JP2022094552A - 転写媒体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 薄い基材の上に保護層およびインク受容層を形成する際に生じる波打ちが防止された転写媒体の製造方法を提供すること。【解決手段】 厚さが5μm以上50μm以下の基材に、保護層とインク受容層が順次積層され、前記基材が前記保護層から分離可能な転写媒体の製造方法において、支持部材に前記基材を剥離可能に接着して、前記支持部材と前記基材が積層されたベース部材を製造する工程と、前記基材の前記支持部材が当接した面と逆の面に、前記保護層を形成する工程と、前記保護層の前記基材が当接した面と逆の面に、前記インク受容層を形成する工程と、前記支持部材と、前記基材と、前記保護層と、前記インク受容層が積層された積層体から前記支持部材を分離する工程と、を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、基材と、保護層と、インク受容層と、が順次積層された転写媒体の製造方法に関する。
再転写フィルムに鏡像を形成し、これを熱でカードに転写してカード上に画像を形成する、いわゆる再転写方式の昇華型プリンタが広く用いられている。
これに対して、支持体上に、画像保護層と、熱可塑性樹脂を含有するインク受容層と、が積層された転写媒体を利用して、被記録媒体上に画像を形成する方法が提案されている(特許文献1)。この方法では、インク受容層側からインクジェット方式で記録を行い、その後、インク受容層を被記録媒体に重ね合わせて熱転写し、最後に支持体を画像保護層から剥離することで、保護層を備えたインクジェット記録物が形成され、記録した画像の保存性が向上されている。また、転写媒体を利用した方法は、再転写方式に比べて、記録から転写までの処理時間が短いというメリットを有する。
特開2003-285542号公報
しかしながら、従来の転写媒体を用いた方法は、使用する支持体の厚さにより、使用上および製造上に課題が生じるおそれがある。
例えば、支持体の厚さが厚すぎると、インク受容層を被記録媒体に熱転写する際に熱が伝わり難くなり、転写速度が上げられない問題があった。この問題は、転写装置の製造コストを抑えるために使用するヒートローラーを支持体側だけに設置した場合に、より顕著に現れる。そのため、支持体の厚さを薄くして、転写速度の向上が図られている。
一方、支持体の厚さが薄すぎると、支持体上に保護層を形成する際に「波打ち」と呼ばれる転写媒体の変形を生じることがある。これは搬送性が低下するだけでなく、保護層上に形成するインク受容層の膜厚を均一にできず、印刷品位および転写性を低下させる原因ともなる。
以下、波打ちが発生する状況とそのメカニズムについて説明する。
図1(a)~(d)は、支持体上に保護層とインク受容層を形成する際に、波打ちがどのように生じているかを模式的に示したものである。
図1(a)に示すように、転写媒体の製造工程では、まず、支持体1(PET)の表面に保護層の塗工液2(アクリル樹脂のエマルション)がコーティングされる。この段階では特に変化は見られない。その後、乾燥工程へ移行すると徐々に変化が現れはじめ、塗工液2が完全に乾燥すると第一の波打ちが発生する(図1(b))。
詳細は不明であるが、第一の波打ちは次のような経緯で生じると考えられる。まず、塗工液2が加熱されると液中の水分が蒸発し、樹脂が融合・膜化して収縮が起こる。また、支持体1はもともと延伸加工されたフィルムであり、加熱されると収縮することから、これら2つの収縮力が同時に作用して第一の波打ちが生じたと考えられる。
次に、図1(c)に示すように、第一の波打ちが発生した保護層3の上に、インク受容層の塗工液4をコーティングする。その後、乾燥工程へ移行すると第二の波打ちが生じるが(図1(d))、この第二の波打ちは、インク受容層の収縮が作用したものであり、保護層および支持体がインク受容層の収縮に引きずられて変形することで生じたと考えられる。
また、第二の波打ちは第一の波打ちより大きくなる傾向があるが、これは、インク受容層の膜厚が場所によって不均一であることが影響していると考えられる。
波打ちの大きさは、支持体、保護層、インク受容層の素材によっても変化するが、そもそも支持体の厚さが十分に厚ければ、このような波打ちは発生しない。
したがって、本発明の目的は、薄い支持体(以下、基材という)に保護層およびインク受容層を形成する際に生じる波打ちが防止された転写媒体の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、次のような方法を用いる。
厚さが5μm以上50μm以下の基材に、保護層とインク受容層が順次積層され、前記基材が前記保護層から分離可能な転写媒体の製造方法において、
支持部材に前記基材を剥離可能に接着して、前記支持部材と前記基材が積層されたベース部材を製造する工程と、
前記基材の前記支持部材が当接した面と逆の面に、前記保護層を形成する工程と、
前記保護層の前記基材が当接した面と逆の面に、前記インク受容層を形成する工程と、
前記支持部材と、前記基材と、前記保護層と、前記インク受容層が積層された積層体から前記支持部材を分離する工程と、を含む。
本発明によれば、薄い基材に保護層およびインク受容層を形成する際に生じる波打ちが抑制された転写媒体が製造できる。
波打ちが発生する状況を模式的に示した図である。 支持体上に基材が剥離可能に接着されたベース部材の断面図である。 転写媒体の製造工程を示した図である。 記録物の製造工程を示した図である。 インクが着弾したインクジェット記録媒体を接着部側から見たイメージ図である。
以下、本発明について図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明は下記の実施形態に限定されず、その発明特定事項を有する全ての対象を含む。なお、同一構造の部材については図面において同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
本発明では、支持部材6に薄い基材1を粘着層7により貼り合わせたベース部材8を用意し(図2)、この上に保護層3とインク受容層5を順次形成することで転写媒体10を製造する。
具体的には、次の4つの工程を含む。
まず、支持部材6の上に、基材1を粘着層7(不図示)により剥離可能に接着して、支持部材6と基材1が積層されたベース部材8を製造する(図3(a))。次に、基材1の支持部材6が当接した面と逆の面に保護層3を形成する(図3(b))。
その後、保護層3の基材1が当接した面と逆の面にインク受容層5を形成して、支持部材6と基材1と保護層3とインク受容層5が積層された積層体9を製造する(図3(c))。
最後に、積層体9から支持部材6を分離することで、基材1上に保護層3とインク受容層5が順次積層された転写媒体10を製造する(図3(d))。
また、本発明では、インク受容層5の保護層3が当接した面と逆の面に接着層20を形成し、支持部材6と基材1と保護層3とインク受容層5と接着層20が積層された積層体9’を製造することもできる(図3(c’))。
この場合、積層体9’から支持部材6を分離することで、基材1上に保護層3とインク受容層5と接着層20が順次積層された転写媒体10’が製造できる(図3(d’))。
以下、上記積層体の各々の構成要素について説明する。
[ベース部材]
本発明で用いるベース部材8は、支持部材6に基材1が粘着層7により剥離可能に接着されたものである(図2参照)。
[基材]
本発明で使用する基材1は、転写する際に加熱されることから、耐熱性があり、寸法安定性に優れた素材を用いるのが好ましい。例えば、ガラス、金属、樹脂等、様々なものが使用できるが、転写媒体を製造した後にロール状に巻き取られることを考慮すると、樹脂製のフィルムを用いることが好ましい。樹脂フィルムとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PI(ポリイミド)等が挙げられるが、比較的安価なPETを使用するのが好ましい。
基材の厚さは、5μm以上50μm以下であることが好ましく、10μm以上30μm以下であることがさらに好ましい。基材の厚さを50μm以下、さらに30μm以下とすることで熱が伝わり易くなり、被記録媒体へのインク受容層の転写時間が短くできる。また、基材の厚さを5μm以上、さらに10μm以上とすることで、搬送ヨレが抑えられ、位置ズレやシワを生じることなく支持体と接着することができる。
本発明で使用する基材1には、後述する保護層3との分離を容易にするために、基材1の保護層3を形成する側に離型処理が施されていてもよい。
[支持部材]
本発明で使用する支持部材6は、上述した基材1と同じ素材を使用することが好ましい。これにより収縮率が合わせられるので、加熱されてもカールが起き難い。
支持部材6の厚さは特に限定されないが、基材1上に保護層3やインク受容層5を形成する際に波打ちが発生しないように、ベース部材8の厚さが50μmを超えるようにすればよい。例えば、支持部材6は25μm~100μmの範囲で調整してもよい。
また、支持部材6には、基材1への接着と剥離を兼ね備えた粘着層7が設けられている。粘着層7に使用する素材は特に限定されず、公知のものが使用できる。
支持部材6と基材1の貼り合わせは、一般的なラミネート加工機で行うことができ、さらに連続して加工することで、製造したベース部材をロール状に巻き取ることも可能である。
[保護層]
本発明の一実施形態において、保護層3は、基材1とインク受容層5との間に形成され、転写媒体10が被記録媒体と接着し、その後基材1が剥離された際に、インク受容層5の外表面を保護するものである(図4参照)。本発明で製造された転写媒体10を使用して作製する記録物は、記録した画像を保護層3とインク受容層5を通して観察される。そのため、保護層3の透明度は、JIS K7375に基づく全光線透過率で50%以上、さらに90%以上であることが好ましい。
保護層3に用いる素材としてはアクリル樹脂が好ましく、例えば、ポリメタクリレート、スチレン‐アクリル共重合体、ポリエチレンアクリル樹脂、アクリル酸エステル樹脂等が使用できる。特に、スチレン‐アクリル共重合体は、透明度が高く、耐候性に優れているのでより好ましい。
保護層3の厚さは特に限定されないが、1μm以上10μm以下であることが好ましい。保護層3の厚みを1μm以上とすることで耐摩耗性が確保できる。
保護層3は、上記樹脂が分散されたエマルションを基材上へ塗布し、その後、乾燥することで得られる。エマルションを塗布する際に使用する手段としては、公知のコーターが使用できるが、均一な塗工面を得るためにグラビアコーターを使用することが好ましい。
[インク受容層]
本発明では、保護層3上にインク受容層5が設けられる。
インク受容層5は、インクジェット記録ヘッドから吐出されたインクを吸収し、画像を形成する層である。インク受容層5には、一般に空隙型と膨潤型とが存在するが、本発明で製造される転写媒体10では、インク吸収性に優れ、滲みのない高画質な画像が形成できる空隙型のインク受容層5を用いることが好ましい。
空隙型のインク受容層5は、無機微粒子を水中に分散した無機微粒子分散液と、水溶性樹脂の水溶液を混合した液を保護層上に塗工することで形成される。塗工する手段としては、ダイコーターやコンマコーターなどが利用できる。インク受容層5の厚さは、製造する記録物の厚さや要求されるインク吸収性に合わせて調整することが可能である。
(無機微粒子)
インク受容層5に用いられる無機微粒子の種類は、特に制限されない。アルミナ、アルミナ水和物、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、二酸化チタン等公知のものが利用できるが、印字濃度が高く、色再現性に優れた画像が得られる点で、非晶質合成シリカ、アルミナまたはアルミナ水和物を用いることが好ましい。
無機微粒子の平均1次粒子径は、インク吸収性と透明度を両立させるために、5nm~50nmの範囲とすることが好ましい。
(解膠剤)
無機微粒子分散液は、無機微粒子を解膠するための解膠剤を含んでいてもよい。例えば、アルミナまたはアルミナ水和物の分散液を製造する際に、解膠剤として酸を添加することで分散性が良好な分散液を得ることができる。
分散液中の無機微粒子は複数の粒子が凝集した2次粒子となっているが、その場合の平均2次粒子径は、50nm~300nmの範囲とすることが好ましい。この範囲であれば、平滑性の高い塗工面が得られる。
(水溶性樹脂)
インク受容層5に用いる水溶性樹脂としては、例えば、澱粉、ゼラチン、カゼイン及びこれらの変性物; ポリビニルアルコール(完全けん化、部分けん化、低けん化等)、ポリ(メタ)アクリル酸又はその共重合体樹脂、等が使用できる。中でも、ポリビニルアルコールは、無機微粒子のバインダーとして優れているので好ましい。水溶性樹脂は、1種を単独で、または2種以上を混合して用いることができる。「2種以上」とは、けん化度、平均重合度等の特性が異なるものも含まれる。
インク受容層5中の無機微粒子と水溶性樹脂の含有比率は、インク受容層5の強度とインク吸収性とを考慮して調整すればよい。具体的には、無機微粒子100質量部に対して水溶性樹脂を3.3~20質量部の範囲で用いるとよい。
(水溶性樹脂の架橋剤)
インク受容層5は、水溶性樹脂を架橋させて層強度を向上させる架橋剤を含有してもよい。架橋剤としては公知のものが使用できるが、水溶性樹脂としてポリビニルアルコールを使用する場合には、ほう酸またはほう酸塩を用いることが好ましい。
[接着層]
本発明で製造される転写媒体10は、後述する被記録媒体への接着性を向上させるために、インク受容層5上に接着層20が設けられていてもよい(図5)。接着層20としては、インク受容層5の表面に一様に接着剤をコーティングしたもの、或いはインク受容層5の表面が部分的に露出するように離散的に接着部21を設けたものが利用できる。後者は、効率よくインクを吸収し、印刷直後でも印刷面が乾燥した状態となることから、支持体へ熱圧着する際に有利である。
接着層20に用いる接着剤は特に限定されず、公知のものが使用できる。具体的には、しょうふ、デキストリン、そくい等のでんぷん系、にかわ、カゼイン、大豆タンパク等のたんぱく系、天然ゴム系、漆、松やに、ろう、アスファルトなどの天然の接着剤;酢酸ビニル系、ポリオール系、ポリビニルアセタール系、酢酸ビニル共重合系、エチレン酢酸ビニル系、塩化ビニル系、アクリル系、ポリエステル系、ポリアミド系、セルロース系、オレフィン系、スチレン系、ユリア系、メラミン系、フェノール系、レゾルシノール系、エポキシ系、ポリウレタン系、シリコーン系、ポリアミド系、ポリ弁図イミダゾール系、ポリイミド系、イソシアネート系、クロロプレンゴム系、二トリルゴム系、スチレンブタジエンゴム系、ポリサルファイド系、ブチルゴム系、シリコーンゴム系、アクリルゴム系、変性シリコーンゴム系、ウレタンゴム系、シリル化ウレタン系などの有樹脂系接着剤;ケイ酸ソーダ等の水ガラス系、ポルトランドセメント、しっくい、石膏、マグネシアセメント、リサージセメント等のセメント系、セラミックス系などの無機系接着剤が挙げられる。これらのうちの1種もしくは複数を併用しても良い。
接着剤の形状は粒子状であることが好ましく、その平均粒子径が0.01μm~5μmであるもの(以下、接着粒子という)、或いは、複数の粒子が凝集した凝集物で、その平均径が0.01μm~5μmであるものが好ましい。平均粒子径が0.01μm以上の接着粒子、または平均径が0.01μm以上の凝集物を使用することで、接着剤がインク受容層5の空隙へ入り込むことを抑制でき、良好なインク吸収性が保てる。また、平均粒子径が5μm以下の接着粒子、または平均径が5μm以下の凝集物を使用することで、後述する接着部の大きさや間隔を自由にコントロールすることができる。
(接着部)
本発明でいう接着部21は、図3(C’)に示すように複数の接着粒子が密集した部分、或いは、接着粒子が単独で配置された部分であり、インク受容層5の表面が部分的に露出する露出部を形成するように、インク受容層5の表面に離散的に設けられている。また、各接着部21の大きさは、最も短い部分の長さが、少なくともインク71の着弾径より小さくなるように調整されていることが好ましい。これにより、インク71を効率よく吸収することができる。例えば、図5に示すように、接着部21の面積がインク71の着弾面積より大きくても、着弾したインク71は、その一部が露出したインク受容層5と接触した瞬間にインク受容層5に引き込まれ、素早く吸収される。また、接着部21はインク受容層5に比べてインク吸収速度が遅く、内部にインク71が浸透し難いので、印刷直後でも接着部の表面はすぐに乾燥された状態となる。
本発明では、上述した支持部材6、粘着層7、基材1、保護層3、およびインク受容層5が積層された積層体から支持部材6と粘着層7を剥離することで転写媒体10が得られるが、積層体から支持部材6と粘着層7を剥離する方法については、特に制限されない。
[記録物]
本発明で製造した転写媒体10を使用して作製される記録物は、上記転写媒体のインク受容層に画像を記録した後に、保護層3とインク受容層5を被記録媒体30に転写することで製造される(図4参照)。画像は、保護層3およびインク受容層5を通して観察されるため、転写媒体10へ印刷する際の画像は鏡像であることが好ましい。
また、画像を記録する装置としては、公知のインクジェットプリンタが利用でき、染料インクや顔料インクなど様々なインクが使用できる。
[被記録媒体]
被記録媒体30の材質は特に限定されず、公知のものが使用できる。例えば、パルプやコットンなどからなる紙、コート紙やアート紙等のコーティング紙、塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PET-Gなどのポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合樹脂、ポリエステル系樹脂などのフィルムあるいはカードが挙げられる。また、これらを単独あるいは積層した複合物として用いてもよい。
[記録物の製造方法]
記録物は、図4に示した工程で製造することができる。
具体的には、まず、転写媒体10のインク受容層5に、転写用の接着層20側からインクジェットヘッド70により顔料インク71を吐出する。接着層20には接着部(不図示)が離散的に配置されており、インク受容層5は部分的に表面が露出しているので、顔料インク71は、接着部とインク受容層5に跨るように着弾する。その後、顔料インク71はインク受容層5の表面で顔料と溶媒成分に分離され、顔料はインク受容層5の表面上に残り、溶媒成分はインク受容層5に吸収されて、インク受容層5の表面に画像72が形成される(図4(b)参照)。
次に、接着層20を被記録媒体30に当接し、転写媒体10と被記録媒体30を重ねた状態でヒートローラー90および加圧ローラー91を用いて加熱および加圧して接着する(図4(c)参照)。
最後に、剥離ローラー92を用いて基材1を剥離することで記録物100が得られる(図4(d),(e)参照)。
加熱・加圧する装置は特に限定されず、公知のラミネーターが使用できる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。ただし、本発明は、下記の実施例によっていかなる制限を受けるものではない。なお、以下の記載における「部」、「%」は特に断らない限り質量基準である。
(実施例1)
[ベース部材Aの製造]
支持部材として、粘着層が形成されたPETフィルムA(商品名:パナプロテクト、PETの厚さ:38μm、セパレータフィルム付き、パナック社製)を使用し、セパレータフィルムを剥がして粘着面を露出させた。次に、基材としてPET-A(厚さ:25μm、東洋紡社製)を用意し、その表面を支持部材の粘着面に当接してドライラミ加工機で貼り合わせてベース部材Aを製造した。
[保護層形成用塗工液の調製]
アクリル樹脂水溶液(商品名:ジョンクリル352D、Tg:56℃、固形分濃度:45%、BASF社製)9部と、ウレタン樹脂水溶液(商品名:スーパーフレックス130、Tg:103℃、固形分濃度:35%、第一工業製薬社製)1部を混合し、5分間攪拌して保護層形成用塗工液を調製した。
[無機微粒子分散液Aの調製]
ベーマイト構造(擬ベーマイト構造)を有するアルミナ水和物(商品名「Disperal HP14」、サソール社製)20部を、純水79.6部中に添加し、さらに酢酸0.4部を添加して解膠処理を行うことにより、20%の無機微粒子分散液Aを得た。無機微粒子分散液中におけるアルミナ水和物微粒子の平均粒子径(2次粒子径)は90nmであった。
[水溶性樹脂水溶液の調製]
インク受容層用水溶性樹脂として、ポリビニルアルコール(商品名:PVA235、けん化度:87~89mol%、平均重合度:3,500、クラレ社製)をイオン交換水に溶解し、固形分含量が8%の水溶性樹脂水溶液を調製した。
[インク受容層形成用塗工液Aの調製]
無機微粒子分散液A100部に、ホウ酸を0.3部加えてスタティックミキサーで混合した後、水溶性樹脂水溶液を27.8部加えて、再度スタティックミキサーで混合し、インク受容層形成用塗工液A(無機微粒子:水溶性樹脂=9:1)を調整した。
[転写媒体Aの製造]
ベース部材Aの基材側の表面に、グラビアコーターを用いて保護層形成用塗工液Aを塗工して、乾燥膜厚が4μmの保護層を形成した。その後、保護層の表面に、ダイコーターを用いてインク受容層形成用塗工液を塗工し、乾燥膜厚が25μmのインク受容層を形成することで積層体Aを製造した。次に、積層体Aから支持部材(粘着層を含む)を分離して、転写媒体Aを製造した。
(実施例2)
[ベース部材Bの製造]
支持部材を、粘着層が形成されたPETフィルムB(商品名:パナプロテクト、PETの厚さ:50μm、セパレータフィルム付き、パナック社製)に変更した以外は、実施例1と同様にしてベース部材Bを製造した。
[転写媒体Bの製造]
ベース部材Bの基材側の表面に、グラビアコーターを用いて保護層形成用塗工液Aを塗工して、乾燥膜厚1μmのプレ保護層を形成した。その後、保護層形成用塗工液をさらに塗工して、乾燥膜厚が総厚3μmの保護層を形成した。その後、保護層の表面に、ダイコーターを用いてインク受容層形成用塗工液を塗工し、乾燥膜厚が30μmのインク受容層を形成することで積層体Bを製造した。次に、積層体Bから支持部材(粘着層を含む)を分離して、転写媒体Bを製造した。
(実施例3)
[ベース部材Cの製造]
支持部材を、粘着層が形成されたPETフィルムB(商品名:パナプロテクト、PETの厚さ:50μm、セパレータフィルム付き、パナック社製)に変更し、基材をPET-B(厚さ:16μm、ユニチカ社製)に変更した以外は、実施例1と同様にしてベース部材Cを製造した。
[転写媒体Cの製造]
ベース部材をCに変更し、保護層の乾燥膜厚を5μm、インク受容層の乾燥膜厚を36μmとした以外は、実施例1と同様にして転写媒体Cを製造した。
(実施例4)
[ベース部材Dの製造]
支持部材を、粘着層が形成されたPETフィルムC(商品名:パナプロテクト、PETの厚さ:75μm、セパレータフィルム付き、パナック社製)に変更した以外は、実施例1と同様にしてベース部材Dを製造した。
[転写媒体Dの製造]
ベース部材をDに変更し、インク受容層の乾燥膜厚を30μmとした以外は、実施例1と同様にして転写媒体Dを製造した。
(実施例5)
[ベース部材Eの製造]
支持部材を、粘着層が形成されたPETフィルムB(商品名:パナプロテクト、PETの膜厚:50μm、セパレータフィルム付き、パナック社製)に変更した以外は、実施例1と同様にしてベース部材Eを製造した。
[インク受容層形成用塗工液Bの調製]
無機微粒子分散液B(スノーテックス ST-PS-MO(シリカ粒子水系分散液、粒子径15nm、固形分濃度15%、日産化学社製))100部に、ホウ酸0.3部を加えてスタティックミキサーで混合した後、水溶性樹脂水溶液を41.7部加えて、再度スタティックミキサーで混合し、インク受容層形成用塗工液B(無機微粒子:水溶性樹脂=6:1)を調整した。
[転写媒体Eの製造]
ベース部材Eの基材側の表面に、グラビアコーターを用いて保護層形成用塗工液Aを塗工して、乾燥膜厚が4μmの保護層を形成した。その後、保護層の表面に、コンマコーターを用いてインク受容層形成用塗工液Bを塗工し、乾燥膜厚が30μmのインク受容層を形成して積層体Eを製造した。次に、積層体Eから支持部材(粘着層を含む)を分離して、転写媒体Eを製造した。
(比較例1)
[プレ転写媒体の製造]
PETフィルム(厚さ:25μm、東洋紡社製)上に、グラビアコーターを用いて保護層形成用塗工液Aを塗工して、乾燥膜厚が4μmの保護層を形成した。
(比較例2)
[転写媒体Fの製造]
PETフィルム(厚さ:25μm、東洋紡社製)上に、グラビアコーターを用いて保護層形成用塗工液Aを塗工して、乾燥膜厚が4μmの保護層を形成した。その後、保護層の表面に、ダイコーターを用いてインク受容層形成用塗工液を塗工し、乾燥膜厚が25μmのインク受容層を形成することで積層体Fを製造した。次に、積層体Fから支持部材(粘着層を含む)を分離して、転写媒体Fを製造した。
[評価1:波打ち](評価:基材の波打ち)
実施例で製造した転写媒体A~E、および比較例で製造したプレ転写媒体と転写媒体Fの波打ちの発生度合いを目視で確認した。得られた結果を表1に示す。
表内の「波打ち」における、「〇」は波打ちがない、「△」は僅かに波打ちがある、「×」は波打ちがある、ことを示す。
Figure 2022094552000002
表1から明らかなように、支持部材上に基材を剥離可能に接着したベース部材を用いて転写媒体を製造することで、基材上に保護層およびインク受容層を形成する際に生じていた波打ちが防止できる。
本発明で製造された転写媒体は基材が薄いので、保護層とインク受容層を被記録媒体に熱転写する際に熱が伝わりやすく、転写速度を短くすることができる。
1:基材
2:保護層の塗工液
3:保護層
4:インク受容層の塗工液
5:インク受容層
6:支持部材
7:粘着層
8:ベース部材
9:積層体
10:転写媒体
20:接着層
21:接着部
22:露出部
30:被記録媒体
70:インクジェットヘッド
71:インク
72:画像
90:ヒートローラー
91:加圧ローラー
92:剥離ローラー
100:記録物

Claims (5)

  1. 厚さが5μm以上50μm以下の基材に、保護層とインク受容層が順次積層され、前記基材が前記保護層から分離可能な転写媒体の製造方法において、
    支持部材に前記基材を剥離可能に接着して、前記支持部材と前記基材が積層されたベース部材を製造する工程と、
    前記基材の前記支持部材が当接した面と逆の面に、前記保護層を形成する工程と、
    前記保護層の前記基材が当接した面と逆の面に、前記インク受容層を形成する工程と、
    前記支持部材と、前記基材と、前記保護層と、前記インク受容層が積層された積層体から前記支持部材を分離する工程と、を含む
    ことを特徴とする転写媒体の製造方法。
  2. 前記ベース部材の厚さが50μmを超えることを特徴とする請求項1に記載の転写媒体の製造方法。
  3. 前記支持部材および前記基材の材質が、ポリエチレンテレフタレートである請求項1または2に記載の転写媒体の製造方法。
  4. 前記インク受容層が、水溶性樹脂およびホウ酸を含む請求項1~3のいずれか一項に記載の転写媒体の製造方法。
  5. 前記インク受容層を形成した後に、
    前記インク受容層の前記保護層が当接した面と逆の面に、接着層を形成する工程を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の転写媒体の製造方法。
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