JP2022091277A - 密封装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑油の滲みが生じたとしても、リップ先端部の面焼けや異常摩耗を抑制しつつ潤滑油の多量漏れを抑制することができる密封装置を提供する。【解決手段】 密封装置10は、回転する軸7の外周面7aに接触する環状の主リップ12を備え、軸方向一方の潤滑油が軸方向他方に漏れるのを防ぐ。主リップ12は、軸7の外周面7aに滑り接触するリップ先端部20と、リップ先端部20の軸方向他方に設けられ軸方向他方に向かうにつれて内径が大きくなる第1傾斜面24と、を有する。第1傾斜面24には、軸7の回転に伴って周方向に流れるエアに押される潤滑油を軸方向一方側へ導く突条28が設けられる。突条28の軸方向一方端28aは、リップ先端部20における外周面7aとの接触面Tよりも軸方向他方側に位置している。【選択図】図1

Description

本発明は、密封装置に関する。
回転する軸とその軸を支持するハウジングの一部との間には、潤滑油が外部に漏洩するのを防止するための密封装置が設けられる。密封装置は、例えば、ハウジング側に取り付けられる固定部と、その固定部から延び弾性変形が可能であるリップとを有する。特許文献1には、前記固定部と、前記リップとを有する密封装置が開示されている。
特開2019?210998号公報
密封装置のリップは、回転する軸の外周面に滑り接触するリップ先端部を有する。
ここで、軸が高速で回転する場合、リップ先端部に面焼けや異常摩耗が発生し、密封の対象である潤滑油がリップ先端部と外周面の間から滲み出て、僅かな漏れが発生することがある。
このような滲みによる潤滑油の漏れは僅かではあるが、長期間に亘って滲みが継続すると、潤滑油の漏れ量は徐々に増加し、多量漏れに至ることがある。
そこで、周方向に対して所定方向に傾斜する突条をリップに設け、この突条によってハウジング外部側へ漏れた潤滑油をハウジング内部側へ導き、潤滑油の漏れを抑制することが考えられる。
しかし、リップに設けた突条が軸の外周面に接触すると、リップと軸との間の接触面積を増加させてしまい、その結果、リップの接触面の発熱が顕著となり、リップ先端部の面焼けや異常摩耗を助長するおそれがある。このようなリップの接触面の発熱は、軸が高速で回転すればするほど顕著となり、リップ先端部の面焼けや異常摩耗が助長されると、潤滑油の漏れ量が増加し、突条を設けたとしても多量漏れの発生につながるおそれがある。
本開示は、このような問題に鑑みてなされたものであり、潤滑油の滲みが生じたとしても、リップ先端部の面焼けや異常摩耗を抑制しつつ潤滑油の多量漏れを抑制することができる密封装置を提供することを目的とする。
本開示の密封装置は、回転する軸の外周面に接触する環状のリップを備え、軸方向一方の潤滑油が軸方向他方に漏れるのを防ぐ密封装置であって、前記リップは、前記軸の外周面に滑り接触するリップ先端部と、前記リップ先端部の軸方向他方に設けられ軸方向他方に向かうにつれて内径が大きくなる傾斜面と、を有し、前記傾斜面には、前記軸の回転に伴って周方向に流れるエアに押される前記潤滑油を軸方向一方側へ導く突条又は溝部が設けられ、前記突条又は溝部の軸方向一方端は、前記リップ先端部における前記外周面との接触面よりも軸方向他方側に位置している。
軸が回転すると、その回転に伴って軸の周囲のエアが軸の回転方向と同じ方向に流れる。リップの傾斜面に潤滑油が付着していると、その潤滑油は、前記エアに押されることによって、そのエアの流れ方向に移動する。このように移動する潤滑油は、前記突条又は溝部によって、軸方向一方側、つまりリップ先端部近傍へ導かれる。
これにより、例えば、リップ先端部と外周面との間から潤滑油が滲み出て、リップの傾斜面に潤滑油が付着したとしても、その滲み出た潤滑油は、リップ先端部よりも軸方向一方側へ戻される。この結果、潤滑油の滲みが生じたとしても、潤滑油の漏れ量の増加が抑制され、多量漏れに至るのを抑制することができる。
また、突条又は溝部の軸方向一方端は、前記リップ先端部における前記外周面との接触面よりも軸方向他方側に位置しているので、突条又は溝部が軸の外周面に接触することがない。このため、突条又は溝部がリップと軸との間の接触面積を増加させることはなく、外周面に滑り接触することで生じるリップ先端部の発熱に与える影響を抑制することができる。これにより、突条又は溝部がリップ先端部に生じる面焼けや異常摩耗の発生を助長するのを抑制することができる。
上記密封装置において、前記突条又は溝部は、前記傾斜面、及び前記傾斜面の軸方向他方に設けられた延長面に亘って設けられていてもよい。
この場合、傾斜面を通過し延長面に至った潤滑油をリップ先端部よりも軸方向一方側へ戻すことができる。
上記密封装置において、前記リップの軸方向他方に設けられ、前記外周面に向かって突出する補助リップをさらに備え、前記補助リップは、前記軸の外周面側に向く補助リップ先端部の軸方向一方側に、軸方向一方に向かうにつれて内径が大きくなる補助リップ傾斜面を有し、前記延長面は、前記補助リップ傾斜面を含んでいてもよい。
この場合、滲み出た潤滑油が傾斜面と補助リップ傾斜面との間に留まる場合にも、その留まった潤滑油を、突条又は溝部によってリップ先端部よりも軸方向一方側へ戻すことができる。
上記密封装置において、前記リップは、前記傾斜面の軸方向他方に設けられ、径方向内方へ向かって突出して前記傾斜面上の前記潤滑油が軸方向他方へ流出するのを阻止する堰部を有し、前記突条又は溝部は、前記堰部の軸方向一方側に設けられた堰部傾斜面、及び前記傾斜面に亘って設けられていてもよい。
この場合、滲み出た潤滑油が傾斜面と堰部傾斜面との間に留まる場合にも、その留まった潤滑油をリップ先端部よりも軸方向一方側へ戻すことができる。
上記密封装置において、前記堰部の先端面には、前記軸の回転に伴って周方向に流れるエアに押される前記潤滑油を軸方向一方側へ導く先端突条又は先端溝部が設けられていてもよい。
この場合、傾斜面と堰部傾斜面との間に留まる潤滑油が堰部を超えて軸方向他方側へ移動しようとする場合に、堰部を超えようとしている先端面に付着した潤滑油を先端突条又は先端溝部によって軸方向一方側へ戻すことができる。先端面に付着した潤滑油は、軸方向一方側へ戻されることで、傾斜面の突条又は溝部によって軸方向一方側へ戻される。
本開示の密封装置によれば、潤滑油の滲みが生じたとしても、リップ先端部の面焼けや異常摩耗を抑制しつつ潤滑油の多量漏れを抑制することができる。
第1実施形態に係る密封装置の断面図である。 図2は、密封装置の断面及び内周側を示す図である。 図3は、図2中、第1傾斜面における突条の断面部分を拡大した図である。 図4は、第2実施形態に係る密封装置の断面及び内周側を示す図である。 図5は、第3実施形態に係る密封装置の断面図である。 図6は、密封装置の断面及び内周側を示す図である。 図7は、先端面における先端突条の拡大図である。 図8は、変形例に係る第1傾斜面の拡大図である。
以下、実施形態について添付図面を参照しながら詳述する。
〔第1実施形態について〕
図1は、第1実施形態に係る密封装置の断面図である。
図1中、密封装置10は、軸7と、ハウジング8との間の環状空間Sに設けられている。
なお、図1は、軸7を側面から見た状態を示している。図1に示す密封装置10の断面は、軸7の中心線Cを含む面における断面である。
軸7は、円柱形状であり、ハウジング8に設けられる軸受等(図示せず)によって回転可能に支持されている。軸7は、中心線C回りに回転する。本開示では、軸7は、その中心線Cが水平面に沿う姿勢で設けられている。軸7の中心線Cと密封装置10の中心線とは一致する。密封装置10は、例えば、モータ、変速機等に用いられるが、他の機器にも適用可能である。
密封装置10は、環状空間Sにおいて軸方向一方の潤滑油が軸方向他方に漏れるのを防ぐ。つまり、密封装置10よりも軸方向一方に潤滑油が存在しており、密封装置10は、密封装置10よりも軸方向一方側に位置する潤滑油が密封装置10よりも軸方向他方側へ漏れるのを防ぐ。潤滑油は、例えば、ハウジング8内に設けられている他の部分の潤滑に用いられる。
密封装置10は、固定部11と、主リップ12と、補助リップ19とを有する。
固定部11は環状であり、ハウジング8の内周面8aに嵌合して取り付けられる。固定部11は、芯材13と、芯材13を覆う被覆部14とを有する。芯材13は、金属からなる環状の部材であり、円筒部15と、円筒部15の軸方向他方側の部分から径方向内方に延びて設けられている円環部16とを有する。被覆部14は、円筒部15を径方向外方が覆う被覆部17を有する。
主リップ12は、固定部11(円環部16)の径方向内側部11aから軸方向一方に延びて設けられている。主リップ12は、回転する軸7の外周面7aに対して接触面Tで滑り接触するリップ先端部20を有する。主リップ12の外周側には、環状のスプリング22が設けられている。スプリング22は、その弾性復元力によって主リップ12を外周側から押圧し、リップ先端部20を軸7に押し付ける。
補助リップ19は、固定部11(円環部16)の径方向内側部11aから軸方向他方かつ径方向内方に延びて設けられている。補助リップ19は、軸7の外周面7aに向かって突出しており、外周面7a側に向いて滑り接触する又は隙間を有して対向するリップ先端部19aを有する。
被覆部14、主リップ12、及び補助リップ19は、ゴム等の弾性素材により構成されている。被覆部14、主リップ12、及び補助リップ19を含む弾性素材により構成される部分は、芯材13に加硫接着されている。つまり、芯材13に被覆部14を加硫接着する際に、リップ12,19も被覆部14と共に形成される。
主リップ12は、リップ先端部20の軸方向他方に設けられた第1傾斜面24と、リップ先端部20の軸方向一方に設けられた第2傾斜面25とを有する。
第2傾斜面25は、リップ先端部20から軸方向一方に向かうにつれて内径が大きくなるように傾斜している。
第1傾斜面24は、リップ先端部20から軸方向他方に向かうにつれて内径が大きくなるように傾斜している。
また、補助リップ19は、リップ先端部19aの軸方向一方側に、軸方向一方に向かうにつれて内径が大きくなる補助リップ傾斜面26を有する。
主リップ12の第1傾斜面24、及び補助リップ19の補助リップ傾斜面26は、滑らかに繋がっている。また、第1傾斜面24及び補助リップ傾斜面26は、外周面7aに対向している。
第1傾斜面24及び補助リップ傾斜面26には、突条28が設けられている。
図2は、密封装置10の断面及び内周側の一部を示す図である。また、図3は、図2中、第1傾斜面24における突条28の断面部分を拡大した図である。
図2では、突条28を1本の線で模式的に示している。図2に示すように、突条28は、第1傾斜面24及び補助リップ傾斜面26に亘って複数設けられている。
突条28は、図3に示すように、断面台形状であり、第1傾斜面24(又は補助リップ傾斜面26)に対して突出している。なお、突条28は、第1傾斜面24に対して突出していれば、断面四角形状、断面三角形状であってもよい。
各突条28は、所定長さを有する線状とされている。各突条28は、所定間隔をおいて周方向に沿って並べて形成されている。
図2中、矢印Rは、第1傾斜面24及び補助リップ傾斜面26に対向する外周面7aが、軸7の回転によって、第1傾斜面24及び補助リップ傾斜面26に対して相対移動する方向を示している。
軸7が回転すると、その回転に伴って軸7の周囲のエアが、軸7の回転方向と同じ方向に流れる。よって、軸7の外周面7aと第1傾斜面24及び補助リップ傾斜面26との間においては、エアが矢印Rの方向に沿って周方向に流れる。
各突条28が延びる方向は、周方向及び軸方向に対して傾斜している。
突条28は、周方向においては、突条28の軸方向他方端28bから軸方向一方端28aへ向かうに従って矢印Rの方向に延び、軸方向においては、軸方向他方端28bから軸方向一方端28aへ向かうに従ってリップ先端部20に漸次近づく方向に延びている。
このため、図2に示すように、第1傾斜面24に潤滑油Lが付着していると、その潤滑油Lは、周方向に流れるエアによって押され、突条28で捕捉される。突条28で捕捉された潤滑油Lは、突条28に沿ってリップ先端部20に近づくように軸方向一方側へ導かれる。これにより、突条28で捕捉された潤滑油Lは、リップ先端部20近傍にまで導かれる。
このように、本実施形態の突条28は、軸7の回転に伴って周方向に流れるエアに押される潤滑油Lを軸方向一方側へ導くことができる。
リップ先端部20近傍へ導かれた潤滑油Lは、外周面7aとリップ先端部20との間で生じるポンプ作用によって、リップ先端部20よりも軸方向一方側へ戻される。
これにより、例えば、リップ先端部20と外周面7aとの間から潤滑油Lが滲み出て、主リップ12の第1傾斜面24に潤滑油Lが付着したとしても、その滲み出た潤滑油Lは、リップ先端部20よりも軸方向一方側へ戻される。この結果、潤滑油Lの滲みが生じたとしても、潤滑油Lの漏れ量の増加が抑制され、多量漏れに至るのを抑制することができる。
リップ先端部20は、図1に示すように、外周面7aに接触することにより弾性変形し、接触面Tの範囲で外周面7aに面接触する。
本実施形態の突条28の軸方向一方端28aは、リップ先端部20における接触面Tよりも軸方向他方側に位置している。
本実施形態では、図2に示すように、突条28の軸方向一方端28aと、リップ先端部20との間に、所定の間隔Kが設けられている。これによって、突条28の軸方向一方端28aが、接触面Tよりも軸方向他方側に位置するようにされている。
これにより、突条28が軸7の外周面7aに接触することがない。このため、突条28がリップ12と外周面7aとの間の接触面積を増加させることはなく、外周面7aに滑り接触することで生じるリップ先端部20の発熱に与える影響を抑制することができる。これにより、突条28がリップ先端部20に生じる面焼けや異常摩耗の発生を助長するのを抑制することができる。
このように、本実施形態によれば、リップ先端部20と外周面7aとの間から潤滑油Lの滲みが生じたとしても、リップ先端部20の面焼けや異常摩耗を抑制しつつ潤滑油の多量漏れを抑制することができる。
なお、本実施形態では、突条28の軸方向他方端28bは、補助リップ傾斜面26において補助リップ19のリップ先端部19aにまで至らない位置に位置しているが、軸方向他方端28bは、補助リップ19のリップ先端部19aに位置していてもよい。すなわち、突条28は、補助リップ傾斜面26の全域に亘って延びていてもよい。
また、本実施形態では、上述したように、第1傾斜面24及び補助リップ傾斜面26は、滑らかに繋がっている。また、突条28は、第1傾斜面24及び補助リップ傾斜面26に亘って設けられている。つまり、補助リップ傾斜面26は、第1傾斜面24の軸方向他方に設けられた延長面を構成する。
この場合、滲み出た潤滑油Lが第1傾斜面24と補助リップ傾斜面26との間に留まる場合にも、その留まった潤滑油Lを、突条28によって、リップ先端部20よりも軸方向一方側へ戻すことができる。
〔第2実施形態について〕
図4は、第2実施形態に係る密封装置10の断面及び内周側を示す図である。図4中の突条28は、図2と同様、1本の線で模式的に示されている。
本実施形態の密封装置10は、補助リップ19を有しておらず、第1傾斜面24の軸方向他方には、円筒面30が設けられている。他の点については、第1実施形態と同様である。
図4中、円筒面30は、第1傾斜面24に滑らかに繋がっている。
本実施形態の突条28は、第1傾斜面24及び円筒面30に亘って設けられている。つまり、円筒面30は、第1傾斜面24の軸方向他方に設けられた延長面を構成する。
この場合においても、第1傾斜面24を通過し円筒面30に至った潤滑油Lをリップ先端部20よりも軸方向一方側へ戻すことができる。
なお、本実施形態では、突条28の軸方向他方端28bは、円筒面30において軸方向他方端30aにまで至らない位置に位置しているが、軸方向他方端28bは、円筒面30の軸方向他方端30aに位置していてもよい。すなわち、突条28は、円筒面30の全域に亘って延びていてもよい。
〔第3実施形態について〕
図5は、第3実施形態に係る密封装置10の断面図であり、図6は、密封装置10の断面及び内周側を示す図である。図6中の突条28は、図2と同様、1本の線で模式的に示されている。また、後に説明する先端突条40も1本の線で模式的に示されている。
本実施形態の密封装置10は、主リップ12が堰部34を備えている。他の点については、第1実施形態と同様である。
図5及び図6を参照して、堰部34は、主リップ12の第1傾斜面24の軸方向他方に設けられている。図5中、破線の円内は、堰部34の部分を拡大して示している。
堰部34は、リップ先端部20と外周面7aとの間から染み出た第1傾斜面24の潤滑油Lを堰き止め、軸方向他方へ流出するのを阻止する機能を有する。
堰部34は、径方向内方、すなわち、軸7の外周面7aに向かって突出している。堰部34の先端面35は、外周面7aに対してほぼ平行であり、所定の間隔を有している。
堰部34は、軸方向一方側に堰部傾斜面36を有する。堰部傾斜面36は、先端面35から軸方向一方に向かうにつれて内径が大きくなるように傾斜している。
主リップ12の第1傾斜面24、及び堰部傾斜面36は、滑らかに繋がっている。
本実施形態の突条28は、第1傾斜面24及び堰部傾斜面36に亘って設けられている。本実施形態の突条28の軸方向他方端28bは、堰部傾斜面36において先端面35にまで至らない位置に位置している。なお、突条28は、軸方向他方端28bが先端面35に到達するように延ばされていてもよい。
上述のように、堰部34は、潤滑油が軸方向他方へ流出するのを阻止する機能を有する。このため、リップ先端部20と外周面7aとの間から染み出た潤滑油Lは、第1傾斜面24と堰部傾斜面36との間に留まることがある。
このような場合にも、本実施形態では、その留まった潤滑油Lを、突条28によって、リップ先端部20よりも軸方向一方側へ戻すことができる。
また、堰部34の先端面35には、先端突条40が複数設けられている。
図7は、先端突条40の拡大図である。
各先端突条40は、先端面35の一端35aから他端35bまでの間に亘って線状に設けられている。先端突条40は、所定間隔をおいて並べて形成されている。
先端突条40は、断面台形状であり、先端面35に対して突出している。
各先端突条40が延びる方向は、周方向及び軸方向に対して傾斜している。各先端突条40が延びる方向は、突条28と同様である。
よって、先端突条40は、周方向においては、先端突条40の軸方向他方端40bから軸方向一方端40aへ向かうに従って矢印Rの方向に延び、軸方向においては、軸方向他方端40bから軸方向一方端40aへ向かうに従ってリップ先端部20に漸次近づく方向に延びている。
このため、先端突条40は、突条28と同様、軸7の回転に伴って周方向に流れるエアに押される潤滑油Lを軸方向一方側へ導くことができる。
よって、第1傾斜面24と堰部傾斜面36との間に留まる潤滑油が堰部34を超えて軸方向他方側へ移動しようとする場合に、堰部34を超えようとしている先端面35の潤滑油を先端突条40によって軸方向一方側へ戻すことができる。
先端面35に付着した潤滑油は、軸方向一方側へ戻されることで、第1傾斜面24の突条28によってリップ先端部20よりも軸方向一方側へ戻される。
この結果、潤滑油Lの滲みが生じたとしても、潤滑油Lの漏れ量の増加が抑制され、多量漏れに至るのを抑制することができる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
例えば、上記各実施形態では、突条28を、主リップ12の第1傾斜面24から、第1傾斜面24に隣接する補助リップ19の補助リップ傾斜面26や円筒面30(延長面)に亘って設けた場合や、第1傾斜面24から、堰部34の堰部傾斜面36に亘って設けた場合を例示したが、突条28は、第1傾斜面24の範囲内に設ければよく、この場合も同様の効果を得ることができる。
また、上記各実施形態では、第1傾斜面24や、補助リップ傾斜面26、円筒面30、堰部傾斜面36に対して突出する突条28を設けた場合を例示したが、図8に示すように、突条28に代えて、溝部50を設けてもよい。この場合においても、溝部50は、突条28と同様、軸7の回転に伴って周方向に流れるエアに押される潤滑油Lを軸方向一方側へ導くことができる。
また、第3実施形態における先端突条40についても、先端突条40に代えて先端面35に溝部を設けてもよい。
本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
7 軸 7a 外周面 8 ハウジング
8a 内周面 10 密封装置 11 固定部
11a 径方向内側部 12 主リップ 13 芯材
14 被覆部 15 円筒部 16 円環部
17 被覆部 19 補助リップ 19a リップ先端部
20 リップ先端部 22 スプリング 24 第1傾斜面
25 第2傾斜面 26 補助リップ傾斜面 28 突条
28a 軸方向一方端 28b 軸方向他方端 30 円筒面
34 堰部 35 先端面 35a 一端
35b 他端 36 堰部傾斜面 40 先端突条
40a 軸方向一方端 40b 軸方向他方端 50 溝部
C 中心線 K 間隔 L 潤滑油
R 矢印 S 環状空間 T 接触面

Claims (5)

  1. 回転する軸の外周面に接触する環状のリップを備え、軸方向一方の潤滑油が軸方向他方に漏れるのを防ぐ密封装置であって、
    前記リップは、
    前記軸の外周面に滑り接触するリップ先端部と、
    前記リップ先端部の軸方向他方に設けられ軸方向他方に向かうにつれて内径が大きくなる傾斜面と、を有し、
    前記傾斜面には、前記軸の回転に伴って周方向に流れるエアに押される前記潤滑油を軸方向一方側へ導く突条又は溝部が設けられ、
    前記突条又は溝部の軸方向一方端は、前記リップ先端部における前記外周面との接触面よりも軸方向他方側に位置する
    密封装置。
  2. 前記突条又は溝部は、前記傾斜面、及び前記傾斜面の軸方向他方に設けられた延長面に亘って設けられている
    請求項1に記載の密封装置。
  3. 前記リップの軸方向他方に設けられ、前記外周面に向かって突出する補助リップをさらに備え、
    前記補助リップは、前記軸の外周面側に向く補助リップ先端部の軸方向一方側に、軸方向一方に向かうにつれて内径が大きくなる補助リップ傾斜面を有し、
    前記延長面は、前記補助リップ傾斜面を含む
    請求項2に記載の密封装置。
  4. 前記リップは、前記傾斜面の軸方向他方に設けられ、径方向内方へ向かって突出して前記傾斜面上の前記潤滑油が軸方向他方へ流出するのを阻止する堰部を有し、
    前記突条又は溝部は、前記堰部の軸方向一方側に設けられた堰部傾斜面、及び前記傾斜面に亘って設けられている
    請求項1に記載の密封装置。
  5. 前記堰部の先端面には、前記軸の回転に伴って周方向に流れるエアに押される前記潤滑油を軸方向一方側へ導く先端突条又は先端溝部が設けられる
    請求項4に記載の密封装置。
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