JP2022088707A - ガラス板及びそれを用いたマイクロ流体デバイス - Google Patents

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Yohei Hosoda
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Abstract

【課題】破損し難く、且つ超音波が伝搬し易いガラス板を提供する。【解決手段】本発明のガラス板は、破壊靭性が0.8MPa・m0.5以上であり、且つマイクロ流体デバイスに用いることを特徴とする。また、ガラス組成としては、モル%で、SiO2:45~80%、Al2O3:5~30%、B2O3:0~15%、P2O5:0~15%、Li2O+Na2O+K2O:0~20%、MgO:3~35%、CaO+SrO+BaO:0~15%を含有することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス板及びそれを用いたマイクロ流体デバイスに関する。
代表的な分離機器である遠心分離器は、装置自体が大型であるため、大量の試料が必要であり、小型化には不向きである。また、膜分離法は、膜の交換が不便である。そして、遠心分離器と膜分離法は、何れも接触式であるため、分離対象の試料が破壊されたり、微量な試験体の取り扱いが困難であったりする。
一方、マイクロ流体デバイスは、極微量の試料だけで、反応、分離、精製、検出等の様々な化学操作を実行し得るデバイスである。このマイクロ流体デバイスでは、物質を分離する機能がマイクロスケール化されるため、環境負荷、時間、コストの低減に加えて、高い反応効率、省スペース化等の利点があり、特に医療、バイオ分野への応用が期待されている。
そして、マイクロ流体デバイスには、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス等のガラス板を用いることが検討されている(例えば特許文献1、2参照)。
また、マイクロ流体デバイスでは、非接触で極微量の試料の分離が可能である。分離技術には、電気泳動、磁力、レーザー放射圧等を利用する方法があるが、物質の電気的、磁気的、屈折率等の依存性があるため、適用範囲に制限がある。その一方で超音波による音響放射力を利用する方法は、それらの制約を受けないこと、装置が単純になること、小型化が容易であること等の利点がある。超音波は、ガラス板の厚みが薄い程、伝搬し易いと言われている。超音波が伝搬し易くなると、分離機能を高精度化することができる。
特開2018-39688号公報 特開2018-39701号公報
しかしながら、石英ガラスとホウケイ酸ガラスは、ガラス板の厚みを薄くしていくと、超音波の振動により表面欠陥に応力集中が起こり、場合によっては破損に至るという問題があった。
そこで、本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、その目的は、破損し難く、且つ超音波が伝搬し易いガラス板を提供することである。
本発明者は、鋭意努力の結果、ガラス板の破壊靭性を高めることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明のガラス板は、破壊靭性が0.8MPa・m0.5以上であり、且つマイクロ流体デバイスに用いることを特徴とする。ガラス板の破壊靭性を高めると、超音波の振動により表面欠陥に応力集中が起こっても、ガラス板が破損し難くなる。結果として、マイクロ流体デバイスにおいて、ガラス板の破損を防止した上で、音響放射力の効果により分離機能を高めることができる。ここで、「破壊靱性」は、JIS R1607「ファインセラミックスの破壊靱性K1C試験方法」に基づき、予き裂導入破壊試験法(SEPB法:Single-Edge-Precracked-Beam method)を用いて測定したものである。SEPB法は、予き裂導入試験片の3点曲げ破壊試験によって試験片が破壊するまでの最大荷重を測定し、最大荷重、予き裂長さ、試験片寸法及び曲げ支点間距離から平面歪み破壊靱性を求める方法である。なお、各ガラスの破壊靱性値は5点の平均値より求めるものとする。また、マイクロ流体デバイスに用いるガラス板には、流路形成用ガラス板とカバー用ガラス板の双方が含まれる。
また、本発明のガラス板は、ガラス組成として、モル%で、SiO 40~80%、Al 5~30%、B 0~15%、P 0~15%、LiO+NaO+KO 0~20%、MgO 3~35%、CaO+SrO+BaO 0~15%を含有することが好ましい。ここで、「LiO+NaO+KO」は、LiO、NaO及びKOの合量を指す。「CaO+SrO+BaO」は、CaO、SrO及びBaOの合量を指す。
本発明のマイクロ流体デバイスは、ガラス板を備えたマイクロ流体デバイスであって、ガラス板が上記のガラス板であることが好ましい。
また、本発明のマイクロ流体デバイスでは、ガラス板に流路が形成されていることが好ましい。
本発明のガラス板において、破壊靭性は0.8MPa・m0.5以上であり、好ましくは0.9MPa・m0.5以上、特に0.9超~2MPa・m0.5である。破壊靭性が小さ過ぎると、ガラス板の厚みを薄くした場合に、超音波の振動により表面欠陥に応力集中が起こり易くなる。
本発明のガラス板は、ガラス組成として、モル%で、SiO 45~80%、Al 5~30%、B 0~15%、P 0~15%、LiO+NaO+KO 0~20%、MgO 3~35%、CaO+SrO+BaO 0~15%を含有することが好ましい。本発明のガラス板において、各成分の含有範囲を限定した理由を下記に示す。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は、特に断りがない限り、モル%を指す。
SiOは、ガラスのネットワークを形成する成分である。SiOの含有量は、好ましくは40~80%、45~80%、45~70%、特に45~65%である。SiOの含有量が少な過ぎると、ガラス化し難くなり、また耐候性が低下し易くなる。一方、SiOの含有量が多過ぎると、溶融性や成形性が低下し易くなる。
Alは、破壊靭性や耐候性を高める成分である。Alの含有量は、好ましくは5~30%、9~25%、特に14~24%である。Alの含有量が少な過ぎると、破壊靭性や耐候性が低下し易くなる。一方、Alの含有量が多過ぎると、溶融性、成形性及び耐失透性が低下し易くなる。
は、ガラスのネットワークを形成する成分であるが、破壊靭性や耐候性を低下させる成分である。よって、Bの含有量は、好ましくは0~20%、0~15%、特に0~10%である。
は、ガラスのネットワークを形成する成分であり、また溶融性、成形性を高める成分であり、特に液相温度近辺における粘度を高める成分である。一方、Pの含有量が多過ぎると、破壊靭性や耐候性が低下し易くなり、また分相が起こり易くなる。よって、Pの含有量は、好ましくは0~15%、0~10%、特に0~7%である。
LiO、NaO及びKOは、高温粘度を低下させて、溶融性、成形性を高める成分である。一方、LiO、NaO及びKOの含有量が多過ぎると、耐候性が低下し易くなる。よって、LiO、NaO及びKOの合量は、好ましくは0~20%、1~10%、特に1~8%である。LiO及びKOのそれぞれの含有量は、好ましくは0~15%、0~8%、特に1~5%である。
MgOは、破壊靭性を大幅に高める成分であり、また高温粘度を低下させて、溶融性、成形性を高める成分である。MgOの含有量は、好ましくは3~35%、5~30%、特に10~25%である。MgOの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。一方、MgOの含有量が多過ぎると、耐失透性が低下し易くなる。
CaO、SrO及びBaOは、高温粘度を低下させて、溶融性、成形性を高める成分である。しかし、CaO、SrO及びBaOの含有量が多過ぎると、耐失透性、破壊靭性等が低下し易くなる。よって、CaO、SrO及びBaOの合量は、好ましくは0~15%、特に0~10%である。CaO、SrO及びBaOのそれぞれの含有量は、好ましくは0~12%、0~8%、0~5%、特に0~1%である。
上記成分以外にも、例えば以下の成分を添加してもよい。
TiOは、耐候性を高める成分であるが、ガラスを着色させる成分である。よって、TiOの含有量は、好ましくは0~0.5%、特に0~0.1%未満である。
ZrOは、破壊靭性や耐候性を高める成分であるが、耐失透性を低下させる成分である。よって、ZrOの含有量は、好ましくは0~0.5%、特に0~0.1%未満である。
清澄剤として、SnO、Cl、SO、CeOの群(好ましくはSnO、SOの群)から選択された一種又は二種以上を0.05~0.5%添加してもよい。
Feは、ガラス原料に不純物として不可避的に混入する成分であり、着色成分である。よって、Feの含有量は、好ましくは0.05%以下、特に0.001~0.03%である。
、Cr、CoO及びNiOは、着色成分である。よって、V、Cr、CoO及びNiOのそれぞれの含有量は、好ましくは0.1%以下、特に0.01%未満である。
、Nd、La等の希土類酸化物は、破壊靭性を高める成分である。しかし、原料自体のコストが高く、また多量に添加すると、耐失透性が低下し易くなる。よって、希土類酸化物の合量は、好ましくは3%以下、1%以下、特に0.1%未満である。
環境的配慮から、ガラス組成として、実質的にAs、Sb、PbO、Bi及びFを含有しないことが好ましい。ここで、「実質的に~を含有しない」とは、ガラス成分として積極的に明示の成分を添加しないものの、不純物として混入する場合を許容する趣旨であり、具体的には、明示の成分の含有量が0.01%未満であることを指す。
本発明のガラス板において、板厚は、好ましくは1mm以下、0.5mm以下、特に0.2mm以下である。板厚が厚過ぎると、超音波の振動が伝搬し難くなる。
本発明のガラス板は、例えば、以下のようにして作製することができる。
まず所定のガラス組成になるように調合したガラス原料を連続溶融炉に投入して、1500~1700℃で加熱溶融し、清澄、攪拌した後、成形装置に供給して板状に成形し、徐冷することにより、ガラス板を作製することができる。板引き成形の方法に制限はないが、フロート法、ロールアウト法、オーバーフローダウンドロー法を採用してもよい。
ガラス板を成形する方法として、フロート法を採用することが好ましい。フロート法は、ガラス板を安価に作製し得る方法である。オーバーフローダウンドロー法は、表面が未研磨の状態で、薄いガラス板を大量に作製し得る方法である。なお、表面が未研磨であると、ガラス板の製造コストを低廉化することができる。
次に、本発明のガラス板を用いてマイクロ流体デバイスを作製する方法を説明する。まず、フォトリソグラフィー、レーザー、サンドブラスト等の方法により、ガラス板に流路を形成する。流路の深さは1~100μmとすることが好ましい。次に、流路形成用ガラス板とカバー用ガラス板を熱融着又はオプティカルコンタクトにより接合することにより、マイクロ流体デバイスを作製することができる。
以下、実施例に基づいて、本発明を詳細に説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は以下の実施例に何ら限定されない。
表1は、本発明の実施例(試料No.1~6)と比較例(試料No.7、8)を示している。
Figure 2022088707000001
次のようにしてガラス板を作製した。表中のガラス組成になるように、ガラス原料を調合した。次に、調合済みのガラスバッチを溶融炉に投入し、1600℃で5時間溶融した後、清澄、攪拌して、溶融ガラスを均質化した上で、板厚5mmの板状に成形して、ガラス板を得た。得られたガラス板について、上記の方法により破壊靭性K1Cを評価した。なお、試料No.1~8に係るガラス板は、Feの混入不純量が0.01モル%であった。
表1から分かるように、試料No.1~6は、破壊靭性が高いため、ガラス板の厚みを薄くしても、超音波の振動により表面欠陥に応力集中が起こり難いものと考えられる。一方、試料No.7、8は、ガラス板の厚みを薄くすると、超音波の振動により表面欠陥に応力集中が起こり易いものと考えられる。
続いて、試料No.1~6に係るガラス板それぞれに対して、70mm×15mmサイズ、厚み0.1mmになるように、研磨加工を行った。その後、サンドブラストにより深さ35μm、幅120μm、長さ50mmの流路を形成し、マイクロ流体デバイス用基板を作製した。得られたマイクロ流体用基板に超音波振動子(富士セラミックス製)を有機系接着剤で接着し、4MHz、40Vppを印加して、4MHzの超音波振動を加えた。その結果、マイクロ流体用基板に破損は認められなかった。
一方、試料No.7、8に係るガラス板それぞれに対して、同様の方法でマイクロ流体デバイス用基板を作製し、同様の超音波振動を加えたところ、マイクロ流体基板に破損が認められた。
本発明のガラス板は、マイクロ流体デバイス用基板、特に深さ1~100μmの流路形成用基板に好適であり、特に超音波による音響放射力を利用する方法を利用したマイクロ流体デバイス用基板に好適である。

Claims (4)

  1. 破壊靭性が0.8MPa・m0.5以上であり、且つマイクロ流体デバイスに用いることを特徴とするガラス板。
  2. ガラス組成として、モル%で、SiO 40~80%、Al 5~30%、B 0~15%、P 0~15%、LiO+NaO+KO 0~20%、MgO 3~35%、CaO+SrO+BaO 0~15%を含有することを特徴とする請求項1に記載のガラス板。
  3. ガラス板を備えたマイクロ流体デバイスであって、
    ガラス板が、請求項1又は2に記載のガラス板であることを特徴とするマイクロ流体デバイス。
  4. ガラス板に流路が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のマイクロ流体デバイス。
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