JP2022092031A - 構造物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、開口率を高めることができる架構を得ることを目的とする。【解決手段】構造物は、屋根と、複数の縦フラットバー42及び横フラットバー44が格子状に接合された格子状体40を有し、左右に隣り合う格子状体40の縦フラットバー42同士が接合され、屋根を支持する架構を構成する複数の壁用格子状ユニット32と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、構造物に関する。
柱及び梁で構成された柱梁架構の構面内に、格子枠が設置されたサンルームが知られている(特許文献1参照)。
特開昭64-1840号公報
ところで、柱梁架構では、柱間に大きな開口部を確保することができる。これにより、構造物の採光性や開放性を高めることができる。
しかしながら、柱梁架構では、柱の存在感が大きくなることが懸念されるため、他の架構が求められる。
本発明は、上記の事実を考慮し、開口率を高めることができる架構を得ることを目的とする。
第1態様に係る構造物は、屋根と、複数のフラットバーが格子状に接合された格子状体を有し、前記屋根を支持する架構を構成する複数の格子状ユニットと、を備える。
第1態様に係る構造物によれば、屋根と、屋根を支持する架構を構成する複数の格子状ユニットとを備える。各格子状ユニットは、複数のフラットバーが格子状に接合された格子状体を有する。これにより、格子状ユニットの開口率を高めることができる。
ここで、格子状体において、縦に配置されるフラットバー(以下、「縦フラットバー」という)は、屋根荷重を軸力として負担する。一方、横に配置されるフラットバー(以下、「横フラットバー」という)は、複数の縦フラットバーの座屈を抑制する座屈抑制材として機能する。これにより、格子状ユニットの開口率を高めつつ、複数の縦フラットバーによって屋根荷重を負担することができる。
第2態様に係る構造物は、第1態様に係る構造物において、複数の前記格子状ユニットは、上下左右に配置され、上下に隣り合う前記格子状ユニット間にそれぞれ形成される複数の横目地が上下方向にずれ、又は左右に隣り合う前記格子状ユニット間にそれぞれ形成される複数の縦目地が左右方向にずれて配置される。
第2態様に係る構造物によれば、複数の格子状ユニットは、上下左右に配置される。
ここで、例えば、上下左右に配置された4つの格子状ユニットの角部を一カ所に集め、隣り合う格子状ユニット間に形成される縦目地及び横目地を十字状に交差させた状態で、4つの格子状ユニットを接合することが考えられる。
しかしながら、縦目地及び横目地を十字状に交差させると、その交差部において、縦フラットバー及び横フラットバーが不連続となり、4つの格子状ユニットが面外方向に不安定になる可能性がある。
この対策として本発明では、例えば、上下に隣り合う格子状ユニット間にそれぞれ形成される複数の横目地が上下方向にずれて配置される。この場合、複数の横目地が上下方向にずれた部分において、格子状ユニットが左右に隣り合う。この左右に隣り合う格子状ユニットの縦フラットバー同士を接合することにより、縦フラットバーを上下方向に連続させることができる。
また、例えば、左右に隣り合う格子状ユニット間にそれぞれ形成される複数の縦目地が左右方向にずれて配置される。この場合、複数の縦目地が左右方向にずれた部分において、格子状ユニットが上下に隣り合う。この上下に隣り合う格子状ユニットの横フラットバー同士を接合することにより、横フラットバーを左右方向に連続させることができる。したがって、4つの格子状ユニットを面外方向に安定させることができる。
第3態様に係る構造物は、第1態様又は第2態様に係る構造物において、前記屋根は、傾斜屋根部を有し、前記傾斜屋根部に沿って接続される前記格子状ユニットには、補強梁が設けられる。
第3態様に係る構造物によれば、屋根は、傾斜屋根部を有する。この傾斜屋根部に沿って接続される格子状ユニットには、補強梁が設けられる。
ここで、傾斜屋根部に沿って接続された格子状ユニットには、傾斜屋根部から格子状ユニットの面外方向に向けたスラスト力が作用する。そのため、格子状ユニットが面外方向に変形する可能性がある。
この対策として本発明では、前述したように、傾斜屋根部に沿って接続される格子状ユニットに、補強梁が設けられる。これにより、傾斜屋根部のスラスト力による格子状ユニットの面外変形が抑制される。
第4態様に係る構造物は、第1態様~第3態様の何れか1つに係る構造物において、前記格子状ユニットは、前記格子状体に設けられるせん断力抵抗部材を有する。
第4態様に係る構造物によれば、格子状ユニットは、格子状体に設けられるせん断力抵抗部材を有する。このせん断力抵抗部材が、地震時に、格子状体に作用するせん断力に抵抗することにより、格子状体のせん断変形が抑制される。したがって、格子状ユニットの耐震性能が向上する。
第5態様に係る構造物は、第1態様~第4態様の何れか1つに係る構造物において、前記せん断力抵抗部材は、フラットバーで形成され、前記格子状体に斜めに設けられるブレースを含む。
第5態様に係る構造物によれば、せん断力抵抗部材は、格子状体に斜めに設けられるブレースを含む。これにより、地震時における格子状体のせん断変形を効率的に抑制することができる。
また、ブレースは、フラットバーで形成される。これにより、格子状体の開口率に与える影響を小さくしつつ、格子状ユニットの耐震性能を向上させることができる。
以上説明したように、本発明によれば、架構の開口率を高めることができる。
一実施形態に係る構造物を示す斜視図である。 図1に示される屋根の屋根傾斜部と、壁部とを示す展開図である。 図2に示される壁用格子状ユニットを示す拡大立面図である。 図3に示される壁用格子状ユニットの縦フラットバー及び横フラットバーの交差部を示す分解斜視図である。 図2に示される壁用格子状ユニットの下部を示す拡大立面図である。 図3において、幅方向(左右方向)に隣り合う壁用格子状ユニットの縦フラットバー同士の接合部を示す拡大立面図である。 図1の7-7線断面図である。 一実施形態に係る構造物の変形例において、上下左右に配置された4つの壁用格子状ユニットを示す立面図である。 比較例において、上下左右に配置された4つの壁用格子状ユニットを示す立面図である。 一実施形態に係る構造物の変形例において、上下左右に配置された4つの壁用格子状ユニットを示す立面図である。 一実施形態に係る構造物の変形例を示す立面図である。
以下、図面を参照しながら、一実施形態に係る構造物について説明する。
(構造物)
図1には、本実施形態に係る構造物10が示されている。構造物10は、柱梁架構を使用せずに、複数の屋根用格子状ユニット22及び壁用格子状ユニット32を組み合わせることにより形成されている。具体的には、構造物10は、屋根20と、屋根20を支持する外壁30とを有している。
屋根20は、三角形状(切妻状)の傾斜屋根とされている。この屋根20は、上下方向(鉛直方向)に対して傾斜する傾斜屋根部20Aを有している。図2に示されるように、傾斜屋根部20Aの架構(屋根架構)は、幅方向(矢印W方向)に配列された複数の屋根用格子状ユニット22を接合することにより形成されている。この傾斜屋根部20Aの下部には、外壁30の上端部が接続されている。
(外壁)
外壁30は、屋根20の下端部に沿って配置されている。この外壁30の架構は、幅方向(矢印W方向)に配列された複数の壁用格子状ユニット32を接合することにより形成されている。なお、壁用格子状ユニット32は、格子状ユニットの一例である。
ここで、壁用格子状ユニット32と屋根用格子状ユニット22とは、同様の構成とされている。そのため、以下では、壁用格子状ユニット32の構成について説明し、屋根用格子状ユニット22の構成については説明を適宜省略する。
なお、構造物10の内部には、図示しない複数の内壁が配置されている。各内壁は、外壁30と同様に、複数の壁用格子状ユニットを接合することにより形成されている。また、構造物10の内部には、図示しないスラブ等の床が設けられている。この床は、外壁30や前述した内壁によって支持されている。
(壁用格子状ユニット)
図3に示されるように、複数の壁用格子状ユニット32は、幅方向に配列されている。各壁用格子状ユニット32は、格子状体40と、格子状体40を補強するブレース50とを有している。格子状体40は、複数の縦フラットバー42と、複数の横フラットバー44を格子状に接合することにより形成されている。
(格子状体)
格子状体40は、縦フラットバー42及び横フラットバー44によって区画された複数の開口部46を有している。複数の開口部46は、格子状体40を厚み方向に貫通する矩形状の開口とされている。これらの開口部46は、壁用格子状ユニット32の高さ方向(矢印H方向)及び幅方向(矢印W方向)に配列されている。
なお、格子状体40は、高さ方向又は幅方向に配列された少なくとも2つの開口部を有していれば良く、開口部46の数や配置は、適宜変更可能である。
縦フラットバー42及び横フラットバー44は、例えば、同じ板厚及び幅のフラットバー(平鋼)によって形成されている。なお、縦フラットバー42及び横フラットバー44の板厚及び幅は、異なっていても良い。
複数の縦フラットバー42は、長手方向を壁用格子状ユニット32の高さ方向として配置されている。また、複数の縦フラットバー42は、壁用格子状ユニット32の幅方向に間隔を空けて配置されている。さらに、各縦フラットバー42は、板厚方向を壁用格子状ユニット32の幅方向(面内方向)として配置されている。
複数の横フラットバー44は、長手方向を壁用格子状ユニット32の幅方向として配置されている。また、複数の横フラットバー44は、壁用格子状ユニット32の高さ方向に間隔を空けて配置されている。さらに、各横フラットバー44は、板厚方向を壁用格子状ユニット32の高さ方向(面内方向)として配置されている。これらの縦フラットバー42と横フラットバー44とは、溶接等によって接合されている。
具体的には、壁用格子状ユニット32を面外方向(厚み方向)から見て、壁用格子状ユニット32の外周部では、縦フラットバー42と横フラットバー44とがT字状又はL字状に突き合わせられた状態で、溶接(突き合わせ溶接)されている。
一方、壁用格子状ユニット32を面外方向(厚み方向)から見て、壁用格子状ユニット32の内部では、縦フラットバー42と横フラットバー44とが十字状に交差(直交)している。図4に示されるように、縦フラットバー42及び横フラットバー44の交差部には、切欠き42A,44Aがそれぞれ形成されている。
切欠き42A,44Aは、例えば、相欠きとされており、その深さが縦フラットバー42及び横フラットバー44の幅の半分とされている。これらの縦フラットバー42及び横フラットバー44は、各々の切欠き42A,44Aを組み合わせた状態で、溶接等によって接合されている。これにより、格子状体40の厚みが、縦フラットバー42及び横フラットバー44の幅と同じになっている。
なお、縦フラットバー42及び横フラットバー44の接合構造は、上記したものに限らず、適宜変更可能である。
(ブレース)
図3に示されるように、格子状体40には、格子状体40にせん断剛性を付与するブレース50が設けられている。ブレース50は、例えば、縦フラットバー42及び横フラットバー44と同じ板厚及び幅のフラットバーによって形成されている。
ブレース50は、格子状体40の開口部46内に斜めに配置されている。より具体的には、ブレース50は、格子状体40の開口部46の対角上に配置されている。また、ブレース50は、板厚方向を格子状体40の面内方向として配置されている。このブレース50の両端部は、ガセットプレート52を介して開口部46の角部(隅部)に接合されている。
ガセットプレート52は、略三角形状に形成されている。このガセットプレート52は、ブレース50の端部に溶接等によって接合されている。また、ガセットプレート52は、開口部46の角部において縦フラットバー42及び横フラットバー44に溶接等によってそれぞれ接合されている。
また、ブレース50が接合された開口部46の角部と隣り合う他の開口部46の角部には、補強プレート54が設けられている。補強プレート54は、略三角形状に形成されている。この補強プレート54は、他の開口部46の角部において縦フラットバー42及び横フラットバー44に溶接等によってそれぞれ接合されている。この補強プレート54によって、他の開口部46の角部が補強されている。
なお、格子状体40に設けるブレース50の本数、及び格子状体40に対するブレース50の配置や接合構造は、適宜変更可能である。また、ブレース50は、せん断力抵抗部材の一例である。
図5に示されるように、壁用格子状ユニット32は、例えば、基礎12上に立てられる。基礎12は、地盤G上に形成された基礎スラブとされている。この基礎12には、アンカー部材14が埋設されている。
アンカー部材14の上端部は、基礎12から上方へ延出されており、壁用格子状ユニット32の横フラットバー44を貫通している。この横フラットバー44に、アンカー部材14の上端部をナット16によって接合することにより、基礎12に壁用格子状ユニット32が固定されている。
なお、壁用格子状ユニット32と基礎12との接合構造は、適宜変更可能である。また、基礎12は、基礎スラブに限らず、基礎梁等であっても良い。さらに、壁用格子状ユニット32は、基礎12に限らず、梁やスラブ等の種々の躯体に固定可能である。
図3に示されるように、幅方向に隣り合う壁用格子状ユニット32は、各々の外周部の縦フラットバー42同士を対向させるとともに、各々の横フラットバー44が連続するように配置されている。このように隣り合う壁用格子状ユニット32は、フィラープレート60を介してボルト接合されている。
具体的には、図6に示されるように、フィラープレート60は、例えば、縦フラットバー42と同じ板厚及び幅のフラットバーによって形成されている。また、フィラープレート60は、長手方向を壁用格子状ユニット32の高さ方向として配置されている。さらに、フィラープレート60は、板厚方向を壁用格子状ユニット32の幅方向として配置されている。
フィラープレート60は、隣り合う壁用格子状ユニット32の縦フラットバー42の間に挟み込まれている。これらのフィラープレート60及び縦フラットバー42は、横フラットバー44の上下両側において、ボルト62及びナット64によって接合されている。
なお、フィラープレート60は、必要に応じて設ければ良く、適宜省略可能である。また、隣り合う壁用格子状ユニット32の縦フラットバー42同士は、ボルト接合に限らず、溶接等によって接合しても良い。
図7に示されるように、屋根用格子状ユニット22の下端部には、壁用格子状ユニット32の上端部が接続されている。この壁用格子状ユニット32の上端部には、補強梁(補剛梁)70が設けられている。
具体的には、屋根用格子状ユニット22の下端部の横フラットバー44と、壁用格子状ユニット32の上端部の横フラットバー44とは、上下方向に対向した状態で配置されている。そして、対向する横フラットバー44の間に、補強梁70が配置されている。
補強梁70は、例えば、横フラットバー44と同じ板厚のフラットバーによって形成されている。この補強梁70は、長手方向を壁用格子状ユニット32の幅方向として配置されている。また、補強梁70は、板厚方向を壁用格子状ユニット32の高さ方向として配置されている。さらに、補強梁70は、幅方向に隣り合う複数の壁用格子状ユニット32に亘って設けられている。
補強梁70は、屋根用格子状ユニット22の下端部の横フラットバー44と、壁用格子状ユニット32の上端部の横フラットバー44との間に挟み込まれている。これらの補強梁70及び横フラットバー44は、ボルト72及びナット74によって接合(ボルト接合)されている。この補強梁70によって、壁用格子状ユニット32に面外剛性が付与されている。
なお、補強梁70は、壁用格子状ユニット32の上端部に限らず、例えば、壁用格子状ユニット32の上部に設けることも可能である。
(作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
図1に示されるように、本実施形態に係る構造物10によれば、屋根20と、屋根20を支持する外壁30とを備えている。外壁30の架構は、幅方向に配列された複数の壁用格子状ユニット32を接合することにより形成されている。
図3に示されるように、壁用格子状ユニット32は、格子状体40と、格子状体40に斜めに設けられたブレース50とを有している。格子状体40は、複数の縦フラットバー42及び横フラットバー44を格子状に接合することにより形成されている。この格子状体40は、縦フラットバー42及び横フラットバー44によって区画された複数の開口部46を有している。これにより、壁用格子状ユニット32の開口率を高めることができる。
ここで、壁用格子状ユニット32の縦フラットバー42は、屋根20の荷重(屋根荷重)を軸力として負担する。一方、横フラットバー44は、複数の縦フラットバー42の座屈を抑制する座屈抑制材として機能する。これにより、壁用格子状ユニット32の開口率を高めつつ、複数の縦フラットバー42によって屋根20の荷重(屋根荷重)を負担することができる。
また、格子状体40には、ブレース50が設けられている。これにより、地震時における格子状体40のせん断変形が抑制される。したがって、壁用格子状ユニット32の耐震性能が向上する。
さらに、ブレース50は、フラットバーによって形成されている。これにより、格子状体40の開口率に与える影響を小さくしつつ、壁用格子状ユニット32の耐震性能を向上することができる。
このように本実施形態では、複数の壁用格子状ユニット32によって外壁30の架構を形成することにより、外壁30の開口率を高めることができる。
また、外壁の架構を柱梁架構で形成する場合は、柱や梁の存在感が大きくなり易いが、本実施形態の壁用格子状ユニット32は、フラットバーによって形成されている。そのため、外壁30の架構を形成する部材の存在感を大きくせずに、換言すると、外壁30の架構を形成する部材を目立たなくしつつ、外壁30の開口率を高めることができる。したがって、本実施形態では、透き通るような外壁30を形成することができる。
さらに、屋根20の傾斜屋根部20Aの架構は、外壁30の架構と同様に、屋根用格子状ユニット22によって形成されている。そのため、傾斜屋根部20Aの架構を形成する部材の存在感を大きくせずに、傾斜屋根部20Aの開口率を高めることができる。
しかも、本実施形態では、屋根20及び外壁30等の外装部の全体が、格子状ユニット(屋根用格子状ユニット22、壁用格子状ユニット32)によって形成されている。これにより、全体として、透き通るような構造物10を形成することができる。
また、屋根用格子状ユニット22の下端部には、壁用格子状ユニット32の上端部が接続されている。この壁用格子状ユニット32の上端部には、補強梁70が設けられている。
ここで、図7に示されるように、壁用格子状ユニット32の上端部には、屋根用格子状ユニット22の下端部から、壁用格子状ユニット32の面外方向に向けたスラスト力Sが作用する。そのため、壁用格子状ユニット32が面外方向に変形する可能性がある。
この対策として本実施形態では、前述したように、壁用格子状ユニット32の上端部に、補強梁70が設けられている。この補強梁70によって、壁用格子状ユニット32に面外剛性が付与される。したがって、屋根用格子状ユニット22のスラスト力Sによる壁用格子状ユニット32の面外変形が抑制される。
また、構造物10の角部において壁用格子状ユニット32と交差する他の壁用格子状ユニットや、構造物10の内部に設けられたスラブ等の床に補強梁70を接合することにより、壁用格子状ユニット32の面外変形をさらに抑制することができる。
ところで、図3に示されるように、壁用格子状ユニット32の外周部の縦フラットバー42には、横フラットバー44及びブレース50が溶接されている。そのため、縦フラットバー42には、溶接熱によってひずみが発生している可能性がある。特に、縦フラットバー42は、フラットバーで形成されるため、溶接熱によってひずみが発生し易い。
したがって、幅方向に隣り合う壁用格子状ユニット32の外周部の縦フラットバー42同士を直接重ね合せた状態でボルト接合すると、縦フラットバー42同士がひずみによって密着せず、縦フラットバー42同士の接合強度が低下する可能性がある。
この対策として本実施形態では、幅方向に隣り合う壁用格子状ユニット32の外周部の縦フラットバー42同士を、フィラープレート60を介してボルト62及びナット64によって接合する。これにより、フィラープレート60を介して縦フラットバー42同士を部分的に密着させた状態で、ボルト62及びナット64によって接合することができる。したがって、縦フラットバー42同士の接合強度を確保することができる。
(変形例)
次に、上記実施形態の変形例について説明する。
上記実施形態では、複数の壁用格子状ユニット32が幅方向に配列されるが、複数の壁用格子状ユニット32は、高さ方向に配列されても良い。
また、図8に示される変形例のように、複数の壁用格子状ユニット32は、高さ方向及び幅方向に配列されても良い。具体的には、図8に示される変形例では、4つの壁用格子状ユニット32が上下左右に配置されている。
なお、図8では、ブレース50の図示が省略されている。また、壁用格子状ユニット32の上下方向は、壁用格子状ユニット32の高さ方向(矢印H方向)と一致し、壁用格子状ユニット32の左右方向は、壁用格子状ユニット32の幅方向(矢印W方向)と一致する。また、以下の説明では、説明の便宜上、上下左右に配列された4つの壁用格子状ユニット32を、壁用格子状ユニット32A、壁用格子状ユニット32B、壁用格子状ユニット32C、壁用格子状ユニット32Dとする。
図8に示されるように、壁用格子状ユニット32Aと壁用格子状ユニット32Bとは、上下(高さ方向)に並べられており、フィラープレート80を介してボルト82及びナット84によって接合されている。この壁用格子状ユニット32Aと壁用格子状ユニット32Bとの間には、左右方向に延びる横目地90Xが形成されている。なお、フィラープレート80は、前述したフィラープレート60と同様の構成とされている。
また、壁用格子状ユニット32Cと壁用格子状ユニット32Dとは、上下(高さ方向)に並べられており、フィラープレート80を介してボルト82及びナット84によって接合されている。この壁用格子状ユニット32Cと壁用格子状ユニット32Dとの間には、左右方向に延びる横目地90Xが形成されている。
ここで、壁用格子状ユニット32A,32B間の横目地90Xと、壁用格子状ユニット32C,32D間の横目地90Xとは、上下方向にずれて配置されている。より具体的には、壁用格子状ユニット32A,32B間の横目地90Xは、壁用格子状ユニット32C,32D間の横目地90Xよりも上側に配置されている。
これにより、壁用格子状ユニット32Bの上部と壁用格子状ユニット32Cの下部とが、左右に隣り合って配置されている。そして、左右に隣り合う壁用格子状ユニット32B,32Cの外周部の縦フラットバー42同士が、フィラープレート60を介してボルト62及びナット64によって接合されている。
ここで、例えば、図9に示されるように、上下左右に配置された4つの壁用格子状ユニット32A,32B,32C,32Dの角部を一カ所に集め、隣り合う壁用格子状ユニット32A,32B,32C,32D間に形成される縦目地90Y及び横目地90Xを十字状に交差させた状態で、これらの壁用格子状ユニット32A,32B,32C,32Dを接合することが考えられる。
しかしながら、縦目地90Y及び横目地90Xを十字状に交差させると、その交差部において、縦フラットバー42及び横フラットバー44が不連続となり、4つの壁用格子状ユニット32A,32B,32C,32Dが面外方向に不安定になる可能性がある。
この対策として本変形例では、図8に示されるように、上下に隣り合う壁用格子状ユニット32A,32B間の横目地90Xと、上下に隣り合う壁用格子状ユニット32C,32D間の横目地90Xとを、上下方向にずらしている。
これにより、前述したように、壁用格子状ユニット32Bの上部と、壁用格子状ユニット32Cの下部とが左右に隣り合って配置される。これらの壁用格子状ユニット32B,32Cの外周部の縦フラットバー42同士を、フィラープレート60を介してボルト62及びナット64で接合することにより、壁用格子状ユニット32B,32Cの縦フラットバー42が上下方向に連続される。したがって、4つの壁用格子状ユニット32A,32B,32C,32Dを面外方向に安定させることができる。
なお、図8に示される変形例では、壁用格子状ユニット32A,32B間の横目地90Xが、壁用格子状ユニット32C,32D間の横目地90Xよりも上側に配置されるが、これとは逆に、壁用格子状ユニット32C,32D間の横目地90Xを、壁用格子状ユニット32A,32B間の横目地90Xよりも上側に配置しても良い。
また、左右に隣り合う壁用格子状ユニット32A,32C間の縦目地90Yと、左右に隣り合う壁用格子状ユニット32B,32D間の縦目地90Yとを左右方向にずらすことも可能である。例えば、図2では、左右に隣り合う屋根用格子状ユニット22間の縦目地90Yと、左右に隣り合う壁用格子状ユニット32間の縦目地90Yとが、左右方向(矢印W方向)にずれて配置されている。これにより、図8に示される変形例と同様の効果を得ることができる。
なお、図2に示される符号90Xは、上下に隣り合う屋根用格子状ユニット22及び壁用格子状ユニット32間の縦目地である。
次に、図10に示される変形例では、左右に隣り合う壁用格子状ユニット32A,32C間の縦目地90Yと、左右に隣り合う壁用格子状ユニット32B,32D間の縦目地90Yとに亘って、通しフィラープレート(通しフラットバー)92が配置されている。そして、左右に隣り合う壁用格子状ユニット32A,32Cの外周部の縦フラットバー42同士が、通しフィラープレート86を介してボルト接合されている。また、左右に隣り合う壁用格子状ユニット32B,32Dの外周部の縦フラットバー42同士が、通しフィラープレート86を介してボルト接合されている。
これにより、壁用格子状ユニット32A,32Cの外周部の縦フラットバー42と、壁用格子状ユニット32B,32Dの外周部の縦フラットバー42とが、通しフィラープレート86を介して上下方向に連続される。したがって、4つの壁用格子状ユニット32A,32B,32C,32Dを面外方向に安定させることができる。
なお、図示を省略するが、通しフィラープレートは、上下に隣り合う壁用格子状ユニット32A,32B間の横目地90Xと、上下に隣り合う壁用格子状ユニット32C,32D間の横目地90Xとに亘って配置しても良い。
次に、上記実施形態では、格子状体40にせん断力抵抗部材としてのブレース50が設けられるが、上記実施形態はこれに限らない。せん断力抵抗部材としては、例えば、格子状体40に取り付けられ、格子状体40に作用するせん断力に抵抗するパネル部材等であっても良い。
具体的には、図11に示されるように、図示しない屋根用格子状ユニット及び壁用格子状ユニットの格子状体40(図3参照)の外面には、パネル部材94がそれぞれ取り付けられている。このパネル部材94は、金属板等によって形成されており、格子状体40の外面に、ボルトや溶接等によってせん断力を伝達可能に取り付けられている。
また、パネル部材94には、日射や風雨を透過する複数の開口部96が形成されている。このパネル部材94が、地震時に、格子状体40に作用するせん断力に抵抗することにより、格子状体40のせん断変形が抑制される。したがって、格子状体40の耐震性能が向上する。また、パネル部材94に複数の開口部96を形成することにより、採光性や通風性等を確保することができる。なお、せん断力抵抗部材は、必要に応じて格子状体40に設ければ良く、適宜省略可能である。
次に、上記実施形態は、屋根20が傾斜屋根とされるが、上記実施形態はこれに限らない。屋根の形状は、適宜変更可能であり、例えば、平屋根等であっても良い。
また、上記実施形態では、構造物10の屋根20及び外壁30の架構が、格子状ユニット(屋根用格子状ユニット22、壁用格子状ユニット32)によって形成されるが、上記実施形態はこれに限らない。構造物10では、屋根20を支持する架構の少なくとも一部を格子状ユニットによって形成することができる。
また、上記実施形態に係る構造物10には、柱や柱梁架構が存在していないが、構造物には、柱や柱梁架構を部分的に存在させることも可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、一実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 構造物
20 屋根20A 傾斜屋根部
22 屋根用格子状ユニット(格子状ユニット)
32 壁用格子状ユニット(格子状ユニット)
32A 壁用格子状ユニット(格子状ユニット)
32B 壁用格子状ユニット(格子状ユニット)
32C 壁用格子状ユニット(格子状ユニット)
32D 壁用格子状ユニット(格子状ユニット)
40 格子状体
42 縦フラットバー(フラットバー)
44 横フラットバー(フラットバー)
50 ブレース
70 補強梁
90X 横目地
90Y 縦目地

Claims (4)

  1. 屋根と、
    複数の縦フラットバー及び横フラットバーが格子状に接合された格子状体を有し、左右に隣り合う前記格子状体の前記縦フラットバー同士が接合され、前記屋根を支持する架構を構成する複数の格子状ユニットと、
    を備える構造物。
  2. 前記屋根は、傾斜屋根部を有し、
    前記傾斜屋根部に沿って接続される前記格子状ユニットには、補強梁が設けられる、
    請求項1に記載の構造物。
  3. 前記格子状ユニットは、前記格子状体に設けられるせん断力抵抗部材を有する、
    請求項1又は請求項2に記載の構造物。
  4. 前記せん断力抵抗部材は、フラットバーで形成され、前記格子状体に斜めに設けられるブレースを含む、
    請求項3に記載の構造物。

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