JP2022095086A - 受光素子 - Google Patents

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真樹 廣瀬
Maki Hirose
暢郎 細川
Noburo HOSOKAWA
聡 上野山
So Uenoyama
和義 廣瀬
Kazuyoshi Hirose
和典 田中
Kazunori Tanaka
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Abstract

【課題】受光領域への集光効率をより一層向上させることが可能な受光素子を提供する。【解決手段】受光素子は、少なくとも1つの受光領域10を含み、光が入射する光入射面2aを有する基板2と、基板2の光入射面2aにおいて、光入射面2aに入射する光を集光するように形成されたメタレンズ3と、を備える。基板2の厚さ方向(Z軸方向)から見た場合に、メタレンズ3は、受光領域10に隣接する隣接領域R1、及び隣接領域R1と連続しており且つ受光領域10の外縁に沿った受光領域10の内側の領域である周縁領域R2の両方と重なるように形成されている。Z軸方向から見た場合に、光入射面2aにおいて受光領域10の中央領域と重なる領域には、メタレンズ3が形成されていない非形成領域R3が設けられている。【選択図】図2

Description

本開示は、受光素子に関する。
受光領域を含む光センサ基板の光入射面に屈折率変調構造であるグレーティング構造を設ける構成が知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載されたグレーティング構造は、光入射面において光センサ基板の厚さ方向から見て受光領域と重ならない周辺領域に設けられており、上記厚さ方向から見て受光領域と重なる領域には設けられていない。
米国特許出願公開2018/0130914号明細書
特許文献1に記載された上記構成では、周辺領域に入射した光をグレーティング構造によって受光領域へと集光することにより、集光効率の向上が図られている。一方で、上記構成では、光センサ基板の厚さ方向から見て受光領域と重なる領域の全体にグレーティング構造が形成されていない。すなわち、光センサ基板の厚さ方向から見て、グレーティング構造が形成されていない開口領域が受光領域の全体を含んでいる。分析対象の光が光入射面に対して傾斜して入射する成分(斜入射光)を含む場合、開口領域を通過した斜入射光の多くの成分が、そのまま受光領域の外側へと抜けていく可能性がある。従って、特許文献1に記載された上記構成には、少なくともこのような斜入射光に関して、受光領域への集光効率の向上を図る上で改善の余地がある。
そこで、本開示の一側面は、受光領域への集光効率をより一層向上させることが可能な受光素子を提供することを目的とする。
本開示の一側面に係る受光素子は、少なくとも1つの受光領域を含み、光が入射する光入射面を有する基板と、基板の光入射面において、光入射面に入射する光を集光するように形成されたメタレンズと、を備え、基板の厚さ方向から見た場合に、メタレンズは、受光領域に隣接する隣接領域、及び隣接領域と連続しており且つ受光領域の外縁に沿った受光領域の内側の領域である周縁領域の両方と重なるように形成されており、厚さ方向から見た場合に、光入射面において受光領域の中央領域と重なる領域には、メタレンズが形成されていない非形成領域が設けられている。
上記受光素子によれば、メタレンズが隣接領域に形成されていることにより、隣接領域に入射した光を受光領域へと好適に導くことができる。また、非形成領域が形成されていることにより、受光領域の正面から受光領域に向かって直進する入射光をメタレンズを介さずに受光領域に入射させることができる。このため、光がメタレンズを通過することに起因する光損失を抑制することができる。さらに、メタレンズが受光領域の縁部と重なる周縁領域にも形成されている。これにより、分析対象の光が光入射面に対して傾斜して入射する斜入射光を含む場合であっても、上記斜入射光のうち周縁領域に設けられたメタレンズに入射した成分を、受光領域へと好適に導光することができる。以上により、受光領域への集光効率をより一層向上させることができる。
メタレンズは、周期的に配列された複数の凸部によって構成されていてもよい。上記構成によれば、メタレンズを物理的に堅牢な構造とすることができる。
メタレンズは、周期的に配列された複数の凹部によって構成されていてもよい。上記構成によれば、メタレンズをより一層物理的に堅牢な構造とすることができる。さらに、複数の凹部の各々の内部には、誘電体が充填されていてもよい。上記構成によれば、メタレンズをより一層効果的に物理的に堅牢な構造とすることができると共に、メタレンズ3の表面反射率を低減させることが可能となる。これにより、受光領域への集光効率をより一層向上させることができる。
メタレンズは、少なくとも、周縁領域のうち厚さ方向に直交する一方向において対向する第1周縁領域及び第2周縁領域と重なるように形成されていてもよい。上記構成によれば、少なくとも上記一方向において、1次元的に集光効率の向上を図ることができる。
メタレンズは、受光領域の全周に亘って形成される環状の周縁領域の全体と重なるように形成されていてもよい。上記構成によれば、2次元的に集光効率の向上を図ることができる。
非形成領域の幅は、非形成領域に入射する光の回折による拡がり幅に基づいて、非形成領域に入射した光のメインローブが受光領域に包含される範囲に設定されていてもよい。非形成領域の幅を小さくする程、非形成領域に入射する光の回折による拡がり幅が増大する。上記構成によれば、非形成領域の幅が、回折拡がりが生じた光のメインローブが受光領域に包含される範囲に設定されることにより、非形成領域に入射する光の大部分(メインローブ)を受光領域に入射させることができる。これにより、集光効率を効果的に向上させることができる。
非形成領域には、反射防止膜が設けられていてもよい。上記構成によれば、光入射面と外界(例えば空気)との界面における入射光の反射ロスを抑制することができる。
基板は、受光領域が設けられた第1面と第1面とは反対側の第2面とを有する第1基板と、第1基板の第2面と接着樹脂層を介して接合され、第1基板を支持する第2基板と、を有してもよく、光入射面は、第2基板における第1基板とは反対側に位置する面によって構成されていてもよい。また、第1基板は、シリコン基板であってもよく、第2基板は、ガラス基板であってもよい。上記構成によれば、受光部が設けられる第1基板と第1基板を支持する第2基板とで基板を構成することにより、基板の強度を適切に確保することができる。
第1基板と第2基板との間には、反射防止膜が設けられていてもよい。上記構成によれば、第1基板と第2基板との界面における入射光の反射ロスを抑制することができる。
第1基板と第2基板との間には、メタレンズ層が設けられていてもよい。上記構成によれば、受光領域へと向かう入射光を第1基板と第2基板との界面において更に集光することにより、集光効率の更なる向上を図ることができる。
基板は、受光領域が設けられた第1面と第1面とは反対側の第2面とを有する単一の基板部材からなってもよく、光入射面は、第2面によって構成されていてもよい。上記構成によれば、受光素子の構造の簡素化を図りつつ、上述した集光効率の向上効果を得ることができる。
本開示の一側面によれば、受光領域への集光効率をより一層向上させることが可能な受光素子を提供することができる。
本開示の実施形態に係る受光素子の平面図である。 (A)は図1のIIa-IIa線に沿った断面図であり、(B)は図1のIIb-IIb線に沿った断面図である。 メタレンズの基本構成(単位セル)を示す図である。 メタレンズの製造工程を示す図である。 受光素子の効果について説明するための図である。 実施例及び比較例における斜入射光の集光効率について説明するための図である。 メタレンズの開口における回折拡がりについて説明するための図である。 受光素子が備える基板の第1変形例を示す図である。 受光素子が備える基板の第2変形例を示す図である。 受光素子が備える基板の第3変形例を示す図である。 メタレンズの基本構成の第1変形例を示す図である。 メタレンズの基本構成の第2変形例を示す図である。 第1変形例及び第2変形例の基本構成を有するメタレンズの製造工程を示す図である。 受光素子の第1変形例~第4変形例を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明において、同一又は相当要素には同一符号を用い、重複する説明を省略する。
[実施形態に係る受光素子の構成]
図1及び図2に示されるように、受光素子1は、基板2と、メタレンズ3と、を備える。本実施形態では一例として、受光素子1は、1画素分の受光領域10を含む長尺状の受光センサである。ただし、受光素子1は、複数の画素に対応する複数の受光領域10を含んでいてもよい。例えば、受光素子1は、図1に示される1画素分の単位構造(基板2)をX軸方向又はY軸方向に1次元状に複数配列した構造を有してもよいし、上記単位構造をX軸方向及びY軸方向のそれぞれに2次元状(格子状)に複数配列した構造を有してもよい。なお、図1及び図2並びに後述する他の図面において、説明の便宜上、X軸、Y軸、及びZ軸からなる3次元直交座標を図示している。X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向は、受光素子1(基板)の短手方向、長手方向、及び厚さ方向に対応している。
基板2は、少なくとも1つの受光領域10を含み、分析対象である光が入射する光入射面2aを有する。一例として、基板2は、矩形板状に形成されている。基板2の短手方向(X軸方向)の長さは、例えば20μm程度である。基板2の長手方向(Y軸方向)の長さは、例えば201.5μm程度である。基板2は、受光領域10が設けられた半導体基板であるシリコン基板21(第1基板)と、メタレンズ3が設けられたガラス基板22(第2基板)と、を有する。
シリコン基板21は、受光領域10が設けられた主面21a(第1面)と主面21aとは反対側の裏面21b(第2面)とを有する。シリコン基板21の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば10μm程度である。ガラス基板22は、シリコン基板21の裏面21bと接着樹脂層23を介して接合されており、シリコン基板21を支持する。ガラス基板22は、シリコン基板21の主面21aに対向する面22aと、面22aとは反対側の面22bと、を有する。基板2の光入射面2aは、ガラス基板22の面22bによって構成されている。ガラス基板22の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば300μm程度である。
図1に示されるように、受光領域10は、シリコン基板21の主面21aの略中央部において、主面21aに沿って設けられている。一例として、受光領域10は、矩形状に形成されている。受光領域10の短手方向及び長手方向は、それぞれ基板2の短手方向及び長手方向と一致している。受光領域10の短手方向(X軸方向)の長さは、例えば6.2μm程度である。受光領域10の長手方向(Y軸方向)の長さは、例えば50μm程度である。また、受光領域10の厚さ(Z軸方向の長さ)は、例えば3μm程度である。
メタレンズ3は、基板2の光入射面2a(本実施形態では、ガラス基板22の面22b)に形成されている。メタレンズ3は、光入射面2aに入射する光を集光するレンズとして機能するメタサーフェス構造体である。より具体的には、メタレンズ3は、図3に示される基本構成(単位格子)である単位セルC1がX軸方向及びY軸方向に沿って格子状に周期的に配列されたナノ構造体(微細凹凸構造)である。一例として、単位セルC1は、Z軸方向から見て正方形状の領域である。単位セルC1毎に1つの柱状(本実施形態では一例として円柱状)のピラー31(凸部)が形成されている。ピラー31は、単位セルC1の中央部において、ガラス基板22の面22bに立設されている。すなわち、メタレンズ3は、格子状に周期的に配列された複数のピラー31によって構成されている。ピラー31の材料は、例えばシリコン(Si)、酸化チタン(TiO)等である。
ピラー31の周期a(すなわち、隣接するピラー31の中心間距離であり、単位セルC1の1辺の長さ)は、分析対象の光の波長よりも短くなるように設定される。すなわち、メタレンズ3は、分析対象の光のサブ波長構造を有する。一例として、分析対象の光の波長λが940nmである場合、ピラー31の周期aは、例えば400nmに設定され得る。また、ピラー31の高さhは、例えば450nm~550nmの範囲から選択され得る。ピラー31の幅d(直径)は、例えば100nm~300nmの範囲から選択され得る。一例として、メタレンズ3全体(すなわち、全ての単位セルC1)において、ピラー31の高さhは一定の値(例えば500nm)に設定される。一方、各単位セルC1のピラー31の幅dは、各単位セルC1の配置場所に応じて、上記範囲から選択される。このように、各単位セルC1のピラー31の幅dが各単位セルC1の場所に応じて設定されることで、各単位セルC1の場所毎に位相変調量が制御され、集光レンズとして機能するメタレンズ3が得られる。例えば、メタレンズ3は、Z軸方向から見た場合に、メタレンズ3の外側から中心(後述する非形成領域R3の中心)に向かう方向に沿って位相が連続的に2π分変化するように形成された1周期分の領域(複数の単位セルC1を含む領域)を、上記方向に沿って複数繰り返し配列した構造を有する。
上述したメタレンズ3の構造について補足する。メタレンズ構造(メタサーフェス構造)のタイプとして、いわゆる屈折率変調型及び共鳴型が知られている。メタレンズ3は、上記のいずれのメタサーフェス構造を有してもよい。屈折率変調型のメタサーフェス構造は、各単位セルC1におけるメタレンズ材料の充填率(占有率)により定まる実効屈折率を制御する方式である。共鳴型のメタサーフェス構造は、各単位セルC1の構造(すなわち、規則的に配列された複数の凹凸構造からなるナノ構造の形状及び大きさ)によって電気共鳴及び磁気共鳴を調整することで、位相及び透過率を制御する方式である。より具体的には、共鳴型のメタサーフェス構造は、下記式(1)により示される透過率係数tを調整することで、上述したレンズ機能を実現する方式である。なお、下記式(1)において、ωe,kはk次モードの電気共鳴に関する共鳴周波数を表し、ωm,kはk次モードの磁気共鳴に関する共鳴周波数を表す。また、ωは電子分極を記述するローレンツ振動子モデルにおける共鳴角周波数を表す。γe,kは上記ローレンツ振動子モデルにおけるk次モードの電気共鳴に関する減衰係数を表し、γm,kは上記ローレンツ振動子モデルにおけるk次モードの磁気共鳴に関する減衰係数を表す。aは上記ローレンツ振動子モデルにおけるk次モードの電気共鳴の寄与度を表すパラメータであり、bは上記ローレンツ振動子モデルにおけるk次モードの磁気共鳴の寄与度を表すパラメータである。なお、共鳴型のメタサーフェス構造は、下記式(1)において「m=n=1」とする場合(すなわち、単一モードの電気双極子及び磁気双極子の共鳴を利用する場合)に対応するホイヘンス型(Nanodisk型)と、下記式(1)において「m=n=1」以外の場合(すなわち、高次モードの共鳴を利用する場合)に対応するHCG型(Micropost型)と、を含む。メタレンズ3を共鳴型のメタサーフェス構造によって構成する場合、上述のホイヘンス型及びHCG型のいずれのタイプが用いられてもよい。
Figure 2022095086000002
メタレンズ3の構造として屈折率変調型を採用した場合には、共鳴型を採用する場合と比較して、分析対象の光の波長の変化に対するロバスト性を確保することができる。一方、共鳴型を採用した場合には、屈折率変調型と比較して位相変化をシャープにすることができると共に高い透過率を確保することができる。また、ホイヘンス型を採用した場合には、屈折率変調型及びHCG型と比較して、ピラー31のアスペクト比を低くすること(すなわち、ピラー31の高さを低くすること)ができるため、メタレンズ3の構造をより一層堅牢なものとすることができる。一方、HCG型を採用した場合には、複数の高次モードの共鳴を利用することができるため、メタレンズ3の構造設計の自由度を高くすることができる。
図1及び図2に示されるように、Z軸方向(基板2の厚さ方向)から見た場合に、メタレンズ3は、受光領域10に隣接する隣接領域R1、及び隣接領域R1と連続しており且つ受光領域10の外縁に沿った受光領域10の内側の領域である周縁領域R2の両方と重なるように形成されている。また、Z軸方向から見た場合に、光入射面2a(本実施形態では、ガラス基板22の面22b)において受光領域10の中央領域と重なる領域には、非形成領域R3が設けられている。非形成領域R3は、メタレンズ3が形成されていない領域である。
本実施形態では、メタレンズ3は、受光領域10の全周に亘って形成される環状の周縁領域R2の全体と重なるように形成されている。すなわち、メタレンズ3は、Z軸方向から見た場合に、非形成領域R3に対応する矩形状の開口3aが中央部に形成された矩形環状を呈している。すなわち、非形成領域R3は、周縁領域R2の分だけ受光領域10よりも一回り小さい大きさに形成されている。言い換えると、Z軸方向から見た場合に、非形成領域R3は、受光領域10の内側に完全に収まっている。更に言い換えると、Z軸方向から見た場合に、非形成領域R3の外縁は、非形成領域R3の全周に亘って、受光領域10の外縁よりも内側に位置している。
図4を参照して、メタレンズ3の製造工程の一例について説明する。まず、スパッタリング法によって、ガラス基板22(石英基板)の面22b上に、メタレンズ3(すなわち、複数のピラー31)になる予定の部分を含むシリコン層30(アモルファスシリコン)が成膜される(ステップS1)。シリコン層30の膜厚は、ピラー31の高さhの設計値(例えば、450nm~550nmの範囲から選択される値)に基づいて決定される。続いて、シリコン層30の表面(ガラス基板22側とは反対側の面)上に、300nm程度の膜厚のEB(電子線)レジスト100が塗布される(ステップS2)。続いて、EBリソグラフィ法によって、EBレジスト100に対して、予め設計されたパターンがEB描画される(ステップS3)。具体的には、上述した隣接領域R1及び周縁領域R2に含まれる各単位セルC1のうちピラー31が形成されない部分と、非形成領域R3と、に対応する開口100aが、EBレジスト100に形成される。本実施形態(図1の例)では、EB描画領域は、短辺が20μmであり長辺が201.5μmの矩形領域である。続いて、EBレジスト100をマスクとして用いたエッチング(例えば、誘導結合型(ICP-RIE)エッチング等のドライエッチング)が実行されることにより、シリコン層30のうちEBレジスト100の開口100aに対応する部分(すなわち、露出部分)が除去される。その後、EBレジスト100が剥離される(ステップS4)。以上により、ガラス基板22の面22b上に、メタレンズ3(すなわち、複数のピラー31が周期的に配列された構造)が形成される。
[実施形態に係る受光素子の作用効果]
図5を参照しつつ、以上説明した受光素子1の効果について説明する。図5に示されるように、メタレンズ3が隣接領域R1に形成されていることにより、隣接領域R1に入射した光L1を受光領域10へと好適に導くことができる。例えば、隣接領域R1において、光入射面2aに直交する方向に直進する光L1(すなわち、そのままでは受光領域10の外側に外れてしまう光)の進行方向を、メタレンズ3によって受光領域10側に変更させることにより、当該光L1を受光領域10に入射させることが可能となる。また、非形成領域R3が形成されていることにより、受光領域10の正面から受光領域10に向かって直進する入射光(光L3)をメタレンズ3を介さずに受光領域10に入射させることができる。このため、光L3がメタレンズ3を通過することに起因する光損失を抑制することができる。
さらに、受光素子1においては、メタレンズ3が受光領域10の縁部と重なる周縁領域R2にも形成されている。すなわち、Z軸方向から見た場合に、非形成領域R3の外縁が受光領域10の外縁よりも内側に位置している。これにより、分析対象の光Lが光入射面2aに対して傾斜して入射する成分(斜入射光)を含む場合であっても、斜入射光のうち周縁領域R2に設けられたメタレンズ3に入射する成分を、受光領域10へと好適に導光することができる。
図6を参照して、上記斜入射光に関する効果について詳細に説明する。図6の(A)に示される受光素子200は、メタレンズ3が周縁領域R2に形成されていることにより奏される効果を検証するために作成された簡易的な構成のシミュレーションモデルである。受光素子200では、ガラス基板22の面22aの全体に受光領域10が形成されると共に、面22bに上述したメタレンズ3が形成されている。メタレンズ3の中央部には、開口3a(上述した非形成領域R3に対応する開口)が設けられている。面22bにおいてメタレンズ3が設けられた領域は、上述した周縁領域R2に相当する。ここで、ガラス基板22の屈折率は「1.51」であり、ガラス基板22の厚さd1は40μmである。また、メタレンズ3の周期a(図3参照)は400nmであり、メタレンズ3の高さd2(すなわち、ピラー31の高さ)は500nmである。また、受光素子200は、1辺の長さw1が40μmの正方形板状に形成されている。開口3aの幅w2(1辺の長さ)は、10μmである。図6の(A)の上側の図は、受光領域10の中心(開口3aの中心)を通り、受光素子200の厚さ方向に沿った一断面を表している。ここで、分析対象の光Lは、上記一断面において、光入射面(面22b)に対して傾斜して光入射面の全体に入射する光である。また、光Lの波長λは940nmである。光Lの光入射面に対する傾斜角度θは20度に設定されている。一方、図6の(B)に示される受光素子300は、比較例に対応するシミュレーションモデルである。受光素子300は、メタレンズ3が形成されていない点で、受光素子200と相違しており、その他の構成については、受光素子200と同様である。
図6の(A)の下側に示されるグラフの横軸は、上記一断面における受光素子200の中心位置を「0」とした場合の当該中心位置からの距離(図示右方向を正方向、図示左方向を負方向として表した距離)を表している。グラフの縦軸は、受光素子200の各位置に入射した光の強度を表している。図6の(B)の下側に示されるグラフは、上述した受光素子200のグラフに対応する受光素子300のグラフである。これらのグラフから以下のことがわかる。すなわち、図6の(B)の下側に示されるグラフに示されるように、メタレンズ3が形成されていない受光素子300においては、光Lの進行方向側(この例では右側)へと光Lが受光領域10よりも外側へと抜けてしまっていることが確認できる。これに対して、図6の(A)の下側に示されるグラフに示されるように、受光素子200においては、光量のピーク位置が、受光領域10の中心位置よりも光Lの進行方向側に多少ずれているものの、受光領域10内に位置していることが確認できる。すなわち、メタレンズ3(すなわち、周縁領域R2に形成されたメタレンズ3)によって、受光領域10内に光Lの成分の大部分が効率的に集光されていることが確認できる。以上のことから、メタレンズ3を受光領域10の縁部と重なる周縁領域R2に形成することにより、斜入射光を受光領域10へと好適に集光することができる。
以上により、受光素子1によれば、受光領域10への集光効率をより一層向上させることができる。また、例えば、受光素子1が、図1に示される1画素分の単位構造(基板2)をX軸方向に沿って複数配列した構造を有する場合においては、一の画素(すなわち、一の受光領域10に対応する光入射面2a)に入射した斜入射光が、当該一の画素に隣接する画素に入射すること(いわゆるクロストーク)の発生を抑制することもできる。
また、メタレンズ3は、周期的に配列された複数のピラー31によって構成されている。このような構成によれば、メタレンズ3を物理的に堅牢な構造とすることができる。
また、図5に示されるように、非形成領域R3(すなわち、メタレンズ3の開口3a)を通過する光は、開口3aにおける光の回折によって、拡がりながら受光領域10へと向かうことになる。このため、仮に、Z軸方向から見て非形成領域R3と受光領域10とが同一の大きさで完全に重なっている場合、回折光L2の一部が受光領域10の外側へと漏れてしまうことになる。一方、本実施形態では、周縁領域R2にメタレンズ3が設けられていることにより、非形成領域R3が受光領域10よりも一回り小さい大きさに形成されている。これにより、図5に示されるように、非形成領域R3を通過して拡がりながら受光領域10へと向かう回折光L2を受光領域10内に適切に収めることが可能となる。なお、周縁領域R2に配置されたメタレンズ3に入射した光は、メタレンズ3によって多少減衰することになるが、メタレンズ3の集光効果によって受光領域10へと導光される。従って、上述した開口回折に起因する拡がりによって光が受光領域10外に抜けてしまう場合と比較して、感度を向上させることができる。
より好ましくは、非形成領域R3の幅(すなわち、開口3aの幅(1辺の長さ))は、非形成領域R3に入射する光Lの回折による拡がり幅に基づいて、以下のように設定され得る。すなわち、非形成領域R3の幅は、非形成領域R3に入射した光Lのメインローブが受光領域10に包含される範囲に設定され得る。図7を参照して、上記について詳細に説明する。図7に示されるように、メタレンズ3の開口3aにおける回折により生じる拡がり幅(受光領域10が設けられた位置における光Lのメインローブの拡がり幅)は、下記式(2)により表される。ここで、λは光Lの波長を表し、Zは伝搬距離(すなわち、光入射面2aから受光領域10までの距離)を表し、nは伝搬媒質の屈折率を表し、Wは開口3aの開口幅(直径)を表す。なお、本実施形態では、光入射面2aから受光領域10までの伝搬媒質として、ガラス基板22、接着樹脂層23、及びシリコン基板21の3種類の媒質がある。この場合、屈折率nは、各媒質の屈折率及び厚さに基づいて算出される平均的な屈折率である。
メインローブの拡がり幅=2λZ/nW …(2)
従って、受光領域10の幅をDと表すと、下記式(3)を満たすように開口3aの幅Wを設定することにより、非形成領域R3に入射した光Lのメインローブの全体を受光領域10に入射させることが可能となる。これにより、集光効率を効果的に向上させることができる。なお、図7は、下記式(3)において等号(=)が成立する場合(すなわち、幅Wがメインローブの全体を受光領域10に集光するための下限値に設定されている場合)を示している。
2λZ/nD≦W …(3)
非形成領域R3(開口3a)が矩形状ではなく円形状に形成されている場合(例えば、図14の(C)参照)には、上記式(2)及び(3)は、下記式(4)及び(5)に置き換えられる。この場合、開口3aの幅Wは、開口3aの直径を意味する。なお、非形成領域R3(開口3a)が矩形及び円形のいずれでもない形状を有する場合(例えば、矩形状の角部が丸みを帯びるように面取りされた形状等の場合)等には、上記式(3)の左辺の値と上記式(5)の左辺の値との間の値(例えば中間値)が、開口3aの幅Wの下限値として用いられてもよい。
メインローブの拡がり幅=2.44λZ/nW …(4)
2.44λZ/nD≦W …(5)
また、メタレンズ3は、受光領域10の全周に亘って形成される環状の周縁領域R2の全体と重なるように形成されている。上記構成によれば、2次元的に集光効率の向上を図ることができる。すなわち、本実施形態では、X軸方向に沿った平面及びY軸方向に沿った平面の両方において、上述した集光効率の向上効果が得られる。
また、基板2は、受光領域10が設けられた主面21a(第1面)と主面21aとは反対側の裏面21bとを有するシリコン基板21と、シリコン基板21の裏面21bと接着樹脂層23を介して接合され、シリコン基板21を支持するガラス基板22と、を有しており、光入射面2aは、ガラス基板22の面22bによって構成されている。上記構成によれば、受光領域10が設けられる第1基板(本実施形態ではシリコン基板21)と第1基板を支持する第2基板(本実施形態ではガラス基板22)とで基板2を構成することにより、基板2の強度を適切に確保することができる。
[基板の第1変形例]
図8を参照して、受光素子1が備える基板の第1変形例(基板2A)について説明する。図8に示されるように、基板2Aは、反射防止膜4及び反射防止膜5を更に備える点において、基板2と相違しており、その他の点については基板2と同様である。
反射防止膜4は、光入射面2a(ここでは、ガラス基板22の面22b)の非形成領域R3(開口3aに対応する領域)に設けられている。反射防止膜4は、光入射面2aと外界(空気)との界面における入射光の反射ロスを抑制する役割を果たす。反射防止膜4は、例えば、ガラス基板22の面22bに対する単層ARコーティングによって成膜され得る。反射防止膜4によれば、非形成領域R3を通過する光の透過率を好適に向上させることができる。これにより、受光領域10への集光効率を効果的に向上させることができる。
反射防止膜4の屈折率nAR及び膜厚dARは、反射防止膜4の両側に配置される各媒質の屈折率に基づいて設定され得る。具体的には、反射防止膜4の屈折率nARは、空気の屈折率nAirとガラス基板22(SiO)の屈折率nSiO2との間の値を有する。すなわち、下記式(6)が成立する。より好ましくは、反射抑制が可能な波長帯域を広くする観点から、反射防止膜4の屈折率nARは、下記式(7)に基づいて設定されてもよい。また、反射防止膜4の膜厚dARは、下記式(8)に基づいて設定される。ここで、λは分析対象の光の波長を表し、mは1以上の任意の整数を表す。
Air<nAR<nSiO2 …(6)
AR=(nAir・nSiO21/2 …(7)
AR=(2m+1)λ/4nAR …(8)
反射防止膜5は、シリコン基板21とガラス基板22との間(本実施形態では、シリコン基板21と接着樹脂層23との間)に設けられている。反射防止膜5は、シリコン基板21とガラス基板22との界面における入射光の反射ロスを抑制する役割を果たす。反射防止膜5は、例えば、シリコン基板21の裏面21bに対する単層ARコーティングによって成膜され得る。反射防止膜5によれば、シリコン基板21とガラス基板22との界面を通過する光の透過率を好適に向上させることができる。これにより、受光領域10への集光効率を効果的に向上させることができる。反射防止膜5の屈折率及び膜厚についても、反射防止膜4と同様に、反射防止膜5の両側に配置される各媒質の屈折率に基づいて設定され得る。
なお、ここでは一例として、反射防止膜4及び反射防止膜5の両方を備える構成について説明したが、反射防止膜4及び反射防止膜5のいずれか一方のみが設けられてもよい。また、反射防止膜5は、接着樹脂層23とガラス基板22との間に設けられてもよい。また、シリコン基板21と接着樹脂層23との間、及び接着樹脂層23とガラス基板22との間のそれぞれに反射防止膜が設けられてもよい。
[基板の第2変形例]
図9を参照して、受光素子1が備える基板の第2変形例(基板2B)について説明する。図9に示されるように、基板2Bは、メタレンズ層6を更に備える点において、基板2と相違しており、その他の点については基板2と同様である。
メタレンズ層6は、シリコン基板21とガラス基板22との間(本実施形態では、シリコン基板21と接着樹脂層23との間)に設けられている。メタレンズ層6は、上述したメタレンズ3と同様の微細凹凸構造(例えば、複数のピラー31が周期的に配列された構造)を有し、ガラス基板22側からシリコン基板21側へと向かう光を受光領域10へと更に集光する役割を果たす。これにより、受光領域10への集光効率を効果的に向上させることができる。なお、基板2Bにおいて、基板2Aと同様の反射防止膜4が更に設けられてもよい。
[基板の第3変形例]
図10を参照して、受光素子1が備える基板の第3変形例(基板2C)について説明する。図10に示されるように、基板2Cは、単一の基板部材(シリコン基板21)からなり、光入射面2aがシリコン基板21の裏面21bによって構成されている点において、基板2と相違しており、その他の点については基板2と同様である。すなわち、基板2Cを備える受光素子1は、裏面入射型の受光センサであり、受光センサの入射面(裏面21b)にメタレンズ3が形成された構成を有する。上記構成によれば、基板2が備える第2基板(ガラス基板22)を省略することにより、受光素子1の構造の簡素化を図りつつ、上述した基板2と同様の集光効率の向上効果を得ることができる。なお、基板2Cにおいて、基板2Aと同様の反射防止膜4が更に設けられてもよい。
[基板のその他の変形例]
基板2は、第1基板(シリコン基板21)と第2基板(ガラス基板22)とが接合された構造を有していたが、第1基板及び第2基板の組み合わせは上記例に限られない。例えば、第2基板として、ガラス基板22の代わりに第1基板と同様のシリコン基板が用いられてもよい。また、この場合、第1基板及び第2基板(すなわち、シリコン基板同士)は、接着剤(接着樹脂層23)を用いずに直接接合されてもよい。
[メタレンズの基本構成の第1変形例]
図11を参照して、メタレンズ3の基本構成(単位格子)の第1変形例(単位セルC2)について説明する。単位セルC2は、ガラス基板22の面22b上に成膜された無機材料層32によって形成されている。無機材料層32には、単位セルC2毎に1つの柱状(本実施形態では一例として円柱状)のホール32a(凹部)が形成されている。ホール32aは、単位セルC2の中央部において、無機材料層32の上面32b(面22bに接する面とは反対側の面)からガラス基板22の面22bまで貫通している。無機材料層32は、例えば、ピラー31と同様の材料によって形成される。メタレンズ3は、上述した単位セルC1が格子状に周期的に配列されたピラー構造の代わりに、単位セルC2が格子状に周期的に配列されたホール構造を有してもよい。
メタレンズ3の基本構成として単位セルC2が採用される場合、ホール32aの周期a(すなわち、隣接するホール32aの中心間距離であり、単位セルC2の1辺の長さ)は、単位セルC1が採用される場合と同様に、分析対象の光の波長よりも短くなるように設定される。一例として、分析対象の光の波長λが940nmである場合、ホール32aの周期aは、例えば400nmに設定される。また、ホール32aの高さh(凹部の深さ)は、例えば300nm~400nmの範囲から選択され得る。ホール32aの幅d(直径)は、例えば100nm~300nmの範囲から選択され得る。一例として、メタレンズ3全体(すなわち、全ての単位セルC2)において、ホール32aの高さhは一定の値(例えば500nm)に設定される。一方、各単位セルC2のホール32aの幅dは、各単位セルC2の配置場所に応じて、上記範囲から選択される。このように、各単位セルC2のホール32aの幅dが各単位セルC2の場所に応じて設定されることで、各単位セルC2の場所毎に位相変調量が制御され、集光レンズとして機能するメタレンズ3が得られる。例えば、メタレンズ3は、Z軸方向から見た場合に、メタレンズ3の外側から中心(後述する非形成領域R3の中心)に向かう方向に沿って位相が連続的に2π分変化するように形成された1周期分の領域(複数の単位セルC2を含む領域)を、上記方向に沿って複数繰り返し配列した構造を有する。
メタレンズ3の基本構成として単位セルC2が採用される場合、すなわち、メタレンズ3を周期的に配列された複数のホール32a(凹部)によって構成する場合、メタレンズ3をピラー構造(複数の単位セルC1)によって構成する場合と比較して、より一層物理的に堅牢な構造とすることができる。
[メタレンズの基本構成の第2変形例]
図12を参照して、メタレンズ3の基本構成(単位格子)の第2変形例(単位セルC3)について説明する。単位セルC3は、ホール32aの内部に誘電体33が充填されている点において、単位セルC2と相違しており、その他の点については単位セルC2と同様である。誘電体33は、例えば、Al、SiO、SiN、HfO等である。図12に示されるように、誘電体33は、各単位セルC3のホール32a内に充填されると共に、無機材料層32の上面32b上にも堆積されてもよい。無機材料層32の上面32bから誘電体33の上面33aまでの距離(すなわち、無機材料層32上に堆積される誘電体33の高さ)は、例えば150nm程度である。
メタレンズ3の基本構成として単位セルC3が採用される場合、メタレンズをより一層効果的に物理的に堅牢な構造とすることができる。すなわち、誘電体33が設けられる分だけ、単位セルC2よりも物理的に堅牢な構造とすることができる。また、誘電体33をホール32aに埋設することにより、メタレンズ3の表面反射率を低減させることが可能となる。これにより、受光領域への集光効率をより一層向上させることができる。
図13を参照して、上述した第1変形例及び第2変形例の単位セルC2,C3を有するメタレンズ3の製造工程の一例について説明する。まず、スパッタリング法によって、ガラス基板22(石英基板)の面22b上に、無機材料層32になる予定の部分を含むシリコン層30(アモルファスシリコン)が成膜される(ステップS11)。シリコン層30の膜厚は、例えば、300nm~400nmの範囲から選択され得る。続いて、シリコン層30の表面(ガラス基板22側とは反対側の面)上に、300nm程度の膜厚のEB(電子線)レジスト100が塗布される(ステップS12)。続いて、EBリソグラフィ法によって、EBレジスト100に対して、予め設計されたパターンがEB描画される(ステップS13)。具体的には、上述した隣接領域R1及び周縁領域R2に含まれる各単位セルC2,C3のうちホール32aに対応する部分と、非形成領域R3と、に対応する開口100aが、EBレジスト100に形成される。本実施形態(図1の例)では、EB描画領域は、短辺が20μmであり長辺が201.5μmの矩形領域である。続いて、EBレジスト100をマスクとして用いたエッチング(例えば、誘導結合型(ICP-RIE)エッチング等のドライエッチング)が実行されることにより、シリコン層30のうちEBレジスト100の開口100aに対応する部分(すなわち、露出部分)が除去される。その後、EBレジスト100が剥離される(ステップS14)。ここまでの処理により、ガラス基板22の面22b上に、単位セルC2を基本構成とするメタレンズ3が形成される。単位セルC3を基本構成とするメタレンズ3を形成する場合には、更に以下の処理が実行される。すなわち、原子層堆積法(ALD)により、誘電体33がホール32a内及び無機材料層32上に成膜(堆積)される(ステップS15)。なお、ALDを実行する際には、非形成領域R3に誘電体33が成膜されないように、非形成領域R3はマスキングされる。以上の処理により、ガラス基板22の面22b上に、単位セルC3を基本構成とするメタレンズ3が形成される。
[その他の変形例]
以上、本開示の一実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限られない。各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を採用することができる。例えば、図14の(A)~(D)に示されるように、基板の形状、受光領域の形状、及びメタレンズが形成される領域の形状は、上記実施形態に限られない。
図14の(A)に示される第1変形例の受光素子1Aでは、基板2の長手方向(Y軸方向)において受光領域10を挟む両側の領域に、メタレンズ3A(一対のメタレンズ3A1,3A2)が形成されている。言い換えると、基板2の短手方向(X軸方向)において受光領域10の中央部(非形成領域R3に対応する領域)を挟む両側の領域には、メタレンズが形成されていない。メタレンズ3Aは、周縁領域R2のうちY軸方向に対向する第1周縁領域R21及び第2周縁領域R22と重なるように形成されている。このような構成によっても、少なくとも基板2の長手方向(Y軸方向)において、1次元的に集光効率の向上を図ることができる。また、受光素子1Aにおいて、基板2の長手方向において受光領域10を挟む両側の領域のうちの一方の領域のみにメタレンズ3Aが形成されてもよい。すなわち、メタレンズ3A1,3A2の一方が省略されてもよい。このような構成によっても、メタレンズ3Aが形成されている側の周縁領域R2に関して、上述したような効果が奏される。
図14の(B)に示される第2変形例の受光素子1Bでは、基板2の短手方向(X軸方向)において受光領域10を挟む両側の領域に、メタレンズ3B(一対のメタレンズ3B1,3B2)が形成されている。言い換えると、基板2の長手方向(Y軸方向)において受光領域10の中央部(非形成領域R3に対応する領域)を挟む両側の領域には、メタレンズが形成されていない。メタレンズ3Bは、周縁領域R2のうちX軸方向に対向する第1周縁領域R21及び第2周縁領域R22と重なるように形成されている。このような構成によっても、少なくとも基板2の短手方向(X軸方向)において、1次元的に集光効率の向上を図ることができる。また、受光素子1Bにおいて、基板2の短手方向において受光領域10を挟む両側の領域のうちの一方の領域のみにメタレンズ3Bが形成されてもよい。すなわち、メタレンズ3B1,3B2の一方が省略されてもよい。このような構成によっても、メタレンズ3Bが形成されている側の周縁領域R2に関して、上述したような効果が奏される。
図14の(C)に示される第3変形例の受光素子1Cは、正方形板状の基板2Cを有する。また、図14の(D)に示される第4変形例の受光素子1Dは、基板2よりも短く、基板2Cよりも長尺な形状を有する。このように、受光素子が備える基板は、様々な形状に形成され得る。
また、受光素子1Cは、円形状の受光領域10Cを有すると共に、受光領域10Cの形状に応じた形状のメタレンズ3Cを有する。すなわち、メタレンズ3Cは、円形状の受光領域10Cの中央部と重ならないように、受光領域10Cよりも一回り小さい円形状の開口3aを有している。また、受光素子1Dは、X軸方向を短径とし、Y軸方向を長径とする楕円形状の受光領域10Dを有すると共に、受光領域10Dの形状に応じた形状のメタレンズ3Dを有する。すなわち、メタレンズ3Dは、楕円形状の受光領域10Dの中央部と重ならないように、受光領域10Dよりも一回り小さい楕円形状の開口3aを有している。このように、受光素子が備える受光領域は、様々な形状に形成され得る。また、メタレンズが形成される領域の形状は、受光領域の形状に応じて、様々な形状に形成され得る。
1,1A,1B,1C,1D…受光素子、2,2A,2B,2C…基板、2a…光入射面、3,3A,3A1,3A2,3B,3B1,3B2,3C,3D…メタレンズ、4,5…反射防止膜、6…メタレンズ層、10,10C,10D…受光領域、21…シリコン基板(第1基板)、21a…主面(第1面)、21b…裏面(第2面)、22…ガラス基板(第2基板)、22b…面、23…接着樹脂層、31…ピラー(凸部)、32a…ホール(凹部)、33…誘電体、R1…隣接領域、R2…周縁領域、R3…非形成領域、R21…第1周縁領域、R22…第2周縁領域。

Claims (13)

  1. 少なくとも1つの受光領域を含み、光が入射する光入射面を有する基板と、
    前記基板の前記光入射面において、前記光入射面に入射する前記光を集光するように形成されたメタレンズと、を備え、
    前記基板の厚さ方向から見た場合に、前記メタレンズは、前記受光領域に隣接する隣接領域、及び前記隣接領域と連続しており且つ前記受光領域の外縁に沿った前記受光領域の内側の領域である周縁領域の両方と重なるように形成されており、
    前記厚さ方向から見た場合に、前記光入射面において前記受光領域の中央領域と重なる領域には、前記メタレンズが形成されていない非形成領域が設けられている、受光素子。
  2. 前記メタレンズは、周期的に配列された複数の凸部によって構成されている、請求項1に記載の受光素子。
  3. 前記メタレンズは、周期的に配列された複数の凹部によって構成されている、請求項1に記載の受光素子。
  4. 前記複数の凹部の各々の内部には、誘電体が充填されている、請求項3に記載の受光素子。
  5. 前記メタレンズは、少なくとも、前記周縁領域のうち前記厚さ方向に直交する一方向において対向する第1周縁領域及び第2周縁領域と重なるように形成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の受光素子。
  6. 前記メタレンズは、前記受光領域の全周に亘って形成される環状の前記周縁領域の全体と重なるように形成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の受光素子。
  7. 前記非形成領域の幅は、前記非形成領域に入射する光の回折による拡がり幅に基づいて、前記非形成領域に入射した光のメインローブが前記受光領域に包含される範囲に設定されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の受光素子。
  8. 前記非形成領域には、反射防止膜が設けられている、請求項1~7のいずれか一項に記載の受光素子。
  9. 前記基板は、
    前記受光領域が設けられた第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有する第1基板と、
    前記第1基板の前記第2面と接着樹脂層を介して接合され、前記第1基板を支持する第2基板と、を有し、
    前記光入射面は、前記第2基板における前記第1基板とは反対側に位置する面によって構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の受光素子。
  10. 前記第1基板は、シリコン基板であり、
    前記第2基板は、ガラス基板である、請求項9に記載の受光素子。
  11. 前記第1基板と前記第2基板との間には、反射防止膜が設けられている、請求項9又は10に記載の受光素子。
  12. 前記第1基板と前記第2基板との間には、メタレンズ層が設けられている、請求項9又は10に記載の受光素子。
  13. 前記基板は、前記受光領域が設けられた第1面と前記第1面とは反対側の第2面とを有する単一の基板部材からなり、
    前記光入射面は、前記第2面によって構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の受光素子。
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