JP2022097800A - 全固体電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示は、短絡時に早期に電流を遮断可能な全固体電池を提供することを主目的とする。【解決手段】本開示においては、正極集電体、PTC層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、コート層および負極集電体をこの順に有し、上記PTC層は、絶縁性無機物、導電材およびポリマーを含有し、上記コート層は、酸化物活物質を含有する、全固体電池を提供することにより、上記課題を解決する。【選択図】図1

Description

本開示は、全固体電池に関する。
全固体電池は、正極活物質層および負極活物質層の間に固体電解質層を有する電池であり、可燃性の有機溶媒を含む電解液を有する液系電池に比べて、安全装置の簡素化が図りやすいという利点を有する。
全固体電池に、PTC特性を有する層を設ける技術が知られている。PTC(Positive Temperature Coefficient)特性とは、温度上昇に伴って、抵抗が正の係数を持って変化する特性をいう。例えば、特許文献1には、正極活物質層と正極集電体層との間、および、負極活物質層と負極集電体層との間の少なくとも一方に、導電材と絶縁性無機物とポリマーとを含有するPTC膜を有する全固体電池が開示されている。
一方、全固体電池に関する技術ではないものの、特許文献2には、集電体と、チタン酸リチウムを含む第1層と、炭素材料を含む第2層とを有し、第1層の厚みTと、第2層の厚みTとの比T/Tが、0.15以上0.55以下である非水電解質二次電池用負極が開示されている。
特開2019-142431号公報 特開2014-199714号公報
PTC特性を有する層(PTC層)を全固体電池に設けることで、短絡が生じたときに、抵抗増加による電流量の低減を図ることができる。一方、PTC特性の発現は、温度上昇がトリガーになるため、電流量の低減効果が得られるまでに時間を要し、結果として、早期に電流を遮断することが難しい。
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、短絡時に早期に電流を遮断可能な全固体電池を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本開示においては、正極集電体、PTC層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、コート層および負極集電体をこの順に有し、上記PTC層は、絶縁性無機物、導電材およびポリマーを含有し、上記コート層は、酸化物活物質を含有する、全固体電池を提供する。
本開示によれば、正極集電体および正極活物質層の間にPTC層を設け、負極集電体および負極活物質層の間にコート層を設けることにより、短絡時に早期に電流を遮断可能な全固体電池とすることができる。
本開示における全固体電池は、短絡時に早期に電流を遮断できるという効果を奏する。
本開示における全固体電池を例示する概略断面図である。 実施例1~4および比較例1~4で得られた全固体電池に対する、釘刺し試験の結果である。
以下、本開示における全固体電池について、図面を用いて詳細に説明する。以下に示す各図は、模式的に示したものであり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。また、各図において、部材の断面を示すハッチングを適宜省略している。また、本明細書において、ある部材に対して他の部材を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」または「下に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある部材に接するように、直上または直下に他の部材を配置する場合と、ある部材の上方または下方に、別の部材を介して他の部材を配置する場合との両方を含む。
図1は、本開示における全固体電池を例示する概略断面図である。図1に示す全固体電池10は、正極集電体1、PTC層2、正極活物質層3、固体電解質層4、負極活物質層5、コート層6および負極集電体7を、厚さ方向Dに沿って、この順に有する。また、PTC層2は、導電材、絶縁性無機物およびポリマーを含有し、コート層6は、酸化物活物質を含有する。なお、本開示においては、正極集電体1、PTC層2および正極活物質層3を正極Cと称し、負極活物質層5、コート層6および負極集電体7を負極Aと称する場合がある。
本開示によれば、正極集電体および正極活物質層の間にPTC層を設け、負極集電体および負極活物質層の間にコート層を設けることにより、短絡時に早期に電流を遮断可能な全固体電池とすることができる。上述したように、PTC層を全固体電池に設けることで、短絡が生じたときに、抵抗増加による電流量の低減を図ることができる。一方、PTC特性の発現は、温度上昇がトリガーになるため、電流量の低減効果が得られるまでに時間を要し、結果として、早期に電流を遮断することが難しい。
これに対して、本開示においては、正極集電体および正極活物質層の間にPTC層を設け、負極集電体および負極活物質層の間に、酸化物活物質を含有するコート層を設ける。酸化物活物質は、Liが挿入されると電子伝導性が発現し、挿入されたLiが脱離すると絶縁性が発現する。短絡が生じると、酸化物活物質からLiが脱離するため、その絶縁化(シャットダウン機能)を利用して電子伝導パスを早期に遮断できる。特に、後述する実施例に記載するように、正極集電体および正極活物質層の間にPTC層を設け、負極集電体および負極活物質層の間にコート層を設けた場合に相乗効果が生まれ、電流遮断までの時間が大幅に短縮される。なお、短絡(内部短絡)が生じる理由としては、例えば、電池製造時における導電性異物(例えば金属片)の混入、導電性部材(例えば金属部材)による全固体電池の突き刺しが挙げられる。
1.負極
本開示における負極は、負極活物質層、コート層および負極集電体を有する。
(1)コート層
コート層は酸化物活物質を含有する。酸化物活物質は、通常、Liが挿入された状態で電子伝導性を有し、挿入されたLiが脱離した状態で絶縁性を有する。Liが挿入された状態における酸化物活物質の電子伝導度(25℃)は、例えば8.0×10-1S/cm以上である。一方、挿入されたLiが脱離した状態における酸化物活物質の電子伝導度(25℃)は、例えば2.1×10-6S/cm以下である。
酸化物活物質は、金属元素および酸素元素を少なくとも含有する。また、酸化物活物質は、層状構造およびスピネル構造の少なくとも一方を有することが好ましい。酸化物活物質の一例としては、チタン酸リチウムが挙げられる。チタン酸リチウムは、Li、TiおよびOを含有する化合物であり、例えば、LiTi12、LiTiO、LiTiO、LiTiが挙げられる。酸化物活物質の他の例としては、ニオブチタン系酸化物が挙げられる。ニオブチタン系酸化物は、Ti、NbおよびOを含有する化合物であり、例えば、TiNb、TiNb1029が挙げられる。コート層は、酸化物活物質を1種のみ含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。また、酸化物活物質は、負極活物質よりも、Li挿入脱離電位が高いことが好ましい。
酸化物活物質の形状としては、例えば、粒子状が挙げられる。酸化物活物質の平均粒径(D50)は、特に限定されないが、例えば10nm以上であり、100nm以上であってもよい。一方、酸化物活物質の平均粒径(D50)は、例えば50μm以下であり、20μm以下であってもよい。コート層における酸化物活物質の割合は、例えば50重量%以上であり、70重量%以上であってもよく、90重量%以上であってもよい。
本開示において、コート層の厚さをTとし、負極活物質層の厚さをTとする。なお、TおよびTの単位はμmとする。Tに対するTの割合(T/T)は、例えば3%以上であり、5%以上であってもよい。T/Tが小さすぎると、発熱量の低減効果が得られにくい。一方、Tに対するTの割合(T/T)は、例えば13%以下であり、10%以下であってもよい。T/Tが大きすぎると、内部抵抗が増加しやすい。
は、例えば2μm以上であり、3μm以上であり、4μm以上であってもよい。一方、Tは、例えば15μm以下であり、10μm以下であってもよい。Tは、例えば20μm以上であり、40μm以上であってもよい。一方、Tは、例えば200μm以下であり、150μm以下であってもよい。
コート層は、固体電解質を含有していてもよい。固体電解質を用いることで、コート層に良好なイオン伝導パスを形成でき、シャットダウン機能が素早く働かせることができる。コート層における固体電解質の割合は、例えば5体積%以上であり、10体積%以上であってもよい。一方、コート層における固体電解質の割合は、例えば30体積%以下である。
コート層は、バインダーを含有することが好ましい。バインダーを添加することで、コート層の接着性が向上し、負極活物質層および負極集電体の密着性が向上する。バインダーについては、上述した負極活物質層におけるバインダーと同様のものを用いることができる。コート層におけるバインダーの含有量は、例えば1重量%以上10重量%以下である。
(2)負極活物質層
負極活物質層は、負極活物質を少なくとも含有する。負極活物質層は、固体電解質、導電材およびバインダーの少なくとも一つをさらに含有していてもよい。
負極活物質としては、例えば金属活物質およびカーボン活物質が挙げられる。金属活物質に含まれる金属元素としては、例えばSi、Sn、Li、In、Alが挙げられる。金属活物質は、上記金属元素の単体であってもよく、上記金属元素を含有する合金であってもよい。一方、カーボン活物質としては、例えばメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボンが挙げられる。
負極活物質は、充電による全体膨張率が14%以上である高容量負極活物質であることが好ましい。高容量負極活物質は、短絡時に流れる電流量が多いため、本開示における電流遮断効果が、より効果的に発揮される。高容量負極活物質は、通常、充電による全体膨張率が高い。ここで、一般的な負極活物質として知られているグラファイトは、充電による全体膨張率が13.2%である(Simon Schweidler et al., “Volume Changes of Graphite Anodes Revisited: A Combined Operando X-ray Diffraction and In Situ Pressure Analysis Study”, J. Phys. Chem. C 2018, 122, 16, 8829-8835)。すなわち、高容量負極活物質は、充電による全体積膨張率がグラファイトより大きい活物質である。充電による全体積膨張率は、Simon Schweidler et al.に記載されているように、space-group-independent evaluationにより求めることができる。負極活物質は、充電による全体膨張率が100%以上であってもよく、200%以上であってもよい。
高容量負極活物質の一例としては、例えばSi系活物質が挙げられる。Si系活物質は、Si元素を含有する活物質である。Si系活物質は、例えば、Si単体、Si合金、Si酸化物を挙げることができる。Si合金は、Si元素を主成分として含有することが好ましい。また、負極活物質の他の例としては、例えばSn系活物質が挙げられる。Sn系活物質は、Sn元素を含有する活物質である。Sn系活物質は、例えば、Sn単体、Sn合金、Sn酸化物を挙げることができる。Sn合金は、Sn元素を主成分として含有することが好ましい。
負極活物質の形状としては、例えば、粒子状が挙げられる。負極活物質の平均粒径(D50)は、特に限定されないが、例えば10nm以上であり、100nm以上であってもよい。一方、負極活物質の平均粒径(D50)は、例えば50μm以下であり、20μm以下であってもよい。平均粒径(D50)は、例えば、レーザー回折式粒度分布計、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定から算出できる。
負極活物質層における負極活物質の割合は、例えば20重量%以上、40重量%以上であってもよく。60重量%以上であってもよい。一方、負極活物質の上記割合は、例えば80重量%以下である。
負極活物質層は、固体電解質を含有していてもよい。固体電解質としては、例えば、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、窒化物固体電解質、ハロゲン化物固体電解質等の無機固体電解質が挙げられる。
硫化物固体電解質としては、例えば、Li元素、X元素(Xは、P、As、Sb、Si、Ge、Sn、B、Al、Ga、Inの少なくとも一種である)、および、S元素を含有する固体電解質が挙げられる。また、硫化物固体電解質は、O元素およびハロゲン元素の少なくとも一方をさらに含有していてもよい。ハロゲン元素としては、例えば、F元素、Cl元素、Br元素、I元素が挙げられる。硫化物固体電解質は、ガラス(非晶質)であってもよく、ガラスセラミックスであってもよい。硫化物固体電解質としては、例えば、LiS-P、LiI-LiS-P、LiI-LiBr-LiS-P、LiS-SiS、LiS-GeS、LiS-P-GeSが挙げられる。
負極活物質層は、導電材を含有していてもよい。導電材としては、例えば、炭素材料、金属粒子、導電性ポリマーが挙げられる。炭素材料としては、例えば、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)等の粒子状炭素材料、炭素繊維、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)等の繊維状炭素材料が挙げられる。
負極活物質層は、バインダーを含有していてもよい。バインダーとしては、例えば、フッ化物系バインダー、ポリイミド系バインダー、ゴム系バインダーが挙げられる。
(3)負極集電体
負極集電体は、負極活物質層の集電を行う層である。負極集電体としては、例えば、金属集電体が挙げられる。金属集電体としては、例えば、Cu、Ni等の金属を有する集電体が挙げられる。金属集電体は、上記金属の単体であってもよく、上記金属の合金であってもよい。負極集電体の形状としては、例えば、箔状が挙げられる。
2.正極
本開示における正極は、正極活物質層、PTC層および正極集電体を有する。
(1)PTC層
本開示におけるPTC層は、絶縁性無機物、導電材およびポリマーを含有する。PTC層に含まれるポリマーは、熱により膨張することで、電子伝導パスの量を低減できる。そのため、短絡が生じたときに、抵抗増加に伴う電流量の低減を図ることができる。また、PTC層に含まれる導電材は、通常時の電子伝導パスを担保することができる。また、全固体電池には、イオン伝導パスおよび電子伝導パスを担保するため、通常、高い拘束圧が付与されている。高い拘束圧は、ポリマーの膨張による電流量の低減効果を阻害する可能性があるが、PTC層に含まれる絶縁性無機物は、ポリマーの膨張による電流量の低減効果を発揮しやすくすることができる。
絶縁性無機物としては、例えば、金属酸化物、金属窒化物が挙げられる。金属酸化物としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、シリカが挙げられ、金属窒化物としては、例えば、窒化ケイ素が挙げられる。絶縁性無機物の平均粒径(D50)は、例えば、50nm以上5μm以下であり、100nm以上2μm以下であってもよい。また、PTC層における絶縁性無機物の含有量は、例えば20体積%以上であり、40体積%以上であってもよく、60体積%以上であってもよい。一方、PTC層における絶縁性無機物の含有量は、例えば85体積%以下であり、80体積%以下であってもよい。
導電材としては、例えば、炭素材料、金属材料が挙げられ、炭素材料が好ましい。炭素材料としては、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー等の炭素繊維、活性炭、グラファイト、グラフェン、フラーレンが挙げられる。導電材の形状は、例えば、粒子状が挙げられる。PTC層における導電材の含有量は、例えば、5体積%以上90体積%以下である。
ポリマーは、フッ素を含有することが好ましい。化学的安定性が高いからである。フッ素を含有するポリマーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が挙げられる。また、ポリマーは、熱可塑性樹脂であってもよい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアセタールが挙げられる。また、上記ポリマーとして、SBR(スチレンブタジエンゴム)、ABR(アクリロニトリルブタジエンゴム)、BR(ブチレンゴム)等のゴムを用いてもよい。ポリマーの融点は、例えば、80℃以上300℃以下である。PTC層におけるポリマー樹脂の含有量は、例えば、5体積%以上90体積以下である。
PTC層は、電子伝導度が高い層であることが好ましい。25℃におけるPTC層の電子伝導度は、例えば2×10-2S/cm以上であり、3×10-2S/cm以上であってもよい。一方、25℃におけるPTC層の電子伝導度は、例えば50S/cm以下である。また、PTC層の厚さは、例えば0.01μm以上であり、1μm以上であってもよい。一方、PTC層の厚さは、例えば30μm以下である。また、PTC層の厚さ(TPTC)に対する、絶縁性無機物の粒子径D90(D90)の割合(D90/TPTC)は、例えば0.6以上であり、0.7以上であってもよい。また、上記D90/TPTCは、例えば、1.0以下であり、0.9以下であってもよく、0.8以下であってもよい。
(2)正極活物質層
正極活物質層は、正極活物質を少なくとも含有する。正極活物質層は、固体電解質、導電材およびバインダーの少なくとも一つをさらに含有していてもよい。
正極活物質としては、例えば、酸化物活物質が挙げられる。酸化物活物質としては、例えば、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiVO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等の岩塩層状型活物質、LiMn、LiTi12、Li(Ni0.5Mn1.5)O等のスピネル型活物質、LiFePO、LiMnPO、LiNiPO、LiCoPO等のオリビン型活物質が挙げられる。
酸化物活物質の表面には、Liイオン伝導性酸化物を含有する保護層が形成されていてもよい。酸化物活物質と、固体電解質との反応を抑制できるからである。Liイオン伝導性酸化物としては、例えば、LiNbOが挙げられる。保護層の厚さは、例えば、1nm以上30nm以下である。また、正極活物質として、例えばLiSを用いることもできる。
正極活物質の形状としては、例えば、粒子状が挙げられる。正極活物質の平均粒径(D50)は、特に限定されないが、例えば10nm以上であり、100nm以上であってもよい。一方、正極活物質の平均粒径(D50)は、例えば50μm以下であり、20μm以下であってもよい。
正極活物質層に用いられる導電材、固体電解質およびバインダーについては、上記「1.負極」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。正極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。
(3)正極集電体
正極集電体は、正極活物質層の集電を行う層である。正極集電体の材料としては、例えば、SUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボンが挙げられる。
3.固体電解質層
本開示における固体電解質層は、正極活物質層および負極活物質層の間に配置され、少なくとも固体電解質を含有する層である。固体電解質層は、固体電解質として硫化物固体電解質を含有することが好ましい。また、固体電解質層はバインダーを含有していてもよい。固体電解質層に用いられる固体電解質およびバインダーについては、上記「1.負極」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。固体電解質層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。
4.全固体電池
本開示における全固体電池は、正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層を有する発電単位を少なくとも1つ有し、2以上有していてもよい。全固体電池が複数の発電単位を有する場合、それらは、並列接続されていてもよく、直列接続されていてもよい。本開示における全固体電池は、正極、固体電解質層および負極を収納する外装体を備える。外装体の種類は特に限定されないが、例えば、ラミネート外装体が挙げられる。
本開示における全固体電池は、正極、固体電解質層および負極に対して、厚さ方向に沿って拘束圧を付与する拘束治具を有していてもよい。拘束圧を付与することで、良好なイオン伝導パスおよび電子伝導パスが形成される。拘束圧は、例えば0.1MPa以上であり、1MPa以上であってもよく、5MPa以上であってもよい。一方、拘束圧は、例えば100MPa以下であり、50MPa以下であってもよく、20MPa以下であってもよい。
本開示における全固体電池は、典型的には全固体リチウムイオン二次電池である。全固体電池の用途は、特に限定されないが、例えば、ハイブリッド自動車、電気自動車、ガソリン自動車、ディーゼル自動車等の車両の電源が挙げられる。特に、ハイブリッド自動車または電気自動車の駆動用電源に用いられることが好ましい。また、本開示における全固体電池は、車両以外の移動体(例えば、鉄道、船舶、航空機)の電源として用いられてもよく、情報処理装置等の電気製品の電源として用いられてもよい。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示における特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示における技術的範囲に包含される。
[比較例1]
(負極活物質の作製)
Si粒子(高純度化学製)0.65gと、Li金属(本城金属製)0.60gとを、Ar雰囲気下にてメノウ乳鉢で混合して、LiSi前駆体を得た。得られたLiSi前駆体1.0gに、0℃のエタノール(ナカライテスク製)250mlを加えて、Ar雰囲気下のガラス反応器内にて120分間反応させた。その後、吸引ろ過にて液体と固体反応物とを分離し、固体反応物を回収した。回収した固体反応物0.5gに、酢酸(ナカライテスク製)50mlを加えて、大気雰囲気下のガラス反応器内にて60分間反応させた。その後、吸引ろ過にて液体と固体反応物とを分離し、固体反応物を回収した。回収した固体反応物を100℃で2時間真空乾燥して、負極活物質(ナノポーラスSi粒子)を得た。
(負極の作製)
得られた負極活物質(ナノポーラスSi粒子、平均粒径0.5μm)と、硫化物固体電解質(10LiI・15LiBr・75(0.75LiS・0.25P)、平均粒径0.5μm)と、導電材(VGCF-H)と、バインダー(SBR)とを、重量比で、負極活物質:硫化物固体電解質:導電材:バインダー=47.0:44.6:7.0:1.4となるように秤量し、分散媒(ジイソブチルケトン)とともに混合した。得られた混合物を、超音波ホモジナイザー(UH-50、株式会社エスエムテー製)で分散させることにより、スラリーを得た。得られたスラリーを、負極集電体(Ni箔、厚さ22μm)の一方の表面上にアプリケーターを用いたブレードコート法により塗工し、100℃で30分間乾燥させた。その後、負極集電体の他方の表面上にも、同様に塗工および乾燥を行った。これにより、負極集電体と、負極集電体の両面に形成された負極活物質層とを有する負極を得た。負極活物質層の厚さ(片面厚さ)は60μmであった。
(正極用部材の作製)
転動流動造粒コーティング装置でLiNbOコートを行った正極活物質(LiNi0.8Co0.15Al0.05、平均粒径10μm)と、硫化物固体電解質(10LiI・15LiBr・75(0.75LiS・0.25P)、平均粒径0.5μm)と、導電材(VGCF-H)と、バインダー(SBR)とを、重量比で、正極活物質:硫化物固体電解質:導電材:バインダー=83.3:14.4:2.1:0.2となるように秤量し、分散媒(ジイソブチルケトン)とともに混合した。得られた混合物を、超音波ホモジナイザー(UH-50、株式会社エスエムテー製)で分散させることにより、スラリーを得た。得られたスラリーを、Al箔(厚さ15μm)上にアプリケーターを用いたブレードコート法により塗工し、100℃で30分間乾燥させた。これにより、Al箔および正極活物質層を有する正極用部材を得た。正極活物質層の厚さは100μmであった。
(SE層用部材の作製)
硫化物固体電解質(10LiI・15LiBr・75(0.75LiS・0.25P)、平均粒径2.0μm)と、バインダー(SBR)とを、重量比で、硫化物固体電解質:バインダー=99.6:0.4となるように秤量し、分散媒(ジイソブチルケトン)とともに混合した。得られた混合物を、超音波ホモジナイザー(UH-50、株式会社エスエムテー製)で分散させることにより、スラリーを得た。得られたスラリーを、Al箔(厚さ15μm)上にアプリケーターを用いたブレードコート法により塗工し、100℃で30分間乾燥させた。これにより、Al箔および固体電解質層を有するSE層用部材を得た。固体電解質層の厚さは50μmであった。
(全固体電池の作製)
負極およびSE層用部材を、7.2cm×7.2cmのサイズに切り出した。一方、正極用部材を、7.0cm×7.0cmのサイズに切り出した。
負極の一方の表面側に位置する負極活物質層に、SE層用部材の固体電解質層を接触させ、負極の他方の表面側に位置する負極活物質層にも、SE層用部材の固体電解質層を接触させた。得られた積層体を、ロールプレス法により線圧1.6t/cmでプレスした。次に、それぞれの固体電解質層からAl箔を剥離し、固体電解質層を露出させた。
その後、露出させた固体電解質層に、それぞれ、正極用部材の正極活物質層を接触させた。得られた積層体を、ロールプレス法により線圧1.6t/cmでプレスした。次に、それぞれの正極活物質層からAl箔を剥離し、正極活物質層を露出させ、さらにロールプレス法により線圧5t/cmでプレスした。次に、ロールプレスした正極活物質層に、正極集電体(Al箔、厚さ15μm)をそれぞれ配置した。次に、集電用のタブを、正極集電体および負極集電体にそれぞれ設置し、ラミネート封止することにより、全固体電池を得た。
[比較例2]
絶縁性無機物(Al)と、導電材(VGCF)、と、ポリマー(PVdF)とを、重量比で、絶縁性無機物:導電材:ポリマー=70.0:12.5:17.5となるように秤量し、分散媒(NMP)とともに混合した。得られた混合物を、超音波ホモジナイザー(UH-50、株式会社エスエムテー製)で分散させることにより、スラリーを得た。得られたスラリーを、正極集電体(Al箔、厚さ15μm)上にアプリケーターを用いたブレードコート法により塗工し、100℃で30分間乾燥させた。これにより、PTC層を有する正極集電体を得た。PTC層の厚さは5μmであった。得られた正極集電体を用いたこと以外は、比較例1と同様にして全固体電池を得た。
[比較例3]
LTO粒子(LiTi12、平均粒径0.7μm)と、バインダー(SBR)とを、重量比で、LTO粒子:バインダー=95:5となるように秤量し、分散媒(ジイソブチルケトン)とともに混合した。得られた混合物を、超音波ホモジナイザー(UH-50、株式会社エスエムテー製)で分散させることにより、スラリーを得た。得られたスラリーを、負極集電体(Ni箔、厚さ22μm)の一方の表面上にアプリケーターを用いたブレードコート法により塗工し、100℃で30分間乾燥させた。その後、負極集電体の他方の表面上にも、同様に塗工および乾燥を行った。これにより、両面にコート層を有する負極集電体を得た。コート層の厚さ(片面厚さ)は、5μmであった。得られた負極集電体を用いたこと以外は、比較例1と同様にして全固体電池を得た。
[比較例4]
絶縁性無機物(Al)と、導電材(VGCF)、と、ポリマー(PVdF)とを、重量比で、絶縁性無機物:導電材:ポリマー=70.0:12.5:17.5となるように秤量し、分散媒(NMP)とともに混合した。得られた混合物を、超音波ホモジナイザー(UH-50、株式会社エスエムテー製)で分散させることにより、スラリーを得た。得られたスラリーを、負極集電体(Ni箔、厚さ22μm)の一方の表面上にアプリケーターを用いたブレードコート法により塗工し、100℃で30分間乾燥させた。その後、負極集電体の他方の表面上にも、同様に塗工および乾燥を行った。これにより、両面にPTC層を有する負極集電体を得た。PTC層の厚さ(片面厚さ)は、5μmであった。得られた負極集電体を用いたこと以外は、比較例2と同様にして全固体電池を得た。
[実施例1~3]
比較例2と同様にして、PTC層を有する正極集電体を得た。また、アプリケーターのブレードギャップを調整し、コート層の厚さを表1に示す値に変更したこと以外は、比較例3と同様にして、両面にコート層を有する負極集電体を得た。得られた正極集電体および負極集電体を用いたこと以外は、比較例1と同様にして全固体電池を得た。
[実施例4]
LTO粒子の代わりに、TNO粒子(TiNb、平均粒径0.5μm)を用いたこと以外は、比較例3と同様にして、両面にコート層を有する負極集電体を得た。得られた負極集電体を用いたこと以外は、実施例1と同様にして全固体電池を得た。
Figure 2022097800000002
[評価]
(釘刺し試験)
実施例1~4および比較例1~4で得られた全固体電池に対して充電を行い、釘刺し試験を行った。充電条件は、定電流充電(電流値1/3C、充電終止電圧4.05V)および定電圧充電(電圧値4.05V、電流値20A)とした。また、定電圧充電中に、全固体電池の側面から直径3.0mmの鉄釘を0.1mm/secの速度で0.5mmの深さまで突き刺して内部短絡を発生させた。この際、電流遮断までの時間を測定した。電流遮断までの時間は、流れ込み電流が最大値となる時を起点とし、流れ込み電流が最大値の1/10になる時を終点とした時間である。その結果を図2に示す。なお、図2に示す結果は、比較例1の結果を1.0とした場合の相対値である。
図2に示すように、比較例2、4では、比較例1に比べて、電流遮断までの時間が長くなった。これは、流れ込み電流に由来する発熱により正極集電体が溶断し、電流が遮断される機能を、PTC層が阻害しているためであると推測される。一方、比較例3では、比較例1に比べて、電流遮断までの時間が短くなった。これは、短絡によりコート層が導電性から絶縁性に切り替わり、電流が遮断されたためであると推測される。
た、比較例1および比較例2を比べると、正極集電体および正極活物質層の間にPTC層を設けると、電流遮断までの時間が長くなった。一方、比較例1および比較例3を比べると、負極集電体および負極活物質層の間にコート層を設けると、電流遮断までの時間が若干短くなった。これらの結果から、正極集電体および正極活物質層の間にPTC層を設け、負極集電体および負極活物質層の間にコート層を設けると、比較例3よりも、電流遮断までの時間が長くなることが予想される。しかしながら、実施例1~4では、比較例3に比べて、電流遮断までの時間が大幅に短くなった。これは、コート層による電流遮断効果と、PTC層による電流量低減効果とが相乗的に作用したためであると推測される。
また、実施例1~3を比べると、コート層の厚さに依らず、所望の電流遮断効果が得られることが確認された。また、実施例4(TNOコート)でも、実施例1~3(LTOコート)と同様の電流遮断効果が得られることが確認された。なお、比較例4では、負極側のPTC層が電流を早期に遮断できず、電流遮断までの時間が比較例1よりも長くなった。
1 … 正極集電体
2 … PTC層
3 … 正極活物質層
4 … 固体電解質層
5 … 負極活物質層
6 … コート層
7 … 負極集電体
10 … 全固体電池

Claims (1)

  1. 正極集電体、PTC層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、コート層および負極集電体をこの順に有し、
    前記PTC層は、絶縁性無機物、導電材およびポリマーを含有し、
    前記コート層は、酸化物活物質を含有する、全固体電池。
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