JP2022091700A - 加熱調理器 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱源の一つであるマイクロ波の反射を促すとともに、更なる加熱源である電磁誘導式加熱の対流を阻害しない食品収容容器を用いて食品を加熱する加熱調理器を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の加熱調理器は、電磁誘導加熱を用いて液体槽の内部に入れられた調理油又は水などの液体温度を上昇させて食材を加熱するとともに、液体槽内に埋入される食品収容部材に載置した食材にマイクロ波発振器からの高周波を印加してマイクロ波エネルギーを吸収できるものであって、食品収容部材を上下移動させるリフト台がマイクロ波を加熱調理器内で反射させ、リフト台は、液体槽内の調理油又は水などがリフト台の内側と外側で行き来できる複数の孔を有する面を含む。このため、食材にマイクロ波エネルギーを効率よく照射し、電磁誘導加熱により生じる対流の移動が阻害されることがないため、短時間な加熱調理を実現できる。【選択図】 図1
Description
本発明は、コンビニエンスストアやファーストフード店等で、から揚げやフライなどの冷凍食品や麺類などの食材を加熱するために使用する業務用の加熱調理器(例えば、フライヤーや茹で麺器など)の改良に関し、特に加熱源として電磁誘導とマイクロ波を併用して用いる加熱調理器に関するものである。
コンビニエンスストアなどでは迅速かつ効率的なサービスが求められており、店舗内で冷凍食品などを調理するのに用いられる業務用の加熱調理器は、食材を短時間で一気に加熱できる加熱手段を備えていることが望ましい。そのため、加熱調理器の槽内の食品を加熱するための液体を電磁誘導などによる電気的な発熱やガスなどの燃焼熱で加熱するとともに、マイクロ波発振器も用いて槽内の液体中にある食材にマイクロ波が照射されるようにして、短時間で揚げ物などの調理を行う構成が開示されている(例えば、下記の特許文献1参照)。
槽壁面の外面にほぼ接するように電磁誘導コイルを配置した加熱調理器において、槽壁面が導電性の場合では電磁誘導の原理に基づいて電磁誘導コイルに対向する槽壁面部分が発熱体となって槽内の液体が加熱される。加熱された液体は比重が下がり上部に移動するので対流が生じ、発熱体から離れた槽の中央部にも移動して、液体全体の温度が次第に上昇していく。対流が上手く循環しない場合は、槽内の液体が均一な高温になるまでにかなりの時間を要したり、食材を加熱して温度が低下した液体が食材の周りに残ったままになったりする問題がある。また、槽形状や電磁誘導コイルの位置によって対流状態が変わるため、使用する槽形状などにあわせて対流が起きやすくなるための工夫が必要である。
マイクロ波発振器を併用して槽内の食材にマイクロ波が照射されるようにすれば、マイクロ波の吸収による発熱も加わって調理時間の短縮につながる。しかし、液槽内の食材に吸収されなかったマイクロ波は液槽内の水や調理油などに吸収されてしまい、エネルギー損失がおきてしまう。マイクロ波は金属面に当たった場合その殆どが反射する。そこで、できるだけ多くのマイク口波エネルギーが食材に照射されるよう、食材に吸収されなかったマイクロ波を加熱調理器の庫内で効率よく反射させる必要がある。
加熱調理器の槽内の底部等に金属材(例えば、金属製平板)を配置しておけば、当該金属材によるマイクロ波の反射を促すことになる。一方で、電磁誘導によって加熱された槽内の液体の対流が配置した金属材の存在によって阻害されてしまう。特に、加熱調理器の槽形状が単純な一段式の寸胴型ではなく、底面積の異なる寸胴型を重ねた上下二段式の場合、上槽の槽底部に金属材を配置すると、下槽からの対流は上槽に伝わり難くなり、槽内の液体全体における対流伝熱が上手くいかなくなってしまう。
本発明は、加熱源として電磁誘導とマイクロ波を併用して用いる加熱調理器において、食材に吸収されなかったマイクロ波の槽内での反射を促すとともに、電磁誘導によって加熱された液体の対流を阻害しない構成部材を用いた加熱調理器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、電磁誘導加熱を用いて液体槽の内部に入れられた調理油又は水などの液体の温度を上昇させて食材を加熱するとともに、液体槽内に埋入される食品収容部材に載置した食材にマイクロ波発振器からの高周波を印加してマイクロ波エネルギーを吸収できるようにした本発明に係る加熱調理器において、食品収容部材を上下移動させる金属製のリフト台がマイクロ波を液体槽内で反射させる作用があるため、食材にマイクロ波エネルギーを効率よく照射することが可能である。また、リフト台は、液体槽内の調理油又は水などがリフト台の内側と外側で行き来できる複数の孔を有する面を含んで構成されるため、電磁誘導加熱により生じる液体の対流が阻害されることがない。
このため、リフト台に載せた食品収容部材内の食材は、マイクロ波発振器からの効率的な照射によるマイクロ波エネルギーによる加熱と、電磁誘導で加熱された高温の液体の対流による加熱とにより、従来よりも格段に短時間で食材を加熱することができる。
このため、リフト台に載せた食品収容部材内の食材は、マイクロ波発振器からの効率的な照射によるマイクロ波エネルギーによる加熱と、電磁誘導で加熱された高温の液体の対流による加熱とにより、従来よりも格段に短時間で食材を加熱することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、加熱調理器としてフライヤーを例に挙げるが、必ずしもフライヤーに限定するものではなく、茹で麺器などの他の加熱調理器にも適用可能である。
図1は、フライヤー100の一実施の形態を示す概略的な断面図である。本発明の加熱調理器による効果が顕著にあらわれるのが、図1に示すように液体槽である油槽1が寸胴型ではなく、上部槽1a及び下部槽1bで構成された場合である。そこで、以下では、非寸胴型の槽を用いて説明するが、本発明は寸胴型の槽の場合にも適用し得るものである。
本実施形態の上部槽1a及び下部槽1bは共にほぼ四角筒型の導電性のステンレス製であり、上部槽1aに較べて下部槽1bの方が水平断面積は小さい。上部槽1aの底部は、側壁からつながる水平底部があり、下部槽1bの垂直側壁に連結する。下部槽1bの底から上部槽1aの所定の高さまで調理油7が貯えられる。上部槽1aの形状にあわせて、冷凍食品などの被加熱食材を載置するバスケット8の大きさが適宜決定される。下部槽1bの底部には、油槽1内の調理油を廃油として外部に排出するための排出口11がある。図1に示す下部槽1bの底部は水平であるが、底部に堆積する上げカスを集約し易くするため、傾斜面のある底部にしてもよい。
この下部槽1bの外側壁の周りを取り囲むように電磁誘導加熱用の電磁誘導コイル10を配置する。本実施形態の電磁誘導コイル10は、下部槽1bの垂直側壁の4面が画定する内側がほぼ角柱(又は円柱であってもよい)の空洞であるボビン型のコイル保持体13に一連の電線が複数回周回することにより形成され、調理油7を収容し且つコイルの磁界により誘導加熱されて発熱体の役割となる油槽1を、絶縁物で作られたボビン型コイル保持体13の空洞に挿入させる構造である。
コイル保持体13の一例を図3(a)に示す。図3(a)が示すとおり、保持体13は内部が空洞のいわゆるボビン型形状である。図3(b)は、保持体13に電磁誘導コイル10を巻き付けた状態を示している。保持体13の上下端の各辺は、巻かれたコイル線がコイル保持体から外れず、しかも下部槽1bと着脱可能にするための孔を設けたフランジ15が設けられている。図3(c)に示すように、コイル線10の外側には透磁性が高いフェライト(酸化鉄を主成分とするセラミックス)9を取り付けて磁力を閉じ込めている。このフェライト9により磁界が吸収されるので、フェライト9の外側はほとんど加熱されない。更に、フェライト及びコイルの周りをアルミ板などで覆って固定するようにしてもよい。図4は、下部槽1bに接するコイル保持体13及びフェライト9の断面図を示している。本実施形態では、コイル保持体9と下部槽1bの間には保温目的で断熱材18を使用している。この断熱材18は、例えば、断熱繊維部材であってもよい。さらに、下部槽1bのみならず、上部槽1aの周囲にも断熱材で囲むようにしてもよい。
なお、前記電磁誘導コイル線10は、被覆層が形成可能なようにエナメルニスをコーティングした多数本の銅線を撚り合わせ更に耐熱被覆したものであるが、ワークコイルを用いてもよい。また、本実施形態ではコイル保持体13の空洞は貫通孔の場合を示しているが、有底の空洞であっても良い。さらに、図4、5に示すように、上部槽1aの底面外側に電気溶接で固着した複数のねじ(例えば、溶着スタッドボルト)17を設け、コイル保持体13のフランジ15にある孔14に挿入して、ナット16で固定する。したがって、ナット16を緩めることにより、油槽1からコイル保持体13を取り外す際に手間はかからず、着脱自在である。
コイル保持枠13に巻き回された電磁誘導コイル線10の両端はインバータ(図示せず)に接続している。コイル線10に電流を流すと磁力線が発生し、この磁力線がステンレス製(導電性)の下部槽1bの垂直側壁部分を通る際に渦電流が生じる。渦電流は電気抵抗でジュール熱に変換され、垂直側壁部分を誘導加熱する。フライヤー100の油槽の一部が発熱体となることから、油槽内に導電性体を設置してここに磁束を透過させる必要はなく、油槽内部の清掃や揚げカス取りの作業も手間がからない。なお、電磁誘導コイル線に代わり、ワークコイルを用いた場合でも同様である。
上部槽1a及び下部槽1bは本体6に収容され、扉12によってフライヤー100の内部空間を閉鎖することができる。本体6の上位部近辺には、マイクロ波発振器であるマグネトロン3が取り付けてある。マグネトロン3からのマイクロ波は、導波管によって天板の上位部に導かれ、天板の上位部に配置されたマイクロ波撹拌用のスターラー4によってスターラープロペラ5を回転させて撹拌させながら、天板にある開口部から、油槽1内に向けて照射される。なお、食材の種類や量によりマイクロ波照射の出力と時間を変えるよう制御しても良い。さらにマイクロ波発振器としてマグネトロン3の他に、所望のマイクロ波を発生させる任意のデバイスをマイクロ波発振器として使用することが可能である。
加熱対象の食材を載置するバスケット8は、本実施形態では表面を絶縁材でコーティングしてあるホーロー引きの格子状のかごであるが、必ずしもこれに限定しない。
バスケット8を油槽1の中に埋入し、加熱後に液体槽1から引き上げる機構として、リフト台2がある。食材を並べたバスケット8を、図2に示すように、リフト台2の上に載せてこのリフト台を液体槽1へ降下させ、加熱後はリフト台2を上昇させ、扉12からバスケット8内の加熱後食材を取り出せばよい。
バスケット8を油槽1の中に埋入し、加熱後に液体槽1から引き上げる機構として、リフト台2がある。食材を並べたバスケット8を、図2に示すように、リフト台2の上に載せてこのリフト台を液体槽1へ降下させ、加熱後はリフト台2を上昇させ、扉12からバスケット8内の加熱後食材を取り出せばよい。
本実施形態で使用するリフト台2の形状を示したのが図6である。図6は、リフト台2を底面側からみたときの斜視図である。図7は、リフト台の平面図である。リフト台は金属製であり、図示するとおりリフト台の底面には複数の孔を有している。特に底面の中央部は小径の孔が円形状を形成するように群がって集約しており空隙率が高く、小径の孔の外には小径の孔よりも大きな孔が同心円を形成するように広がって開けられているが空隙率は中央部より低い。なお、孔は必ずしも円形を形成しなければならないというものではなく、楕円形状や矩形形状でもよい。また、小径の孔の外の複数の大径孔は必ずしも同心円を形成していなくてもよく、不規則に散乱するなど任意の配置を含む。なお、中央部とはリフト台底面の中心を中心としてリフト台底面の面積のほぼ50%の範囲を指す。
また別の実施形態では、中央部の空隙率が周辺部の空隙率より大きくなる範囲ならば、小径孔及び大径孔と区別することなく孔の大きさは同一であってもよく、中央部の孔を周辺部の孔より大きくしてもよい。さらに、丸孔以外にも角孔や長孔や長丸孔など任意の形状であってもよく、及びこれらの組み合わせでもよい。孔周囲に打抜き加工時に生じるバリを伴っていてもよい。
図6に示すように、底面の2辺は下方に折り曲げられて、折り曲げ部2aを形成している。また、リフト台2の対向する2辺には底面から上方に折り曲げられて側板2bを形成している。この側板にも、任意形状の開口(本実施形態の場合は図6及び図8に示すように細長いほぼ矩形の開口)が適宜設けられている。なお、図2に示すようにリフト台2にバスケット8を載せて使用する本実施形態では、バスケット8を載せたままの状態で食材を配置したり、バスケット8から食材を取り出したりする際の作業のし易さを考慮して側板2bを左右の2辺のみにしたが、側板2bがリフト台の3辺又は4辺すべてに取り付けるようにしてもよいし、図9に示すように側板2bが無くてもよい。側板2bが有る場合は、図2に示すように側板2bに設けた孔に吊り下げ部材20がひっかけることが容易であるが、側板2bが無い場合は、図10のようにリフト台2のだるま穴内で吊り下げ部材20をスライド操作して吊り下げるようにしてもよい。また、下方の折り曲げ部2aをリフト台の3辺又は4辺すべてに取り付けるようにしてもよい。なお、吊り下げ部材20の強度を上げるため、図9に示すように上方部分20aはセラミック等の非伝導部材で、下方部分20bは金属部材で構成するようにしてもよい。
次に、本実施形態のリフト台2を用いて実証テストを行った結果について説明する。
図11に示すグラフは、本発明の効果を実証するために行った予備テストの結果を示している。油槽1内の調理油(約8リットル)の温度を電磁誘導加熱で180℃にして、バスケット内の冷凍食材(鳥のから揚げ)20個を加熱した。油槽1槽は、図1と同様に上部槽及び下部槽からなる段付きの油槽であり、下部槽にボビン型コイル保持体に巻かれた電磁誘導コイルをセットした。予備実験では、電磁誘導加熱のみであってマイクロ波の照射はせず、リフト台も使用しない。
図11に示すグラフは、本発明の効果を実証するために行った予備テストの結果を示している。油槽1内の調理油(約8リットル)の温度を電磁誘導加熱で180℃にして、バスケット内の冷凍食材(鳥のから揚げ)20個を加熱した。油槽1槽は、図1と同様に上部槽及び下部槽からなる段付きの油槽であり、下部槽にボビン型コイル保持体に巻かれた電磁誘導コイルをセットした。予備実験では、電磁誘導加熱のみであってマイクロ波の照射はせず、リフト台も使用しない。
従来の調理とほぼ同じ加熱時間の360秒にした場合、図11(a)に示すとおり、冷凍食材20個すべての芯温が75℃から90℃の範囲になった。これを半分の180秒の加熱時間にした場合、図11(b)に示すとおり、冷凍食材20個のいずれの芯温も50℃から65℃程度までしか加熱されない。この予備テストの結果を踏まえ、本発明の加熱調理器を使用すると、180秒の加熱時間であっても、芯温が75℃から90℃の範囲に達しないものが一つもないことを要求条件に試験した。
図12は、図11に示すグラフの実験で用いたものと同じ冷凍食材を格子状のバスケット8に入れて、リフト台は使用せずに、電磁誘導加熱と共にマイクロ波の照射を併用して180秒間加熱した結果である。なお、油槽の調理油の量を含めて他は同一条件である。図12に示すとおり、マイクロ波による加熱が加わったことから半分の加熱時間である180秒にもかかわらず、狙いの芯温75℃から90℃の範囲に達するものが16個あり、80%は要求条件を達成した。ただし、残りの20%(4個)は、低すぎたり、高すぎたりして芯温のばらつきは大きくなってしまうことを確認した。
この結果は、上部槽及び下部槽からなる段付きの油槽に沈下させた格子状バスケット8内の冷凍食材にマイクロ波を照射させると、180秒間という短い照射時間では各食材の間でマイクロ波の反射量の不均一さが解消されなかったということを意味している。つまり、放射されたマイクロ波が冷凍食材に直接当たったり、或いは庫内の側壁や上壁で反射したマイクロ波が冷凍食材に当たったりしたものは加熱作用が生じる一方で、冷凍食材に当たらずにバスケット8の格子の間を通過して調理油7の中に進行したマイクロ波は、調理油に吸収されてしまい、庫内の側壁で反射されにくくなり、その結果、マイクロ波がバスケット8内の冷凍食材に当たる確率が低下し、エネルギー効率が低かったものと考えられる。
そこで、本実施形態のリフト台2を使用した実験結果が図13である。図12で使用した格子状バスケット8をリフト台2の上に載せて、同じ条件で冷凍食材の芯温を測定した。図13から分かるとおり、180秒間の短い加熱時間にもかかわらず、20個すべてが75℃から90℃の範囲内にあり、狙いの芯温になっている。図12と比較すると、明らかに芯温のばらつきが小さいことを確認できた。考えられる理由の一つは、冷凍食材に当たらずにバスケット8の格子の間を通過したマイクロ波は、バスケット8の下方にあるリフト台2の金属製底板によって反射し、この反射波が最終的に冷凍食材に当たる確率を向上させていると推測する。つまり、リフト台2が反射板として機能し、マイクロ波のエネルギー効率を高めている。
また、反射板の機能をもつリフト台2の別の技術的効果は、マイクロ波の反射が油槽形状に左右されないということである。つまり、エネルギー効率を高めるにはマイクロ波の反射状態を考慮した上で油槽1の形状を決定することになるので、より単純化するには寸胴型の油槽を用いて金属板を油槽底に置けばよい。しかし、必ず寸胴型の油槽を採用しなければならないとすれば、加熱調理機器の構造の制約となってしまう。本実施形態のような段付きの油槽1の形状を採用した場合、マイクロ波の反射は複雑であり、下部槽1bの底に金属板を置いたとしても下部槽1bの深さが大きいと金属板に到達する前にマイクロ波は調理油に吸収されてしまい、反射後のマイクロ波が冷凍食材に当たる確率が低下することがあり得る。これに対し、本実施形態のリフト台2がバスケットの直ぐ下方にあれば、油槽自体の形状には左右されずにマイクロ波の反射を促すことが可能である。
もう一つの理由は、リフト台2に設けた複数の孔の効果である。仮に、リフト台の底面に孔が無い金属製平板であったとする。この場合、金属製平板がマイクロ波を反射させ、マイクロ波のエネルギー効率を高めることに寄与する。しかしながら、下部槽1bの電磁誘導によって加熱された調理油の対流現象は金属製平板によって阻害されてしまう。すなわち、高温になった調理油が上方に移動しようとしても、金属製平板が障壁となりそれ以上の上方移動ができない。この場合、リフト台に載せているバスケット8内の冷凍食材にまで高温の調理油が到達しないことになる。
これに対し、本実施形態のようにリフト台2の底面に孔があれば、この孔を通して高温の調理油が上方に移動でき、バスケット8内の冷凍食材を加熱することができる。リフト台2があっても対流が止まらないので、マイクロ波及び電磁誘導の併用加熱の効果を十分に発揮させることに繋がる。なお、リフト台2の底面に孔があることで、マイクロ波が孔を通過してしまうことはない。加熱調理器で一般的に使用するマイクロ波の波長さは約12cmであるが、本実施形態で用いるリフト台2の底面の孔の大きさ(本実施形態の場合、中央部の小孔は直径が約4~5mm、周辺の大孔は直径が約8~10mmであるが、これらの大きさに限定されるものではない。)の関係では、マイクロ波はこの孔を通過することはない。つまり、底面に孔があってもリフト台2はマイクロ波の反射板の機能を有する。
さらに、本実施形態のリフト台2は、上述したように、リフト台の裏側に折り曲げた折り曲げ部2aを有する。折り曲げ部2aがあることで、図14に示すように、バスケット8よりも外側に熱ができるだけ移動しないよう対流をバスケット中心に集めるようにしている。つまり、バスケットを油槽1内にセットしたとき、リフト台の外側に高温の調理油が移動することを制御することになり、その結果、電磁誘導で加熱された調理油が中央付近に滞留する状態が維持され、熱効率の一層の向上が期待できる。
マイクロ波は水分子を振動させて加熱するので、冷凍食材に付着した固体の氷を加熱しづらい。上述した冷凍唐揚げ20個をバスケット8に並べた場合、食材間の隙間はほぼない状態である。このバスケット8を油槽1内に沈下させると、食材同士が接触した中央部の食材は周辺部の食材に比べて溶けにくくなっている。冷凍食材に含まれる水分はマイクロ波で加熱されるので、溶け方が早い食材はどんどん加熱されることになり、初期の氷の溶け方のばらつきが、図12に示したような加熱後の芯温ばらつきとしてあらわれてしまうのである。
このため、マイクロ波で冷凍食品の20個すべてにおいて一様に加熱するには、解凍の初期においてどれも同じ様に溶かすことが必要である。リフト台2の複数の孔に関し、本実施形態では図2等に示したとおり、中央部に孔を群集させて空隙率を高くしている。つまり、調理油7の対流がバスケット8の底面の中央を抜けるようにして、溶け方のばらつきを少なくしている。
なお、上述した実施形態の場合、孔付きのリフト台2に格子のバスケット8を載せる構成であったが、リフト台2とバスケット8を一体化構造にしてもよい。この場合、孔付きのリフト台2の底面の代わりがバスケット8の底部自体となるので、バスケットの底部をリフト台の底面と同様の構造にすればよい。これにより、バスケット底部の複数の孔が、マイクロ波を反射させると同時に対流で上方移動した調理油を通過させることになる。
本実施形態の加熱調理機器100を用いると、マイクロ波発振器からのマイクロ波がバスケット下方にあるリフト台の底面又はバスケット自体の底面がマイクロ波を反射させる反射板として機能し、食材にマイクロ波エネルギーを効率よく照射することが可能である。また、上記底面には複数の孔を有しているため、電磁誘導で加熱された高温の調理油の対流が複数の孔を通過してバスケット内の食材を加熱できる。
このため、マイクロ波発振器からの効率的な照射によるマイクロ波エネルギーによる加熱と、電磁誘導で加熱された高温の調理油の対流による加熱により、短時間な加熱調理を実現できる。
このため、マイクロ波発振器からの効率的な照射によるマイクロ波エネルギーによる加熱と、電磁誘導で加熱された高温の調理油の対流による加熱により、短時間な加熱調理を実現できる。
1 油槽(液体槽)
1a 上部槽
1b 下部槽
2 リフト台
2a 折り曲げ部
2b 側板
3 マグネトロン
4 スターラー
5 スターラープロベラ
6 本体
7 調理油
8 バスケット
9 コイル保持体
10 電磁誘導コイル
11 排出口
12 扉
20 吊り下げ部材
100 フライヤー
1a 上部槽
1b 下部槽
2 リフト台
2a 折り曲げ部
2b 側板
3 マグネトロン
4 スターラー
5 スターラープロベラ
6 本体
7 調理油
8 バスケット
9 コイル保持体
10 電磁誘導コイル
11 排出口
12 扉
20 吊り下げ部材
100 フライヤー
Claims (6)
- 食品を加熱するための液体を貯留する液体槽と、
前記液体槽内の前記食品にマイクロ波を照射するマイクロ波発振器と、
前記液体槽を電磁誘導加熱方式で加熱する加熱源と、
前記食品を載置するための食品収容部材と、
前記食品収容部材を昇降させるリフト台と、
を備える加熱調理器であって、
前記リフト台の底面により前記マイクロ波が反射し、前記加熱源の加熱により生じる対流で移動する前記液体が前記リフト台の底面に設けた複数の孔を通過して前記食品を加熱する構成である、加熱調理器。 - 前記リフト台の底面に設けた複数の孔は、前記底面の中央部の空隙率が前記底面の周辺部の空隙率よりも高くなるように配置されている、請求項1に記載の加熱調理器。
- 前記リフト台と前記食品収容部材が一体化構造の場合、前記食品収容部材の底面が、前記マイクロ波を反射し且つ対流で移動する前記液体を通過するための前記孔を有する、請求項2に記載の加熱調理器。
- 前記リフト台の底面の端部は下方に折り曲げられた折り曲げ部を有する、請求項1~3の何れか1項に記載の加熱調理器。
- 前記液体槽は、上部槽と下部槽からなる段付きの液体槽である、請求項1~4の何れか1項に記載の加熱調理器。
- 前記加熱源に用いられる電磁誘導コイルは、内側が空洞であるボビン型のコイル保持体に電線が巻き回され、
前記下部槽の壁面が垂直壁面であり、前記コイル保持体の前記空洞に前記垂直壁面が嵌合されている、請求項1~5の何れか1項に記載の加熱調理器。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020204064 | 2020-12-09 | ||
JP2020204064 | 2020-12-09 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022091700A true JP2022091700A (ja) | 2022-06-21 |
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ID=82067093
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021191968A Pending JP2022091700A (ja) | 2020-12-09 | 2021-11-26 | 加熱調理器 |
Country Status (1)
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2021
- 2021-11-26 JP JP2021191968A patent/JP2022091700A/ja active Pending
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