JP2022095174A - 紙葉類処理装置 - Google Patents
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Abstract
Description
紙葉類処理装置は、識別計数装置と、該識別計数装置に連結された集積結束装置とを主に備えている。識別計数装置は、取込部に集積状態でセットされた紙葉類を、取込部によって装置内に一枚ずつ取り込むと共に、取り込んだ紙葉類を識別部によって識別する処理を行う。集積結束装置は、識別部によって識別された紙葉類を、識別結果に応じて集積収納部に集積させて収納する共に、集積収納部に収納された集積紙葉類を結束部によって結束することで、小束を作製する処理を行う。
本実施形態では、紙葉類として日本国の紙幣(千円券、二千円券、五千円券、一万円券)を例に挙げて説明する。ただし、この場合に限定されるものではなく、例えばユーロ紙幣、ドル紙幣等のように外国の紙幣であっても構わない。
以下、識別計数装置2及び集積結束装置3について、詳細に説明する。
識別計数装置について、以下に詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、識別計数装置2は、操作者によって機外(外部)から投入された紙幣Sに対して所定の分類処理を行う。具体的には、識別計数装置2は、機外から投入された紙幣Sを識別すると共に、金種別に計数しながら金種別に分類する分類処理や、設定された金種以外の紙幣Sをリジェクトするリジェクト処理や、設定された金種の紙幣Sの表裏を識別する表裏識別処理等を行う。なお、識別計数装置2は、ベース機とも称される。
投入部11及びリジェクト部12は、装置ケース10の右側面10aから前面10bに亘って連続して開口するようにそれぞれ形成されている。なお、リジェクト部12は、投入部11の上方に配置されている。
これら識別搬送部20、識別部30及び機外向搬送部40は、装置ケース10内に設けられている。
制御部51は、例えばCPU等が搭載されたマイクロコンピュータで構成され、フラッシュメモリ等の記憶部51aを備えている。制御部51は、識別計数装置2だけを制御するのではなく、集積結束装置3を含めた紙幣処理装置1の全体を総合的に制御する。記憶部51aには、例えば紙幣処理装置1に各種の演算処理を実行させるためのプログラム或いはテーブル等が予め格納されていると共に、識別の基準となるマスタデータや識別計数結果のデータ等を記憶することが可能とされている。
具体的には、図1に示すように、紙幣Sの長辺、即ち横幅方向を装置の前後方向L3に沿わせ、且つ紙幣Sの短辺、即ち縦幅方向を装置の左右方向L1に沿わせた向きで投入部11の底面11a上にセットされる。
第1の表裏パターンとしては、図3に示すように、特定の肖像Mが明示されている面が上方を向き、且つ肖像Mの向きが装置の左側LHを向いたパターンである。本実施形態では、本パターンを第1表姿勢N1の紙幣Sと称する。
第2の表裏パターンとしては、図4に示すように、特定の肖像Mが明示されている面が下方を向き、且つ肖像Mの向きが装置の右側RHを向いたパターンである。本実施形態では、本パターンを第1裏姿勢N2の紙幣Sと称する。
第4の表裏パターンとしては、図6に示すように、特定の肖像Mが明示されている面が下方を向き、且つ肖像Mの向きが装置の左側LHを向いたパターンである。本実施形態では、本パターンを第2裏姿勢N4の紙幣Sと称する。
識別部30は、例えば金種等の種類の識別や、紙幣Sの表裏パターンが先に述べた4つ表裏パターン(第1表姿勢N1、第1裏姿勢N2、第2表姿勢N3、第2裏姿勢N4)の何れかであることを識別する。
なお識別部30は、紙幣Sの識別情報(識別結果)を制御部51に出力する。
更に、制御部51は、識別部30から出力された識別情報に基づいて、投入部11から搬送された紙幣Sを受入不可と判断した場合には、搬送された紙幣Sをリジェクト対象の紙幣Sと判断し、搬送された紙幣Sを第2識別搬送部22からリジェクト搬送部41を介してリジェクト部12に搬送させる。
更に、制御部51は、識別部30から出力された識別情報に基づいて、投入部11から搬送された紙幣Sを受入可と判断しても、搬送された紙幣Sが予め設定された金種以外の金種の紙幣Sである場合、例えば予め設定された一万円券とは異なる千円券である場合には、搬送された紙幣Sをリジェクト対象の紙幣Sと判断し、搬送された紙幣Sを第2識別搬送部22からリジェクト搬送部41を介してリジェクト部12に搬送させる。
リジェクト部12は、床面に対して僅かに左下がりに傾斜した底面12aと、底面12aの左端部から上方に向けて延びた壁面12bと、底面12a及び壁面12bに対して一体的に連設され、前後方向L3に向かい合う一対の側面12cとを有している。
次いで、集積結束装置3について、以下に詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、集積結束装置3は、上述した識別計数装置2の左側LHに配置され、概略直方体状の装置ケース60を具備している。集積結束装置3の装置ケース60と、識別計数装置2の装置ケース10とは、例えばねじ結合、ピン結合等、公知の方法で一体的に組み合わされている。
ただし、別体の装置ケース10、60をそれぞれ具備する場合に限定されるものではない。例えば、紙幣処理装置1は、共通の装置ケースを1つ具備し、この共通の装置ケース内に識別計数装置2及び集積結束装置3を配置しても構わない。
連結搬送部70は、装置ケース60内における上面側に配置されると共に、左右方向L1に沿って直線状に延びるように配置され、上流側である右端部から下流側である左端部に向けて紙幣Sを搬送する。連結搬送部70の右端部は、識別計数装置2の機外向搬送部40に繋がっている。これに対して、連結搬送部70の左端部は、装置ケース60の左側面に開口しており、例えば、集積結束装置3の装置ケース60の左側面に設置された紙幣Sが収納可能な退避ポケット部に紙幣Sを搬送する等、多目的に利用できるオプション出口71として利用可能とされている。
図2及び図7に示すように、表裏反転部80は、連結搬送部70に連結して2つ設けられている。
具体的には、表裏反転部80は、左右方向L1に隣り合うように並設されると共に、装置ケース60内において同等の高さ位置となるように設けられている。そのため、2つの表裏反転部80は、連結搬送部70によって搬送される紙幣Sの搬送方向に沿って隣り合うように配置されている。
本実施形態では、2つの表裏反転部80のうち、識別計数装置2寄りに位置する右側RHの表裏反転部80を第1の表裏反転部81と称し、左側LHに位置する表裏反転部80を第2の表裏反転部82と称する。
第1の表裏反転部81は、連結搬送部70に対して交差するように設けられると共に、連結搬送部70に連結される分岐搬送部90と、識別部30によって検出された識別情報に基づいて紙幣Sを偶数回表裏反転させ、表裏反転させる前と同じ表裏の向きで紙幣Sを排出する非反転部91と、識別部30によって検出された識別情報に基づいて紙幣Sを奇数回表裏反転させ、表裏反転させる前と異なる表裏の向きで紙幣Sを排出する反転部92とを備えている。
分岐搬送部90の上端部と連結搬送部70との接続部分には、連結搬送部70から搬送されてきた紙幣Sのうち、2つの表裏パターンの紙幣Sを分岐搬送部90に振り分け、残りの2つの表裏パターンを分岐搬送部90の下流側に位置する第2の表裏反転部82側に流す分岐振分部93が設けられている。
なお、分岐振分部93は制御部51によって作動が制御される。また、制御部51は識別情報に基づいて分岐振分部93を制御する。
具体的には、非反転部91は、分岐搬送部90における上端部と下端部との間に位置する部分に接続され、連結搬送部70の上流側に向けて左右方向L1に沿って延びる第1非反転部91aと、第1非反転部91aの右端部側に接続されると共に上下方向L2に沿って下方に向けて延びる第2非反転部91bと、第2非反転部91bの下端部側に接続されると共に、連結搬送部70の下流側に向けて左右方向L1に沿って延びる第3非反転部91cとを備えている。これにより、非反転部91の全体は、連結搬送部70の上流側に向かって膨らんだU字状に形成されている。
これにより、非反転部91は、紙幣Sを合計2回(偶数回)表裏反転させて、連結搬送部70によって搬送されていた際の紙幣Sと同じ表裏の向きで、第3非反転部91cの左端部側から紙幣Sを排出することができる。
具体的には、反転部92は、分岐搬送部90における下端部に接続され、連結搬送部70の下流側に向けて左右方向L1に沿って延びる第1反転部92aと、第1反転部92aの左端部側に接続されると共に上下方向L2に沿って下方に向けて延びる第2反転部92bと、第2反転部92bの下端部側に接続されると共に、連結搬送部70の上流側に向けて左右方向L1に沿って延びる第3反転部92cとを備えている。これにより、反転部92の全体は、連結搬送部70の下流側に向かって膨らんだU字状に形成されている。
これにより、反転部92は、紙幣Sを合計1度(奇数回)表裏反転させて、連結搬送部70によって搬送されていた際の紙幣Sと異なる表裏の向きで、第3反転部92cの右端部側から紙幣Sを排出することができる。
ただし、この場合に限定されるものではなく、分岐搬送部90と反転部92との接続位置の方が、分岐搬送部90と非反転部91の接続位置よりも上方に位置するように構成しても構わない。
ゲート部94は、分岐搬送部90によって搬送されてくる紙幣Sのうち、第1表姿勢N1の紙幣Sを非反転部91に搬送し、残りの第1裏姿勢N2の紙幣Sを反転部92に搬送するように搬送経路の切換えを行って振り分けを行う。なお、ゲート部94は制御部51によって作動が制御される。また、制御部51は識別情報に基づいてゲート部94を制御する。
そのため、第1の表裏反転部81は、非反転部91及び反転部92から排出される紙幣Sの表裏の向きを、第1表姿勢N1に統一することが可能とされている。
第2の表裏反転部82は、上述した第1の表裏反転部81の左側LHに配置され、第1の表裏反転部81と同一構成とされている。従って、第2の表裏反転部82については、詳細な説明を省略し、第1の表裏反転部81とは異なる点について主に説明する。
なお、第2の表裏反転部82のうち、第1の表裏反転部81を構成する各構成部品と同一の部品については、同一の符号を付している。
なお分岐振分部93は、第2表姿勢N3の紙幣S及び第2裏姿勢N4の紙幣S以外の紙幣Sが連結搬送部70によって搬送されてきた場合には、これらの紙幣Sを通過させ、連結搬送部70の下流側である左端部側に向けて流すように作動する。これにより、第2表姿勢N3の紙幣S及び第2裏姿勢N4の紙幣S以外の紙幣Sが、第2の表裏反転部82まで仮に搬送されてきた場合であっても、これらの紙幣Sをオプション出口71から機外又は退避ポケット部等に排出することができる。
そのため、第2の表裏反転部82は、非反転部91及び反転部92から排出される紙幣Sの表裏の向きを、第2表姿勢N3に統一することが可能とされている。
これら第1集積収納部100、第2集積収納部101、結束部102及び集積搬送部103は、第1の表裏反転部81及び第2の表裏反転部82の下方に位置するように装置ケース60内に設けられている。
第1集積収納部100は、第1の表裏反転部81における分岐搬送部90の下方であって、且つ第3非反転部91cの左端部と第3反転部92cの右端部との間に位置するように配置されている。これにより、第1集積収納部100内には、非反転部91によって2回の表裏反転を行った後に、第3非反転部91cから排出される第1表姿勢N1の紙幣Sが1枚ずつ投入されると共に、反転部92によって1回の表裏反転を行った後に、第3反転部92cから排出される第1表姿勢N1の紙幣Sが1枚ずつ投入される。
特に、第1集積収納部100内に、所定枚数の紙幣Sを、紙幣Sの横幅方向及び縦幅方向に整列させた状態で集積することができる。この際、先に述べたように、紙幣Sの横幅方向を装置の前後方向L3に一致させ、紙幣Sの縦幅方向を装置の左右方向L1に一致させた状態で、紙幣Sを集積することができる。
なお、前壁部111及び後壁部112は、制御部51からの指示を受けて作動するステッピングモータ等の前後駆動モータ115の駆動によって前後方向L3にそれぞれ移動する。
なお、右壁部113及び左壁部114は、制御部51からの指示を受けて作動するステッピングモータ等の左右駆動モータ116の駆動によって左右方向L1にそれぞれ移動する。
そのため、サイズの異なる様々な紙幣Sを第1集積収納部100内に集積しながら収納することができる。なお、小さなサイズの紙幣Sであっても、大きなサイズの紙幣Sであっても、紙幣Sと各壁部との間の隙間を一定にすることが可能であり、様々なサイズの紙幣Sをばらつかせることなく、安定に集積させながら収納することができる。
整列部は、集積ベース部110上に集積される紙幣Sを横幅方向に整列させる幅方向整列部120と、集積ベース部110上に集積される紙幣Sを搬送方向に整列させる搬送方向整列部125とを備えている。
幅方向整列板121は、非反転部91及び反転部92から排出された紙幣Sが集積ベース部110上に集積されるまでに通過する紙幣Sの進入領域よりも前後方向L3に離間した退避位置P1と、集積ベース部110上に集積される紙幣Sの横幅方向の一端縁と接触する整列位置P2との間を移動可能とされている。
搬送方向整列板126は、非反転部91及び反転部92から排出された紙幣Sが集積ベース部110上に集積されるまでに通過する紙幣Sの進入領域よりも左右方向L1に離間した退避位置P1と、集積ベース部110上に集積される紙幣Sの縦幅方向の一端縁と接触する整列位置P2との間を移動可能とされている。
更に制御部51は、第1集積収納部100内に紙幣Sが収納される毎、或いは所定枚数収納される毎に、搬送方向整列板126を退避位置P1から整列位置P2に移動させることで、集積ベース部110上に集積された紙幣Sを縦幅方向の一方側から叩打させる。これにより、紙幣Sを集積ベース部110上で縦幅方向に整列させることが可能とされている。
図2に示すように、第2集積収納部101は、集積搬送部103を挟んで上述した第1集積収納部100の左側LHに配置され、第1集積収納部100と同一構成とされている。従って、第2集積収納部101については、詳細な説明を省略する。
図2に示すように、集積搬送部103は、上述のように構成された第1集積収納部100と第2集積収納部101との間に配置されている。これにより、第1集積収納部100、第2集積収納部101及び集積搬送部103は、左右方向L1に並ぶように配置されている。
集積搬送部103は、第1集積収納部100と第2集積収納部101との間を左右方向L1に沿って往復移動可能に配置された第1集積搬送部130と、第1集積収納部100と第2集積収納部101との間において上下方向L2に移動可能に配置された第2集積搬送部140とを備えている。集積搬送部103は、これら第1集積搬送部130と第2集積搬送部140とを協働させて、第1集積収納部100に収納された紙幣Sについての結束部102への搬送と、第2集積収納部101に収納された紙幣Sについての結束部102への搬送とを各別に行う。
第1集積搬送部130は、例えば集積された紙幣Sを上下方向L2に挟持可能な第1チャック部材131を有している。
第1チャック部材131は、集積された紙幣Sの上方に位置する第1チャック部131aと、集積された紙幣Sの下方に位置する第2チャック部131bとを備えている。第1チャック部131a及び第2チャック部131bは、上下方向L2に相対的に接近離間可能とされ、集積された紙幣Sの姿勢を維持したまま上下方向L2に挟持することが可能とされている。
更に、第1チャック部材131は、第2集積収納部101に向けて移動して、第2集積収納部101に収納されている集積状態の紙幣Sを取り出すと共に、右側RHに移動した後、取り出した集積状態の紙幣Sを第2集積搬送部140における後述する第2チャック部材141に受け渡すことが可能とされている。
第2集積搬送部140は、第1集積搬送部130と同様に、例えば集積された紙幣Sを上下方向L2に挟持可能な第2チャック部材141を有している。
第2チャック部材141は、集積された紙幣Sの上方に位置する第1チャック部141aと、集積された紙幣Sの下方に位置する第2チャック部141bとを備えている。第1チャック部141a及び第2チャック部141bは、上下方向L2に相対的に接近離間可能とされ、集積された紙幣Sの姿勢を維持したまま上下方向L2に挟持することが可能とされている。
図2に示すように、結束部102は、集積された紙幣Sを結束するための結束テープ(本発明に係る結束帯)160を供給するテープ供給部(本発明に係る帯供給部)161と、第2集積搬送部140の第2チャック部材141によって搬送された集積状態の紙幣Sがセットされる結束位置P3を内部に有し、テープ供給部161から供給された結束テープ160をガイドして、結束位置P3にセットされた集積状態の紙幣Sに結束テープ160を巻回させるテープガイド部(本発明に係る帯ガイド部)162と、テープ接合部163と、テープ切断部164とを備えている。
フィードモータ及び巻戻しモータは、制御部51によって作動が制御されている。
テープガイド部162は、結束位置P3を囲むように配置されると共に、第2集積搬送部140における第2チャック部材141の通過を許容する紙幣導入部(本発明に係る紙葉類導入部)181が形成されたガイドリング180と、紙幣導入部181を開放可能に閉塞するガイドゲート182とを備えている。
ガイドリング180は、テープ導入路172の右側RHにテープ受入口180aが位置するように配置され、テープ導入路172から排出された結束テープ160を連続してガイドリング180の内面側に供給することが可能とされている。
テープ押さえ部材165には、テープ導入路172から排出された結束テープ160が通過する通過孔165aが形成されている。また、テープ押さえ部材165は、上下方向L2に移動可能とされ、第2集積搬送部140における第2チャック部材141が結束位置P3に紙幣Sをセットしたときに、第2チャック部141bに対して下方から接近可能とされている。
テープ切断部164は、上下方向L2に移動可能とされ、テープ接合部163による熱接着後、テープ押さえ部材165の近傍で結束テープ160を切断する。
図示の例では、ガイドゲート182は、左右方向L1に沿って配置された位置が閉塞位置P5とされ、紙幣導入部181を閉塞する。そして、閉塞位置P5から下方に向けてガイドゲート軸183回りに略90度回転した位置が開放位置P4とされ、紙幣導入部181を開放する。
ガイドゲート駆動モータは、例えばステッピングモータ等とされ、制御部51からの信号に基づいてガイドゲートギアを正逆回転させることで、ガイドゲート182をガイドゲート軸183回りに回転させて、開放位置P4或いは閉塞位置P5に位置させることが可能とされている。
ただし、小束排出部190は、引き出し式に限定されるものではなく、開口部で設けられても構わない。これにより、結束部102によって作製された小束を、小束排出部190を通じて装置外に排出することが可能とされている。
次に、上述のように構成された紙幣処理装置1を利用して紙幣Sの処理を行って、例えば一万円券の紙幣Sの小束を作製する場合について説明する。
これらの初期設定を行った後、図1及び図2に示すように、操作者は識別計数装置2における投入部11に一万円券の紙幣Sを集積させた状態で投入する。なお、この投入時においては、紙幣Sの表裏の向きは4つの表裏パターン(第1表姿勢N1、第1裏姿勢N2、第2表姿勢N3、第2裏姿勢N4)が混在している。
この間、識別部30は、搬送された紙幣Sの計数を行うと共に、紙幣Sの金種の識別、表裏パターン等の識別を行い、紙幣Sの識別情報を制御部51に出力する。
更に、制御部51は、識別部30から出力された識別情報に基づいて、搬送された紙幣Sを受入不可と判断した場合には、搬送された紙幣Sをリジェクト対象の紙幣Sと判断し、搬送された紙幣Sを第2識別搬送部22からリジェクト搬送部41を介してリジェクト部12に搬送させる。
更に、制御部51は、識別部30から出力された識別情報に基づいて、搬送された紙幣Sを受入可と判断しても、搬送された紙幣Sが予め設定された金種以外の金種の紙幣Sである場合には、例えば搬送された紙幣Sが一万円券とは異なる千円券等である場合には、搬送された紙幣Sをリジェクト対象の紙幣Sと判断し、搬送された紙幣Sを第2識別搬送部22からリジェクト搬送部41を介してリジェクト部12に搬送させる。
これにより、第1表姿勢N1の紙幣Sについては、非反転部91による2回の表裏反転によって第1表姿勢N1を維持したまま非反転部91から排出させることができ、第1裏姿勢N2の紙幣Sについては、反転部92による1回の表裏反転によって第1表姿勢N1に表裏の向きを変更した状態で反転部92から排出させることができる。
これにより、第2表姿勢N3の紙幣Sについては、非反転部91による2回の表裏反転によって第2表姿勢N3を維持したまま非反転部91から排出させることができ、第2裏姿勢N4の紙幣Sについては、反転部92による1回の表裏反転によって第2表姿勢N3に表裏の向きを変更した状態で反転部92から排出させることができる。
具体的には、制御部51は、識別部30の識別情報に基づいて、投入された紙幣Sの金種が予め設定された一万円券であると認識した場合、記憶部51aに格納されているデータから一万円券の横幅方向及び縦幅方向を読み出す。そして、制御部51は、読み出したデータに基づいて、前壁部111と後壁部112との間の間隔、及び右壁部113と左壁部114との間の間隔を一万円券に応じた間隔となるように制御を行う。
同様に制御部51は、搬送方向整列板126を退避位置P1から整列位置P2に移動させるので、搬送方向整列板126を利用して、集積ベース部110上に集積された紙幣Sを縦幅方向の一方側から叩打することができる。これにより、集積ベース部110上で紙幣Sを縦幅方向に整列させることができる。
最後に、結束テープ160から第2チャック部材141を引き抜くことで、集積状態の紙幣Sを結束テープ160で結束して1つにまとめた小束を作製することができる。
特に、装置ケース60内に、非反転部91及び反転部92を具備する表裏反転部80(第1の表裏反転部81及び第2の表裏反転部82)を備えるだけで、紙幣Sの表裏が同じ向きとなるように統一する処理を行える。従って、構成の簡略化を図ることができ、紙幣処理装置1全体の小型化、コンパクト化を図ることができる。
その一方、集積搬送部103を利用して、第1集積収納部100内に収納された紙幣S、及び第2集積収納部101内に収納された紙幣Sを例えば交互に取出して結束部102に効率良く搬送できるので、装置全体のコンパクト化を図り易い。
この点、ガイドリング180を利用した従来の結束機構では、ガイドリング180の軸方向の開口部側から集積した紙幣Sを進入させる必要があり、ガイドリング180の軸方向に集積状態の紙幣Sを通過させるためのスペース(空間)を予め確保しておく必要がある。
しかしながら、本実施形態の結束部102によれば、紙幣導入部181を利用して結束位置P3に紙幣Sをセットできるので、上述した余分なスペースを省略することができ、その分、紙幣処理装置1全体の小型化を図ることができる。
例えば、2つの集積結束装置3を左右方向L1に連結した紙幣処理装置1としても構わない。この場合には、第1の集積結束装置3における連結搬送部70のオプション出口71に第2の集積結束装置3における連結搬送部70を繋げることで、第1の集積結束装置3から第2の集積結束装置3に向けて紙幣Sを連続的に搬送することができる。
これにより、汚損紙幣Sとそれ以外の紙幣Sを区分けしながら、それぞれ小束を作製する等の使い方を行える。
更には、合計4つの集積結束装置3を連結させることで、一万円券、五千円券、二千円券、千円券の各紙幣S専用の集積結束装置3として利用することも可能である。
同様に、第1の表裏反転部81及び第2の表裏反転部80において、反転部92が紙幣Sを1回表裏反転させたが、1回に限定されるものではない。連結搬送部70を搬送していたときの異なる表裏の向きとなればよいので、反転部92によって3回、5回等、1回以上の奇数回表裏反転させるように構成しても構わない。
Claims (5)
- 表裏が識別された紙葉類を搬送する搬送部と、
前記搬送部によって搬送中の紙葉類を、表裏の識別情報に基づいて表裏反転する表裏反転部とを備え、
前記表裏反転部は、
前記識別情報に基づいて紙葉類を偶数回表裏反転させ、表裏反転させる前と同じ表裏の向きで紙葉類を排出する非反転部と、
前記識別情報に基づいて紙葉類を奇数回表裏反転させ、表裏反転させる前と異なる表裏の向きで紙葉類を排出する反転部とを備えている
ことを特徴とする紙葉類処理装置。 - 前記搬送部は、上流側から下流側に向けて紙葉類を直線状に搬送し、
前記表裏反転部は、前記搬送部に対して交差するように設けられると共に、前記搬送部に連結される分岐搬送部を更に備え、
前記非反転部は、前記分岐搬送部に接続されると共に、前記分岐搬送部から前記搬送部の上流側に向かった後に転回して、前記搬送部の下流側に向かうように形成され、
前記反転部は、前記分岐搬送部に連結されると共に、前記分岐搬送部から前記搬送部の下流側に向かった後に転回して、前記搬送部の上流側に向かうように形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の紙葉類処理装置。 - 前記表裏反転部は、前記搬送部に連結して2つ設けられ、
第1の表裏反転部によって反転された紙葉類を集積しながら収納する第1集積収納部と、
第2の表裏反転部によって反転された紙葉類を集積しながら収納する第2集積収納部とを更に備えている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の紙葉類処理装置。 - 集積された紙葉類を結束して小束を作製する結束部と、
前記第1集積収納部に収納された紙葉類、及び第2集積収納部に収納された紙葉類を、集積状態を維持しながら前記結束部に搬送する集積搬送部とを更に備え、
前記集積搬送部は、前記第1集積収納部と前記第2集積収納部との間を往復移動可能とされ、前記第1集積収納部に収納された紙葉類についての前記結束部への搬送と、前記第2集積収納部に収納された紙葉類についての前記結束部への搬送とを各別に行う
ことを特徴とする請求項3に記載の紙葉類処理装置。 - 前記結束部は、
集積された紙葉類を結束するための結束帯を供給する帯供給部と、
前記集積搬送部によって搬送される紙葉類がセットされる結束位置を内部に有し、前記帯供給部から供給された前記結束帯をガイドして、前記結束位置にセットされた紙葉類に前記結束帯を巻回させる帯ガイド部とを備え、
前記帯ガイド部は、
前記結束位置を囲むように配置されると共に、前記集積搬送部の通過を許容する紙葉類導入部が形成されたガイドリングと、
前記紙葉類導入部を開放可能に閉塞するガイドゲートとを備え、
前記ガイドゲートは、前記紙葉類導入部を開放して、前記紙葉類導入部を通じた前記結束位置への前記集積搬送部のアクセスを可能とさせる開放位置と、前記紙葉類導入部を閉塞して前記結束帯をガイドする閉塞位置との間を移動可能とされている
ことを特徴とする請求項4に記載の紙葉類処理装置。
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-
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- 2020-12-16 JP JP2020208349A patent/JP7531847B2/ja active Active
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