスト飲料としての香味全体のバランスも高く維持し易いからである。
なお、本発明の果実テイスト飲料では、このプロピレングリコールを、前述した含有量の範囲内において、ケイ皮酸エチル1質量部に対して好ましくは3質量部以上、より好ましくは10質量部以上、さらに好ましくは50質量部以上、さらに好ましくは100質量部以上、さらに好ましくは400質量部以上、さらに好ましくは1000質量部以上、さらに好ましくは2000質量部以上となるような比率で含有させても良く、また、好ましくは600000質量部以下、より好ましくは300000質量部以下、さらに好ましくは120000質量部以下、さらに好ましくは100000質量部以下、さらに好ましくは50000質量部以下、さらに好ましくは30000質量部以下、さらに好ましくは20000質量部以下、さらに好ましくは10000質量部以下となるような比率で含有させても良い。このような構成とすることにより、ウッディー感、複雑さ、熟成感、および果実テイスト飲料としての香味全体のバランスがいずれもより優れた果実テイスト飲料を得ることができる。
ここで、本発明の果実テイスト飲料におけるケイ皮酸エチルの含有量およびプロピレングリコールの含有量は、例えば、サンプルを適宜希釈して、溶媒抽出-ガスクロマトグラフ-質量分析法(溶媒抽出-GC-MS法)により測定することができる。
また、本発明の果実テイスト飲料には、原料として、上記各成分を含む原料(製剤も含む)と、果実由来成分含有原料(果汁、果実を原料として用いた酒類、果実加工品など)、および/または、果実の香味を有する原料(果実香料など)と、を使用するが、これら以外に使用できる原料としては、糖類(グルコース、フルクトース、ショ糖、マルトース、オリゴ糖など)、塩類(塩化ナトリウム、塩化カリウムなど)、有機酸(クエン酸、リンゴ酸、乳酸、コハク酸、酒石酸など)またはその塩、リン酸またはその塩、果実由来成分を含まない酒類、食酢、食物繊維、炭酸水、着色料、甘味料、高甘味度甘味料、調味料、酸化防止剤、pH調整剤、乳化剤等が挙げられる。さらに、果実テイスト飲料となる限り、つまり果実の香味を有する飲料となる範囲内において、野菜由来成分を含む原料や、果実以外の香味を有する香料なども使用可能である。
なお、本発明の果実テイスト飲料に果汁を含有させる場合、果汁の含有量は、ストレート果汁に換算した果汁使用率として1w/w%以上とすると好適である。また、上限は、限定されるものではないが、10w/w%以下であって良い。ここで、果汁とは、果実を搾った搾汁、あるいは、その濃縮液、濃縮還元液、または希釈液であり、果肉、果皮、種子などが含まれていても良い。また、ストレート果汁に換算した果汁使用率とは、果実テイスト飲料の総質量に対する、この飲料中に含まれる果汁をJAS(日本農林規格)に準じてストレート果汁に換算した質量の割合である。詳細には、果実飲料の日本農林規格(平成28年2月24日農林水産省告示第489号)において各果実の基準値が定められているため、これをストレート果汁の基準値として換算する。そして、特に、本発明の果実テイスト飲料の香味を構成している果実の果汁(例えば梅テイスト飲料であれば梅果汁)を含むとより好適である。
しかしながら、本発明の果実テイスト飲料では、果汁を含まない果実テイスト飲料(例えば香料などにより果実の香味が付与された果実テイスト飲料)としても、上記した効果が十分に得られることが特徴である。
また、本発明の果実テイスト飲料においては、前述したように、バラ科果実由来成分および/またはバラ科果実様フレーバー(香料など)を含んだバラ科果実の香味を有するバラ科果実テイスト飲料とするのが、本発明の効果がより発揮されるため好ましい。そして、バラ科サクラ属果実テイスト飲料とするのがさらに好ましく、梅テイスト飲料とするのがさらに好ましい。しかしながら、このような果実の香味を有する飲料であっても、この香味を構成する果実以外の果実由来成分や、この果実以外の香味を有する香料などを含有させることは制限されず、得られる飲料が所定の果実の香味を有するように使用する原料の種類や量を適宜選択、調整すれば良い。
そして、本発明の果実テイスト飲料は、アルコール度数が1v/v%以上であるアルコール飲料(例えば、酒税法(昭和二十八年六月三日法律第五七号)において定義される酒類など)であっても良く、あるいは、アルコール度数1v/v%未満、より好ましくは0.5v/v%未満、さらに好ましくは0.1v/v%未満、さらに好ましくは0.005v/v%未満であるノンアルコール飲料であっても良い。本発明の果実テイスト飲料がアルコール飲料である場合には、発酵アルコール飲料、非発酵アルコール飲料のいずれであっても良く、例えば前述したような果実酒、甘味果実酒、リキュールなどであっても良い。本発明の果実テイスト飲料がノンアルコール飲料である場合には、清涼飲料(炭酸飲料、果実飲料など)であっても良い。
本発明の果実テイスト飲料が上記したアルコール飲料、つまり果実テイストアルコール飲料である場合、そのアルコール度数は特に限定されないが、本発明の効果がより発揮されやすくなる範囲としては、例えば、下限として1v/v%以上、さらには2v/v%以上、さらには3v/v%以上、さらには5v/v%以上の範囲が示され、上限として20v/v%以下、さらには15v/v%以下、さらには10v/v%以下、さらには7v/v%以下の範囲が示される。ここで、本発明の「アルコール度数(v/v%)」は、国税庁所定分析法(訓令)3清酒3-4アルコール分(振動式密度計法)に基づいて測定する。そして、本発明において「アルコール」とは、エタノールを意味する。
また、このアルコール度数は、その製造工程において使用する酒類(蒸留酒、醸造酒、原料用アルコールなど)のアルコール度数や、その配合割合などによって調整することができる。さらには、酵母によるアルコール発酵工程(酵母が糖類などの有機物から代謝産物であるアルコールを生成する工程)を行う場合においては、その発酵条件を制御することによりアルコール度数を調整することもできる。
なお、本発明の果実テイスト飲料が果実テイストアルコール飲料である場合、果実酒を含む果実テイストアルコール飲料であるとより好ましい。そして、この果実酒は、前述した酒税法により定義される果実酒(ワインなど)であるのがさらに好ましい。なお、この果実酒は、本発明の果実テイスト飲料の香味を構成している果実以外の果実を原料として用いた果実酒であっても良い。また、この含まれる果実酒がワイン(ブドウなどの果実を原料としてアルコール発酵させることにより製造される酒類)である場合、白ワインであっても良く、赤ワインであっても良く、ロゼワインであっても良く、白ワインと赤ワインとの中間の物性のワインであっても良いが、白ワインであるとより香味が向上し易いため好適である。そして、本発明の果実テイストアルコール飲料における果実酒の含有量は、最終的な飲料のアルコール度数やエキス分などを考慮して適宜設定すれば良いが、例えば10v/v%以上90v/v%以下、さらには20v/v%以上80v/v%以下、さらには30v/v%以上70v/v%以下程度が示される。
また、本発明の果実テイスト飲料は、甘味果実酒(例えば前述した酒税法により定義される甘味果実酒)を含む果実テイストアルコール飲料であっても良い。
さらに、本発明の果実テイスト飲料が果実テイストアルコール飲料である場合、限定されるものではないが、エキス分は、0.2w/v%以上であっても良く、1.0w/v%以上であっても良く、3.0w/v%以上であっても良く、4.0w/v%以上であっても良く、5.0w/v%以上であっても良い。また、上限も限定されるものではないが、25.0w/v%以下であっても良く、20.0w/v%以下であっても良く、18.0w/v%以下であっても良く、15.0w/v%以下であっても良い。なお、このアルコール飲料におけるエキス分は、以下の式(3)により算出される。
(3)エキス分(w/v%)=(S-A)×260+0.21
この式(3)中、「S」は本発明の果実テイストアルコール飲料の比重(15/4℃)であり、「A」は本発明の果実テイストアルコール飲料のアルコール度数を比重(15/15℃)に換算して算出される値である。アルコール度数の比重(15/15℃)への換算は、日本国の国税庁所定分析法(訓令)の第2表「アルコール分と密度(15℃)及び比重(15/15℃)換算表」に基づき行う。また、この式による計算の途中においては小数点以下5けた目を四捨五入し、最終的に得られるエキス分の値については小数点以下2けた目を切り捨てる。また、本発明の果実テイストアルコール飲料の比重(15/4℃)は、振動式密度計を用いて15℃における密度を測定し、得られた密度の値を0.99997で除することにより算出される。
そして、本発明の果実テイスト飲料は、炭酸ガスを含有する発泡性飲料(炭酸飲料、発泡性アルコール飲料など)であっても良い。ここで、「発泡性」とは、20℃における炭酸ガス圧が0.05MPa以上であることを意味し、0.10MPa以上、さらには0.15MPa以上、さらには0.20MPa以上であっても良い。そして、この炭酸ガス圧は1.00MPa以下、さらには0.50MPa以下、さらには0.30MPa以下であっても良い。また、この炭酸ガスは、原料として使用する炭酸水由来のものであっても良いし、カーボネーション(炭酸ガス圧入)工程により飲料に付与されたものであっても良い。そして、このカーボネーション工程は、バッチ式で行っても良いし、配管路に炭酸ガス圧入システム(カーボネーター)が組み込まれたインライン方式で連続的に行っても良い。また、このカーボネーション工程は、フォーミング(泡噴き)の発生等を避けるために、液の液温を10℃以下(好ましくは4℃以下)として行うのが好適である。
なお、本発明の果実テイスト飲料は、20℃における炭酸ガス圧が0.05MPa未満である非発泡性飲料であっても良い。
本発明の果実テイスト飲料の製造方法は、得られる果実テイスト飲料のケイ皮酸エチル含有量を10μg/L以上とする工程を含めば、他は清涼飲料製造やアルコール飲料製造などにおける常法にしたがえば良く、特段限定はされない。なお、アルコール飲料を製造する場合、その製造において、酵母によるアルコール発酵工程を経て発酵アルコール飲料を製造しても良く、あるいは、蒸留酒等の酒類を原料として用いた調合工程を経て(アルコール発酵工程を経ないで)非発酵アルコール飲料を製造しても良い。そして、少なくとも、最終製品としてケイ皮酸エチル含有量が10μg/L以上であり果実の香味を有する飲料となるように調整すれば、上記した効果が発揮される。例えば、果実テイストアルコール飲料を製造する場合の製造方法の一例としては、純水をベースとし、この純水に原料用アルコール、糖類、有機酸、果汁、香料、ケイ皮酸エチル製剤などを混合し、製品におけるケイ皮酸エチルの含有量が所定の範囲内となるように調整して、必要であればろ過、殺菌などを行って製品とする方法が示される。さらに、得られる果実テイスト飲料のプロピレングリコール含有量を20mg/L以上とする工程を含んでいても良い。
そして、本発明の果実テイスト飲料は、上記のようにして得られた製品をガラス製容器、金属製容器(アルミ製容器、スチール製容器など)、ペットボトル容器、紙容器、樽容器などに充填した容器詰飲料としても良い。このような容器詰飲料とすることにより、果実の香味などの経時劣化を抑制しやすいだけでなく、流通や販売などにおける利便性がより高まる。
以上のような構成である本発明の果実テイスト飲料は、ウッディー感が増強されて香味が向上したものとなり、さらに複雑さも付与され、熟成感も向上し、果実テイスト飲料としての香味全体のバランスも向上したものとなる。
なお、本発明は、果実テイスト飲料において、ケイ皮酸エチルを10μg/L以上含有させてウッディー感を増強させる、果実テイスト飲料の香味向上方法を提供するものであるとも言える。言い換えれば、果実テイスト飲料のウッディー感増強方法を提供するものであるとも言える。さらには、果実テイスト飲料の複雑さ付与方法、果実テイスト飲料の熟成感向上方法、果実テイスト飲料としての香味全体のバランス向上方法などを提供するものでもある。そして、この方法では、さらにプロピレングリコールの含有量を20mg/L以上とする、果実テイスト飲料の香味向上方法(土の香味の低減方法など)を提供することもできる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において様々な変形が可能である。
純水に、原料用アルコール、梅果汁(5倍濃縮果汁)、糖類、およびクエン酸を添加混合し、さらにケイ皮酸エチル、またはプロピレングリコールの含有量が下記表1の上段に記載の量となるようにそれぞれの製剤を添加混合して、アルコール度数が6v/v%、梅果汁の含有量(梅果汁使用率)がストレート果汁換算で1w/w%、およびエキス分が13w/v%であり、ケイ皮酸エチル、またはプロピレングリコールの含有量が異なるサンプル1-1からサンプル1-9の梅テイストアルコール飲料(梅果実の香味を有するリキュール)を作製した。なお、コントロールとして、ケイ皮酸エチル、およびプロピレングリコールをいずれも配合していない以外は同様のサンプル、つまりこれらがいずれも含まれない梅テイストアルコール飲料(サンプル0-1)も作製した。
そして、得られた各サンプルにおける、複雑さ(梅果実の香り、甘味、酸味、渋みなどがいずれも突出せずに複雑に混ざり合って感じられる香味)、ウッディー感(木樽のような香りが含まれる香味)、土の香味、熟成感、および飲料としての全体のバランス(梅テイストアルコール飲料としての香味全体のバランス)について、訓練され官能的識別能力を備えた4名のパネリストにより、以下に示す評価基準を用いて各サンプルを官能評価した。
[複雑さ、ウッディー感、および熟成感の評価基準]
サンプル0-1における複雑さ、ウッディー感、および熟成感をいずれも1(全く感じない)とし、このサンプル0-1との対比として、それぞれ、1(全く感じない(サンプル0-1と同等である))から5(強く感じる)の5段階により比較官能評価を行った。
[土の香味の評価基準]
サンプル0-1における土の香味を1(全く感じない)とし、このサンプル0-1との対比として、それぞれ、1(全く感じない(サンプル0-1と同等である))から5(強く感じる))の5段階により比較官能評価を行った。なお、この土の香味の評価は、点数が低いほど好ましい飲料であると判断できる。
[飲料としての全体のバランスの評価基準]
梅テイストアルコール飲料としての香味全体のバランスについて、「バランスが非常に良い」場合を5点、「バランスが非常に悪い」場合を1点として、5段階により官能評価を行った。
この官能評価結果(4名のパネリストの評価平均値)も下記表1の下段に示した。この結果から、まず、ケイ皮酸エチル含有量が50μg/L以上であるサンプル1-1からサンプル1-5のリキュールは、サンプル0-1のリキュールよりもウッディー感が増強され、あわせて複雑さおよび熟成感も向上し、さらに梅テイストアルコール飲料としての香味全体のバランスも向上することが明らかとなった。また、ケイ皮酸エチル含有量が500μg/Lであり、且つプロピレングリコール含有量が100mg/L以上であるサンプル1-6からサンプル1-9のリキュールは、熟成感がより向上し、また土の香味が軽減され、さらに梅テイストアルコール飲料としての香味全体のバランスもより向上することが明らかとなった。
以上より、ケイ皮酸エチルを一定量以上含有する梅テイスト飲料は、ウッディー感、複雑さ、および熟成感が高まり、さらに梅テイスト飲料としての香味全体のバランスの評価も高まり、香味が向上した飲料となることが示された。そして、さらにプロピレングリコールを一定量以上含有する梅テイスト飲料は、熟成感がより向上し、梅テイスト飲料としての香味全体のバランスの評価もより向上することも示された。
Figure 2022100628000003
なお、梅以外の果実の香味を有する果実テイスト飲料、特に梅と同じバラ科果実(バラ科サクラ属果実など)の香味を有するバラ科果実テイスト飲料においても、ケイ皮酸エチルを一定量以上、あるいはケイ皮酸エチルおよびプロピレングリコールを一定量以上含有させることにより、上記と同様の効果が発揮される。

Claims (8)

  1. ケイ皮酸エチルを10μg/L以上含有する、果実テイスト飲料。
  2. 前記ケイ皮酸エチルの含有量が6000μg/L以下である、請求項1に記載の果実テイスト飲料。
  3. さらに、プロピレングリコールを20mg/L以上含有する、請求項1または2に記載の果実テイスト飲料。
  4. 前記プロピレングリコールの含有量が6000mg/Lである、請求項3に記載の果実テイスト飲料。
  5. 前記果実テイスト飲料が梅テイスト飲料である、請求項1~4のいずれか1項に記載の果実テイスト飲料。
  6. アルコール度数が1v/v%以上の果実テイストアルコール飲料である、請求項1~5のいずれか1項に記載の果実テイスト飲料。
  7. ケイ皮酸エチルの含有量を10μg/L以上とする工程を含む、果実テイスト飲料の製造方法。
  8. 果実テイスト飲料において、ケイ皮酸エチルを10μg/L以上含有させてウッディー感を増強させることを特徴とする、果実テイスト飲料の香味向上方法。
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