JP6761974B2 - 光検出装置および光検出システム - Google Patents

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Description

本願は、光検出装置および光検出システムに関する。
対象物を観察してその情報を取得する装置として、干渉計および位相差顕微鏡が知られている。
干渉計は、光源から対象物にコヒーレンスを有する単色光を照射し、透過または反射した光(信号光)と、同一光源からの光(参照光)とを干渉させて検出する。信号光と参照光との光路差に起因して生じる干渉縞を解析することにより、対象物の表面形状および入射光の波面形状などの情報を取得できる。干渉計は、例えば特許文献1に開示されている。
位相差顕微鏡は、対象物の各部分の屈折率または厚さの違いによって透過光に生じる位相差を、光の明暗に変えて対象物を観察する装置である。位相差顕微鏡は、対象物が透明であっても対象物を透過した光の位相分布を観察できる。位相差顕微鏡は、例えば特許文献2に開示されている。
特開2015−17968号公報 特開2015−219280号公報
干渉計は、測定に煩雑な操作が必要であった。一方、位相差顕微鏡は、位相差を定量的に測定することが困難であった。
本開示は、煩雑な操作を行うことなく、定量的に対象物の情報を測定できる光検出技術を提供する。
本開示の一態様に係る光検出装置は、第1受光素子および第2受光素子を有する光検出器と、前記第1受光素子および前記第2受光素子の上に配置された透光性の第1層と、前記光検出器と前記第1層との間において前記第1層に接し、前記第1層よりも低い屈折率を有する透光性の第2層と、前記第1層において前記第1受光素子に対向する透光性の第1光結合素子と、前記第1層において前記第2受光素子に対向する透光性の第2光結合素子と、を備え、前記第1層と前記第2層は積層されており、前記第1光結合素子は、前記第1光結合素子に入射した光の一部を、前記第1層内において、前記第2光結合素子に向かう方向に伝搬させ、前記第2光結合素子は、前記第光結合素子に入射した光の一部を、前記第1層内において、前記第1光結合素子に向かう方向に伝搬させる。
上記の包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または記録媒体で実現されてもよい。あるいは、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示の一態様によれば、煩雑な操作を行うことなく、定量的に対象物の情報を測定することができる。
図1Aは、本開示の実施形態1の光検出装置29の構成を模式的に示す平面図である。 図1Bは、図1AにおけるA−A’線断面図である。 図2Aは、実施形態1の光検出装置29において、距離定数d=1の場合の入射光8、9の間の位相差φと、それぞれの透過光12、13のパワーP1、P2、および(P1+P2)との関係を示すグラフである。 図2Bは、実施形態1の光検出装置29において、距離定数d=1.16の場合の入射光8、9の間の位相差φと、それぞれの透過光12、13のパワーP1、P2、および(P1+P2)との関係を示すグラフである。 図2Cは、実施形態1の光検出装置29において、距離定数d=1.16の場合の入射光8、9の間の位相差φと、それぞれの透過光12、13の規格化パワーP1/(P1+P2)、P2/(P1+P2)、および(P1+P2)の関係を示すグラフである。 図3は、実施形態1の光検出装置29における距離定数dとパワー差との関係を示すグラフである。 図4Aは、実施形態1の光検出装置29の製造工程を示す第1の図である。 図4Bは、実施形態1の光検出装置29の製造工程を示す第2の図である。 図4Cは、実施形態1の光検出装置29の製造工程を示す第3の図である。 図4Dは、実施形態1の光検出装置29の製造工程を示す第4の図である。 図5Aは、実施形態1における光検出装置29を用いた光検出システムの構成例を模式的に示す図である。 図5Bは、実施形態1における光検出システムの変形例を示す図である。 図6は、実施形態1の変形例における光検出装置29aの構成を示す断面図である。 図7は、実施形態1の他の変形例における光検出装置29bの構成を示す断面図である。 図8は、本開示の実施形態2における光検出装置29cの構成を模式的に示す断面図である。 図9は、本開示の実施形態3における光検出装置29dの構成を模式的に示す断面図である。 図10は、実施形態3の光検出装置29dにおいて、距離定数d=1.02の場合の入射光8、9の間の位相差φと、それぞれの透過光12、13の規格化パワーP1/(P1+P2)、P2/(P1+P2)、および(P1+P2)との関係を示すグラフである。 図11は、実施形態3の光検出装置29dにおける距離定数dとパワー差との関係を示すグラフである。 図12は、実施形態3の光検出装置29dにおいて、グレーティングの周期Λと好適な波長との関係を示すグラフである。 図13は、実施形態3の変形例における光検出装置29eの構成を模式的に示す断面図である。 図14Aは、本開示の実施形態4の光検出装置29fの構成を模式的に示す平面図である。 図14Bは、図14AにおけるA−A’線断面図である。 図15Aは、実施形態4の光検出装置29fの製造工程を示す第1の図である。 図15Bは、実施形態4の光検出装置29fの製造工程を示す第2の図である。 図15Cは、実施形態4の光検出装置29fの製造工程を示す第3の図である。 図15Dは、実施形態4の光検出装置29fの製造工程を示す第4の図である。 図15Eは、実施形態4の光検出装置29fの製造工程を示す第5の図である。 図15Fは、実施形態4の光検出装置29fの製造工程を示す第6の図である。示す断面図である。 図16Aは、実施形態4の変形例における光検出装置29gの構成を模式的に示す断面図である。 図16Bは、実施形態4の他の変形例における光検出装置29hの構成を模式的に示す断面図である。 図16Cは、実施形態4のさらに他の変形例における光検出装置29iの構成を模式的に示す断面図である。 図17は、本開示の実施形態5の光検出装置29jの構成を模式的に示す平面図である。
(本開示の概要)
本開示は、以下の項目に記載の光検出装置を含む。
[項目1]
第1受光素子および第2受光素子を有する光検出器と、
前記第1受光素子および前記第2受光素子の上に配置された透光性の第1層と、
前記光検出器と前記第1層との間において前記第1層に接し、前記第1層よりも低い屈折率を有する透光性の第2層と、
前記第1層において前記第1受光素子に対向する透光性の第1光結合素子と、
前記第1層において前記第2受光素子に対向する透光性の第2光結合素子と、
を備え、
前記第1光結合素子は、前記第1光結合素子に入射した光の一部を、前記第1層内において、前記第2光結合素子に向かう方向に伝搬させ、
前記第2光結合素子は、前記第1光結合素子に入射した光の一部を、前記第1層内において、前記第1光結合素子に向かう方向に伝搬させる、
光検出装置。
[項目2]
前記第1光結合素子に入射した光の一部は、前記第1層および前記第2層を透過して前記第1受光素子に入射し、
前記第2光結合素子に入射した光の一部は、前記第1層および前記第2層を透過して前記第2受光素子に入射する、
項目1に記載の光検出装置。
[項目3]
前記第1受光素子および前記第2受光素子は、第1の方向に並び、
前記第1光結合素子は、各々が前記第1の方向に垂直な第2の方向に溝を有し、前記第1の方向に配列された複数の透光性部材を有する第1グレーティングであり、
前記第2光結合素子は、各々が前記第1の方向に垂直な第2の方向に溝を有し、前記第1の方向に配列された複数の透光性部材を有する第2グレーティングである、
項目1または2に記載の光検出装置。
[項目4]
前記第1グレーティング、前記第2グレーティング、および前記第1層は、同一の材料で構成された単一構造体である、項目3に記載の光検出装置。
[項目5]
前記第1受光素子および前記第2受光素子は、空気中の波長がλの光を検出し、
前記第1グレーティングおよび前記第2グレーティングの各々は、前記波長λよりも小さい周期Λを有する部分を含む、
項目3または4に記載の光検出装置。
[項目6]
前記第1層の屈折率をn1、前記第2層の屈折率をn2とすると、前記周期Λは、
λ/n1<Λ<λ/n2
を満たす、項目5に記載の光検出装置。
[項目7]
前記第1グレーティングおよび前記第2グレーティングの各々は、互いに異なる周期を有する複数の部分を含む、項目5または6に記載の光検出装置。
[項目8]
前記第1グレーティングおよび前記第2グレーティングの最も近接する2つの凸部の頂点間もしくは中心間の距離は、前記周期Λよりも大きい、項目5から7のいずれかに記載の光検出装置。
[項目9]
前記光検出器は、前記第1グレーティングと前記第2グレーティングとの間のスペース領域に対向する第3受光素子をさらに有する、項目8に記載の光検出装置。
[項目10]
前記第1グレーティングおよび前記第2グレーティングの各々の、前記第2の方向に垂直な断面の形状は、三角形状、台形状、および正弦波形状のいずれかであり、
0以上の整数をiとして、
i+1.05≦d≦i+1.26、または
i+1.58≦d≦i+1.79
を満たすdに関して、
前記第1グレーティングおよび前記第2グレーティングの最も近接する2つの凸部の頂点間もしくは中心間の距離はdΛである、
項目8または9に記載の光検出装置。
[項目11]
前記第1グレーティングおよび前記第2グレーティングの各々の、前記第2の方向に垂直な断面の形状は、矩形状、角の丸い矩形状、および半円形状のいずれかであり、
0以上の整数をiとして、
1<d≦1.16、
i+1.47≦d≦i+1.77、または
i+1.92≦d≦i+2.16
のいずれかを満たすdに関して、
前記第1グレーティングおよび第2グレーティングの最も近接する2つの凸部の頂点間もしくは中心間の距離はdΛである、
項目8または9に記載の光検出装置。
[項目12]
対象物と、前記第1光結合素子および前記第2光結合素子との間に配置され、TE偏光成分よりもTM偏光成分を多く含む光を前記第1光結合素子および前記第2光結合素子に入射させる偏光素子をさらに備える、項目1から11のいずれかに記載の光検出装置。
[項目13]
2次元的に配列された複数の検出単位を有し、
前記複数の検出単位の各々は、前記第1層の一部、前記第2層の一部、前記第1光結合素子、前記第2光結合素子、前記第1受光素子、および前記第2受光素子を含む、
項目1から12のいずれかに記載の光検出装置。
[項目14]
前記第1層における前記複数の検出単位の間の領域に溝を有する、項目13に記載の光検出装置。
[項目15]
前記第1層における前記複数の検出単位の間の領域上に金属膜を有する、項目13に記載の光検出装置。
[項目16]
前記第1層における前記複数の検出単位の間の領域上に、金属膜で覆われた第3の光結合素子を有する、項目13に記載の光検出装置。
[項目17]
前記複数の検出単位は、前記第1受光素子および前記第2受光素子が並ぶ第1の方向および前記第1の方向に垂直な第2の方向の少なくとも一方の方向に配列されている、項目13から16のいずれかに記載の光検出装置。
[項目18]
前記複数の検出単位は、千鳥状に配置されている、項目13から17のいずれかに記載の光検出装置。
[項目19]
前記複数の検出単位は、
前記第1受光素子および前記第2受光素子が第1の方向に並ぶ少なくとも1つの第1検出単位と、
前記第1受光素子および前記第2受光素子が前記第1の方向に垂直な第2の方向に並ぶ少なくとも1つの第2検出単位と、
を含む、項目13から18のいずれかに記載の光検出装置。
[項目20]
項目1から19のいずれかに記載の光検出装置と、
前記第1受光素子から出力される第1電気信号、および前記第2受光素子から出力される第2電気信号に基づいて、対象物の構造に関する情報を生成して出力する演算回路と、
を備える光検出システム。
[項目21]
空気中での波長がλの光を出射する光源をさらに備え、
前記第1受光素子および前記第2受光素子は、前記光源から出射され、対象物から到達した前記波長λの光を検出する、
項目20に記載の光検出システム。
[項目22]
前記光源は、TE偏光成分よりもTM偏光成分を多く含む光を出射するように配置されている、項目21に記載の光検出システム。
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態を説明する。なお、以下で説明する実施形態は、いずれも包括的または具体的な例を示している。以下の実施形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定するものではない。本明細書において説明される種々の態様は、矛盾が生じない限り互いに組み合わせることが可能である。また、以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。以下の説明において、実質的に同じ機能または類似する機能を有する構成要素には共通の参照符号を付し、重複する説明を省略することがある。
(実施形態1)
[光検出装置]
まず、本開示の実施形態1の光検出装置を説明する。
図1Aは、本開示の実施形態1の光検出装置29の構成を模式的に示す平面図である。図1Aは、光検出装置29を光が入射する側から見たときの構造を示している。図1Bは、図1AにおけるA−A’線断面図である。
以下の説明では、互いに直交するX、Y、Z方向を示すXYZ座標系を用いる。本実施形態では、光検出装置29における光検出器5の受光面(「撮像面」と称することもある。)に平行な面をXY面とし、XY面に垂直な方向をZ方向とする。図示されている座標系は、説明の便宜のために設定されており、本開示の実施形態における装置が実際に使用される際の配置および向きを制限するものではない。また、図示されている構造物の全体または一部分の形状および大きさも、現実の形状および大きさを制限するものではない。
本実施形態の光検出装置29は、第1受光素子6および第2受光素子7を有する光検出器5と、第1受光素子6および第2受光素子7を覆う透光性の第1層3と、光検出器5と第1層3との間に位置する透光性の第2層4と、第1層3の表面に形成された第1光結合素子1および第2光結合素子2とを備えている。第2層4は、第1層3に接しており、第1層3よりも低い屈折率を有する。第1光結合素子1は第1受光素子6に対向し、第2光結合素子2は第2受光素子7に対向している。第1光結合素子1は、入射光8の一部を第1層3内の光導波路に結合させる透光性の部材である。第2光結合素子2は、入射光9の一部を第1層3内の光導波路に結合させる透光性部材である。本明細書において、「透光性」とは、入射した光の少なくとも一部を透過させる性質を有することを意味する。
第1受光素子6および第2受光素子7は、第1の方向(図示される例ではX方向)に並んでいる。第1光結合素子1は、入射光8の一部を、第1層3内において少なくとも第1の方向(X方向)、すなわち、第2光結合素子2に向かう方向に伝搬させる(導波光10)。第2光結合素子2は、入射光9の一部を、第1層内において少なくとも第1の方向とは反対の方向(−X方向)、すなわち、第1光結合素子1に向かう方向に伝搬させる(導波光11)。これにより、第1層3内で導波光10、11間の干渉が生じる。第1光結合素子1に入射した光の一部は、第1層3および第2層4を透過して第1受光素子6に入射する。第2光結合素子2に入射した光の一部は、第1層3および第2層4を透過して第2受光素子7に入射する。
以下の説明において、対象物から到達した光のうち、第1光結合素子1に入射する光を「第1入射光8」と称し、第2光結合素子2に入射する光を「第2入射光9」と称することがある。また、第2層4において、第1受光素子6上の領域を透過する光を「第1透過光12」と称し、第2受光素子7上の領域を透過する光を「第2透過光13」と称することがある。第1受光素子6は、第1透過光12を受け、受光量に応じた第1電気信号を出力する。第2受光素子7は、第2透過光13を受け、受光量に応じた第2電気信号を出力する。これらの電気信号は、不図示の演算回路によって処理され、第1入射光8と第2入射光9との間の位相差を示す情報が生成される。演算回路は、さらに、この位相差情報に基づいて、対象物の構造(例えば表面構造または屈折率分布等)に関する情報を生成して出力することができる。
図1Bに示すように、本実施形態の光検出装置29は、光検出器5の上に、第2層4および第1層3をこの順に備えている。第1層3の上には、第1光結合素子1および第2光結合素子2が形成されている。このような集積構造により、構造が安定で、振動等の外乱に強い光検出装置29が実現される。なお、図1Bにおいて、光検出器5からの電気信号を出力する配線等の図示は省略されている。
本実施形態における第1光結合素子1および第2光結合素子2の各々は、入射光8、9の空気中での波長λよりも短い周期Λ(Λ<λ)を有するグレーティング(diffraction grating)である。以下の説明では、第1光結合素子1を「第1グレーティング1」と称し、第2光結合素子2を「第2グレーティング2」と称することがある。本実施形態における第1グレーティング1および第2グレーティング2の各々は、Y方向(第2の方向)の溝を有する複数の透光性部材が、X方向(第1の方向)に連続して(周期的に)配列された構造を有する。本実施形態における透光性部材は、三角柱状の凸部である。グレーティング1、2を構成する複数の透光性部材の構造は、後述するように多様であり得る。第1グレーティング1、第2グレーティング2、および第1層3は、同一の材料で構成された単一構造体であってもよい。
周期Λおよび波長λは観察する対象物によって異なるが、例えばΛ=0.45μmおよびλ=0.85μmに設定され得る。周期Λを波長λよりも小さくすることにより、第1入射光8および第2入射光9が、第1光結合素子1および第2光結合素子2にそれぞれ入射したときに、空気中では0次回折光である透過光、および反射光のみが生じる。±1次以上の高次回折光が外部に出射されることはないので、光利用効率が高く、迷光を低減することができる。
λ=0.85μmの入射光に対して、第1層3は光導波路(厚さt1)として機能するように設計されている。第2層4はバッファ層(厚さt2)として機能するように設計されている。第1層3(光導波路)の厚さt1は導波モ−ドが存在できる長さに設計される。第1層3(光導波路)の屈折率n1は、第2層4の屈折率n2よりも大きい(n1>n2)。
本実施形態の光検出装置29では、第1層3、第1光結合素子1、および第2光結合素子2は、例えば酸化タンタルTa25(n1=2.11)によって構成され得る。第2層4は、例えば酸化シリコンSiO2(n2=1.45)によって構成され得る。第2層4の厚さは、例えばt2=0.7μmである。このとき、公知の導波モ−ドの固有方程式から、t1≧0.13μmであれば、TEモ−ドおよびTMモ−ドの両方について導波モ−ドが存在することが導かれる。よって、この場合、第1層3の膜厚は、0.13μmよりも十分大きい厚さ、例えばt1=0.3μmに設定され得る。
第1層3および光結合素子1、2には、Ta25以外にも、種々の材料を用いることが可能である。同様に、第2層4についても、SiO2以外にも、種々の材料を用いることが可能である。但し、使用する波長の入射光に対して透明な材料を用いることが好ましい。例えば、ZrSiO4、(ZrO225(SiO225(Cr2350、SiCr、TiO2、ZrO2、HfO2、ZnO、Nb25、SnO2、Al23、Bi23、Cr23、Ga23、In23、Sc23、Y23、La23、Gd23、Dy23、Yb23、CaO、MgO、CeO2、およびTeO2等から選ばれる1または複数の酸化物等の無機材料を用いることができる。また、C−N、Ti−N、Zr−N、Nb−N、Ta−N、Si−N、Ge−N、Cr−N、Al−N、Ge−Si−N、およびGe−Cr−N等から選ばれる1または複数の窒化物を用いることもできる。また、ZnSなどの硫化物やSiCなどの炭化物、LaF3、CeF3、MgF2などの弗化物を用いることもできる。また、上記材料から選ばれる1または複数の材料の混合物を用いて、形成しても構わない。
さらに、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)、ノルボルネン樹脂(例えば、「アートン」(JSR株式会社製、登録商標))、またはシクロオレフィン樹脂(例えば、「ゼオネックス」(日本ゼオン株式会社製、登録商標))等の樹脂等の有機材料でも良い。これらの材料から、屈折率n1>n2を満たすものを第1層3および第2層4に選択すれば良い。
なお、本実施形態では、第1層3、第1光結合素子1、および第2光結合素子2は、同じ材料で構成されているが、これらが異なる材料で構成されていてもよい。光検出器5の表面が、第1層3よりも屈折率の低い材料、典型的にはSiO2で保護層が形成されている場合、その保護層は第2層4を兼ねることができる。この場合、保護層とは別の層を第2層4として設ける必要はない。保護層の厚さが0.5μm以上であれば、導波光の光伝搬損失を十分に低減できる。また、第2層4は第1層3よりも屈折率が低ければ良いので、空気でも原理的には可能である。しかし、本実施形態のように集積構造にすることにより、構造的安定性を向上することができる。
入射光が、Y方向に電場(電界)が振動する直線偏光(TE偏光)である場合(即ち、入射光の電界方向が、グレーティングの溝が延びる方向に平行な場合)、第1層3においてTEモードの導波光が励振される。一方、入射光が、X方向に電界が振動する直線偏光(TM偏光)である場合(即ち、光の磁界方向が、グレーティングの溝が延びる方向に平行な場合)、第1層3においてTMモードの導波光が励振される。したがって、入射光の偏光方向を変化させることにより、導波光のモードを使い分けることができる。
本実施形態における第1グレーティング1および第2グレーティング2のXZ面に平行な断面の形状は、二等辺三角形状である。光結合素子1、2の溝の深さtgは、例えばtg=0.3μmに設定され得る。光結合素子1、2の形状および寸法は、この例に限定されず、他の形状および寸法であってもよい。
第1入射光8および第2入射光9が、第1光結合素子1および第2光結合素子2にそれぞれ入射するとき、以下の式(1)を満たせば、第1層3の内部に導波光が励起される。
sinθ=N−mλ/Λ (1)
ここで、Nは光導波路(第1層3)内での実効屈折率、θはZ方向を基準とする光の入射角度、mは回折の次数を表す。グレーティング1、2の周期Λが式(1)を満たす値に設定されているとき、入射光8、9の一部が第1層3内の導波路に結合し、導波光が励起される。例えば、比較的よく結合する1次光(m=1)が垂直に入射する(θ=0)とき、式(1)は、次の式(2)に変形される。
Λ=λ/N (2)
上記の構造においては、導波モ−ドの固有方程式から、Λ≒0.45μmと計算される。
なお、第1層3の厚さt1が変われば、導波モ−ドの固有方程式から、実効屈折率Nも変わる。導波モ−ドが存在するとき、Nは、次の不等式(3)を満たす。
2<N<n1 (3)
式(1)を用いて式(3)を変形すると、次の式(4)が得られる。
mλ/(n1−sinθ)<Λ<mλ/(n2−sinθ) (4)
θ=0、m=1のとき、Λは、次の式(5)を満たす。
λ/n1<Λ<λ/n2 (5)
第1入射光8および第2入射光9のそれぞれによって第1層3内の光導波路で励起される導波光は、+X方向および−X方向の両方に伝搬する。それらの導波光のうち、図1Bには、第1入射光8によって+X方向に伝搬する導波光10と、第2入射光9によって−X方向に伝搬する導波光11とが例示されている。2つの導波光10、11は、進行方向が逆であるため、第1層3の内部で干渉する。
第1入射光8および第2入射光9の一部は、このように導波光になるが、多くは第1層3を透過して第2層4に入る透過光12、13になる。透過光12、13は、それぞれ、受光素子6、7によって検出される。受光素子6、7は、例えばフォトダイオードを含み、受光量に応じた電気信号(光電変換信号)を出力する。
本発明者らは、レーザ光等のコヒーレンスを有する光を対象物に照射し、対象物からの反射光または透過光を、本実施形態の光検出装置29を用いて検出することにより、対象物の構造(例えば、厚さの変化または屈折率分布等)を定量的に測定できることを見出した。本発明者らは、対象物からの光のうち、隣接する2つの光線をそれぞれ入射光8、9としたとき、導波光10、11の干渉の度合いに応じて、透過光12、13のそれぞれの光量(パワー)が変化することを発見した。すなわち、第1受光素子6および第2受光素子7を用いて透過光12、13の光量を検出することにより、入射光8、9の間のコヒーレンス差(または位相差)を検出することが可能になる。
対象物の構造(厚さの変化または内部の屈折率分布等)に依存して、透過光または反射光が有する位相情報は変化する。このため、入射光8、9の間のコヒーレンス差(または位相差)を検出することにより、対象物の厚さの変化または屈折率分布等を定量的に測定することが可能である。
図1Aに示される構成では、第1光結合素子(第1グレーティング)1および第2光結合素子(第2グレーティング)2の最も近接する2つの凸部の頂点間もしくは中心間の距離は、周期Λよりも大きい。すなわち、第1グレーティング1と第2グレーティング2との間に、平坦な部分(「スペース領域27」と称する)を有し、スペース領域27のX方向の長さは、0よりも大きい。
ここで、第1グレーティング1および第2グレーティング2の最も近接する頂点間の距離を、周期Λに定数dを乗じた値dΛとする。この定数dを、「距離定数d」と呼ぶことにする。d=1の場合、最近接する頂点間の距離がΛになるため、グレーティング1、2は密に形成され、両者の間にスペース領域27は生じない。一方、本実施形態のようにd>1のときは、グレーティング1、2の間にスペース領域27が生じる。
図2Aは、光検出装置29において、距離定数d=1の場合の入射光8、9の間の位相差φと、それぞれの透過光12、13のパワーP1、P2、および(P1+P2)との関係を示すグラフである。図2Bは、光検出装置29において、距離定数d=1.16の場合の入射光8、9の間の位相差φと、それぞれの透過光12、13のパワーP1、P2、および(P1+P2)との関係を示すグラフである。図2Cは、光検出装置29において、距離定数d=1.16の場合の入射光8、9の間の位相差φと、それぞれの透過光12、13の規格化パワーP1/(P1+P2)、P2/(P1+P2)、および(P1+P2)の関係を示すグラフである。図2A〜2Cは、電界方向がX方向であるTM偏光について、FDTD法(Finite-difference time-domain method)による電磁界解析を行った結果の例を示している。
本解析では、入射光8、9は、同じ波長λおよび同じパワー(規格化して光パワー1とする)を有するコヒーレンスが高いレーザ光であるものとした。第1の入射光8の位相を基準として、第2の入射光9の位相との差を位相差φ[度]としている。図2Aに実線および長い破線でそれぞれ示すように、第1透過光12のパワーP1および第2透過光13のパワーP2は、入射光8、9の間の位相差φに応じて変化する。P1は、φ=140°の近傍で最大値をとり、φ=−40°の近傍で最小値をとる。P2は、φ=−140°の近傍で最大値をとり、φ=40°の近傍で最小値をとる。従って、これらの曲線に基づいて、パワーP1、P2の大きさから、φを−180°〜180°の範囲内で一意的に定量化することができることが分かる。すなわち、パワーP1、P2を、第1受光素子6および第2受光素子7を用いて検出することにより、入射光8、9の間の位相差φを一意的に検出できる。
なお、図2A〜2Cは、TM偏光である入射光8、9を用いて、TMモ−ドの導波光を励振した場合の結果を示している。本実施形態のように微細なグレーティング1、2を用いた場合、偏光依存性が生じ、|P1−P2|の最大値は、TEモードの導波光を励振した場合とTMモードの導波光を励振した場合とで異なる。本実施形態においては、TMモードの導波光を励振した場合の|P1−P2|の最大値は、TEモ−ドの導波光を励振した場合よりも約4.6倍大きかった。
従って、本実施形態の光検出装置29においては、無偏光の入射光を用いるよりも、|P1−P2|の最大値が大きくなる直線偏光(本実施形態ではTM偏光)を用いる方がSN比を高くできる。よって、TM偏光を主成分とする(即ち、TM偏光成分がTE偏光成分よりも多い)入射光8、9(直線偏光または楕円偏光)を用いることにより、検出感度を高めることができる。そのための構成として、光検出装置29は、第1グレーティング1および第2グレーティング2にTE偏光よりもTM偏光を多く入射させる偏光素子(例えば直線偏光子または楕円偏光子)を有していてもよい。そのような偏光素子は、グレーティング1、2と対象物との間に配置されるか、もしくは光源と対象物の間に配置される。あるいは、例えば、直線偏光の光を出射する半導体レーザ光源を、TE偏光成分よりもTM偏光成分を多く含む光を出射するように回転調整し、配置してもよい。
本発明者らは、入射光8、9の実際のパワーは、光検出器5から得られる信号(P1+P2)から算出できると考えた。しかし、図2Aにおいて短い破線で示されているように、(P1+P2)は、位相差φに応じて変化することが分かった。より具体的には、(P1+P2)は、φ=0および180°で最小値または最大値が生じることが分かった。ここで、φ=0の場合の(P1+P2)から、φ=180°または−180°の場合の(P1+P2)を減じた値の絶対値を「パワー差」として定義する。パワー差は、一定である方が入射光8、9の実際のパワーを算出する際には好都合である。
本発明者らは、距離定数dを、d>1である特定の値、例えばd=1.16とした場合、図2Bにおいて短い破線で示すように、(P1+P2)が位相差φにほとんど依存しない(即ちほぼ一定値になる)ことを発見した。これは、d>1とすることにより、導波光10、11が干渉する周期(通常は式(2)からλ/N≒Λ)が、中央部のスペース領域27で乱される(干渉する周期>グレーティング1、2の周期Λ)ためであると考えられる。距離定数dを変化させて周期の乱し方を調整することにより、P1およびP2の出力特性を制御できる。
図2Bにおいて実線および長い破線で示すように、第1透過光のパワーP1および第2透過光のパワーP2が位相差φに応じて変化する。d=1.16の場合、|P1−P2|の最大値はd=0の場合よりも大きくなる。P1はφ=85°の近傍で最大値をとり、φ=−95°の近傍で最小値をとる。P2はφ=−85°の近傍で最大値をとり、φ=95°の近傍で最小値をとる。従って、これらの曲線に基づいて、P1およびP2の値から、位相差を−180°〜180°の範囲内で一意的に定量化することができる。
d=1.16の条件では、入射光8、9のパワーは位相差φによらず、(P1+P2)に比例するとみなすことができる。入射光8、9のパワーを規格化してそれぞれ1とした場合には、図2Bに示すように、(P1+P2)=1.16となった。このため、入射光8、9のパワーの値は、位相差φによらず、(P1+P2)/1.16の演算によって算出することができる。
図2Cに示すように、P1およびP2を(P1+P2)で除した値P1/(P1+P2)およびP2/(P1+P2)を規格化パワーとして用いてもよい。この場合、(P1+P2)が変化しても、φ=0、±180°において、P1/(P1+P2)=P2/(P1+P2)=0.5となる。このため、測定値を定量化する上で都合が良い。
本発明者らは、さらに、d=1.16以外にも、(P1+P2)が位相差φにほとんど依存しなくなるdの値が周期的に存在することを見出した。第1層3(光導波路)内での導波光の波長はλ/Nで表される。θ=0(垂直入射)、m=1で導波光が励振される条件では、式(2)からλ/N=Λとなるので、導波光の波長はΛに一致する。従って、垂直に近い角度で入射する光に関しては、dの周期はλ/(NΛ)≒1と近似できる。
図3は、本実施形態の光検出装置29における距離定数dとパワー差との関係を示すグラフである。
iを0以上の整数として、パワー差が0となる最適なdの値は、
d=1.16+i (6)
または
d=1.68+i (7)
であることが分かった。例えば、i=10のときは、d=11.16またはd=11.68となる。このときの第1光結合素子1および第2光結合素子2の最も近接する頂点間の間隔は、dΛ=5.02μmまたはd=5.26μmとなる。
パワー差が−0.5〜0.5の範囲に入る好ましいdの条件は、
1.05+i≦d≦1.26+i (8)
または
1.58+i≦d≦1.79+i (9)
である。
パワー差が−0.2〜0.2の範囲に入るさらに好ましいdの条件は、
1.12+i≦d≦1.20+i (10)
または
1.64+i≦d≦1.72+i (11)
である。
パワー差が−0.1〜0.1の範囲に入るさらに好ましいdの条件は、
1.14+i≦d≦1.18+i (12)
または
1.66+i≦d≦1.70+i (13)
である。
なお、θ≠0の場合は、導波モードの固有方程式からNを計算し、上記iの代わりに、iλ/(NΛ)を用いると精度が向上する。
これまで説明した構成では、第1光結合素子1および第2光結合素子2は、均一な周期Λを有するグレーティングである。このようなグレーティングに限らず、第1光結合素子1および第2光結合素子2の各々は、複数の周期を有するグレーティングであってもよい。すなわち、第1グレーティング1および第2グレーティング2の各々は、互いに異なる周期を有する複数の部分を含んでいてもよい。式(1)から、好適な周期Λは、入射角θおよび光の波長λに依存することが分かる。複数の周期を有するグレーティングを用いることにより、入射角θおよび波長λの範囲を広げることができる。
垂直入射(θ=0)に適した条件で光検出装置29を設計した場合、光の入射角度が変化すると、位相差を変化させたときの|P1−P2|の最大値である透過光量の変化量は低下していく。その半値全幅は、例えば±4°程度と比較的狭かった。グレーティング1、2が複数の周期を有することにより、この角度範囲を広げることができる。θ=±5°での周期Λの好適値は、それぞれ0.43μmおよび0.47μmである。このため、第1グレーティング1および第2グレーティング2を、例えばΛ=0.43μmから0.47μmまで徐々に周期が変化するチャープグレーティングで構成すれば、斜入射特性の良好な光検出装置29を実現できる。
第1グレーティング1および第2グレーティング2の各々は、例えばΛ=0.43μm、0.45μm、0.47μmのような3つまたはそれよりも多くの異なる周期の部分を有していても良い。そのような構成によっても同様の効果が期待できる。
同様の考え方で、波長特性を広げることも可能である。入射波長が拡がりを持つマルチ波長の場合、位相差を変化させたときの|P1−P2|の最大値である透過光量の変化は低下し、その半値全幅は、例えば、±10nm程度であり得る。単一波長λ=0.84、0.86μmでの好適値(ただし、θ=0)は、それぞれ、Λ=0.445、0.455μmとなる。このため、第1グレーティング1および第2グレーティング2を、例えばΛ=0.445μmから0.455μmまで徐々に変化するチャープグレーティングで構成すれば、波長範囲を拡げることができる。
第1グレーティング1および第2グレーティング2の各々は、例えばΛ=0.445、0.450、0.455μmのような3つまたはそれよりも多くの異なる周期の部分を有していても良い。そのような構成によっても同様の効果が期待できる。
次に、本実施形態の光検出装置29の製造方法の一例を説明する。
図4A〜4Dは、本実施形態の光検出装置29の製造工程の一例を示す断面図である。まず、図4Aに示すように、受光素子6、7を有する光検出器5を用意する。次に、図4Bに示すように、光検出器5の受光面(撮像面)上に、厚さt2の第2層4を成膜する。続いて、図4Cに示すように、厚さt1の第1層3を第2層4の上に成膜する。成膜プロセスは、Ta25およびSiO2膜については、例えばスパッタ法または真空蒸着法を用いることができる。第1層3および第2層4を樹脂材料で形成する場合、塗布プロセスを用いることができる。塗布プロセスによれば、低温プロセスが可能なため、光検出器5にSiを用いる場合はもちろんのこと、有機の光電膜を用いる場合も熱的ダメージを与える心配は無い。次に、図4Dに示すように、第1層3上に、第1光結合素子1および第2光結合素子2を同時に形成する。この工程には、例えばフォトリソグラフィとエッチングプロセスとの組み合わせ(いわゆる公知のバイナリオプティクス製造方法)を用いることができる。これにより、例えば断面形状が三角形状のグレーティングを作製できる。これ以外にも、例えばナノインプリントまたは3Dプリンティング法を用いることもできる。特に、ナノインプリント工法によれば低コスト化が可能である。
[光検出システム]
本実施形態における光検出装置29は、光源および演算回路と組み合わせることによって対象物の構造(例えば表面構造または屈折率分布等)の情報を得ることができる。以下、そのような光検出システムの例を説明する。
図5Aは、本実施形態における光検出装置29を用いた光検出システムの構成例を模式的に示す図である。この光検出システムは、空気中での波長がλの光を出射する光源25と、第1受光素子6から出力される第1電気信号、および第2受光素子7から出力される第2電気信号に基づいて、対象物の構造に関する情報(電気信号18)を生成して出力する演算回路20とを備えている。第1受光素子6および第2受光素子7は、光源25から出射され、対象物21から到達した波長λの光を検出する。この光検出システムは、対象物21からの透過光を検出するが、反射光を検出するように構成してもよい。対象物21は、特に限定されないが、例えば生体組織や位相段差を備えた書類の偽造防止マークであり得る。
本実施形態における演算回路30は、例えばDSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field−Programmable Gate Array)などの集積回路であり得る。演算回路30は、例えばメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより、後述する演算を行い、対象物21の構造に関する情報を生成する。
光検出システムは、光源25から、レーザ光等のコヒーレンスを有する単色光である出射光26を対象物21に照射し、対象物21を透過した光(隣接する第1入射光8および第2入射光9を含む。)を、光検出装置29によって検出する。図5Aに示されている例では、第1入射光8は、対象物21における相対的に薄い箇所を透過した光であり、第2入射光9は、対象物21における相対的に厚い箇所を透過した光である。両者の厚さの差をSとし、対象物21の屈折率をnoとすると、第1入射光8と第2入射光9との間の位相差φは、以下の式(14)で表される。
φ=2π(no−1)S/λ (14)
すなわち、第2入射光9の位相は、第1入射光8の位相よりも、2π(no−1)S/λだけ遅れる。
受光素子6は、第1透過光12のパワーP1に比例した信号値をもつ電気信号15を出力する。受光素子7は、第2透過光13のパワーP2に比例した信号値をもつ電気信号16を出力する。演算回路20は、電気信号15、16を受け、入射光8、9のパワーと、位相差φとを求める。位相差φは、図2A〜2Cを参照して説明した方法で求めることができる。演算回路20は、位相差φを示す情報を、対象物21の構造に関する情報(電気信号18)として出力する。その位相差φの情報から、式(14)より、厚さの変化量(段差)Sの値を求めることができる。演算回路20は、位相差φに基づいてS値を計算し、その情報を電気信号18に含めて出力しても良い。
光源25から出射される光のパワーは既知であるので、入射光8、9のパワーの値から、対象物21の透過率または反射率を求めることもできる。演算回路20は、対象物21の透過率または反射率を示す信号を出力しても良い。このように、本明細書における「対象物の構造に関する情報」には、第1入射光8と第2入射光9との間の位相差、対象物の厚さの変化量、および対象物の透過率もしくは反射率の少なくとも1つを示す情報が含まれ得る。
光検出システムは、例えばレーザ光源のようなコヒーレンスを有する光源25を備えていてもよいし、光源25は外部の要素であってもよい。光源25は、光検出装置29に内蔵されていてもよい。光検出システムは、図5Aに示す構成要素以外の要素を備えていてもよい。例えば、光結合素子1、2と対象物21との間に、使用する特定の波長域の光を選択的に透過させるバンドパスフィルタを備えていてもよい。そのようなバンドパスフィルタは、受光素子6の前面に設けられていてもよい。
図5Bは、本実施形態における光検出システムの変形例を示す図である。図5Bに示すように、光検出装置29は、対象物21と、第1光結合素子1および第2光結合素子2との間に、TE偏光成分よりもTM偏光成分を多く透過させる偏光素子30を備えていてもよい。偏光素子30は、例えば直線偏光子または楕円偏光子であり得る。これにより、TE偏光成分よりもTM偏光成分を多く含む光が光結合素子1、2に入射するため、前述のように検出感度を高めることができる。
[光検出装置の変形例]
図6は、本実施形態の変形例における光検出装置29aの構成を示す断面図である。この例では、第1光結合素子1””および第2光結合素子2””の各々は、XZ面に平行な断面の形状が台形状のグレーティングである。グレーティング1””、2””の形状は、三角柱状のグレーティング1、2の上部(角)が削られた形状である。各グレーティングの断面の形状は、例えば正弦波形状でもよい。角が尖っている必要はなく、角が丸い形状でも良い。XZ面に平行な断面の面積が底部から上部(先端部)に向かうに従って小さくなる形状(テーパー形状)のグレーティングであれば、三角柱状のグレーティングを用いた場合と同様の効果が得られる。すなわち、対象物からの透過光または反射光のコヒーレンスの度合いに基づいて対象物の情報を定量的に測定でき、構造が安定な小型かつ薄型の光検出装置を実現することができる。
図7は、本実施形態の他の変形例における光検出装置29bの構成を示す断面図である。この例では、第1光結合素子1’および第2光結合素子2’は、第1層3’の2つの表面(上面および下面)の両方に形成されている。第1層3’と同じ材料で第1光結合素子1’および第2光結合素子2’が構成されている。第1光結合素子1’および第2光結合素子2’は、第1層3’の内部に形成されているともいえる。このように、第1光結合素子1’、第2光結合素子、および第1層3は、同一の材料で構成された単一構造体であってもよい。また、第1光結合素子1’および第2光結合素子2’は、例えば、第1層3’の屈折率とは異なる材料を用いて、第1層3’の内部のみに形成されても良い。
図7に示す光検出装置29bは、例えば以下の工程で作製することができる。まず、光検出器5の受光素子6、7が位置する面に厚さt2の第2層4’を成膜する。その後、第2層4’の表面に深さtgのグレーティング形状を作製する。この工程には、例えばフォトリソグラフィとエッチングプロセスとを用いることができる。続いて、その上に第1層3’を成膜する。すると、第1層3’の表面にも、深さtgの同様のグレーティング形状が形成される。これにより、光検出装置29bが作製される。この例によれば、第2層4’の材料へのエッチング特性が良好で、グレーティング1’、2’が形成しやすい場合には、製造が容易であるという効果がある。
(実施形態2)
次に、本開示の実施形態2の光検出装置を説明する。図8は、本開示の実施形態2における光検出装置29cの構成を模式的に示す断面図である。
本実施形態の光検出装置29cが実施形態1の光検出装置と異なる点は、光検出器5’が受光素子6’、7’(第3受光素子)をさらに有し、スペース領域27が比較的大きい点にある。実施形態1の光検出装置では、スペース領域27を透過する入射光成分は光検出器5の受光素子に入らない。一方、本実施形態の光検出装置29cでは、中央部のスペース領域27を透過する入射光8’、9’は、透過光12’、13’となり、光検出器5’の受光素子6’、7’で検出される。
第1の入射光のうち、第1光結合素子1に入らない入射光8’は、導波光の励起には無関係であり、第1層3を透過し、透過光12’となる。同じく、第2の入射光のうち、第2光結合素子1に入らない入射光9’は、導波光の励起には無関係であり、第1層3を透過し、透過光13’となる。従って、それらの透過光12’、13’を受光素子6’、7’で検出することにより、入射光8’、9’のパワーを検出することができる。
本実施形態の構成により、スペース領域27が大きい場合でも、スペース領域27を透過する光を検出する受光素子6’、7’を設けることにより、光利用効率を向上させることができる。
図8のように、受光素子6、7と分離して受光素子6’、7’を設けることにより、光パワー分布の検出精度(分解能)が向上する。また、受光素子6と6’とを一体化し、受光素子7と7’とを一体化した構成でも良い。スペース領域27に対向する受光素子の数は、2つに限らず、1つまたは3つ以上でもよい。このように、光検出器は、第1グレーティング1と第2グレーティング2との間のスペース領域27に対向する少なくとも1つの第3受光素子を有していてもよい。
(実施形態3)
次に、本開示の実施形態3における光検出装置を説明する。
図9は、本実施形態における光検出装置29dの構成を模式的に示す断面図である。
本実施形態の光検出装置29dが実施形態1の光検出装置29aと異なる点は、第1光結合素子1”および第2光結合素子2”の形状にある。本実施形態における第1光結合素子1”および第2光結合素子2”の各々は、Y方向に溝を有し、XZ面に平行な断面の形状が矩形形状である凸部がX方向に複数個連続して(周期的に)並んだグレーティングである。グレーティング1”、2”の形状は、その頂点が一意的に決められない形状であるが、便宜的に、図9に示すように、グレーティング1”、2”の各凸部の中央部を基準(仮想的な頂点)として、実施形態1と同様に説明する。
本実施形態におけるグレーティング1”、2”は、第1層3と同じ材料Ta25で構成されている。入射光8、9の空気中での波長λは、例えばλ=0.85μmである。1つの凸部のX方向の寸法は、凸部間の溝(凹部)のX方向の寸法と同じである。溝の深さtgは、例えばtg=0.1μmである。隣接する2つの凸部の中心間の距離Λは、例えばΛ=0.45μmである。溝が浅い矩形の断面形状を有するグレーティングは、実施形態1における三角形状の断面形状を有するグレーティングよりも製造が容易であるという利点がある。
図10は、本実施形態の光検出装置29dにおいて、距離定数d=1.02の場合の入射光8、9の間の位相差φと、それぞれの透過光12、13の規格化パワーP1/(P1+P2)、P2/(P1+P2)、および(P1+P2)との関係を示すグラフである。図11は、本実施形態の光検出装置29dにおける距離定数dとパワー差との関係を示すグラフである。
本実施形態の光検出装置29dにおいても、(P1+P2)が位相差φにほとんど依存しなくなるdが、d>1において存在する。例えば、d=1.02とした場合、図10の短い破線で示すように、(P1+P2)がほぼ一定値1.48となる。この値は実施形態1の光検出装置29での(P1+P2)の値1.16よりも大きい。このため、本実施形態の構成は、光利用効率がより優れていると言える。本実施形態における入射光8、9のパワー値は、φによらず、(P1+P2)/1.48の演算によって算出することができる。
図11に示すように、距離定数dに応じてパワー差が変化する。iを0以上の整数として、パワー差が0となる最適なdの値は、
d=1.03+i (15)
または
d=1.60+i (16)
であることが分かった。例えば、i=10のときは、d=11.03またはd=11.60となる。このときの第1光結合素子1”および第2光結合素子2"の最も近接する頂点(凸部の中央)間の間隔は、dΛ=4.96μmまたはd=5.22μmとなる。
パワー差が−0.5〜0.5の範囲に入る好ましいdの条件は、
1≦d≦1.16 (17)
または
1.47+i≦d≦1.77+i (18)
または
1.92+i≦d≦2.16+i (19)
である。
パワー差が−0.2〜0.2の範囲に入るさらに好ましいdの条件は、
1≦d≦1.08 (20)
または
1.55+i≦d≦1.66+i (21)
または
2.02+i≦d≦2.16+i (22)
である。
パワー差が−0.1〜0.1の範囲に入るさらに好ましいdの条件は、
1.01+i≦d≦1.06+i (23)
または
1.57+i≦d≦1.63+i (24)
である。
なお、図10は、TM偏光を有する入射光8、9を用いて、TMモ−ドの導波光を励振した場合の結果を示している。本実施形態では、TMモードの導波光を励振した場合の|P1−P2|の最大値は、TEモ−ドの導波光を励振した場合よりも例えば約1.5倍大きかった。しかし、偏光によるこの差は、三角形状の断面をもつグレーティングを用いた実施形態1の構成(約4.6倍)よりも小さかった。
従って、本実施形態の光検出装置29dにおいても、無偏光の入射光を用いるよりも、|P1−P2|の最大値が大きくなる直線偏光(本実施形態ではTM偏光)を用いる方がSN比を高くできる。すなわち、TM偏光を主成分とする入射光8、9(直線偏光または楕円偏光)を用いることにより、SN比が向上し、検出感度を高めることができる。
図12は、本実施形態の光検出装置29dにおいて、グレーティングの周期Λと好適な波長との関係を示すグラフである。このグラフは、グレーティングの溝の深さが一定値(tg=0.1μm)の場合の結果を示している。好適波長λは、Λの変化に対して線形的な関係を有することが分かった。このグラフから、好適波長λは、次の式(25)で良好に近似可能であることが分かった。
λ=1.6488Λ+0.11211 (25)
式(25)から、青の波長λ=0.46μmについてはΛ=211nmとなる。緑の波長λ=0.532μmについてはΛ=255nmとなる。赤の波長λ=0.632μmについてはΛ=315nmとなる。X方向の長さが凸部と凹部とで変わらない典型的なデューティ比0.5のグレーティング構成では、線幅(各凸部の幅)は周期の半分である。よって、深さtg=0.1μmの矩形断面を有するグレーティングを形成する場合、0.1μmの線幅の加工ができれば、RGBのそれぞれの波長に対応した光検出装置を実現できることが分かった。
図13は、本実施形態の変形例における光検出装置29eの構成を模式的に示す断面図である。この変形例では、第1光結合素子1”’および第2光結合素子2”’の各々は、XZ面に平行な断面の形状が半円形状のグレーティングである。断面が半円形状のグレーティング1”’、2”’は、実質的に矩形形状のグレーティング1”、2”の上部(角)が丸くなった形状と考えることができる。断面が半円形状のグレーティング1”’、2”’でも、矩形形状のグレーティング1”、2”の角が丸くなった形状でも、底面近くの側面が第1層3に略垂直に近くなっている。これらのグレーティングを用いた場合も、断面が矩形状のグレーティング1”、2”を用いた場合と同じような効果が得られる。すなわち、対象物からの透過光または反射光のコヒーレンスの度合いに基づいて対象物の情報を定量的に測定でき、構造が安定な小型かつ薄型の光検出装置を実現することができる。
(実施形態4)
次に、本開示の実施形態4の光検出装置を説明する。
図14Aは、本実施形態の光検出装置29fの構成を模式的に示す平面図である。図14Bは、図14AにおけるA−A’線断面図である。以下の説明では、図中に示される第1光結合素子1”a、1”b、1”c、1”dなどをまとめて第1光結合素子1”などと表記する。他の構成要素についても同様である。
本実施形態の光検出装置29fが実施形態3の光検出装置29dと異なる点は、光検出装置29fが、複数の検出単位14、14’を有していることにある。複数の検出単位14は、XY面に平行に2次元的に配列されている。複数の検出単位14’は、Y方向に配列されている。複数の検出単位14、14’の各々は、第1層3の一部、第2層4の一部、第1光結合素子1”、第2光結合素子2”、第1受光素子6’、および第2受光素子7’を含む。第1層3および第2層4は、複数の検出単位14、14’で共通である。本実施形態における光検出器は、イメージセンサ17である。第1層3において、複数の検出単位14のうちの隣接する2つの間の領域には、Y方向に溝19(幅wb、深さtb)が形成されている。第1層3において、複数の検出単位14’のうちの隣接する2つの間の領域には、X方向に溝19’(幅wb、深さtb)が形成されている。なお、図14Bでは、イメージセンサ17からの電気信号を出力する配線の図示は省略されている。図14Bには、X方向に並ぶ4個の検出単位14のみが示されているが、同様の構成が、Y方向に5組並んでいる。
本実施形態の光検出装置29fは、各々が実施形態3の光検出装置29dの構成を有する複数の検出単位を備えている。複数の検出単位は、第1の方向(この例ではX方向)の情報を検出する複数の第1検出単位14と、第1の方向に垂直な第2の方向(この例ではY方向)の情報を検出する複数の第2検出単位14’とを含む。第1検出単位14においては、第1受光素子6’および第2受光素子7’が第1の方向(X方向)に並んでいる。第2検出単位14’においては、第1受光素子6’および第2受光素子7’が第2の方向(Y方向)に並んでいる。
図14Aには、X方向に4つ、Y方向に5つの計20個(4×5配列)の検出単位14と、X方向に1つ、Y方向に2つの計2個(1×2配列)の検出単位14’とが配置された例が示されている。これは一例であり、検出単位14および検出単位14’の数および配置の態様はこの例に限定されない。少なくとも1つの第1検出単位14と、少なくとも1つの第2検出単位14’とが設けられていれば、対象物のX方向(第1方向)およびY方向(第2方向)の情報を取得することができる。
本実施形態の光検出装置29fは、対象物からの透過光または反射光のうち、隣接する入射光8、9を、それぞれの検出単位14、14’に入射させて検出する。これにより、対象物の2次元情報を定量的に測定できる。
図14Aに示す構成では、検出単位14、14'はストライプ状に配列されている。図示される左側の5行4列の20個の検出単位14は、X方向の情報を2次元的に検出する。右側の2行1列の2個の検出単位14’は、Y方向の情報を1次元的に検出する。各検出単位14で得られる対象物の情報は、それぞれX方向に関する情報であるため、右側の検出単位14'で得られるY方向に関する情報と統合することで、対象物の2次元情報を得ることができる。
本実施形態の光検出装置29fは、溝の方向がY方向(第2の方向)に平行なグレーティング1”a、1”b、1”c、1”d、2”a、2”b、2”c、2”dと、溝の方向がX方向(第1の方向)に平行なグレーティング1”A、1”B、2”A、2”Bとを備えている。このため、検出単位14にとってのTE偏光は検出単位14’にとってはTM偏光になり、検出単位14にとってのTM偏光は検出単位14’にとってはTE偏光になる。このため、検出単位14、14’の検出性能が偏光方向に極力依存しないことが好ましい。前述のように、実施形態1のような断面が三角形状のグレーティングを用いるよりも、断面が矩形状または半円形状のようなグレーティングを用いた方が、入射光8、9の偏光方向の違いによる|P1−P2|の最大値の差が小さい。よって、本実施形態では、図14Bに示すように、断面が矩形状のグレーティング1”が用いられている。ただし、これに限定されず、実施形態1のようなグレーティングを用いてもよい。
本実施形態では、第1層3における複数の検出単位14、14’の間の領域に溝19、19’(19a、19b、19c、19d、19e、19’a、19’b、19’c)が形成されている。このため、各検出単位14、14’から隣接する検出単位への導波光の漏れを減らすことができ、その結果、クロストークを低減できる。各溝19、19’の幅wbは、典型的にはグレーティングの周期Λよりも長い値、例えばΛ〜5Λに設定され得る。各溝19、19’の深さtbは、その下に導波モ−ドが生じない厚さ(いわゆるカットオフとなる厚さ)以上、例えばtb≧0.26μmに設定され得る。このような溝19、19’を設けることにより、隣の検出単位に漏れ出る導波光のパワーを、例えば1/3〜1/15にまで低減することができる。なお、tb=t1にしても良いし、第1層3を突き抜けてその下の第2層4にまで溝を形成しても良い。
次に、本実施形態の光検出装置29fの製造工程の一例を説明する。
図15A〜15Fは、本実施形態の光検出装置29fの製造工程の一例を示す断面図である。本実施形態の光検出装置29fの製造工程は、実施形態1の光検出装置29の製造工程とほぼ同様であるが、複数の検出単位14、14'を2次元的に配列して形成することと、溝19、19’、および配線取り出し穴24a、24bの形成を行うこととが異なる。
まず、図15Aに示すように、2次元的に配列された複数の受光素子6’、7’(6’a、6’b、6’c、6’d、7’a、7’b、7’c、7’d)を有するイメージセンサ17を用意する。なお、図15Aの断面図では、8個の受光素子6’、7’のみが図示されているが、実際には奥行方向(Y方向)にも複数の受光素子6’、7’が形成されている。次に、図15Bに示すように、イメージセンサ17の受光面(撮像面)上に、厚さt2の第2層4を成膜する。続いて、図15Cに示すように、第2層4の上に厚さt1の第1層3を成膜する。その後、図15Dに示すように、第1層3の上に、複数の第1光結合素子1”および複数の第2光結合素子2"を2次元的に同時に形成する。これにより、複数の検出単位14、14’が形成される。なお、図15Dには4つの検出単位のみが図示されている。その後、図15Eに示すように、第1層3における複数の検出単位14、14'の間の領域に複数の溝19、19’を形成する。さらに、第1層3および第2層4を貫通してイメージセンサ17の表面にある電極の金属パッド(図示無し)まで到達する複数の配線取り出し穴24(図15Eには穴24a、24bのみを図示)。その後、図15Fに示すように、複数の配線28a、28bを穴24a、24bを通して金属パッドに接続する。これにより、光検出装置29fが完成する。
図15A〜15Fの例では、イメージセンサ17が1つであるが、複数のイメージセンサ17を用いてもよい。実際には直径300mm程度の大きなSiウエハーに2次元的に多数形成したイメージセンサをベースに用いる場合が典型的である。このため、図15Eの工程の後に、1つのイメージセンサ17を含む光検出装置29fとしてチップ切り出しを行う工程を入れ、その後、図15Fに示すように配線を行ってもよい。
本実施形態では、全ての検出単位14、14’が同一の周期のグレーティング1”、2”を有している。すなわち、本実施形態の光検出装置29fは、特定の波長に適した構成を有している。しかし、図12を参照して説明したように、複数の周期を有するグレーティングを用いることにより、種々の波長に対応することができる。例えば、検出単位ごとにグレーティングの周期Λを変えてもよい。また、1つの検出単位の中で複数の周期を有するグレーティングを用いてもよい。これにより、斜め入射特性または波長特性が向上する効果が期待できる。
図16Aは、本実施形態の変形例における光検出装置29gの構成を模式的に示す断面図である。この例では、第1層3における複数の検出単位14の間の領域に溝が形成され、その溝に吸収膜23が堆積されている。吸収膜23を設けることにより、溝で生じる反射散乱光を低減し、光検出装置29gの迷光を低減してSN比を向上させることができる。吸収膜23は、例えばカーボンを添加した樹脂が用いられ得る。これ以外にも、消衰係数の大きい材料であれば同様に使用することができる。
図16Bは、本実施形態の他の変形例における光検出装置29hの構成を模式的に示す断面図である。この例では、第1層3における複数の検出単位14の間の領域に金属膜22のパターン(幅wm、厚さtm)が形成されている。金属膜22のパターン(すなわち金属製の凸部)を形成することにより、その領域では光の閉じ込め条件が崩れて導波モ−ドが存在できない状態になる。これにより、隣の検出単位に漏れ出る導波光のパワーを低減することが可能である。金属膜22に使用される金属は、例えば、Au、Ag、Cu、Al、W、Ti等であり得る。本発明者らの検証によれば、Au、Ag、CuよりもAl、W、Ti等の方が低減効果が大きいことが確認されている。金属膜22のX方向の寸法wmは、グレーティングの周期をΛとして、例えばwm=Λ〜5Λに設定され得る。金属膜22の厚さ(Z方向の寸法)はtmは、例えばtm=20〜100nmに設定され得る。このような構成により、隣の検出単位に漏れ出る導波光のパワーを、例えば1/5〜3/100程度に低減することができる。
この変形例では、第1層3上に金属膜22のパターンを形成することにより、溝を設ける必要がない。溝がないため、導波光の反射を低減することができる。導波光の反射が大きいと、検出単位14中の導波光10、11の干渉に影響を及ぼし、位相差検出の精度が低下する。本変形例によれば、導波光の反射を低減し、位相差検出の精度を向上させることができる。
図16Cは、本実施形態のさらに他の変形例における光検出装置29iの構成を模式的に示す断面図である。この例では、複数の検出単位14の間の領域にも連続的に光結合素子(グレーティング)が形成されている。グレーティングの上には金属膜22のパターンが形成されている。言い換えれば、本実施形態の光検出装置29iは、第1層3における複数の検出単位14の間の領域上に、金属膜で覆われた第3の光結合素子を有している。本変形例によれば、図16Bに示す光検出装置29hよりも、隣の検出単位に漏れ出る導波光のパワーをさらに低減することが可能である。よって、本変形例の構成は、クロストーク特性に優れている。
(実施形態5)
次に、本開示の実施形態5の光検出装置を説明する。
図17は、本実施形態の光検出装置29jの構成を模式的に示す平面図である。本実施形態の光検出装置29jは、実施形態4の光検出装置29fにおける複数の検出単位14、14’の配列(ストライプ状の配列と称する)を、千鳥状(staggered)の配列に変更した構成を有する。以下、本実施形態の光検出装置29jを、実施形態4の光検出装置29fと異なる点を中心に説明する。
本実施形態では、ある行の検出単位14のX方向の位置と、隣接する他の行の検出単位14のX方向の位置とが、半周期ずれている。同様に、ある列の検出単位14’のY方向の位置と、隣接する他の列の検出単位14’のY方向の位置とが、半周期ずれている。このような配列を、「千鳥状の配列」と称する。このような配列により、X方向およびY方向のいずれについても分解能を実質的に向上させることが可能である。
以上、本開示の技術の例示として、実施形態1〜5の光検出装置29〜29jおよび光検出システムを説明した。本開示における技術は、これらに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。上記実施形態における構成要素を組み合わせて、他の実施形態を構成することも可能である。
本開示における光検出技術は、たとえば、対象物の表面情報を測定するカメラまたは測定機器に有用である。
1 第1光結合素子
2 第2光結合素子
3 第1層
4 第2層
5 光検出器
6 第1受光素子
7 第2受光素子
8 第1入射光
9 第2入射光
10 第1導波光
11 第2導波光
12 第1透過光
13 第2透過光
14 検出単位
15 第1電気信号
16 第2電気信号
17 イメージセンサ
18 対象物に関する情報の電気信号
19 溝
20 演算回路
21 対象物
22 金属膜パターン
23 吸収膜
24 配線取り出し穴
25 光源
26 出射光
27 スペース領域
28 配線
29 光検出装置
30 偏光素子

Claims (24)

  1. 第1受光素子および第2受光素子を有する光検出器と、
    前記第1受光素子および前記第2受光素子の上に配置された透光性の第1層と、
    前記光検出器と前記第1層との間において前記第1層に接し、前記第1層よりも低い屈折率を有する透光性の第2層と、
    前記第1層において前記第1受光素子に対向する透光性の第1光結合素子と、
    前記第1層において前記第2受光素子に対向する透光性の第2光結合素子と、
    を備え、
    前記第1層と前記第2層は積層されており、
    前記第1光結合素子は、前記第1光結合素子に入射した光の一部を、前記第1層内において、前記第2光結合素子に向かう方向に伝搬させ、
    前記第2光結合素子は、前記第2光結合素子に入射した光の一部を、前記第1層内において、前記第1光結合素子に向かう方向に伝搬させ
    前記第1受光素子および前記第2受光素子は、第1の方向に並び、
    前記第1光結合素子は、各々が前記第1の方向に垂直な第2の方向に溝を有し、前記第1の方向に配列された複数の透光性部材を有する第1グレーティングであり、
    前記第2光結合素子は、各々が前記第1の方向に垂直な第2の方向に溝を有し、前記第1の方向に配列された複数の透光性部材を有する第2グレーティングであり、
    前記第1受光素子および前記第2受光素子は、空気中の波長がλの光を検出し、
    前記第1グレーティングおよび前記第2グレーティングの各々は、前記波長λよりも小さい周期Λを有する部分を含み、
    前記第1グレーティングおよび前記第2グレーティングの最も近接する2つの凸部の頂点間もしくは中心間の距離は、前記周期Λよりも大きく、
    前記光検出器は、前記第1グレーティングと前記第2グレーティングとの間のスペース領域に対向する第3受光素子をさらに有する、
    光検出装置。
  2. 光検出装置と、
    演算回路と、
    を備える光検出システムであって、
    前記光検出装置は、
    第1受光素子および第2受光素子を有する光検出器と、
    前記第1受光素子および前記第2受光素子の上に配置された透光性の第1層と、
    前記光検出器と前記第1層との間において前記第1層に接し、前記第1層よりも低い屈折率を有する透光性の第2層と、
    前記第1層において前記第1受光素子に対向する透光性の第1光結合素子と、
    前記第1層において前記第2受光素子に対向する透光性の第2光結合素子と、
    を備え、
    前記第1層と前記第2層は積層されており、
    前記第1光結合素子は、前記第1光結合素子に入射した光の一部を、前記第1層内において、前記第2光結合素子に向かう方向に伝搬させ、
    前記第2光結合素子は、前記第2光結合素子に入射した光の一部を、前記第1層内において、前記第1光結合素子に向かう方向に伝搬させ、
    前記演算回路は、前記第1受光素子から出力される第1電気信号、および前記第2受光素子から出力される第2電気信号に基づいて、対象物の構造に関する情報を生成して出力し、
    前記対象物の構造に関する前記情報は、前記第1電気信号および前記第2電気信号から推定される、前記第1光結合素子に入射した光と前記第2光結合素子に入射した光との間のコヒーレンス差又は位相差に基づいて生成される、
    光検出システム。
  3. 前記第1光結合素子に入射した光の一部は、前記第1層および前記第2層を透過して前記第1受光素子に入射し、
    前記第2光結合素子に入射した光の一部は、前記第1層および前記第2層を透過して前記第2受光素子に入射する、
    請求項に記載の光検出システム
  4. 前記第1受光素子および前記第2受光素子は、第1の方向に並び、
    前記第1光結合素子は、各々が前記第1の方向に垂直な第2の方向に溝を有し、前記第1の方向に配列された複数の透光性部材を有する第1グレーティングであり、
    前記第2光結合素子は、各々が前記第1の方向に垂直な第2の方向に溝を有し、前記第1の方向に配列された複数の透光性部材を有する第2グレーティングである、
    請求項またはに記載の光検出システム
  5. 前記第1グレーティング、前記第2グレーティング、および前記第1層は、同一の材料で構成された単一構造体である、請求項に記載の光検出システム
  6. 前記第1受光素子および前記第2受光素子は、空気中の波長がλの光を検出し、
    前記第1グレーティングおよび前記第2グレーティングの各々は、前記波長λよりも小さい周期Λを有する部分を含む、
    請求項またはに記載の光検出システム
  7. 前記第1層の屈折率をn1、前記第2層の屈折率をn2とすると、前記周期Λは、
    λ/n1<Λ<λ/n2
    を満たす、請求項に記載の光検出システム
  8. 前記第1グレーティングおよび前記第2グレーティングの各々は、互いに異なる周期を有する複数の部分を含む、請求項またはに記載の光検出システム
  9. 前記第1グレーティングおよび前記第2グレーティングの最も近接する2つの凸部の頂点間もしくは中心間の距離は、前記周期Λよりも大きい、請求項からのいずれかに記載の光検出システム
  10. 前記光検出器は、前記第1グレーティングと前記第2グレーティングとの間のスペース領域に対向する第3受光素子をさらに有する、請求項に記載の光検出システム
  11. 前記第1グレーティングおよび前記第2グレーティングの各々の、前記第2の方向に垂直な断面の形状は、三角形状、台形状、および正弦波形状のいずれかであり、
    0以上の整数をiとして、
    i+1.05≦d≦i+1.26、または
    i+1.58≦d≦i+1.79
    を満たすdに関して、
    前記第1グレーティングおよび前記第2グレーティングの最も近接する2つの凸部の頂点間もしくは中心間の距離はdΛである、
    請求項または10に記載の光検出システム
  12. 前記第1グレーティングおよび前記第2グレーティングの各々の、前記第2の方向に垂直な断面の形状は、矩形状、角の丸い矩形状、および半円形状のいずれかであり、
    0以上の整数をiとして、
    1<d≦1.16、
    i+1.47≦d≦i+1.77、および
    i+1.92≦d≦i+2.16
    のいずれかを満たすdに関して、
    前記第1グレーティングおよび第2グレーティングの最も近接する2つの凸部の頂点間もしくは中心間の距離はdΛである、
    請求項または10に記載の光検出システム
  13. 対象物と、前記第1光結合素子および前記第2光結合素子との間に配置され、TE偏光成分よりもTM偏光成分を多く含む光を前記第1光結合素子および前記第2光結合素子に入射させる偏光素子をさらに備える、請求項から12のいずれかに記載の光検出システム
  14. 2次元的に配列された複数の検出単位を有し、
    前記複数の検出単位の各々は、前記第1層の一部、前記第2層の一部、前記第1光結合素子、前記第2光結合素子、前記第1受光素子、および前記第2受光素子を含む、
    請求項から13のいずれかに記載の光検出システム
  15. 前記第1層における前記複数の検出単位の間の領域に溝を有する、請求項14に記載の光検出システム
  16. 前記第1層における前記複数の検出単位の間の領域上に金属膜を有する、請求項14に記載の光検出システム
  17. 前記第1層における前記複数の検出単位の間の領域上に、金属膜で覆われた第3の光結合素子を有する、請求項14に記載の光検出システム
  18. 前記複数の検出単位は、前記第1受光素子および前記第2受光素子が並ぶ第1の方向および前記第1の方向に垂直な第2の方向の少なくとも一方の方向に配列されている、請求項14から17のいずれかに記載の光検出システム
  19. 前記複数の検出単位は、千鳥状に配置されている、請求項14から18のいずれかに記載の光検出システム
  20. 前記複数の検出単位は、
    前記第1受光素子および前記第2受光素子が第1の方向に並ぶ少なくとも1つの第1検出単位と、
    前記第1受光素子および前記第2受光素子が前記第1の方向に垂直な第2の方向に並ぶ少なくとも1つの第2検出単位と、
    を含む、請求項14から19のいずれかに記載の光検出システム
  21. 前記光検出器は、前記第1受光素子と前記第2受光素子との間に配置された第3受光素子をさらに有する、請求項からのいずれかに記載の光検出システム
  22. 前記第2層は酸化物の無機材料、窒化物、硫化物、炭化物、または弗化物のいずれかを少なくとも含む、請求項から21のいずれかに記載の光検出システム
  23. 空気中での波長がλの光を出射する光源をさらに備え、
    前記第1受光素子および前記第2受光素子は、前記光源から出射され、対象物から到達した前記波長λの光を検出する、
    請求項2から22のいずれかに記載の光検出システム。
  24. 前記光源は、TE偏光成分よりもTM偏光成分を多く含む光を出射するように配置されている、請求項23に記載の光検出システム。
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