JP2022089829A - 太陽電池モジュール用の封止材シート - Google Patents

太陽電池モジュール用の封止材シート Download PDF

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Abstract

【課題】ポリエチレンをベース樹脂とし、製膜後のいずれかのプロセスで架橋を進行させる熱硬化系の封止材シートであって、透明性に優れ、且つ十分な耐熱性及び耐光性を有する太陽電池モジュール用の封止材シートを提供すること。【解決手段】炭素数3のαオレフィンを6mol%以上25mol%以下の割合で含有してなるエチレンとα-オレフィンとの共重合体をベース樹脂とし、活性酸素量が8.5%以上15.00%以下で1時間半減期温度が125℃以上145℃以下の架橋剤と、分子量が2000以上であり、N-H型又はN-R型のヒンダードアミン系耐光安定剤とを各適量含有する封止材シートとする。【選択図】図1

Description

本発明は太陽電池モジュール用の封止材シートに関する。
近年、環境問題に対する意識の高まりから、クリーンなエネルギー源としての太陽電池が注目されている。現在、種々の形態からなる太陽電池モジュールが開発され、提案されている。一般に太陽電池モジュールは、透明前面基板と太陽電池素子と裏面保護シートとが、太陽電池モジュール用の封止材シートを介して積層された構成である。
太陽電池モジュール等を構成する各部材は、常時、強い紫外線、熱線、風雨等といった過酷な環境に曝されることになる。このため、太陽電池モジュールを構成する各部材は、これらの条件において、長期間に亘る耐久性を備える必要がある。
太陽電池モジュール用の封止材シートに、そのような耐久性を備えさせるための封止材組成物の構成として、EVA(エチレン-酢酸ビニル共重合体)をベース樹脂とし、架橋剤と、架橋助剤とを含有する構成が知られている(特許文献1参照)。この場合、上記の組成物は、押し出し成形時に架橋反応が進むと、成形時の負荷が過大となり生産性が低下、或いは成形不能となってしまうため、一般的に50℃~90℃の低温加熱による押し出しで未架橋のまま成形される。そして、成形後に架橋処理を行うか、或いはモジュール化の際の加熱によって架橋される。
一方、ベース樹脂がポリエチレン等のオレフィン系樹脂の場合、シランカップリング剤の配合によってガラス等との密着性向上を図ることが知られているが、更に密着性を改善するため、アルコキシシランをグラフト重合させた変性エチレン系樹脂を用いた封止材が知られている(特許文献2参照)。これによれば、架橋工程を不要としつつも、耐久性、接着性を有する封止材を提供できる。
特開2009-135200号公報 特開2002-235048号公報
特許文献2の封止材シートは、架橋剤を含有しない。つまり、最終製品段階まで架橋処理を行わないことを前提とする熱可塑系の樹脂フィルムである。このように、封止材シートのベース樹脂が熱可塑系のポリエチレンである場合、封止材シートに求められる耐熱性を担保するためには、ある程度高密度で高融点の樹脂を選択せざるを得ない。実際に、同文献の実施例においてシラン変性エチレン-αオレフィン共重合体(実施例2)の組成物が、180℃の高温で押出成形されているのもその必然的結果であると考えられる。
封止材シートのベース樹脂とするポリエチレン系樹脂の高密度化は、封止材シートの透明性の低下につながるが、熱可塑系のポリエチレンをベース樹脂とする場合には、十分な耐熱性の確保を優先する限り、ある程度の透明性の劣化については、これを甘受せざるを得なかった。
一方で、架橋剤を願有する熱硬化系のポリエチレンをベース樹脂とすることにより、相対的に低密度のポリエチレンの使用が可能となる。但し、この場合は封止材シートに十分な耐熱性や耐光性を備えさせるために、一定量以上の架橋剤を添加することが必須となる。多量の架橋剤の添加は、架橋剤由来のデガスの発生増大や、架橋剤の影響による耐光安定剤の劣化を引き起こす場合がある。この場合、架橋剤を願有する熱硬化系のポリエチレンをベース樹脂とする封止材シートの製造において、低密度で透明性に優れる低密度のポリエチレンを用いたとしても、必ずしも透明性が十分に向上せず、又、耐光性も不十分となってしまうという問題があった。
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ポリエチレンをベース樹脂とし、製膜後のいずれかのプロセスで架橋を進行させる熱硬化系の封止材シートであって、透明性に優れ、且つ十分な耐熱性及び耐光性を有する太陽電池モジュール用の封止材シートを提供することにある。
本発明者らは、熱硬化型の太陽電池モジュール用の封止材シートの製造において、封止材組成物として、ベース樹脂とするポリエチレン、即ちエチレンとαオレフィンの共重合体に含有されるαオレフィンを、主として炭素数3のαオレフィンからなるものとすることによって、架橋剤の添加量を低減することができることに着眼した上で、更には、架橋剤と封止材組成物に添加する耐光安定剤の種類を特定の組合せに限定することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のものを提供する。
(1) 密度0.865g/cm以上0.900g/cm以下のポリエチレンをベース樹脂とし、架橋剤と、ヒンダードアミン系耐光安定剤と、を含有してなる太陽電池モジュール用の封止材シートであって、前記ポリエチレンは、炭素数3のαオレフィンを6mol%以上25mol%以下の割合で含有してなる、エチレンとα-オレフィンとの共重合体であって、前記架橋剤は、活性酸素量が8.5%以上15.00%以下で1時間半減期温度が125℃以上145℃以下であり、前記封止材シートの樹脂成分中における含有量が0.2質量%以上0.5質量%以下であって、前記ヒンダードアミン系耐光安定剤は、分子量が2000以上であり、N-H型又はN-R型のヒンダードアミン系耐光安定剤であって、前記封止材シートの樹脂成分中における含有量が0.1質量%以上0.5質量%以下である、太陽電池モジュール用の封止材シート。
(2) 前記ポリエチレンは、炭素数8以上のαオレフィンを含有しない(1)に記載の封止材シート。
(3) 前記ポリエチレンは、炭素数3のαオレフィンを含有し、炭素数が3ではないαオレフィンを含有しない(1)に記載の封止材シート。
(4) 前記架橋剤が、パーオキシケタール類又はジアルキルパーオキサイド類である(1)から(3)のいずれかに記載の封止材シート。
(5) ゲル分率が0%以上10%以下である(1)から(4)のいずれかに記載の封止材シート。
(6) ゲル分率が0%である(4)に記載の封止材シート。
(7) (1)から(6)のいずれかに記載の封止材シートと、ガラス基板とが対面する態様で積層されている太陽電池モジュール。
(8) 前記封止材シートのゲル分率が50%以上90%以下である(7)に記載の太陽電池モジュール。
本発明によれば、ポリエチレンをベース樹脂とし、製膜後のいずれかのプロセスで架橋を進行させる架橋系の封止材シートでありながら、透明性に優れ、且つ十分な耐熱性及び耐光性をも有する太陽電池モジュール用の封止材シートを提供することができる。
本発明の太陽電池モジュールの層構成の一例を示す断面図である。
<封止材シート>
本発明の封止材シート(以下、単に「封止材シート」とも言う)は、下記にその詳細を説明する封止材組成物を、従来公知の方法で成型加工してフィルム状又はシート状としたものである。尚、本発明におけるシート状とはフィルム状も含む意味であり両者に差はない。
又、封止材シートは、成形温度を90℃から120℃の低温域に限定し、未架橋のまま成形する。架橋処理は成形後に別途行うか、或いは、後述の太陽電池モジュールの製造時点で高温加熱して架橋を完了する。
封止材シートは、密度0.865g/cm以上0.900g/cm以下、好ましくは、密度0.880g/cm以上0.895g/cm以下、より好ましくは、密度0.885g/cm以上0.890g/cm以下のポリエチレン系樹脂がベース樹脂であり、ゲル分率が0%以上10%以下、より好ましくは0%である未架橋の樹脂フィルムによって形成されている。
但し、この未架橋の封止材シートは、所定量の架橋剤を含有するものであり、太陽電池モジュールとしての一体化後までの間におけるいずれかのプロセス中において、架橋が進行することが想定されているものであり、所謂熱硬化系(或いは架橋系)の樹脂フィルムである。最終製品である太陽電池モジュールの完成品段階における架橋完了後の封止材シートのゲル分率は50%以上90%以下であることが好ましく、60%以上80%以下であることがより好ましい。上述した通りに架橋剤、架橋助剤、及びその他の添加物の組成や添加量を好ましい範囲に調整することにより、ゲル分率が上記範囲となるように適度に架橋反応を抑制することできる。それにより、オレフィンの水蒸気バリアを有しつつ、且つ、EVA以上に低温領域での柔軟性を有し、高温での耐熱性も得ることができ、オレフィン系でありながら低温領域での成形性にも優れる封止材とすることができる。
ここで、本明細書における「ゲル分率(%)」とは、封止材1.0gを樹脂メッシュに入れ、110℃キシレンにて12時間抽出したのち、樹脂メッシュごと取出し乾燥処理後秤量し、抽出前後の質量比較を行い残留不溶分の質量%を測定しこれをゲル分率としたものである。尚、ゲル分率0%とは、上記残留不溶分が実質的に0であり、封止材組成物或いは封止材シートの架橋反応が実質的に開始していない状態であることを言う。より具体的には、「ゲル分率0%」とは、上記残留不溶分が全く存在しない場合、及び、精密天秤によって測定した上記残留不溶分の質量%が0.05質量%未満である場合を言うものとする。尚、上記残留不溶分には、樹脂成分以外の顔料成分等は含まないものとする。これらの樹脂成分以外の混在物が、上記試験により残留不溶分に混在している場合には、例えば、予めこれらの混在物の樹脂成分中における含有量を別途測定しておくことで、これらの混在物を除く樹脂成分由来の残留不溶分について本来得られるべきゲル分率を算出することができる。
成膜後未架橋の段階における封止材シートのメルトマスフローレート(MFR)は、JIS-K6922-2により測定した190℃、荷重2.16kgにおけるMFR(本明細書においては、以下、この測定条件による測定値をMFRと言う。)は、5g/10分以上25g/10分以下であることが好ましく、10g/10分以上20g/10分以下であることがより好ましい。MFRが上記の範囲であることにより、ガラス、金属等からなる太陽電池モジュールの他の部材との密着性に優れた封止材とすることができる。尚、封止材シートが下記に説明するような多層フィルムである場合のMFRについては、全ての層が一体積層された多層状態のまま、上記処理による測定を行い、得た測定値を当該多層の封止材シートのMFR値とするものとする。
本発明の封止材シートは、単層フィルムであってもよいが、コア層と、コア層の両面に配置されるスキン層によって構成される多層フィルムであってもよい。尚、本明細書における多層フィルムとは、少なくともいずれかの最外層、好ましくは両最外層に成形されるスキン層と、スキン層以外の層であるコア層とを有する構造からなるフィルム又はシートのことを言う。
封止材シートを多層フィルムとする場合には、本発明の必須の構成要件を満たす範囲内において、各層毎にMFRが異なる層構成とすることがより好ましく、この場合、MFRがより高い層をスキン層として最外層側に配置することが好ましい。本発明の封止材シートは、単層の封止材シートである場合においても、十分に好ましい透明性と耐熱性、及び適度の柔軟性を備えるものではあるが、このように相対的にMFRの高い層を最外層に配置することにより、封止材シートとして上記の好ましい透明性や耐熱性を保持しつつ、更に密着性やモールディング特性を高めることができる。
例えば、3層以上の層からなる多層フィルムである封止材シートにおいては、最外層の厚さは、30μm以上120μm以下であり、且つ、最外層以外の全ての層からなる中間層と最外層の厚さの比は、最外層:中間層:最外層=1:3:1~1:8:1の範囲であることが好ましい。このようにすることにより、封止材としての好ましい耐熱性を保持しつつ、最外層における好ましいモールディング特性を備えることができる。
[封止材組成物]
本発明の封止材シートの製造に用いる封止材組成物(以下、単に「封止材組成物」とも言う)は、低密度のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とし、架橋剤を必須とする熱硬化系の樹脂組成物である。尚、本明細書において「ベース樹脂」とは、当該ベース樹脂を含有してなる樹脂組成物において、当該樹脂組成物の樹脂成分中で含有量比の最も大きい樹脂のことを言うものとする。
(ベース樹脂)
封止材組成物は、密度0.865g/cm以上0.900g/cm以下、好ましくは、密度0.880g/cm以上0.895g/cm以下、より好ましくは、密度0.885g/cm以上0.890g/cm以下のポリエチレンをベース樹脂とする。上記のような低密度のポリエチレンをベース樹脂とすることにより、封止材シートの透明性を向上させることができる。又、これによれば、ガラス保護基板等、太陽電池モジュールを構成する他の部材との密着性が高まり、又、ラミネート処理における各部材の圧着時におけるセル割れのリスクを低減させることもできる。封止材組成物の全樹脂成分に対する上記のベース樹脂の含有量は70質量%以上100質量%以下であり、好ましくは90質量%以上99質量%以下である。上記範囲内でこのベース樹脂を含むものである限りにおいて、封止材組成物中には、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の樹脂が含まれていてもよい。
封止材組成物のベース樹脂として用いるポリエチレンは、エチレンとα-オレフィンとの共重合体である直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)である。又、このベース樹脂は、メタロセン系直鎖低密度ポリエチレン(M-LLDPE)であることが更に好ましい。メタロセン系直鎖低密度ポリエチレンは、シングルサイト触媒であるメタロセン触媒を用いて合成されるものである。このようなポリエチレンは、側鎖の分岐が少なく、コモノマーの分布が均一である。このため、分子量分布が狭く、上記のような超低密度にすることが可能であり封止材に対して柔軟性を付与できる。封止材に柔軟性が付与される結果、封止材とガラス、金属等との密着性が高まる。
又、直鎖低密度ポリエチレンは、結晶性分布が狭く、結晶サイズが揃っているので、結晶サイズの大きいものが存在しないばかりでなく、低密度であるために結晶性自体が低い。このため、封止材としてシート状に加工した際の透明性に優れる。したがって、これをベース樹脂とする封止材組成物からなる封止材シートは、太陽電池モジュールにおいて、太陽電池素子の受光面側に配置された場合に、太陽電池素子への入射光の減衰による発電効率の低下を良く防ぐことができる。
封止材組成物のベース樹脂として用いる直鎖低密度ポリエチレンのα-オレフィンとしては、炭素数が3のプロピレンを主として用いる。封止材組成物は、この特定の炭素数のα-オレフィンを、ベース樹脂中に6mol%以上25mol%以下、好ましくは15mol%以上20mol%以下含有することを特徴とする。従来、太陽電池モジュール用の封止材シートに用いるポリエチレン系樹脂のα-オレフィンは、炭素数が6~8のα-オレフィンである1-ヘキセン、1-ヘプテン又は1-オクテンが多く用いられていたが、本発明の封止材組成物においては、これを炭素数が3のプロピレンに置き換えることで、より少ない架橋剤添加で封止剤シートに十分な耐熱性を備えさえている。
封止材組成物のベース樹脂中のα-オレフィンは、必ずしも全てが炭素数3のものであることが必須ではないが、例えば、1-オクテン等、炭素数8以上のα-オレフィンは含有しないことが好ましい。又、ベース樹脂中の全α-オレフィンのうち、炭素数3のα-オレフィンの割合が50mol%以上であることが好ましく、100mol%であることが最も好ましい。
このように封止材シート中の特定炭素数のα-オレフィンの上記含有量を6mol%以上とすることにより、相対的に少ない架橋剤添加量であっても、封止材シートに十分な耐熱性を付与することが可能であり、同時に、耐光安定剤の劣化を抑えることもできる。一方この含有量が25mol%を超えると融点が下がり、ブロッキングしやすくなるため、上記含有量は、25mol%以下であることが好ましい。
尚、封止材シートにおける「特定炭素数のα-オレフィンの含有量(mol%)」は、以下の測定方法で算出することができる。
(測定方法)
封止材シートをODCB/C6D6(4/1)溶媒に溶かし、濃度を10wt%にする。この溶媒の温度を130℃とした状態で、13C-NMRを利用して測定し、トリアッド(三連子)に特有のピークを定量する。モノマーのシーケンス分率(全シーケンスを100%に規格化)を算出した後、シーケンス分率から各モノマー比(C3成分濃度)を算出する。
封止材組成物には、α-オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物とをコモノマーとして共重合してなるシラン共重合体(以下、「シラン共重合体」とも言う)を、適量添加することが好ましい。これにより、ガラス製の透明前面基板や金属製或いはセラミック製の太陽電池素子等といった他の部材と封止材シートとの密着性を更に向上させることができる。
シラン共重合体は、例えば、特開2003-46105号公報に記載されているものである。当該共重合体を太陽電池モジュールの封止材組成物の成分として使用することにより、強度、耐久性等に優れ、且つ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他の諸特性に優れ、更に、太陽電池モジュールを製造する加熱圧着等の製造条件に影響を受けることなく極めて優れた熱融着性を有し、安定的に、低コストで、種々の用途に適する太陽電池モジュールを製造し得る。
シラン共重合体としては、ランダム共重合体、交互共重合体、ブロック共重合体、及びグラフト共重合体のいずれであっても好ましく使用することができるが、グラフト共重合体であることがより好ましく、重合用ポリエチレンを主鎖とし、エチレン性不飽和シラン化合物が側鎖として重合したグラフト共重合体が更に好ましい。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、太陽電池モジュールにおける他の部材への太陽電池モジュール用封止材の接着性を向上することができる。
α-オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体を構成する際のエチレン性不飽和シラン化合物の含量としては、全共重合体質量に対して、例えば、0.001質量%以上15質量%以下、好ましくは、0.01質量%以上5質量%以下、特に好ましくは、0.05質量%以上2質量%以下が望ましい。本発明において、α-オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物との共重合体を構成するエチレン性不飽和シラン化合物の含量が多い場合には、機械的強度及び耐熱性等に優れるが、含量が過度になると、引っ張り伸び及び熱融着性等に劣る傾向にある。
(架橋剤)
封止材組成物に用いる架橋剤としては、活性酸素量が8.5%以上15.00%以下、好ましくは8.5%以上10.00%以下である。活性酸素量が上記範囲にある架橋剤を用いることによって、架橋剤の添加量を本発明特有の範囲に限定した場合においても、封止材シートに十分な耐熱性と耐光性、及び透明性を備えさせることができる。
又、封止材組成物に用いる架橋剤の1時間半減期温度については、125℃以上145℃以下のものを用いることができる。これにより、本発明の封止剤組成物を、120℃以下での溶融押出し成形が可能な組成物とすることができる。
又、上記条件を満たす好ましい架橋剤の具体例として、n-ブチル4,4-ジ(t-ブチルパーオキシ)バレレート、エチル3,3-ジ(t-ブチルパーオキシ)ブチレート、2,2-ジ(t-ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類、ジ‐t‐ブチルパーオキサイド、t‐ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐パーオキシ)ヘキシン‐3等のジアルキルパーオキサイド類を、封止材組成物に添加する架橋剤として好ましく用いることができる。
封止材組成物における上記の架橋剤の含有量は、封止材組成物中の全樹脂成分に対して0.2質量%以上0.5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.3質量%以上0.4質量%以下の範囲である。この範囲の架橋剤を添加することにより、封止材シートに十分な耐久性を付与することができる。又、この範囲の添加量であれば、架橋剤由来の好ましくない気泡の発生も抑えることができる。尚、本発明の封止材シートは、実質的な架橋を進行させずに成膜するものであり、成膜後のシート段階における封止材シート中の上記の架橋剤の含有量も0.2質量%以上0.5質量%以下の範囲となる。
(架橋助剤)
封止材組成物には、炭素-炭素二重結合及び/又はエポキシ基を有する多官能モノマー、より好ましくは多官能モノマーの官能基がアリル基、(メタ)アクリレート基、ビニル基である架橋助剤を含有させることが好ましい。これによって適度な架橋反応を促進させて封止材シートのガラスや金属に対する密着性を向上させることに加えて、この架橋助剤が、封止材シートを形成する直鎖低密度ポリエチレンの結晶性を低下させ透明性を維持する。これにより、上記の密着性の向上の効果に加えて、封止材シートの透明性と低温柔軟性をより優れたものとすることができる。
封止材組成物に用いることができる架橋助剤としては、具体的には、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート等のポリアリル化合物、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPT)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、1,9-ノナンジオールジアクリレート等のポリ(メタ)アクリロキシ化合物、二重結合とエポキシ基を含むグリシジルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル及びエポキシ基を2つ以上含有する1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物を挙げることができる。これらは単独でもよく、2種以上を組合せてもよい。又、上記架橋助剤の中でも、封止材のガラス密着性向上にも顕著に寄与し、直鎖低密度ポリエチレンに対する相溶性が良好で、架橋によって結晶性を低下させ透明性を維持し、低温での柔軟性を付与する観点からTAICを好ましく使用することができる。
封止材組成物における架橋助剤の含有量は、封止材組成物中の全樹脂成分に対して、0.01質量%以上3質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.05質量%以上2.0質量%以下である。この範囲内であれば適度な架橋反応を促進させて封止材シートの上記密着性を良く向上させることができる。
(ヒンダードアミン系耐光安定剤)
封止材組成物には、耐光安定剤としてヒンダードアミン系耐光安定剤(HALS)を用いる。ヒンダードアミン系光安定剤はピペリジン骨格中の窒素原子の結合相手により大きく分けて、N-H型(窒素原子に水素が結合)、N-R型(窒素原子にアルキル基(R)が結合)、N-OR型(窒素原子にアルコキシ基(OR)が結合)の3タイプがある。本発明の封止材組成物では、これらのうち、N-H型又はN-R型のヒンダードアミン系耐光安定剤を用いる。
N-OR型のヒンダードアミン系耐光安定剤は、N-H型やN-R型のヒンダードアミン系耐光安定剤に比べ、反応スピードが速くラジカルトラップの機能が高い。しかし、本発明の封止材シートのように、成膜時後、モジュール化の段階で架橋を進行させるタイプの封止材シートにおいては、モジュール化のための熱ラミネーション時に、架橋剤と反応して劣化し易いため、それにより耐光性を十分に向上できなくなる場合が多い。ヒンダードアミン系耐光安定剤を、N-H型やN-R型のヒンダードアミン系耐光安定剤に特定することにより、架橋剤による劣化を回避して、光で発生したラジカルの補足機能を良好に保つことができる。
又、一般的に、ヒンダードアミン系耐光安定剤には、低分子量のものから高分子量のものまで多くの種類の化合物が知られている。太陽電池モジュール用の封止材組成物への使用に際しては、低分子量のもの、即ち、分子量が2000未満のものを用いるとブリードアウトが発生する場合が多く、この場合には、光線透過率が小さくなり透明性が低下してしまう。封止材の透明性の低下は太陽電池モジュールの発電効率の低下につながるため、封止材組成物に用いる耐光安定化剤としては、分子量が2000以上の高分子量のものを用いることが好ましい。
本発明に係る封止材組成物に好ましく用いることができるヒンダードアミン系耐光安定剤の具体例としては、N-H型で且つ分子量が2000以上のものとして、ジブチルアミン-1,3,5-トリアジン-N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル-1,6-ヘキサメチレンジアミン-N-(2,2,6,6-テトラメメチル-4-ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物を挙げることができる。この化合物はChimassorb2020として市販されており、CAS番号192268-64-7の化合物である。分子量は2600から3400であり、融点は130℃から136℃である。
本発明に係る封止材組成物に好ましく用いることができるヒンダードアミン系耐光安定剤の他の具体例としては、N-R型で且つ分子量が2000以上のものとして、ブタン二酸1-[2-(4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジノ)エチル]を挙げることができる。この化合物はKEMISTAB62として市販されており、CAS番号65447-77-0の化合物である。分子量は3100から4000であり、融点55℃から70℃である。
封止材組成物への上記のヒンダードアミン系耐光安定剤添加量については、封止材組成物中の全樹脂成分に対して、0.1質量%以上0.5質量%以下であればよく、0.2質量%以上0.4質量%以下であることがより好ましい。上記含有量を、0.1質量%以上とすることにより、耐光安定化の効果が十分に得られる。又、上記含有量を、0.5質量%以下とすることによって、ブリードアウトを抑制することができ、又、ヒンダードアミン系耐光安定剤の過剰な添加による樹脂の変色を抑えることもできる。
(その他の添加物)
封止材組成物には、更にその他の成分を含有させることができる。例えば、紫外線吸収剤、熱安定剤、密着性向上剤、核剤、分散剤、レベリング剤、可塑剤、消泡剤、難燃剤、及びその他の各種フィラーを適宜添加することができる。これらの添加剤の含有量比は、その粒子形状、密度等により異なるものではあるが、それぞれ封止材組成物中に0.001質量%以上60質量%以下の範囲内であることが好ましい。これらの添加剤を含むことにより、封止材組成物に対して、長期に亘って安定した機械強度や、黄変やひび割れ等の防止効果等を付与することができる。
<太陽電池モジュール>
図1は、本発明の太陽電池モジュールについて、その層構成の一例を示す断面図である。本発明の太陽電池モジュール1は、入射光の受光面側から、透明前面基板2、前面封止材3、太陽電池素子4、背面封止材5、及び裏面保護シート6が順に積層されている。本発明の太陽電池モジュール1は、前面封止材3及び/又は背面封止材5として、本発明の封止材シートを用いて製造することができる。
太陽電池モジュール1は、例えば、上記の透明前面基板2、前面封止材3、太陽電池素子4、背面封止材5、及び裏面保護シート6からなる部材を順次積層してから真空吸引等により一体化し、その後、ラミネーション法等の成形法により、上記の部材を一体成形体として加熱圧着成形して製造することができる。そして、このとき、単層シートからなる前面封止材3とガラス基板が積層されるか、又は、多層シートからなる前面封止材3の上記密着強化層が、透明前面基板2の一例であるガラス基板と対向するように積層されることで、ガラス基板と封止材との密着性を向上できる。尚、上記の加熱圧着は、110℃以上で実施し、加熱圧着後に、キュア工程を実施するとポリエチレンの架橋反応が更に進む。キュア工程は、封止材シートの樹脂温度が140℃以上170℃以下となるような加熱条件において行う。これにより、封止材シートの架橋を適度に進行させて、太陽電池モジュールの耐熱性と耐光性を十分に高めることができる。
このようにして得られる、本発明の太陽電池モジュールは、耐熱性と耐光性に優れ、強い紫外線、熱線、風雨等といった過酷な環境に曝される場合であっても、長期間に亘るきわめて高い耐久性を備えるものとなっている。又、透明性においても優れたものであることにより太陽電池モジュールの発電効率の向上にも寄与することができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[封止材シートの製造]
下記の材料からなる封止材組成物を溶融し、常法Tダイ法により厚さ460μmとなるように成膜して太陽電池モジュール用の未架橋の単層の封止材シートを得た。成膜温度は90℃~100℃とした。
(ベース樹脂)
密度0.880g/cm、190℃でのメルトマスフローレート(MFR)が20g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレンと以下の各α-オレフィンとの共重合体を、全ての実施例及び比較例の封止材シートのベース樹脂として、各封止材組成物に85質量部ずつ用いた。但し、各α-オレフィンの種類と含有量は、下記表1に記載されている通り、実施例、比較例毎に異なる炭素数(3、6、8)のものが、異なる含有量(mol%)で含まれるものとした。
各ベース樹脂に含まれるα-オレフィンは、以下の通りである。各ベース樹脂におけるα-オレフィンの含有量(mol%)は、表1に記載の通りである。
プロピレン:炭素量3(表1にて「C3」と表記)
1-ヘキセン:炭素量6(表1にて「C6」と表記)
1-オクテン:炭素量8(表1にて「C8」と表記)
(シラン変性ポリエチレン)
ベース樹脂に用いた上記のメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン95質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン5質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.1質量部とを混合し、200℃で溶融、混練し、密度0.884g/cm、190℃でのMFRが6g/10分であるシラン変性ポリエチレン(シラン共重合体)を得た。このシラン変性ポリエチレンを全ての実施例及び比較例の封止材シートのその他の添加樹脂として各封止材組成物に15質量部ずつ用いた。
(架橋剤)
架橋剤については、各封止材組成物毎に表2に記載の3種類の架橋剤(A~C)をそれぞれ表1に記載の通りの配合で使い分けた。各封止材組成物毎の樹脂成分中における各架橋剤の含有量(質量%)は表1に記載の通りとした。各架橋剤(A~C)の分子量、活性酸素量、1時間半減期温度は表2に記載の通りである。
(ヒンダードアミン系耐光安定剤)
ヒンダードアミン系耐光安定剤(HASLS)については、各封止材組成物毎に表3に記載の5種類のHASLS(H1~H5)をそれぞれ表1に記載の通りの配合で使い分けた。各封止材組成物毎の樹脂成分中におけるHALSの含有量(質量%)は表1に記載の通りとした。各HALS(H1~H5)の型と分子量は表3に記載の通りである。
Figure 2022089829000002
Figure 2022089829000003
Figure 2022089829000004
[評価例1:α-オレフィンの状態]
各封止材シートにおけるベース樹脂のエチレン・αオレフィン共重合体のαオレフィンの状態(分岐の状態)について、上述の方法の通り、13C-NMRで測定して表1に記載の通りの状態であることを確認した。
[評価例2:ゲル分率]
太陽電池モジュールとして一体化された状態での各封止材シートの架橋度を評価するために、上記各封止材をETFEフィルムで挟み込んで、真空加熱ラミネーション及びその後のキュア処理により架橋処理を行ったものについて、上述の測定方法により、ゲル分率を測定した。結果は表4に「ゲル分率」として示す。評価基準は以下の通りとした。尚、成膜後、上記架橋処理前の状態においては、いずれの封止材シートについてもゲル分率が0%であることも併せて確認されている。
(真空加熱ラミネート条件) (a)真空引き:4.0分
(b)加圧:(0kPa~50kPa):10秒
(c)圧力保持:(50kPa):6分
(d)温度:110℃
(キュア条件) (a)時間40分、温度150℃又は160℃
(評価基準) A:キュア処理後のゲル分率が、60%以上。
B:キュア処理後のゲル分率が、50%以上60%未満。
C:キュア処理後のゲル分率が、50%未満。
[評価例3:気泡発生の有無]
上記の各封止材シート、及び、下記の透明前面基板、裏面保護シート及び太陽電池素子を用いて、実施例及び比較例の太陽電池モジュール評価用試料を作成した。上記各部材を、図1に示す一般的な層構成に沿って積層し、上記の評価例2と同一の真空加熱ラミネート条件で、真空加熱ラミネート処理を行い、それぞれの実施例、比較例について太陽電池モジュール評価用試料を得た。
(透明前面基板):白板半強化ガラス(JPT3.2 75mm×50mm×3.2mm)
(裏面保護シート)::ポリエチレンテレフタレート(PET)基材:厚さ188μm(「ルミラーS10」、東レ株式会社製)
を用いた。
(太陽電池素子):多結晶シリコン基板を用いて作製する結晶シリコン太陽電池素子。(Motech、IM156B3)
そして、実施例、比較例の各太陽電池モジュール評価用試料について、190℃で6時間保管後に、封止材シートと他部材との界面における気泡の発生の有無を目視により観察した。結果は「気泡発生」として表4に示す。評価基準は以下の通りとした。
(評価基準) A:目視により気泡の発生が確認された。
C:目視により気泡が発生していないことが確認された。
[評価例4:光学特性]
上記の評価例3で用いた太陽電池モジュール評価用試料の層構成において、太陽電池素子を除き、裏面側にも上記の裏面保護シートに変えて上記の白板半強化ガラスを配置した層構成の積層体を上記評価例2と同一の条件で、真空加熱ラミネート処理を行い、それぞれの実施例、比較例について光学特性試験用の試料を作成した。これらの各試料について、光学特性(HAZE)(JIS K7136、株式会社村上色彩研究所、ヘーズ・透過率系HM150により測定)を測定した。結果は「光学特性」として表4に示す。評価基準は以下の通りとした。
(評価基準) A:ヘーズ5%以上
C:ヘーズ5%未満
[評価例5:密着性]
上記の評価例3で透明前面基板として用いたガラス基板(白板半強化ガラス)に、実施例及び比較例の未架橋の各封止材シートを密着させて上記と上記評価例2と同一の条件で真空加熱ラミネータ処理を行い、それぞれの実施例、比較例について密着性試験用の試料を作成した。
剥離試験方法:ガラス基板上に密着している封止材シートを15mm幅にカットし、剥離試験機(テンシロン万能試験機 RTF-1150-H)にて垂直剥離(50mm/min)試験を行い、封止材シートの密着性を測定した。結果は「密着性(初期)」として表4に示す。評価基準は以下の通りとした。
(評価基準) A:30N/15mm以上
B:20N/15mm以上30N/15mm未満
C:20N/15mm未満
[評価例6:耐光性]
本発明の封止材シートの耐光性を評価するために、評価例5で用いた試料について、下記の「高強度キセノン照射試験」を行い、2000時間経過後に評価例4と同一の密着性試験を行った。結果は「耐光性(密着維持率)」として表4に示す。評価基準は以下の通りとした。
高強度キセノン照射試験:アトラス・ウエザオメータCi4000を用い、放射照度60W/m、ブラックパネル温度(BPT)63℃、湿度50%の条件で2000時間の照射試験を行った。
(評価基準) A:評価例5における密着性に対する、上記「高強度キセノン照射試験」後の密着性の維持率が 50%以上
B:同密着性維持率が30%以上50%未満
C:同密着性維持率が30%未満
Figure 2022089829000005
表1~4より、本発明の封止材シートは、ポリエチレンをベース樹脂とし、製膜後に架橋を進行させる熱硬化系の封止材シートであって、透明性に優れ、且つ十分な耐熱性及び耐光性を有する太陽電池モジュール用の封止材シートであることが分かる。
1 太陽電池モジュール
2 透明前面基板
3 前面封止材
4 太陽電池素子
5 背面封止材
6 裏面保護シート

Claims (1)

  1. 密度0.865g/cm以上0.900g/cm以下のポリエチレンをベース樹脂とし、
    架橋剤と、
    ヒンダードアミン系耐光安定剤と、を含有してなる太陽電池モジュール用の封止材シートであって、
    前記ポリエチレンは、炭素数3のαオレフィンを6mol%以上25mol%以下の割合で含有してなる、エチレンとα-オレフィンとの共重合体であって、
    前記架橋剤は、活性酸素量が8.5%以上15.00%以下で1時間半減期温度が125℃以上145℃以下であり、前記封止材シートの樹脂成分中における含有量が0.2質量%以上0.5質量%以下であって、
    前記ヒンダードアミン系耐光安定剤は、分子量が2000以上であり、N-H型又はN-R型のヒンダードアミン系耐光安定剤であって、前記封止材シートの樹脂成分中における含有量が0.1質量%以上0.5質量%以下である、太陽電池モジュール用の封止材シート。
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