JP2022097365A - 洗浄剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬質表面に付着した脂質汚れの洗浄性能に優れ、スプレー吐出時の泡立ち性と配合安定性が良好である、洗浄剤組成物、及びこれを用いた脂質汚れの洗浄方法を提供する。【解決手段】(a)溶解度パラメーターδが15.0以上19.5以下の化合物[以下(a)成分という]、界面活性剤[以下(b)成分という]、及び水を含有し、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(a)/(b)が0.01以上0.55以下であり、25℃におけるpHが9を超え12未満である、洗浄剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、洗浄剤組成物及び脂質汚れの洗浄方法に関する。
人体由来の汚れとしては脂質、タンパク質が代表的であり、衣服や床、浴室など、生活場面、生活場所のあらゆる表面に付着し汚れの原因となる。特に浴槽などの表面には喫水線付近で汚れが堆積する。従来の浴槽はステンレスやホーローなどの材質が使われており、これら表面は親水的であるため、脂質やタンパク質などの汚れが容易に除去できた。しかしながら近年ユニットバスなどが普及し、浴槽や浴室の材料がポリエステル樹脂やアクリル樹脂などが用いられるようになり、これら疎水性の表面に付着した脂質やタンパク質の汚れは除去しにくい汚れである。特に脂質汚れはスポンジなどの清掃道具を用いてこすり洗いしなければ満足できる洗浄効果が得られない。
擦り洗いは重労働であるため、接触させてすすぐだけで満足できる洗浄効果が得られることは、使用者にとって非常に大きな有益を与える。従って疎水性の表面に付着した脂質汚れをこするなどの機械的作業を行わなくても容易に除去できる技術が求められている。
特許文献1にはドデカンなどの疎水性溶剤を含有する洗浄剤がポリプロピレン製の洗面器に付着した石鹸カスを除去する効果を有する洗浄剤が開示されている。
特許文献2、及び特許文献3には脂肪酸エステルを含有した洗浄剤がタイルや浴室を清浄する技術が開示されている。
特開2007-31692号公報 特表2016-540855号公報 特表2013-515093号公報
しかしながら、これら技術では硬質表面に付着した脂質汚れをこするなどの外力を必要とせずに洗浄する技術を開示するものではない。
本発明は、硬質表面に付着した脂質汚れの洗浄性能に優れ、スプレー吐出時の泡立ち性と配合安定性が良好である、洗浄剤組成物、及びこれを用いた脂質汚れの洗浄方法を提供する。
本発明は、(a)溶解度パラメーターδが15.0以上19.5以下の化合物[以下(a)成分という]、界面活性剤[以下(b)成分という]、及び水を含有し、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(a)/(b)が0.01以上0.55以下であり、25℃におけるpHが9を超え12未満である、洗浄剤組成物に関する。
本発明は、前記洗浄剤組成物を、泡形成機構を備えたトリガー式スプレーにより、脂質汚れが付着した硬質表面に噴霧し、放置後水で濯ぐ、脂質汚れの洗浄方法に関する。
本発明によれば、硬質表面に付着した脂質汚れの洗浄性能に優れ、スプレー吐出時の泡立ち性と配合安定性が良好である、洗浄剤組成物、及びこれを用いた脂質汚れの洗浄方法が提供される。
〔洗浄剤組成物〕
本発明の洗浄剤組成物が、硬質表面に付着した脂質汚れの洗浄性能とスプレーで吐出した際の泡立ち性に優れる理由は必ずしも定かではないが以下のように推定される。硬質表面に付着した脂質汚れを除去するには、一般的にはローリングアップのような現象を利用して除去されるのが通常の洗浄方法であるが、固体脂・液体油が混合された脂質汚れの場合、上記のような現象が起こりにくいことが知られている。本発明の洗浄剤組成物では特定の溶解度パラメーターを有する(a)成分を、洗浄剤組成物のpHを特定の範囲に保って脂質汚れに作用させることで、(a)成分により脂質汚れを溶解させ、また(a)成分が脂質汚れへ浸透することで汚れを改質して、脂質汚れを減粘させローリングアップが可能となる。更に本発明の洗浄剤組成物では、(a)成分と(b)成分を併用することで、擦らずに脂質汚れを洗浄した際の洗浄性能が向上する。
一方で、(a)成分は非常に疎水的な成分であり、(b)成分を用いて水に可溶化しようとした際、(a)成分の可溶化に(b)成分が消費され、スプレー等で泡立てた際の泡立ち性が悪化するという課題が生じる。本洗浄剤組成物では(a)成分と(b)成分の比率を特定の範囲に保つことで、脂質汚れの洗浄性能に優れ、且つ泡立ち性が良好な洗浄剤組成物を提供し得るものと考えられる。
<(a)成分>
(a)成分は、溶解度パラメーターδが15.0以上19.5以下の化合物である。
(a)成分としては、一般的によく知られている下記式より求められる溶解度パラメーターδが、脂質の洗浄性能の観点から、15.0以上、好ましくは16.0以上、より好ましくは17.0以上、そして、19.5以下、好ましくは19.0以下、より好ましくは18.5以下、より好ましくは18.0以下の化合物が挙げられる。
(a)成分についての溶解度パラメーターδとは、有機溶剤の1モル当たりの蒸発熱をΔH(cal/mol)、モル体積をV(cm3・mol)とする時、δ=(ΔH/V)1/2により、定義される値である。
δ=(ΔH/V)1/2
δ;溶解度パラメーター(sp値)〔(J/cm31/2
ΔH;モル蒸発熱
V;モル体積
なお、溶解度パラメーターδを求めるにあたっては、下記非特許文献に記載の数値を用いるものとする。
非特許文献1:Barton, A. F. M.; CRC Handbook ofSolubilityParameters and Other Cohesive Parameters 2nd Ed., p102(CRC Press).Polymer Handbook p VII528.
非特許文献2:Fedors, R. F.; Polym. Eng. Sci.,1974, 14, (2),147.
非特許文献3:Meusburger, K. E.; “PesticideFormulations:Innovations and Developments”, Chapter 14 (Am. Chem.Soc.), 1988,151.
(a)成分は、溶解度パラメーターδが上記の範囲であれば、水酸基、エーテル基、アミド基、エステル基等を有してもよい。(a)成分としては、例えば、全炭素数が6以上30以下の炭化水素、炭素数が8以上24以下のエステル化合物、及び脂肪族アルコールから選ばれる1種以上を挙げることができる。本発明では、炭素数が8以上24以下のエステル化合物が好ましい。
炭化水素の具体例としてはオレフィン炭化水素、パラフィン炭化水素、芳香族炭化水素、及びテルペン系炭化水素を挙げることができる。
オレフィン炭化水素としては、ヘキセン、オクテン、デセン、ドデセン、テトラデセンなどの直鎖オレフィン化合物、ジイソブチレン、トリイソブチレンなどの分岐鎖オレフィン化合物、及びシクロヘキセン、ジシクロペンテンなどの環状オレフィン化合物を用いることができる。
パラフィン炭化水素としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキサデカン、ヘプタデカン、オクタデカンなどの直鎖パラフィン化合物、イソヘキサン、イソヘプタン、イソオクタン、イソヘキサン、イソドデカン、イソトリデカン、イソテトラデカン、イソペンタデカン、イソヘキサデカン、イソヘプタデカン、イソオクタデカンなどの分岐鎖パラフィン化合物、及びシクロヘキサンなどの環状パラフィン化合物を用いることができる。また、イソパラフィンとして、軽質イソパラフィン、重質イソパラフィン、流動イソパラフィン、ポリイソブテンを用いることができる。
芳香族炭化水素としてはトルエン、キシレン、クメンを挙げることができる。
テルペン系化合物としてはイソプレンの2量体であるモノテルペン化合物、3量体であるセスキテルペン化合物、及び4量体であるジテルペン化合物を用いることができる。具体的なテルペン化合物としてはα-ピネン、β-ピネン、カンフェン、リモネン、ジペンテン、テルピノーレン、ミルセン、β-カリオフィレン、セドレンが好適であり、特にリモネン、ジペンテン、テルピノーレンが好ましい。
脂肪族アルコールとしては、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、エイコサノール、及び前記アルコールの構造異性体から選ばれる1種以上が挙げられる。
(a)成分は、炭素数が6以上24以下のエステル化合物が好ましい。但し、溶解度パラメーターδが上記の範囲である必要がある。
エステル化合物の炭素数は、脂質洗浄性能の観点から、好ましくは10以上、より好ましくは14以上、そして、好ましくは22以下、より好ましくは20以下である。
エステル化合物は、脂質洗浄性能の観点から、カルボン酸とアルコールとのエステル化合物が好ましく、1価以上3価以下のカルボン酸と1価以上3価以下のアルコールとのエステル化合物がより好ましい。但し、エステル化合物の炭素数は前記の範囲を満たすものである。
エステル化合物における原料カルボン酸の炭素数は、脂質洗浄性能の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは6以上、更に好ましくは10以上、そして、好ましくは21以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である。
エステル化合物における原料カルボン酸は、脂質洗浄性能の観点から、1価以上、そして、3価以下、好ましくは2価以下である。
エステル化合物における原料カルボン酸としては、特に限定されないが、直鎖又は分岐アルキル基を持つカルボン酸である。例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、安息香酸、2-エチルヘキサン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、α-リノレン酸、リノール酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、パーム油組成脂肪酸、ヤシ油組成脂肪酸、牛脂脂肪酸、セバシン酸、及びトリメシン酸から選ばれる1種以上が挙げられる。この中でも脂質洗浄性能の観点から、2-エチルヘキサン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、α-リノレン酸、リノール酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、アジピン酸、及びアゼライン酸から選ばれる1種以上が好ましい。
エステル化合物における原料アルコールの炭素数は、脂質洗浄性能の観点から、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、そして、配合安定性の観点から、好ましくは20以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは16以下、より更に好ましくは12以下、より更に好ましくは8以下、より更に好ましくは6以下、より更に好ましくは4以下、より更に好ましくは3以下である。
エステル化合物における原料アルコールは、脂質洗浄性能の観点から、1価以上、そして、3価以下、好ましくは2価以下、より好ましくは1価である。
エステル化合物における原料アルコールとしては、特に限定されないが、直鎖又は分岐アルキル基を持つアルコールである。原料アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノール、エイコサノール、及び前記アルコールの構造異性体から選ばれる1種以上が挙げられ、脂質汚れの洗浄性能の観点から、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、及びこれらアルコールの構造異性体から選ばれる1種以上が好ましい。
カルボン酸とアルコールとのエステル化合物としては、特に限定されないが、炭素数が6以上24以下の脂肪酸とアルコールとのエステル化合物が挙げられ、より具体的には、酢酸イソブチル(炭素数6)、ヘキサン酸エチル(炭素数8)、イソ酪酸イソブチル(炭素数8)、オクタン酸エチル(炭素数10)、安息香酸ヘキシル(炭素数13)、アジピン酸ジイソブチル(炭素数14)、ミリスチン酸イソプロピル(炭素数17)、及びオレイン酸エチル(炭素数20)から選ばれる1種以上が挙げられる。
(a)成分は、脂質洗浄性能、及び配合安定性の観点から、酢酸イソブチル、ヘキサン酸エチル、イソ酪酸イソブチル、オクタン酸エチル、安息香酸ヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、リモネン、1-ドデカノール、及びオレイン酸エチルから選ばれる1種以上が好ましく、酢酸イソブチル、ヘキサン酸エチル、オクタン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、及びオレイン酸エチルから選ばれる1種以上がより好ましい。
本発明の(a)成分は、脂質洗浄性能、及び配合安定性の観点から、特にδが17.0以上18.1以下のエステル化合物であって、炭素数8以上18以下の1価脂肪酸と炭素数2以上3以下のアルコールとのエステル化合物が好ましい。
<(b)成分>
(b)成分は、界面活性剤である。
界面活性剤としては、(b1)陰イオン界面活性剤(以下、(b1)成分ともいう)、(b2)陽イオン界面活性剤(以下、(b2)成分ともいう)、(b3)非イオン界面活性剤(以下、(b3)成分ともいう)、及び(b4)両性界面活性剤(以下、(b4)成分ともいう)から選ばれる1種以上が挙げられる。
本発明の洗浄剤組成物は、脂質洗浄性能の観点から、(b)成分として、(b1)陰イオン界面活性剤を含有することが好ましい。
(b1)陰イオン界面活性剤としては、炭化水素基を1つ以上と、スルホン酸基、硫酸エステル基及びカルボン酸基からなる群から選ばれる基の1つ以上とを有する陰イオン界面活性剤が挙げられる。陰イオン界面活性剤としては、アルキル又はアルケニルベンゼンスルホン酸又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩、アルキル又はアルケニル硫酸エステル又はその塩、内部オレフィンスルホン酸又はその塩、及び脂肪酸又はその塩等が挙げられる。
(b1)成分としては、脂質洗浄性能の観点から、アルキル又はアルケニル硫酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩、内部オレフィンスルホン酸又はその塩、及びアルキル又はアルケニルベンゼンスルホン酸又はその塩から選ばれる1種以上が好ましい。
陰イオン界面活性剤の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩が好ましい。
アルキル又はアルケニル硫酸エステル又はその塩のアルキル基又はアルケニル基の炭素数は、脂質洗浄性能の観点から、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、そして、好ましくは24以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下、より更に好ましくは16以下である。
ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩のアルキル基又はアルケニル基の炭素数は、脂質洗浄性能の観点から、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、そして、好ましくは24以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下、より更に好ましくは16以下である。またポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩のオキシアルキレン基は、エチレンオキシ基が好ましい。またポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩のオキシアルキレン基の平均付加モル数は、好ましくは0.5以上、より好ましくは1以上、より好ましくは2以上、そして、好ましくは5以下、より好ましくは3以下である。
内部オレフィンスルホン酸又はその塩の炭素数は、脂質洗浄性能の観点から、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは12以上、より更に好ましくは14以上、そして、好ましくは24以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下である。
アルキル又はアルケニルベンゼンスルホン酸又はその塩のアルキル基又はアルケニル基の炭素数は、脂質洗浄性能の観点から、好ましくは8以上、より好ましくは10以上、そして、好ましくは24以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下、より更に好ましくは16以下、より更に好ましくは14以下である。
(b2)陽イオン界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤が挙げられる。第4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤としては、窒素原子に結合する基のうち、1つ又は2つが炭素数6以上、好ましくは10以上、そして、16以下、好ましくは14以下の炭化水素基であり、残りが炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基及びアリールアルキル基(ベンジル基等)からなる群から選ばれる基である4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤が挙げられる。(b2)成分は、殺菌性能を有する4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤が好ましく、殺菌性能の点から、ベンジル基を有する4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤が好ましい。
(b3)非イオン界面活性剤としては、炭素数8以上18以下のアルキル基を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル、炭素数8以上18以下のアルケニル基を有するポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、炭素数8以上18以下の脂肪酸基を有するポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、炭素数8以上18以下のアルキル基を有するアルキルグリコシド、炭素数8以上18以下のアルキル基を有するアルキルポリグリコシド、炭素数8以上18以下の脂肪酸基を有するショ糖脂肪酸エステル、炭素数8以上18以下のアルキル基を有するアルキルポリグリセリルエーテル等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を用いることができる。(b3)成分は、炭素数8以上18以下のアルキル基を有しエチレンオキサイド平均付加モル数が2以上50以下であるポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
(b3)成分は、下記一般式(b3)で表される非イオン界面活性剤が好ましい。
31b-O-[(CO)(CO)]-H(b3)
〔式中、R31bは、炭素数8以上、好ましくは10以上、そして、18以下、好ましくは16以下のアルキル基又はアルケニル基である。s及びtは平均付加モル数であって、sは2以上、好ましくは3以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは7以上、そして、50以下、好ましくは30以下、より好ましくは20以下の数、tは0以上、好ましくは1以上、そして、5以下、好ましくは3以下の数であり、tは0であってもよい。(CO)と(CO)はランダム重合体又はブロック重合体であってもよい。〕
(b4)両性界面活性剤としては、ベタイン型界面活性剤及びアミンオキシド型界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤が挙げられる。(b4)成分は、具体的には、スルホベタイン、カルボベタイン及びアミンオキサイドから選ばれる1種以上の界面活性剤が挙げられる。
スルホベタインとしては、アルキル基の炭素数が好ましくは10以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは14以下のN-アルキル-N,N-ジメチル-N-スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン、アルキル基の炭素数が好ましくは10以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは14以下のN-アルキル-N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン、アルカノイル基の炭素数が好ましくは10以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは14以下のN-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチル-N-スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン、アルカノイル基の炭素数が好ましくは10以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは14以下のN-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタインが挙げられる。
カルボベタインとしては、アルキル基の炭素数が好ましくは10以上、そして、好ましくは18以下、より好ましくは14以下のN-アルキル-N,N-ジメチル-N-カルボキシメチルアンモニウムベタインや下記一般式(b41)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022097365000001
〔式中、R41bは炭素数7以上21以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、R42bはプロピレン基を示し、R43b及びR44bは、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。〕
一般式(b41)中、R41bは、炭素数が、好ましくは9以上、より好ましくは11以上、そして、好ましくは15以下、より好ましくは13以下のアルキル基又はアルケニル基であり、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基が好ましい。
一般式(b41)中、R43b及びR44bは、それぞれ独立に、好ましくはメチル基である。
アミンオキサイドとしては、下記一般式(b42)の化合物が好適である。
Figure 2022097365000002
〔式中、R45bは炭素数7以上22以下の炭化水素基、好ましくはアルキル基又はアルケニル基、より好ましくはアルキル基を示し、R46b及びR47bは、同一又は異なって、炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。Dは-NHC(=O)-基又は-C(=O)NH-基を示し、Eは炭素数1以上5以下のアルキレン基を示す。m及びpは、m=0かつp=0又はm=1かつp=1を示す。〕
上記一般式(b42)において、m=1かつp=1の場合には、R45bは、洗浄性能の観点から、好ましくは炭素数9以上18以下のアルキル基であり、より好ましくは炭素数11以上16以下のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数11以上14以下のアルキル基であり、より更に好ましくは炭素数11のアルキル基である。またm=0かつp=0の場合には、R45bは、洗浄性能の観点から、好ましくは炭素数10以上18以下のアルキル基であり、より好ましくは炭素数12以上16以下のアルキル基であり、更に好ましくは炭素数12以上14以下のアルキル基であり、より更に好ましくは炭素数12のアルキル基である。本発明ではm=0かつp=0が好ましい。R46b、R47bは、洗浄性能の観点から、好ましくは炭素数1のメチル基である。
本発明の洗浄剤組成物は、脂質洗浄性の観点から、(b)成分中、(b1)成分が含むことが好ましく、アルキル又はアルケニル硫酸エステル又はその塩、及びポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩から選ばれる1種以上を含むことがより好ましい。
<組成等>
本発明の洗浄剤組成物は、(a)成分を、脂質洗浄性能の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、そして、泡吐出性の観点から、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2.0質量%以下、より好ましくは1.8質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下、より更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.8質量%以下、より更に好ましくは0.6質量%以下含有する。
本発明の洗浄剤組成物は、(b)成分を、脂質洗浄性能の観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2.5質量%以上、より更に好ましくは3.5質量%以上、より更に好ましくは4質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは6質量%以下含有する。
なお、本発明において、(b)成分として、(b1)成分を含有する場合、(b1)成分の質量は、ナトリウムイオンが対イオンであるとして求めることとする。また、(b)成分として、(b2)成分を含有する場合、(b2)成分の質量は、クロルイオンが対イオンであるとして求めることとする。
本発明の洗浄剤組成物において、(b)成分中、(b1)陰イオン界面活性剤の含有量は、脂質洗浄性能の観点から、好ましくは25質量%以上、より好ましくは40質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下である。
(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(a)/(b)は、脂質洗浄性能の観点から、0.01以上、好ましくは0.03以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.08以上、そして、泡吐出性の観点から0.55以下、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.2以下、更に好ましくは0.15以下である。
本発明の洗浄剤組成物は、脂質洗浄性能の観点から、更に(c)成分として、グリコール系溶剤を含有することが好ましい。
グリコール系とは、水酸基を2つ有する化合物及びその水酸基の一方又は両方の水素原子が他の基で置換されたエーテル化合物の何れかに属することを意味する。エーテル化合物は、脂肪族のエーテル化合物が好ましい。また、グリコール化合物が有する水酸基の一方の水素原子が他の基で置換されたエーテル化合物が好ましい。
(c)成分は、炭素数2以上12以下のグリコール系水溶性溶剤が好ましい。水溶性とは、20℃の水100gに5g以上溶解することをいう。
(c)成分は、オクタノール/水分配係数(LogP)が3.5以下であることが好ましく、0.79以下がより好ましく、そして、-5以上が好ましく、-3以上がより好ましい。
(c)成分の総炭素数は、洗浄性能の観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、より好ましくは4以上、さらに好ましくは5以上、さらに好ましくは6以上であり、洗浄性能の観点から、好ましくは12以下、好ましくは10以下、より好ましくは8以下である。
(c)成分としては、洗浄性能の観点から、エチレングリコール(炭素数2)、プロピレングリコール(炭素数3)、ジエチレングリコール(炭素数4)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(炭素数4)、イソプレングリコール(炭素数5)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(炭素数5)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(炭素数7)、3-メチル-3-メトキシブタノール(炭素数6)、エチレングリコールモノブチルエーテル(炭素数6)、ジプロピレングリコール(炭素数6)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(炭素数8)、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(炭素数10)、ジブチレンジグリコール(炭素数8)、及びジプロピレングリコールモノブチルエーテル(炭素数10)から選ばれる1種以上が挙げられる。
(c)成分は、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等の炭素数2又は3のグリコール、それらのポリエーテル又はそれらのモノアルキルエーテルが好ましい。このモノアルキルエーテルのアルキル基としては、好ましくは炭素数1以上4以下であり、メチル基、エチル基、各種プロピル基、各種ブチル基である。各種とは、ノルマル、イソ、ターシャリーを含む。
(c)成分として、より好ましくは、洗浄性能の観点から、プロピレングリコール(炭素数3)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(炭素数4)、エチレングリコールモノブチルエーテル(炭素数6)、プロピレングリコールモノブチルエーテル(炭素数7)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(炭素数8)、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(炭素数10)、及びジプロピレングリコールモノブチルエーテル(炭素数10)から選ばれる1種以上である。(e)成分としては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル及びジエチレングリコールモノフェニルエーテルから選ばれる1種以上が更に好ましい。
本発明の洗浄剤組成物は、(c)成分を含有する場合、(c)成分を、脂質洗浄性能の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、より更に好ましくは3質量%以上、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは8質量%以下含有する。
本発明の洗浄剤組成物において、(b)成分の含有量と(c)成分の含有量との質量比(b)/(c)は、脂質洗浄性能の観点から、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.8以上、更に好ましくは1以上、そして、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは3以下、より更に好ましくは2以下、より更に好ましくは1.5以下である。
本発明の洗浄剤組成物において、(a)成分の含有量と(c)成分の含有量との質量比(a)/(c)は、脂質洗浄性能の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上、更に好ましくは0.07以上、より更に好ましくは0.1以上、そして、好ましくは0.39以下、より好ましくは0.3以下、更に好ましくは0.2以下、より更に好ましくは0.15以下である。
本発明の洗浄剤組成物は、脂質(脂質/タンパク複合)汚れの洗浄性能の観点から、更に(d)成分として、アルカノールアミンを含有することが好ましい。
(d)成分としては、特に限定されないが、アルカノール基の炭素数が2又は3であるアルキルモノ又はジアルカノールアミン又はそのアルキレンオキシド付加物(アルキレンオキシドの炭素数は2又は3である)である。具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、1-アミノ-2-プロパノール、N-メチルモノエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン及びN,N-ジメチルモノエタノールアミンから選ばれる1種以上の化合物が挙げられ、脂質(脂質/タンパク複合)汚れの洗浄性能の観点から、好ましくはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、1-アミノ-2-プロパノール、及びN-メチルモノエタノールアミンから選ばれる1種以上であり、より好ましくはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及び1-アミノ-2-プロパノールから選ばれる1種以上である。
本発明の洗浄剤組成物は、(d)成分を含有する場合、(d)成分を、脂質(脂質/タンパク複合)汚れの洗浄性能の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.3質量%以上、そして、好ましくは1.9質量%以下、より好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、より更に好ましくは0.8質量%以下含有する。
本発明の洗浄剤組成物は、石鹸カス汚れに対する洗浄性能の観点から、更に(e)成分として、アミノカルボン酸型金属封鎖剤を含有することが好ましい。
(e)成分としては、特に限定されないが、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、イミノ二酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N-ヒドロキシエチル-エチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、ヒドロキシエチレンイミノ二酢酸(HIDA)、アスパラギン酸二酢酸(ASDA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。(e)成分は、石鹸カス汚れに対する洗浄性能の観点から、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、メチルグリシン二酢酸、及びこれらの塩から選ばれる1種以上が好ましく、エチレンジアミン4酢酸又はその塩がより好ましい。
(e)成分の塩は、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などが挙げられる。好ましくはアルカリ金属塩であり、より好ましくはナトリウム塩又はカリウム塩である。
本発明の洗浄剤組成物は、(e)成分を含有する場合、石鹸カス汚れに対する洗浄性能の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは1.5質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下含有する。
なお本発明において、(e)成分の質量は、すべてナトリウム塩であるとして求めることとする。
本発明の洗浄剤組成物には、製品の付加価値を増大させるために、香料、色素、防腐剤、酸化防止剤、消泡剤、安定化剤等を任意に配合することができる(但し、前記(a)~(e)成分を除く)。
本発明の洗浄剤組成物は、水を含有する。すなわち、前記(a)~(e)成分及び任意成分以外の残部が水である。本発明の洗浄剤組成物は、水を、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上、そして、好ましくは99質量%以下、より好ましくは95質量%以下含有する。水は、イオン交換水、滅菌イオン交換水等を使用することが好ましい。
本発明の洗浄剤組成物は、25℃におけるpHが、脂質汚れの洗浄性能の観点から、9を超え、好ましくは10以上、より好ましくは10.5以上、そして、12未満、好ましくは11.5以下、より好ましくは11以下である。
本発明の洗浄剤組成物は、硬質表面用として好適に用いることができる。硬質表面としては、浴室、浴槽、洗面器、タイル、化粧室、洗面台、鏡、台所まわりのシンク、カウンタートップ、水道まわり等が挙げられる。本発明の洗浄剤組成物は硬質表面の洗浄に好適に用いられ、特に浴室用として好適に用いられる。ここで、浴室用とは、浴室のみならず、浴槽、洗面器など、浴室内に存在する他の硬質表面を有する物品をも対象とするものである。
本発明の洗浄剤組成物は、水に対する接触角が30°以上、好ましくは40°以上、そして、120°以下、好ましくは110°以下の硬質表面の材質に好適に用いることができる。水に対する接触角が前記範囲の硬質表面の材質としては、特に限定はされないが、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、繊維強化プラスチック(FRP)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合(ABS)合成樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ステンレス鋼(SUS)、アルミ、硬質塩化ビニル(硬質PVC)樹脂、軟質塩化ビニル(軟質PVC)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂及びアルミから選ばれる1種以上が挙げられる。
[脂質汚れの洗浄方法]
本発明は、本発明の洗浄剤組成物を、脂質汚れが付着した硬質表面に接触させる、脂質汚れの洗浄方法(以下、本発明の洗浄方法ともいう)を提供する。
本発明の洗浄方法は、本発明の洗浄剤組成物で記載した事項を適宜適用することができる。
本発明では(a)成分と(b)成分と任意成分とを含む濃厚組成物を調製しておき、該濃厚組成物を水で希釈して本発明の洗浄剤組成物を調製し、硬質表面に接触させてもよい。すなわち、本発明の(a)成分と(b)成分と任意成分とを含有する濃厚組成物を水で希釈して本発明の洗浄剤組成物に調製し、該洗浄剤組成物を希釈せずに硬質表面に接触させる、洗浄方法であってもよい。
また、本発明の洗浄方法は、本発明の洗浄剤組成物を、脂質汚れが付着した硬質表面に接触させた後、機械力などの外力をかけず(付与せず)に放置する洗浄方法が挙げられる。本発明では、脂質汚れを分散・分解するため、スポンジ等の可撓性材料や手指等を用いることなく接触させ、機械力などの外力をかけずにそのまま放置しても高い洗浄効果が得られる。これにより、手や道具の届かない部位や届きにくい細部の洗浄に好適である。
機械力などの外力をかけずに放置するとは、例えば、組成物の接触以外に、洗浄のための意図的な操作を行わないことである。例えば、接触させた組成物が硬質表面を自然に流下することや、洗浄を意図しない振動が硬質表面に伝わることなどは、外力をかけずに放置すると理解できる。
放置した後は、通常、水ですすぐ。すすぐ際は、手などで外力(物理的力)を掛けてもよく、単に水流ですすいでもよい。
本発明の洗浄方法では、本発明の洗浄剤組成物を、対象物である硬質表面の面積100cmに対して、脂質汚れや石鹸カスの洗浄性能の観点から、好ましくは0.5g以上、より好ましくは1g以上、更に好ましくは3g以上、そして、好ましくは20g以下、より好ましくは10g以下、更に好ましくは5g以下の割合で接触させる、更に、塗布又は噴霧することが好ましい。
本発明の洗浄方法では、脂質汚れや石鹸カスの洗浄性能の観点から、本発明の洗浄剤組成物を硬質表面に接触後、好ましくは1秒以上、より好ましくは10秒以上、更に好ましくは20秒以上、より更に好ましくは30秒以上、そして、好ましくは10分以下、より好ましくは5分以下、更に好ましくは3分以下、より更に好ましくは2分以下、より更に好ましくは1分以下、放置する。この場合、最初に前記組成物が硬質表面に接触した時点を放置の開始としてよい。
なお、放置する際の温度は、室温でよく、例えば、10℃以上30℃以下が挙げられる。
本発明の洗浄方法では、本発明の洗浄剤組成物を、噴霧又は塗布して、脂質汚れが付着した硬質表面に接触させてもよい。
本発明の洗浄剤組成物を、脂質汚れが付着した硬質表面に接触させる方法は、噴霧又は塗布が好ましく、液滴状にして噴霧する又は泡状にして塗布する方法が挙げられる。具体的には、スプレー手段を用いることができる。すなわち本発明の洗浄剤組成物を、スプレイヤーを具備する容器に充填してなる洗浄剤物品を用いるのが好ましい。本発明は、本発明の洗浄剤組成物を、スプレイヤーを具備する容器に充填してなる、スプレー容器入り洗浄剤物品を提供する。
本発明のスプレー容器入り洗浄剤物品において、本発明の洗浄剤組成物を充填するスプレイヤーを具備する容器は、トリガー式スプレー容器、ポンプ式スプレー容器等の噴射剤を使用しない手動式スプレー装置、噴射剤を用いるエアゾール等が挙げられる。前記スプレイヤーを具備する容器は、内容物を液滴状又は泡状にして噴霧又は塗布することができるトリガー式スプレーが好ましく、内容物を液滴状に噴霧する機構を備えたトリガー式スプレー又は泡を形成する機構(泡形成機構)を備えたトリガー式スプレーがより好ましい。
本発明のスプレー容器入り洗浄剤物品において、液滴状に本発明の洗浄剤組成物を噴霧する機構を備えたトリガー式スプレーを用いる場合、前記組成物を入れるスプレー容器の噴射ノズルの噴口径は、スプレーのし易さや、噴射された液滴が荒くなく、直線状にスプレーされず、スプレーできる面積が極端に狭くならないために、好ましくは0.1mm以上、より好ましくは0.3mm以上、そして、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下の範囲である。
液滴状に噴霧する機構を備えたトリガー式スプレーを用いる場合、本発明のスプレー容器入り洗浄剤物品は、1回の操作で、好ましくは0.1mL以上、より好ましくは0.3mL以上、そして、好ましくは5mL以下、より好ましくは2mL以下の組成物を噴霧する。
泡形成機構を備えたトリガー式スプレーを用いる場合、本発明のスプレー容器入り洗浄剤物品は、1回の操作で、好ましくは0.5mL以上、より好ましくは1mL以上、そして、好ましくは30mL以下、より好ましくは15mL以下、更に好ましくは5mL以下の組成物を噴霧する。
本発明の洗浄方法は、硬質物品の硬質表面、更に浴室、浴槽、洗面器、タイル、化粧室、洗面台、鏡、台所まわりのシンク、カウンタートップ、水道まわり等の硬質表面、特に浴室の硬質表面の洗浄方法として好ましい。
本発明の洗浄方法の対象とする硬質表面の材質は、水に対する接触角が30°以上、好ましくは40°以上、そして、120°以下、好ましくは110°以下の硬質表面の材質が好適である。水に対する接触角が前記範囲の硬質表面の材質としては、特に限定はされないが、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、繊維強化プラスチック(FRP)樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合(ABS)合成樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ステンレス鋼(SUS)、アルミ、硬質塩化ビニル(硬質PVC)樹脂、軟質塩化ビニル(軟質PVC)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂及びアルミから選ばれる1種以上が挙げられる。
下記配合成分を用いて、表1~3に示す洗浄剤組成物を調製し、以下の項目について評価を行った。結果を表1~3に示す。表1~3の洗浄剤組成物は、(a)~(e)成分を表中の配合量で添加し、室温(25℃)で溶解させた。配合後、水酸化ナトリウム及び/又は塩酸を用いてpHを表1、2になるように調整した。なお、pHはガラス電極法で測定した。また表1~3中の配合成分の質量%は、全て有効分に基づく数値である。
<配合成分>
(a)成分
・オクタン酸エチル:炭素数10、δ17.3、東京化成工業(株)製
・オクタン:炭素数8、δ15.6、富士フィルム和光純薬(株)製
・イソ酪酸イソブチル:炭素数8、δ16.9、東京化成工業(株)製
・ミリスチン酸イソプロピル:炭素数17、δ17.0、東京化成工業(株)製
・リモネン:炭素数10、δ17.4、富士フィルム和光純薬(株)製
・ヘキサン酸エチル:炭素数6、δ17.5、東京化成工業(株)製
・酢酸イソブチル、炭素数6、δ17.7、東京化成工業(株)製
・オレイン酸エチル:炭素数20、δ18.1、東京化成工業(株)製
・アジピン酸ジイソブチル:炭素数16、δ18.2、東京化成工業(株)製
・安息香酸ヘキシル:炭素数13、δ18.9、富士フイルム和光純薬(株)製
・1-ドデカノール:炭素数:12、δ19.2、花王(株)製
(a’)成分((a)成分の比較成分)
・ペンタン:炭素数5、δ14.8、富士フィルム和光純薬(株)製
・1-デカノール:炭素数10、δ19.6、東京化成工業(株)製
(b)成分
・エマール2F-HP:ラウリル硫酸ナトリウム、(b1)成分、花王(株)製
・アンヒトール20AB:ラウリン酸アミドプロピルベタイン、(b4)成分、花王(株)製
・エマルゲン109P:ポリオキシエチレンラウリルエーテル、(b3)成分、花王(株)製
・エマール227:ポリオキシエチレン(2)ラウリルエ一テル硫酸ナトリウム、(b1)成分、花王(株)製
・1-オクタンスルホン酸Na:1-オクタンスルホン酸ナトリウム、(b1)成分、富士フイルム和光純薬(株)製
(c)成分
・BDG:ジエチレングリコールモノブチルエーテル、日本乳化剤(株)製
・MFG:プロピレングリコールモノメチルエーテル、日本乳化剤(株)製
・BFG:プロピレングリコールモノブチルエーテル、日本乳化剤(株)製
・PhDG:ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、日本乳化剤(株)製
(d)成分
・モノエタノールアミン
(e)成分
・EDTA:エチレンジアミン四酢酸ナトリウム
・GLDA:グルタミン酸二酢酸
<モデル脂質汚れ洗浄性能評価1>
浴室の浴槽に付着する脂質汚れの組成をもとに調製したモデル脂質汚れをクロロホルムに溶解させ、10質量%モデル脂質汚れ溶液を調製した。この溶液にポリプロピレン製プレート(サイズ7cm×2cm)を10秒間浸漬することにより、モデル脂質汚れを前記プレートに製膜した後、1晩自然乾燥させて4桁天秤で精秤した(汚れ付着量約40mg)。なお、モデル脂質汚れの組成は、リノール酸40質量%、オレイン酸20質量%、パルミチン酸20質量%、コレステロール10質量%及び流動パラフィン10質量%である。100mLビーカーに表1~2の洗浄剤組成物を100mL入れ、モデル脂質が付着したプレートを25℃で5秒間浸漬後、基板の両面をそれぞれ5秒間水洗し、洗浄前後の重量変化より洗浄率を下記式より算出し、下記基準で評価した。結果を表1、2に示す。
Figure 2022097365000003
◎:洗浄率が70%以上
○:洗浄率が50%以上~70%未満
△:洗浄率が40%以上~50%未満
×:洗浄率が40%未満
<モデル脂質汚れ洗浄性能評価2>
表3の洗浄剤組成物を、トリガー式スプレー容器(バスマジックリン泡立ちスプレー、花王(株)製)に充填した。洗浄性能評価1に記載の10質量%モデル脂質汚れ溶液をポリプロピレン製プレート(サイズ7cm×2cm)の片面に塗布し、1晩自然乾燥させて4桁天秤で精秤した(汚れ付着量約20mg)。
その後、ポリプロピレン製プレートを垂直に立てかけ、充填したトリガー式スプレー容器で、狭泡モードで1回スプレーした。スプレーはプレートとスプレーのノズルとの距離が10cmになるように調整し、プレートに対して垂直にスプレーした。
スプレー後基板の両面をそれぞれ5秒間水洗し、乾燥後、洗浄前後の重量変化より洗浄率を下記式より算出し、下記基準で評価した。
Figure 2022097365000004
◎:洗浄率が70%以上
○:洗浄率が50%以上~70%未満
△:洗浄率が40%以上~50%未満
×:洗浄率が40%未満
<泡比容の評価>
表1~3の洗浄剤組成物を、トリガー式スプレー容器(バスマジックリン泡立ちスプレー、花王(株)製)に充填し、前記容器の狭泡モードで200mLメスシリンダー(内径40mm)内に10回スプレーした。スプレー後の200mLメスシリンダー質量を、天秤を用いて測定し、スプレー前のメスシリンダーの質量との差を、泡重量(g)とした(a)。またスプレー直後のメスシリンダー内の泡の容量(mL)を目視で読み取った(b)。以下の式で泡比容を算出し、下記基準で評価した。泡比容が大きいほど、泡立ちに優れていることを示す。
泡比容(mL/g)=(b)/(a)
合 格:泡比容が11mL/g以上
使用可:泡比容が10mL/g以上11mL/g未満
不合格:泡比容が10mL/g未満
<配合安定性評価>
表1~3の洗浄剤組成物を調製し、室温(25℃)にて1日静置後に目視で外観を観察
し、下記基準で評価した。
A:均一透明であり、成分の分離・分層、及び濁りが見られない
B:わずかに濁っているが分層せず均一液体
C:明らかに濁っている、又は分層が見られる
Figure 2022097365000005
Figure 2022097365000006
Figure 2022097365000007
<配合例>
表4~5に、前記に記載の配合成分を用いた本発明の洗浄剤組成物の配合例を示す。これらの洗浄剤組成物は、硬質表面に付着した脂質汚れの洗浄性能に優れ、スプレー吐出時の泡立ち性と配合安定性が良好である。
Figure 2022097365000008
Figure 2022097365000009

Claims (13)

  1. (a)溶解度パラメーターδが15.0以上19.5以下の化合物[以下(a)成分という]、界面活性剤[以下(b)成分という]、及び水を含有し、(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(a)/(b)が0.01以上0.55以下であり、25℃におけるpHが9を超え12未満である、洗浄剤組成物。
  2. (a)成分がカルボン酸とアルコールとのエステル化合物である、請求項1に記載の洗浄剤組成物。
  3. (b)成分として、(b1)陰イオン界面活性剤(以下、(b1)成分という)を含有する、請求項1又は2に記載の洗浄剤組成物。
  4. (b)成分中、(b1)成分の含有量が、25質量%以上100質量%以下である、請求項3に記載の洗浄剤組成物。
  5. 更に(c)成分として、グリコール系溶剤を含有する、請求項1~4の何れか1項に記載の洗浄剤組成物。
  6. (b)成分の含有量と(c)成分の含有量との質量比(b)/(c)が0.5以上10以下である、請求項5に記載の洗浄剤組成物。
  7. (a)成分の含有量と(c)成分の含有量との質量比(a)/(c)は、0.01以上0.39以下である、請求項5又は6に記載の洗浄剤組成物。
  8. 更に(d)成分として、アルカノールアミンを含有する、請求項1~7の何れか1項に記載の洗浄剤組成物。
  9. 更に(e)成分として、アミノカルボン酸型金属封鎖剤を含有する、請求項1~8の何れか1項に記載の洗浄剤組成物。
  10. 硬質表面用である、請求項1~9の何れか1項に記載の洗浄剤組成物。
  11. 浴室用である、請求項1~10の何れか1項に記載の洗浄剤組成物。
  12. 請求項1~11の何れか1項に記載の洗浄剤組成物を、泡形成機構を備えたトリガー式スプレーにより、脂質汚れが付着した硬質表面に噴霧し、放置後水で濯ぐ、脂質汚れの洗浄方法。
  13. 前記洗浄剤組成物を洗浄対象物に噴霧した後、機械力をかけずに水で濯ぐ、請求項12に記載の洗浄方法。
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