JP2022098066A - 乾熱処理小麦全粒粉の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ふすま臭が軽減され、弾力に優れた麺類等の小麦加工食品を得ることができる、乾熱処理小麦全粒粉の製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】小麦穀粒を製粉して小麦全粒粉を得る工程及び前記小麦全粒粉を雰囲気温度90~130℃で1~20分間乾熱処理する工程を含む乾熱処理小麦全粒粉の製造方法により得た乾熱処理小麦全粒粉を使用することにより上記課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明は乾熱処理小麦全粒粉の製造方法に関するものである。
麺類は、小麦粉を主体とした原料を水分と共に混捏して麺生地を得、該麺生地を麺線に加工することで製造されている。そのようにして製造された麺類は、麺線表面が滑らかで、適度な弾力を有しているのが特徴である。近年、健康意識の高まりから、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を豊富に含有する小麦ふすまや胚芽を含んだ小麦全粒粉を使用して製造した麺類が所望される機会が増えてきた。
小麦全粒粉とは、精選した小麦粒を任意に調質した後、ピンミル、ハンマーミル、ジェットミル等の粉砕機を使用してまるごと粉砕し、表皮、胚芽、胚乳を含む小麦粒全てを粉にしたもの、あるいは、精選した小麦粒を任意に調質した後、ロールミルで複数回粉砕して胚乳の微粒画分(小麦粉、以下「胚乳画分」という)、胚芽画分、胚乳よりも外層の部分(小麦ふすま)を含む粗粒画分に分画し、胚芽画分及び/又は粗粒画分をそのまま又はピンミル、ハンマーミル、ジェットミル、グラインダーミル等の粉砕機を使用して微粉砕するなどして胚芽画分及び小麦ふすま画分を得たのち、胚乳画分、胚芽画分及び小麦ふすま画分を小麦粒における構成比で混合して得られるものである。小麦全粒粉は栄養素を豊富に含む一方で、ふすま臭やエグミがあり、麺類に使用すると脆く弾力のない食感となるため、麺類としてのおいしさに欠けるという問題があった。
特許文献1(特開2001-204411)では、原料小麦粒を粉砕して生ふすま、生胚芽及び小麦粉の3区分に分離し、生ふすま区分と生胚芽区分とを個別に焙焼して粉砕し、小麦粉と組み合わせる全粒小麦粉組成物の製造方法が開示されており、食感、風味に優れたスパゲッティが得られたことが記載されている。特許文献2(特開2015-195759)では、特定の粒径の微粉画分と粗粒画分とを含んで構成される小麦全粒粉を使用した麺類の製造方法が開示されており、麺線表面が滑らかで弾力があり、ほぐれ性が良好な麺が得られることが記載されている。何れも優れた技術ではあるが、煩雑な作業を必要としており、更なる改良が求められていた。
特許文献3(特開2015-181463)では、穀類を粉砕して得られた穀類全粒粉の全体に加熱処理を施す工程を有する熱処理穀類全粒粉の製造方法が開示されており、実施例では軟質小麦を用いて製造した小麦全粒粉を湿熱処理して得られた熱処理穀類全粒粉を使用して製造したホットケーキはえぐみが抑制され良好な食感であったことが記載されている。
特開2001-204411 特開2015-195759 特開2015-181463
ふすま臭が軽減され、弾力に優れた麺類等の小麦粉加工食品を得ることができる、乾熱処理小麦全粒粉の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、小麦穀粒を製粉して小麦全粒粉を得た後、特定の条件で乾熱処理した乾熱処理小麦全粒粉を用いて麺類等の小麦加工食品を製造したところ、ふすま臭を低減できただけではなく、弾力に優れた小麦加工食品が得られることを見いだし本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下を提供する。
[1]小麦穀粒を製粉して小麦全粒粉を得る工程、及び
前記小麦全粒粉を雰囲気温度90~130℃で1~20分間乾熱処理する工程、を含む乾熱処理小麦全粒粉の製造方法。
[2][1]に記載の方法により乾熱処理小麦全粒粉を得る工程、及び
前記乾熱処理小麦全粒粉に小麦粉を添加混合する工程、を含む小麦粉組成物の製造方法。
[3]前記乾熱処理小麦全粒粉が麺類用である、[2]に記載の小麦粉組成物の製造方法。
[4][1]に記載の方法により乾熱処理小麦全粒粉を製造し、又は[2]に記載の方法により小麦粉組成物を製造し、前記乾熱処理小麦全粒粉又は前記小麦粉組成物から麺類を製造する、麺類の製造方法。
本発明によれば、乾熱処理によりふすま臭が低減され、グルテンの失活が抑制されることなどにより、風味及び弾力に優れた麺類等の小麦加工食品を提供することができる。
(乾熱処理小麦全粒粉の製造方法)
本発明は、小麦穀粒を製粉して小麦全粒粉を得る工程及び前記小麦全粒粉を雰囲気温度90~130℃で1~20分間乾熱処理する工程、を含む乾熱処理小麦全粒粉の製造方法に関する。好ましくは乾熱処理小麦全粒粉は麺類用である、麺類用乾熱処理小麦全粒粉の製造方法に関する。
本発明の製造方法は、小麦穀粒を製粉して小麦全粒粉を得る工程を含む。小麦穀粒は、一般に胚乳、胚芽、及び胚乳と胚芽とを覆う外層の部分で構成されている。外層の部分とは、胚乳と接するアリューロン層から最外層に至るまでの部分を指し、胚乳側からアリューロン層、珠心層、種皮、管状細胞、横細胞、下皮、表皮の順で存在している(各層は別称されることがある)。外皮は、珠心層から表皮に至る6層から構成されており、これは「ふすま」と称される。果皮は、管状細胞から表皮に至る4層から構成されている。アリューロン層は、胚乳と外皮とを隔てており、澱粉を含まず、タンパク質や脂質、灰分(ミネラル)を多く含む特殊な層である。小麦穀粒の場合、外皮、アリューロン層及び胚乳の構成割合は、それぞれ小麦穀粒の6~8質量%、6~7質量%及び81~85質量%である。製粉工程において、アリューロン層は外皮(ふすま)と共に胚乳から分離される。本発明では、アリューロン層と外皮とからなる外層の部分を「小麦ふすま」と称し、単なる外皮を意味する「ふすま」とは区別する。生育条件や品種等により多少の増減はあるものの、小麦穀粒における胚乳、小麦ふすま及び胚芽の構成割合は、おおよそ83:15:2(質量比)である。
小麦全粒粉とは、前記小麦穀粒の各構成成分が前記構成割合と略同一の構成割合で含まれるものを意味する。
小麦穀粒を製粉して小麦全粒粉を得る工程、小麦全粒粉を得る手法としては、例えば、製粉工程において、胚乳、小麦ふすま及び胚芽を分離することなく全てを粉砕して得る手法(製造方法1)、並びに前記粉砕物を胚乳画分、小麦ふすま画分及び胚芽画分の3画分に分画し、任意に小麦ふすま画分及び/又は胚芽画分を更に微粉砕した後に、それら3画分を混合して得る手法(製造方法2)等が挙げられる。具体的には、製造方法1においては、精選した小麦穀粒を任意に調質し、ピンミルやジェットミル等の衝撃式粉砕機で粉砕して小麦全粒粉を得ることができる。製造方法2においては、精選した小麦穀粒を任意に調質し、ロール式粉砕機等で粉砕した後、シフター等を用いて胚乳画分(小麦粉)と、大きな小麦ふすま断片が含まれる小麦ふすま画分と、胚芽画分との3画分に分画し、任意に調質してピンミル、ジェットミル、グラインダーミル等を用いて再度粉砕して微粒化し、これら3画分を小麦穀粒の構成割合と略同一になるように混合して小麦全粒粉を得ることができる。製造方法2の場合、各画分は、同一の品種又は銘柄の原料穀粒に由来するものでもよく(例えば、全ての画分がGA-SX小麦由来等)、それぞれが異なる品種又は銘柄の原料穀粒に由来するものでもよい(例えば、3画分がそれぞれASW由来、DNS由来、WW由来等)。小麦穀粒を粉砕する手法としては特に限定されず、ロール式粉砕、衝撃式粉砕、臼式粉砕等の公知の粉砕方法を採用することができる。
本発明において、小麦全粒粉を得るための小麦穀粒は公知のものであればよく、具体的には、食用に使用される品種又は銘柄の小麦穀粒であれば産地を問わずいずれも好適に使用でき、例えば、ダーク・ノーザン・スプリング(DNS)、ハード・レッド・ウインター(HRW)、ハード・レッド・スプリング(HRS)、No.1カナダ・ウェスタン・レッド・スプリング(1CW)、ウエスタン・ホワイト(WW)、プライム・ハード(PH)、オーストラリア・スタンダード・ホワイト(ASW)、デュラム小麦、きたほなみ、ゆめちから、ミナミノカオリ、シロガネコムギ、バーミュード、アルルカン、アパシェ等が挙げられ、そのような小麦穀粒は麺類製造用に使用される蛋白値12~15質量%の硬質小麦穀粒であることが好ましい。あるいは一般に市販されている小麦全粒粉であってもよい。
本発明の製造方法は、前記小麦全粒粉を雰囲気温度90~130℃で1~20分間乾熱処理して乾熱処理小麦全粒粉を得る工程を含む。ここで、乾熱処理とは、水分や水蒸気を供給することなく対象物を加熱することであり、対象物中の水分の蒸発を積極的に行う熱処理である。例えば、小麦全粒粉を気体又は固体媒介の伝導熱、放射熱、反射熱、熱風、電磁波(マイクロ波)などに曝して加熱する熱処理法が挙げられる。
乾熱処理を行う装置や機械については、例えば、製菓製パン用オーブン、リールオーブン、焙焼釜、高温乾燥機、送熱風乾燥機、加熱攪拌機、間接加熱型乾燥機、マイクロ波発生器などが挙げられ、このような装置や機械を用いて高温低湿度環境で小麦全粒粉を保持することにより乾熱処理小麦全粒粉を得ることができる。この際、小麦全粒粉が均一に乾熱処理されるようにするために、適時気流やミキサー等で混合撹拌することが好ましく、ないしは、熱伝導にムラが生じない程度に小麦全粒粉を薄く広げることが好ましい。
小麦全粒粉の乾熱処理の処理温度は雰囲気温度が90~130℃であり、好ましくは雰囲気温度が95~125℃であり、さらに好ましくは100~120℃である。乾熱処理の処理温度である雰囲気温度が90℃未満であると小麦全粒粉の改質効果が乏しく、130℃を超えると、小麦全粒粉が焙煎された状態になり、グルテンの変性への影響により得られる麺類の弾力が弱くなる傾向にある。乾熱処理の処理時間は、適宜調節することが可能であるが、1~20分間であり、好ましくは3~17分間であり、さらに好ましくは5~15分間であり、より好ましくは7~12分間である。処理温度が1分未満であると小麦全粒粉の改質効果が乏しく、20分を超えると、グルテンの変性により得られる麺類の弾力が弱くなる傾向にある。
乾熱処理後の冷却方法は特に限定はなく、自然放熱、通風や間接水流による強制急速冷却などが使用でき、その冷却に時間についても乾熱処理小麦全粒粉の品温が室温程度に下がるまで、適宜調節することが可能である。
前記乾熱処理の処理温度範囲及び処理時間範囲とすることにより、小麦全粒粉に含まれるグルテンの変性が極力起こらないようにして弾力を維持しつつ、ふすま臭を抑制することができる。このような乾熱処理小麦全粒粉は、好適に麺類の製造に使用することができる他、グルテンの弾力のある性質を利用して製造される小麦粉加工食品であれば何れにも使用することができる。
(小麦粉組成物の製造方法)
本発明はまた、前述の方法により乾熱処理小麦全粒粉を得る工程、及び前記乾熱処理小麦全粒粉に小麦粉を添加する工程、を含む小麦粉組成物の製造方法に関する。好ましくは前述の方法により麺類用乾熱処理小麦全粒粉を得る工程、及び前記麺類用乾熱処理小麦全粒粉に小麦粉を添加する工程、を含む麺類用小麦粉組成物の製造方法に関する。
小麦粉とは、小麦穀粒を製粉して得られた粉砕物をシフターや分級機等を用いて分画して得られる胚乳画分の粉砕物のことである。一般に小麦粉を得るための製粉は多段階の粉砕工程を含んでおり、初期の段階では胚乳純度の高い小麦粉が得られ、後期の段階になると小麦穀粒の外層の部分が混入した胚乳純度が低い小麦粉が得られる。胚乳純度の高いものから1等粉、2等粉、3等粉、末粉と称される。本発明の小麦粉組成物に使用する小麦粉は特に制限されるものではないが、1等粉であることが好ましい。
本発明に使用する小麦粉を得るための小麦穀粒は公知のものであればよく、具体的には、食用に使用される品種又は銘柄の小麦穀粒であれば産地を問わずいずれも好適に使用でき、例えば、ダーク・ノーザン・スプリング(DNS)、ハード・レッド・ウインター(HRW)、ハード・レッド・スプリング(HRS)、No.1カナダ・ウェスタン・レッド・スプリング(1CW)、ウエスタン・ホワイト(WW)、プライム・ハード(PH)、オーストラリア・スタンダード・ホワイト(ASW)、デュラム小麦、きたほなみ、ゆめちから、ミナミノカオリ、シロガネコムギ、バーミュード、アルルカン、アパシェ等が挙げられ、そのような小麦粉は目的とする小麦粉加工食品の種類により適宜選択することができ、麺類の場合、麺類製造用に使用される蛋白値12~15質量%の硬質小麦穀粒由来の小麦粉であることが好ましい。あるいは一般に市販されている小麦全粒粉であってもよい。また、一般に市販されている薄力粉、中力粉、準強力粉、強力粉あるいはこれらを混合した小麦粉であってもよい。
本発明において、小麦粉組成物は乾熱処理小麦全粒粉及び小麦粉を含む。好ましくは小麦粉組成物は乾熱処理小麦全粒粉及び小麦粉からなる。小麦粉組成物の全量に対する乾熱処理小麦全粒粉の量は目的とする小麦粉加工食品の種類により適宜変更可能である。麺類の場合、一般的には小麦粉組成物の全量に対する乾熱処理小麦全粒粉の量の下限は好ましくは5質量%、より好ましくは10質量%、さらに好ましくは15質量%、なお好ましくは20質量%、最も好ましくは30質量%であり、小麦粉組成物の全量に対する乾熱処理小麦全粒粉の量の上限は好ましくは100質量%、より好ましくは80質量%、さらに好ましくは60質量%、なお好ましくは50質量%、最も好ましくは40質量%である。例えば中華麺であれば5質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましい。
(麺類の製造方法)
本発明は、さらに前述の方法により乾熱処理小麦全粒粉を製造し、又は前述の方法により小麦粉組成物を製造し、前記乾熱処理小麦全粒粉又は前記小麦粉組成物から麺類を製造する、麺類の製造方法に関する。本発明において、麺類の製造方法は特に限定されるものではなく、前述の方法により得た乾熱処理小麦全粒粉又は前述の方法により得た小麦粉組成物から麺類を製造する以外は公知の方法に従って麺類を製造することが出来る。
例えば、前記小麦粉組成物を主体とする製麺用粉体原料に水分などを加えて混捏して生地を作成し、得られた生地を熟成した後、製麺ロールにより成型、複合および圧延して麺帯を製造し、切歯で切り出し麺線(生麺)とすることができる。この際、製麺ロールにより成型、任意に複合して得られる麺帯と他の構成成分の異なる製麺用粉体原料を用いて同様にして得られた麺帯とを積層して多層麺とすることもできる。あるいは、押出し製麺により麺線を得ることもできる。得られた麺線を乾燥して乾麺とすることもできる。
本発明の製造方法により得られる麺類としては、中華麺、うどん、冷麦、そうめん、日本そば、パスタ、ビーフンなどが挙げられる。
本発明において、麺類を製造するに際して、小麦粉組成物以外に通常麺類の製造に使用される副原料や副資材を使用することができる。そのような副原料や副資材として、米、ライ麦、大麦、とうもろこし、そば、大豆、緑豆、ひえ、あわ、アマランサス等の穀物由来の穀粉;小麦ふすま、米ぬか等の糟糠類;前記穀物、塊茎(馬鈴薯、里芋、キャッサバ等)、塊根(甘藷、山芋等)、樹幹(サゴヤシ等)などの作物並びにそのワキシー種ないしはハイアミロース種作物から分離精製された澱粉類;前記澱粉類にα化、エーテル化、エステル化、アセチル化、架橋処理等を行った加工澱粉類;難消化性澱粉等の水不溶性食物繊維;ポリデキストロース、大麦βグルカン、難消化性デキストリン等の水溶性食物繊維;デキストリン等の澱粉分解物;ブドウ糖、果糖、乳糖、砂糖、イソマルトース等の糖類;卵黄、卵白、全卵及びそれらを粉末化したものやその他の卵に由来する成分である卵成分;粉乳、脱脂粉乳、大豆粉乳等の乳成分;ショートニング、ラード、マーガリン、バター、液状油等の油脂類;大豆蛋白、小麦蛋白、緑豆蛋白等の蛋白素材;グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、サポニン、カゼインナトリウム、有機酸モノグリセリド、有機酸ジグリセリド等の乳化剤;ペクチン、カラギーナン、キサンタンガム、グアーガム、タラガム、ローカストビーンガム、イヌリン等の増粘多糖類;メチルセルロース類等のセルロース誘導体;かんすい、食塩等の無機塩類;ビタミンB、ビタミンC等のビタミン類;pH調整剤;保存料;香料;カルシウム等の強化剤等が挙げられる。本発明の麺類用小麦粉組成物にこれら副原料や副資材を適宜配合して麺類用プレミックス粉とすることもできる。
以下本発明を具体的に説明する為に実施例を示すが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
製造例1 乾熱処理小麦全粒粉の製造
小麦穀粒として1CWを調湿せずにピンミルに投入して小麦全粒粉を得た。ケルダール法により測定した小麦全粒粉の蛋白値は13質量%であった。
上記小麦全粒粉を庫内温度(雰囲気温度)110℃に設定したパドルドライヤー(株式会社奈良機械製作所)に投入し、10分間乾熱処理した。乾熱処理後、開放系で自然冷却して乾熱処理小麦全粒粉を得た。
製造例2 中華麺の製造
乾熱処理小麦全粒粉20質量部、小麦粉(特寿、日本製粉株式会社)80質量部、食塩1質量部、かんすい1質量部及び水33質量部をミキサー(トーキョーメンキ株式会社)に投入し、13分間ミキシングして生地を得た。得られた生地を製麺ロール(トーキョーメンキ株式会社)により整形1回、複合1回、圧延3回行って厚さ1.5mmの麺帯とし、#20角の切り刃で切り出し、長さ25cmの生麺を得た。
評価例1 茹で麺の官能評価
生麺を生麺質量の15倍の質量の茹で水(pH5.5~6.0)で3分間茹で、湯切りした後、醤油ベースのスープの入った器に盛付けた。10名の熟練のパネラーにより、ふすま臭、弾力についてそれぞれ下記評価基準で評価を行い、平均点及び標準偏差(SD)を求めた。なお、乾熱処理していない未処理小麦全粒粉と小麦粉とを用いて製造した中華麺のふすま臭及び弾力を各々3点とした(参考例1)。
ふすま臭
Figure 2022098066000001
弾力
Figure 2022098066000002
試験例1 熱処理時間の検討
乾熱処理する際の熱処理温度(庫内温度)を110℃にし、表1記載の熱処理時間にした以外は製造例1に従って乾熱処理小麦全粒粉を得た。製造例2に従って中華麺を製造し、評価例1に従って評価した。結果を表1に示す。
その結果、実施例1~4におけるふすま臭は、熱処理時間の増加に依存して低減された。実施例1~3における中華麺の弾力は、熱処理時間の増加に依存して強くなった。実施例4では熱処理時間が長すぎたためか実施例3よりも弾力が弱くなったが、参考例1よりは強い弾力であった。熱処理時間が0.5分の比較例1では、参考例1と同等であり、乾熱処理による効果は得られなかった。熱処理時間が25分の比較例2では、乾熱処理時間が長くなりすぎ焙煎された状態になり、ふすま臭が良好に弱くなったものの、中華麺の弾力が弱くなり、不適であった。
以上のことから、小麦全粒粉のふすま臭は乾熱処理により低減されること、並びに、適度な乾熱処理によりグルテンの弾力が強くなり、乾熱処理が強くなり過ぎるとグルテンが変性して失活することにより弾力が損なわれることが判った。
表1
Figure 2022098066000003
試験例2 熱処理温度の検討
表2記載の熱処理温度及び熱処理時間にした以外は製造例1に従って乾熱処理小麦全粒粉を得た。製造例2に従って中華麺を製造し、評価例1に従って評価した。結果を表2に示す。
その結果、熱処理時間が10分の実施例3、6~9では、熱処理温度が高くなるにつれてふすま臭が低減し、熱処理温度が110℃をピークに中華麺の弾力が強くなった。熱処理温度が90℃で熱処理時間が1分間の実施例5では、ふすま臭及び弾力ともにやや改善された。熱処理温度が130℃で熱処理時間が20分の実施例10では、中華麺の弾力は参考例と同等であったものの、ふすま臭が効果的に弱くなっており、総合的に良好であった。熱処理温度が80℃で熱処理時間が10分間の比較例3では、乾熱処理が不十分であるために効果は得られなかった。熱処理温度が140℃で熱処理時間が10分間の比較例4では、乾熱処理温度が高くなりすぎ焙煎された状態になり、グルテンが変性したためか弾力が弱くなった。
表2
Figure 2022098066000004
試験例3 乾熱処理小麦全粒粉のみを用いて製造した中華麺の評価
製造例1で得られた乾熱処理小麦全粒粉(熱処理温度110℃、熱処理時間10分間)のみを用いて製造した中華麺を評価したところ、乾熱処理していない未処理全粒粉のみを用いて製造した中華麺よりもふすま臭が低減されており、弾力は良好であり、これは実施例3と参考例1とを対比した場合と同様の傾向であった。
試験例4 熱処理の種類の検討
下記表3記載の熱処理温度及び熱処理時間にした以外は製造例1に従って乾熱処理小麦全粒粉を得た。湿熱処理小麦全粒粉は特開2014-050367に準じて製造した。すなわち、加熱水蒸気が小麦全粒粉全体にまんべんなく当たるように、製造例1に従って得られた小麦全粒粉を厚さ1cmになるようにバットに広げ、下記表記載の庫内温度に設定したスチームオーブン(ラショナル社製)に投入し、常圧下で下記表記載の処理時間で湿熱処理して湿熱処理小麦全粒粉を得た。製造例2に従って中華麺を製造し、評価例1に従って評価した。結果を表3に示す。
その結果、90℃で乾熱処理した実施例11では、熱処理時間に依存してふすま臭が低減し、中華麺の弾力が強くなった。130℃で乾熱処理した実施例12では、ふすま臭が低減され、中華麺の弾力は実施例9よりも強くなった。湿熱処理した比較例5~8では、ふすま臭が低減されていたものの、何れの湿熱処理条件でもグルテンが失活したためか弾力が損なわれた。
表3
Figure 2022098066000005

Claims (4)

  1. 小麦穀粒を製粉して小麦全粒粉を得る工程、及び
    前記小麦全粒粉を雰囲気温度90~130℃で1~20分間乾熱処理する工程、を含む乾熱処理小麦全粒粉の製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法により乾熱処理小麦全粒粉を得る工程、及び
    前記乾熱処理小麦全粒粉に小麦粉を添加する工程、を含む小麦粉組成物の製造方法。
  3. 前記乾熱処理小麦全粒粉が麺類用である、請求項2に記載の小麦粉組成物の製造方法。
  4. 請求項1に記載の方法により乾熱処理小麦全粒粉を製造し、又は請求項2に記載の方法により小麦粉組成物を製造し、前記乾熱処理小麦全粒粉又は前記小麦粉組成物から麺類を製造する、麺類の製造方法。
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