JP2022091156A - 液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群、液体洗浄剤組成物及びこれらの製造方法 - Google Patents

液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群、液体洗浄剤組成物及びこれらの製造方法 Download PDF

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Junya Sato
陽一 江端
Yoichi Ebata
聡 大塚
Satoshi Otsuka
史弥 山岸
Fumiya Yamagishi
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Abstract

【課題】液体中で視認できる液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群を目的とする。【解決手段】水溶性無機化合物を含む粒子からなる芯部と、前記芯部の表面の一部又は全部を覆う被覆剤で形成された被覆部とを有する粒子の群であることよりなる。前記被覆剤は、アクリル酸から誘導される単位及びマレイン酸から誘導される単位から選ばれる1種以上を含むポリマーと、ポリビニルアルコールと、多糖類と、前記芯部を構成する水溶性無機化合物とは異なる無機塩から選ばれる1種以上と、脂肪酸又はその塩とからなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群、液体洗浄剤組成物及びこれらの製造方法
に関する。
洗浄力の向上等を目的として、衣料等を洗浄対象とする繊維製品用の洗浄剤組成物等には、アルカリ剤等の無機粒子が配合されている。配合される無機粒子は、表面に被覆層が形成されて、諸機能の向上が図られている。
例えば、特許文献1には、溶解曲線で変曲点を1つ有する洗剤添加用粒子群が開示されている。特許文献1の発明によれば、水中での溶解性の向上が図られている。
特許文献2には、水溶性無機塩核粒子を塩感応性高分子で被覆し、塩感応性高分子を感応性せしめる塩で処理した被覆粒子が開示されている。特許文献2の発明によれば、水中において無機粒子が凝集することの防止と、長期保存後における溶解性低下の防止とが図られている。
特開2005-239865号公報 特開2004-238530号公報
ところで、液体洗浄剤組成物は、溶け残りの懸念がないことや衣料等に塗布して使用できることから、その需要が高まっている。しかし、一般的に、液体洗浄剤組成物の洗浄力は、粉末洗浄剤組成物の洗浄力に劣る傾向がある。これは、粉末洗浄剤組成物で使用されるアルカリ剤を液体洗浄剤組成物に充分に配合できていないためである。液体洗浄剤組成物に配合されるアルカリ剤としては、水溶性の有機アルカリ剤と、水溶性の無機アルカリ剤とがある。水溶性の有機アルカリ剤としてエタノールアミン類を配合する場合があるが、洗浄力を高められるほどの量を液体洗浄剤組成物に配合すると、液体洗浄剤組成物が黄変する、エタノールアミン類由来の強い基剤臭が生じる等の問題が生じる。また、水溶性の無機アルカリ剤(例えば、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウム等の無機粒子)を液体洗浄剤組成物に配合した場合、配合量が少量であれば液体洗浄剤組成物中に溶けているが、少量であるため洗浄力に劣る傾向がある。水溶性の無機アルカリ剤の溶解度を超える量を液体洗浄剤組成物に配合した場合、無機アルカリ剤の粒子が沈殿して組成が不均一となったり、無機アルカリ剤の粒子が経時(特に高温保存時)で溶解あるいは崩壊したりしてしまい、液体洗浄剤組成物中に無機アルカリ剤の粒子の存在を視認できなくなるおそれがある。
そこで、本発明は、液体中で視認できる液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群を目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
<1>
水溶性無機化合物を含む粒子からなる芯部と、前記芯部の表面の一部又は全部を覆う被覆剤で形成された被覆部とを有する粒子の群である、液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群。
<2>
前記被覆剤は、アクリル酸から誘導される単位及びマレイン酸から誘導される単位から選ばれる1種以上を含むポリマーと、ポリビニルアルコールと、多糖類と、前記芯部を構成する水溶性無機化合物とは異なる無機化合物から選ばれる1種以上と、脂肪酸又はその塩とからなる群から選ばれる1種以上を含む、<1>に記載の液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群。
<3>
前記被覆剤は、アクリル酸ポリマーと、マレイン酸ポリマーと、アクリル酸-マレイン酸コポリマーと、マレイン酸オレフィン共重合体と、ポリビニルアルコールと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、塩化カルシウムと、からなる群から選ばれる1種以上を含む、<1>に記載の液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群。
<4>
体積平均粒子径が75~2000μmである、<1>~<3>のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群。
<5>
<1>~<4>のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群と、水を含む母液とを含む、液体洗浄剤組成物。
<6>
前記液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群が、前記母液中に粒子として散在している、<5>に記載の液体洗浄剤組成物。
<7>
前記母液は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、前記水を8~35質量%含む、<5>又は<6>に記載の液体洗浄剤組成物。
<8>
<1>~<4>のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群の製造方法であって、
前記水溶性無機化合物を含む粒子の群に、前記被覆剤又はその分散液を塗布し、前記水溶性無機化合物を含む粒子の表面の一部又は全部を前記被覆剤で覆う被覆工程を有する、液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群の製造方法。
<9>
<8>に記載の液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群の製造方法で液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群を得る工程と、
前記母液中に得られた液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群を分散する工程と、を有する、<5>~<7>のいずれかに記載の液体洗浄剤組成物の製造方法。
本発明の液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群によれば、液体中での視認性の向上が図れる。
(被覆粒子群)
本発明の被覆粒子群は、水溶性無機化合物を含む粒子からなる芯部と、芯部の表面の一部又は全部を覆う被覆部とを有する。
被覆粒子群は、例えば、水を含む母液中に分散されて液体洗浄剤組成物となる。被覆粒子群は、液体洗浄剤組成物中で一部が溶解していてもよいし、液体洗浄剤組成物中で粒子として存在していてもよい。
なお、被覆粒子群を構成する個々の粒子を「被覆粒子」ということがある。
被覆粒子群の平均粒子径は、例えば、75~2000μmが好ましく、100~1800μmがより好ましく、130~1500μmがさらに好ましい。平均粒子径が上記下限値以上であれば、液体洗浄剤組成物中で凝集するのをより良好に防止できる。平均粒子径が上記上限値以下であれば、洗浄液に対してより速やかに溶解できる。
平均粒子径の内、重量平均粒子径は、篩分法により測定できる。
重量平均粒子径は、目開き1410μm、1190μm、1000μm、710μm、500μm、300μm、250μm及び150μmの8段の篩と、受け皿とを用いた分級操作により測定する。
分級操作は、受け皿に、目開きの小さな篩から目開きの大きな篩の順に積み重ね、最上部の1000μmの篩の上から100g/回の試料を入れ、蓋をしてロータップ型篩い振盪機(株式会社飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、10分間振動させた後、それぞれの篩及び受け皿上に残留した試料を篩目ごとに回収する操作を行う。この操作を繰り返すことにより、1410μm超(1410μmの篩上)、1190μm超1410μm以下(1190μmの篩上)、1000μm超1190μm以下(1000μmの篩上)、710μm超1000μm以下(710μmの篩上)、500μm超710μm以下(500μmの篩上)、350μm超500μm以下(350μmの篩上)、250μm超350μm以下(250μmの篩上)、150μ超250μm以下(150μmの篩上)、150μm以下(150μmの篩通過、受け皿上)の各粒子径の分級サンプルを得、その質量を測定する。
そして、受け皿と各篩との質量頻度(%)を算出する。積算の質量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きを「a(μm)」とし、a(μm)よりも一段大きい篩の目開きを「b(μm)」とし、受け皿からa(μm)の篩までの質量頻度の積算値を「c(%)」、また、a(μm)の篩上の質量頻度を「d(%)」とし、下記(d)式により平均粒子径(50%粒径)を求め、これを試料の篩い分け法による平均粒子径とする。
Figure 2022091156000001
平均粒子径の内、体積平均粒子径は、粒度分布測定装置(例えばベックマン・コールター株式会社製、製品名「LS 13 320」)を用いたレーザー回折散乱法によるによる体積基準のメディアン径である。粒子径の測定方法は、測定対象の粒子群をそのままの状態で測定する乾式でもよいし、測定対象の粒子群を溶媒に分散させて測定する湿式でもよい。
被覆粒子群の嵩密度は、例えば、0.1~2.0kg/Lが好ましく、0.15~1.8kg/Lがより好ましく、0.2~1.5kg/Lがさらに好ましい。嵩密度が上記下限値以上であれば、液体洗浄剤組成物に対する被覆粒子群の配合量が少なくなって、被覆粒子群の視認性をより高められる。嵩密度が上記上限値以下であれば、液体洗浄剤組成物中での被覆粒子の分散性がより高まる。
被覆粒子群の嵩密度は、JIS K3362で測定される値である。
被覆粒子群の安息角は、例えば、60°以下が好ましく、55°以下がより好ましく、50°以下がさらに好ましい。安息角が上記上限値以下であれば、被覆粒子群の取り扱いがより容易になる。なお、安息角の下限値は、特に限定されないが、実質的に10°以上である。
安息角は、ターンテーブル形安息角測定器(筒井理化学器械(株)製)を用いて測定される値である。
<芯部>
芯部は、水溶性無機化合物を含む粒子(以下、「含水溶性無機粒子」ということがある)である。
含水溶性無機粒子は、水溶性無機化合物を含んでいればよく、例えば、水溶性無機化合物の結晶でもよいし、水溶性無機化合物を含む造粒物でもよい。
含水溶性無機粒子は、水溶性無機化合物のみからなる粒子でもよいし、水溶性無機化合物と水不溶性無機化合物との造粒物又は凝集塊でもよく、有機化合物が含まれていてもよい。
含水溶性無機粒子における水溶性無機化合物の含有量は、含水溶性無機粒子の総質量に対して、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
水溶性無機化合物とは、25℃におけるイオン交換水への溶解度(以下、単に「溶解度」ということがある)が0.1g/100g以上の無機化合物である。水溶性無機化合物の溶解度は、1g/100g以上が好ましく、2g/100g以上がより好ましい。水溶性無機化合物の定義は、日本化学会編、「化学便覧」等に基づく。このような水溶性無機化合物であれば、いずれの無機化合物でも好適に用いることができるが、好ましい無機化合物としては一般に洗浄ビルダーとして用いられるものが挙げられる。
水不溶性無機化合物としては、例えば、ゼオライト;天然又は合成されたモンモリロナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ソーコナイト、ヘクトライト、スチブンサイト等のスメクタイト族の粘土鉱物;バーミキュライト;合成フッ素雲母(例えば、Na型合成マイカ、Li型合成マイカ)等が挙げられる。また、水不溶性無機化合物としては、上記粘土鉱物をイオン交換して膨潤力を向上させた高金属イオン置換粘土鉱物等が挙げられる。中でも、水不溶性無機化合物としては、キレート効果があることから、ゼオライト、ベントナイトが好ましい。
ゼオライトとはアルミノ珪酸塩の総称であり、アルミノ珪酸塩としては、結晶性、非晶質(無定形)のいずれのものでもよい。カチオン交換能の点から、ゼオライトとしては、結晶性アルミノ珪酸塩が好ましい。結晶性アルミノ珪酸塩としては、A型、X型、Y型、P型ゼオライト等が挙げられ、いずれのものも使用できる。
ベントナイトとはモンモリロナイトを主成分とするものである。
水溶性無機化合物は、被覆粒子群に求める機能を勘案して決定できる。水溶性無機化合物としては、例えば、炭酸塩、炭酸水素塩、セスキ炭酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸塩、塩化物、珪酸塩、リン酸塩等が挙げられる。
炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
炭酸水素塩としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。
セスキ炭酸塩としては、セスキ炭酸ナトリウム等が挙げられる。
ケイ酸塩としては、メタケイ酸ナトリウム、オルソ珪酸ナトリウム、層状ケイ酸ナトリウム、1号珪酸ナトリウム、2号珪酸ナトリウム、3号珪酸ナトリウム、4号珪酸ナトリウム、5号珪酸ナトリウム、1号珪酸カリウム、2号珪酸カリウム、等が挙げられる。
硫酸塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム等が挙げられる。
亜硝酸塩としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム等が挙げられる。
硝酸塩としては、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム等が挙げられる。
塩化物としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。
リン酸塩としては、オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、トリポリリン酸塩、メタリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩、フィチン酸塩等が挙げられる。
これらの中でも、液体洗浄剤組成物の洗浄力を高める観点から、水溶性無機化合物としては、炭酸塩、炭酸水素塩、セスキ炭酸塩、ケイ酸塩が好ましく、炭酸塩及びケイ酸塩がより好ましい。炭酸塩としては、洗浄液中での速やかに溶解し、洗浄液のpHを高めて洗浄力のさらなる向上を図れることから、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムがさらに好ましく、炭酸ナトリウムが特に好ましい。珪酸塩としては、珪酸ナトリウム及び珪酸カリウムが好ましく、珪酸ナトリウムがより好ましい。珪酸ナトリウムとしては、洗浄液のpHをより高められることから、メタケイ酸ナトリウム、オルソ珪酸ナトリウム、層状ケイ酸ナトリウム、1号珪酸ナトリウム、2号珪酸ナトリウムが好ましく、メタケイ酸ナトリウム、オルソ珪酸ナトリウム、1号珪酸ナトリウム、2号珪酸ナトリウムがより好ましく、メタケイ酸ナトリウム、オルソ珪酸ナトリウム、1号珪酸ナトリウムがさらに好ましく、メタケイ酸ナトリウム、オルソ珪酸ナトリウムが特に好ましい。これらの水溶性無機化合物は、洗浄液のpHを高めて、洗浄力のさらなる向上を図れる。
含水溶性無機粒子は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
含水溶性無機粒子の平均粒子径は、例えば、10~1500μmが好ましく、15~1300μmがより好ましく、20~1000μmがさらに好ましい。
1つの被覆粒子当たりの含水溶性無機粒子の数は、1つでもよいし、2つ以上でもよい。
<被覆部>
被覆部は、被覆剤で形成されている。被覆粒子群は、被覆部を有することで、母液に対する溶解速度を遅くできる。
被覆剤としては、液体洗浄剤中では溶解しにくく、芯部に付着しやすいが、液体洗浄剤組成物を水で希釈した洗浄液中では、速やかに溶解し、膨潤し、崩壊し、又は分散して、芯部から脱離しやすいものが好ましい。被覆剤としては、アクリル酸単位からなるポリマー(以下、「アクリル酸ポリマー」)、マレイン酸単位からなるポリマー(「以下、マレイン酸ポリマー」)、オレフィンから誘導される単位及びマレイン酸から誘導される単位から選ばれる1種以上を含むポリマー又はその塩(「以下、マレイン酸オレフィン共重合体」)、MAポリマー(MA剤)、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、多糖類、無機化合物(但し、芯部を構成する水溶性無機化合物と異なる)、脂肪酸又はその塩等が挙げられる。
MAポリマーとしては、アクリル酸-マレイン酸共重合体又はその塩、アクリル酸-無水マレイン酸共重合体又はその塩等が挙げられる。MAポリマーの平均分子量は、2,000~200,000が好ましく、4,000~100,000がより好ましく、8,000~80,000がさらに好ましい。平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー等により測定される値である。
多糖類としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、プルラン、キサンタンガム、デンプン、変性デンプン等が挙げられる。多糖類の水溶液の粘度は、1~5000mPa・sが好ましく、1~2500mPa・sがより好ましく、1~1000mPa・sがさらに好ましく、1~500mPa・sが特に好ましい。多糖類の水溶液の粘度は、20℃における2質量%水溶液の値である。
脂肪酸としては、炭素数12~18の脂肪酸が挙げられる。脂肪酸塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等が挙げられる。
無機化合物としては、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム等の多価塩化物;硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム等の多価硫酸塩;硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム等の多価硝酸塩;酢酸カルシウム、クエン酸カルシウム等の多価有機酸塩;酸化カルシウム;水酸化カルシウム;四ホウ酸ナトリウム等塩が挙げられる。無機化合物の平均粒子径は、芯部の平均粒子径よりも小さいことが好ましく、10~2000μmがより好ましく、50~1500μmがさらに好ましい。
これらの中でも、母液における被覆粒子の溶解速度を遅くし、液体洗浄剤中で粒子形状を維持する観点から、アクリル酸ポリマー、マレイン酸ポリマー、マレイン酸オレフィン共重合体又はその塩、MAポリマー、多糖類、ポリビニルアルコール、無機化合物及びこれらの組み合わせが好ましく、アクリル酸ポリマー、マレイン酸ポリマー、アクリル酸-マレイン酸共重合体又はその塩、アクリル酸-無水マレイン酸共重合体又はその塩、マレイン酸オレフィン共重合体又はその塩、ポリアクリル酸又はその塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム、硫酸ナトリウム、炭酸カルシウムが好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アクリル酸-マレイン酸共重合体又はその塩、マレイン酸オレフィン共重合体又はその塩、ポリビニルアルコール、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウムがより好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アクリル酸ポリマー、マレイン酸ポリマー、アクリル酸-マレイン酸共重合体又はその塩と塩化カルシウム又は硝酸カルシウム又は酢酸カルシウムとの組み合わせ、マレイン酸オレフィン共重合体又はその塩と塩化カルシウム又は硝酸カルシウム又は硝酸カルシウムとの組み合わせ、ポリビニルアルコールがさらに好ましい。
被覆剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
被覆剤のうち、アクリル酸ポリマー、マレイン酸ポリマー、マレイン酸オレフィン共重合体又はその塩(これらを総称して「被覆剤ポリマー」ともいう。)を用いる場合、分子量が小さいと液体洗浄剤組成物中での被覆粒子の外観を維持しにくい一方で、使用時の溶解性が良好となり、低温使用時の粒子の溶け残りが少なくなる。分子量が大きくなると、液体洗浄剤組成物中での被覆粒子の外観変化が少なく審美性に優れる一方で、低温使用時の粒子の溶け残りが目立つ場合がある。
被覆剤ポリマーの平均分子量は、2,000~200,000が好ましく、4,000~100,000がより好ましく、8,000~80,000がさらに好ましい。
被覆剤ポリマーの平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー等により測定される値である。
被覆粒子における被覆率は、30%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、70%以上がさらに好ましく、90%以上が特に好ましく、100%でもよい。被覆率が上記下限値以上であれば、母液に対する被覆粒子の溶解速度が遅くなり、液体洗浄剤組成物中で被覆粒子がより良好な状態で粒子として存在できる。
なお、被覆率は、被覆粒子を観察し、平面視での被覆粒子の総面積に対する被覆部の面積の割合である。被覆率は、例えば、着色した被覆剤で被覆した被覆粒子を観察し、平面視での被覆粒子の総面積に対する着色された被覆部の面積の割合を算出して求められる。被覆率は、任意の100個の被覆粒子の被覆率の平均値とする。着色剤としては、市販されているものであればいずれの着色剤でも使用できる。着色剤としては、例えば、緑色3号(商品名、癸巳化成株式会社製)等が挙げられる。着色剤の濃度は、被覆剤が溶解した水溶液において、0.001質量%~5質量%であれば芯粒子の着色でき、上記の被覆率の測定方法において被覆部分を観察しやすくなる。
被覆粒子における被覆剤の質量は、被覆粒子の総質量に対して0.1~15質量%が好ましく、1~13質量%がより好ましい。被覆剤の質量が上記下限以上であれば、被覆率を充分に高め、母液への被覆粒子群の溶解速度をより遅くでき、液体洗浄剤組成物における被覆粒子群の存在をより視認しやすい。被覆部の質量が上記上限以内であれば、洗浄液中での被覆粒子群の溶解性がより良好になる。
被覆粒子における含水溶性無機粒子の量は、被覆粒子の総質量に対して50~99質量%が好ましく、60~98質量%がより好ましく、70~97質量%が特に好ましい。含水溶性無機粒子の量が上記下限範囲内であれば、被覆粒子群を含有する液体洗浄剤組成物を洗浄液中に溶解させた際に、含水溶性無機粒子の効果(例えば、洗浄液のpHを高め液体洗浄剤組成物の洗浄力を向上させる効果)を得やすい。含水溶性無機粒子の量が上記上限範囲内であれば、被覆剤の量が十分になり、母液への被覆粒子群の溶解速度をより遅くできる。
被覆剤として塩感応性高分子を用いる場合、塩の量は被覆粒子の総質量に対して0.1~15質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましい。塩の量が上記下限以上であれば、塩感応性高分子と十分に反応して架橋構造を形成し、母液への被覆粒子群の溶解速度をより遅くできる。塩の量が上記上限以内であれば、被覆粒子における含水溶性無機粒子の配合量が少なくならず、洗浄液中における含水溶性無機粒子の諸効果(例えば、洗浄力向上効果等)をより確実に得られる。
被覆剤として塩感応性高分子を用いる場合、塩感応性高分子と塩との比(塩感応性高分子/塩)は、10/90~90/10が好ましく、20/80~80/20がより好ましく、30/70~70/30が特に好ましい。塩感応性高分子と塩の比が上記範囲内であれば、塩感応性高分子が塩と充分に反応でき、母液への被覆粒子群の溶解速度をより遅くできる。
本発明における塩感応性高分子とは、塩に感応して粘度が上昇し、ゲル化したり、膜を形成したりする高分子をいう。このような高分子としてはカルボキシル基、硫酸基等のアニオン性の感応基を有し、多価金属イオンと反応して架橋するものが好ましい。このような塩感応性高分子としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、アクリル酸/ マレイン酸の共重合体、アルギン酸、カラギーナン、硫化セルロース等や、それらのアルカリ金属塩等、エチレン基含有アルキルリン酸エステルのモノアルカリ金属塩の重合物等が挙げられる。また、アニオン性の感応基を有さない高分子として、四ホウ酸ナトリウムに感応しゲル化するポリビニルアルコール等が挙げられる。
被覆剤として、塩感応性高分子のうち、ポリアクリル酸等のカルボキシル基、硫酸基等のアニオン性の感応基を有する高分子を用いる場合、被覆剤の量は、被覆粒子の質量に対して0.1~15質量%が好ましく、1~13質量%がより好ましく、2~10質量%が特に好ましい。カルボキシル基、硫酸基等のアニオン性の感応基を有する高分子からなる被覆剤の量が上記下限以上であれば、被覆率を充分に高め、母液への被覆粒子群の溶解速度をより遅くでき、液体洗浄剤組成物における被覆粒子群の存在を視認しやすい。被覆剤の量が上記上限以内であれば、洗浄液中での被覆粒子群の溶解性が良好になりやすい。
被覆剤として、塩感応性高分子のうち、ポリビニルアルコール等のアニオン性の感応基を有さない高分子を被覆剤として用いる場合、被覆剤の質量は、被覆粒子の総質量に対して0.1~15質量%が好ましく、1~10質量%がより好ましく、3~8質量%が特に好ましい。ポリビニルアルコール等のアニオン性の感応基を有さない高分子からなる被覆剤の量が上記下限以上であれば、被覆率を充分に高め、母液への被覆粒子群の溶解速度をより遅くでき、液体洗浄剤組成物における被覆粒子群の存在を視認しやすい。被覆剤の量が上記上限以内であれば、洗浄液中での被覆粒子群の溶解性が良好になりやすい。
被覆剤として、多糖類を用いる場合、被覆剤の質量は、被覆粒子の総質量に対して1~15質量%が好ましく、3~13質量%がより好ましく、5~10質量%が特に好ましい。多糖類からなる被覆剤の量が上記下限以上であれば、被覆率を充分に高め、母液への被覆粒子群の溶解速度をより遅くでき、液体洗浄剤組成物における被覆粒子群の存在を視認しやすい。被覆剤の量が上記上限以内であれば、洗浄液中での被覆粒子群の溶解性が良好になりやすい。
(被覆粒子群の製造方法)
本発明の被覆粒子群の製造方法は、被覆剤又はその分散液(総じて、「コーティング液」)を含水溶性無機粒子に塗布し、含水溶性無機粒子の表面の一部又は全部に被覆部を形成する被覆工程を有する。被覆剤又はその分散液を含水溶性無機粒子に塗布する方法は、特に限定されず、例えば、噴霧する方法、滴下する方法、浸漬する方法等が挙げられる。
被覆部を形成する方法としては、流動層造粒法、撹拌造粒法、浸漬撹拌造粒法、押出造粒法、転動造粒法、噴霧乾燥型造粒法等の造粒方法が挙げられる。
流動層造粒法は、含水溶性無機粒子の群を流動化しつつ、これにコーティング液を噴霧又は滴下して造粒することで、被覆部を形成する。
撹拌造粒法は、含水溶性無機粒子の群にコーティング液を噴霧して添加し、含水溶性無機粒子の群を撹拌羽根で撹拌して造粒することで、被覆部を形成する。
浸漬撹拌造粒法は、コーティング液に含水溶性無機粒子の群を浸漬し、これを撹拌し、液相を留去して、被覆部を形成する。
押出造粒法は、含水溶性無機粒子の群と、コーティング液とを捏和し、これを押出機で押し出して造粒することで、被覆部を形成する。
転動造粒法は、含水溶性無機粒子の群を転動させつつ、コーティング液を噴霧することで、被覆部を形成する。
噴霧乾燥型造粒法は、含水溶性無機粒子の群と被覆剤とを含むスラリーを噴霧乾燥して、被覆粒子の群を製造する。噴霧乾燥型造粒法で被覆粒子の群を製造する場合、粒子群の固化(粒子同士が結合し、固まること)抑制のために、ゼオライトを含むことが好ましい。ゼオライトは、含水溶性無機粒子の群と被覆剤とを含むスラリーに添加し、噴霧乾燥して被覆粒子の群を製造する。ゼオライトの質量は、被覆粒子の総質量に対して1~15質量%が好ましく、2~10質量%がより好ましく、3~6質量%がさらに好ましい。
被覆剤としてアクリル酸ポリマー等の塩感応性高分子を用いる場合、得られた被覆粒子に対して塩化カルシウムや硝酸カルシウム等を噴霧して塩架橋を形成させることが好ましい。
コーティング液の分散媒としては、例えば、水、エタノール及びこれらの混合液が挙げられる。
コーティング液中の被覆剤の含有量は、被覆剤の種類に応じて適宜決定され、例えば、0.1~50質量%が好ましく、0.5~45質量%がより好ましく、1~40質量%がさらに好ましい。
被覆工程において、被覆剤と含水溶性無機粒子との配合比(質量比)は、0.1/99.9~50/50が好ましく、0.5/99.5~40/60がより好ましく、5/95~30/70がさらに好ましい。上記配合比が上記下限値以上であれば、被覆率を充分に高め、母液への被覆粒子群の溶解速度をより遅くできる。配合比が上記上限値以下であれば、洗浄液への被覆粒子群の溶解速度をより高められる。
流動層造粒において、給気温度(流動槽内に供給する気体の温度)は、50~120℃が好ましく、60~100℃がより好ましい。給気温度が上記下限値以上であれば、分散媒をより短時間で除去できるため生産性を高められる。給気温度が上記上限値以下であれば、被覆剤の変性をより良好に防止できる。
いずれの造粒方法においても、コーティング液を含水溶性無機粒子に塗布した後、液相を除去するために乾燥工程を設けることが好ましい。乾燥工程における乾燥方法としては、例えば、60~120℃に加熱する方法が挙げられる。
2種以上の被覆剤を用いて被覆部を形成する場合、2種以上の被覆剤の混合物又はその分散液をコーティング液として被覆部を形成してもよい。また、例えば、任意の1種の被覆剤を含むコーティング液を用いた造粒方法によって第一の被覆部を形成(一次造粒)した後、他の被覆剤を含むコーティング液を用いた造粒を行い、二種以上の被覆剤を有する被覆部を形成(二次造粒)してもよい(分割法)。
(液体洗浄剤組成物)
本発明の液体洗浄剤組成物は、水を含む母液と本発明の被覆粒子群とを含有する。液体洗浄剤組成物は、被覆粒子群を含有することで、液体中に粒子が分散した独特の外観を呈し、液体洗浄剤組成物に求められる諸特性(例えば、洗浄力)を高められる。
液体洗浄剤組成物の25℃におけるpHは6~12が好ましく、7~11がより好ましい。
液体洗浄剤組成物のpHは、必要に応じて、pH調整剤を添加することにより調整できる。
液体洗浄剤組成物のpHは、測定対象を25℃とし、pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製、製品名「HM-30G」)により測定される値である。
液体洗浄剤組成物10gを水道水30Lに希釈した希釈液の25℃におけるpHは、6.5~11が好ましく、7.0~10.5がより好ましく、7.5~10がさらに好ましい。
液体洗浄剤組成物の25℃における粘度は、100~2000mPa・sが好ましく、150~1800mPa・sがより好ましい。液体洗浄剤組成物の粘度が上記範囲内であれば、液体洗浄剤組成物を計量キャップ等で計り取りやすくなり、液体洗浄剤組成物を繊維製品等に塗布しやすい。
液体洗浄剤組成物の粘度は、試料を25℃に調整し、粘度計(例えばTVB-25L)を用いて測定される値を示す。以下に、粘度の測定条件の一例を示す。
[測定条件の一例]
・ローター:2番ローター。
・回転数:60rpm。
・測定温度:25℃。
・粘度の読み取り:ローターの回転開始5分後。
液体洗浄剤組成物のチキソトロピーインデックス(TI値)は、1.1~5.0が好ましく、1.2~4.0がより好ましい。TI値が上記下限値以上であれば、優れたチキソトロピー性を有し、固体状態の(A)成分の分散安定性がより向上する。TI値が上記上限値以下であれば、液体洗浄剤組成物の流動性をより良好に維持できる。
液体洗浄剤組成物のTI値は、下記式(i)より求められる。
TI値=(6rpmで5分後の粘度)/(60rpmで5分後の粘度)・・・(i)
粘度は、測定対象を25℃に調整し、粘度計(例えばTVB-25L)でローターNo.2を用いて測定される値(mPa・s)である。
<被覆粒子群>
液体洗浄剤組成物に配合される被覆粒子群は、上述した本発明の被覆粒子群である。
液体洗浄剤組成物中の被覆粒子群の配合量は、例えば、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.01~15質量%が好ましく、0.1~13質量%がより好ましく、0.5~10質量%がさらに好ましく、1.0~8質量%が特に好ましい。被覆粒子群の配合量が上記下限値以上であれば、より多くの被覆粒子を視認でき、液体洗浄剤組成物の諸特性をより高められる。被覆粒子群の配合量が上記上限値以下であれば、液体洗浄剤組成物の流動性をより高められる。
<母液>
母液は、水を含有する液体組成物である。
母液は、水以外に、水混和性有機溶剤、構造化剤、界面活性剤(但し、石けんを除く)、脂肪酸塩、キレート剤、pH調整剤、減粘剤及び可溶化剤、酵素、抗菌剤、増粘剤(構造化剤を除く)、防腐剤、酸化防止剤、無機還元剤、酵素安定化剤、風合い向上剤、蛍光増白剤、移染防止剤、再汚染防止剤、着色剤、着香剤等を含有してもよい。
≪水≫
母液中の水の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、8~35質量%が好ましく、10~33質量%がより好ましく、12~30質量%がさらに好ましく、15~28質量%が特に好ましい。水の含有量が上記下限値以上であれば、洗浄液に対して液体洗浄剤組成物をより速やかに分散できるとともに、液体洗浄剤組成物の粘度が低下して取り扱いがより容易になる。水の含有量が上記上限値以下であれば、母液に対する被覆粒子の溶解速度をより遅くでき、液体洗浄剤組成物中での被覆粒子群の視認性をより高められる。
≪水混和性有機溶剤≫
水混和性有機溶剤は、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する有機溶剤をいう。
水混和性有機溶剤としては、例えばエタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール(ソルフィット、商品名)等の炭素数1~5のアルコール類;グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等の多価アルコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、分子量約200~1000のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリグリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類;フェノキシエタノール、フェニルジグリコール、フェノキシイソプロパノール等の芳香族アルコール等が挙げられる。これらの中でも、臭気の少なさ、入手のしやすさ、液体洗浄剤組成物の流動性の観点等から、エタノール、グリセリン、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、プロピレングリコール、分子量約200~1000のポリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、フェノキシエタノールが好ましい。
水混和性有機溶剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
水混和性有機溶剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して5~50質量%が好ましく、10~40質量%がより好ましい。
水混和性有機溶剤と水との合計量は、母液の総質量に対して、15~50質量%が好ましく、20~45質量%がより好ましい。水混和性有機溶剤と水との合計量が上記下限値以上であれば、低温時における液体洗浄剤組成物の流動性がより高まる。水混和性有機溶剤と水との合計量が上記上限値以下であれば、母液に被覆粒子群を混合した場合に、母液に対する被覆粒子群の溶解速度がより遅くなり、より長期にわたって、液体洗浄剤組成物中で被覆粒子群が粒子として存在できる。
水混和性有機溶剤/水で表される質量比(溶剤/水比)は、例えば、0.1~3が好ましく、0.3~2.5がより好ましく、0.5~2がさらに好ましい。溶剤/水比が上記下限値以上であれば、母液に対する被覆粒子の溶解速度をより遅くして、液体洗浄剤組成物中での被覆粒子群の視認性をより高められる。溶剤/水比が上記上限値以下であれば、洗浄液に対する液体洗浄剤組成物の分散性をより高められる。
≪構造化剤≫
構造化剤は、母液に力が加わる前後において、母液の粘度を変化させる化合物である。母液が構造化剤を含有することで、被覆粒子群を母液中により均一に分散し、かつ被覆粒子群と母液とが分離するのをより良好に防止できる。
構造化剤としては、例えば、細菌セルロース、非細菌セルロース及び下記(1)式で表される化合物(化合物(1))等が挙げられる。
Figure 2022091156000002
(1)式中、Z~Zはそれぞれ独立して水素原子、ヒドロキシ基、又はカルボキシ基である。Z~Zは同一であってもよいし、異なっていてもよい。
(1)式中、a+b=7~19、c+d=7~19、及びe+f=7~19であり、好ましくはa+b=11~15、c+d=11~15、及びe+f=11~15であり、より好ましくはa+b=13~15、c+d=13~15、及びe+f=13~15である。a+b、c+d、e+fがそれぞれ7以上であれば、疎水基部分の体積が十分に嵩高くなり、塗布洗浄力が高くなる。一方、a+b、c+d、及びe+fがそれぞれ19以下であれば、母液の流動性をより高められる。
化合物(1)としては、Z~Zがヒドロキシ基である化合物(1-1)、Z~Zが水素原子である化合物(1-2)等が挙げられる。
化合物(1-1)としては、特に硬化ヒマシ油が好ましく、化合物(1-2)としては特に硬化パーム油が好ましい。
硬化ヒマシ油としては、ヒドロキシル基を組み込む炭素数10~22アルキル又はアルケニル部分を含むグリセリド、特にトリグリセリドを挙げることができ、具体的には、トリヒドロキシステアリン、ジヒドロキシステアリン等が挙げられる。
硬化ヒマシ油は、ヒマシ油を水素化して、出発油中にリシノレイル部分として存在し得る二重結合を変換することで得られる。二重結合の変換により、リシノレイル部分は、飽和ヒドロキシアルキル部分、例えば、ヒドロキシステアリルに変換される。
硬化ヒマシ油は、固形の状態、溶融物の状態、又はこれらの混合物の状態で用いることができるが、これらに限定されない任意の好適な出発形態で加工することができる。
硬化ヒマシ油としては市販品を用いることでき、例えばRheox,Inc.製の商品名「THIXCIN(登録商標)」、日油株式会社製の商品名「カスターワックス A フレーク」等が挙げられる。
硬化パーム油としては市販品を用いることでき、例えば新日本理化株式会社製の商品名「パーム極度硬化油A」等が挙げられる。
構造化剤としては、被覆粒子群の分散安定性をより高め、母液を透明にする観点から、細菌セルロース、非細菌セルロースが好ましく、細菌セルロースがより好ましい。
構造化剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.02~12質量%が好ましく、0.04~10質量%がより好ましく、0.05~8質量%がさらに好ましい。
構造化剤の含有量は、母液の総質量に対して0.02~12質量%が好ましく、0.04~10質量%がより好ましく、0.05~8質量%がさらに好ましい。
また、例えば構造化剤として、市販品である「CELLULON(登録商標)」等の細菌セルロース製剤を使用する場合、構造化剤の含有量は、製剤の配合量(即ち、賦形剤等を含む量)として、液体洗浄剤組成物の総質量に対して1~12質量%が好ましく、2~10質量%がより好ましく、2.5~8質量%がさらに好ましい。あるいは、細菌セルロース製剤を構造化剤として使用する場合、構造化剤の含有量は、母液の総質量に対して、0.5~12質量%が好ましく、1.5~10質量%がより好ましく、2~8質量%がさらに好ましい。
構造化剤の含有量が上記下限値以上であれば、被覆粒子群の分散安定性がより高まる。構造化剤の含有量が上記上限値以下であれば、母液の粘度がより低くなり、液体洗浄剤組成物の流動性をより高められる。
母液が構造化剤を含有しない場合、母液に配合した被覆粒子群は、均一に分散されずに沈降し、母液が水を含むと含水溶性無機粒子の一部が溶解し、被覆粒子群が凝集する場合がある。本発明の被覆粒子群であれば、沈降しても被覆されていない粒子に比べ凝集しにくく、撹拌することで母液中に均一に分散させることができる。
構造化剤を含有しない液体洗浄剤組成物において、沈降した被覆粒子群を凝集させずに撹拌して容易に再分散させるには、水分量が35質量%以下であることが好ましく、30質量%以下がより好ましく、20質量%以下がさらに好ましい。
≪界面活性剤≫
母液は、界面活性剤を含んでいてもよい。母液が界面活性剤を含むことで、液体洗浄剤組成物の洗浄力がより高まる。
界面活性剤としては、従来の液体洗浄剤組成物に用いられる界面活性剤であれば特に制限されず、例えばノニオン界面活性剤、非石けん系アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、半極性界面活性剤等が挙げられる。
界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
洗浄力がより高まる観点から、界面活性剤としては、ノニオン界面活性剤、非石けん系アニオン界面活性剤が好ましい。
界面活性剤として、ノニオン界面活性剤及び非石けん系アニオン界面活性剤と、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤及び半極性界面活性剤の1つ以上を併用してもよい。
ノニオン界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、アルキルフェノール、炭素数8~22の脂肪酸又は炭素数8~22のアミン等のアルキレンオキサイド付加体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミン、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキサイド付加体、多価アルコール脂肪酸エーテル、アルキル(又はアルケニル)アミンオキサイド、硬化ヒマシ油のアルキレンオキサイド付加体、糖脂肪酸エステル、N-アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシド等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤が好ましく、その中でも特に、下記(2)式で表される化合物(以下、「化合物(2)」ともいう。)、下記(3)式で表される化合物(以下、「化合物(3)」ともいう。)がより好ましく、化合物(2)がさらに好ましい。
11-O-[(EO)/(A11O)]-(EO)-R12 ・・・(2)
((2)式中、R11は炭素数8~22の直鎖又は分岐鎖の炭化水素基である。R12は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基である。sはEO平均繰り返し数を示す3~25の数である。A11OはPO(オキシプロピレン基)及びBO(オキシブチレン基)の少なくとも一方を表す。tはA11Oの平均繰り返し数を示す0~6の数である。uはEOの平均繰り返し数を表す0~20の数である。)
13-X-[(EO)/(A12O)]-(EO)-R14 ・・・(3)
((3)式中、R13は炭素数7~21の炭化水素基である。-X-は、-COO-又は-CONH-である。R14は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基である。pはEO平均繰り返し数を示す3~25の数である。A12はPO(オキシプロピレン基)及びBO(オキシブチレン基)の少なくとも一方を表す。qはA12Oの平均繰り返し数を示す0~6の数である。rはEOの平均繰り返し数を表す0~20の数である。)
ノニオン界面活性剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して5~70質量%が好ましく、10~50質量%がより好ましく、15~40質量%がさらに好ましい。
非石けん系アニオン界面活性剤は、石けんを除くアニオン界面活性剤である。石けんは、例えば炭素数8~18の脂肪酸塩である。塩を形成する対イオンは、ナトリウム、カリウムのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属等が挙げられる。
非石けん系アニオン界面活性剤としては、例えば直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩(LAS)、α-オレフィンスルホン酸又はその塩(AOS)、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル硫酸エステル又はその塩(AS)、ポリオキシアルキレンアルキル(アルケニル)エーテル硫酸エステル又はその塩(AES)、アルキル基を有するアルカンスルホン酸又はその塩、α-スルホ脂肪酸エステル又はその塩、内部オレフィンスルホン酸又はその塩(IOS)、ヒドロキシアルカンスルホン酸又はその塩(HAS)、アルキルエーテルカルボン酸又はその塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸又はその塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アルケニルアミドエーテルカルボン酸又はその塩、アシルアミノカルボン酸又はその塩等のカルボン酸型アニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル又はその塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル又はその塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル又はその塩等のリン酸エステル型アニオン界面活性剤等が挙げられる。
非石けん系アニオン界面活性剤の塩の形態としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩等)、アルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等)等が挙げられる。
非石けん系アニオン界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
非石けん系アニオン界面活性剤としては、LAS、AOS、AS、AES、IOS、HASが好ましく、なかでも、洗浄力がより高まる観点から、LAS、AES、IOSがより好ましい。液体洗浄剤は少なくともAESを含むことが好ましく、LASとAESの両方を含むことがより好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキル(アルケニル)エーテル硫酸エステル又はその塩(AES)は、下記(4)式で表される。
15-O-[(EO)/(PO)]-SO ・・・(4)
((4)式中、R15は、炭素数8~20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基又は炭素数8~20の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基である。POはオキシプロピレン基である。mはEOの平均繰り返し数を表す0.1以上の数である。nはPOの平均繰り返し数を表す0~6の数である。[(EO)/(PO)]は、EOとPOの配列順に限定がないことを示し、Mは対カチオンである。)
内部オレフィンスルホン酸又はその塩(IOS)は、下記(5)式で表されるアルケンスルホン酸(以下、「化合物(5)」ともいう。)と、下記(6)式で表されるヒドロキシアルカンスルホン酸(以下、「化合物(6)」ともいう。)との混合物である。内部オレフィンとは、二重結合が2位より内部に存在するオレフィンを表す。
16-CH=CH(CHCH(SOM)-R17 ・・・(5)
((5)式中、R16はアルキル基であり、R17は炭素数1~5のアルキル基であり、炭素数の総数は8~24である。xは0~4の数であり、Mは対イオンを表す。)
化合物(5)の炭素数は、8~24であり、10~20が好ましく、12~18がより好ましく、14~18がさらに好ましい。炭素数が上記下限値以上であれば、IOSの親油性が高まり、界面活性剤としての機能が高まる。炭素数が上記上限値以下であれば、IOSの親水性が高まり、界面活性剤としての機能が高まる。
(5)式中のR16は、アルキル基を表す。R16の炭素数は、1~21が好ましく、3~17がより好ましく、7~15がさらに好ましい。
(5)式中のR17は、炭素数1~5のアルキル基を表す。R17の炭素数は、1~3が好ましい。
(5)式中のxは、0~4であり、0~2が好ましい。xが上記下限値以上であれば、洗浄力がより高まる。xが上記上限値以下であれば、液安定性がより高まる。
(5)式中のMとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、アンモニウムイオン等が挙げられる。
18-CH(OH)(CHCH(SOM)-R19 ・・・(6)
((6)式中、R18はアルキル基であり、R19は炭素数1~5のアルキル基であり、炭素数の総数は8~24である。yは0~4の数であり、Mは対イオンを表す。)
化合物(6)は、化合物(5)のヒドロキシ体である。
化合物(6)の炭素数は、8~24であり、10~20が好ましく、12~18がより好ましく、14~18がさらに好ましい。炭素数が上記下限値以上であれば、IOSの親油性が高まり、界面活性剤としての機能が高まる。炭素数が上記上限値以下であれば、IOSの親水性が高まり、界面活性剤としての機能が高まる。
(6)式中のR18は、アルキル基を表す。R18の炭素数は、2~22が好ましく、4~18がより好ましく、8~16がさらに好ましい。
(6)式中のR19は、炭素数1~5のアルキル基を表す。R19の炭素数は、1~3が好ましい。
(6)式中のyは、0~4であり、0~2が好ましい。yが上記下限値以上であれば、洗浄力がより高まる。yが上記上限値以下であれば、液安定性がより高まる。
(6)式中のMとしては、例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、アンモニウムイオン等が挙げられる。
IOSの内、スルホン酸基が2位以上4位以下に存在するIOS((IO-1S)成分)と、スルホン酸基が5位以上に存在するIOS((IO-2S)成分)との質量比は((IO-2S)/(IO-1S)比)、0.3~5が好ましく、1~3がより好ましい。
(IO-2S)/(IO-1S)比が上記下限値以上であれば、被洗浄物の滑り性がより高まる。(IO-2S)/(IO-1S)比が上記上限値以下であれば、液安定性がより高まる。
なお、(IO-1S)成分は、(5)式中のR17、(6)式中のR19の炭素数が1~3のIOSである。(IO-2S)成分は、(5)式中のR17、(6)式中のR19の炭素数が4以上のIOSである。
IOSは、内部オレフィンをスルホン化して得られる。内部オレフィンの炭素数の総数は、8~24であり、10~20が好ましく、12~18がより好ましく、14~18がさらに好ましい。
内部オレフィンは、例えば、1-アルコールを脱水して得られた1-オレフィンを、異性化して得ることができる。内部オレフィンをスルホン化すると、定量的にβ-サルトンが生成し、β-サルトンの一部は、γ-サルトン、オレフィンスルホン酸へと変化し、次いで、これらは中和加水分解工程において、化合物(5)と化合物(6)とへ転換する(例えば、J.Am.Oil Chem.Soc.69,39(1992))。ここで、得られる化合物(6)のヒドロキシ基は、アルカン鎖の内部にあり、化合物(5)の二重結合は、オレフィン鎖の内部にある。また、得られる生成物は、主にこれらの混合物であり、また、その一部には、炭素鎖の末端にヒドロキシ基を有するヒドロキシアルカンスルホン酸塩、又は炭素鎖の末端に二重結合を有するα-オレフィンスルホン酸塩が微量に含まれる場合もある。本明細書では、これらの各生成物及びそれらの混合物を総称してIOSという。
IOS100質量%に対し、化合物(5)/化合物(6)で表される質量比(化合物(5)/化合物(6)比)は、1/99~50/50が好ましく、1/99~30/70がより好ましく、5/95~20/80がさらに好ましく、10/90~15/85が特に好ましい。化合物(5)/化合物(6)比が上記下限値以上であれば、液安定性がより高まる。化合物(5)/化合物(6)比が上記上限値以下であれば、洗浄力がより高まる。
非石けん系アニオン界面活性剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して5~40質量%が好ましく、10~35質量%がより好ましい。
また、ノニオン界面活性剤の質量に対する非石けん系アニオン界面活性剤の質量比(アニオン/ノニオン比)は、0.05~8が好ましく、0.1~5がより好ましく、0.2~4がさらに好ましい。アニオン/ノニオン比が上記範囲内であれば、母液中の水分量が少なくても、液体洗浄剤組成物の流動性をより高め、安定性をより高められる。
カチオン界面活性剤としては、例えばカプリル酸ジメチルアミノプロピルアミド、カプリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラウリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ミリスチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、パルミチン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ベヘニン酸ジメチルアミノプロピルアミド、オレイン酸ジメチルアミノプロピルアミド等の長鎖脂肪族アミドアルキル3級アミン又はその塩;パルミテートエステルプロピルジメチルアミン、ステアレートエステルプロピルジメチルアミン等の脂肪族エステルアルキル3級アミン又はその塩;パルミチン酸ジエタノールアミノプロピルアミド、ステアリン酸ジエタノールアミノプロピルアミド;アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等の第4級化物等が挙げられる。
カチオン界面活性剤の塩の形態としては、例えばアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩等)、アルカノールアミン塩(モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等)等が挙げられる。
カチオン界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
カチオン界面活性剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.1~7質量%が好ましく、0.2~5質量%がより好ましい。カチオン界面活性剤の含有量が上記範囲内であれば、衣類の柔軟性付与や抗菌性、防臭効果を高めることができる。
両性界面活性剤としては、例えばアルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
両性界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
半極性界面活性剤としては、例えばアルキルアミンオキシド、アルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
半極性界面活性剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
界面活性剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して20~70質量%が好ましく、25~65質量%がより好ましく、30~60質量%がさらに好ましい。界面活性剤の含有量が上記下限値以上であれば、液体洗浄剤組成物の洗浄力をより高められる。界面活性剤の含有量が上記上限値以下であれば、液体洗浄剤組成物の流動性を維持できる。
≪pH調整剤≫
pH調整剤としては、例えば、アルカノールアミン、アルカリ金属水酸化物、塩基性アミノ酸、アンモニア、無機酸、有機酸等が挙げられる。
アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等が挙げられる。
アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
塩基性アミノ酸としては、アルギニン、リジン等挙げられる。
無機酸としては、硫酸、塩酸、リン酸等が挙げられる。
有機酸としては、クエン酸、パラトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸等が挙げられる。
これらの中でも、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、水酸化ナトリウム、硫酸、塩酸、パラトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸が好ましい。
pH調整剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
pH調整剤の添加量は、母液又は液体洗浄剤組成物を所望のpHに調整する量を適宜設定すればよい。
≪キレート剤≫
キレート剤としては、例えば3~4価のカルボン酸基又はその塩を有するキレート剤が好ましい。その具体例としては、クエン酸又はその塩、アミノカルボン酸系キレート剤又はその塩が挙げられる。アミノカルボン酸とは、1分子中に1~3級のアミノ基と、カルボキシル基とを、それぞれ少なくとも1個ずつ含む化合物をいい、アミノカルボン酸系キレート剤とはアミノカルボン酸であるキレート剤をいう。
アミノカルボン酸系キレート剤は、洗浄剤の分野で公知のものを使用できる。具体例としては、メチルグリシンジ酢酸(MGDA)、メチルグリシンジ酢酸塩、L-グルタミン酸ジ酢酸(GLDA)、L-グルタミン酸ジ酢酸塩、ジエチレントリアミン5酢酸(DTPA)、ジエチレントリアミン5酢酸塩、エチレンジアミンコハク酸(EDDS)、エチレンジアミンコハク酸塩、3-ヒドロキシ-2,2’-イミノジコハク酸(HIDS)、3-ヒドロキシ-2,2’-イミノジコハク酸塩、L-アスパラギン酸-N,N-2酢酸(ASDA)、L-アスパラギン酸-N,N-2酢酸塩などが挙げられる。これらの中でも、クエン酸又はその塩、MGDA又はその塩が好ましく、クエン酸又はその塩がより好ましい。
キレート剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
キレート剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましい。0.1質量%以上がさらに好ましい。キレート剤の含有量が上記下限値以上であれば、洗浄力向上効果、保存安定性の向上効果、変色防止効果が充分に得られやすい。
≪減粘剤及び可溶化剤≫
減粘剤及び可溶化剤としては、例えば芳香族スルホン酸又はその塩、芳香族カルボン酸又はその塩が挙げられる。芳香族スルホン酸又はその塩としては、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、置換もしくは非置換ナフタレンスルホン酸又はこれらの塩等が挙げられる。芳香族カルボン酸又はその塩としては、安息香酸やサリチル酸又はこれらの塩等が挙げられる。芳香族スルホン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、又はアルカノールアミン塩等が挙げられる。芳香族カルボン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、又はアルカノールアミン塩等が挙げられる。
減粘剤及び可溶化剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
減粘剤及び可溶化剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.1~15質量%が好ましい。
≪酵素≫
母液が酵素を含有することで、皮脂汚れやタンパク汚れに対する洗浄力をより高められる。
酵素としては、液体の酵素製剤を使用してもよいし、固体(顆粒状)の酵素製剤を使用してもよい。固体の酵素製剤を使用する場合、その一部又は全部が液体洗浄剤組成物中に固体の状態で存在することが、酵素の安定性の点で好ましい。
酵素としては、例えばプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ、ホスホジエステラーゼ等が挙げられる。
酵素は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
酵素の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01~5質量%が好ましく、0.03~4質量%がより好ましく、0.05~3.5質量%がさらに好ましい。なお、酵素の含有量は、製剤としての配合量である。
≪増粘剤≫
母液は、増粘剤(但し、構造化剤を除く)を含有してもよい。増粘剤としては、例えばアクリル系ポリマー、キサンタンガム、ガラギーナン等が挙げられる。
これらの増粘剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。増粘剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して6質量%以下が好ましく、0.2~4質量%がより好ましい。
≪抗菌剤≫
抗菌剤としては、例えばダイクロサン、トリクロサン、四級アンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム等)等が挙げられる。
抗菌剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
抗菌剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.001~10質量%が好ましく、0.003~7質量%がより好ましく、0.005~5質量%がさらに好ましい。
≪高級脂肪酸又はその塩≫
母液が高級脂肪酸又はその塩を含有することで、消泡性が高まる。なお、「消泡性」とは、液体洗浄剤組成物の泡立ちを抑えるか、又は生じた泡を速やかに消失する性質である。
高級脂肪酸又はその塩としては、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸等の単一脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の混合脂肪酸等が挙げられる。
高級脂肪酸又はその塩は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。特に2種以上を併用すれば、消泡性がより高まる。
高級脂肪酸又はその塩の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.5~10質量%が好ましく、1~8質量%がより好ましく、1.5~6質量%がさらに好ましい。高級脂肪酸又はその塩の含有量が、上記下限値以上であれば消泡性がより高まり、上記上限値以下であれば低温時の液体安定性が向上する。
≪消泡補助剤≫
母液が消泡補助剤を含有することで、消泡性がさらに高まる。消泡補助剤としては、ポリオキシプロピレングリセルエーテルが挙げられる。
消泡補助剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01~5質量%が好ましく、0.05~3質量%がより好ましく、0.1~1質量%がさらに好ましい。消泡補助剤の含有量が、上記下限値以上であれば消泡性がより高まり、上記上限値以下であれば低温時の液体安定性が向上する。
≪防腐剤≫
防腐剤としては、例えば2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、3-ヨードプロピニルブチルカーバメート、ジンクピリチオン、ナトリウムピリチオン、オクチルイソチアゾリン-3-オン、1,2-ベンゾイソチアゾリン-3-オン(BIT)、5-クロロ-2-メチルイソチアゾリン-3-オン(CMIT)、2-メチルイソチアゾリン-3-オン(MIT)、エトキシル化ココアミン、オクタンジオール、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、安息香酸ナトリウム等が挙げられる。
防腐剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
防腐剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、0.001~2質量%が好ましい。
≪酸化防止剤≫
液体洗浄剤が酸化防止剤を含有していれば、液体洗浄剤を収容する容器のヘッドスペース中の酸素の吸収を抑制できる。加えて、光や熱による退色、変色を抑制できる。
酸化防止剤としては、例えばジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等のモノフェノール系酸化防止剤;2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール等のビスフェノール系酸化防止剤;dl-α-トコフェロール等の高分子型フェノール系酸化防止剤等が挙げられる。これらの中でも、モノフェノール系酸化防止剤、高分子型酸化防止剤が好ましい。モノフェノール系酸化防止剤の中では、ジブチルヒドロキシトルエンが特に好ましい。高分子型フェノール系酸化防止剤の中では、dl-α-トコフェロールが特に好ましい。
酸化防止剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
酸化防止剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01~2質量%が好ましい。
≪無機還元剤≫
母液が無機還元剤を含有していれば、光や熱による退色、変色を抑制できる。
無機還元剤としては、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩;ピロ亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸カリウム等のピロ亜硫酸塩;亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム等の亜硫酸水素塩等が挙げられる。これらの中でも、保存安定性に優れる観点から、亜硫酸ナトリウムが好ましい。
無機還元剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
無機還元剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01~3質量%が好ましく、0.02~1質量%がより好ましく、0.05~0.5質量%がさらに好ましい。無機還元剤の含有量が、上記下限値以上であれば光による着色を抑える効果が充分に得られやすく、上記上限値以下であれば保存安定性が高まる。
≪酵素安定化剤≫
酵素安定化剤としては、例えばホウ酸、ホウ砂、ギ酸又はその塩、乳酸又はその塩、塩化カルシウム、硫酸カルシウム等のカルシウム塩類等が挙げられる。
酵素安定化剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
酵素安定化剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して2質量%以下が好ましい。
≪風合い向上剤≫
風合い向上剤としては、例えばジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーン等が挙げられる。
風合い向上剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
風合い向上剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して5質量%以下が好ましい。
≪蛍光増白剤≫
蛍光増白剤としては、例えばジスチリルビフェニル型の蛍光増白剤等が挙げられる。
蛍光増白剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
蛍光増白剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して1質量%以下が好ましい。
≪移染防止剤≫
移染防止剤としては、例えばポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリアルキレンアミン等が挙げられる。
移染防止剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
移染防止剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して3質量%以下が好ましい。
≪再汚染防止剤≫
再汚染防止剤としては、例えばアルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群から選択される少なくとも一種の繰り返し単位と、オキシアルキレン単位及びポリオキシアルキレン単位からなる群から選択される少なくとも一種の繰り返し単位とを有する水溶性ポリマー等が挙げられる。このような水溶性ポリマーとしては、商品名「TexCare SRN-100」(クラリアント社製、質量平均分子量2000~3000)、商品名「TexCare SRN-300」(クラリアント社製、質量平均分子量7000)、商品名「Repel-O-Tex Crystal」(ローディア社製)、商品名「Repel-O-Tex QC」(ローディア社製)等が挙げられる。これらの中でも、水への溶解性が高く、保存安定性にも優れる点から、TexCare SRN-100が好ましい。また、取り扱い性に優れる点から、前記TexCare SRN-100の70%水溶液として市販されている商品名TexCare SRN-170(クラリアント社製)を再汚染防止剤として用いることが好ましい。
再汚染防止剤としては、上述した以外にも、例えばポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体等を用いることができ、具体的には、商品名「Sokalan HP20」(BASF社製)等が挙げられる。さらに、ヒドロキシエチルセルロース等の多糖類を再汚染防止剤として用いてもよい。
再汚染防止剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
再汚染防止剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01~5質量%が好ましい。
≪着色剤≫
着色剤としては特に限定されず、例えば「法定色素ハンドブック」(日本化粧品工業連合会)に記載の色素や、発色団の構造の末端に水溶性高分子等を化学的に修飾したもの等が挙げられる。
着色剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
着色剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.00005~1.0質量%が好ましく、0.00005~0.01質量%がより好ましい。着色剤の含有量が、上記下限値以上であれば母液に充分に色を付けることができ、上記上限値以下であれば被洗物への色素沈着が起こりにくく、母液における着色剤の析出等を防止して、より安定して液体を維持できる。
≪着香剤≫
着香剤としては、例えば、1996年化学工業日報社刊、印藤元一著「合成香料 化学と商品知識」;1969年MONTCLAIR,N.J.刊、STEFFEN ARCTANDER著「Perfume and Flavor Chemicals」等に記載のものが挙げられる。
着香剤は、高分子化合物で形成されたカプセルに内包されたカプセル香料として、配合されてもよい。
着香剤は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
着香剤の含有量は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して0.01~2質量%が好ましい。
(液体洗浄剤組成物の製造方法)
本発明の液体洗浄剤組成物の製造方法は、本発明の被覆粒子群を製造する工程(被覆粒子製造工程)と、これを母液中に分散する工程(分散工程)とを有する。
被覆粒子製造工程は、上述した被覆粒子群の製造方法である。
分散工程は、例えば、母液を得(母液調製操作)、得られた母液に被覆粒子群を分散する(分散操作)。
母液調製操作は、従来公知の液体洗浄剤の製造方法と同様である。母液調製操作は、例えば、水に、界面活性剤、構造化剤、水混和性有機溶剤等を加え、これらを混合する。
分散操作は、得られた母液に、被覆粒子群を加え、これらを撹拌し混合する方法が挙げられる。
なお、分散工程は、母液を構成する成分の一部に被覆粒子群を分散し、次いで、母液を構成する成分の残部を加えてもよい。
<液体洗浄剤組成物の使用方法>
液体洗浄剤組成物の使用方法(洗濯方法)としては、例えば液体洗浄剤組成物を洗濯機の投入口に入れてから洗濯機を稼働させる方法、液体洗浄剤組成物を洗濯時に被洗物と一緒に水に投入する方法、液体洗浄剤組成物を予め水に溶解して調製される洗浄液に被洗物を浸漬する方法、液体洗浄剤組成物を被洗物に直接塗布して、例えば3分~24時間放置し、その後、通常の洗濯を行う方法等が挙げられる。
また、近年実用化された洗剤自動投入機能を備えた洗濯機を使用することも好ましい。洗剤自動投入機能は、液体洗浄剤組成物を収納したタンクから、タンクの底に設けられたゴミ取り用のフィルター、及び投入用配管を経由して、自動的に洗濯槽に液体洗浄剤組成物を投入する機能である。
投入用配管の途中には、シリンジポンプ等の計量手段が設けられており、洗濯物の量等に応じて設定された量の液体洗浄剤組成物を、タンクから洗濯槽へと移送できるようになっている。
洗剤自動投入機能を利用すれば、液体洗浄剤組成物の計量の手間が省けるだけでなく、計量時に液体洗浄剤組成物が手に付着したり、こぼれて洗濯機や周囲を汚してしまったりすることを回避できる。
自動で所定の量の液体洗浄剤組成物を吐出できる自動ディスペンサーを使用することも好ましい。自動ディスペンサーを使用する場合、少量の液体洗浄剤組成物でも正確に計量することができるため、充分な洗浄力を発揮しやすく、使いすぎによる無駄も回避できる。
自動ディスペンサーの中には、赤外線センサ等を利用して、スイッチ等に触れなくとも自動的に吐出するものも市販されている。このような自動ディスペンサーを使用すれば、片手に保持した容器を差し出すだけで液体洗浄剤組成物を計量することができ、使用者の負担軽減効果が大きい。
自動ディスペンサーを使用する場合、軟質容器に吐出された液体洗浄剤組成物を受け、その軟質容器をそのまま洗濯機に投入してもよい。これにより、吐出された液体洗浄剤組成物の全量を、確実に洗浄液中に溶解できる。
洗濯機に投入可能な軟質容器の材質としては、例えば、シリコ-ン樹脂、ポリ塩化ビニル、エラストマー、軟質ポリエステル、軟質ポリプロピレン、ポリウレタン等が挙げられる。
また、近年実用化された液体タブレット型洗剤に液体洗浄剤組成物を適用してもよい。水に浸漬すると溶解する水溶性フィルム製の容器に液体洗浄剤組成物を封入し、洗濯槽に投入することで、液体洗浄剤組成物の全量を、確実に洗浄液中に溶解できる。
被洗物の例としては、例えば衣類(衣料)、布巾、タオル類、シーツ、カーテン等の繊維製品などが挙げられる。繊維製品の素材は特に限定されず、綿、絹、羊毛等の天然繊維、ポリエステル、ポリアミド等の化学繊維等のいずれでもよい。
液体洗浄剤組成物を水に溶解して使用する場合、例えば5~6000倍(体積基準)に希釈することが好ましい。
衣類量あたりの水量である浴比(洗濯時の洗浄液の質量/衣類の質量)は、ドラム型洗濯機であれば5以上、縦型洗濯機であれば10以上が好ましい。
液体洗浄剤組成物は、繊維製品用として好適である。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。なお、実施例における各成分の配合量は有効成分量であるが、「CELLULON(登録商標)」、及び酵素液体製剤は、製剤としての配合量である。また、実施例に記載の水分量は、「CELLULON(登録商標)」中に含有される水分と「精製水」の合計量である。
(使用原料)
<被覆粒子群>
≪含水溶性無機粒子≫
・炭酸ナトリウム:ソーダ灰(粒灰)、体積平均粒子径450μm、住友商事ケミカル社製。
・メタ珪酸ナトリウム:メタ珪酸ソーダ無水、日本化学工業株式会社製。
≪被覆剤≫
・MA剤:マレイン酸-アクリル酸共重合物、アクアリックTL-400(商品名)、平均分子量50,000、日本触媒社製。
・マレイン酸-オレフィン共重合体:マレイン酸-オレフィン共重合体、SokalanCP9(商品名)、平均分子量12,000、BASF社製。
・アクリル酸ポリマー1:ポリアクリル酸ナトリウム、アクアリックDL-40(商品名)、平均分子量3500、株式会社日本触媒製。
・アクリル酸ポリマー2:ポリアクリル酸ナトリウム、SokalanPA40(商品名)、平均分子量15,000、BASF社製。
・アクリル酸ポリマー3:ポリアクリル酸ナトリウム、SokalanPA30CL(商品名)、平均分子量8,000、BASF社製。
・アクリル酸ポリマー3:ポリアクリル酸ナトリウム、Acusol420N(商品名)、平均分子量2,000、Dow Chemical社製。
・脂肪酸:ラウリン酸、PALMERA A9912-LAURIC ACID 99PCT(商品名)、PALM-OLEO SDN. BHD製。
・CaCl:塩化カルシウム、純正化学社製。
・HPMC-1:ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メトキシル基(-OCH)の置換度が1.4、ヒドロキシプロポキシル基(-OCHCHOHCH)の置換モル数が0.20、メトローズ90SH-100(商品名)、信越化学工業社製。
・HPMC-2:ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メトキシル基(-OCH)の置換度が1.9、ヒドロキシプロポキシル基(-OCHCHOHCH)の置換モル数が0.25、メトローズ60SH-06(商品名)、信越化学工業社製。
・PVA:ポリビニルアルコール製水溶性フィルム、商品名「M8310」、Monosol LLC社製。
・LAS-Na:炭素数10~14のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(LAS(商品名「ライポン(登録商標)LH-200」、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製)と、炭酸ナトリウムとの塩)。
≪水不溶性粒子≫
・ゼオライト:アルミノケイ酸ソーダ、商品名「ゼオライトNa-4A」、THAI SILICATE CHEMICALS社製。
<母液>
・細菌セルロース:CELLULON(登録商標) L27、CPKelco U.S.社製。
・AE(7EO):ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「レオックスCL-70」、(2)式中、R11が炭素数12の直鎖状のアルキル基(C12)及び炭素数14の直鎖状のアルキル基(C14)であり(質量比でC12:C14=75:25)、酸素原子に結合するR11の炭素原子は第一級炭素原子であり、R12が水素原子であり、sが7であり、tが0であり、uが0である化合物(2))。
・LAS:炭素数10~14のアルキル基を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製、商品名「ライポン(登録商標)LH-200」)。
・AES:ポリオキシアルキレンアルキル(アルケニル)エーテル硫酸エステル。(4)式中、R15が炭素数12の直鎖状のアルキル基(C12)及び炭素数14の直鎖状のアルキル基(C14)であり(質量比でC12:C14=75:25)、mが1であり、nが0であり、Mがナトリウムであり、AES全体に対するmが0かつnが0である化合物の割合が43質量%である化合物(4)。
・液体プロテアーゼ:ノボザイムズジャパン株式会社製、商品名「Progress Uno 100L」、酵素液体製剤。
・液体アミラーゼ:酵素液体製剤、商品名「Amplify Prime」、ノボザイムジャパン社製。
・モノエタノールアミン(MEA):株式会社日本触媒製、商品名「モノエタノールアミン」。
・エタノール:日本アルコール販売株式会社製、商品名「特定アルコール95度合成」。
・グリセリン:富士フイルム和光純薬株式会社製、商品名「グリセリン」。
・プロピレングリコール(PG):株式会社ADEKA製、商品名「化粧品用プロピレングリコール」。
・消泡剤:日油株式会社製、商品名「椰子脂肪酸」。
・キレート剤:扶桑化学工業株式会社、商品名「クエン酸(無水)」。
・酸化防止剤:ジブチルヒドロキシトルエン(和光純薬工業株式会社製、商品名「ジブチルヒドロキシトルエン」)。
・抗菌剤:BASF株式会社製、商品名「Tinosan HP100」。
・還元剤:三井化学株式会社製、商品名「亜硫酸ナトリウム」。
・着香剤:特開2002-146399号公報の表11~18に記載の香料組成物A。
・着色剤:大日本精化工業社製、商品名「L280 Blue U」。
・pH調整剤:パラトルエンスルホン酸(商品名「PTS-70」、明友産業株式会社製)、モノエタノールアミン(日本触媒社製)、硫酸(東亞合成株式会社製)、水酸化ナトリウム(東亞合成株式会社製)。
・水:関東化学社製、商品名「精製水」。
(評価方法)
<外観1>
各例の液体洗浄剤組成物を50℃で1週間静置保存した。保存後の液体洗浄剤組成物の外観を目視にて確認し、下記評価基準に基づいて被覆粒子群の外観を評価した。なお、細菌セルロースを含有しない液体洗浄剤組成物については、液体洗浄剤組成物を100mLガラス容器に移し、蓋を閉めた後、上下に30回強く振とうした直後の外観を目視にて確認した。
≪評価基準≫
◎◎:保存前と比較して、保存後の被覆粒子群の外観に変化を認められない。
◎:保存前と比較して、一部の被覆粒子は溶解しているが、保存後は被覆粒子群の8割以上10割未満が粒子として存在している。
〇:保存前と比較して、一部の被覆粒子は溶解しているが、保存後は被覆粒子群の6割以上8割未満が粒子として存在している。
△:保存前と比較して、一部の被覆粒子が溶解しており、保存後は被覆粒子群の3割以上6割未満が粒子として存在している。
×:保存前と比較して、一部の被覆粒子が溶解しており、保存後は被覆粒子群の3割未満が粒子として存在している。
<外観2>
各例の液体洗浄剤組成物を50℃で2週間静置保存した。保存後の液体洗浄剤組成物の外観を目視にて確認し、下記評価基準に基づいて被覆粒子群の外観を評価した。なお、細菌セルロースを含有しない液体洗浄剤組成物については、液体洗浄剤組成物を100mLガラス容器に移し、蓋を閉めた後、上下に30回強く振とうした直後の外観を目視にて確認した。
≪評価基準≫
◎◎:保存前と比較して、保存後の被覆粒子群の外観に変化を認められない。
◎:保存前と比較して、一部の被覆粒子は溶解しているが、保存後は被覆粒子群の8割以上10割未満が粒子として存在している。
〇:保存前と比較して、一部の被覆粒子は溶解しているが、保存後は被覆粒子群の6割以上8割未満が粒子として存在している。
△:保存前と比較して、一部の被覆粒子が溶解しており、保存後は被覆粒子群の3割以上6割未満が粒子として存在している。
×:保存前と比較して、一部の被覆粒子が溶解しており、保存後は被覆粒子群の3割未満が粒子として存在している。
<低温溶解性>
縦型全自動洗濯機(パナソニック社AW-8D6)に黒物衣類約6kgを詰め込み、その上から各例の液体洗浄剤組成物を32g振りまいて投入した。水温5℃の水約60Lで、洗浄8分、脱水4分後に上記衣類を取り出し、全ての衣類に付着した液体洗浄剤組成物中の被覆粒子群が溶け残ったかけらや屑を収集して一か所に集め、個数をカウントした。カウントした個数を詰め込んだ黒物衣類の枚数で割り、衣類一枚当たりの溶け残り粒子数を算出した。下記評価基準に基づいて被覆粒子群の低温溶解性を評価した。
≪評価基準≫
◎:溶け残り粒子数が0個~2個/枚。
○:溶け残り粒子数が3個~5個/枚。
△:溶け残り粒子数が6個~10個/枚。
×:溶け残り粒子数が11個以上/枚。
<凝集性>
細菌セルロースを含有しない液体洗浄剤組成物について、液体洗浄剤組成物を100mLガラス容器に移し、蓋を閉めた後、上下に30回強く振とうした直後の粒子の凝集性を下記評価基準に基づいて評価した。ここで、「ダマ」とは、振とう前よりも粒子径が大きい粒子群の凝集物をいう。
≪評価基準≫
○:粒子群が液体洗浄剤組成物中でダマを作ることなく沈殿した。
×:粒子群が液体洗浄剤組成物中でダマを作って沈殿した。
(実施例1~3、9、11、12、17~21)流動層造粒
流動層造粒機(株式会社パウレック製、製品名「FD-MP-01D/SPC」)の流動槽内に80℃で給気を行い、排気温度を40℃とした(予熱)。
表1~2に示す組成と、表3の製造条件とに従い、流動槽に含水溶性無機粒子600gを投入した(表3中、「RT」は、室温(5~30℃)を表す。)。その後、流動槽内に80℃で給気を行い、粉体が流動化したことを確認した後に、MA剤、マレイン酸-オレフィン共重合体又はポリアクリル酸の水分散液を流動化している粉体層に向け上部より2流体ノズルで噴霧した(一次造粒)。その後、CaClの水分散液を流動化している粉体層に向け上部より2流体ノズルで噴霧した(二次造粒)。流動層内風速は流動化状態を維持できるよう調整しなら造粒した。
二次造粒の終了後、80℃の風(空気)を約30分間流動槽内に送り、被覆粒子群の水分を5~9質量%とした(乾燥工程)。その後、流動槽に室温で給気を行い、造粒物を室温(25℃)まで冷却した。
得られた造粒物を目開き1000μmの篩を用いて分級し、目開き1000μmの篩を通過する粒子を被覆粒子群とした。
得られた被覆粒子群の体積平均粒子径(メディアン径)を測定した。
(実施例1~3、9、11、12、17~21、比較例1~2)
500mLのビーカーに、表1~2の組成に従って、水と、グリセリンの一部と、pH調整剤を除く他の成分とを投入し、スリーワンモーター撹拌機(アズワン株式会社製)で充分に撹拌した。次いで、25℃でのpHが6.5~7.5となるように、pH調整剤を適量添加した後、被覆粒子群を添加し撹拌した。なお、被覆粒子群は、液体洗浄剤組成物の総質量に対する含水溶性無機粒子の含有量が表1~2に示す値となるように投入量を調整した。全体量が100質量%になるように残りのグリセリンを加えて、液体洗浄剤組成物を得た。比較例1~2は、被覆粒子群に代えて被覆されていない含水溶性無機粒子を用いたものである。
得られた各例の液体洗浄剤組成物について、外観、低温溶解性を評価し、その結果を表1~2中に示す。なお、表1~2中、評価の欄の「-」は、その評価を行わなかったことを示す。
(実施例4、6)流動層造粒
一次造粒におけるコーティング液濃度を4質量%とし、アトマイズエアー量を20~45l/minとし、スプレー時間を100minとし、スプレー液量を18.55gとし、二次造粒を行わない以外は、実施例1と同様にして被覆粒子群を得た。得られた造粒物を目開き1000μmの篩を用いて分級し、目開き1000μmの篩を通過する粒子を被覆粒子群とした。
得られた被覆粒子群を用いた以外は、実施例1と同様にして各例の液体洗浄剤組成物を得た。
得られた各例の液体洗浄剤組成物について、外観を評価し、その結果を表1中に示す。
(実施例5、7)流動層造粒
一次造粒におけるコーティング液濃度を4質量%とし、アトマイズエアー量を20~45l/minとし、スプレー時間を208minとし、スプレー液量を1667gとし、二次造粒を行わない以外は、実施例1と同様にして被覆粒子群を得た。得られた造粒物を目開き1000μmの篩を用いて分級し、目開き1000μmの篩を通過する粒子を被覆粒子群とした。
得られた被覆粒子群を用いた以外は、実施例1と同様にして各例の液体洗浄剤組成物を得た。
得られた各例の液体洗浄剤組成物について、外観を評価し、その結果を表1中に示す。
(実施例8)流動層造粒
一次造粒におけるコーティング液濃度を1質量%とし、アトマイズエアー量を20~45l/minとし、スプレー時間を250minとし、スプレー液量を18.55gとし、二次造粒を行わない以外は、実施例1と同様にして被覆粒子群を得た。得られた造粒物を目開き1000μmの篩を用いて分級し、目開き1000μmの篩を通過する粒子を被覆粒子群とした。
得られた被覆粒子群を用いた以外は、実施例1と同様にして液体洗浄剤組成物を得た。
得られた液体洗浄剤組成物について、外観を評価し、その結果を表1中に示す。
(実施例10)撹拌造粒
鋤刃状ショベルを装備し、ショベル-壁面間クリアランスが5mmのレーディゲミキサー((株)マツボー製、M-20型)に投入し(充填率30容積%)、主軸200rpmの撹拌を開始した(チョッパーは停止)。撹拌開始後に水溶性高分子化合物の水溶液を40秒で添加し、造粒・被覆操作を行った。添加終了後、塩感応性高分子化合物を感応せしめる塩を40秒で添加、撹拌し被覆粒子群を得た。
その後、流動層造粒機(株式会社パウレック製、製品名「FD-MP-01D/SPC」)に被覆粒子群を投入し、室温で給気を行い、被覆粒子群を室温(25℃)まで冷却した。
得られた造粒物を目開き1000μmの篩を用いて分級し、目開き1000μmの篩を通過する粒子を被覆粒子群とした。
得られた被覆粒子群を用いた以外は、実施例1と同様にして液体洗浄剤組成物を得た。
得られた液体洗浄剤組成物について、外観を評価し、その結果を表2中に示す。
(実施例13)流動層造粒
一次造粒におけるコーティング液として、PALMERA A9912-LAURIC ACID 99PCT(商品名)を有り姿(有効濃度100%)として用い、アトマイズエアー量を20~45l/minとし、スプレー時間を30minとし、スプレー液量を33.33gとし、二次造粒を行わない以外は、実施例1と同様にして被覆粒子群を得た。得られた造粒物を目開き1000μmの篩を用いて分級し、目開き1000μmの篩を通過する粒子を被覆粒子群とした。
得られた被覆粒子群を用いた以外は、実施例1と同様にして液体洗浄剤組成物を得た。
得られた液体洗浄剤組成物について、外観を評価し、その結果を表2中に示す。
(実施例14)噴霧乾燥型造粒
表2に示す組成のうち、塩化カルシウムを除く全配合成分を、調整温度80℃で15分間撹拌することにより、固形分60質量%の水性スラリーを得た。
次いで、前記水性スラリーを噴霧乾燥し、水分含有量が5質量%の噴霧乾燥粒子を調製した。
その後、水平円筒型転動混合機の中に噴霧乾燥粒子を入れた。
次いで、表2に示す組成に従って、加圧ノズルを用いて塩化カルシウム(溶液)を噴霧しながら加え、3分間混合して造粒物を得た。その際、フルード数を0.08に制御した。得られた造粒物を目開き1000μmの篩を用いて分級し、目開き1000μmの篩を通過する粒子を被覆粒子群とした。
得られた被覆粒子群を用いた以外は、実施例1と同様にして液体洗浄剤組成物を得た。
得られた液体洗浄剤組成物について、外観を評価し、その結果を表2中に示す。
(実施例15、16)噴霧乾燥型造粒
表2に示す組成のうち、ゼオライトと塩化カルシウムとを除く全配合成分を、調整温度80℃で15分間撹拌することにより、固形分60質量%の水性スラリーを得た。
次いで、前記水性スラリーを噴霧乾燥し、水分含有量が5質量%の噴霧乾燥粒子を調製した。
その後、水平円筒型転動混合機の中に噴霧乾燥粒子を入れた。
次いで、表2に示す組成に従って、ゼオライトの一部を加えて混合を開始し、加圧ノズルを用いて塩化カルシウム(溶液)を噴霧しながら加え、3分間混合して造粒物を得た。その際、フルード数を0.08に制御した。得られた造粒物を目開き1000μmの篩を用いて分級し、目開き1000μmの篩を通過する粒子を被覆粒子群とした。
得られた被覆粒子群を用いた以外は、実施例1と同様にして各例の液体洗浄剤組成物を得た。
得られた各例の液体洗浄剤組成物について、外観を評価し、その結果を表2中に示す。
(実施例22)流動層造粒
500mLのビーカーに、表2の組成(構造化剤を含まない組成)に従って、水と、グリセリンの一部と、pH調整剤を除く他の成分とを投入し、スリーワンモーター撹拌機(アズワン株式会社製)で充分に撹拌した。次いで、25℃でのpHが6.5~7.5となるように、pH調整剤を適量添加した後、実施例2と同じ組成の被覆粒子群を添加し撹拌した。なお、被覆粒子群は、液体洗浄剤組成物の総質量に対する含水溶性無機粒子の含有量が表2に示す値となるように投入量を調整した。全体量が100質量%になるように残りのグリセリンと水を加えて、液体洗浄剤組成物を得た。
得られた液体洗浄剤組成物について、外観、低温溶解性、凝集性を評価し、その結果を表2中に示す。
(比較例3)
500mLのビーカーに、表2の組成(構造化剤を含まない組成)に従って、pH調整剤を除く他の成分を投入し、スリーワンモーター撹拌機(アズワン株式会社製)で充分に撹拌した。次いで、25℃でのpHが6.5~7.5となるように、pH調整剤を適量添加し、100mLのガラス容器に移した後、含水溶性無機粒子を添加して液体洗浄剤組成物を得た。なお、グリセリンは、全体量が100質量%になるように加えた。
得られた液体洗浄剤組成物について、外観、低温溶解性、凝集性を評価し、その結果を表2中に示す。
Figure 2022091156000003
Figure 2022091156000004
Figure 2022091156000005
Figure 2022091156000006
Figure 2022091156000007
表1~2に示すように、本発明を適用した実施例1~22は、外観の評価が「〇」~「◎◎」であった。
被覆部を有しない炭酸ナトリウムの粒子群を用いた比較例1~3は、外観の評価が「×」であった。
これらの結果から、本発明を適用することで液体中における被覆粒子群の視認性を高められることを確認できた。

Claims (9)

  1. 水溶性無機化合物を含む粒子からなる芯部と、前記芯部の表面の一部又は全部を覆う被覆剤で形成された被覆部とを有する粒子の群である、液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群。
  2. 前記被覆剤は、アクリル酸から誘導される単位及びマレイン酸から誘導される単位から選ばれる1種以上を含むポリマーと、ポリビニルアルコールと、多糖類と、前記芯部を構成する水溶性無機化合物とは異なる無機化合物から選ばれる1種以上と、脂肪酸又はその塩とからなる群から選ばれる1種以上を含む、請求項1に記載の液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群。
  3. 前記被覆剤は、アクリル酸ポリマーと、マレイン酸ポリマーと、アクリル酸-マレイン酸コポリマーと、マレイン酸オレフィン共重合体と、ポリビニルアルコールと、ヒドロキシプロピルメチルセルロースと、塩化カルシウムと、からなる群から選ばれる1種以上を含む、請求項1に記載の液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群。
  4. 体積平均粒子径が75~2000μmである、請求項1~3のいずれか一項に記載の液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群と、水を含む母液とを含む、液体洗浄剤組成物。
  6. 前記液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群が、前記母液中に粒子として散在している、請求項5に記載の液体洗浄剤組成物。
  7. 前記母液は、液体洗浄剤組成物の総質量に対して、前記水を8~35質量%含む、請求項5又は6に記載の液体洗浄剤組成物。
  8. 請求項1~4のいずれか一項に記載の液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群の製造方法であって、
    前記水溶性無機化合物を含む粒子の群に、前記被覆剤又はその分散液を塗布し、前記水溶性無機化合物を含む粒子の表面の一部又は全部を前記被覆剤で覆う被覆工程を有する、液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群の製造方法。
  9. 請求項8に記載の液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群の製造方法で液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群を得る工程と、
    前記母液中に得られた液体洗浄剤組成物用の被覆粒子群を分散する工程と、を有する、請求項5~7のいずれか一項に記載の液体洗浄剤組成物の製造方法。
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