JP2021075407A - 紫外線透過ガラス - Google Patents

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Abstract

【課題】深紫外域での透過率が高く、更に耐候性も高い紫外線透過ガラスを創案する。【解決手段】本発明の紫外線透過ガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO260〜78%、Al2O31〜25%、B2O310.8〜30%、Li2O 0〜1.9%未満、Na2O 0〜8%、K2O 1.6〜8%、Li2O+Na2O+K2O 1.6〜10%、BaO 0〜1.9%未満、Li2O+BaO 0〜1.9%未満、Cl 0〜1%を含有し、厚み0.5mm、波長200nmにおける外部透過率が40%以上であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、紫外線透過ガラスに関する。
現在、深紫外域(例えば、波長域200〜350nm)において高い出力を有する光源が開発されており、紫外線ランプや磁気記録媒体への書き込み装置等に用いられている。そして、この光源には、深紫外域での透過率が高い紫外線透過ガラス(例えば、特許文献1、2)が用いられている。
国際公開第2016/194780号 特許第5847998号公報
紫外線透過ガラスの深紫外域での透過率が高い程、上記光源の性能が向上する。例えば、このような紫外線透過ガラスを殺菌用途の紫外線ランプの外筒に用いると、より高い殺菌力を得ることができる。
しかし、従来の紫外線透過ガラスは、深紫外域での透過率を高めるため、酸化ホウ素が多いガラス組成が用いられることが多く、一般的なホウケイ酸ガラス(パイレックス(登録商標)ガラス)やソーダ石灰ガラス等と比較すると、耐候性が低くなり、それを用いた電子デバイスの製品寿命が短くなるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑み成されたものであり、その技術的課題は、深紫外域での透過率が高く、更に耐候性も高い紫外線透過ガラスを創案することである。
本発明者等は、鋭意検討の結果、ガラス組成とガラス特性を所定範囲に規制することにより、上記技術的課題を解決し得ることを見出し、本発明として提案するものである。すなわち、本発明の紫外線透過ガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO 60〜78%、Al 1〜25%、B 10.8〜30%、LiO 0〜1.9%未満、NaO 0〜8%、KO 1.6〜8%、LiO+NaO+KO 1.6〜10%、BaO 0〜1.9%未満、LiO+BaO 0〜1.9%未満、Cl 0〜1%を含有し、厚み0.5mm、波長200nmにおける外部透過率が40%以上であることを特徴とする。ここで、「厚み0.5mm、波長200nmにおける外部透過率」は、両面を光学研磨面(鏡面)に研磨したものを測定試料として、市販の分光光度計(例えば、日本分光社製V―670)で測定可能である。
また、本発明の紫外線透過ガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO 62〜74%、Al 3.5〜20%、B 11.5〜25%、LiO 0〜1.5%、NaO 0.1〜8%、KO 1.6〜6%、LiO+NaO+KO 2〜10%、BaO 0〜1%、LiO+BaO 0〜1.5%、Cl 0.01〜0.5%、Fe+TiO 0.00001〜0.00200%を含有することが好ましい。
また、本発明の紫外線透過ガラスは、温度121℃、相対湿度85%、試験時間24時間の高速加速寿命試験(HAST)を行った時、ガラス表面に発生する異物の最大の最大長が100μm以下になることが好ましい。ここで、「高速加速寿命試験(HAST)」は、例えば市販の装置(例えば、平山製作所社製)を用いて試験可能である。「異物の最大の最大長」は、例えばキーエンス社製デジタルマイクロスコープを用いて観察可能である。
また、本発明の紫外線透過ガラスは、ガラス粘度Logρ=6.0dPa・sに相当する温度が870℃以下であることが好ましい。ここで、「ガラス粘度Logρ=6.0dPa・sに相当する温度」は、白金球引き上げ法を用いて測定した歪点、徐冷点、軟化点、ガラス粘度Logρ=4.0dPa・sに相当する温度、ガラス粘度Logρ=3.0dPa・sに相当する温度、ガラス粘度Logρ=2.5dPa・sに相当する温度とガラス粘度をFulcherの式に当て嵌めた後、ガラス粘度Logρ=6.0dPa・s相当する温度を計算で求めたものである。
また、本発明の紫外線透過ガラスは、ガラス粘度Logρ=4.0dPa・sに相当する温度が1200℃以下であることが好ましい。ここで、「ガラス粘度Logρ=4.0dPa・sに相当する温度」は、白金球引き上げ法で測定可能である。
また、本発明の紫外線透過ガラスは、30〜380℃における平均熱膨張係数が40×10−7〜65×10−7/℃であることが好ましい。ここで、「30〜380℃における平均熱膨張係数」は、市販のディラトメーターで測定可能である。
また、本発明の紫外線透過ガラスは、厚み0.5mm、波長230nmにおける外部透過率が70%以上であることが好ましい。ここで、「厚み0.5mm、波長230nmにおける外部透過率」は、両面を光学研磨面(鏡面)に研磨したものを測定試料として、市販の分光光度計(例えば、日本分光社製V―670)で測定可能である。
また、本発明の紫外線透過ガラスは、厚み0.5mm、波長200nmにおける外部透過率(%)をT200、厚み0.5mm、波長260nmにおける外部透過率(%)をT260とした場合、T200/T260≧0.45の関係を満たすことが好ましい。ここで、「厚み0.5mm、波長260nmにおける外部透過率」は、両面を光学研磨面(鏡面)に研磨したものを測定試料として、市販の分光光度計(例えば、日本分光社製V―670)で測定可能である。
また、本発明の紫外線透過ガラスは、ガラス表面に機能性膜が形成されていることが好ましい。
また、本発明の紫外線透過ガラスは、ガラス表面にレンズ構造が形成されていることが好ましい。
また、本発明の紫外線透過ガラスは、ガラス表面にプリズム構造が形成されていることが好ましい。
また、本発明の紫外線透過ガラスは、ガラス表面に接着層が形成されていることが好ましい。
また、本発明の紫外線透過ガラスは、形状が板状又は管状であり、その厚みが0.1〜3.0mmであることが好ましい。
また、本発明の紫外線透過ガラスは、形状が管状であり、且つその内径が1mm以上であることが好ましい。
また、本発明の紫外線透過ガラスは、紫外線発光ダイオード(LED)、半導体パッケージ、受光素子封止パッケージ、紫外光発光ランプ、光電子増倍管の何れかに用いることが好ましい。
本発明の紫外線透過ガラスは、ガラス組成として、質量%で、SiO 60〜78%、Al 1〜25%、B 10.8〜30%、LiO 0〜1.9%未満、NaO 0〜8%、KO 1.6〜8%、LiO+NaO+KO 1.6〜10%、BaO 0〜1.9%未満、LiO+BaO 0〜1.9%未満、Cl 0〜1%を含有する。上記のように各成分の含有量を限定した理由を以下に示す。なお、各成分の含有量の説明において、%表示は、特に断りがある場合を除き、質量%を表す。
SiOは、ガラスの骨格を形成する主成分である。SiOの含有量は、好ましくは60〜78%、62〜75%、65〜74%、特に66〜72%である。SiOの含有量が少な過ぎると、ヤング率、耐酸性、耐候性が低下し易くなる。一方、SiOの含有量が多過ぎると、高温粘度が高くなり、溶融性が低下し易くなることに加えて、クリストバライト等の失透結晶が析出し易くなって、液相温度が上昇し易くなる。なお、SiOが上記範囲外になると、ガラスが分相して、耐候性が低下し易くなる。
Alは、耐候性、ヤング率を高める成分であると共に、分相、失透を抑制する成分である。Alの含有量は、好ましくは1〜25%、2〜20%、3.5〜10%、4〜7%、特に4.5〜6.5%である。Alの含有量が少な過ぎると、耐候性、ヤング率が低下し易くなり、またガラスが分相、失透し易くなる。一方、Alの含有量が多過ぎると、高温粘度が高くなり、溶融性が低下し易くなる。
は、溶融性、耐失透性、深紫外域での透過率を高める成分であり、また傷の付き易さを改善して、強度を高める成分である。Bの含有量は、好ましくは10.8〜30%、11.5〜25%、13〜24%、14〜23%、15〜22%、15.5〜21%、15.8%〜20%、16〜19%、特に16.1〜18.1%である。Bの含有量が少な過ぎると、上記効果を享受し難くなる。一方、Bの含有量が多過ぎると、ヤング率、耐酸性、耐候性が低下し易くなる。またガラスが分相して、耐候性が低下し易くなる。
AlとBは、耐失透性を高める成分である。AlとBの合量は、好ましくは15〜30%、16〜28%、17〜27%、特に19〜26%である。AlとBの合量が少な過ぎると、ガラスが失透し易くなる。一方、AlとBの合量が多過ぎると、ガラス組成の成分バランスが損なわれて、逆にガラスが失透し易くなる。
−Alの含有量は、好ましくは10〜20%、11〜19%、12〜17%、特に13〜16%である。B−Alの含有量が少な過ぎると、深紫外域での透過率が低下し易くなる。一方、B−Alの含有量が多過ぎると、耐候性が低くなる。またガラスが分相し易くなる。なお、「B−Al」は、Bの含有量からAlの含有量を減じた値である。
LiOは、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高めると共に、ガラス原料の初期の溶融に寄与する成分である。LiOの含有量は、好ましくは0〜1.9%未満、0.1〜1.9%未満、0.1〜1.8%、0.2〜1.5%、0.3〜1%、0.4〜0.8%未満、特に0.5〜0.7%である。LiOの含有量が少な過ぎると、溶融性が低下し易くなることに加えて、熱膨張係数が不当に低くなる虞がある。一方、LiOの含有量が多過ぎると、ガラスが分相し易くなる。またガラスのバッチコストも高くなる。更に耐候性が低下し易くなる。
NaOは、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高めると共に、ガラス原料の初期の溶融に寄与する成分である。また熱膨張係数を調整するための成分である。NaOの含有量は、好ましくは0〜8%、0.1〜8%、0.5〜7%、0.7%〜6.5%、0.8〜6.2%、0.9〜6%、1〜5.8%、1.5〜5.5%、2〜5.4%、3〜5.3%、3.8〜5.1%、特に4〜5%である。NaOの含有量が少な過ぎると、溶融性が低下し易くなることに加えて、熱膨張係数が不当に低くなる虞がある。一方、NaOの含有量が多過ぎると、熱膨張係数が不当に高くなる虞がある。更に耐候性が低下し易くなる。
Oは、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高めると共に、ガラス原料の初期の溶融に寄与する成分である。また熱膨張係数を調整するための成分である。KOの含有量は、好ましくは1.6〜8%、1.6超〜7.9%、1.8〜7%、特に2〜5%である。KOの含有量が多過ぎると、バッチコストが不当に高くなる虞がある。更にガラスが分相して、耐候性が低下し易くなる。
LiO、NaO及びKOは、高温粘性を下げて、溶融性を顕著に高めると共に、ガラス原料の初期の溶融に寄与するアルカリ金属酸化物成分である。LiO+NaO+KOの含有量(LiO、NaO及びKOの合量)は、好ましくは1.6〜10%、1.6超〜9%、1.8〜8.5%、2〜8%、2.5〜7.8%、3〜7.4%、3.5〜7.2%、特に4〜7%である。LiO+NaO+KOの含有量が少な過ぎると、溶融性が低下し易くなる。一方、LiO+NaO+KOの含有量が多過ぎると、耐候性が低下し易くなり、また熱膨張係数が不当に高くなる虞がある。
質量比LiO/(LiO+NaO+KO)が小さ過ぎると、溶融性が低下し易くなることに加えて、熱膨張係数が不当に低くなる虞がある。一方、質量比LiO/(LiO+NaO+KO)が大き過ぎると、ガラスが分相し易くなる。またガラスのバッチコストも高くなる。よって、質量比LiO/(LiO+NaO+KO)は、好ましくは0〜0.30、0.01〜0.20、0.02〜0.15、0.03〜0.12、特に0.04〜0.10である。なお、「LiO/(LiO+NaO+KO)」は、LiOの含有量をLiO、NaO及びKOの合量で除した値を指す。
質量比NaO/(LiO+NaO+KO)が小さ過ぎると、溶融性が低下し易くなる。一方、質量比NaO/(LiO+NaO+KO)が大き過ぎると、ガラス溶融時の電気抵抗率が上昇し、それによってガラスが電気分解しガラス中に気泡を生じる虞がある。よって、質量比NaO/(LiO+NaO+KO)は、好ましくは0.10〜0.90、0.13〜0.80、0.15〜0.75、0.20〜0.70、0.25〜0.68、特に0.33〜0.60である。なお、「NaO/(LiO+NaO+KO)」は、NaOの含有量をLiO、NaO及びKOの合量で除した値を指す。
質量比KO/(LiO+NaO+KO)が大き過ぎると、ガラスのバッチコストが高くなる。よって、質量比KO/(LiO+NaO+KO)は、好ましくは0.18〜0.80、0.20〜0.75、0.23〜0.65、0.25〜0.60、0.28〜0.55、特に0.33〜0.50である。なお、「KO/(LiO+NaO+KO)」は、KOの含有量をLiO、NaO及びKOの合量で除した値を指す。
BaOは、耐失透性を高める成分である。BaOの含有量が多過ぎると、ガラスが分相し易くなる。BaOの含有量は、好ましくは0〜1.9%未満、0〜1.8%、0.1〜1.5%、0.2〜1.1%未満、0.4〜0.9%である。
LiO+BaO(LiOとBaOの合量)が多過ぎると、ガラスが分相して、耐候性が低下し易くなる。よって、LiO+BaOの含有量は0〜1.9%未満であり、好ましくは0〜1.8%、0.1〜1.7%、0.2〜1.6%、0.3〜1.5%、0.4〜1.4%、0.5〜1.3%、0.6〜1.2%、0.7〜1.1%未満、特に0.8〜1.0%である。
Clは、清澄剤として作用する成分である。Clの含有量は、好ましくは0〜1%、0.01〜0.9%、0.02〜0.5%、0.03〜0.2%、0.04〜0.15%、0.05〜0.10%、0.06〜0.09%、0.07〜0.08%である。Clの含有量が少な過ぎると、清澄効果を発揮し難くなる。一方、Clの含有量が多過ぎると、清澄ガスがガラス中に泡として残存する虞がある。
上記成分以外にも、深紫外域での透過率を大幅に低下させない範囲において、任意の他の成分を導入してもよい。なお、上記成分以外の成分の含有量は、本発明の効果を的確に享受する観点から、合量で10%以下、7%以下、特に5%以下が好ましい。
は、ガラス形成能を高める成分である。Pの含有量が少な過ぎると、ガラスが不安定になり、耐失透性が低下する虞もある。一方、Pの含有量が多過ぎると、ガラスが分相したり、耐候性、耐水性が低下し易くなる。よって、Pの含有量は、好ましくは0〜5%、0.1〜4%、0.3〜3%、0.5〜2%、特に1〜1.5%である。
MgOは、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分であり、アルカリ土類金属酸化物の中では、ヤング率を顕著に高める成分である。しかし、MgOの含有量が多過ぎると、ガラスが分相、失透し易くなる。よって、MgOの含有量は、好ましくは0〜3%、0〜2%、0〜1%、特に0.1〜0.9%である。
CaOは、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分である。またアルカリ土類金属酸化物の中では、導入原料が比較的安価であるため、原料コストを低廉化する成分である。しかし、CaOの含有量が多過ぎると、ガラスが分相して、耐候性が低下し易くなる。よって、CaOの含有量は、好ましくは0〜3%、0〜1%、0.01〜0.8%、0.1〜0.5%である。
SrOは、耐失透性を高める成分である。しかし、SrOの含有量が多過ぎると、ガラスが分相し易くなる。SrOの含有量は、好ましくは0〜3%、0〜2%、0〜1%、特に0.1〜0.5%である。
MgO、CaO、SrO及びBaOは、高温粘性を下げて、溶融性を高める成分である。しかし、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量が多過ぎると、ガラスが失透し易くなる。また、ガラスが分相し易くなる。よって、MgO+CaO+SrO+BaOの含有量(MgO、CaO、SrO及びBaOの合量)は、好ましくは0〜5%、0.1〜3%,特に0.5〜2%である。
質量比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Alが小さ過ぎると、耐失透性が低下して、板状又は管状に成形し難くなる。一方、質量比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Alが大き過ぎると、ガラスが分相し易くなる。また密度、熱膨張係数が不当に上昇する虞がある。よって、質量比(MgO+CaO+SrO+BaO)/Alは、好ましくは0〜1、0.1〜0.95、0.2〜0.90、0.3〜0.80、0.4〜0.70、特に0.41〜0.66である。なお、「(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al」は、MgO、CaO、SrO及びBaOの合量をAlの含有量で除した値を指す。
−(MgO+CaO+SrO+BaO)の含有量が少な過ぎると、深紫外域での透過率が低くなると共に、密度が上昇し易くなる。一方、B−(MgO+CaO+SrO+BaO)の含有量が多過ぎると、耐候性が低下し易くなる。よって、B−(MgO+CaO+SrO+BaO)の含有量は、好ましくは10〜20%、11〜19%、12〜18%、13〜17%、特に14〜16%である。なお、「B−(MgO+CaO+SrO+BaO)」は、Bの含有量から、MgO、CaO、SrO及びBaOの合量を減じた値を指す。
質量比(MgO+CaO+SrO+BaO)/(SiO+Al+B)が小さ過ぎると、高温粘度が上昇して、溶融温度が高くなるため、ガラス板又はガラス管の製造コストが高騰し易くなる。一方、質量比(MgO+CaO+SrO+BaO)/(SiO+Al+B)が大き過ぎると、深紫外域の透過率が低下し易くなる。よって、質量比(MgO+CaO+SrO+BaO)/(SiO+Al+B)は、好ましくは0〜0.1、0.001〜0.09、0.002〜0.08、0.003〜0.08、0.004〜0.0.07、0.005〜0.06、0.007〜0.05、0.008〜0.04、0.009〜0.03、特に0.01〜0.02である。なお、「(質量比(MgO+CaO+SrO+BaO)/(SiO+Al+B)」は、MgO、CaO、SrO及びBaOの合量をSiO、Al及びBの合量で除した値を指す。
ZrOは、耐候性、耐酸性を高める成分であるが、ガラス組成中に多量に含有させると、ガラスが失透し易くなる。よって、ZrOの含有量は、好ましくは0〜0.1%、0.001〜0.02%、特に0.0001〜0.01%である。
ZnOは、低温粘性を低下させずに、高温粘性を低下させる成分である。また耐候性を高める成分でもある。一方、ZnOの含有量が多過ぎると、ガラスが分相したり、耐失透性が低下したり、密度が高くなる傾向がある。ZnOの含有量は、好ましくは0〜5%、0.1〜4%、0.3〜3%、0.5〜2.9%、0.7〜2.8%、特に1.3〜2.4%である。
Feは、深紫外域での透過率を低下させる成分である。Feの含有量は、好ましくは0.0010%(10ppm)以下、0.00001〜0.0008%(0.1〜8ppm)、0.00001〜0.0006%(0.1〜6ppm)である。「Fe」は、三価の酸化鉄と二価の酸化鉄の双方を含み、二価の酸化鉄は三価の酸化鉄に換算した上で取り扱うものとする。他の多価酸化物についても、表記の酸化物を基準にして、同様に取り扱うものとする。
酸化鉄中のFeイオンは、Fe2+又はFe3+の状態で存在する。Fe2+の割合が少な過ぎると、深紫外線での透過率が低下し易くなる。よって、本発明の紫外線透過ガラスに含まれる酸化鉄中のFe2+/(Fe2++Fe3+)の質量割合は、好ましくは0.1以上、0.2以上、0.3以上、0.4以上、特に0.5以上である。
TiOは、深紫外域での透過率を低下させる成分である。TiOの含有量は、好ましくは0.0010%(10ppm)以下、0.00030%(3ppm)以下、0.00001〜0.00015%(0.1〜1.5ppm)である。TiOの含有量が多過ぎると、ガラスが着色して、深紫外域での透過率が低下し易くなる。
FeとTiOの合量は、好ましくは0.0020%(20ppm)以下、0.0010%(10ppm)以下、特に0.00001〜0.0007%(0.1〜7ppm)である。FeとTiOの合量が多過ぎると、ガラスが着色して、深紫外域での透過率が低下し易くなる。
Fは、清澄剤として作用する成分であり、粘性を下げて溶融性を高める成分である。Fの含有量は、好ましくは0〜3%、0〜2%、0.1〜1.5%、0.5〜1.5%である。
Sbは、清澄剤として作用する成分である。Sbの含有量は、好ましくは0.1%以下、0.08%以下、0.06%以下、0.04%以下、0.02%以下、0.01%以下、特に0.005%未満である。Sbの含有量が多過ぎると、深紫外域での透過率が低下し易くなる。
SnOは、清澄剤として作用する成分である。SnOの含有量は、好ましくは0.2%以下、0.17%以下、0.14%以下、0.11%以下、0.08%以下、0.05%以下、0.02%以下、0.01%以下、0.005%以下、特に0.005%未満である。SnOの含有量が多過ぎると、深紫外域での透過率が低下し易くなる。
F、Cl及びSnOは、清澄剤として作用する成分である。F+Cl+SnOの含有量(F、Cl及びSnOの合量)は、好ましくは10〜30000ppm(0.001〜3%)、50〜20000ppm、100〜10000ppm、250〜5000ppm、500〜3000ppm、特に700〜2000ppmである。F+Cl+SnOの含有量が少な過ぎると、清澄効果を発揮し難くなる。一方、F+Cl+SnOの含有量が多過ぎると、清澄ガスがガラス中に泡として残存する虞がある。
本発明の紫外線透過ガラスは、以下のガラス特性を有することが好ましい。
本発明の紫外線透過ガラスにおいて、温度121℃、相対湿度85%、試験時間24時間の高速加速寿命試験(HAST)後のガラス表面に発生する異物の最大の最大長は、好ましくは100μm以下、80μm以下、60μm以下、40μm以下、特に20μm以下である。高速加速寿命試験後にガラス表面に大きな異物が発生すると、深紫外域での透過率が低下して、電子デバイスの製品寿命が短くなる。
ガラス粘度Logρ=6.0dPa・sに相当する温度が、好ましくは870℃以下、860℃以下、855℃以下、850℃以下、840℃以下、特に835℃以下である。ガラス粘度Logρ=6.0dPa・sに相当する温度は、紫外線透過ガラスを軟化させて、他の材料(例えば、管ガラスの内部に封止されるダイオード)との封止に好適な温度である。この温度が高過ぎると、内部に封止される電子部品が劣化して、その機能を発揮し難くなる。
ガラス粘度Logρ=4.0dPa・sに相当する温度が、好ましくは1200℃以下、1180℃以下、1150℃以下、1120℃以下、1100℃以下、1080℃以下、1060℃以下、特に1040℃以下である。ガラス粘度Logρ=4.0dPa・sに相当する温度は、ガラス管の片端の封止に好適な温度である。この温度が高過ぎると、ガラス管を加熱するためのエネルギーが増えるため、製造コストの上昇を招く。
30〜380℃における平均熱膨張係数は、好ましくは40×10−7〜65×10−7/℃、41×10−7〜64×10−7/℃、42×10−7〜62×10−7/℃、43×10−7〜60×10−7/℃、44×10−7〜58×10−7/℃、45×10−7〜55×10−7/℃、特に46×10−7〜52×10−7/℃である。30〜380℃における平均熱膨張係数が低過ぎると、他の材料(例えば、管ガラスの内部に封止されるダイオード)との封止を行う際に、両者の界面において、熱膨張係数差による歪が生じて、ガラスが破損する虞がある。一方、30〜380℃における平均熱膨張係数が高過ぎると、ガラスを熱加工する際に、熱衝撃等でガラスが破損する虞がある。
厚み0.5mm、波長200nmにおける外部透過率は、好ましくは40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、57%以上、59%以上、特に60%以上である。厚み0.5mm、波長200nmにおける外部透過率が低過ぎると、深紫外光が透過し難くなり、搭載される光源や電子デバイスの性能が低下し易くなる。
厚み0.5mm、波長230nmにおける外部透過率は、好ましくは70%以上、73%以上、74%以上、特に75%以上である。厚み0.5mm、波長230nmにおける外部透過率が低過ぎると、深紫外光が透過し難くなり、搭載される光源や電子デバイスの性能が低下し易くなる。
厚み0.5mm、波長260nmにおける外部透過率は、好ましくは80%以上、82%以上、特に83%以上である。厚み0.5mm、波長260nmにおける外部透過率が低過ぎると、深紫外光が透過し難くなり、搭載される光源や電子デバイスの性能が低下し易くなる。
厚み0.5mm、波長200nmにおける外部透過率(%)をT200、厚み0.5mm、波長260nmにおける外部透過率(%)をT260とした場合、T200/T260≧0.45の関係を満たすことが好ましく、T200/T260≧0.50の関係を満たすことがより好ましく、T200/T260≧0.55の関係を満たすことが更に好ましく、T200/T260≧0.60の関係を満たすことが更に好ましく、T200/T260≧0.65の関係を満たすことが特に好ましい。T200/T260の値が小さ過ぎると、深紫外光が透過し難くなり、搭載される光源や電子デバイスの性能が低下し易くなる。
歪点は、好ましくは400℃以上、410℃以上、特に415℃以上である。歪点が低過ぎると、ガラス表面に機能性膜を高温で成膜する際に、ガラスに意図しない変形が生じ易くなる。
軟化点は、好ましくは850℃以下、800℃以下、750℃以下、特に700℃以下である。軟化点が高過ぎると、ガラス溶融窯への負荷が大きくなり、ガラスの製造コストが高騰し易くなる。
ガラス粘度Logρ=2.5dPa・sにおける温度は、好ましくは1630℃以下、1600℃以下、1560℃以下、1540℃以下、1520℃以下、1500℃以下、特に1480℃以下である。ガラス粘度Logρ=2.5dPa・sにおける温度が高過ぎると、溶融性が低下して、ガラスの製造コストが高騰し易くなる。
液相温度は、好ましくは1050℃以下、1000℃以下、950℃以下、900℃以下、特に850℃以下である。液相温度におけるガラス粘度は、好ましくはLogρで4.0dPa・s以上、4.3dPa・s以上、4.5dPa・s以上、4.8dPa・s以上、5.1dPa・s以上、5.3dPa・s以上、特に5.5dPa・s以上である。液相温度が高過ぎると、耐失透性が低下して、所望の形状に成形し難くなる。また、液相温度におけるガラス粘度が低過ぎると、耐失透性が低下して、所望の形状に成形し難くなる。
本発明の紫外線透過ガラスは、ガラス表面に機能性膜が形成されていることが好ましく、例えば反射防止膜、反射膜、ハイパスフィルター、ローパスフィルター、バンドパスフィルター等が形成されていることが好ましい。また耐候性を更に高める目的で、ガラス表面にシリカ膜等を形成することも好ましい。
本発明の紫外線透過ガラスは、ガラス表面にレンズ構造が形成されていることも好ましい。ガラス表面にレンズ構造、例えば凹レンズ、凸レンズ、フレネルレンズ、レンズアレイ等を形成すると、深紫外光を集光、散乱させることが可能になる。
本発明の紫外線透過ガラスは、ガラス表面にプリズム構造が形成されていることも好ましい。ガラス表面にプリズム構造を形成すると、深紫外光を屈折させることが可能になる。
本発明の紫外線透過ガラスは、半導体パッケージに用いることができる。この場合、ガラス表面に接着層が形成されていることが好ましい。接着層としては、有機物質、無機物質、又はそれらの混合物等が使用可能である。例えば、紫外線硬化型接着剤、金−スズ系はんだ等が使用可能である。なお、接着層の強度を高めるために、紫外線硬化型接着剤中に無機フィラーを添加してもよい。
本発明の紫外線透過ガラスの形状は特に限定されず、例えば、平板状、曲板状、直管状、曲管状、棒状、球状、容器状、ブロック状等とすることができる。
形状が平板状である場合、主面の寸法は、好ましくは100mm×100mm以上、200mm×200mm以上、400mm×400mm以上、1000mm×1000mm以上、特に2000mm×2000mm以上である。主面の寸法が大きい程、小片のガラス板の採取枚数が多くなり、電子デバイスの製造コストを低廉化し易くなる。
形状が管状である場合、その内径は、好ましくは1mm以上、1.3mm以上、1.5mm以上、2mm以上、2.5mm以上、3mm以上、3.5mm以上、5mm以上、10mm以上、20mm以上、25mm以上、特に30〜200mmである。内径が大きい程、ガラス管の内部に電子部品を封止し易くなり、例えばフィラメントやスイッチを封止し易くなる。
本発明の紫外線透過ガラスにおいて、厚みは、好ましくは0.1〜3.0mm、0.2〜1.0mm、0.3〜0.6mmである。なお、厚みが大きくなると、深紫外域での透過率が低下するが、本発明の紫外線透過ガラスは深紫外域での透過率が高いため、従来品より厚みが大きくても、高い透過率を確保することができる。
ガラス表面の表面粗さRaは、好ましくは10nm以下、9nm以下、8nm以下、7nm以下、6nm以下、5nm以下、4nm以下、3nm以下、2nm以下、特に1nm以下である。ガラス表面の表面粗さRaが大き過ぎると、深紫外線での透過率が低下する傾向がある。
本発明の紫外線透過ガラスは、紫外線発光ダイオード(LED)、半導体パッケージ、受光素子封止パッケージ、紫外光発光ランプ、光電子増倍管の何れかに用いることが好ましい。半導体受光素子封止パッケージとしては、紫外光センサー、炎センサー等に用いることが好ましい。一方、紫外光に限らず、可視光を受光するCCDセンサー、CMOSセンサー、赤外光を受光するLiDER(Laser Imaging Detection and Ranging)センサー等を封止するパッケージにも使用可能である。紫外光発光ランプとしては、高圧紫外光ランプ、低圧紫外光ランプ、エキシマランプ等に用いることが好ましい。一方、紫外光発光ランプに限らず、可視光や赤外光を発光するランプにも使用可能である。
本発明の紫外線透過ガラスは、例えば、各種ガラス原料を調合して、ガラスバッチを得た上で、このガラスバッチを溶融し、得られた溶融ガラスを清澄、均質化し、所定形状に成形することで作製することができる。
ガラス原料の一部として、合成シリカを用いることが好ましく、特に気相反応法又は液相反応法により生成された粒状合成シリカを用いることが好ましい。合成シリカの平均粒径は、好ましくは100μm以下、より好ましくは5〜90μmである。合成シリカは、例えば、不定形シリカや、球形シリカ、或いはこれらの混合物である。また、ガラス原料の全シリカ源に占める上記合成シリカの割合は90〜100質量%であることが好ましい。このような原料を用いると、深紫外域での透過率を高めることができる。
ガラス原料の一部として、還元剤を用いることが好ましい。このようにすれば、ガラス中に含まれるFe3+が還元されて、深紫外線での透過率が向上する。還元剤として、木粉、カーボン粉末、金属アルミニウム、金属シリコン、フッ化アルミニウム等の材料が使用可能であるが、その中でも金属シリコン、フッ化アルミニウムが好ましい。
金属シリコンの添加量は、ガラスバッチの全質量に対して0.001〜3質量%、0.005〜2質量%、0.01〜1質量%、0.1〜0.8質量%、0.15〜0.5質量%、特に0.2〜0.3質量%が好ましい。金属シリコンの添加量が少な過ぎると、ガラス中に含まれるFe3+が還元されず、深紫外線での透過率が低下し易くなる。一方、金属シリコンの添加量が多過ぎると、ガラスが茶色に着色する傾向がある。
フッ化アルミニウム(AlF)の添加量は、ガラスバッチの全質量に対して、F換算で0.01〜2質量%、0.05〜1.5質量%、0.3〜1.5質量%が好ましい。一方、フッ化アルミニウムの添加量が多過ぎると、Fガスがガラス中に泡として残存する虞がある。
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。なお、以下の実施例は単なる例示である。本発明は、以下の実施例に何ら限定されない。
表1、2は、本発明の実施例(試料No.1〜13)と比較例(試料No.14〜16)を示している。
Figure 2021075407
Figure 2021075407
まず、表中のガラス組成となるように、表に示すガラス原料を調合したガラスバッチを白金坩堝に入れ、1650℃で4時間溶融した。なお、Fの導入原料としてフッ化アルミニウムを用いた。
得られた溶融ガラスについて、白金スターラーを用いて攪拌し、均質化を行った。次いで、溶融ガラスをカーボン板上に流し出し、平板形状に成形した後、徐冷点より20℃程度高い温度から室温まで3℃/分の速度で徐冷した。
密度ρは、周知のアルキメデス法で測定したものである。30〜380℃における平均熱膨張係数αは、ディラトメーターで測定したものである。
歪点Ps、徐冷点Ta、軟化点Ts、ガラス粘度Logρ=4.0dPa・sに相当する温度(104.0dPa・s)、ガラス粘度Logρ=3.0dPa・sに相当する温度(103.0dPa・s)、ガラス粘度Logρ=2.5dPa・sに相当する温度(102.5dPa・s)は、白金球引き上げ法等の周知の方法で測定した値である。そして、ガラス粘度Logρ=6.0dPa・s相当する温度(106.0dPa・s)は、上記ガラス粘度をFulcherの式に当て嵌めて、計算で求めたものである。
液相温度TLは、標準篩30メッシュ(500μm)を通過し、50メッシュ(300μm)に残るガラス粉末を白金ボートに入れて、温度勾配炉中に24時間保持した後、結晶が析出する温度である。液相温度におけるガラス粘度logηTLは、液相温度TLにおけるガラスの粘度を白金球引き上げ法で測定した値である。
外部透過率は、ダブルビーム型分光光度計を用いて、厚み方向の分光透過率を測定した値である。測定試料の厚みは0.5mmであり、両面を光学研磨面(鏡面)に研磨したものを使用した。なお、AFMにより、これらの測定試料のガラス表面の表面粗さRaを測定したところ、測定領域5μm×5μmで0.5〜1.0nmであった。
得られた各試料について耐候性を評価した。まず各ガラスを20×35×2.03mmの寸法にラップ研磨加工し、その後20×35×2.00mmの寸法にポリッシュ研磨加工し、ガラス表面を鏡面加工した。耐候性を確認するために、温度121℃、相対湿度85%、試験時間24時間の高速加速寿命試験(HAST)を実施した。高速加速寿命試験は、平山製作所社製の試験装置を用いた。試験後のガラス表面の異物の観察は、キーエンス社製デジタルマイクロスコープを用いて観察した。その結果、試料No.1〜13に係るガラス表面に異物は発生していなかった。
一方、試料No.14〜16は、溶融時又は成形時にガラスが分相して、ガラスが不透明になっていた。また、試料No.14〜16に係るガラス表面に最大の最大長が100μm超の異物の発生が認められた。
なお、上記実施例では、溶融ガラスを流し出して平板形状に成形したが、工業的規模で生産する場合には、オーバーフローダウンドロー法等で平板形状に成形し、両表面が未研磨の状態で使用に供することが好ましい。また、管状に形成する場合は、ダウンドロー法やダンナー法等で管状に成形することが好ましい。
本発明の紫外線透過ガラスは、例えば、紫外線発光ダイオード(LED)、半導体パッケージ、受光素子封止パッケージ、紫外光発光ランプ、光電子増倍管、磁気記録媒体の読み書き装置、その他紫外線を用いた電子デバイスに用いるガラス等として好適である。また、本発明の紫外線透過ガラスは、可視光や赤外光を用いた電子デバイスにも適用可能である。

Claims (15)

  1. ガラス組成として、質量%で、SiO 60〜78%、Al 1〜25%、B 10.8〜30%、LiO 0〜1.9%未満、NaO 0〜8%、KO 1.6〜8%、LiO+NaO+KO 1.6〜10%、BaO 0〜1.9%未満、LiO+BaO 0〜1.9%未満、Cl 0〜1%を含有し、厚み0.5mm、波長200nmにおける外部透過率が40%以上である、紫外線透過ガラス。
  2. ガラス組成として、質量%で、SiO 62〜74%、Al 3.5〜20%、B 11.5〜25%、LiO 0〜1.5%、NaO 0.1〜8%、KO 1.6〜6%、LiO+NaO+KO 2〜10%、BaO 0〜1%、LiO+BaO 0〜1.5%、Cl 0.01〜0.5%、Fe+TiO 0.00001〜0.00200%を含有する、請求項1に記載の紫外線透過ガラス。
  3. 温度121℃、相対湿度85%、試験時間24時間の高速加速寿命試験(HAST)を行った時、ガラス表面に発生する異物の最大の最大長が100μm以下になる、請求項1又は2に記載の紫外線透過ガラス。
  4. ガラス粘度Logρ=6.0dPa・sに相当する温度が870℃以下である、請求項1〜3の何れかに記載の紫外線透過ガラス。
  5. ガラス粘度Logρ=4.0dPa・sに相当する温度が1200℃以下である、請求項1〜4の何れかに記載の紫外線透過ガラス。
  6. 30〜380℃における平均熱膨張係数が40×10−7〜65×10−7/℃である、請求項1〜5の何れかに記載の紫外線透過ガラス。
  7. 厚み0.5mm、波長230nmにおける外部透過率が70%以上である、請求項1〜6の何れかに記載の紫外線透過ガラス。
  8. 厚み0.5mm、波長200nmにおける外部透過率(%)をT200、厚み0.5mm、波長260nmにおける外部透過率(%)をT260とした場合、T200/T260≧0.45の関係を満たす、請求項1〜7の何れかに記載の紫外線透過ガラス。
  9. ガラス表面に機能性膜が形成されている、請求項1〜8の何れかに記載の紫外線透過ガラス。
  10. ガラス表面にレンズ構造が形成されている、請求項1〜8の何れかに記載の紫外線透過ガラス。
  11. ガラス表面にプリズム構造が形成されている、請求項1〜8の何れかに記載の紫外線透過ガラス。
  12. ガラス表面に接着層が形成されている、請求項1〜8の何れかに記載の紫外線透過ガラス。
  13. 形状が板状又は管状であり、その厚みが0.1〜3.0mmである、請求項1〜12の何れかに記載の紫外線透過ガラス。
  14. 形状が管状であり、且つその内径が1mm以上である、請求項1〜13の何れかに記載の紫外線透過ガラス。
  15. 紫外線発光ダイオード(LED)、半導体パッケージ、受光素子封止パッケージ、紫外光発光ランプ、光電子増倍管の何れかに用いる、請求項1〜14の何れかに記載の紫外線透過ガラス。
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