JP2007047701A - 光学素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】反射光の発生を抑制でき、光利用効率の向上を図れる透過光位相変調方式の光学素子を提供する。
【解決手段】光学素子の微細構造(周期構造)14は、単位周期あたりの凹部15(15a、15b、15c、15d)と凸部16(16a、16b、16c、16d、16e)の面積比が基板12の表面12aの全域もしくは一部にて変調された構造を有しているとともに、凸部16(16a、16b、16c、16d、16e)の形状が、周期構造14の高さ方向において次第に幅が狭くなる円錐形状に形成されており、これにより凸部16は光反射防止手段(光反射防止構造)を構成している。
【選択図】 図1
【解決手段】光学素子の微細構造(周期構造)14は、単位周期あたりの凹部15(15a、15b、15c、15d)と凸部16(16a、16b、16c、16d、16e)の面積比が基板12の表面12aの全域もしくは一部にて変調された構造を有しているとともに、凸部16(16a、16b、16c、16d、16e)の形状が、周期構造14の高さ方向において次第に幅が狭くなる円錐形状に形成されており、これにより凸部16は光反射防止手段(光反射防止構造)を構成している。
【選択図】 図1
Description
本発明は、集光、分岐、回折、ホログラムの機能を有する光学素子に関する。
本発明の光学素子は、レーザ記録装置、表示装置、画像形成装置に利用することができ、光通信、光情報処理等に用いられる薄型光学素子に応用することができる。
本発明の光学素子は、レーザ記録装置、表示装置、画像形成装置に利用することができ、光通信、光情報処理等に用いられる薄型光学素子に応用することができる。
(光の波長よりも小さい周期構造による透過光の位相変調技術)
近年屈折率の異なる2つの媒質(例えば一方が空気で、もう一方が等方性媒質)が光の波長よりも小さい周期構造を持つような構造(SWS=Subwavelength Structure;サブ波長構造)を利用した光学素子が広く開発されている。
これら構造は従来の波長以上の構造体による回折光学素子とは原理的に大きく異なる特性を示し、特に周期が波長よりも短い回折格子はサブ波長格子と呼ばれている。その中でもさらに周期が短く透過、反射ともに0次回折光しか存在しない周期をもつ格子は0次格子と呼ばれる
これら0次回折素子は高次の回折光が存在しないことから、従来の波長以上の構造による回折光学素子での高次回折光によるエネルギー損失を生じない、光利用効率の高い素子の実現が可能であると考えられる。
近年屈折率の異なる2つの媒質(例えば一方が空気で、もう一方が等方性媒質)が光の波長よりも小さい周期構造を持つような構造(SWS=Subwavelength Structure;サブ波長構造)を利用した光学素子が広く開発されている。
これら構造は従来の波長以上の構造体による回折光学素子とは原理的に大きく異なる特性を示し、特に周期が波長よりも短い回折格子はサブ波長格子と呼ばれている。その中でもさらに周期が短く透過、反射ともに0次回折光しか存在しない周期をもつ格子は0次格子と呼ばれる
これら0次回折素子は高次の回折光が存在しないことから、従来の波長以上の構造による回折光学素子での高次回折光によるエネルギー損失を生じない、光利用効率の高い素子の実現が可能であると考えられる。
これらサブ波長構造を透過した0次回折光は、格子構造に起因する屈折率変化により位相変調を起こすことが知られている。例えば、構造周期を一定とし、単位周期あたりの凹部と凸部の面積比を変調(デューティ変調)することで、透過光の波面を制御し、透過光を集光する素子が実現されている(非特許文献1参照)。
また、特許文献1には、同様に周期構造のデューティを変調し、且つ構造体の領域を分割することで空間的に位相を変調した回折光学素子が開示されている。
また、特許文献2には、円柱状のサブ波長構造体を用い、同様に単位面積あたりの円柱構造体が占める面積を変調することにより位相変調を行う光学素子が開示されている。
また、特許文献1には、同様に周期構造のデューティを変調し、且つ構造体の領域を分割することで空間的に位相を変調した回折光学素子が開示されている。
また、特許文献2には、円柱状のサブ波長構造体を用い、同様に単位面積あたりの円柱構造体が占める面積を変調することにより位相変調を行う光学素子が開示されている。
(光の波長よりも小さい周期構造による反射光発生防止技術)
上記のようなサブ波長構造によりなされる有用な光学特性として、反射防止機能が知られている。例に挙げた論文(非特許文献2)においては、素子の表面に、表面付近の屈折率を表面における法線方向に連続的に変化させる微細構造を設けることにより、反射率の大幅な低減を実現する素子構造が開示されている。
構造の具体例としては、例えば特許文献4に開示されているような、正弦波形状、三角錐形状、三角錐の頭頂部が半球形状、等がある。いずれの形状においても、素子表面における法線方向の屈折率の連続的な変化をもたらすことができ、良好な反射率低減効果を得ることができる。
上記のようなサブ波長構造によりなされる有用な光学特性として、反射防止機能が知られている。例に挙げた論文(非特許文献2)においては、素子の表面に、表面付近の屈折率を表面における法線方向に連続的に変化させる微細構造を設けることにより、反射率の大幅な低減を実現する素子構造が開示されている。
構造の具体例としては、例えば特許文献4に開示されているような、正弦波形状、三角錐形状、三角錐の頭頂部が半球形状、等がある。いずれの形状においても、素子表面における法線方向の屈折率の連続的な変化をもたらすことができ、良好な反射率低減効果を得ることができる。
従来例にて開示されている、光の波長よりも小さい周期構造を有する透過光位相変調光学素子においては、いずれも素子表面における法線方向には形状の変化の無い構造となっている。
よって、前記法線方向の屈折率分布が一様であるため、反射率低減を狙った素子構造(正弦波形状、三角錐形状、三角錐の頭頂部が半球形状、等)の場合と比較して、多大な反射光が発生し、素子の光利用効率が著しく低下するという問題があった。
よって、前記法線方向の屈折率分布が一様であるため、反射率低減を狙った素子構造(正弦波形状、三角錐形状、三角錐の頭頂部が半球形状、等)の場合と比較して、多大な反射光が発生し、素子の光利用効率が著しく低下するという問題があった。
本発明は、反射光の発生を抑制でき、光利用効率の向上を図れる透過光位相変調方式の光学素子の提供を、その主な目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、高さが周期的に変調されてなる周期構造を表面に有し、前記周期構造の周期が使用する光の波長より小さい周期で構成された光学素子において、前記周期構造における単位周期あたりの凹部と凸部の面積比が、前記表面全域もしくは一部にて変調されてなる構造を有し、且つ、前記周期構造における凸部の形状が、光反射防止手段をなすことを特徴とする。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の光学素子において、前記周期構造が、前記周期よりも大きい構造変調周期を有する曲面上に形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の光学素子において、前記周期構造における単位周期あたりの凹部と凸部の面積比の変調を以って、前記光学素子への入射光束に対しての偏光方向制御機能をなしていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明では、請求項1又は2に記載の光学素子において、前記周期構造における単位周期あたりの凹部と凸部の面積比の変調を以って、前記光学素子への入射光束に対しての集光力制御機能をなしていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、請求項1又は2に記載の光学素子において、前記周期構造における単位周期あたりの凹部と凸部の面積比の変調を以って、前記光学素子への入射光束に対しての収差補正機能をなしていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明では、請求項1又は2に記載の光学素子において、前記周期構造における単位周期あたりの凹部と凸部の面積比の変調を以って、前記光学素子への入射光束に対しての整形機能をなしていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明では、請求項1又は2に記載の光学素子において、前記周期構造における単位周期あたりの凹部と凸部の面積比の変調を以って、前記光学素子への入射光束に対しての位相分布制御機能をなしていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明では、請求項1乃至7のうちの何れかに記載の光学素子において、前記光反射防止手段を、前記凸部の高さ方向の錐形状によってなすことを特徴とする。
請求項9に記載の発明では、請求項1乃至7のうちの何れかに記載の光学素子において、前記光反射防止手段を、前記凸部の頭頂部の錐形状によってなすことを特徴とする。
請求項10に記載の発明では、請求項1乃至7のうちの何れかに記載の光学素子において、前記光反射防止手段を、前記凸部の頭頂部の半球形状によってなすことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、位相変調構造を素子表面に有する光学素子において、凸部の形状を、素子表面における法線方向に連続的な幅の変化を有する形状とすることにより、素子表面での反射率の大幅な低減を実現でき、光利用効率を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、位相変調構造を素子表面に有し、かつ前記素子表面が前記周期構造よりも大きい構造変調周期を有する曲面を成す光学素子において、凸部の形状を、素子表面における法線方向に連続的な幅の変化を有する形状とすることにより、素子表面での反射率を大幅に低減でき、光利用効率を向上させることができるとともに、透過光量むらを抑制できる。
請求項2に記載の発明によれば、位相変調構造を素子表面に有し、かつ前記素子表面が前記周期構造よりも大きい構造変調周期を有する曲面を成す光学素子において、凸部の形状を、素子表面における法線方向に連続的な幅の変化を有する形状とすることにより、素子表面での反射率を大幅に低減でき、光利用効率を向上させることができるとともに、透過光量むらを抑制できる。
請求項3乃至7のうちの何れかに記載の発明によれば、位相変調構造を素子表面に有し、かつ凹部と凸部の面積比の変調を以って、入射光束に対しての偏光制御機能、集光力制御機能、収差補正機能、整形機能、もしくは、位相分布制御機能を成す光学素子において、凸部の形状を、素子表面における法線方向に連続的に幅が変化している形状とすることにより、素子表面での反射率の大幅な低減を実現でき、光利用効率を向上させることができる。
請求項8に記載の発明によれば、凸部の形状を錐形状とすることにより、素子表面における法線方向の屈折率勾配が小さい光学素子を提供することが可能となる。
請求項9又は10に記載の発明によれば、凸部の形状を頭頂部のみが錐形状又は半球形状とすることにより、凸部構造の機械的強度を低下させることなく、素子表面における法線方向の屈折率勾配の小さい光学素子を提供することが可能となる。
請求項8に記載の発明によれば、凸部の形状を錐形状とすることにより、素子表面における法線方向の屈折率勾配が小さい光学素子を提供することが可能となる。
請求項9又は10に記載の発明によれば、凸部の形状を頭頂部のみが錐形状又は半球形状とすることにより、凸部構造の機械的強度を低下させることなく、素子表面における法線方向の屈折率勾配の小さい光学素子を提供することが可能となる。
本発明の実施形態を説明する前に、従来の光学素子の位相変調構造等について説明する。
従来のサブ波長構造を有する位相変調光学素子では、微細構造の幅あるいは面積により透過光の位相を変調している。サブ波長領域での材料の屈折率は多くの場合下記の式に基づく有効屈折率法によって近似されることが知られている。
従来のサブ波長構造を有する位相変調光学素子では、微細構造の幅あるいは面積により透過光の位相を変調している。サブ波長領域での材料の屈折率は多くの場合下記の式に基づく有効屈折率法によって近似されることが知られている。
ここでnTEは、図9において電場が微細構造10に平行に振動する垂直な偏光成分に対する屈折率、nTMは電場が微細構造10に垂直な方向に振動する成分に対する屈折率を示す。fは微細構造10の各構造体(凸部)11の幅wと周期pとの比であるフィルファクターを示す。図9において、符号12は基板を示す。
図10に、n1=1、n2=1.5とした場合のフィルファクターによる有効屈折率を示す。このようにTE、TM波ともn1からn2までデューティによって制御可能であることが分かる。このとき偏光の異なる入射光での有効屈折率は偏光成分によりこのTE、TMによる有効屈折率の中間の値となる。
このとき透過0次光の位相変調はこの有効屈折率nを用いて入射光波長をλ、透過光路長をdとすると、下記式で与えられる。
図10に、n1=1、n2=1.5とした場合のフィルファクターによる有効屈折率を示す。このようにTE、TM波ともn1からn2までデューティによって制御可能であることが分かる。このとき偏光の異なる入射光での有効屈折率は偏光成分によりこのTE、TMによる有効屈折率の中間の値となる。
このとき透過0次光の位相変調はこの有効屈折率nを用いて入射光波長をλ、透過光路長をdとすると、下記式で与えられる。
よって、図11に示すような単位周期あたりの凹部13(13a、13b、13c、13d)と凸部11(11a、11b、11c、11d、11e)の面積比が変調されている構造とすることにより、入射光の位相に部分的な遅れが生じ、出射光の波面分布を調整することができる。
図11に示す微細構造10での有効屈折率は、図10に示す通りフィルファクターにより異なる値をとるが、図12に示すように、フィルファクターが大きい値であるほど、微細構造と空気層との界面における屈折率差が大きいため、反射光が発生してしまう。
図11に示す微細構造10での有効屈折率は、図10に示す通りフィルファクターにより異なる値をとるが、図12に示すように、フィルファクターが大きい値であるほど、微細構造と空気層との界面における屈折率差が大きいため、反射光が発生してしまう。
図1乃至図4に基づいて本発明の第1の実施形態を説明する。なお、従来例と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する(以下の他の実施形態において同じ)。
図1に示すように、本実施形態における光学素子の微細構造(周期構造)14は、単位周期あたりの凹部15(15a、15b、15c、15d)と凸部16(16a、16b、16c、16d、16e)の面積比が基板12の表面12aの全域もしくは一部にて変調された構造を有しているとともに、凸部16(16a、16b、16c、16d、16e)の形状が、周期構造14の高さ方向において次第に幅が狭くなる円錐形状に形成されており、これにより凸部16は光反射防止手段(光反射防止構造)を構成している。
図1に示すように、本実施形態における光学素子の微細構造(周期構造)14は、単位周期あたりの凹部15(15a、15b、15c、15d)と凸部16(16a、16b、16c、16d、16e)の面積比が基板12の表面12aの全域もしくは一部にて変調された構造を有しているとともに、凸部16(16a、16b、16c、16d、16e)の形状が、周期構造14の高さ方向において次第に幅が狭くなる円錐形状に形成されており、これにより凸部16は光反射防止手段(光反射防止構造)を構成している。
このような周期構造14とした場合、図2に示すように、上記界面の屈折率差がなくなり、反射光の発生を抑制できる。ここでは凸部16が、底面(基板12の表面12a)から頭頂部まで全域において有効屈折率変化を有する構造であるため、最も屈折率勾配を小さくでき、反射光低減には効果的である。
また、本実施形態のように、周期構造14の高さ方向に凸部16の幅が異なる(フィルファクターが異なる)場合の透過0次光の位相変調量は、周期構造の高さ方向(光線伝搬方向:Z軸方向と定義)の有効屈折率関数n(Z)、入射光波長λとすると、下記式で与えられる。
また、本実施形態のように、周期構造14の高さ方向に凸部16の幅が異なる(フィルファクターが異なる)場合の透過0次光の位相変調量は、周期構造の高さ方向(光線伝搬方向:Z軸方向と定義)の有効屈折率関数n(Z)、入射光波長λとすると、下記式で与えられる。
以下に、本実施形態における光学素子の製造方法を説明する。
本発明の構造のような、可視光波長程度の構造体の周期はサブミクロンオーダであり、製造方法は限定される。特に数百nm程度の構造の製造方法としては、レーザ光の干渉を利用した干渉露光法と電子ビーム露光法が有効である。
レーザ干渉露光法では、通常青から紫外のレーザ光を干渉させて、感光性の高分子材料(レジスト)に照射し、その干渉ピッチの構造を形成する。このとき構造(周期構造)はレジストに形成される。レーザ干渉露光法における光学系を図3に示す。図3において、符号17は紫外レーザを、18は空間フィルターを、19は1/2λ位相板を、21はミラーを、22はレジストを、23はコントローラを、24は回転ステージをそれぞれ示している。
本発明の構造のような、可視光波長程度の構造体の周期はサブミクロンオーダであり、製造方法は限定される。特に数百nm程度の構造の製造方法としては、レーザ光の干渉を利用した干渉露光法と電子ビーム露光法が有効である。
レーザ干渉露光法では、通常青から紫外のレーザ光を干渉させて、感光性の高分子材料(レジスト)に照射し、その干渉ピッチの構造を形成する。このとき構造(周期構造)はレジストに形成される。レーザ干渉露光法における光学系を図3に示す。図3において、符号17は紫外レーザを、18は空間フィルターを、19は1/2λ位相板を、21はミラーを、22はレジストを、23はコントローラを、24は回転ステージをそれぞれ示している。
電子ビーム露光法では、電子ビームを集光・走査してレジスト材料に照射し、レジスト材料の微細な構造を作製する。
これら手法によりレジスト以外の材料に微細構造を作製する場合は、このレジスト構造を利用して、反応性ドライエッチングや金属蒸着等の手法を用いて構造を作製していた。
図1に示すような円錐構造は、これら微細なレジストパタンあるいはリフトオフした金属パタンを用い、図4に示すように、反応性エッチングの手法で反応性ガス25の吸着とエッチングの作用により作製することが可能である。
これら手法によりレジスト以外の材料に微細構造を作製する場合は、このレジスト構造を利用して、反応性ドライエッチングや金属蒸着等の手法を用いて構造を作製していた。
図1に示すような円錐構造は、これら微細なレジストパタンあるいはリフトオフした金属パタンを用い、図4に示すように、反応性エッチングの手法で反応性ガス25の吸着とエッチングの作用により作製することが可能である。
上記実施形態では、凸部16の底面から頭頂部まで全域が錐(円錐)である形状を示したが、図5に示すように、周期構造14Aにおける凸部16’(16a’、16b’、16c’、16d’、16e’)頭頂部が平坦である円錐形状としてもよい(第2の実施形態)。符号15’(15a’、15b’、15c’、15d’)は凹部を示す。
図6に示すように、頭頂部のみ錘形状である凸部26(26a、26b、26c、26d、26e)と凹部27(27a、27b、27c、27d)を有する周期構造14Bとしてもよい(第3の実施形態)。
図7に示すように、頭頂部が半球である形状の凸部28(28a、28b、28c、28d、28e)と凹部29(29a、29b、29c、29d)を有する周期構造14Cとしてもよい(第4の実施形態)。
すなわち、凸部の高い部分であるほど細い「先細り」の形状においても、微細構造と空気層との界面における屈折率差を小さくでき、反射光低減効果が得られる。
図6に示すように、頭頂部のみ錘形状である凸部26(26a、26b、26c、26d、26e)と凹部27(27a、27b、27c、27d)を有する周期構造14Bとしてもよい(第3の実施形態)。
図7に示すように、頭頂部が半球である形状の凸部28(28a、28b、28c、28d、28e)と凹部29(29a、29b、29c、29d)を有する周期構造14Cとしてもよい(第4の実施形態)。
すなわち、凸部の高い部分であるほど細い「先細り」の形状においても、微細構造と空気層との界面における屈折率差を小さくでき、反射光低減効果が得られる。
図6に示すような頭頂部のみ錘形状である構造は、たとえば感度の異なる2層レジストを用い、下面に感度の高いレジスト、上面に感度の低いレジストを配置し、干渉光によって露光する。このとき下面は十分な露光が起き、概矩形の構造となり、上面は光強度に依存した概正弦波形状とすることができる。
この構造により直接あるいはドライエッチング法等で基板材料の除去を行うことで、形状を形成することができる。
またこの構造は、複数回の露光により作成することも可能である。一段の概矩形の構造を形成し、その上にレジストを塗布し、構造に合わせてレーザ光をたとえば干渉させて照射する。このレジストを概円錐構造とすることで、図6に示すような構造を作成する。
この構造により直接あるいはドライエッチング法等で基板材料の除去を行うことで、形状を形成することができる。
またこの構造は、複数回の露光により作成することも可能である。一段の概矩形の構造を形成し、その上にレジストを塗布し、構造に合わせてレーザ光をたとえば干渉させて照射する。このレジストを概円錐構造とすることで、図6に示すような構造を作成する。
上述のように、図1で示したように、底面から頭頂部まで全域において有効屈折率変化を有する構造が最も屈折率勾配を小さくできるため、反射光低減には効果的であるが、凸部の先端部が非常に細くなり、機械的強度が低くなるといった短所がある。
これに対し、図5、図6、図7で示した構造では、凸部の先端部の細い部分を少なくできることから、機械的強度を向上させることが可能である。
更に、図8に示すように、曲面を有する表面12a’上に微細構造14Dがある場合でも、平坦な基板上にある場合と同様に反射光低減効果が得られる(第5の実施形態)。微細構造14Dは、凸部30(30a、30b、30c、30d、30e、30f、30g)と、凹部31(31a、31b、31c、31d、31e、31f)を有している。
ここで、表面12a’は、微細構造14Dの周期よりも大きい構造変調周期を有している。
上記各実施形態において、単位周期あたりの凹部と凸部の面積比の変調を以って、入射光束に対しての偏光方向制御機能、集光力制御機能、収差補正機能、整形機能又は位相分布制御機能とすることができる。
これに対し、図5、図6、図7で示した構造では、凸部の先端部の細い部分を少なくできることから、機械的強度を向上させることが可能である。
更に、図8に示すように、曲面を有する表面12a’上に微細構造14Dがある場合でも、平坦な基板上にある場合と同様に反射光低減効果が得られる(第5の実施形態)。微細構造14Dは、凸部30(30a、30b、30c、30d、30e、30f、30g)と、凹部31(31a、31b、31c、31d、31e、31f)を有している。
ここで、表面12a’は、微細構造14Dの周期よりも大きい構造変調周期を有している。
上記各実施形態において、単位周期あたりの凹部と凸部の面積比の変調を以って、入射光束に対しての偏光方向制御機能、集光力制御機能、収差補正機能、整形機能又は位相分布制御機能とすることができる。
14、14A、14B、14C、14D 周期構造
15、27、29、31 凹部
16、26、28、30 凸部
P 周期構造の周期
15、27、29、31 凹部
16、26、28、30 凸部
P 周期構造の周期
Claims (10)
- 高さが周期的に変調されてなる周期構造を表面に有し、前記周期構造の周期が使用する光の波長より小さい周期で構成された光学素子において、
前記周期構造における単位周期あたりの凹部と凸部の面積比が、前記表面全域もしくは一部にて変調されてなる構造を有し、且つ、前記周期構造における凸部の形状が、光反射防止手段をなすことを特徴とする光学素子。 - 請求項1に記載の光学素子において、
前記周期構造が、前記周期よりも大きい構造変調周期を有する曲面上に形成されていることを特徴とする光学素子。 - 請求項1又は2に記載の光学素子において、
前記周期構造における単位周期あたりの凹部と凸部の面積比の変調を以って、前記光学素子への入射光束に対しての偏光方向制御機能をなしていることを特徴とする光学素子。 - 請求項1又は2に記載の光学素子において、
前記周期構造における単位周期あたりの凹部と凸部の面積比の変調を以って、前記光学素子への入射光束に対しての集光力制御機能をなしていることを特徴とする光学素子。 - 請求項1又は2に記載の光学素子において、
前記周期構造における単位周期あたりの凹部と凸部の面積比の変調を以って、前記光学素子への入射光束に対しての収差補正機能をなしていることを特徴とする光学素子。 - 請求項1又は2に記載の光学素子において、
前記周期構造における単位周期あたりの凹部と凸部の面積比の変調を以って、前記光学素子への入射光束に対しての整形機能をなしていることを特徴とする光学素子。 - 請求項1又は2に記載の光学素子において、
前記周期構造における単位周期あたりの凹部と凸部の面積比の変調を以って、前記光学素子への入射光束に対しての位相分布制御機能をなしていることを特徴とする光学素子。 - 請求項1乃至7のうちの何れかに記載の光学素子において、
前記光反射防止手段を、前記凸部の高さ方向の錐形状によってなすことを特徴とする光学素子。 - 請求項1乃至7のうちの何れかに記載の光学素子において、
前記光反射防止手段を、前記凸部の頭頂部の錐形状によってなすことを特徴とする光学素子。 - 請求項1乃至7のうちの何れかに記載の光学素子において、
前記光反射防止手段を、前記凸部の頭頂部の半球形状によってなすことを特徴とする光学素子。
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2005
- 2005-08-12 JP JP2005234750A patent/JP2007047701A/ja active Pending
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