JPH06281414A - 光集積型変位計測装置 - Google Patents
光集積型変位計測装置Info
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- JPH06281414A JPH06281414A JP6946793A JP6946793A JPH06281414A JP H06281414 A JPH06281414 A JP H06281414A JP 6946793 A JP6946793 A JP 6946793A JP 6946793 A JP6946793 A JP 6946793A JP H06281414 A JPH06281414 A JP H06281414A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 マイクロマシン等の可動部の微小変位を最高
分解能が数nm程度の高精度で計測することができ、か
つその測定系の構成が小さく、基板上に集積可能で作成
が容易な光集積型変位計測装置を提供すること。 【構成】 微小開口型PSTMを検出光学系とし、PS
TMの微小開口106に所定の周期構造を持つ基準格子
108を微小距離隔てて配置し、PSTMと基準格子1
08との相対変位を計測する変位計測装置において、P
STMを、微小開口106を有する光反射膜109と、
光反射膜109の基準格子108とは反対側に配置され
た平面型光導波路103と、光導波路103に光結合し
て微小開口106に光を照射する半導体レーザ104
と、光導波路103に光結合して微小開口106からの
エバネッセント光を検出する光検出器107とから構成
し、これら103,104,107及び109を同一基
板101に集積したことを特徴とする。
分解能が数nm程度の高精度で計測することができ、か
つその測定系の構成が小さく、基板上に集積可能で作成
が容易な光集積型変位計測装置を提供すること。 【構成】 微小開口型PSTMを検出光学系とし、PS
TMの微小開口106に所定の周期構造を持つ基準格子
108を微小距離隔てて配置し、PSTMと基準格子1
08との相対変位を計測する変位計測装置において、P
STMを、微小開口106を有する光反射膜109と、
光反射膜109の基準格子108とは反対側に配置され
た平面型光導波路103と、光導波路103に光結合し
て微小開口106に光を照射する半導体レーザ104
と、光導波路103に光結合して微小開口106からの
エバネッセント光を検出する光検出器107とから構成
し、これら103,104,107及び109を同一基
板101に集積したことを特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板上に集積可能な光
集積型変位計測装置に係わり、特に微小開口からのエバ
ネッセント光を測定するフォトン走査トンネル顕微鏡を
用いた光集積型変位計測装置に関する。
集積型変位計測装置に係わり、特に微小開口からのエバ
ネッセント光を測定するフォトン走査トンネル顕微鏡を
用いた光集積型変位計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のメカニカルな精密ステージでは、
格子パターンを持つスケール板と受光素子及び発光素子
を組み合わせたリニアエンコーダや、レーザ干渉計等に
よる変位計測が行われている。レーザを用いた方式の一
例を図8に示す。光の強度によらず、位相差のみを用い
ることによって検出分解能を向上させることが試みられ
ている。以下、本図に基づいてその原理説明する。
格子パターンを持つスケール板と受光素子及び発光素子
を組み合わせたリニアエンコーダや、レーザ干渉計等に
よる変位計測が行われている。レーザを用いた方式の一
例を図8に示す。光の強度によらず、位相差のみを用い
ることによって検出分解能を向上させることが試みられ
ている。以下、本図に基づいてその原理説明する。
【0003】これは、変位によって生じる光路差の変化
を光の位相差に変えて検出する。測定には周波数の極僅
かに違う2つの光A,Bを用いる。それぞれの光は偏波
面が直交する直線偏光である。このため、2つの光A,
Bは干渉せずに同一の光路を進める。2つの光A,Bは
センサ部のビームスプリッタ1に向かい、それぞれ2つ
の経路に分かれる。ビームスプリッタ1を反射する経路
では、そのまま直線偏光に対して45°傾けてある偏光
板2を通ってそれぞれの光A,Bが干渉する。これを参
照光とする。ビームスプリッタ1を透過する経路では、
光A,Bはビームスプリッタ4によりさらに2つに分か
れ、その一方は被測定物8に当たり、他方は鏡6で反射
する。そして、これらの光は偏光板9を通って干渉し、
信号光10となる。参照光3と信号光10はそれぞれう
なりを生じている。この2つのうなりの位相差を測り、
その変化から被測定物8の変位を求める。
を光の位相差に変えて検出する。測定には周波数の極僅
かに違う2つの光A,Bを用いる。それぞれの光は偏波
面が直交する直線偏光である。このため、2つの光A,
Bは干渉せずに同一の光路を進める。2つの光A,Bは
センサ部のビームスプリッタ1に向かい、それぞれ2つ
の経路に分かれる。ビームスプリッタ1を反射する経路
では、そのまま直線偏光に対して45°傾けてある偏光
板2を通ってそれぞれの光A,Bが干渉する。これを参
照光とする。ビームスプリッタ1を透過する経路では、
光A,Bはビームスプリッタ4によりさらに2つに分か
れ、その一方は被測定物8に当たり、他方は鏡6で反射
する。そして、これらの光は偏光板9を通って干渉し、
信号光10となる。参照光3と信号光10はそれぞれう
なりを生じている。この2つのうなりの位相差を測り、
その変化から被測定物8の変位を求める。
【0004】また最近、走査トンネル顕微鏡(STM)
や原子間力顕微鏡(AFM)で、結晶格子等を基準とし
て可動部の変位計測を行うという、観察装置としてでは
なく変位計測装置としての用法が提案されている。この
方法においては、0.1nm程度の高精度な変位計測が
期待されている。
や原子間力顕微鏡(AFM)で、結晶格子等を基準とし
て可動部の変位計測を行うという、観察装置としてでは
なく変位計測装置としての用法が提案されている。この
方法においては、0.1nm程度の高精度な変位計測が
期待されている。
【0005】一方、マイクロマシンは研究が開始された
ばかりであり、微小光学素子の集積化技術をもとに、レ
ーザ干渉計やリニアエンコーダ,或いはロータリーエン
コーダをマイクロマシンと同一の基板上に集積化する技
術が期待されている。その一例を図9に示す。これは、
レーザ干渉計による変位計測装置の一部を集積したもの
である。以下、本図に基づいてその構成と作用を説明す
る。
ばかりであり、微小光学素子の集積化技術をもとに、レ
ーザ干渉計やリニアエンコーダ,或いはロータリーエン
コーダをマイクロマシンと同一の基板上に集積化する技
術が期待されている。その一例を図9に示す。これは、
レーザ干渉計による変位計測装置の一部を集積したもの
である。以下、本図に基づいてその構成と作用を説明す
る。
【0006】基板51面上に、非対称X分岐導波路52
が作成されている。分岐導波路52の一方の端面に端面
ミラー53が、他方の導波路端面にはロッドレンズ54
が、また逆の2つの導波路端面にはマルチモードファイ
バ56と偏波面保存ファイバ57が設けられている。非
対称X分岐導波路52は、4本のチャネル型光導波路を
1箇所で結合した構成で、その導波路幅は1組が同じ
で、他の1組が異なっている。非対称X分岐導波路52
は通常のビームスプリッタの動作と同様な振る舞いをす
ると同時に、モードの選択性がある。
が作成されている。分岐導波路52の一方の端面に端面
ミラー53が、他方の導波路端面にはロッドレンズ54
が、また逆の2つの導波路端面にはマルチモードファイ
バ56と偏波面保存ファイバ57が設けられている。非
対称X分岐導波路52は、4本のチャネル型光導波路を
1箇所で結合した構成で、その導波路幅は1組が同じ
で、他の1組が異なっている。非対称X分岐導波路52
は通常のビームスプリッタの動作と同様な振る舞いをす
ると同時に、モードの選択性がある。
【0007】即ち、導波路52aから入射した光は導波
路52c,52dに均等に分かれて伝搬するが、導波路
52c,52dからの反射光が同相,逆相の場合はそれ
ぞれ、導波路52a,52bに伝搬する。従って、導波
路52aから光を入射し、導波路52bで反射光を検出
すると、導波路52c,52dからの反射光の位相が検
出できる。これにより、端面ミラー53からの反射光を
参照光として、ロッドレンズ54から離れて設けられた
可動部のミラー55からの反射光の位相を検出でき、そ
の結果、可動部の変位を測定できる。
路52c,52dに均等に分かれて伝搬するが、導波路
52c,52dからの反射光が同相,逆相の場合はそれ
ぞれ、導波路52a,52bに伝搬する。従って、導波
路52aから光を入射し、導波路52bで反射光を検出
すると、導波路52c,52dからの反射光の位相が検
出できる。これにより、端面ミラー53からの反射光を
参照光として、ロッドレンズ54から離れて設けられた
可動部のミラー55からの反射光の位相を検出でき、そ
の結果、可動部の変位を測定できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように近年、数十
nmから数nm程度の高い分解能を持ち、かつマイクロ
マシン等と共に集積化可能で作成の用意な変位計測装置
が期待されている。ところが、エンコーダはその機構
上、変位分解能が低く、数μm程度であり、それを改良
したレーザを用いたエンコーダでの分解能も0.5μm
程度である。従来の個別部品から構成されたエンコーダ
を、微細化して集積化することは可能であると考えられ
る。しかし、変位分解能が前述のように低く高々数μm
程度であり、かなり低い。
nmから数nm程度の高い分解能を持ち、かつマイクロ
マシン等と共に集積化可能で作成の用意な変位計測装置
が期待されている。ところが、エンコーダはその機構
上、変位分解能が低く、数μm程度であり、それを改良
したレーザを用いたエンコーダでの分解能も0.5μm
程度である。従来の個別部品から構成されたエンコーダ
を、微細化して集積化することは可能であると考えられ
る。しかし、変位分解能が前述のように低く高々数μm
程度であり、かなり低い。
【0009】また、レーザ干渉計を用いた変位計測装置
での変位分解能は使用する光の波長や変位検出方式にも
よるが、一般的に0.1μm程度である。前述したよう
に、これを改良して分解能を数nm程度に向上した図8
に示したもの等も検討されている。しかし、これらは個
別の光学部品によっていずれ実現されるであろうが、こ
のように複雑で精度の要求される光学部品からなる検出
光学系を集積化することは非常に困難である。
での変位分解能は使用する光の波長や変位検出方式にも
よるが、一般的に0.1μm程度である。前述したよう
に、これを改良して分解能を数nm程度に向上した図8
に示したもの等も検討されている。しかし、これらは個
別の光学部品によっていずれ実現されるであろうが、こ
のように複雑で精度の要求される光学部品からなる検出
光学系を集積化することは非常に困難である。
【0010】前述のSTMを用いた方法においては、被
測定物を導電状態に保つ必要があり、汎用の変位測定装
置としての応用は難しい。また、STM及びAFMのい
ずれの場合においても、探針の作成は一般に難しく、そ
の構造の特性から非常に破損し易く探針の保護が必要で
ある。さらに、寸法基準として凹凸のある格子を用いた
場合においてその形状に沿った探針の上下機構も必要で
あり、装置構成が複雑になる。そのために、測定する変
位が速いものに対しては追従することができない。この
ように、この方法においては、高精度な変位計測が期待
できる反面、前記のような多くの問題点がある。また、
当然ながら、該方法をマイクロマシン等と共に集積化す
ることは、その作成上極めて困難である。
測定物を導電状態に保つ必要があり、汎用の変位測定装
置としての応用は難しい。また、STM及びAFMのい
ずれの場合においても、探針の作成は一般に難しく、そ
の構造の特性から非常に破損し易く探針の保護が必要で
ある。さらに、寸法基準として凹凸のある格子を用いた
場合においてその形状に沿った探針の上下機構も必要で
あり、装置構成が複雑になる。そのために、測定する変
位が速いものに対しては追従することができない。この
ように、この方法においては、高精度な変位計測が期待
できる反面、前記のような多くの問題点がある。また、
当然ながら、該方法をマイクロマシン等と共に集積化す
ることは、その作成上極めて困難である。
【0011】本発明は、このような問題点を鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、マイクロマ
シン等の可動部の微小変位を数nm程度の高精度で計測
することができ、かつその測定系の構成が小さく、基板
上に集積可能で作成が容易な光集積型変位計測装置を提
供することにある。
れたものであり、その目的とするところは、マイクロマ
シン等の可動部の微小変位を数nm程度の高精度で計測
することができ、かつその測定系の構成が小さく、基板
上に集積可能で作成が容易な光集積型変位計測装置を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、次のような構成を採用している。即ち本発
明は、光導波路を用いて基板上に集積可能な光集積型変
位計測装置において、微小開口からのエバネッセント光
のパワー又は周波数シフト量を測定するフォトン走査ト
ンネル顕微鏡を検出光学系とし、このフォトン走査トン
ネル顕微鏡の微小開口に所定の周期構造を持つ基準格子
を微小距離隔てて配置し、これらフォトン走査トンネル
顕微鏡と基準格子との相対変位を計測するものであり、
フォトン走査トンネル顕微鏡を、微小開口を有する光反
射膜と、この光反射膜の基準格子とは反対側に配置され
た平面型光導波路と、この光導波路に光結合されて微小
開口に光を照射する半導体発光素子と、光導波路に光結
合されて微小開口からのエバネッセント光を検出する光
検出器とから構成し、かつ光反射膜,半導体発光素子,
光導波路及び光検出器を同一基板に集積してなることを
特徴とする。また、本発明の望ましい実施態様として
は、次のものが上げられる。
に本発明は、次のような構成を採用している。即ち本発
明は、光導波路を用いて基板上に集積可能な光集積型変
位計測装置において、微小開口からのエバネッセント光
のパワー又は周波数シフト量を測定するフォトン走査ト
ンネル顕微鏡を検出光学系とし、このフォトン走査トン
ネル顕微鏡の微小開口に所定の周期構造を持つ基準格子
を微小距離隔てて配置し、これらフォトン走査トンネル
顕微鏡と基準格子との相対変位を計測するものであり、
フォトン走査トンネル顕微鏡を、微小開口を有する光反
射膜と、この光反射膜の基準格子とは反対側に配置され
た平面型光導波路と、この光導波路に光結合されて微小
開口に光を照射する半導体発光素子と、光導波路に光結
合されて微小開口からのエバネッセント光を検出する光
検出器とから構成し、かつ光反射膜,半導体発光素子,
光導波路及び光検出器を同一基板に集積してなることを
特徴とする。また、本発明の望ましい実施態様として
は、次のものが上げられる。
【0013】(1) フォトン走査トンネル顕微鏡は微小開
口型フォトン走査トンネル顕微鏡であり、光検出器は微
小開口からの微小開口からのエバネッセント光のパワー
を検出するものであること。
口型フォトン走査トンネル顕微鏡であり、光検出器は微
小開口からの微小開口からのエバネッセント光のパワー
を検出するものであること。
【0014】(2) フォトン走査トンネル顕微鏡は反射共
振型フォトン走査トンネル顕微鏡であり、光検出器は微
小開口からのエバネッセント光により生じた位相差を光
共振法により検出するものであること。 (3) 基準格子として、複数の異なる屈折率を持つ材料を
周期的に堆積した積層膜の積層方向端面を用いること。 (4) 基準格子として、ピッチの異なる複数の格子を重ね
合わせたこと。 (5) 基準格子として、複数の凹凸型格子と複数の積層型
格子とを重ね合わせたこと。 (6) 基準格子の任意の部分の屈折率がそれ以外の部分と
は異なること。
振型フォトン走査トンネル顕微鏡であり、光検出器は微
小開口からのエバネッセント光により生じた位相差を光
共振法により検出するものであること。 (3) 基準格子として、複数の異なる屈折率を持つ材料を
周期的に堆積した積層膜の積層方向端面を用いること。 (4) 基準格子として、ピッチの異なる複数の格子を重ね
合わせたこと。 (5) 基準格子として、複数の凹凸型格子と複数の積層型
格子とを重ね合わせたこと。 (6) 基準格子の任意の部分の屈折率がそれ以外の部分と
は異なること。
【0015】
【作用】まず、本発明の基本となるフォトン走査トンネ
ル顕微鏡(以下、PSTMと略記する)に関しては、近
年盛んに研究が行われており、その概要は文献“フォト
ン走査トンネル顕微鏡”(光学,1991,Vlo.20,No.3,p.1
34)等に詳しく記載されている。
ル顕微鏡(以下、PSTMと略記する)に関しては、近
年盛んに研究が行われており、その概要は文献“フォト
ン走査トンネル顕微鏡”(光学,1991,Vlo.20,No.3,p.1
34)等に詳しく記載されている。
【0016】次に、本発明の原理と作用を説明する。上
記文献では横方向分解能としては数十nmの特性が報告
され、さらに1nm以下の分解能の可能性が示唆されて
いる。従って、PSTMでピッチが既知の基準格子の一
部を観察した状態を保ち、その一方で基準格子を変位さ
せれば、後述する図1(c)に示す信号を得て、既知の
基準格子のピッチ寸法を基に変位量を算出することがで
きる。つまり、変位量はPSTMの観察結果として測定
可能であり、かつその分解能も十分に高い。
記文献では横方向分解能としては数十nmの特性が報告
され、さらに1nm以下の分解能の可能性が示唆されて
いる。従って、PSTMでピッチが既知の基準格子の一
部を観察した状態を保ち、その一方で基準格子を変位さ
せれば、後述する図1(c)に示す信号を得て、既知の
基準格子のピッチ寸法を基に変位量を算出することがで
きる。つまり、変位量はPSTMの観察結果として測定
可能であり、かつその分解能も十分に高い。
【0017】また、PSTMは波長以下の微小開口から
の光のしみ出しと観察物体の相互作用によるものである
ため、基準格子は単なる凹凸だけではなく材質の変化、
つまり屈折率の変化を持たせたものでもよい。さらに、
基準格子の凹凸は、材料を特に格子状に加工することな
く、材料そのものの分子或いは原子からなる結晶格子を
用いることもできる。
の光のしみ出しと観察物体の相互作用によるものである
ため、基準格子は単なる凹凸だけではなく材質の変化、
つまり屈折率の変化を持たせたものでもよい。さらに、
基準格子の凹凸は、材料を特に格子状に加工することな
く、材料そのものの分子或いは原子からなる結晶格子を
用いることもできる。
【0018】上述の原理を用い本発明では、PSTMと
基準格子によって集積可能な変位測定装置を実現するた
めに、微小開口を有する反射膜、平面型光導波路、半導
体レーザは発光ダイオード等の半導体発光素子、フォト
ダイオード等の光検出器を同一基板に集積化してPST
Mを構成している。従って本発明によれば、マイクロマ
シン等の可動部の微小変位をPSTMの分解能である数
nm程度の高精度で計測することができ、しかもPST
Mを同一基板上に集積して形成していることから、PS
TMの構成が小さく作成が容易な光集積型変位計測装置
を提供することが可能となる。
基準格子によって集積可能な変位測定装置を実現するた
めに、微小開口を有する反射膜、平面型光導波路、半導
体レーザは発光ダイオード等の半導体発光素子、フォト
ダイオード等の光検出器を同一基板に集積化してPST
Mを構成している。従って本発明によれば、マイクロマ
シン等の可動部の微小変位をPSTMの分解能である数
nm程度の高精度で計測することができ、しかもPST
Mを同一基板上に集積して形成していることから、PS
TMの構成が小さく作成が容易な光集積型変位計測装置
を提供することが可能となる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 (実施例1)
する。 (実施例1)
【0020】図1は、本発明の第1の実施例に係わる光
集積型変位計測装置を説明するためのもので、(a)
(b)は装置構成を示す断面図、(c)は検出信号波形
図である。なお、図1の(a)は(b)の矢視A−A′
断面に相当している。この実施例は、微小開口型PST
Mを基板上に集積化すると共に基準格子を用いて変位計
測装置を構成するものである。以下、本図に基づいて本
実施例における装置構成を説明する。
集積型変位計測装置を説明するためのもので、(a)
(b)は装置構成を示す断面図、(c)は検出信号波形
図である。なお、図1の(a)は(b)の矢視A−A′
断面に相当している。この実施例は、微小開口型PST
Mを基板上に集積化すると共に基準格子を用いて変位計
測装置を構成するものである。以下、本図に基づいて本
実施例における装置構成を説明する。
【0021】図1(a)(b)に示すように、半導体材
料などからなる基板101上に、バッファ層102及び
光導波路103からなる平面型光導波路構造が形成され
ている。基板101の一端面には、一部に微小開口10
6を有する反射膜109が設けられている。光導波路1
03の端面には、半導体レーザ等からなる光源104
が、光導波路103に導波光を励起させるように設けら
れている。光源104と反射膜109との間には、光源
104からの光を平行光に変換する導波路型コリメート
レンズ105が設けられている。また、反射膜109に
設けられた微小開口106から散乱される光を受光で
き、かつ反射膜109から反射される光を直接受光しな
い位置に、光検出器107が配置されている。
料などからなる基板101上に、バッファ層102及び
光導波路103からなる平面型光導波路構造が形成され
ている。基板101の一端面には、一部に微小開口10
6を有する反射膜109が設けられている。光導波路1
03の端面には、半導体レーザ等からなる光源104
が、光導波路103に導波光を励起させるように設けら
れている。光源104と反射膜109との間には、光源
104からの光を平行光に変換する導波路型コリメート
レンズ105が設けられている。また、反射膜109に
設けられた微小開口106から散乱される光を受光で
き、かつ反射膜109から反射される光を直接受光しな
い位置に、光検出器107が配置されている。
【0022】このように構成された検出光学系の微小開
口106に微小間隔を持って基準格子108が配置され
ている。図2は、この実施例に用いた基準格子108の
構成を示す斜視図である。基準格子108としては、図
2(a)に示すように格子材料201の表面に周期的凹
凸を設けたもの、又は図2(b)に示すように異なる屈
折率を持つ材料201,202を周期的に複数堆積した
積層膜の端面構造を用いる。材料の積層には、従来の半
導体素子製造技術、特にMOCVDやMBE技術を用い
れば、単原子層の堆積が容易に実現する。これにより、
微小ピッチの基準格子108の作成が可能である。
口106に微小間隔を持って基準格子108が配置され
ている。図2は、この実施例に用いた基準格子108の
構成を示す斜視図である。基準格子108としては、図
2(a)に示すように格子材料201の表面に周期的凹
凸を設けたもの、又は図2(b)に示すように異なる屈
折率を持つ材料201,202を周期的に複数堆積した
積層膜の端面構造を用いる。材料の積層には、従来の半
導体素子製造技術、特にMOCVDやMBE技術を用い
れば、単原子層の堆積が容易に実現する。これにより、
微小ピッチの基準格子108の作成が可能である。
【0023】なお、変位を発生する部分に基準格子10
8、或いは検出光学系のいずれかが固定されている。ま
た、上述の光導波層103,光源104、光検出器10
7等からなる検出光学系及び基準格子108は、従来の
半導体素子形成技術により容易に実現できる。
8、或いは検出光学系のいずれかが固定されている。ま
た、上述の光導波層103,光源104、光検出器10
7等からなる検出光学系及び基準格子108は、従来の
半導体素子形成技術により容易に実現できる。
【0024】次に、本実施例における作用を説明する。
光源104により光導波路103の端面から導波光が励
振される。光源104からの発散光はコリメートレンズ
105により平行光となり、反射膜109に開けられた
微小開口106とその周辺に入射して反射する。このと
き、微小開口106で散乱された光の一部が、光導波路
103内を伝搬して光検出器107に入射する。微小開
口106では光がその量子効果により反射膜109より
外側に極僅かだけしみ出してエバネセント光となってい
る。このため、しみ出し領域に物体があると、光と物体
が相互に作用し、その物体が変化すると、微小開口周辺
の複素屈折率が変調を受け、結果として微小開口106
からの散乱光が変調を受ける。
光源104により光導波路103の端面から導波光が励
振される。光源104からの発散光はコリメートレンズ
105により平行光となり、反射膜109に開けられた
微小開口106とその周辺に入射して反射する。このと
き、微小開口106で散乱された光の一部が、光導波路
103内を伝搬して光検出器107に入射する。微小開
口106では光がその量子効果により反射膜109より
外側に極僅かだけしみ出してエバネセント光となってい
る。このため、しみ出し領域に物体があると、光と物体
が相互に作用し、その物体が変化すると、微小開口周辺
の複素屈折率が変調を受け、結果として微小開口106
からの散乱光が変調を受ける。
【0025】従って、物体の変化を光検出器107の出
力として検出可能となる。ここで、物体としてピッチの
既知な基準格子108を用いれば、変位による信号は図
1(c)に示すようになり、信号とピッチ寸法から、基
準格子108或いは検出光学系の変位が測定可能とな
る。
力として検出可能となる。ここで、物体としてピッチの
既知な基準格子108を用いれば、変位による信号は図
1(c)に示すようになり、信号とピッチ寸法から、基
準格子108或いは検出光学系の変位が測定可能とな
る。
【0026】このように本実施例によれば、検出光学系
として変位量検出の最高分解能が高い微小開口型PST
Mを用いていることから、物体の変位を高精度で計測す
ることができる。しかも、PSTMを同一基板に集積化
して形成しているので、極めて小型で作成が容易な変位
計測装置を安価に実現することができる。 (実施例2)
として変位量検出の最高分解能が高い微小開口型PST
Mを用いていることから、物体の変位を高精度で計測す
ることができる。しかも、PSTMを同一基板に集積化
して形成しているので、極めて小型で作成が容易な変位
計測装置を安価に実現することができる。 (実施例2)
【0027】図3は、本発明の第2の実施例に係わる光
集積型変位計測装置の構成を示す断面図である。この実
施例は、第1の実施例とは異なり、反射型共振器PST
Mを検出光学系に用いたものである。以下、本図に基づ
いて本実施例における装置構成を説明する。
集積型変位計測装置の構成を示す断面図である。この実
施例は、第1の実施例とは異なり、反射型共振器PST
Mを検出光学系に用いたものである。以下、本図に基づ
いて本実施例における装置構成を説明する。
【0028】検出光学系の断面構造は第1の実施例と基
本的に同様であるが、本実施例では反射型PSTMを構
成するために、光源及び光検出器をそれぞれ2つずつ設
けている。
本的に同様であるが、本実施例では反射型PSTMを構
成するために、光源及び光検出器をそれぞれ2つずつ設
けている。
【0029】半導体材料などからなる基板301にバッ
ファ層及び光導波路310からなる平面型光導波路構造
が形成されている。半導体レーザ等からなる第1の光源
304aが、その両端から出射する光で光導波路310
の端面から光導波路310に導波光を励振させるように
設けられている。さらに、半導体レーザ等からなる第2
の光源304bが、光導波路310の別の端面から光導
波路310に導波光を励振させるように設けられてい
る。
ファ層及び光導波路310からなる平面型光導波路構造
が形成されている。半導体レーザ等からなる第1の光源
304aが、その両端から出射する光で光導波路310
の端面から光導波路310に導波光を励振させるように
設けられている。さらに、半導体レーザ等からなる第2
の光源304bが、光導波路310の別の端面から光導
波路310に導波光を励振させるように設けられてい
る。
【0030】第1の光源304aの一方の端面側の光導
波路310には、光源304aからの光を平行光に変換
する導波路型コリメートレンズ305aが設けられてい
る。光源304aから出射されレンズ305aにより平
行光に変換された光が導かれる光導波路310の端面に
は、微小開口306を有する反射膜309が設けられて
いる。さらに、光導波路310中には反射率をやや低め
にした反射膜302が設けられている。レンズ305a
と反射膜302との間には、2つの反射膜309,30
2による共振器からの戻り光を分岐させるための導波路
型ビームスプリッタ303a(以下、BSと略記する)
が設けられている。そして、ビームスプリッタ303a
で分岐された光が導かれる位置に第1の光検出器307
aが設けられている。
波路310には、光源304aからの光を平行光に変換
する導波路型コリメートレンズ305aが設けられてい
る。光源304aから出射されレンズ305aにより平
行光に変換された光が導かれる光導波路310の端面に
は、微小開口306を有する反射膜309が設けられて
いる。さらに、光導波路310中には反射率をやや低め
にした反射膜302が設けられている。レンズ305a
と反射膜302との間には、2つの反射膜309,30
2による共振器からの戻り光を分岐させるための導波路
型ビームスプリッタ303a(以下、BSと略記する)
が設けられている。そして、ビームスプリッタ303a
で分岐された光が導かれる位置に第1の光検出器307
aが設けられている。
【0031】一方、第1の光源304aの逆の端面側の
光導波路310には、コリメートレンズ305bとBS
303bが設けられている。また、光導波路310には
光源304bによる導波光を平行光とするコリメートレ
ンズ305cが設けられており、第2の光源304bか
ら出射されレンズ305cにより平行光に変換された光
はBS303bに導かれるようになっている。そして、
第2の光源304bによる導波光とBS303aを経由
した第1の光源304aからの導波光が同時に受光でき
る位置に、第2の光検出器307bが設けられている。
光導波路310には、コリメートレンズ305bとBS
303bが設けられている。また、光導波路310には
光源304bによる導波光を平行光とするコリメートレ
ンズ305cが設けられており、第2の光源304bか
ら出射されレンズ305cにより平行光に変換された光
はBS303bに導かれるようになっている。そして、
第2の光源304bによる導波光とBS303aを経由
した第1の光源304aからの導波光が同時に受光でき
る位置に、第2の光検出器307bが設けられている。
【0032】このように構成された検出光学系の微小開
口306に微小間隔を持って基準格子308が配置され
ている。勿論、変位を発生する部分に基準格子308、
或いは検出光学系のいずれかが固定されていることはい
うまでもない。上述の光導波路310、光源304a,
304b、光検出器307a,307b等からなる検出
光学系及び基準格子308は、従来の半導体素子形成技
術により容易に実現できる。
口306に微小間隔を持って基準格子308が配置され
ている。勿論、変位を発生する部分に基準格子308、
或いは検出光学系のいずれかが固定されていることはい
うまでもない。上述の光導波路310、光源304a,
304b、光検出器307a,307b等からなる検出
光学系及び基準格子308は、従来の半導体素子形成技
術により容易に実現できる。
【0033】次に、本実施例における作用を説明する。
第1の光源304aから光導波路端面より導波光が励振
される。光源304aの光は周波数が2つの反射膜30
9,302による共振器の共振周波数に一致させるよう
に第1の検出器307aの出力信号から制御する。光源
304aからの発散光はコリメートレンズ305aによ
り平行光となり2つの反射膜309,302により構成
される共振器に入射する。導波路端面に位置する反射膜
309に設けられた微小開口306から量子効果により
しみ出しているエバネッセント光が微小開口下部に位置
する基準格子308の変位によって摂動を受け、導波路
端面の反射膜309の複素反射率が変調させ、共振器の
共振周波数が変化する。このため、第1の光源304a
の周波数が変化する。この周波数の変化を、第2の光源
304bの光を参照光とすることにより、第2の検出器
307bの出力から測定できる。
第1の光源304aから光導波路端面より導波光が励振
される。光源304aの光は周波数が2つの反射膜30
9,302による共振器の共振周波数に一致させるよう
に第1の検出器307aの出力信号から制御する。光源
304aからの発散光はコリメートレンズ305aによ
り平行光となり2つの反射膜309,302により構成
される共振器に入射する。導波路端面に位置する反射膜
309に設けられた微小開口306から量子効果により
しみ出しているエバネッセント光が微小開口下部に位置
する基準格子308の変位によって摂動を受け、導波路
端面の反射膜309の複素反射率が変調させ、共振器の
共振周波数が変化する。このため、第1の光源304a
の周波数が変化する。この周波数の変化を、第2の光源
304bの光を参照光とすることにより、第2の検出器
307bの出力から測定できる。
【0034】従って、結果的には第1の実施例と同様な
検出信号を得て、該信号と既知の基準格子308のピッ
チ寸法とにより、基準格子308或いは検出光学系の変
位を測定することが可能となる。本構成により、変位量
検出の最高分解能が高い計測装置であり、作成が容易
で、基板上に集積化が可能で、安価な計測装置が実現さ
れる。 (実施例3)
検出信号を得て、該信号と既知の基準格子308のピッ
チ寸法とにより、基準格子308或いは検出光学系の変
位を測定することが可能となる。本構成により、変位量
検出の最高分解能が高い計測装置であり、作成が容易
で、基板上に集積化が可能で、安価な計測装置が実現さ
れる。 (実施例3)
【0035】図4は、本発明の第3の実施例に係わる光
集積型変位計測装置を説明するためのもので、(a)は
装置構成を示す断面図、(b)は検出信号波形図であ
る。この実施例では、2つのPSTMを同一基板上に配
置して検出光学系を構成するものである。以下、本図に
基づいて本実施例における装置構成を説明する。
集積型変位計測装置を説明するためのもので、(a)は
装置構成を示す断面図、(b)は検出信号波形図であ
る。この実施例では、2つのPSTMを同一基板上に配
置して検出光学系を構成するものである。以下、本図に
基づいて本実施例における装置構成を説明する。
【0036】第1の実施例と同様な微小開口型PSTM
からなる変位検出光学系が、同一の基板上に2個集積さ
れている。ここで、401,403(403a,403b),4
04(404a,404b),405(405a,405b),406
(406a,406b),407(407a,407b),408,40
9は図1の101,103,104,105,106,
107,108,109にそれぞれ相当している。
からなる変位検出光学系が、同一の基板上に2個集積さ
れている。ここで、401,403(403a,403b),4
04(404a,404b),405(405a,405b),406
(406a,406b),407(407a,407b),408,40
9は図1の101,103,104,105,106,
107,108,109にそれぞれ相当している。
【0037】2つのPSTMの構成及び動作は第1の実
施例と同様である。それぞれのPSTMの検出器407
a,407bに他方の散乱光が入射するのを防ぐため
に、光導波路403を部分的に取り除いた溝411が設
けられている。2つのPSTMが互いの出力の位相差が
90°となるように配置して検出光学系を構成する。
施例と同様である。それぞれのPSTMの検出器407
a,407bに他方の散乱光が入射するのを防ぐため
に、光導波路403を部分的に取り除いた溝411が設
けられている。2つのPSTMが互いの出力の位相差が
90°となるように配置して検出光学系を構成する。
【0038】このような構成であれば、検出器A(40
7a)の信号を基準として、基準格子408が同図上で
右に変位した場合の検出信号、左に変位した場合の検出
信号を示すと図4(b)に示すようになる。従って、検
出器Aの信号と検出器Bの信号の位相差における符号に
より、基準格子408の変位が同図上の左右どちらの方
向であるかが検出可能となる。
7a)の信号を基準として、基準格子408が同図上で
右に変位した場合の検出信号、左に変位した場合の検出
信号を示すと図4(b)に示すようになる。従って、検
出器Aの信号と検出器Bの信号の位相差における符号に
より、基準格子408の変位が同図上の左右どちらの方
向であるかが検出可能となる。
【0039】なお、本実施例では変位検出光学系に第1
の実施例の微小開口型PSTMを用いているが、第2の
実施例の反射共振器型PSTMを用いることもできる。
また、本実施例では検出光学系を2つ設けるが、従来の
半導体素子製造技術を用いれば、このことによって作成
が複雑になることはない。本実施例によって、測定装置
の製造方法を複雑にすることなく、本位の方向を判定で
きる変位計測装置が実現する。 (実施例4)
の実施例の微小開口型PSTMを用いているが、第2の
実施例の反射共振器型PSTMを用いることもできる。
また、本実施例では検出光学系を2つ設けるが、従来の
半導体素子製造技術を用いれば、このことによって作成
が複雑になることはない。本実施例によって、測定装置
の製造方法を複雑にすることなく、本位の方向を判定で
きる変位計測装置が実現する。 (実施例4)
【0040】第4の実施例、特にその基準格子の構成を
図5(a)に示す。本実施例では、凹凸型の格子と積層
膜型の格子を組み合わせて基準格子を構成する。以下、
本図に基づいて本実施例における装置構成を説明する。
また、その他の検出光学系は第1〜第3の実施例と同様
である。
図5(a)に示す。本実施例では、凹凸型の格子と積層
膜型の格子を組み合わせて基準格子を構成する。以下、
本図に基づいて本実施例における装置構成を説明する。
また、その他の検出光学系は第1〜第3の実施例と同様
である。
【0041】図5(a)に示すように、複数の格子でそ
の検出光学系に与える作用が異なる格子を、例えば格子
ベクトルを直交させて配置する。図5(a)では、凹凸
型の格子と、異なる屈折率を持つ格子材料501a,5
01bの積層膜型の格子を用いて、凹凸型格子の格子ベ
クトル方向をx軸方向に、積層膜格子型の格子ベクトル
方向をy軸方向に取る。
の検出光学系に与える作用が異なる格子を、例えば格子
ベクトルを直交させて配置する。図5(a)では、凹凸
型の格子と、異なる屈折率を持つ格子材料501a,5
01bの積層膜型の格子を用いて、凹凸型格子の格子ベ
クトル方向をx軸方向に、積層膜格子型の格子ベクトル
方向をy軸方向に取る。
【0042】基準格子がx軸方向に変位した場合の信号
波形を図5(b)に、y軸方向に変位した場合のそれを
図5(c)に、さらにxy方向に変位した場合のそれを
図5(d)に示す。これから明らかなように、本構成を
採用することによって、直交する2つの方向への変位を
判別することができる。つまり、被測定物の平面内の変
位を測定することが可能となる。
波形を図5(b)に、y軸方向に変位した場合のそれを
図5(c)に、さらにxy方向に変位した場合のそれを
図5(d)に示す。これから明らかなように、本構成を
採用することによって、直交する2つの方向への変位を
判別することができる。つまり、被測定物の平面内の変
位を測定することが可能となる。
【0043】なお、重ね合わせる格子の角度は上記90
°に限られるものではなく、重ね合わせる格子の数も2
つに限られるものではない。さらに、重ね合わせる各格
子のピッチを異なるように設定することも可能である。 (実施例5)
°に限られるものではなく、重ね合わせる格子の数も2
つに限られるものではない。さらに、重ね合わせる各格
子のピッチを異なるように設定することも可能である。 (実施例5)
【0044】第5の実施例、特にその基準格子の構成を
図6,図7に示す。本実施例では、基準格子を複数の格
子を重ね合わせて構成する。以下、本図に基づいて本実
施例における装置構成を説明する。また、その他の検出
光学系は第1〜第3の実施例と同様である。
図6,図7に示す。本実施例では、基準格子を複数の格
子を重ね合わせて構成する。以下、本図に基づいて本実
施例における装置構成を説明する。また、その他の検出
光学系は第1〜第3の実施例と同様である。
【0045】PSTMは横方向の分解能だけではなく、
縦方向の分解能を持つ。従って、図6(a)に示すのよ
うに、第1の凹凸型の基準格子601の上に第2の基準
格子602を設け、これを検出することも可能である。
この第2の基準格子602を適当なピッチ、特に基礎と
なる最短ピッチに設定した第1の基準格子601より大
きなピッチに設定し、同図に併記する信号を得ることに
より、第2の基準格子601を変位計測の基準点とする
ことができる。
縦方向の分解能を持つ。従って、図6(a)に示すのよ
うに、第1の凹凸型の基準格子601の上に第2の基準
格子602を設け、これを検出することも可能である。
この第2の基準格子602を適当なピッチ、特に基礎と
なる最短ピッチに設定した第1の基準格子601より大
きなピッチに設定し、同図に併記する信号を得ることに
より、第2の基準格子601を変位計測の基準点とする
ことができる。
【0046】また、図6(a)及び図7(a)(b)に
示すように、異なる屈折率の格子材料603,604を
用いて基準格子を構成し、第1の基準格子を凹凸型とし
て、2つの膜による積層膜型格子を第2の基準格子とし
て、積層膜の一方が1つおきに凹む部分或いは凸の部分
に対応するように設ける。この構成により同図に併記す
る信号を得て、これによって変位の方向をも判定するこ
とができる。本実施例の構成により、検出光学系を複雑
にすることなく、変位の測定に基準点を設けることがで
き、さらに変位の方向が判定できる。
示すように、異なる屈折率の格子材料603,604を
用いて基準格子を構成し、第1の基準格子を凹凸型とし
て、2つの膜による積層膜型格子を第2の基準格子とし
て、積層膜の一方が1つおきに凹む部分或いは凸の部分
に対応するように設ける。この構成により同図に併記す
る信号を得て、これによって変位の方向をも判定するこ
とができる。本実施例の構成により、検出光学系を複雑
にすることなく、変位の測定に基準点を設けることがで
き、さらに変位の方向が判定できる。
【0047】なお、本発明は上述した各実施例に限定さ
れるものではない。実施例では、光源として半導体レー
ザを用いたが、基板上に集積できるものであればよく、
発光ダイオード,その他の半導体発光素子を用いること
も可能である。さらに、光検出器としてはフォトダイオ
ード,その他の半導体受光素子を用いることが可能であ
る。また、基板材料や格子材料は仕様に応じて適宜選択
すればよい。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、種々変形して実施することができる。
れるものではない。実施例では、光源として半導体レー
ザを用いたが、基板上に集積できるものであればよく、
発光ダイオード,その他の半導体発光素子を用いること
も可能である。さらに、光検出器としてはフォトダイオ
ード,その他の半導体受光素子を用いることが可能であ
る。また、基板材料や格子材料は仕様に応じて適宜選択
すればよい。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、種々変形して実施することができる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、変
位検出光学系として変位量検出の最高分解能が高いPS
TMを用い、このPSTMを構成する要素としての平面
型光導波路,半導体発光素子,光検出器及び反射膜等を
同一基板上に集積化して形成しているので、マイクロマ
シン等の可動部の微小変位を最高分解能が数nm程度の
高精度で計測することができ、かつその測定系の構成が
小さく、基板上に集積可能で作成が容易な光集積型変位
計測装置を実現することが可能となる。
位検出光学系として変位量検出の最高分解能が高いPS
TMを用い、このPSTMを構成する要素としての平面
型光導波路,半導体発光素子,光検出器及び反射膜等を
同一基板上に集積化して形成しているので、マイクロマ
シン等の可動部の微小変位を最高分解能が数nm程度の
高精度で計測することができ、かつその測定系の構成が
小さく、基板上に集積可能で作成が容易な光集積型変位
計測装置を実現することが可能となる。
【図1】第1の実施例に係わる微小開口型PSTMを用
いた光集積型変位計測装置の構成及び光検出器の出力信
号を示す図。
いた光集積型変位計測装置の構成及び光検出器の出力信
号を示す図。
【図2】第1の実施例に用いた基準格子の具体的構成を
示す図。
示す図。
【図3】第2の実施例に係わる反射型共振器PSTMを
用いた光集積型変位計測装置の構成を示す図。
用いた光集積型変位計測装置の構成を示す図。
【図4】第3の実施例に係わる2つの微小開口型PST
Mを用いた光集積型変位計測装置の構成と光検出器の出
力信号を示す図。
Mを用いた光集積型変位計測装置の構成と光検出器の出
力信号を示す図。
【図5】第4の実施例に用いた基準格子の構成及び光検
出器の出力信号を示す図。
出器の出力信号を示す図。
【図6】第5の実施例に用いた基準格子の構成及び光検
出器の出力信号を示す図。
出器の出力信号を示す図。
【図7】第6の実施例に用いた基準格子の構成及び光検
出器の出力信号を示す図。
出器の出力信号を示す図。
【図8】従来の半導体レーザを用いた変位計測装置の構
成を示す図。
成を示す図。
【図9】従来のレーザ干渉計による変位計測装置の一部
を集積したものを示す図。
を集積したものを示す図。
101,301,401…基板 102…バッファ層 103,310…光導波路 104,304,404…光源 105,305,405…導波路型コリメートレンズ 106,306,406…微小開口 107,307,407…光検出器 108,308,408…基準格子 109,309,409…反射膜 201,202,501,502…格子材料 302…低反射率の反射膜 303…導波路型ビームスプリッタ 308…基準格子 411…溝
Claims (1)
- 【請求項1】微小開口からのエバネッセント光のパワー
又は周波数シフト量を測定するフォトン走査トンネル顕
微鏡を検出光学系とし、このフォトン走査トンネル顕微
鏡の微小開口に所定の周期構造を持つ基準格子を微小距
離隔てて配置し、これらフォトン走査トンネル顕微鏡と
基準格子との相対変位を計測する変位計測装置におい
て、 前記フォトン走査トンネル顕微鏡は、前記微小開口を有
する光反射膜と、この光反射膜の前記基準格子とは反対
側に配置された平面型光導波路と、この光導波路に光結
合されて前記微小開口に光を照射する半導体発光素子
と、前記光導波路に光結合されて前記微小開口からのエ
バネッセント光を検出する光検出器とからなり、かつ前
記光反射膜,半導体発光素子,光導波路及び光検出器を
同一基板に集積してなることを特徴とする光集積型変位
計測装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6946793A JPH06281414A (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 光集積型変位計測装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6946793A JPH06281414A (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 光集積型変位計測装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06281414A true JPH06281414A (ja) | 1994-10-07 |
Family
ID=13403502
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6946793A Withdrawn JPH06281414A (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 光集積型変位計測装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06281414A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08304423A (ja) * | 1995-05-12 | 1996-11-22 | Olympus Optical Co Ltd | 集積型spmセンサ |
JPH116838A (ja) * | 1997-04-23 | 1999-01-12 | Seiko Instr Inc | 光プローブおよび光プローブ製造方法および走査型プローブ顕微鏡 |
JPH1194859A (ja) * | 1997-09-18 | 1999-04-09 | Toshihiko Kataoka | 光共振器を利用した走査型近接場光学顕微鏡 |
-
1993
- 1993-03-29 JP JP6946793A patent/JPH06281414A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08304423A (ja) * | 1995-05-12 | 1996-11-22 | Olympus Optical Co Ltd | 集積型spmセンサ |
JPH116838A (ja) * | 1997-04-23 | 1999-01-12 | Seiko Instr Inc | 光プローブおよび光プローブ製造方法および走査型プローブ顕微鏡 |
JPH1194859A (ja) * | 1997-09-18 | 1999-04-09 | Toshihiko Kataoka | 光共振器を利用した走査型近接場光学顕微鏡 |
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