JP2022088199A - 露光装置、露光方法、決定方法、プログラム及び物品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】重ね合わせ精度を満たしながら生産性を向上させるのに有利な露光装置を提供する。【解決手段】原版を走査方向に走査しながら、前記原版を介して基板を露光する露光装置であって、前記原版を保持して移動する原版保持部と、前記原版保持部の移動を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記基板を露光する前に、前記原版保持部に前記原版を保持させた状態で前記原版保持部を前記走査方向に移動させる予備駆動を実行し、前記予備駆動を実行する前に、前記基板に行われるプロセスに対して要求される重ね合わせ精度、及び、前記原版保持部に対する前記原版の位置ずれ量に基づいて、前記予備駆動を実行した後の前記位置ずれ量が所定の値に収まるように、前記予備駆動の実行回数と、前記予備駆動を実行する際の前記原版保持部の駆動プロファイルとを決定することを特徴とする露光装置を提供する。【選択図】図7
Description
本発明は、露光装置、露光方法、決定方法、プログラム及び物品の製造方法に関する。
半導体デバイスや液晶表示素子などのデバイスを製造する際に、原版(レチクル又はマスク)のパターンを基板に投影して、かかるパターンを基板に転写する露光装置が用いられている。露光装置において、原版を交換すると、原版をステージに保持させた直後では、原版の保持状態が不安定(不完全)であるため、ステージを駆動した際の慣性力によって原版が位置ずれを起こす場合がある。このような原版の位置ずれが原版及び基板の走査方向で異なると、基板上のショット領域の配列誤差(走査方向差)となり、重ね合わせ精度の低下を招くことになる。
そこで、原版をステージに保持させた直後(例えば、原版の交換直後)に、原版を保持したステージを複数回走査駆動(以下、「予備走査駆動」と称する)する走査型の露光装置が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に開示された露光装置は、予備走査駆動の間に原版の位置ずれ量を計測(確認)し、かかる位置ずれ量が予め定められた収束値に収束したら、予備走査駆動を終了している。従って、特許文献1に開示された露光装置では、原版の位置ずれを収束させるために必要な最小限の回数で予備走査駆動を終了させることが可能であるため、原版の位置ずれ(誤差)の低減と生産性(スループット)の向上とを両立させることができる。
近年、露光装置には、生産性の更なる向上が要求され、かかる要求を実現するために、例えば、原版の交換を含むロット間オーバーヘッド(以下、「バッチ間オーバーヘッド」と称する)時間を短縮することが考えられる。バッチ間オーバーヘッド時間を短縮するためには、原版の交換時に行う予備走査駆動に要求する時間を更に短くする必要がある。
特許文献1には、上述したように、原版の位置ずれが収束する予備走査駆動の回数を予備走査駆動の終了条件とし、原版ごとに予備走査駆動の回数を最小限にするための技術が開示されている。但し、特許文献1に開示された技術は、プロセスで要求される重ね合わせ精度(以下、「重ね合わせ要求精度」と称する)に基づいて、予備走査駆動の終了条件を決定するものではない。重ね合わせ要求精度は、プロセスによって異なるため、例えば、重ね合わせ要求精度が低く、原版の位置ずれをある程度許容可能なプロセスでは、予備走査駆動の回数を更に減らせる余地がある。
本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされ、重ね合わせ精度を満たしながら生産性を向上させるのに有利な露光装置を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての露光装置は、原版を走査方向に走査しながら、前記原版を介して基板を露光する露光装置であって、前記原版を保持して移動する原版保持部と、前記原版保持部の移動を制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記基板を露光する前に、前記原版保持部に前記原版を保持させた状態で前記原版保持部を前記走査方向に移動させる予備駆動を実行し、前記予備駆動を実行する前に、前記基板に行われるプロセスに対して要求される重ね合わせ精度、及び、前記原版保持部に対する前記原版の位置ずれ量に基づいて、前記予備駆動を実行した後の前記位置ずれ量が所定の値に収まるように、前記予備駆動の実行回数と、前記予備駆動を実行する際の前記原版保持部の駆動プロファイルとを決定することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の側面は、以下、添付図面を参照して説明される実施形態によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、重ね合わせ精度を満たしながら生産性を向上させるのに有利な露光装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。更に、添付図面においては、同一もしくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
図1は、本発明の一側面としての露光装置100の構成を示す概略図である。露光装置100は、半導体デバイスや液晶表示素子などのデバイスの製造工程(リソグラフィ工程)に用いられ、基板上にパターンを形成するリソグラフィ装置である。露光装置100は、本実施形態では、原版12と基板15とを走査方向に移動させながら基板15を露光(走査露光)して、原版12のパターンを基板上に転写するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(スキャナー)である。
露光装置100は、図1に示すように、照明光学系11と、原版ステージ13と、投影光学系14と、基板ステージ16と、高さ計測部17と、第1計測部18と、第2計測部19とを有する。また、露光装置100は、制御部20と、原版検出系21と、基板検出系22と、記憶部30と、設定部40とを有する。
また、本実施形態では、基板15の表面に平行な方向をXY平面とするXYZ座標系を用いて方向を示す。XYZ座標系におけるX軸、Y軸及びZ軸のそれぞれに平行な方向をX方向、Y方向及びZ方向とし、X軸周りの回転、Y軸周りの回転及びZ軸周りの回転のそれぞれをθX、θY及びθZとする。
照明光学系11は、マスキングブレードなどの遮光部材を含む。照明光学系11は、エキシマレーザなどの光源(不図示)から射出された光を、遮光部材を介して、例えば、X方向を長手方向とする帯状又は円弧状のスリット光に整形し、かかる光で原版12(の一部)を照明する。
原版12及び基板15は、それぞれ、原版ステージ13(原版保持部)及び基板ステージ16(基板保持部)に保持されている。原版12と基板15とは、投影光学系14を介して、光学的に共役な位置に配置される。
投影光学系14は、所定の投影倍率(例えば、1/2倍や1/4倍)を有し、原版12に形成されたパターンを基板15に投影する。原版12のパターンが投影された基板上の領域(スリット光が照射される基板上の領域)を、以下では、照射領域と称する。
原版ステージ13及び基板ステージ16は、投影光学系14の光軸(スリット光の光軸)と垂直な方向(例えば、Y方向)に移動可能に構成されている。原版ステージ13と基板ステージ16とを互いに同期させながら、投影光学系14の投影倍率に応じた速度比で相対的に移動させることで、照射領域が基板上で走査され、原版12のパターンが基板15(ショット領域)に転写される。このような走査露光を基板上の各ショット領域に対して順次行うことで、1枚の基板15に対する露光処理が完了する。
第1計測部18は、例えば、レーザ干渉計を含み、原版ステージ13の位置を計測する。第1計測部18に含まれるレーザ干渉計は、例えば、レーザ光を原版ステージ13に設けられた反射板13aに照射し、反射板13aで反射されたレーザ光を検出する。これにより、原版ステージ13の基準位置からの変位が得られ、かかる変位から、原版ステージ13の現在の位置を求めることができる。
第2計測部19は、例えば、レーザ干渉計を含み、基板ステージ16の位置を計測する。第2計測部19に含まれるレーザ干渉計は、例えば、レーザ光を基板ステージ16に設けられた反射板16aに照射し、反射板16aで反射されたレーザ光を検出する。これにより、基板ステージ16の基準位置からの変位が得られ、かかる変位から、基板ステージ16の現在の位置を求めることができる。
第1計測部18及び第2計測部19のそれぞれで取得された原版ステージ13の位置及び基板ステージ16の位置に基づいて、制御部20は、原版ステージ13と基板ステージ16とのX方向及びY方向における駆動を制御する。なお、本実施形態では、第1計測部18及び第2計測部19は、原版ステージ13の位置及び基板ステージ16の位置を計測する際にレーザ干渉計を用いているが、これに限定されるものではなく、例えば、エンコーダを用いてもよい。
原版検出系21は、図2に示すように、原版12に設けられたアライメントマーク23と原版ステージ13に設けられたアライメントマーク24とを検出する。図2は、原版12を保持した原版ステージ13を示すXY平面図である。原版検出系21の検出結果から、制御部20は、アライメントマーク23とアライメントマーク24との相対位置を求め、かかる相対位置に基づいて原版ステージ13に対する原版12の位置ずれ(位置ずれ量)を取得する。また、原版12のアライメントマーク23と原版ステージ13のアライメントマーク24とをX方向に複数配置することで、原版ステージ13に対する原版12のX方向、Y方向及びθZ方向の位置ずれを求めることができる。
基板検出系22は、基板上の複数のショット領域のうち、サンプルショット領域に設けられた複数のアライメントマークを検出する。制御部20は、基板検出系22の検出結果を統計処理することで、基板上の複数のショット領域の配列情報を取得する。
なお、本実施形態では、原版検出系21及び基板検出系22は、図1に示すように、投影光学系14を介さずにマークを検出するオフアクシス検出系として構成されているが、これに限定されるものではない。例えば、投影光学系14を介してマークを検出するTTL(Through The Lens)検出系で原版検出系21及び基板検出系22を構成してもよい。
高さ計測部17は、基板15の表面に光を投光する投光部と、基板15の表面で反射された光を受光する受光部とを含み、基板15の表面の高さ(Z方向の位置)を計測する。
制御部20は、CPUやメモリなどを含むコンピュータで構成され、例えば、記憶部に記憶されたプログラムに従って露光装置100の各部を統括的に制御して露光装置100を動作させる。制御部20は、原版12のパターンを基板15に転写する(基板15を走査露光する)露光処理を制御する。
記憶部30は、半導体メモリであってもよいし、ハードディスクなどのディスクであってもよいし、他の形態のメモリであってもよい。記憶部30は、露光装置100を動作させるために必要な各種プログラム、情報、データなどを記憶する。
設定部40は、例えば、キーボードやマウスなどの入力デバイスやディスプレイなどの表示デバイスを含む。また、設定部40は、入力デバイスの機能や表示デバイスの機能を兼ね備えたタッチパネルディスプレイで構成されていてもよい。設定部40は、露光装置100に対する指示(動作パラメータ)や露光装置100に提供する情報やデータなどをユーザが設定するためのユニットである。
ここで、原版ステージ13に対する原版12の位置ずれ(誤差)を低減させる予備走査駆動(予備駆動)について説明する。原版ステージ13は、真空吸着又は静電吸着などによって原版12を保持する。原版12を原版ステージ13に保持させた直後では、原版12と原版ステージ13との間の結合状態が不安定であるため、原版ステージ13を駆動した際の慣性力によって原版12の位置ずれが発生する。そこで、露光装置100では、原版12を原版ステージ13に保持させた直後に原版ステージ13を走査方向に複数回走査駆動することで、原版12と原版ステージ13との間の結合状態の安定化(位置ずれの収束)を図る予備走査駆動が行われる。
図3(a)乃至図3(c)を参照して、予備走査駆動を繰り返すことで原版12の位置ずれが収束する(原版12の位置変動が低減する)原理について説明する。図3(a)は、原版ステージ13と原版12との境界部分を示す拡大図であって、図3(b)及び図3(c)は、原版ステージ13と原版12との境界部分の微小領域を示す拡大図である。また、図3(b)は、原版ステージ13を駆動(予備走査駆動)する際の最大加速度が低い場合を示し、図3(c)は、原版ステージ13を駆動する際の最大加速度が高い場合を示している。
図3(a)乃至図3(c)の左図(保持開始直後)は、原版ステージ13の目標位置に原版12が載置されて原版ステージ13による原版12の保持が開始された直後の状態を示している。かかる状態では、原版搬送部によって原版12が変形して歪んだまま原版ステージ13に渡されて保持されるため、所謂、吸着歪みが発生し、原版12と原版ステージ13とが接触していない領域(隙間)が微視的に多く存在している。このような状態は、原版ステージ13による原版12の保持が不安定な状態である。一方、原版ステージ13の駆動(予備走査駆動)を1回だけ行うと、図3(a)乃至図3(c)の中央図(初回駆動後)に示すように、慣性力が原版12に作用して吸着歪みが大きく低減され、原版ステージ13による原版12の保持状態を改善することができる。この際、原版ステージ13の最大加速度が低い場合(図3(b))に比べて、原版ステージ13の最大加速度が高い場合(図3(c))の方が、慣性力が大きいことから、原版12の位置変動が大きくなりやすい。また、原版ステージ13の駆動を更に行うと、図3(a)乃至図3(c)の右図(複数回駆動後)に示すように、原版ステージ13に原版12を定着させ、原版ステージ13による原版12の保持状態を更に改善することができる。
このように、原版ステージ13の駆動、即ち、予備走査駆動を繰り返し行うことによって、原版ステージ13による原版12の保持を向上させ、原版ステージ13に原版12を定着させることができる。なお、予備走査駆動は、例えば、基板15の走査露光時と同様の原版ステージ13の移動ストローク(移動範囲)で、原版ステージ13を停止させずに駆動するものと定義される。また、予備走査駆動は、原版ステージ13の加速度以外の条件を基板15の走査露光時と同様にして原版ステージ13を駆動するものと定義される。
原版ステージ13に対する原版12の位置ずれを収束させるために必要となる予備走査駆動の回数は、原版12の種類や原版ステージ13の駆動プロファイルによって異なる。図4は、原版ステージ13に対する原版12の位置ずれ量と予備走査駆動の回数との関係を示す図である。図4において、縦軸は、原版12の位置ずれ量を示し、横軸は、予備走査駆動の回数を示している。
図4を参照するに、例えば、原版Aに関しては、原版Aを原版ステージ13に保持させた直後から原版ステージ13との結合状態が安定しているため、予備走査駆動が必要ないことがわかる。一方、原版B及びCに関しては、原版B及びCのそれぞれを原版ステージ13に保持させた直後では、原版ステージ13との結合状態が不安定であるため、予備走査駆動を行うことで、原版Bの位置ずれや原版Cの位置ずれが収束していく。また、原版Cは、原版Bと比べて、位置ずれを収束させるために、より多くの予備走査駆動を必要としている。これは、原版の膜構造や表面状態、原版を保持する原版ステージ(具体的には、原版を吸着するパッド)の表面状態などの要因によるものと考えられる。
近年、デバイスの製造は、多品種化や多層構造化の傾向にあるため、その製造工程では、より多くの原版を用いることが予測される。このような状況において、予備走査駆動の回数を全ての原版に対して共通の設定にすると、原版Aのような予備走査駆動を必要としない原版に対しても予備走査駆動が行われることになり、生産性の低下を招いてしまう。
特許文献1に開示された技術では、予備走査駆動の間に原版の位置ずれ量を計測(確認)し、かかる位置ずれ量が予め定められた収束値に収束したら予備走査駆動を終了している。これにより、原版ごとに最小限の回数で予備走査駆動を終了させることが可能となり、原版の位置ずれ(誤差)の低減と生産性(スループット)の向上とを両立させることができる。但し、特許文献1に開示された技術では、予備走査駆動において、プロセスで要求される重ね合わせ精度(重ね合わせ要求精度)を考慮していない。重ね合わせ要求精度は、プロセスによって異なるため、例えば、重ね合わせ要求精度が低く、原版の位置ずれをある程度許容可能なプロセスでは、予備走査駆動の回数を更に減らせる余地がある。
そこで、本実施形態では、重ね合わせ要求精度に応じて予備走査駆動の回数や予備走査駆動を実行する際の原版を保持する原版保持部の駆動プロファイルを決定することで、重ね合わせ要求精度を満たしながら生産性を向上させるのに有利な技術を提供する。
以下、本実施形態における予備走査駆動や予備走査駆動に関連する処理について説明する。図5は、予備走査駆動の実行回数と、原版ステージ13に対する原版12の位置ずれ量との関係を示す情報(以下、「位置ずれ情報」と称する。)を取得する処理(位置ずれ情報取得処理)を説明するためのフローチャートである。かかる処理は、制御部20が露光装置100の各部を統括的に制御することで行われる。
S401では、原版12を原版ステージ13に保持させる。具体的には、原版搬送部(不図示)を介して、露光装置100に原版12を搬入して、かかる原版12を原版ステージ13で保持する。
S402では、S401で原版ステージ13に保持させた原版12が露光装置100で初めて用いられる原版であるか(即ち、これまでに原版ステージ13に保持されたことがない原版であるか)どうかを判定する。原版12が露光装置100で初めて用いられる原版である場合には、S403に移行する。一方、原版12が露光装置100で初めて用いられる原版ではない場合には、S500に移行して、図6を参照して説明する、予備走査駆動の駆動条件を決定する処理(駆動条件決定処理)を行う。
S403では、予備走査駆動を実行する際の原版ステージ13の駆動プロファイルを設定する。具体的には、予備走査駆動として、予め準備された、露光装置100で実行可能な原版ステージ13の複数の駆動プロファイルから1つの駆動プロファイルを選択することで、予備走査駆動を実行する際の原版ステージ13の駆動プロファイルを設定する。なお、原版ステージ13の駆動プロファイルは、例えば、原版ステージ13の駆動ストローク、速度、加速度、ジャークなどを含む。
S404では、原版12と原版ステージ13との間の結合状態の安定化を図る予備走査駆動を実行する。具体的には、原版ステージ13に原版12を保持させた状態で原版ステージ13を走査方向に所定の回数(N回:Nは、1以上の整数)だけ走査駆動する(移動させる)。
S405では、S404で予備走査駆動を実行した後に、原版ステージ13に対する原版12の位置ずれ量を計測する。具体的には、原版12のアライメントマーク23と原版ステージ13のアライメントマーク24とを原版検出系21で検出し、その検出結果(相対位置)から、原版ステージ13に対する原版12の位置ずれ量を取得する。
S406では、S405で計測された原版12の位置ずれ量が所定の値に収まっているか(所定の収束値に収束しているか)どうかを判定する。原版12の位置ずれ量が所定の値に収まっていない場合には、S404に移行して、原版12の位置ずれ量が所定の値に収まるまで、S404乃至S406を繰り返す。これにより、露光装置100で初めて用いられる原版12に対して、予備走査駆動の実行回数と、原版ステージ13に対する原版12の位置ずれ量との関係を示す位置ずれ情報を取得することができる。一方、原版12の位置ずれ量が所定の値に収まっている場合には、S407に移行する。
S407では、予備走査駆動の実行回数と、原版ステージ13に対する原版12の位置ずれ量との関係を示す位置ずれ情報を記憶する。具体的には、S403で設定した原版ステージ13の駆動プロファイルと関連付けて、S404乃至S406を実行して取得した位置ずれ情報を、記憶部30に記憶する。
S408では、予め準備された複数の駆動プロファイルの全てが設定されたか(即ち、全ての駆動プロファイルに対して位置ずれ情報が取得されたか)どうかを判定する。複数の駆動プロファイルの全てが設定された場合には、処理を終了する。一方、複数の駆動プロファイルの全てが設定されていない場合には、S409に移行する。
S409では、原版12を原版ステージ13に再保持させる。具体的には、原版搬送部を介して、原版ステージ13から原版12を取り外し、その後、かかる原版12を原版ステージ13に再び保持させる。そして、S403に移行して、新たな駆動プロファイル設定し、複数の駆動プロファイルの全てが設定されるまで、S403乃至S409を繰り返す。
このようにして、予備走査駆動を実行する際の原版ステージ13の駆動プロファイルごとに、予備走査駆動の実行回数と、原版ステージ13に対する原版12の位置ずれ量との関係を示す位置ずれ情報が取得され、記憶部30に記憶される。
原版ステージ13の駆動プロファイルに関しては、S404で所定の回数(N回)の予備走査駆動を実行している間において、原版ステージ13の駆動ストローク、速度、加速度、ジャークなどの条件が一定(同一)である必要はない。例えば、原版ステージ13の加速度を第1加速度にして予備走査駆動をL回実行し、原版ステージ13の加速度を第1加速度と異なる第2加速度にして予備走査駆動を(N-L)回実行してもよい。また、1回の予備走査駆動を実行するたびに、或いは、1回の予備走査駆動において、原版ステージ13の駆動ストローク、速度、加速度、ジャークなどの条件を変更してもよい。
なお、本実施形態では、原版ステージ13の駆動プロファイルは、予め準備されているものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、原版ステージ13の加速度を第1加速度にして予備走査駆動を実行する。そして、原版12の位置ずれ量が所定の値に収まっていないと判定された場合には、原版ステージ13の加速度を第1加速度よりも大きい第2加速度にして予備走査駆動を実行する。このように、原版ステージ13の駆動プロファイルを予め準備するのではなく、原版ステージ13の位置ずれ量に応じて原版ステージ13の駆動プロファイルを可変にしてもよい。
図6は、プロセスの重ね合わせ要求精度に応じて、予備走査駆動の駆動条件を決定する駆動条件決定処理(図5に示すS500)を説明するためのフローチャートである。かかる処理は、主に、制御部20を主体として行われる。
S501では、基板15を露光した結果から、基板15に行われたプロセスの重ね合わせ誤差に関する重ね合わせ誤差データを取得する。具体的には、露光装置100の外部の重ね合わせ検査装置、或いは、露光装置100の内部の計測器による基板15の重ね合わせ検査結果から、重ね合わせ誤差データを取得する。なお、重ね合わせ誤差とは、基板上に形成されているパターンと、当該パターンの上に重ね合わせるように形成されたパターンとのずれである。
S502では、S501で取得した重ね合わせ誤差データを用いて、重ね合わせ誤差の要因(種類)を分析する。重ね合わせ誤差の要因としては、基板15の全体の並進(シフト)、倍率(マグ)及び回転(ローテーション)や基板上のショット領域ごとの並進、倍率、回転及びディストーションなどがある。更に、走査方向に依存したショット領域ごとの並進は、走査方向差となり、ステージ位置に対するX、Y、θ方向の非線形のずれは、ショット領域の配列誤差となる。複数の基板に共通して発生している誤差は、露光装置100でオフセット補正することが可能である。このような露光装置100で補正可能な誤差は除外して、重ね合わせ誤差を要因ごとに積み上げる。かかる重ね合わせ誤差と重ね合わせ要求精度とを比較し、重ね合わせ誤差が重ね合わせ要求精度を満たしている場合は、重ね合わせ要求精度の範囲内で原版12の位置ずれを許容することが可能となる。このように、S502では、重ね合わせ誤差の要因を分析して、重ね合わせ要求精度と比較するで、原版ステージ13に対する原版12の位置ずれに対する許容値、即ち、所定の値(予備走査駆動を実行した後に収めるべき原版12の位置ずれ量)を決定する。
なお、重ね合わせ要求誤差については、露光装置100に対して、ユーザが設定部40を介して直接設定した重ね合わせ要求精度(設定部40で設定された重ね合わせ精度)を取得すればよい。また、基板15を露光するための露光レシピに設定されているパラメータから、露光装置側(制御部20)で重ね合わせ要求精度を自動で取得(決定)してもよい。例えば、露光レシピにおいて、重ね合わせを優先する制御モードが設定されている場合には、かかる制御モードに関連付けられている重ね合わせ精度を重ね合わせ要求精度として取得する。また、重ね合わせ精度はプロセスによって異なるため、プロセスが変更される際に設定部40を介して設定された重ね合わせ精度が取得される。また、プロセスごとに異なる重ね合わせ精度が露光装置の記憶部30に予め記憶されていて、記憶部30からプロセスが変更される際に重ね合わせ精度が取得されてもよい。
S503では、予備走査駆動の実行回数と予備走査駆動を実行する際の原版ステージ13の駆動プロファイルとを決定する。具体的には、S502で重ね合わせ誤差の要因を分析して得られた原版12の位置ずれに対する許容値(所定の値)に基づいて、予備走査駆動を実行した後の原版12の位置ずれ量が許容値に収まるように、予備走査駆動の実行回数及び駆動プロファイルを決定する。本実施形態では、記憶部30に記憶されている、予備走査駆動の実行回数と原版12の位置ずれ量との関係を示す位置ずれ情報を参照することによって、予備走査駆動の実行回数及び駆動プロファイルを決定する。この際、予備走査駆動を実行した後の原版12の位置ずれ量が許容値に収めることができる予備走査駆動の実行回数と駆動プロファイルとの組み合わせが複数存在する場合がある。このような場合には、原版12の位置ずれ量が許容値に収まるまでに要する時間が最も短くなるように、予備走査駆動の実行回数及び駆動プロファイルを決定するとよい。
S504では、S503で決定した予備走査駆動の実行回数及び原版ステージ13の駆動プロファイルに従って、予備走査駆動を実行する。これにより、原版12と原版ステージ13との間の結合状態が安定化され、原版ステージ13に対する原版12の位置ずれが許容値に収まる。
S505では、S504で予備走査駆動を実行した後に、原版ステージ13に対する原版12の位置ずれ量を計測する。具体的には、S405と同様に、原版12のアライメントマーク23と原版ステージ13のアライメントマーク24とを原版検出系21で検出し、その検出結果(相対位置)から、原版ステージ13に対する原版12の位置ずれ量を取得する。
S506では、S505で計測された原版12の位置ずれ量が許容値に収まっているか(収束しているか)どうかを判定する。原版12の位置ずれ量が許容値に収まっている場合には、駆動条件決定処理を終了する。一方、原版12の位置ずれ量が許容値に収まっていない場合には、原版12や原版ステージ13の状態が変化(例えば、経時変化)していると判断し、S400に移行して、図5に示す位置ずれ情報取得処理を行う。
このように、本実施形態における駆動条件決定処理によれば、重ね合わせ精度要求を満たしながら生産性を向上させる予備走査駆動の駆動条件(実行回数及び駆動プロファイル)を決定することができる。
以下、本実施形態における露光処理について説明する。まず、図7を参照して、露光装置100で行われる露光処理の概要を説明する。露光処理は、上述したように、制御部20が露光装置100の各部を統括的に制御することで行われる。なお、図7に示すS601乃至S606は、図6を参照して説明したS501乃至S506と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
S607では、グローバルアライメントを行う。具体的には、基板上の複数のショット領域のうち、サンプルショット領域に設けられた複数のアライメントマークを基板検出系22で検出する。そして、基板検出系22の検出結果に基づいて、基板15の全体のずれ、具体的には、並進(シフト)、倍率(マグ)及び回転(ローテーション)を補正する。グローバルアライメントでは、サンプルショット領域の数を増やすことで、基板15の全体の並進、倍率及び回転の補正誤差を低減することができる。また、グローバルアライメントでは、サンプルショット領域を増やすことに伴って、ショット領域の配列誤差も補正可能となる。このように、本実施形態では、予備走査駆動を実行した後、且つ、基板15を露光する前に、基板上の複数のショット領域のうちのサンプルショット領域に設けられたアライメントマークの検出結果に基づいて基板15のアライメントを実行する。
なお、グローバルアライメントにおいて、アライメントマークを精密に検出するためには、アライメントマークのコントラストがベストコントラスト位置になければならない。ベストコントラスト位置は、基板検出系22、及び、基板検出系22の専用のフォーカス計測器(不図示)を用いて計測する。具体的には、基板ステージ16を予め定められた高さに駆動し、基板検出系22でコントラストを計測するとともに、フォーカス計測器で高さを計測する。このような処理を、基板ステージ16の高さを変更しながら繰り返す。そして、各高さに応じて、コントラストの計測結果と高さの計測結果とを対応付けする。このようにして得られた複数のコントラストの計測結果から、コントラストが最も高い位置を求め、かかる位置をベストコントラスト位置とする。
S608では、走査露光を行う。具体的には、露光処理の対象となる対象ショット領域の表面の高さ(面位置)を高さ計測部17でリアルタイムに計測し、基板ステージ16でフォーカス・レベリング調整を行いながら、原版12を介して基板15の対象ショット領域を走査露光する。このような処理を、基板上の全てのショット領域に対して行う。
S609では、S608で走査露光が行われた基板15を搬出する。具体的には、基板搬送部(不図示)を介して、基板ステージ16から基板15を取り外し、露光装置100から基板15を搬出する。
S610では、ロット内の基板15の全てに対して走査露光を行ったか、即ち、ロットが終了したかどうかを判定する。ロットが終了している場合には、露光処理を終了する。一方、ロットが終了していない場合には、走査露光が行われていない新たな基板15を搬入して、S611に移行する。なお、ロットが終了したかどうかの判定(S610)は、走査露光が行われた基板15の搬出(S609)と並行して行ってもよい。
S611では、原版ステージ13に対する原版12の位置ずれ量を計測する。具体的には、S405やS505と同様に、原版12のアライメントマーク23と原版ステージ13のアライメントマーク24とを原版検出系21で検出し、その検出結果(相対位置)から、原版ステージ13に対する原版12の位置ずれ量を取得する。
S612では、S611で計測された原版12の位置ずれ量と、S601で取得した重ね合わせ誤差データと、重ね合わせ要求精度とに基づいて、グローバルアライメント(S607)でのサンプルショット領域の数を変更(決定)する。
本実施形態では、原版12を原版ステージ13に保持させた後、1枚目(ロットの先頭)の基板15を露光する場合には、原版12の位置ずれを含めた重ね合わせ誤差が重ね合わせ要求精度を満たすように、予備走査駆動の駆動条件を決定している。但し、2枚目以降の基板15では、1枚目の基板15を走査露光したことによって、原版12の位置ずれが十分に収束している可能性があるため、重ね合わせ誤差から原版12の位置ずれ要因を除くことが可能となる。従って、2枚目以降の基板15では、原版12の位置ずれ要因が重ね合わせ要求精度に対する精度余裕となる。そこで、かかる原版12の位置ずれ要因を、グローバルアライメントにおける基板15の全体の並進、倍率及び回転の補正誤差の許容値として割り振ることで、グローバルアライメントでのサンプルショット領域の数を減らすことが可能となる。なお、ここでは、2枚目以降の基板15を例として説明したが、これに限定されるものではない。例えば、1枚目の基板15を走査露光しても原版12の位置ずれが十分に収束していない場合には、3枚目や4枚目の基板15から、グローバルアライメントでのサンプルショット領域の数を減らすようにしてもよい。また、原版12の位置ずれの収束状況に応じて、2枚目以降の基板15に対して、グローバルアライメントでのサンプルショット領域の数を段階的に減らしてもよい。
ここで、図8を参照して、グローバルアライメントでのサンプルショット領域の数の変更(S612)について具体的に説明する。図8に示すように、重ね合わせ誤差の要因の分析結果として、ランダム成分と、ショット配列誤差E1(線形成分)と、ショット配列誤差E2(非線形成分)と、原版12の位置ずれによる成分(走査方向差)とが存在している場合を考える。また、それらの積み上げは、重ね合わせ要求精度を超えているものとする。
図8を参照するに、重ね合わせ要求精度を満たすためには、ショット配列誤差E1及びショット配列誤差E2を補正する必要がある。ショット配列誤差の非線形成分、即ち、ショット配列誤差E2は、ショット配列を高次近似することで補正することができる。近似する次数に応じて、グローバルアライメントでのサンプルショット領域の数を決定する。例えば、1枚目の基板15でショット配列誤差E2を3次近似で補正したとすると、ショット配列誤差の線形成分であるショット配列誤差E1が誤差要因から除外され、ショット配列誤差E2が小さくなることで、重ね合わせ要求精度を満たすようになる。2枚目の基板15については、1枚目の基板15を走査露光したことによって、原版12の位置ずれが十分に収束している。従って、重ね合わせ誤差の要因から原版12の位置ずれによる成分を除外することが可能となり、その分が精度余裕となって、ショット配列誤差E2に割り振ることができる。従って、2枚目の基板15では、ショット配列誤差E2を補正しなくても重ね合わせ要求精度を満たすことができるため、線形成分(1次成分)を補正可能なサンプルショット領域の数まで減らすことが可能となる。
このように、本実施形態における露光処理によれば、重ね合わせ精度要求を満たしながら、予備走査駆動やグローバルアライメントに要する時間を短くすることができるため、生産性を向上させることができる。
なお、本実施形態では、重ね合わせ要求精度の範囲内でグローバルアライメントでのサンプルショット領域の数を減らすことを例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、サンプルショット領域間の移動時や走査露光時の駆動プロファイルを変更してもよい。サンプルショット領域間の移動をより速くすることで、グローバルアライメントに要する時間が短縮される。また、走査露光時の走査速度や加速度を上げることで、走査露光に要する時間が短縮される。このように、重ね合わせ要求精度の範囲内で生産性が最大となるように条件を選択すればよい。
次に、図9を参照して、露光装置100で行われる露光処理の詳細を説明する。
S701では、基板15を基板ステージ16に保持させる。具体的には、基板搬送部(不図示)を介して、露光装置100に基板15を搬入して、かかる基板15を基板ステージ16で保持する。
S702では、プリアライメントを行う。プリアライメントでは、S706で行うグローバルアライメントのための事前計測及び補正を行う。具体的には、グローバルアライメントにおいて高倍視野アライメント顕微鏡として機能する基板検出系22の検出範囲(視野)にアライメントマークが収まるように、低倍視野アライメント顕微鏡で基板15の回転誤差などのずれ量を計測して補正する。
S703では、グローバルチルトを行う。グローバルチルトでは、基板15の複数の箇所の表面の高さ(面位置)を高さ計測部17で計測し、その計測結果に基づいて、基板15の全体的な傾きを求めて補正する。
S704では、事前フォーカス計測を行う。事前フォーカス計測では、S707で行う走査露光において、対象ショット領域の表面の高さをリアルタイムで計測するための事前調整を行う。具体的には、高さ計測部17の光源の光量を調整したり、基板上のショット領域のパターン段差をパターンオフセットとして取得したりする。
S701乃至S704と並行して、S721乃至S724が行われる。S721では、原版12を原版ステージ13に保持させる。S722では、S721で原版ステージ13に保持させた原版12が露光装置100で初めて用いられる原版であるか(即ち、これまでに原版ステージ13に保持されたことがない原版であるか)どうかを判定する。原版12が露光装置100で初めて用いられる原版ではない場合には、S723に移行して、図6を参照して説明した駆動条件決定処理を行う。一方、原版12が露光装置100で初めて用いられる原版である場合には、S724に移行して、予備走査駆動の実行回数と、原版ステージ13に対する原版12の位置ずれ量との関係を示す位置ずれ情報を取得する処理(位置ずれ情報取得処理)を行う。S724での位置ずれ情報取得処理は、図5
を参照して説明した位置ずれ情報取得処理からS401、S402及びS500を除き、S404乃至S409を含む処理である。
を参照して説明した位置ずれ情報取得処理からS401、S402及びS500を除き、S404乃至S409を含む処理である。
S705では、投影光学系14の補正を行う。投影光学系14の補正では、基板ステージ16に設けられた光量センサ及び基準マーク(不図示)、原版ステージ13に設けられた基準プレート(不図示)を用いて、投影光学系14の傾きや像面湾曲などを補正する。具体的には、基板ステージ16をX方向、Y方向及びZ方向に駆動した際の露光光の光量変化を光量センサで検出し、その検出結果から、基準プレートに対する基準マークのずれ量を求める。
S705は、S701乃至S704、及び、S721乃至S724が終了した後に行われる。S701乃至S704に要する時間よりもS721乃至S724に要する時間の方が長い場合には、原版12の交換時間を短くすることが、バッチ間オーバーヘッド時間の短縮となる。
図9に示すS706乃至S711は、図7を参照して説明したS607乃至S612と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
本発明は、上述の実施形態の1つ以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1つ以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明の実施形態における物品の製造方法は、例えば、半導体素子、フラットパネルディスプレイ、液晶表示素子、MEMSなどの物品を製造するのに好適である。かかる製造方法は、上述した露光装置100を用いて感光剤が塗布された基板を露光する工程と、露光された感光剤を現像する工程とを含む。また、現像された感光剤のパターンをマスクとして基板に対してエッチング工程やイオン注入工程などを行い、基板上に回路パターンが形成される。これらの露光、現像、エッチングなどの工程を繰り返して、基板上に複数の層からなる回路パターンを形成する。後工程で、回路パターンが形成された基板に対してダイシング(加工)を行い、チップのマウンティング、ボンディング、検査工程を行う。また、かかる製造方法は、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、レジスト剥離など)を含みうる。本実施形態における物品の製造方法は、従来に比べて、物品の性能、品質、生産性及び生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
100:露光装置 12:原版 13:原版ステージ 15:基板 20:制御部
Claims (12)
- 原版を走査方向に走査しながら、前記原版を介して基板を露光する露光装置であって、
前記原版を保持して移動する原版保持部と、
前記原版保持部の移動を制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記基板を露光する前に、前記原版保持部に前記原版を保持させた状態で前記原版保持部を前記走査方向に移動させる予備駆動を実行し、
前記予備駆動を実行する前に、前記基板に行われるプロセスに対して要求される重ね合わせ精度、及び、前記原版保持部に対する前記原版の位置ずれ量に基づいて、前記予備駆動を実行した後の前記位置ずれ量が所定の値に収まるように、前記予備駆動の実行回数と、前記予備駆動を実行する際の前記原版保持部の駆動プロファイルとを決定することを特徴とする露光装置。 - 前記予備駆動を実行する際の前記原版保持部の駆動プロファイルごとに、前記予備駆動の実行回数と、前記原版保持部に対する前記原版の位置ずれ量との関係を示す情報を記憶する記憶部を更に有し、
前記制御部は、前記記憶部に記憶された情報を参照することによって、前記予備駆動の実行回数と、前記駆動プロファイルとを決定することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。 - 前記制御部は、前記位置ずれ量が前記所定の値に収まるまでに要する時間が最も短くなるように、前記予備駆動の実行回数と、前記駆動プロファイルとを決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の露光装置。
- 前記基板に行われるプロセスに対して要求される重ね合わせ精度をユーザが設定するための設定部を更に有し、
前記制御部は、前記設定部で設定された前記重ね合わせ精度を取得することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の露光装置。 - 前記制御部は、前記基板を露光するためのレシピに設定されているパラメータから、前記基板に行われるプロセスに対して要求される重ね合わせ精度を取得することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の露光装置。
- 前記制御部は、前記基板を露光した結果から得られた重ね合わせ誤差にも基づいて、前記予備駆動の実行回数と、前記駆動プロファイルとを決定することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の露光装置。
- 前記制御部は、前記重ね合わせ誤差と前記重ね合わせ精度とから前記所定の値を決定することを特徴とする請求項6に記載の露光装置。
- 前記制御部は、
前記予備駆動を実行した後、且つ、前記基板を露光する前に、前記基板上の複数のショット領域のうちのサンプルショット領域に設けられたマークの検出結果に基づいて前記基板のアライメントを実行し、
前記重ね合わせ精度と、前記位置ずれ量と、前記基板を露光した結果から得られた重ね合わせ誤差とに基づいて、前記アライメントでの前記サンプルショット領域の数を決定することを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか1項に記載の露光装置。 - 原版を走査方向に走査しながら、前記原版を介して基板を露光する露光方法であって、
前記基板を露光する前に、原版保持部に前記原版を保持させた状態で前記原版保持部を前記走査方向に移動させる予備駆動を実行する工程と、
前記予備駆動を実行する前に、前記基板に行われるプロセスに対して要求される重ね合わせ精度、及び、前記原版保持部に対する前記原版の位置ずれ量に基づいて、前記予備駆動を実行した後の前記位置ずれ量が所定の値に収まるように、前記予備駆動の実行回数と、前記予備駆動を実行する際の前記原版保持部の駆動プロファイルとを決定する工程と、
を有することを特徴とする露光方法。 - 原版を走査方向に走査しながら、前記原版を介して基板を露光する露光装置で実行される、前記基板を露光する前に、原版保持部に前記原版を保持させた状態で前記原版保持部を前記走査方向に移動させる予備駆動の駆動条件を決定する決定方法であって、
前記予備駆動を実行する前に、前記基板に行われるプロセスに対して要求される重ね合わせ精度、及び、前記原版保持部に対する前記原版の位置ずれ量に基づいて、前記予備駆動を実行した後の前記位置ずれ量が所定の値に収まるように、前記予備駆動の実行回数と、前記予備駆動を実行する際の前記原版保持部の駆動プロファイルとを決定することを特徴とする決定方法。 - 請求項10に記載の決定方法をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
- 請求項1乃至8のうちいずれか1項に記載の露光装置を用いて基板を露光する工程と、
露光された前記基板を現像する工程と、
現像された前記基板から物品を製造する工程と、
を有することを特徴とする物品の製造方法。
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