JP6911374B2 - 記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、媒体に記録を行う記録装置に関する。
プリンターに代表される記録装置において、媒体の一例としての記録用紙に記録を行う記録部と、前記記録用紙を吸着して搬送する搬送ベルトによって前記記録用紙を前記記録部による記録領域に搬送するベルト搬送手段と、を備える構成のものがある。
そして、このような記録装置において、前記記録用紙を支持する前記搬送ベルトの表面に付着したインクやトナー等の付着物をクリーニングするため、前記搬送ベルトの表面に接触して前記付着物を払拭する払拭部(例えば、クリーニングブレード等)を備える場合がある(例えば特許文献1)。
ここで、前記払拭部を備える前記記録装置を長時間使用しないと、前記払拭部の先端に付着したインクやトナー、或いは前記インクやトナーを含む紙粉が固まることがある。通常、搬送ベルト表面の付着物は前記払拭部により払拭され、或いは掻き落とされるが、インクやトナー等が固まった凝固物が、前記払拭部の先端付近において強固に搬送ベルトに付着したまま前記ベルト搬送手段を駆動すると、前記凝固物が前記払拭部によって除去されずにそのまま通過してしまう虞がある。また、前記凝固物は通過するだけでなく、前記凝固物が前記払拭部を押して前記払拭部の向きが変わってしまい、前記払拭部による払拭が適切に行われなくなる虞がある。
このため、特許文献1において、前記ベルト搬送手段は、記録用紙を搬送する方向(以下、正方向と言う)に搬送ベルトを回転させる前に、所定量だけ前記正方向とは反対の逆方向に回転させる様に構成されている。
このことにより、前記払拭部の先端に付着した前記凝固物を前記払拭部から一旦離し、その後にベルトを回転させて、勢いをつけて前記凝固物を前記払拭部に接触させることができる。以って、前記払拭部が前記凝固物を払拭することができる。
ところで、特許文献2には、前記ベルト搬送手段のメンテナンス等を容易にするために、前記ベルト搬送手段(特許文献2における搬送ユニット50)が、前記記録部によって記録が行われる第1位置と、前記第1位置よりも前記記録部から離れた第2位置と、の間で移動する構成が開示されている。
特開2005−300916号公報 特開2016−159605号公報
ここで、特許文献2に記載のような前記第1位置と前記第2位置との間で移動する搬送ユニット50において、搬送ユニット50を前記第2位置から前記第1位置に移動させる際に、搬送ユニット50の移動に伴って、搬送ベルト21を駆動源によって駆動していないのに搬送ベルト21が回転してしまう場合がある。
また、搬送ユニット50に前記払拭部が設けられている場合、前記第2位置ではメンテナンス等を行うために搬送ベルトの回転が停止されるので、停止時間が長いと前記払拭部の先端に前記凝固物が付着する虞がある。
このため、搬送ユニット50の前記第2位置から前記第1位置への移動に伴って搬送ベルト21が回転したときに、前記凝固物が前記払拭部を通過してしまったり、前記凝固物が前記払拭部の向きを変えてしまう不具合が生じる虞があった。
そこで本発明はこの様な問題に鑑み成されたものであり、その目的は、前記記録部による記録位置にある状態と、前記記録位置にある状態よりも前記記録部から離れた位置にある状態と、の間で状態を切り換え可能なベルト搬送装置において、払拭部による搬送ベルトの適切なクリーニングを実現することにある。
上記課題を解決する為の、本発明の第1の態様に係る記録装置は、媒体に液体を吐出して記録を行う記録部と、上流側ローラーと下流側ローラーとに無端状の搬送ベルトが掛け回され、前記媒体をベルト外面に吸着して搬送するとともに、前記ベルト外面の少なくとも一部が前記記録部による記録位置にある第1状態と、前記ベルト外面が前記記録位置よりも前記記録部から離れた第2状態と、を切り換え可能なベルト搬送部と、前記ベルト外面に接触して当該ベルト外面を払拭する払拭部と、を備え、前記ベルト搬送部の前記第2状態から前記第1状態への状態切替は、前記搬送ベルトを前記媒体を搬送する正方向とは反対の逆方向に所定距離移動させる予備動作を実行した後に実行される構成である、ことを特徴とする。
前記ベルト搬送部が前記第2状態において長時間停止されると、前記払拭部の先端付近に前記記録部から吐出される液体等が固まった凝固物ができる場合がある。
本態様によれば、前記ベルト搬送部の前記第2状態から前記第1状態への状態切替は、前記搬送ベルトを前記媒体を搬送する正方向とは反対の逆方向に所定距離移動させる予備動作を実行した後に実行されるので、前記ベルト搬送部の前記第2状態から前記第1状態への状態切替を行う間に不用意に搬送ベルトが移動する等により、前記凝固物が前記払拭部にぶつかって前記払拭部の向きを変える等の不具合が生じる虞を低減できる。以って、前記払拭部による前記搬送ベルトの適切な払拭を実現できる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記ベルト搬送部は、上流側ローラーの回転軸を回動軸として回動することにより前記第1状態と前記第2状態とが切り替わる構成であることを特徴とする。
前記ベルト搬送部が、上流側ローラーの回転軸を回動軸として回動することにより前記第1状態と前記第2状態とが切り替わる構成であると、前記ベルト搬送部が前記第2状態から前記第1状態に切り替わる際に、前記搬送ベルトが前記媒体を搬送する正方向に移動する場合がある。前記払拭部の先端に前記凝固物が固着している状態のまま前記ベルト搬送部の前記第2状態から前記第1状態への状態切替を行うと、前記搬送ベルトが前記正方向に移動してしまい、前記払拭部が前記凝固物によって押されて向きが変わる等の不具合が生じる場合がある。
本態様によれば、この不具合を抑制し、前記払拭部による前記搬送ベルトの適切な払拭を行うことができる。
本発明の第3の態様は、第1の態様または第2の態様において、前記ベルト搬送部の前記第2状態から前記第1状態への状態切替は、前記予備動作の実行に続いて前記正方向への移動が開始された後に実行される構成であることを特徴とする。
本態様によれば、前記ベルト搬送部の前記第2状態から前記第1状態への状態切替は、前記予備動作の実行に続いて前記正方向への移動が開始された後に実行されるので、第1の態様または第2の態様と同様の作用効果が得られる。
本発明の第4の態様は、第1の態様または第2の態様において、前記ベルト搬送部の前記第2状態から前記第1状態への状態切替の後に前記搬送ベルトの前記正方向への移動が開始される構成であることを特徴とする。
本態様によれば、前記ベルト搬送部の前記第2状態から前記第1状態への状態切替の後に前記搬送ベルトの前記正方向への移動が開始されるので、第1の態様または第2の態様と同様の作用効果が得られる。
本発明の第5の態様は、第1の態様から第4の態様のいずれか一つにおいて、前記搬送ベルトを帯電させる帯電部を備え、前記搬送ベルトを前記正方向に移動する際に当該搬送ベルトを帯電させることを特徴とする。
本態様によれば、より効果的に前記媒体を前記搬送ベルトに吸着させることができる。
本発明の第6の態様は、第1の態様から第5の態様のいずれか一つにおいて、前記ベルト搬送部の前記第2状態から前記第1状態への状態切替の際、前記搬送ベルトの停止時間が所定時間未満の場合には、前記予備動作を省略することを特徴とする。
前記搬送ベルトを停止すると、前記払拭部の先端にインク等が固まった凝固物が生じる場合があるが、短時間の停止であればインク等は固まらない。
本態様によれば、前記ベルト搬送部の前記第2状態から前記第1状態への状態切替の際、前記搬送ベルトの停止時間が所定時間未満の場合には、前記予備動作を省略するので、前記予備動作が必要のない状態では前記予備動作を省略することで、前記状態切替にかかる時間を短縮できる。
本発明の第7の態様は、第1の態様から第6の態様のいずれか一つにおいて、前記ベルト搬送部を駆動する駆動源と、前記駆動源にかかる負荷を検出する負荷検出部と、を備え、前記予備動作の実行に先立って前記搬送ベルトを前記正方向に予め定めた距離だけ移動させ、その際に前記負荷検出部が所定値より低い前記負荷を検出した場合には、前記予備動作を省略することを特徴とする。
前記ベルト搬送部において前記搬送ベルトを前記正方向に予め定めた距離移動させる際、前記負荷検出部が所定値より低い前記負荷を検出した場合、凝固物が無い、或いは少ないと判断することができる。したがって、前記予備動作を省略し、前記状態切替にかかる時間を短縮できる。
尚、「予め定めた距離」とは、前記搬送ベルトを前記正方向に移動した際に、前記凝固物が前記払拭部にぶつかっても前記払拭部の向きが変わらない程度の距離であり、前記払拭部の材質や寸法等に基づいて定まる距離であって、予め計算や実験等で求めることができる距離である。
本発明の第8の態様は、媒体に液体を吐出して記録を行う記録部と、上流側駆動ローラーと下流側従動ローラーとに無端状の搬送ベルトが掛け回され、前記媒体をベルト外面に吸着して搬送するとともに、前記ベルト外面の少なくとも一部が前記記録部による記録位置にある第1状態と、前記ベルト外面が前記記録位置よりも前記記録部から離れた第2状態と、を切り換え可能なベルト搬送部と、前記ベルト搬送部に設けられ、前記ベルト外面に接触して当該ベルト外面を払拭する払拭部と、を備え、前記ベルト搬送部は、上流側駆動ローラーの駆動軸を回動軸として回動することにより前記第1状態と前記第2状態とが切り替わる構成であり、前記ベルト搬送部は、前記第2状態から前記第1状態への状態切替の際、前記上流側駆動ローラーを前記駆動軸に対して自由回転可能な状態にして前記状態切替を実行する構成であることを特徴とする。
前記ベルト搬送部が、上流側駆動ローラーの駆動軸を回動軸として回動することにより前記第1状態と前記第2状態とが切り替わる構成であると、前記ベルト搬送部が前記第2状態から前記第1状態に切り替わる際に、前記搬送ベルトが前記媒体を搬送する正方向に移動する場合がある。
本態様によれば、前記第2状態から前記第1状態への状態切替の際、前記上流側駆動ローラーを前記駆動軸に対して自由回転可能な状態にして前記状態切替を実行するので、前記状態切替の際に、前記搬送ベルトが前記媒体を搬送する正方向に移動する虞を低減できる。したがって、前記ベルト搬送部の前記第2状態から前記第1状態への状態切替を行う際に、前記払拭部の先端付近に付着した前記凝固物によって前記払拭部の向きが変わる等の不具合が生じる虞を低減できる。
本発明の第9の態様は、第8の態様において、前記ベルト搬送部の前記第2状態から前記第1状態への状態切替の際、前記上流側駆動ローラーを駆動する駆動源に供給する電流をオフにする構成であることを特徴とする。
本態様によれば、前記ベルト搬送部の前記第2状態から前記第1状態への状態切替の際、前記上流側駆動ローラーを駆動する駆動源に供給する電流をオフにすることにより、前記上流側駆動ローラーを前記駆動軸に対して自由回転可能な状態にすることができる。
本発明の一実施例に係るプリンターの外観斜視図。 プリンターにおける用紙の搬送経路を示す概略図。 ベルト搬送部の概略側面図。 ベルト搬送部の状態切替について説明する図。 第1状態にあるベルト搬送部と状態切替機構部の斜視図。 第2状態にあるベルト搬送部と状態切替機構部斜視図。 図6においてベルト搬送部と状態切替機構部とを分解した状態を示す図。 ベルト搬送部の第2状態から第1状態への状態切替の一例について説明する図。 ベルト搬送部の第2状態から第1状態への状態切替の他の例について説明する図。 予備動作を行わずにベルト搬送部の第2状態から第1状態への状態切替を行った場合について説明する図。
[実施例1]
まず、本発明の一実施例に係る記録装置の概略について説明する。本実施例の記録装置の一例として、インクジェットプリンター1(以下、単にプリンター1という場合がある)を例に挙げる。
図1は、本発明の一実施例に係るプリンターの外観斜視図である。図2は、プリンターにおける用紙の搬送経路を示す概略図である。図3は、ベルト搬送部の概略側面図である。図4は、ベルト搬送部の状態切替について説明する図である。図5は、第1状態にあるベルト搬送部と状態切替機構部の斜視図である。図6は、第2状態にあるベルト搬送部と状態切替機構部斜視図である。図7は、図6においてベルト搬送部と状態切替機構部とを分解した状態を示す図である。図8は、ベルト搬送部の第2状態から第1状態への状態切替の一例について説明する図である。図9は、ベルト搬送部の第2状態から第1状態への状態切替の他の例について説明する図である。図10は、予備動作を行わずにベルト搬送部の第2状態から第1状態への状態切替を行った場合について説明する図である。
各図において示すX−Y−Z座標系は、X方向が記録装置内の搬送経路における記録媒体の幅方向、Y方向が記録媒体の搬送方向、Z方向が装置高さ方向を示している。各図において−X方向を装置前面側とし、+X方向側を装置背面側とする。
■■■プリンターの概要■■■
図1を参照してプリンター1について説明する。プリンター1は装置本体2と、スキャナーユニット3とを備える複合機として構成されている。装置本体2は、「媒体」としての用紙P(図2参照)を収容する複数の用紙収容カセット4を備えている。各用紙収容カセット4は、装置本体2の前面側(図1における−X軸方向側)から着脱可能に取り付けられている。尚、本明細書において用紙Pは、一例として普通紙や厚紙、写真用紙等の用紙を指している。
また、装置本体2における装置高さ方向(Z軸方向)において、スキャナーユニット3と用紙収容カセット4との間には、「液体」の一例であるインクを吐出して記録を行う「記録部」としてのラインヘッド10(図2)によって記録が実行された用紙Pを排出する排出部7と、排出部7から排出される用紙Pを載置する媒体載置部5が設けられている。また、装置本体2の前面側には、操作部6が設けられている。操作部6には、液晶パネル等の表示手段が設けられている。また、操作部6を操作することにより、プリンター1に対して記録動作及び画像読取動作の指示を入力できる。
■■■プリンターの搬送経路について■■■
次に、図2を用いて、プリンター1における用紙Pの搬送経路11について説明する。
本実施例におけるプリンター1は、用紙Pの搬送経路11を備えている。搬送経路11は、用紙収容カセット4からピックアップされた用紙を送る給送経路14と、給送経路14に接続されて、ラインヘッド10による記録領域A(図3を参照)を含むストレート経路12と、ストレート経路12から排出部7まで用紙を送るフェイスダウン排出経路13と、を備えている。
以下において、用紙収容カセット4から排出部7までの用紙Pの搬送について説明する。
尚、プリンター1は、ラインヘッド10の下流側においてストレート経路12から分岐するスイッチバック経路15と、スイッチバック経路15に接続され、用紙Pの表裏(第1の面と第2の面)を反転させてストレート経路12に戻す反転経路16と、を備え、用紙Pにおける第1の面の記録後、第2の面に記録を実行する、所謂、両面記録を可能に構成されている。スイッチバック経路15と反転経路16による用紙Pの反転については説明を省略する。
給送経路14には、用紙Pの搬送方向に沿って順に給送ローラー17と、複数枚の用紙を1枚に分離する分離ローラー対18が設けられている。
給送ローラー17は、図示しない駆動源により回転駆動する様に構成されている。また、分離ローラー対18はリタードローラーとも呼ばれ、後述するストレート経路12に向けて用紙Pを送る駆動ローラー18aと、駆動ローラー18aとの間で用紙Pをニップして分離する従動ローラー18bと、を備えて構成されている。
図2に示すように、用紙収容カセット4に収容された複数の用紙Pは、最上位の用紙Pが給送ローラー17によりピックアップされて搬送方向下流側に搬送される。この際、最上位の用紙Pとともに次位以降の用紙Pも搬送される場合があるが、分離ローラー対18により最上位の用紙Pと次位以降の用紙Pとが分離され、最上位の用紙Pのみが給送経路14に送られる。
分離ローラー対18の搬送方向下流側には、レジストローラー19が設けられている。本実施例ではレジストローラー19の位置で、給送経路14とストレート経路12とが接続されている。
ストレート経路12は直線状に延びる経路として構成され、ストレート経路12には、レジストローラー19、ベルト搬送部20、除電部25、及びラインヘッド10が設けられている。ストレート経路12はラインヘッド10による記録領域A(図3)を通り、ラインヘッド10の上流側及び下流側に延びる経路である。
本実施形態において、ベルト搬送部20は、ラインヘッド10のヘッド面と対向する領域に配置されており、用紙Pの記録面と反対側を支持している。ベルト搬送部20の構成については後で別途詳述する。
ラインヘッド10は、ベルト搬送部20上のラインヘッド10と対向する位置に用紙Pが搬送された際、用紙Pの記録面にインクを吐出して記録を実行するように構成されている。ラインヘッド10は、インクを吐出するノズルが用紙Pの全幅をカバーする様に設けられた記録ヘッドであり、媒体幅方向への移動を伴わないで媒体幅全体に記録が可能な記録ヘッドとして構成されている。
尚、本実施例のプリンター1はラインヘッド10を備えているが、キャリッジに搭載されて媒体搬送方向と交差する方向に往復移動しながら媒体に液体を吐出して記録を行うシリアル型記録ヘッドを備えていてもよい。
ストレート経路12を搬送される用紙Pは、続いてフェイスダウン排出経路13へ送られる。フェイスダウン排出経路13は、ストレート経路12と接続される湾曲を有する搬送経路11であって、ラインヘッド10によって記録された用紙Pの記録面を下にして排出部7から排出されるように送る経路である。
フェイスダウン排出経路13に入った用紙Pは、複数の搬送ローラー対42により搬送され、排出部7から排出されるとともに、記録面を下にして媒体載置部5に載置される。
■■■ベルト搬送部について■■■
続いて、主として図3を参照して、用紙Pを搬送するベルト搬送部20について説明する。本実施形態に係るベルト搬送部20は、用紙Pをベルト外面21aに吸着する無端状の搬送ベルト21と、搬送ベルト21が掛け回される少なくとも二つのローラーである上流側駆動ローラー22(上流側ローラー)、及び上流側駆動ローラー22に対し媒体搬送方向下流(図3において+Y軸方向)に位置する下流側従動ローラー23(下流側ローラー)と、を備えている。
ベルト搬送部20は、モーター等の第1駆動源27(図6も参照)により上流側駆動ローラー22が回転駆動されることにより搬送ベルト21が駆動され、用紙Pを媒体搬送方向下流側に搬送する。その際、下流側従動ローラー23は、上流側駆動ローラー22の回転駆動によって駆動される搬送ベルト21によって従動回転する。尚、図3において符号22aは、上流側駆動ローラー22の駆動軸(回転軸とも言う)である。
第1駆動源27は、搬送ベルト21、を用紙Pを搬送する方向である正方向(図3に示す両矢印において+C方向)と、その反対方向である逆方向(図3に示す両矢印において−C方向)に周回移動させる様に正転と逆転が可能に構成されている。また、第1駆動源27の駆動は、制御部39(図3)により制御されている。
ベルト搬送部20は、ベルト外面21aの少なくとも一部がラインヘッド10による記録位置B(図3)にある第1状態(図3及び図4の上図)と、ベルト外面21aが記録位置Bよりもラインヘッド10から離れた第2状態(図4の下図)と、を切り換え可能に構成されている。尚、図4の下図において、前記第1状態にあるベルト搬送部20を一点鎖線で示している。また、他の図においても、前記第2状態のベルト搬送部20を示す際に、前記第1状態にあるベルト搬送部20を一点鎖線で示している場合がある。
また、ベルト搬送部20は、ベルト外面21aに接触してベルト外面21aを払拭する払拭部29を備えている。本実施形態において払拭部29としては、例えば、合成樹脂、ゴム等の弾性材料によって形成される板状体(ブレード)が用いられる。払拭部29は、後述する帯電ローラー24に対して搬送ベルト21の移動方向上流側に設けられており、図3のように、払拭部29におけるベルト外面21a側に配置される一端側が、他端側よりもベルト外面21aの移動方向上流側に配置されて、搬送ベルト21の移動方向に対して傾斜してベルト外面21aに当接し、搬送ベルト21の移動によってベルト外面21aに付着した付着物(紙粉やインク等)が掻き取られる様になっている。尚、払拭部29は、ベルト搬送部20に対する相対位置が固定されており、ベルト搬送部20の状態切替に伴って移動する。
尚、ベルト搬送部20の状態切替機構部30(図5)及び払拭部29については、後で更に説明する。
本実施形態において搬送ベルト21は、ベルト外面21aに用紙Pを静電吸着して搬送するベルトであり、ベルト搬送部20には、搬送ベルト21を帯電させる「帯電部」の一例としての帯電ローラー24と、搬送ベルト21によって搬送される用紙Pの表面の電荷を除去する除電部25と、が設けられている。
帯電ローラー24は、図3に示すように、除電部25に対して搬送ベルト21の移動方向上流側に設けられるとともに、搬送経路11よりも下方において上流側駆動ローラー22に対向する位置に設けられ、ベルト外面21aに接触している。
上流側駆動ローラー22及び下流側従動ローラー23が回転して搬送ベルト21が駆動すると、帯電ローラー24が接触した後の帯電したベルト外面21aが搬送経路11を形成する経路形成面となる。よって、搬送経路11を形成する搬送ベルト21における用紙Pの吸着性を高め、より効果的に用紙Pを搬送ベルト21に吸着させることができる。
また、本実施形態において除電部25(図3)は、用紙Pの幅方向(X軸方向)に亘って設けられて前記幅方向に回転する無端状の除電ベルト26を備えて構成されている。除電ベルト26は、外側にブラシ26a(図3)が突出して設けられており、搬送ベルト21上の用紙Pに対向する部位が媒体幅方向であるX軸方向に移動する。除電ベルト26のブラシ26aが用紙Pに押し付けられることにより、用紙Pの表面から電荷を除去する。用紙Pの表面から電荷を除去することにより、搬送ベルト21に対する用紙Pの吸着性を高めることができる。
また、ベルト搬送部20は、上流側駆動ローラー22と下流側従動ローラー23との間において、搬送ベルト21の少なくとも一部を内面側から支持するバックアッププレート28を備えている。
<<<ベルト搬送部の状態切替機構部について>>>
続いて、ベルト搬送部20の状態切替機構部30について、図4〜図7を参照して説明する。
ベルト搬送部20は、状態切替機構部30(図4〜図7を参照)によって、搬送ベルト21の一部がラインヘッド10によって記録が行われる記録位置Bに位置する第1状態(図4の上図)と、記録位置Bよりもラインヘッド10から離れた第2状態と、の間で状態が切り替えられる。
本実施形態において、状態切替機構部30は、上流側駆動ローラー22の駆動軸22a(図4及び図7を参照)を回動軸として回動することにより、ベルト搬送部20の前記第1状態と前記第2状態とが切り替わる構成である。
より具体的には、状態切替機構部30は、モーター等の第2駆動源31(図5)の駆動によって動作するリンク部材32を備えている。リンク部材32は、第1リンク板33と第2リンク板34を備えて構成されている。
リンク部材32が、第2駆動源31の駆動に伴って動作し、ベルト搬送部20を、前記第1状態(図4の上図及び図5)から、上流側駆動ローラー22を中心に下流側従動ローラー23側を−Z軸方向に向かって回動させて、ベルト外面21aがラインヘッド10から離れた第2状態にする。
ベルト搬送部20が前記第2状態となっているときは、ラインヘッド10による用紙Pへの記録が行われない状態である。このとき、例えばラインヘッド10の記録性能を維持するために、記録を行わない状態のラインヘッド10に対して−Z軸方向側から不図示のキャップをすることができる。
図5を参照するに、第2駆動源31のモーター軸(不図示)に固定されたウォーム35に噛み合うウォームホイール36の回転に伴って、ウォームホイール36が一端に固定された軸部37が回転する。この軸部37には、幅方向(X軸方向)において離れた2か所に、第1リンク板33、33の一端が固定されて取り付けられ、この第1リンク板33、33のそれぞれの他端に第2リンク板34、34の一端が回転自在に取り付けられている。第2リンク板34、34の他端は、上流側駆動ローラー22及び下流側従動ローラー23を回転可能に支持する基体38に取り付けられている。
そして、第2駆動源31の駆動によって、軸部37が、例えば−X軸方向側から見て時計回りに回転すると、図4の下図及び図6に示す様に、第1リンク板33および第2リンク板34が互いに近づく様に折り畳まれ、ベルト搬送部20が前記第2状態をとる。
また、第2駆動源31の駆動によって、軸部37が逆回転、つまり−X軸方向側から見て反時計回りに回転すると、図4の上図及び図5に示す様に、第1リンク板33および第2リンク板34が広がり、ベルト搬送部20が前記第1状態をとる。
尚、以下において、ベルト搬送部20の前記第1状態から前記第2状態への移動(図4の上図から下図への移動)をベルト搬送部20の「退避動作」、ベルト搬送部20の前記第2状態から前記第1状態への移動(図4の下図から上図への移動)をベルト搬送部20の「進出動作」と称する場合がある。
<<<ベルト搬送部の第2状態から第1状態への状態切替について>>>
ベルト搬送部20が、上流側駆動ローラー22の駆動軸22aを軸として回動して前記第1状態と前記第2状態とが切り替わる構成(状態切替機構部30)であると、ベルト搬送部20の前記第2状態から前記第1状態への状態切替(進出動作)の際に、搬送ベルト21が用紙Pを搬送する正方向+Cに移動する場合がある。特に、第1駆動源27が制御部39によって制御されて上流側駆動ローラー22の自由回転が規制されている場合に、前記進出動作に伴う搬送ベルト21の正方向+Cへの移動が起こり易い。
ところで、ベルト搬送部20が前記第2状態をとる際は、前述したようにラインヘッド10による記録が行われないので、ベルト搬送部20による用紙Pの搬送も停止することができる。すなわち、搬送ベルト21の周回移動が停止される。
プリンター1が使用されず、ベルト搬送部20が前記第2状態において長時間停止されると、払拭部29の先端付近にラインヘッド10から吐出されるインクやインクを含む紙粉等が固まった凝固物G(図10の上図を参照)ができる場合がある。
図10の上図のように、前記第2状態のベルト搬送部20において払拭部29の先端付近に凝固物Gができたまま、ベルト搬送部20の前記進出動作を行ってベルト搬送部20を前記第1状態にすると、前記進出動作に伴う搬送ベルト21の正方向+Cへの移動が起こり、図10の下図のように、凝固物Gが払拭部29にぶつかり、或いは通過し、払拭部29の先端の向きが変わってしまう虞がある。尚、図10の下図において、図10の上図における凝固物Gと払拭部29の位置を点線で示している。
このベルト搬送部20の前記進出動作に伴い払拭部29の先端の向きが変わる不具合を抑制または回避するため、前記進出動作、すなわち、ベルト搬送部20の前記第2状態(図8の一番上の図)から前記第1状態(図8の上から三番目の図)への状態切替は、搬送ベルト21を用紙Pを搬送する正方向+Cとは反対の逆方向−Cに所定距離移動させる予備動作を実行した後(図8の上から二番目の図)に実行される構成である。図8を参照してこの構成の一例について説明する。
図8の一番上の図は、ベルト搬送部20が前記第2状態で停止しており、払拭部29の先端にインクやインクを含む紙粉等が固まった凝固物Gが付着した状態を示しており、このときの凝固物Gは位置を位置Dとする。
この状態からベルト搬送部20を第1状態にする前に、予備動作として搬送ベルト21を逆方向−Cに所定距離L1だけ移動させる(図8の上から二番目の図)。所定距離L1は、ベルト搬送部20の前記進出動作に伴う搬送ベルト21の移動分の距離L2(図8の上から三番目の図)と、搬送ベルト21を正方向+Cに移動させたときに、移動の勢いで凝固物Gを払拭部29によって掻き取ることができる距離L3(図8の一番下の図)と、を足した距離以上であればよい。尚、予備動作後、凝固物Gは位置Fにある。
前記予備動作の後(図8の上から二番目の図)、ベルト搬送部20の前記第2状態から前記第1状態への状態切替(進出動作)を行い、図8の上から三番目の図の状態とする。
このとき、前記進出動作に伴う搬送ベルト21の正方向+Cへの移動が生じ、凝固物Gは、正方向+Cに距離L2移動して位置Eに位置する。
この状態、すなわち、ベルト搬送部20が前記第1状態になって凝固物Gが位置Eにある状態から、搬送ベルト21が用紙Pを搬送する方向である正方向+Cへの移動を開始すると、凝固物Gが払拭部29に当たって掻き取られ、ベルト外面21aから凝固物Gが剥離する(図8の一番下の図)。尚、凝固物Gが位置Eにある状態からの搬送ベルト21の前記正方向+Cへの移動速度は、ベルト搬送部20の前記進出動作に伴う搬送ベルト21の+C方向への移動速度よりも速く設定されていることが望ましい。

以上のように、ベルト搬送部20の前記第2状態から前記第1状態への状態切替(進出動作)を、前記予備動作を実行した後に実行することにより、ベルト搬送部20の前記進出動作に伴う搬送ベルト21の+C方向への移動により、凝固物Gが払拭部29にぶつかって払拭部29の先端の向きが変わる不具合が生じる虞を低減できる。以って、払拭部29による搬送ベルト21の適切な払拭を実現できる。
<<<ベルト搬送部の第2状態から第1状態への状態切替の他の例について>>>
また、図9に示す様に、前記予備動作後に、進出動作前に搬送ベルト21の前記正方向+Cへの移動を行ってから、ベルト搬送部20の前記進出動作を行うこともできる。言い換えると、ベルト搬送部20の前記第2状態から前記第1状態への状態切替(進出動作)は、前記予備動作の実行に続いて前記正方向+Cへの移動が開始された後に実行することができる。尚、図9には、進出動作前に行う搬送ベルト21の前記正方向+Cへの移動までの手順を示している。
図9の上図は、図8の一番上の図と同じ状態である。この状態からベルト搬送部20を第1状態にする前に、予備動作として搬送ベルト21を逆方向−Cに所定距離L3だけ移動させる(図9の中図)。所定距離L3は、搬送ベルト21を正方向+Cに移動させたときに、移動の勢いで凝固物Gを払拭部29によって掻き取ることができる距離以上であればよい。予備動作後、凝固物Gは位置Eにある。
そして、前記予備動作後、ベルト搬送部20は前記第2状態のまま、搬送ベルト21の前記正方向+Cへの移動を開始すると、凝固物Gが払拭部29に当たって掻き取られ、ベルト外面21aから凝固物Gが剥離する(図9の下図)。
よって、払拭部29の先端に凝固物Gが無い状態となるので、この後にベルト搬送部20を前記第1状態に切り替えても、払拭部29の先端の向きが変わる不具合が生じる虞はほとんどない。以って、状態切替後の払拭部29による搬送ベルト21の適切な払拭を実現できる。
<<<変更例1>>>
また、ベルト搬送部20の前記第2状態から前記第1状態への状態切替の際、搬送ベルト21の停止時間が所定時間未満の場合には、前記予備動作を省略することができる。
プリンター1は、第1駆動源27の駆動時間を計測する計測部40を備え、計測部40(図3)において計測した第1駆動源27の駆動時間の情報を制御部39に送り、前記情報に基づいて制御部39が第1駆動源27の駆動を制御する。
搬送ベルト21を長時間停止すると、払拭部29の先端に凝固物Gが生じる場合があるが、短時間の停止であればインク等は固まらない。
したがって、ベルト搬送部20の前記第2状態から前記第1状態への状態切替の際、計測部40によって計測された搬送ベルト21の停止時間が所定時間(凝固物Gが生じる虞のない時間)未満の場合には、前記予備動作を省略することができる。前記予備動作が必要のない状態で前記予備動作を省略することで、ベルト搬送部20の状態切替にかかる時間を短縮できる。
<<<変更例2>>>
また、プリンター1に、第1駆動源27にかかる負荷を検出する負荷検出部41(図3)を設け、前記予備動作の実行に先立って、すなわち図8の一番上の図や図9の上図の状態で、搬送ベルト21を前記正方向+Cに予め定めた距離だけ移動させ、その際に負荷検出部41が所定値より低い前記負荷を検出した場合には、前記予備動作を省略することができる。
尚、「予め定めた距離」は、例えば、図8の一番上の図の状態の搬送ベルト21を前記正方向+Cに移動した際に、凝固物Gが払拭部29にぶつかっても払拭部29の向きが変わらない程度の距離であり、払拭部29の材質や寸法等に基づいて定まる距離であって、予め計算や実験等で求めることができる距離である。
ベルト搬送部20において搬送ベルト21を前記正方向+Cに予め定めた距離移動させる際、負荷検出部41が所定値より低い前記負荷を検出した場合、制御部39は、払拭部29に付着した凝固物Gが無い、或いは少ないと判断する。払拭部29に付着した凝固物Gが無い、或いは少ない状態は、前記予備動作の必要がない状態であるので、前記予備動作を省略することで、ベルト搬送部20の状態切替にかかる時間を短縮できる。
<<<変更例3>>>
また、ベルト搬送部20は、前記第2状態から前記第1状態への状態切替(図4において下図から上図への状態切替)の際、上流側駆動ローラー22を駆動軸22aに対して自由回転可能な状態にして前記状態切替を実行する構成とすることができる。
上流側駆動ローラー22を駆動軸22aに対して自由回転可能な状態にするには、上流側駆動ローラー22を駆動する駆動源である第1駆動源27に供給する電流をオフにすると良い。すなわち、制御部39が、ベルト搬送部20の前記第2状態から前記第1状態への状態切替の際、第1駆動源27に供給する電流をオフにする制御を行う。
前述の通り、本実施形態のように、上流側駆動ローラー22の駆動軸22aを回動軸として回動し、前記第1状態と前記第2状態とが切り替わる構成のベルト搬送部20では、ベルト搬送部20の前記第2状態から前記第1状態への状態切替(進出動作)の際に、搬送ベルト21が正方向+Cに移動する場合がある。しかし、上流側駆動ローラー22を駆動軸22aに対して自由回転可能な状態にしてベルト搬送部20の前記進出動作を実行すると、当該進出動作の際の搬送ベルト21の正方向+Cへの移動の虞を低減できる。したがって、前記進出動作を行う際に、払拭部29の先端付近に付着した凝固物Gによって払拭部29の向きが変わる等の不具合が生じる虞を低減できる。
尚、上流側駆動ローラー22を駆動軸22aに対して自由回転可能な状態で前記第2状態から前記第1状態への状態切替を行う場合には、前記予備動作のタイミングは、状態切替の前後のいずれでも良い。
また、状態切替の前に前記予備動作を行う場合(図8に対応)に、前記予備動作において搬送ベルト21を逆方向−Cに移動させる所定距離は、ベルト搬送部20の状態切替に伴う搬送ベルト21の移動分の距離L2(図8の上から三番目の図)を差し引くことができる。つまり、状態切替の後に前記予備動作を行う場合(図9に対応)と同じく距離L3とすることができる。
本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
1…インクジェットプリンター(記録装置)、2…装置本体、
3…スキャナーユニット、4…用紙収容カセット、5…媒体載置部、
6…操作部、7…排出部、10…ラインヘッド(記録部)、
11…搬送経路、12…ストレート経路、13…フェイスダウン排出経路、
14…給送経路、15…スイッチバック経路、16…反転経路、
17…給送ローラー、18…分離ローラー対、19…レジストローラー、
20…ベルト搬送部、21…搬送ベルト、21a…ベルト外面、
22…上流側駆動ローラー(上流側ローラー)、22a…駆動軸、
23…下流側従動ローラー(下流側ローラー)、24…帯電ローラー、25…除電部、
26…除電ベルト、26a…ブラシ、27…第1駆動源、28…バックアッププレート、
29…払拭部、30…状態切替機構部、31…第2駆動源、
32…リンク部材、33…第1リンク板、34…第2リンク板、
35…ウォーム、36…ウォームホイール、37…軸部、38…基体、39…制御部、
40…計測部、41…負荷検出部、
A…記録領域、B…記録位置、G…凝固物、P…用紙(媒体)

Claims (10)

  1. 媒体に液体を吐出して記録を行う記録部と、
    上流側ローラーと下流側ローラーとに無端状の搬送ベルトが掛け回され、前記媒体をベ
    ルト外面に吸着して搬送するとともに、前記ベルト外面の少なくとも一部が前記記録部に
    よる記録位置にある第1状態と、前記ベルト外面が前記記録部による記録を行う記録位置
    にある前記第1状態よりも前記記録部から離れた第2状態と、を切り換え可能なベルト搬
    送部と、
    前記ベルト外面に接触して当該ベルト外面を払拭する払拭部と、を備え、
    前記ベルト搬送部の前記第2状態から前記第1状態への状態切替は、前記媒体への記録
    時の前記搬送ベルトの移動正方向とは反対の逆方向に前記搬送ベルトを所定距離移動させ
    る予備動作を実行した後に実行され、
    前記予備動作の実行後における前記払拭部と前記ベルト外面との接触位置前記予備
    動作の実行前における接触位置に対して前記搬送ベルトの移動正方向下流側に移動する、
    ことを特徴とする記録装置。
  2. 媒体に液体を吐出して記録を行う記録部と、
    上流側ローラーと下流側ローラーとに無端状の搬送ベルトが掛け回され、前記媒体をベ
    ルト外面に吸着して搬送するとともに、前記ベルト外面の少なくとも一部が前記記録部に
    よる記録位置にある第1状態と、前記ベルト外面が前記記録部による記録を行う記録位置
    にある前記第1状態よりも前記記録部から離れ、前記媒体を搬送しない第2状態と、を切
    り換え可能なベルト搬送部と、
    前記ベルト外面に接触して当該ベルト外面を払拭する払拭部と、を備え、
    前記ベルト搬送部の前記第2状態から前記第1状態への状態切替は、前記第2状態にお
    いて、前記媒体への記録時の前記搬送ベルトの移動正方向とは反対の逆方向に前記搬送ベ
    ルトを所定距離移動させる予備動作を実行した後に実行される、
    ことを特徴とする記録装置。
  3. 請求項1又は2に記載の記録装置において、
    前記ベルト搬送部は、上流側ローラーの回転軸を回動軸として回動することにより前記
    第1状態と前記第2状態とが切り替わる構成である、
    ことを特徴とする記録装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の記録装置において、
    前記ベルト搬送部の前記第2状態から前記第1状態への状態切替は、前記予備動作の実
    行に続いて前記搬送ベルトの移動正方向への移動が開始された後に実行される構成である

    ことを特徴とする記録装置。
  5. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の記録装置において、
    前記ベルト搬送部の前記第2状態から前記第1状態への状態切替の後に前記搬送ベルト
    の移動正方向への移動が開始される構成である、
    ことを特徴とする記録装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の記録装置において、
    前記搬送ベルトを帯電させる帯電部を備え、前記搬送ベルトを前記搬送ベルトの移動正
    方向に移動する際に当該搬送ベルトを帯電させる、
    ことを特徴とする記録装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の記録装置において、
    前記ベルト搬送部の前記第2状態から前記第1状態への状態切替の際、前記搬送ベルト
    の停止時間が所定時間未満の場合には、前記予備動作を省略する、
    ことを特徴とする記録装置。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の記録装置において、
    前記ベルト搬送部を駆動する駆動源と、前記駆動源にかかる負荷を検出する負荷検出部
    と、を備え、
    前記予備動作の実行に先立って前記搬送ベルトを前記搬送ベルトの移動正方向に予め定
    めた距離だけ移動させ、その際に前記負荷検出部が所定値より低い前記負荷を検出した場
    合には、前記予備動作を省略する、
    ことを特徴とする記録装置。
  9. 媒体に液体を吐出して記録を行う記録部と、
    上流側駆動ローラーと下流側従動ローラーとに無端状の搬送ベルトが掛け回され、前記
    媒体をベルト外面に吸着して搬送するとともに、前記ベルト外面の少なくとも一部が前記
    記録部による記録位置にある第1状態と、前記ベルト外面が前記記録部による記録を行う
    記録位置にある前記第1状態よりも前記記録部から離れた第2状態と、を切り換え可能な
    ベルト搬送部と、
    前記ベルト搬送部に設けられ、前記ベルト外面に接触して当該ベルト外面を払拭する払
    拭部と、を備え、
    前記ベルト搬送部は、上流側駆動ローラーの駆動軸を回動軸として回動することにより
    前記第1状態と前記第2状態とが切り替わる構成であり、
    前記ベルト搬送部は、前記第2状態から前記第1状態への状態切替の際、前記上流側駆
    動ローラーを前記駆動軸に対して自由回転可能な状態にして前記状態切替を実行する構成
    である、
    ことを特徴とする記録装置。
  10. 請求項9に記載の記録装置において、
    前記ベルト搬送部の前記第2状態から前記第1状態への状態切替の際、前記上流側駆動
    ローラーを駆動する駆動源に供給する電流をオフにする構成である、
    ことを特徴とする記録装置。
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