JP2023048513A - 中華麺の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な黄色味を有し、しっとりとした食感で、麺表面の張りに優れ、レンジ加熱してもごわつきにくい中華麺を製造できる中華麺用ミックスが提供すること。【解決手段】本発明は、小麦粉を含む中華麺用ミックスである。中華麺用ミックスは、小麦粉100質量部に対して、デュラム粉を20質量部以上75質量部以下、及び、きたほなみ由来の小麦粉を20質量部以上75質量部以下含有する。また本発明は、前記中華麺用ミックスを原料として用いた麺生地、並びに麺生地を用いた中華麺の製造方法も提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、中華麺用ミックスに関する。また本発明は、該中華麺用ミックスを用いた麺生地及び中華麺の製造方法に関する。
中華麺等の麺類の人気は非常に高く、世界中で喫食されている。α化した乾麺と具類とが共に収納されたカップ麺や、調理前の麺線とスープとが共に収納された袋ラーメンが広く販売されており、家庭で中華麺を調理し、喫食する機会も多い。従来、中華麺の専門店においては、調理後短時間の見映えや食感が特に重視されていた。一方、家庭への中華麺の広まりによって、調理してから時間が経過した後の喫食や、調理後の中華麺を一度冷蔵保存して再加熱した後の喫食等、様々な喫食形態が増えつつある。喫食形態の増加に伴い、近年は、調理、保存、再加熱を経ても見映えや食感が損なわれない中華麺が望まれている。
中華麺等の麺類に使用される小麦の一つとしてデュラム小麦が知られている。デュラム小麦は、通常の普通系小麦と比べて硬質であるとともに、グルテンを豊富に含む。これによって、デュラム小麦を原料とすると、デュラム小麦特有の強い食感の麺類を得ることができる。
例えば特許文献1には、損傷澱粉量を9.5質量%以下に抑えたデュラム小麦粉を含む中華麺が記載されている。同文献には、デュラム小麦が硬質であるがゆえに生じていた、デュラム小麦粉の過粉砕に起因するデュラム小麦粉の損傷澱粉量及びグルテン活性の低下を、デュラム小麦粉の粉砕条件を調製したことで解決し、これによって、デュラム小麦粉を用いた麺類の食感、味・香りを改善したと記載されている。
特許文献2には、強力小麦粉とデュラム小麦粉とを含む低加水中華麺用小麦粉組成物と、該低加水中華麺用小麦粉組成物を使用して製造した中華麺が記載されている。同文献には、低加水中華麺用小麦粉組成物を使用した低加水中華麺を一度茹でて保存した後に再加熱して喫食した場合でも食感を抑えることができた旨が記載されている。
特開2009-213354号公報 特開2021-97632号公報
しかし、特許文献1及び2では、中華麺に要求される別の特性であるしっとりした食感や麺表面の張りの良さ、及び電子レンジ加熱したときに課題となる麺のごわつきの低減については特段の考慮はなされていない。したがって本発明の課題は、調理、保存、再加熱を経ても見映えや食感が損なわれにくい中華麺を製造し得るミックスを提供することにある。
本発明は、小麦粉100質量部中、デュラム粉を20質量部以上75質量部以下含み、きたほなみ由来の小麦粉を20質量部以上75質量部以下含む、中華麺用ミックスを提供するものである。
また本発明は、前記中華麺用ミックスを原料として用いた、麺生地を提供するものである。
更に本発明は、小麦粉100質量部中、デュラム粉を20質量部以上75質量部以下含み、きたほなみ由来の小麦粉を20質量部以上75質量部以下含む原料粉を用いた、中華麺の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、良好な黄色味を有し、しっとりとした食感で、麺表面の張りに優れ、レンジ加熱してもごわつきにくい中華麺を製造し得る中華麺用ミックスが提供される。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明する。
本発明の中華麺用ミックスは、特定の種類の小麦粉を含むものである。具体的には、小麦粉として、デュラム粉と、きたほなみ由来の小麦粉とをそれぞれ所定量含む。
デュラム粉は、デュラム小麦を原料とする穀粉である。
デュラム小麦とは、普通系小麦と異なる、植物学的分類における二粒系小麦に属する小麦をいう。具体的には、デュラム小麦以外の通常の小麦は6倍体であって「普通系小麦」と呼ばれる。これに対し、デュラム小麦は4倍体であり「二粒系小麦」と呼ばれている。このように、デュラム小麦は、強力粉、中力粉及び薄力粉用の普通系小麦とは植物学的に種類が異なっている。
デュラム粉としては、例えば、デュラムセモリナ、デュラム小麦粉、デュラム全粒粉等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。デュラムセモリナは、デュラム小麦からふすま(表皮)及び胚芽を除いて粗挽きしたものであり、デュラム小麦粉は、デュラムセモリナを更に粉砕・粉末化したものである。デュラムセモリナとデュラム小麦粉との主な違いは粒子の大きさであり、一般に、デュラムセモリナの方がデュラム小麦粉に比べて平均粒径が大きい。デュラム全粒粉は、デュラム小麦をそのまま粉砕したもので、ふすまや胚芽を含む点で、これらを実質的に含まないデュラムセモリナ及びデュラム小麦粉と相違する。しっとりとした食感で、麺表面の張りに優れており、また良好な黄色味を有する中華麺を得る観点から、特にデュラムセモリナ及びデュラム小麦粉を用いることが好ましく、とりわけデュラム小麦粉が好ましい。デュラム小麦粉としては、デュラム小麦を製粉して得られる小麦粉であって、本技術分野で使用可能なものを特に制限無く用いることができる。
好ましいデュラム粉(デュラム小麦粉)の一例として、本出願人の先の出願に係る特開2009-11277号公報に記載のデュラム小麦粉(以下、「特定デュラム小麦粉」ともいう。)が挙げられる。特定デュラム小麦粉は、損傷澱粉量が9.5質量%以下であることを特徴とする。ここでいう「損傷澱粉」は、小麦粉に含まれる澱粉の一部が機械的な損傷を受けて澱粉粒が破壊された状態のものを指す。特定デュラム小麦粉は損傷澱粉が比較的少ないことが主たる特徴の1つである。特定デュラム小麦粉の損傷澱粉量は、該特定デュラム小麦粉中6.0質量%以上8.0質量%以下であることが好ましく、7.0質量%以上8.0質量%以下であることが更に好ましい。特定デュラム小麦粉は、例えば、特開2009-11277号公報に記載の方法に従って製造することができる。
本発明では、デュラム粉を、小麦粉100質量部中、20質量部以上75質量部以下混合して中華麺用ミックスを得ることが好ましい。デュラム粉の量を20質量部以上に設定することで、しっとりとした食感で、麺表面の張りに優れた中華麺を得られるという利点がある。また、デュラム粉の量を75質量部以下に設定することで、良好な黄色味を有する中華麺が得られるという利点がある。
デュラム粉の粒度(粒径の頻度)は、しっとりとした食感で、麺表面の張りに優れた中華麺を得るという観点から、平均粒径が好ましくは200μm以下、より好ましくは20μm以上130μm以下、さらに好ましくは40μm以上100μm以下の範囲であり、且つ粒径200μm以下のデュラム粉が全デュラム粉中、90質量%以上、好ましくは95質量%以上、より好ましくは100質量%である。前記特定デュラム小麦粉の粒度も斯かる範囲にあることが好ましい。
本発明において、小麦粉等の平均粒径は、レーザ回折散乱式粒度分布測定装置(例えば、日機装株式会社製、「マイクロトラック粒径分布測定装置9200FRA」)を用いて乾式で測定したときの累積体積50容量%における体積累積粒径D50を指す。なお、粒度(粒径の頻度)とは、粒径分布を解析し、計算した「検出頻度割合」である(日機装株式会社製の前記装置9200FRAに添付された資料「マイクロトラック粒度分析計測定結果の見方」参照)。
本発明の中華麺用ミックスは、上述したデュラム粉に加えて、きたほなみ由来の小麦粉を含む。「きたほなみ」は日本産小麦品種の一種である。「きたほなみ由来の小麦粉」とは、きたほなみそのもの、及び交配親としてきたほなみを用いた派生品種の双方を包含する。小麦粉がきたほなみ由来のものであるか否かは、例えば遺伝学的特徴によって判断することができる。きたほなみ由来の小麦粉を用いることによって、中華麺にしっとりとした食感を与えることができ、またレンジ加熱してもごわつきにくく、良好な食感を維持させることができる。
本発明では、きたほなみ由来の小麦粉を、小麦粉100質量部中、20質量部以上75質量部以下混合して中華麺用ミックスを得ることが好ましい。きたほなみ由来の小麦粉の量をこの範囲に設定することで、中華麺にしっとりとした食感を与えることができ、またレンジ加熱してもごわつきにくく、良好な食感を維持させることができる。これらの観点から、きたほなみ由来の小麦粉は、小麦粉100質量部中、25質量部以上70質量部以下含まれることが更に好ましい。
中華麺にしっとりとした食感を与えることができ、またレンジ加熱してもごわつきにくく、良好な食感を維持させる観点から、きたほなみ由来の小麦粉の粗蛋白質量は、該きたほなみ由来の小麦粉中9.0質量%以上11.5%質量%以下であることが好ましく、9.5質量%以上11.0質量%以下であることが一層好ましい。なお、この粗蛋白質量は、きたほなみ由来の小麦粉中の水分量が13.5%時の数値である。粗蛋白質量の測定方法としては、例えば特開2012-254052号公報に記載の方法が挙げられる。
本発明においては、中華麺用ミックスに含まれるすべての小麦粉100質量のうち、デュラム粉ときたほなみ由来の小麦粉の合計質量が80質量部以上100質量部以下であることが、しっとりとした食感で、麺表面の張りに優れ、またレンジ加熱してもごわつきにくい中華麺を得るという観点から好ましい。この利点を一層顕著なものとする観点から、デュラム粉ときたほなみ由来の小麦粉の合計質量は、85質量部以上100質量部以下であることが更に好ましく、90質量部以上100質量部以下であることが一層好ましい。
本発明の中華麺用ミックスは、一般的に麺類製造に用いられる、小麦粉以外の他の成分も含むことができる。具体的には小麦粉以外の穀粉や澱粉類が挙げられる。また本明細書では、小麦粉を含めた穀粉、澱粉類の総称を穀粉類と記載する。
小麦粉以外の穀粉としては例えば、米粉、大麦粉、モチ大麦粉、そば粉、大豆粉、コーンフラワー、オーツ麦粉、ライ麦粉、ふすま粉などが挙げられる。
澱粉類としては例えば、タピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉等の澱粉、及びこれらにα化、アセチル化、エーテル化、エステル化、酸化処理、架橋処理等の処理を施した加工澱粉が挙げられる。
本発明の中華麺用ミックスは、穀粉類100質量部中、小麦粉を55質量部以上100質量部以下含むことが好ましい。小麦粉の含有量を55質量部以上にすることで、本発明の所期の効果が十分に奏される。この観点から本発明の中華麺用ミックスは、より好ましくは、穀粉類100質量部中、小麦粉を70質量部以上100質量部以下含み、更に好ましくは80質量部以上100質量部以下含み、なお好ましくは85質量部以上100質量部以下含む。
また、本発明のミックスは、澱粉類を、穀粉類100質量部中0質量部以上45質量部以下含んでいてもよく、0質量部以上35質量部以下含んでいてもよい。
本発明の中華麺用ミックスは、前記穀粉類のほかに通常麺類製造に用いられる副原料を含んでいてもよい。副原料としては、例えば、グルテン、グリアジンなどの小麦蛋白質、大豆蛋白質、卵黄粉、卵白粉、全卵粉、脱脂粉乳等の蛋白質素材;動植物油脂、粉末油脂等の油脂類;食物繊維、膨張剤、乳化剤、食塩、糖類、甘味料、香辛料、調味料、ビタミン類、ミネラル類、色素、香料、デキストリン(難消化性含む)、アルコール、酵素剤、焼成カルシウム、栄養強化剤、増粘剤、保水剤、保存剤、pH調整剤、酸化還元剤等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。副原料の配合量は、本発明の中華麺用ミックスに含まれる穀粉類100質量部に対して、20質量部以下であることが好ましく、15質量部以下であることが更に好ましく、10質量部以下であることが一層好ましい。
本発明の中華麺用ミックスは中華麺の製造に使用される。本発明のミックスを用いた中華麺の製造方法は常法に準じる。
本発明の中華麺用ミックスを用いた中華麺は、従来の麺類の製法と同様の手順で製造することができる。典型的には、該中華麺用ミックスを含む原料粉と水分とを混合して麺生地を調製する工程と、該麺生地を圧延して麺帯を得る工程と、該麺帯から複数の麺線を切り出す工程とを有する。本発明において、加水量は、麺類の種類等に応じて適宜調整すればよく、好ましくは穀粉類100質量部に対して25質量部以上60質量部以下である。水分としては、通常使用される水、塩水、かん水などの他、ガス含有水(炭酸水等)を使用することもできる。このように製造された麺類は、生麺、調理済み麺(茹で麺、蒸し麺等)、生麺若しくは調理麺の冷凍麺、冷蔵麺又はチルド麺、ノンフライ即席麺、フライ即席麺、乾麺等に適用可能である。
また、本発明の中華麺用ミックスを用いて麺生地を調製する場合、該中華麺用ミックスは、前記副原料を含むものであってもよく、あるいは含まないものであってもよい。
本発明で用いるかん水原料としては、中華麺の製造に通常用いられるかん水の成分、即ち、常温で粉末状のかん粉が用いられる。具体的には、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。かん水原料としては、市販のものを用いることもでき、例えば、オリエンタル酵母工業株式会社製の商品名「かんすい赤」が挙げられる。この「かんすい赤」には、かん水原料として、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウムが含まれている。
かん水原料の配合量は、生地原料中の中華麺用ミックス100質量部に対して、
0.3質量部以上3質量部以下であることが好ましい。かん水原料の配合量をこの範囲に設定することで、得られる中華麺は中華麺特有の風味を有し、食感に優れた麺質となる。
このようにして得られた麺生地は、常法に従って製麺することで麺線が得られる。製麺方法は特に限定されず、例えば、圧延製麺、ロール製麺、押出製麺などの各種製麺方法が挙げられ、その中でも圧延製麺によることが好ましい。圧延製麺においては、麺生地に圧力をかけて延ばして麺帯を得、該麺帯を切り出して、複数条の麺線からなる生麺を得ることができる。
このように製麺して得られた生麺を、熱湯中での茹で調理、水蒸気中での蒸し調理などの加熱調理を行うことで、そのまま喫食が可能な調理済み麺類が得られる。
これに代えて、得られた生麺をそのまま熱風乾燥等の公知の乾燥方法によって乾燥することで、乾麺を得ることができる。乾麺は、上述の加熱調理を行うことで、喫食可能な調理済み麺類となる。
いずれの場合であっても、本発明の中華麺用ミックスを用いて得られた麺類は、その喫食時において良好な黄色味を有し、しっとりとした食感で、麺表面の張りに優れたものとなる。
また得られた生麺は、生麺のままで、又は加熱調理されて調理済み麺類とした後、これを冷蔵又は冷凍処理することで、冷蔵又は冷凍処理された麺類としてもよい。例えば、加熱調理済み麺類を、必要に応じて所定の分量、例えば、一人分として150~300gに分けてトレイ等に盛り付けた後、必要に応じて包装し、これを冷蔵又は冷凍処理に付すことができる。特に、冷蔵又は冷凍された調理済み麺類は、長期保存が可能であり、喫食する際には、電子レンジ等で再加熱するだけで良く、簡便に喫食に供することができる。また本発明の中華麺用ミックスを用いて得られた麺類は、冷蔵又は冷凍時間が長期間となった場合でも、その喫食時において、調理直後と同等の良好な黄色味を有し、しっとりとした食感で、麺表面の張りに優れ、レンジ加熱を経てもごわつきにくいものとなる。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。しかし本発明の範囲は、下記の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1ないし4、比較例1ないし4、並びに対照例1〕
以下に示す粉末原料を表1に示す割合で混合して、粉末状の中華麺用ミックスを得た。
ミックスは、以下の方法で調製した。具体的には、原料小麦の頴果を粉砕機(ビューラー株式会社製、テストミル)にて粉砕し、その粉砕物を上級粉、下級粉、ふすまの3つの画分に分け、該粉砕物の総量の60質量%が該上級粉となるように原料粉を調製した。前記上級粉が不足した場合は、その不足分を前記下級粉で補填した。これによって、目的とするミックスを得た。
これらを以下の表1に示す割合で混合し、目的とする中華麺用ミックスを得た。
〔中華麺用ミックスの原料〕
<小麦粉>
・デュラム小麦粉(特定デュラム小麦粉、損傷澱粉量9.0質量%、平均粒径
80μm、粒径200μm以下のデュラム粉が100質量%)
・きたほなみ(頴果粉砕物、粗蛋白質量10.0質量%):中力粉
<デュラム小麦粉・きたほなみ以外の他の小麦粉>
・ASW(オーストラリア・スタンダード・ホワイト、頴果粉砕物):中力粉
・HRW(ハード・レッド・ウインター、頴果粉砕物):準強力粉
<小麦粉以外の他の原料粉末>
・澱粉:加工澱粉(アセチル化タピオカ澱粉、あじさい、松谷化学工業(株)製
・かん水原料:かんすい赤、オリエンタル酵母工業(株)製
〔1.冷蔵麺(調理済み麺類)の調製〕
実施例1ないし4、比較例1ないし4、並びに対照例1に示されるように、中華麺用ミックス100質量部に対して水分及びかん水原料を表1に示す質量割合で混合し、ミキシングして生地を調製した。該生地を製麺ロールで圧延及び複合して麺帯を作製し、切り刃(#20角)で切り出して麺線を製造した(麺厚1.5mm)。得られた麺線を、歩留まりが170%程度となるように熱湯で茹で、水洗冷却し、調理済み麺類(茹で中華麺)を得た。その後、調理済み麺類を小分けして個食に包装し、冷蔵庫(4℃)で24時間保管し、冷蔵された調理済み麺類をそれぞれ得た。
〔2.冷凍麺(調理済み麺類)の調製〕
実施例2、比較例3、並びに対照例1に示されるように、中華麺用ミックス100質量部に対して水分及びかん水原料を表2に示す質量割合で混合し、ミキシングして生地を調製した。該生地を製麺ロールで圧延及び複合して麺帯を作製し、切り刃(#20角)で切り出して麺線を製造した(麺厚1.5mm)。得られた麺線を、歩留まりが170%程度となるように熱湯で茹で、水洗冷却し、調理済み麺類(茹で中華麺)を得た。その後、調理済み麺類を小分けして個食に包装し、冷凍庫(-40℃)で急速凍結させ、冷凍された調理済み麺類をそれぞれ得た。
〔麺類の評価〕
得られた冷蔵麺及び冷凍麺に対して、官能評価を行った。訓練されたパネラー10人が、食感(しっとりさ)、麺表面の張り、レンジ耐性(ごわつき)及び色調を下記評価基準で官能評価し、その算術平均点を求めた。点数が高いほど、食感(しっとりさ)、麺表面の張り及びレンジ耐性に優れるものであることを意味する。なお評価は、HRWの小麦粉のみを含む中華麺用ミックスを用いて製造された麺類を対照例(対照例1及び2、各評価3点とする。)として評価した。
冷蔵麺の評価については、冷蔵調理済み麺類(中華麺)に対して、つゆをかけて喫食させて食感(しっとりさ)及び麺表面の張りを評価した。更に、冷蔵調理済み麺類(中華麺)に対して、ゲル状スープをかけ、電子レンジで品温が75℃となるように加熱して喫食させてレンジ耐性(ごわつき)を評価した。
冷凍麺の評価については、冷凍調理済み麺類(中華麺)を熱湯で1分間茹でて再加熱した加温済み中華麺を用い、加温済み中華麺を水洗冷却してつゆをかけた冷却状態のものを喫食させて食感(しっとりさ)及び麺表面の張りを評価した。更に、冷凍調理済み麺類(中華麺)に対して、ゲル状スープをかけ、電子レンジで品温が75℃となるように加熱して喫食させてレンジ耐性(ごわつき)を評価した。
色調については、冷蔵麺及び冷凍麺の双方について下記評価基準で評価し、最も評価した人数の多い項目を記載した。
<食感(しっとりさ)の評価基準>
5点:対照例よりもしっとりしている。
4点:対照例よりもややしっとりしている。
3点:対照例と同等である。
2点:対照例よりもやや粉っぽい。
1点:対照例よりも粉っぽい。
<麺表面の張りの評価基準>
5点:対照例よりも優れる。
4点:対照例よりもやや優れる。
3点:対照例と同等である。
2点:対照例よりもやや劣る。
1点:対照例よりも劣る。
<レンジ耐性(ごわつき)の評価基準>
5点:対照例よりもゴムのようなごわつきが弱い。
4点:対照例よりもゴムのようなごわつきがやや弱い。
3点:対照例と同等のごわつきである。
2点:対照例よりもゴムのようなごわつきがやや強い。
1点:対照例よりもゴムのようなごわつきが強い。
<色調の評価基準>
◎:中華麺として非常に良好な黄色味である。
○:中華麺として良好な黄色味である。
△:中華麺として普通の黄色味である。
※:中華麺として過度に黄色味がある。
Figure 2023048513000001
Figure 2023048513000002
表1及び表2に示すように、実施例の中華麺用ミックスを用いて製造された中華麺は、比較例のものと比較して、冷蔵又は冷凍した場合であっても食感、麺表面の張り、レンジ耐性及び色調に優れ、歯ごたえや口当たり等の麺類特有の食感に優れたものであることが分かる。

Claims (7)

  1. 小麦粉100質量部中、デュラム粉を20質量部以上75質量部以下含み、きたほなみ由来の小麦粉を20質量部以上75質量部以下含む、中華麺用ミックス。
  2. 前記小麦粉100質量部中、前記デュラム粉と前記きたほなみ由来の小麦粉との合計質量が80質量部以上100質量部以下である、請求項1に記載の中華麺用ミックス。
  3. 前記デュラム粉が、平均粒径20μm以上130μm以下のデュラム小麦粉である、請求項1又は2に記載の中華麺用ミックス。
  4. 前記きたほなみ由来の小麦粉の粗蛋白質量が、該きたほなみ由来の小麦粉中9.0質量%以上11.5質量%以下である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の中華麺用ミックス。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の中華麺用ミックスを原料として用いた、麺生地。
  6. 小麦粉100質量部中、デュラム粉を20質量部以上75質量部以下含み、きたほなみ由来の小麦粉を20質量部以上75質量部以下含む原料粉を用いた、中華麺の製造方法。
  7. 前記原料粉と水分とを混合して麺生地を調製する工程と、
    前記麺生地を圧延して麺帯を調製する工程と、
    前記麺帯から複数の麺線を切り出す工程とを含む、請求項6に記載の製造方法。
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