JP2022093849A - 記録装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022093849000001
【課題】搬送経路に設けられる光学式センサーの透光部材への異物の付着を抑制する。
【解決手段】媒体Pを搬送する搬送ローラー対30と、光を透過させる透光部材101を鉛直方向に沿って配置し、搬送ローラー対30よりも媒体Pの搬送経路において下流側で媒体Pを検出する光学式センサー100と、光学式センサー100よりも搬送経路において下流側に設けられ、搬送ローラー対30でニップ中の媒体Pの先端を通過させる第1状態と、搬送ローラー対30でニップ中の媒体Pの先端を通過させない第2状態とを、切り替え可能な回転体31と、回転体31よりも搬送経路の下流側に設けられ、媒体Pに記録を行う記録部12と、を備える記録装置1。
【選択図】図2

Description

本発明は、記録装置に関する。
従来から様々な構成の記録装置が使用されている。このうち、媒体の搬送経路に媒体を検出する光学式センサーを備える記録装置がある。例えば、特許文献1には、媒体の搬送経路に水平に配置される窓部を有する媒体検出装置が設けられる印刷装置が開示されている。
特開2017-145077号公報
しかしながら、特許文献1の窓部のような透光部材が水平に配置される構成においては、透光部材の表面に紙粉など異物が付着し、該異物が堆積した状態となって媒体を検出する光学式センサーの検出精度が低下する虞がある。
上記課題を解決する為の、本発明の記録装置は、媒体を搬送する搬送ローラー対と、光を透過させる透光部材を鉛直方向に沿って配置し、前記搬送ローラー対よりも前記媒体の搬送経路において下流側で前記媒体を検出する光学式センサーと、前記光学式センサーよりも前記搬送経路において下流側に設けられ、前記搬送ローラー対でニップ中の前記媒体の先端を通過させる第1状態と、前記搬送ローラー対でニップ中の前記媒体の先端を通過させない第2状態とを、切り替え可能な回転体と、前記回転体よりも前記搬送経路の下流側に設けられ、前記媒体に記録を行う記録部と、を備えることを特徴とする。
実施例1のインクジェットプリンターの媒体搬送経路を示す図。 図1のインクジェットプリンターの光学式センサーの周辺を表す側面図。 図1のインクジェットプリンターの光学式センサーの周辺を表す斜視図。 図1のインクジェットプリンターの光学式センサーの周辺を表す斜視図であって、透光部材を透過させて表した図。 図1のインクジェットプリンターの光学式センサーの本体部を表す斜視図。 図1のインクジェットプリンターの光学式センサーの周辺を表す拡大側面図。 図1のインクジェットプリンターの搬送ローラー対を構成する歯付きローラーの斜視図。 図1のインクジェットプリンターの光学式センサーの透光部材及び除電部材を表す拡大側面図。 実施例2のインクジェットプリンターの光学式センサーの透光部材及び除電部材を表す拡大側面図。 実施例3のインクジェットプリンターの光学式センサーの透光部材及び除電部材を表す拡大側面図。
以下、本発明を概略的に説明する。
第1の態様に係る記録装置は、媒体を搬送する搬送ローラー対と、光を透過させる透光部材を鉛直方向に沿って配置し、前記搬送ローラー対よりも前記媒体の搬送経路において下流側で前記媒体を検出する光学式センサーと、前記光学式センサーよりも前記搬送経路において下流側に設けられ、前記搬送ローラー対でニップ中の前記媒体の先端を通過させる第1状態と、前記搬送ローラー対でニップ中の前記媒体の先端を通過させない第2状態とを、切り替え可能な回転体と、前記回転体よりも前記搬送経路の下流側に設けられ、前記媒体に記録を行う記録部と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、透光部材を鉛直方向に沿って配置する光学式センサーを備える。このため、重力により透光部材に付着した異物が下方に落ちやすくなり、透光部材の表面に紙粉など異物が付着することで光学式センサーの検出精度が低下するということを抑制することができる。
第2の態様は、第1の態様において、前記搬送経路は、前記搬送ローラー対と前記光学式センサーとの間に湾曲経路を含み、前記透光部材は、前記搬送経路に対して、前記湾曲経路の外側と同じ側に位置することを特徴とする。
本態様によれば、透光部材は搬送経路に対して湾曲経路の外側と同じ側に位置する。このため、湾曲経路において外側に撓んだ媒体が透光部材に接触しやすくなる。媒体が透光部材に接触することで光学式センサーと媒体との距離が近づくため、光学式センサーによる媒体の検出精度が向上する。また、透光部材に接触した媒体が透光部材に付着した異物をワイプする効果が期待できる。
第3の態様は、第2の態様において、前記湾曲経路は、前記湾曲経路を搬送中の前記媒体の撓みを許容するために前記外側に向かって広がる撓み空間が設けられ、前記撓み空間は、前記透光部材に対して鉛直方向下側に位置することを特徴とする。
本態様によれば、撓み空間は透光部材に対して鉛直方向下側に位置する。このため、撓み空間を透光部材から除去された異物の収容スペースとすることができる。
第4の態様は、第3の態様において、前記外側において前記媒体の搬送をガイドするとともに前記撓み空間が形成される外側ガイド部材を備え、前記外側ガイド部材は、前記透光部材よりも下側に、前記湾曲経路の内側の内側側面で前記媒体の搬送をガイドするとともに上側に突出する突出部を有し、前記突出部は、前記突出部の前記外側の外側側面が前記透光部材の表面よりも前記内側に位置することを特徴とする。
本態様によれば、外側ガイド部材により媒体の搬送をガイドすることができ媒体の搬送精度を向上することができる。また、外側ガイド部材の突出部の外側側面が透光部材の表面よりも湾曲経路の内側に位置することで、鉛直方向において透光部材の表面と外側側面との間に隙間ができ、該隙間を介して透光部材から除去された異物を透光部材から離れた位置で収容することができる。したがって、透光部材から除去された異物が透光部材に再付着することを抑制できる。
第5の態様は、第3または第4の態様において、前記搬送経路は、前記撓み空間よりも上流側に固定端が設けられ前記固定端よりも下流側に自由端が設けられることで前記固定端を揺動軸として揺動可能な揺動部材を備え、前記自由端は、前記透光部材に向いていることを特徴とする。
本態様によれば、自由端が透光部材に向いている揺動部材を備える。このため、搬送される媒体を効果的に透光部材の表面に接触させることができ、光学式センサーによる媒体の検出精度を向上することができるとともに、透光部材に接触した媒体が透光部材に付着した異物をワイプする効果を高めることができる。
第6の態様は、第5の態様において、前記撓み空間は前記揺動部材よりも前記外側に広がっていることを特徴とする。
本態様によれば、撓み空間は揺動部材よりも外側に広がっている。このため、広い撓み空間に多くの異物を収容させることができるとともに、斜行補正時に広い撓み空間を利用することができ、媒体の撓みに伴う復元力を利用して効果的に媒体の斜行搬送を補正することができる。
第7の態様は、第3から第6の態様において、前記透光部材に対して鉛直方向下側の位置に、配置を変更可能なトレイを備えることを特徴とする。
本態様によれば、透光部材に対して鉛直方向下側の位置に、配置を変更可能なトレイを備える。このため、鉛直方向下側の位置でトレイに透光部材から除去した異物を収容させることができるとともに、例えばトレイを引き出すことや回動させることなどすることでトレイに溜まった異物を簡単に廃棄することができる。
第8の態様は、第1から第7のいずれか1つの態様において、前記透光部材と接触する位置であって前記搬送経路を搬送される前記媒体が接触可能な位置に除電部材を備えることを特徴とする。
本態様によれば、透光部材と接触する位置であって搬送経路を搬送される媒体が接触可能な位置に除電部材を備える。このため、透光部材が帯電することで異物が付着しやすくなることを抑制でき、併せて、媒体の除電もできる。
第9の態様は、第8の態様において、前記除電部材は、前記回転体が前記第1状態である場合に前記媒体と接触せず、前記回転体が前記第2状態である場合に前記媒体と接触することを特徴とする。
本態様によれば、除電部材は、回転体が第1状態である場合に媒体と接触せず、回転体が第2状態である場合に媒体と接触する。このような構成とすることで、斜行補正のために媒体を撓ませている際には除電部材と媒体とが接触し、通常の搬送時においては除電部材と媒体とが接触しない構成とすることができ、除電部材の小型化及び低コスト化が可能になる。
第10の態様は、第1から第9のいずれか1つの態様において、前記搬送経路は、前記記録部により記録がなされた前記媒体の表裏を反転させる反転経路を有し、前記反転経路で表裏が反転された前記媒体を前記透光部材の上流側から前記記録部へ搬送することが可能に構成されていることを特徴とする。
本態様によれば、媒体の表裏が反転されて搬送される媒体の検出も可能になる。また、媒体の表裏が反転されて搬送される媒体の検出を行うための光学式センサーを別途設ける必要性をなくせるので、記録装置の小型化及び低コスト化が可能になる。
第11の態様は、第10の態様において、前記記録部により記録がなされることなく前記記録部を通過した前記媒体に対して前記反転経路を使用して前記媒体の表裏を反転させることが可能に構成されていることを特徴とする。
本態様によれば、媒体の両面に記録しない場合であっても反転経路を使用して媒体の表裏を反転させることが可能である。このため、媒体の両面に記録しない場合であっても、搬送される媒体を効果的に透光部材の表面に接触させることができ、光学式センサーによる媒体の検出精度を向上することができるとともに、透光部材に接触した媒体が透光部材に付着した異物をワイプする効果を高めることができる。
第12の態様は、第10または第11の態様において、前記記録部は、液体を吐出することにより前記媒体に記録を行い、記録がなされ前記反転経路で表裏が反転された前記媒体が前記透光部材に面する側よりも前記透光部材に面する側とは反対側に多くの前記液体を含有するように配置されていることを特徴とする。
本態様によれば、記録部は、液体を吐出することにより媒体に記録を行い、記録がなされ反転経路で表裏が反転された媒体が透光部材に面する側よりも透光部材に面する側とは反対側に多くの液体を含有するように配置されている。このため、透光部材が記録部から吐出された液体で汚れることを抑制することができる。
第13の態様は、第12の態様において、前記回転体は、前記媒体に対して点接触可能な複数の凸部が外周部に設けられるローラーを有することを特徴とする。
本態様によれば、回転体は媒体に対して点接触可能な複数の凸部が外周部に設けられるローラーを有する。このように、回転体と媒体とを点接触させることにより、媒体の液体が回転体に付着することを抑制することができる。
第14の態様は、第1から第13のいずれか1つの態様において、前記光学式センサーから出射された光を反射する反射部材を前記透光部材と向き合う位置に備え、前記反射部材は、反射面が鉛直方向に沿って配置されていることを特徴とする。
本態様によれば、光学式センサーは反射部材の反射面で反射される光が媒体で遮断されるか否かにより簡単に媒体を検出することができる。また、反射面が鉛直方向に沿って配置されていることで、反射面に異物が付着することを透光部材に異物が付着することと同様に抑制することができる。
第15の態様は、第1から第13のいずれか1つの態様において、前記光学式センサーから出射された光が前記光学式センサーに向かって反射しないようにする対向部材を前記透光部材と向き合う位置に備え、前記対向部材は、前記透光部材と向き合う面が鉛直方向に沿って配置されていることを特徴とする。
本態様によれば、光学式センサーは媒体の表面で光が反射されるか否かにより簡単に媒体を検出することができる。また、対向部材が鉛直方向に沿って配置されていることで、対向部材における透光部材と向き合う面に異物が付着することで光学式センサーが媒体を誤検出することを抑制できる。
以下、本発明を具体的に説明する。以下では記録用紙に代表される媒体Pに対し、液体の一例であるインクを吐出することで記録を行うインクジェットプリンター1を、記録装置の一例として説明する。以下においてインクジェットプリンター1は、プリンター1と略称する。なお、各図において示すX-Y-Z座標系は直交座標系であって、Y軸方向が媒体Pの搬送方向と交差する幅方向であり、装置奥行き方向に対応するとともに下記の各搬送ローラー対の回転軸方向に対応する。X軸方向は装置幅方向であり、プリンター1の操作者から見て+X方向が左側、-X方向が右側となる。Z軸方向は鉛直方向即ち装置高さ方向であり、+Z方向が上方向、-Z方向が下方向となる。以下では、媒体Pが送られていく方向を「下流」と言い、またその反対方向を「上流」と言う場合がある。また図1においては、媒体Pの搬送経路を破線で示している。プリンター1において媒体Pは、破線で示す搬送経路を通って搬送される。
[実施例1]
最初に、図1を参照して、実施例1のプリンター1の全体的な概要について説明する。図1で表されるように、プリンター1は、装置本体2の下部に、鉛直方向に沿って複数の媒体カセットを備えている。本実施形態では、最も上の第1媒体カセット3から下方向に向かって順に、第2媒体カセット4、第3媒体カセット5、第4媒体カセット6、のこれら媒体カセットを備えている。各媒体カセットは、媒体Pを載置して収容可能な載置部の一例である。
各媒体カセットに対しては、収容された媒体Pを-X方向に送り出すピックローラーが設けられている。第1媒体カセット3に対してはピックローラー21が設けられ、第2媒体カセット4に対してはピックローラー22が設けられ、第3媒体カセット5に対してはピックローラー23が設けられ、第4媒体カセット6に対してはピックローラー24が設けられている。
また、各媒体カセットに対しては、-X方向に送り出された媒体Pを、-X方向成分と+Z方向成分を含む斜め上方向に給送する給送ローラー対が設けられている。第1媒体カセット3に対しては給送ローラー対25が設けられ、第2媒体カセット4に対しては給送ローラー対26が設けられ、第3媒体カセット5に対しては給送ローラー対27が設けられ、第4媒体カセット6に対しては給送ローラー対28が設けられる。なお、以下では「ローラー対」とは、特に説明しない限り不図示のモーターによって駆動される駆動ローラーと、この駆動ローラーに接して従動回転する従動ローラーとで構成されるものとする。
第1媒体カセット3から送り出され、給送ローラー対25によって斜め上方向に送られた媒体Pは、搬送ローラー対29から送り力を受けて、+X方向成分と+Z方向成分を含む斜め上方向に送られる。第2媒体カセット4から送り出され、給送ローラー対26によって斜め上方向に送られた媒体Pは、搬送ローラー対130から送り力を受けて上方向に送られ、搬送ローラー対29に達する。第3媒体カセット5から送り出され、給送ローラー対27によって斜め上方向に送られた媒体Pは、搬送ローラー対131及び搬送ローラー対130によって上方向に送られ、搬送ローラー対29に達する。第4媒体カセット6から送り出され、給送ローラー対28によって斜め上方向に送られた媒体Pは、搬送ローラー対132、搬送ローラー対131及び搬送ローラー対130によって上方向に送られ、搬送ローラー対29に達する。搬送ローラー対29は、上述したように媒体Pを+X方向成分と+Z方向成分を含む斜め上方向に送る。
搬送ローラー対29から下流の搬送経路は、上に凸となる様に湾曲しており、媒体Pはこの湾曲経路部分を通って搬送ローラー対30に到達する。また、搬送ローラー対30の下流側には搬送ローラー対31が設けられている。以下では、各媒体カセットから送り出された媒体Pが搬送ローラー対31に到達するまでの搬送経路を「供給経路T1」と称する。また供給経路T1のうち、搬送ローラー対29と搬送ローラー対30との間における、上に凸となる様に湾曲した経路部分を「第1湾曲経路R1」と称する。供給経路T1は、各媒体カセットから送り出された媒体Pを、各媒体カセットからの媒体送り出し方向即ち-X方向とは反対方向である+X方向の成分を含む搬送方向に反転させる経路となる。そしてこの供給経路T1は、搬送ローラー対30の上流側の位置で、後述する反転経路T4に合流する。
なお、搬送ローラー対29の近傍であって装置本体2の外側に示された外部搬送ローラー対18は、不図示の増設ユニットに設けられるローラー対である。この増設ユニットには媒体Pが収容可能に構成され、不図示の送り出しローラーから送り出された媒体Pが、外部搬送ローラー対18によってプリンター1内に供給できる様に構成されている。
また、第1湾曲経路R1の近傍には、装置本体2の側面から装置外部に突出する供給トレイ7が設けられている。供給トレイ7は、媒体Pを手差しで給送する為のトレイであり、媒体Pは供給トレイ7から、供給ローラー19及び分離ローラー20によってプリンター1内に供給される。なお、供給トレイ7を介して装置内部に送り込まれる媒体Pは、供給経路T1に入ることとなる。
搬送ローラー対29から送り力を受ける媒体Pは、下に凸となる様に湾曲した湾曲経路を通って搬送ローラー対31に達する。なお、以下では後述する搬送ローラー対34と搬送ローラー対31との間の下に凸となる様に湾曲した湾曲経路のうちの搬送ローラー対30から搬送ローラー対31までの領域を「第2湾曲経路R2」と称する。
搬送ローラー対31から送り力を受ける媒体Pは、記録部の一例であるラインヘッド12と搬送ベルト13との間、つまり、ラインヘッド12と対向する記録位置に送られる。なお、以下では搬送ローラー対31から搬送ローラー対32までの搬送経路を「記録時搬送経路T2」と称する。ラインヘッド12は、媒体Pの面に液体の一例であるインクを吐出して記録を実行する。ラインヘッド12は、インクを吐出するノズルが媒体幅方向の全域をカバーする様に構成されたインク吐出ヘッドであり、媒体幅方向への移動を伴わないで媒体幅全域に記録が可能なインク吐出ヘッドとして構成されている。但し、インク吐出ヘッドはこれに限られず、キャリッジに搭載されて媒体幅方向に移動しながらインクを吐出するタイプであってもよい。
ラインヘッド12から吐出されるインクは、インク収容部10から不図示のチューブを介してラインヘッド12へと供給される。インク収容部10は、X軸方向に沿って配置される複数のインクタンクによって構成される。ラインヘッド12から不図示のフラッシングキャップに向けてメンテナンスの為に吐出された廃液としてのインクは、廃液収容部11に貯留される。
なお、搬送ローラー対30から搬送ローラー対31までの領域である第2湾曲経路R2には、媒体Pを検出する光学式センサー100が形成されている。その詳細な構成は後述するが、光学式センサー100は構成部材として透光部材101を有する。そして、光学式センサー100の下部には、透光部材101の表面101aに付着した紙粉などの異物を収容可能な異物収容トレイ16が設けられている。異物収容トレイ16はY軸方向に沿って移動可能に構成されており、ユーザーは異物収容トレイ16をY軸方向に沿って移動させて引き出すことにより異物収容トレイ16に溜まった異物を回収し廃棄することができる。
搬送ベルト13は、プーリー14及びプーリー15に掛け回される無端ベルトであって、プーリー14及びプーリー15のうち少なくとも一方が不図示のモーターにより駆動されることで回転する。媒体Pは、搬送ベルト13のベルト面に吸着されつつラインヘッド12と対向する位置を搬送される。搬送ベルト13に対する媒体Pの吸着は、エアー吸引方式や静電吸着方式などの公知の吸着方式を採用できる。
ここで、ラインヘッド12と対向する位置を通る記録時搬送経路T2は、水平方向及び鉛直方向に対して角度を成し、斜め上向きに媒体Pを搬送する構成である。この斜め上向きの搬送方向は、図1において-X方向成分と+Z方向成分とを含む方向であり、このような構成により、プリンター1の水平方向寸法を抑制できる。なお、本実施形態では、記録時搬送経路T2は水平方向に対して50°~70°の範囲の傾斜角に設定され、より具体的には概ね60°の傾斜角に設定されている。
ラインヘッド12により第1面に記録が行われた媒体Pは、搬送ベルト13の下流に位置する搬送ローラー対32により、更に-X方向成分と+Z方向成分とを含む斜め上方向に送られる。搬送ローラー対32の下流にはフラップ41が設けられており、フラップ41によって媒体Pの搬送方向が切り換えられる。媒体Pをそのまま排出する場合は、媒体Pの搬送経路はフラップ41によって上方の搬送ローラー対37に向かう様に切り換えられる。搬送ローラー対37の下流には更にフラップ42が設けられ、フラップ42によって排出位置A1からの排出、及び更に鉛直上方に位置する搬送ローラー対38への搬送のいずれかに搬送経路が切り換えられる。媒体Pは搬送ローラー対38に向けて送られた場合、排出位置A2から排出される。排出位置A1から排出された媒体Pは、+X方向成分と+Z方向成分とを含む斜め上方向に傾斜する排出トレイ8によって受けられる。排出位置A2から排出された媒体Pは、不図示のオプショントレイによって受けられる。
媒体Pの第1面に加えて更に第2面に記録を行う場合、媒体Pは、フラップ41によって-X方向成分と+Z方向成分とを含む斜め上方向に送られ、分岐位置K1を通り、スイッチバック経路T3に入る。本実施形態においてスイッチバック経路T3は分岐位置K1から上側の搬送経路とする。スイッチバック経路T3には搬送ローラー対39が設けられている。スイッチバック経路T3に入った媒体Pは、搬送ローラー対39によって上方向に搬送され、そして媒体Pの後端が分岐位置K1を通過したら、搬送ローラー対39の回転方向が切り換えられ、これにより媒体Pは下方向に搬送される。
スイッチバック経路T3には、反転経路T4が接続している。本実施形態において反転経路T4は、分岐位置K1から、搬送ローラー対33、搬送ローラー対34、搬送ローラー対30と順に通って搬送ローラー対30に至る搬送経路とする。反転経路T4には、上述した第2湾曲経路R2が含まれる。搬送ローラー対33によって下方向に搬送された媒体Pは搬送ローラー対33及び搬送ローラー対34から送り力を受けて搬送ローラー対30に到達し、搬送ローラー対30によって再びラインヘッド12と対向する位置に送られる。すなわち、反転経路T4は、媒体Pを鉛直下方の成分を含む搬送方向に搬送し、下方に凸となる第2湾曲経路R2を経由して鉛直上方の成分を含む搬送方向に反転させる経路である。
再びラインヘッド12と対向する位置に送られた媒体Pは、既に記録が行われた第1面に対し反対側の第2面がラインヘッド12と対向する。これにより、媒体Pの第2面に対しラインヘッド12による記録が可能となる。第2面に記録が行われた媒体Pは、上述した排出位置A1または排出位置A2から排出される。
以下、図2から図8を参照して、本実施形態のプリンター1の光学式センサー100の周辺部分の構成を詳細に説明する。なお、上記のように、本実施形態のプリンター1は、媒体Pを搬送する搬送ローラー対30と、搬送ローラー対30よりも搬送経路において下流側に設けられる搬送ローラー対31と、搬送ローラー対31よりも搬送経路の下流側に設けられインクを吐出することにより媒体Pに記録を行うラインヘッド12とを備えている。ここで、搬送ローラー対31は、搬送ローラー対30でニップ中の媒体Pの先端を通過させる第1状態と、搬送ローラー対30でニップ中の媒体Pの先端を通過させない第2状態とを、切り替え可能な回転体である。そして、搬送ローラー対30で媒体Pを搬送し搬送ローラー対30に突き当てることで媒体Pの斜行搬送を補正することが可能な構成となっている。
また、上記のように、本実施形態のプリンター1は、搬送ローラー対30よりも媒体Pの搬送経路において下流側であって搬送ローラー対31よりも媒体Pの搬送経路において上流側に、搬送経路を搬送される媒体Pを検出可能な光学式センサー100を備えている。光学式センサー100は、図4などで表されるように、モーター105の駆動力によりガイド部104に沿って幅方向であるY軸方向に移動可能な本体部103と、本体部103から発光される光及び本体部103に戻る反射光を透過するガラス板である透光部材101と、を有している。そして、透光部材101が鉛直方向に沿うように配置されている。
このように、本実施形態のプリンター1は、透光部材101を鉛直方向に沿って配置する光学式センサー100を備えている。透光部材101の表面101aなどには媒体Pに起因する紙粉などの異物が付着する場合があり、透光部材101の表面101aに異物が付着すると光学式センサー100の媒体Pの検出精度が低下する場合がある。しかしながら、本実施形態のプリンター1は、透光部材101を鉛直方向に沿って配置していることで、重力により透光部材101に付着した異物が下方に落ちやすくなり、透光部材101の表面に紙粉など異物が付着することで光学式センサー100の検出精度が低下するということを抑制することができる。ここで、「鉛直方向に沿って」とは、厳密な意味での鉛直方向に限定されず、水平面に対して45°から135°までの間であればよい。ただし、好ましくは水平面に対して80°から100°までの間であり、理想的には水平面に対して90°である。また、「透光部材101が鉛直方向に沿う」とは、厳密には、「透光部材101の表面101aが鉛直方向に沿う」という意味である。
また、上記のように、本実施形態のプリンター1は、搬送ローラー対30でニップ中の媒体Pの先端を通過させる第1状態と、搬送ローラー対30でニップ中の媒体Pの先端を通過させない第2状態とを、切り替え可能な回転体である搬送ローラー対31を備えるので、第2状態とした搬送ローラー対31に搬送される媒体Pの先端を突き当てることで媒体Pの斜行補正を行うことができる。本実施形態のプリンター1においては、搬送ローラー対30でニップ中の媒体Pの先端を通過させる第1状態と、搬送ローラー対30でニップ中の媒体Pの先端を通過させない第2状態とを、切り替え可能な回転体として搬送ローラー対31を備えている。しかしながら、このような回転体として、本実施形態のような搬送ローラー対31以外の構成のものを備えていてもよい。例えば、回転体の例として、本実施形態の搬送ローラー対31のように、ローラー対を構成する回転体のニップ部分に媒体Pを突き当てる構成のほか、ローラー対と同期して動くゲートに媒体Pを突き当てる構成や、媒体Pを一時的に逆搬送させることが可能なローラー対を備える構成などとすることができる。
上記のように、光学式センサー100の本体部103は、モーター105の駆動力によりガイド部104に沿ってY軸方向に移動可能である。そして、本体部103は、図5で表されるように、Y軸方向と交差する方向に光を発光する発光部103aと、反射光を受光する受光部103bと、ガイド部104に沿うように配置される被ガイド部103cと、を備えている。光学式センサー100はこのような構成をしていることで、透光部材101の表面101aと対向する位置における媒体Pの有無及び媒体Pの幅方向における端部の位置を検出することができる。なお、本実施形態の光学式センサー100は、媒体Pの有無及び媒体Pの幅の両方を検出可能であるが、媒体Pの有無及び媒体Pの幅の一方のみを検出可能な光学式センサーを使用してもよい。
ここで、本実施形態のプリンター1は、図2で表されるように、媒体Pの搬送経路における透光部材101の表面101aと対向する位置に反射部材110が設けられている。光学式センサー100は、発光部103aから反射部材110の反射面110aに向けて光を発光し、反射面110aで反射された反射光を受光部103bが受光したか媒体Pにより反射面110aでの反射が妨げられ受光できなかったかにより媒体Pを検出する。
このように、本実施形態のプリンター1は光学式センサー100から出射された光を反射する反射部材110を透光部材101と向き合う位置に備えているが、反射部材110は反射面110aが鉛直方向に沿って配置されている。本実施形態のプリンター1はこのような構成であるため、光学式センサー100は反射部材110の反射面110aで反射される光が媒体Pで遮断されるか否かにより簡単に媒体Pを検出することができるとともに、反射面110aが鉛直方向に沿って配置されていることで反射面110aに異物が付着することを透光部材101に異物が付着することと同様に抑制することができる。なお、反射部材110で反射された反射光の有無を検出する方法とすることで、媒体Pの検出精度が高くなる。媒体Pで反射された反射光の有無を検出する方法では、媒体Pの種類や記録の有無などで反射率が変わるため、媒体Pの検出精度が低くなる虞があるためである。
ただし、反射部材110の代わりに、光学式センサー100から出射された光が光学式センサー100に向かって反射しないようにする対向部材を透光部材101と向き合う位置に備える構成としてもよい。このような構成とした場合、光学式センサー100は、発光部103aから媒体Pの表面に向けて光を発光し、媒体Pの表面で反射された反射光を受光部103bが受光したか否かにより媒体Pを検出することとなる。このような構成とした場合、該対向部材は透光部材101と向き合う面が鉛直方向に沿って配置されていることが好ましい。該対向部材の該面が鉛直方向に沿って配置されていることで、該面に異物が付着しづらくなるので、該面に異物が付着することで光学式センサー100が媒体Pを誤検出することを抑制できるためである。
上記のように、本実施形態のプリンター1は、搬送経路として搬送ローラー対30と光学式センサー100との間に第2湾曲経路R2を含んでいるが、透光部材101は搬送経路に対して第2湾曲経路R2の外側と同じ側に位置している。このため、第2湾曲経路R2において外側に撓んだ媒体Pが透光部材101に接触しやすくなっている。媒体Pが透光部材101に接触することで光学式センサー100と媒体Pとの距離が近づくため、光学式センサー100による媒体Pの検出精度が向上する。また、透光部材101に接触した媒体Pが透光部材101の表面101aに付着した異物をワイプする効果が期待できる。なお、従来の一般的なプリンターでは、光学式センサー100が湾曲経路以外の位置に配置されることが多く、また、光学式センサー100が湾曲経路の内側と同じ側に位置する場合が多い。ここで、「第2湾曲経路R2の外側と同じ側」とは、「第2湾曲経路R2の外側部分」のほか、搬送経路内の第2湾曲経路R2以外の領域における「第2湾曲経路R2の外側部分と同じ側」を含む意味である。同様に、「湾曲経路の内側と同じ側」とは、「湾曲経路の内側部分」のほか、搬送経路内の湾曲経路以外の領域における「湾曲経路の内側部分と同じ側」を含む意味である。
本実施形態のプリンター1は、図2から図4、図6及び図8で表されるように、透光部材101と接触する位置にSUS製の除電部材102を備えている。ここで、本実施形態の除電部材102は、透光部材101と接触する位置というだけでなく、搬送経路である第2湾曲経路R2を搬送される媒体Pが接触可能な位置に設けられている。このため、本実施形態のプリンター1は、透光部材101が帯電することで異物が付着しやすくなることを抑制でき、併せて、媒体Pの除電もできる。
ここで、除電部材102は、搬送ローラー対31が搬送ローラー対30でニップ中の媒体Pの先端を通過させる第1状態である場合には媒体Pと接触せず、搬送ローラー対31が搬送ローラー対30でニップ中の媒体Pの先端を通過させない第2状態である場合には媒体Pと接触する構成となっている。このような構成とすることで、斜行補正のために媒体Pを撓ませている際には除電部材102と媒体Pとが接触し、通常の搬送時においては除電部材102と媒体Pとが接触しない構成とすることができ、除電部材102の小型化及び低コスト化が可能になる。
また、上記のように、搬送経路はラインヘッド12により記録がなされた媒体Pの表裏を反転させる反転経路T4を有する。そして、本実施形態のプリンター1は、反転経路T4で表裏が反転された媒体Pを透光部材101の上流側からラインヘッド12へ搬送することが可能に構成されている。従来の一般的なプリンターでは、光学式センサー100が反転経路T4との合流点よりも上流側に設けられており、表裏が反転されて搬送される媒体Pの検出はできない構成が多い。しかしながら、本実施形態のプリンター1は、表裏が反転されて搬送される媒体Pの検出も可能な構成となっている。また、表裏が反転されて搬送される媒体Pの検出を行うための光学式センサー100を別途設ける必要性をなくせるので、プリンター1の小型化及び低コスト化を実現している。
なお、本実施形態のプリンター1は、搬送される媒体Pを透光部材101の表面101aに敢えて接触させることによって表面101aに付着した異物を除去する紙粉除去モードを実行可能に構成されている。そして、紙粉除去モードを実行することで、ラインヘッド12により記録がなされることなく該ラインヘッド12を通過した媒体Pに対しても、両面記録を行うためにラインヘッド12により記録がなされた媒体Pと同じように、反転経路T4を使用して媒体Pの表裏を反転させることが可能である。このため、媒体Pの両面に記録しない場合であっても、搬送される媒体Pを効果的に透光部材101の表面101aに接触させることができ、光学式センサー100による媒体Pの検出精度を向上することができるとともに、透光部材101に接触した媒体Pが透光部材101に付着した異物をワイプする効果を高めることができる。
本実施形態のプリンター1は、図2などで表されるように、第2湾曲経路R2に、該第2湾曲経路R2を搬送中の媒体Pの撓みを許容するために外側に向かって広がる撓み空間80が設けられている。そして、撓み空間80は、透光部材101に対して鉛直方向下側に位置する。本実施形態のプリンター1は、このような構成となっていることで、撓み空間80を透光部材101から除去された異物の収容スペースとしている。また、本実施形態のプリンター1は、このような構成となっていることで、斜行補正時に撓み空間80を利用することができ、媒体Pの撓みに伴う復元力を利用して効果的に媒体Pの斜行搬送を補正することができる。
また、本実施形態のプリンター1は、図2から図4で表されるように、第2湾曲経路R2の外側において媒体Pの搬送をガイドする外側ガイド部材81を備えており、撓み空間80は外側ガイド部材81に形成されている。ここで、外側ガイド部材81は、図2及び図6で表されるように、透光部材101よりも下側に、第2湾曲経路R2の内側の内側側面81bで媒体Pの搬送をガイドするとともに上側に突出する突出部81aを有する。そして、図2及び図6で表されるように、突出部81aは、該突出部81aにおける第2湾曲経路R2の外側の外側側面81cが透光部材101の表面よりも内側に位置している。
このように、本実施形態のプリンター1は、外側ガイド部材81を備えているので、外側ガイド部材81により媒体Pの搬送をガイドすることができ媒体Pの搬送精度を向上することができる。また、外側ガイド部材81の突出部81aの外側側面81cが透光部材101の表面101aよりも第2湾曲経路R2の内側に位置することで、図6で表されるように鉛直方向において透光部材101の表面101aと外側側面81cとの間に隙間Gができ、該隙間Gを介して透光部材101から除去された異物を透光部材101から離れた位置で収容することができる。したがって、透光部材101から除去された異物が透光部材101に再付着することを抑制できる。
また、図2から図4で表されるように、本実施形態のプリンター1の搬送経路には、撓み空間80よりも上流側に固定端71が設けられ固定端71よりも下流側に自由端72が設けられることで固定端71を揺動軸として揺動可能な揺動部材70を備えている。ここで、揺動部材70の自由端72は、透光部材101に向いている。このように、自由端72が透光部材101に向いている揺動部材70を備えることで、搬送される媒体Pを効果的に透光部材101の表面101aに接触させることができる。このため、本実施形態のプリンター1は、光学式センサー100による媒体Pの検出精度を向上することができるとともに、透光部材101に接触した媒体Pが透光部材101に付着した異物をワイプする効果を高めることができる。
ここで、図2などで表されるように、撓み空間80は揺動部材70よりも第2湾曲経路R2の外側に広がっている。このため、広い撓み空間80に多くの異物を収容させることができるとともに、斜行補正時に広い撓み空間80を利用することができ、媒体Pの撓みに伴う復元力を利用して効果的に媒体Pの斜行搬送を補正することができる。
また、媒体Pの搬送時において媒体Pが外側に撓みすぎると搬送不良を生じる虞があるが、本実施形態のプリンター1は、揺動部材70を揺動させることにより、媒体Pの搬送時において媒体Pが外側に撓みすぎることを抑制できる。また、揺動部材70を揺動させることにより、斜行補正時には、媒体Pを十分に撓ませることができる。このように、揺動部材70を備えることで撓み空間80を大きくとっても搬送不良を生じる虞を低減できるため、厚紙など斜行補正が一般的に困難な媒体Pを使用した場合でも効果的に媒体Pの斜行搬送を補正することができる。
また、上記のように、本実施形態のプリンター1は、透光部材101に対して鉛直方向下側の位置にY軸方向に沿って移動可能な異物収容トレイ16を備えている。異物収容トレイ16は、図6で表される隙間Gを介して透光部材101に付着した異物を収容可能となっている。また、上記のように、本実施形態のプリンター1は、異物を撓み空間80に収容可能な外側ガイド部材81を備えている。図2で表されるように、外側ガイド部材81は、駆動ローラー60の回転軸と同じ回転軸を基準に回転方向Cに回転可能な構成となっている。外側ガイド部材81を回転させることで、撓み空間80に溜まった異物を外側ガイド部材81から除去させることができる。なお、本実施形態においては、外側ガイド部材81を回転させることで、撓み空間80に溜まった異物を異物収容トレイ16に移動させることができる。
このように、本実施形態のプリンター1は、透光部材101に対して鉛直方向下側の位置に、配置を変更可能なトレイとしての異物収容トレイ16及び外側ガイド部材81を備えている。このため、本実施形態のプリンター1は、鉛直方向下側の位置でトレイに透光部材101から除去した異物を収容させることができるとともに、例えばトレイを引き出すことや回動させることなどすることでトレイに溜まった異物を簡単に廃棄することができる。なお、本実施形態のプリンター1は、異物収容トレイ16をプリンター1から引き出すことで該異物収容トレイ16に溜まった異物を廃棄することができる構成になっているが、配置を変更可能なトレイとして外側ガイド部材81をプリンター1から引き出せるようにし、外側ガイド部材81をプリンター1から引き出すことで該外側ガイド部材81に溜まった異物を廃棄することができる構成としてもよい。
なお、本実施形態のプリンター1においては、記録部は液体であるインクを吐出することにより媒体Pに記録を行うラインヘッド12である。そして、ラインヘッド12は、搬送経路において透光部材101と同じ側に設けられている。別の表現をすると、ラインヘッド12は、記録がなされ反転経路T4で表裏が反転された媒体Pが透光部材101に面する側よりも透光部材に面する側とは反対側に多くの液体を含有するように配置されている。このため、本実施形態のプリンター1は、両面記録を行う際に、透光部材101がラインヘッド12から吐出された液体で汚れることを抑制することができる。
ここで、搬送ローラー対30は、駆動ローラー60と従動ローラーとしての第1歯付きローラー61とで構成されている。また、搬送ローラー対31は、駆動ローラー68と従動ローラーとしての第2歯付きローラー69とで構成されている。図7は、第2歯付きローラー69の斜視図であるが、第1歯付きローラー61も同様の構成をしている。第2歯付きローラー69は、図7で表されるように媒体Pに対して点接触可能な複数の凸部67を外周部66に有し、複数の凸部67により媒体Pをニップすることが可能な構成となっている。
詳細には、図7で表されるように、第2歯付きローラー69は、回転軸62と、回転軸62に嵌められる複数の円環状のホルダー64と、回転軸62に嵌められる複数の円環状の歯部材65と、で構成されている。歯部材65は、凸部67を外周部66に沿って複数有している。ホルダー64と歯部材65とは交互に回転軸62に嵌められており、1つの第1歯付きローラー61は4枚の歯部材65を有している。すなわち、第1歯付きローラー61は、凸部67を外周部66に沿って複数有する歯部材65を幅方向に複数備えている。なお、搬送ローラー対31は、図7で表される第2歯付きローラー69を幅方向に沿って複数備えている。同様に、搬送ローラー対30は、図7で表される第2歯付きローラー69と同様の構成の第1歯付きローラー61を幅方向に沿って複数備えている。
このように、搬送ローラー対31は、媒体Pに対して点接触可能な複数の凸部67が外周部66に設けられるローラーである第2歯付きローラー69を有する。このように、搬送ローラー対31と媒体Pとを点接触させることにより、両面記録を行うことに伴う先の記録により付着している媒体Pのインクが搬送ローラー対31に付着することを抑制することができる。なお、媒体Pに対して点接触可能な複数の凸部67が外周部66に設けられるローラーを使用することで媒体Pから紙粉を発生しやすくなる場合があるが、本実施形態のプリンター1は、透光部材101を鉛直方向に沿って配置しているので、透光部材101に紙粉が付着することが抑制される。
[実施例2及び実施例3]
次に、実施例2及び実施例3のプリンター1について図9及び図10を用いて説明する。ここで、図9は実施例2のプリンター1の光学式センサー100の透光部材101及び除電部材112を表す拡大側面図であり、実施例1のプリンター1における図8に対応する図である。また、図10は実施例3のプリンター1の光学式センサー100の透光部材101及び除電部材122を表す拡大側面図であり、実施例1のプリンター1における図8に対応する図である。なお、上記実施例1と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。本実施例のプリンター1は、下記に説明する除電部材の構成以外は、実施例1のプリンター1と同様の構成である。このため、下記で説明する部分以外においては、実施例1のプリンター1と同様の技術的特徴を有する。
図8で表されるように、実施例1の除電部材102は、Y軸方向から見て略L字型のSUS板で構成されていた。一方、図9で表されるように、実施例2の除電部材112は、Y軸方向から見て略J字型のSUS板で構成されている。また、図10で表されるように、実施例3の除電部材122は、アルミテープ122aでSUS製の線状部材122bを透光部材101の表面101aに貼り付けて構成される除電ブラシである。このように、除電部材としては様々な構成のものを用いることができ、除電部材の構成に特に限定はない。
本発明は上記において説明した実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
1…インクジェットプリンター(プリンター、記録装置)、2…装置本体、3…第1媒体カセット、4…第2媒体カセット、5…第3媒体カセット、6…第4媒体カセット、7…供給トレイ、8…排出トレイ、10…インク収容部、11…廃液収容部、12…ラインヘッド(記録部)、13…搬送ベルト、14…プーリー、15…プーリー、16…異物収容トレイ、18…外部搬送ローラー対、19…供給ローラー、20…分離ローラー、21…ピックローラー、22…ピックローラー、23…ピックローラー、24…ピックローラー、25…給送ローラー対、26…給送ローラー対、27…給送ローラー対、28…給送ローラー対、29…搬送ローラー対、30…搬送ローラー対、31…搬送ローラー対(回転体)、32…搬送ローラー対、33…搬送ローラー対、34…搬送ローラー対、37…搬送ローラー対、38…搬送ローラー対、39…搬送ローラー対、41…フラップ、42…フラップ、60…駆動ローラー、61…第1歯付きローラー、62…回転軸、64…ホルダー、65…歯部材、66…外周部、67…凸部、68…駆動ローラー、69…第2歯付きローラー、70…揺動部材、71…固定端、72…自由端、80…撓み空間、81…外側ガイド部材、81a…突出部、81b…内側側面、81c…外側側面、100…光学式センサー、101…透光部材、101a…表面、102…除電部材、103…本体部、103a…発光部、103b…受光部、103c…被ガイド部、104…ガイド部、105…モーター、110…反射部材、110a…反射面、112…除電部材、122…除電部材、130…搬送ローラー対、131…搬送ローラー対、132…搬送ローラー対、P…媒体、R1…第1湾曲経路、R2…第2湾曲経路、T1…供給経路、T2…記録時搬送経路、T3…スイッチバック経路、T4…反転経路

Claims (15)

  1. 媒体を搬送する搬送ローラー対と、
    光を透過させる透光部材を鉛直方向に沿って配置し、前記搬送ローラー対よりも前記媒体の搬送経路において下流側で前記媒体を検出する光学式センサーと、
    前記光学式センサーよりも前記搬送経路において下流側に設けられ、前記搬送ローラー対でニップ中の前記媒体の先端を通過させる第1状態と、前記搬送ローラー対でニップ中の前記媒体の先端を通過させない第2状態とを、切り替え可能な回転体と、
    前記回転体よりも前記搬送経路の下流側に設けられ、前記媒体に記録を行う記録部と、
    を備えることを特徴とする記録装置。
  2. 請求項1記載の記録装置において、
    前記搬送経路は、前記搬送ローラー対と前記光学式センサーとの間に湾曲経路を含み、
    前記透光部材は、前記搬送経路に対して、前記湾曲経路の外側と同じ側に位置することを特徴とする記録装置。
  3. 請求項2に記載の記録装置において、
    前記湾曲経路は、前記湾曲経路を搬送中の前記媒体の撓みを許容するために前記外側に向かって広がる撓み空間が設けられ、
    前記撓み空間は、前記透光部材に対して鉛直方向下側に位置することを特徴とする記録装置。
  4. 請求項3に記載の記録装置において、
    前記外側において前記媒体の搬送をガイドするとともに前記撓み空間が形成される外側ガイド部材を備え、
    前記外側ガイド部材は、前記透光部材よりも下側に、前記湾曲経路の内側の内側側面で前記媒体の搬送をガイドするとともに上側に突出する突出部を有し、
    前記突出部は、前記突出部の前記外側の外側側面が前記透光部材の表面よりも前記内側に位置することを特徴とする記録装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載の記録装置において、
    前記搬送経路は、前記撓み空間よりも上流側に固定端が設けられ前記固定端よりも下流側に自由端が設けられることで前記固定端を揺動軸として揺動可能な揺動部材を備え、
    前記自由端は、前記透光部材に向いていることを特徴とする記録装置。
  6. 請求項5に記載の記録装置において、
    前記撓み空間は前記揺動部材よりも前記外側に広がっていることを特徴とする記録装置。
  7. 請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の記録装置において、
    前記透光部材に対して鉛直方向下側の位置に、配置を変更可能なトレイを備えることを特徴とする記録装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の記録装置において、
    前記透光部材と接触する位置であって前記搬送経路を搬送される前記媒体が接触可能な位置に除電部材を備えることを特徴とする記録装置。
  9. 請求項8に記載の記録装置において、
    前記除電部材は、前記回転体が前記第1状態である場合に前記媒体と接触せず、前記回転体が前記第2状態である場合に前記媒体と接触することを特徴とする記録装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の記録装置において、
    前記搬送経路は、前記記録部により記録がなされた前記媒体の表裏を反転させる反転経路を有し、前記反転経路で表裏が反転された前記媒体を前記透光部材の上流側から前記記録部へ搬送することが可能に構成されていることを特徴とする記録装置。
  11. 請求項10に記載の記録装置において、
    前記記録部により記録がなされることなく前記記録部を通過した前記媒体に対して前記反転経路を使用して前記媒体の表裏を反転させることが可能に構成されていることを特徴とする記録装置。
  12. 請求項10または請求項11に記載の記録装置において、
    前記記録部は、液体を吐出することにより前記媒体に記録を行い、記録がなされ前記反転経路で表裏が反転された前記媒体が前記透光部材に面する側よりも前記透光部材に面する側とは反対側に多くの前記液体を含有するように配置されていることを特徴とする記録装置。
  13. 請求項12に記載の記録装置において、
    前記回転体は、前記媒体に対して点接触可能な複数の凸部が外周部に設けられるローラーを有することを特徴とする記録装置。
  14. 請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の記録装置において、
    前記光学式センサーから出射された光を反射する反射部材を前記透光部材と向き合う位置に備え、
    前記反射部材は、反射面が鉛直方向に沿って配置されていることを特徴とする記録装置。
  15. 請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の記録装置において、
    前記光学式センサーから出射された光が前記光学式センサーに向かって反射しないようにする対向部材を前記透光部材と向き合う位置に備え、
    前記対向部材は、前記透光部材と向き合う面が鉛直方向に沿って配置されていることを特徴とする記録装置。
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