JP2022087446A - シリンダ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シール部材の耐久性を向上させることが可能となるシリンダ装置を提供する。
【解決手段】作動流体が封入されるシリンダ部15と、シリンダ部15内に設けられ、シリンダ部15内を2室に区画するピストンと、ピストンに接続されると共にシリンダ部15の一側から外側に延びるピストンロッド31と、シリンダ部15の前記一側に設けられてピストンロッド31を案内するロッドガイド21と、シリンダ部15の前記一側であってシリンダ部15の軸方向における内外方向のロッドガイド21よりも外側に設けられ、内周部でピストンロッド31に摺接するシール部材23と、を有し、シリンダ部15の軸方向における内外方向のシール部材23よりも外側に第1軸受部材102が設けられており、ピストンロッド31は、第1軸受部材102に対し移動可能な径方向の移動量が、ロッドガイド21に対し移動可能な径方向の移動量よりも大きい。
【選択図】図2
【解決手段】作動流体が封入されるシリンダ部15と、シリンダ部15内に設けられ、シリンダ部15内を2室に区画するピストンと、ピストンに接続されると共にシリンダ部15の一側から外側に延びるピストンロッド31と、シリンダ部15の前記一側に設けられてピストンロッド31を案内するロッドガイド21と、シリンダ部15の前記一側であってシリンダ部15の軸方向における内外方向のロッドガイド21よりも外側に設けられ、内周部でピストンロッド31に摺接するシール部材23と、を有し、シリンダ部15の軸方向における内外方向のシール部材23よりも外側に第1軸受部材102が設けられており、ピストンロッド31は、第1軸受部材102に対し移動可能な径方向の移動量が、ロッドガイド21に対し移動可能な径方向の移動量よりも大きい。
【選択図】図2
Description
本発明は、シリンダ装置に関する。
オイルシールにダストが侵入することを防止するため、オイルシールの外側にシール部材を設ける構成がある(例えば、特許文献1参照)。
シリンダ装置において、シール部材の耐久性を向上させることが望まれている。
本発明は、シール部材の耐久性を向上させることが可能なシリンダ装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、シリンダ部の軸方向における内外方向のシール部材よりも外側に第1軸受部材が設けられており、ピストンロッドは、前記第1軸受部材に対し移動可能な径方向の移動量が、ロッドガイドに対し移動可能な径方向の移動量よりも大きい、構成とした。
本発明によれば、シール部材の耐久性を向上させることが可能となる。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係るシリンダ装置を図1~図3を参照して以下に説明する。図1に示す第1実施形態のシリンダ装置1は、自動車や鉄道車両等の車両のサスペンション装置に用いられる緩衝器である。シリンダ装置1は、シリンダ装置本体2とバンパキャップ3とを有している。シリンダ装置本体2は、円筒状の金属製の内筒12と、内筒12よりも大径で内筒12の外周側に設けられ内筒12との間にリザーバ室13を形成する有底筒状の金属製の外筒14とを有している。つまり、シリンダ装置1は、外筒14および内筒12がシリンダ部15を構成する複筒式の緩衝器である。シリンダ部15内には作動流体が封入される。
本発明の第1実施形態に係るシリンダ装置を図1~図3を参照して以下に説明する。図1に示す第1実施形態のシリンダ装置1は、自動車や鉄道車両等の車両のサスペンション装置に用いられる緩衝器である。シリンダ装置1は、シリンダ装置本体2とバンパキャップ3とを有している。シリンダ装置本体2は、円筒状の金属製の内筒12と、内筒12よりも大径で内筒12の外周側に設けられ内筒12との間にリザーバ室13を形成する有底筒状の金属製の外筒14とを有している。つまり、シリンダ装置1は、外筒14および内筒12がシリンダ部15を構成する複筒式の緩衝器である。シリンダ部15内には作動流体が封入される。
まず、シリンダ装置本体2について説明する。
外筒14は、円筒状の側壁部17と、側壁部17の軸方向の一端側を閉塞する底部18とからなっている。内筒12は円筒状をなしている。内筒12は、その軸方向の一端部に取り付けられた円環状のベースバルブ部材20を介して外筒14の底部18に係合されている。また、内筒12は、その軸方向の他端部に取り付けられた円環状のロッドガイド21を介して外筒14の側壁部17の底部18とは反対の開口部19側に係合されている。外筒14の開口部19は、内筒12よりも軸方向の外側にあり、よって、シリンダ部15の開口部にもなっている。
ベースバルブ部材20は、内筒12に嵌合し固定された状態で外筒14の底部18に載置されており、その際に、外筒14に対して径方向に位置決めされる。これにより、内筒12の軸方向の一端部がベースバルブ部材20を介して外筒14と同軸状に配置される。ロッドガイド21は、内筒12と外筒14の側壁部17とに嵌合することで、内筒12の軸方向の他端部を外筒14と同軸状に配置する。このように軸方向の両端側がベースバルブ部材20およびロッドガイド21を介して外筒14に係合することで、内筒12は、外筒14に対して同軸状をなすように径方向に位置決めされる。
内筒12と外筒14とからなるシリンダ部15は、その軸方向の一側に、開口部19およびロッドガイド21が設けられており、軸方向の他側に、外筒14の底部18およびベースバルブ部材20が設けられている。ここで、シリンダ部15の開口部19近傍において、シリンダ部15の軸方向における底部18とは反対側すなわち外側を内外方向外側とし、底部18側すなわち内側を内外方向内側とする。
ロッドガイド21に対して底部18とは反対側には、円環状のシール部材23が配置されている。シール部材23は、シリンダ部15の軸方向の一側である開口部19側であってシリンダ部15の軸方向における内外方向のロッドガイド21よりも外側に設けられている。このシール部材23もロッドガイド21と同様に外筒14の側壁部17の開口部19側の内周部に嵌合されている。外筒14の軸方向における底部18とは反対側の端部には、径方向内方に折り曲げられることによって係止部24が形成されており、シール部材23は、シリンダ部15の軸方向における内外方向の外側がこの係止部24で係止されることで、シリンダ部15の一端側に支持されている。シール部材23はオイルシールである。
内筒12内には、ピストン25が摺動可能に嵌装されている。このピストン25は、内筒12内に第1室28と第2室29とを画成している。言い換えれば、シリンダ部15内に設けられたピストン25が、シリンダ部15内を第1室28と第2室29との2室に区画している。第1室28は、内筒12内のピストン25とロッドガイド21との間に設けられており、第2室29は、内筒12内のピストン25とベースバルブ部材20との間に設けられている。内筒12内の第2室29は、ベースバルブ部材20によってリザーバ室13と画成されている。第1室28および第2室29には作動流体としての油液が封入され、リザーバ室13には作動流体としての油液およびガスが封入されている。
ピストン25には金属製のピストンロッド31がナット32によって接続されている。ピストンロッド31は、ロッドガイド21およびシール部材23を通ってシリンダ部15の一側からシリンダ部15の軸方向における内外方向の外側へと延出している。ピストンロッド31は、一定外径の円柱状の主軸部33を有しており、この主軸部33において、ロッドガイド21およびシール部材23のそれぞれの内側に摺動可能に挿通されている。ピストンロッド31には、主軸部33の軸方向におけるピストン25とは反対側に、車体側への取付用の取付軸部材30が溶接により固定されている。
ピストンロッド31は、軸方向の一端側が外筒14および内筒12内に配置され、軸方向の他端側が外筒14および内筒12の外部に配置されている。ロッドガイド21は、ピストンロッド31をシリンダ部15に対して同軸状をなすように径方向に位置決めした状態で軸方向に移動可能に案内する。ピストンロッド31は、ピストン25に同軸状に固定されており、ピストン25と一体に軸方向に移動する。ピストン25は、ピストンロッド31をシリンダ部15に対して同軸状をなすように径方向に位置決めした状態でピストンロッド31と共に軸方向に移動する。
シール部材23は、ピストンロッド31の主軸部33を内側に挿通させており、その内周部でピストンロッド31の主軸部33に摺接する。シール部材23は、外筒14とピストンロッド31との間を閉塞して、内筒12内の油液と、リザーバ室13内のガスおよび油液とが外部に漏出するのを規制する。
ピストン25には、軸方向に貫通する通路34および通路35が形成されている。通路34,35は、第1室28と第2室29とを連通可能となっている。ピストン25には、ピストン25に当接することで通路34を閉塞可能な円環状のディスクバルブ36が軸方向の底部18とは反対側に設けられている。また、ピストン25には、ピストン25に当接することで通路35を閉塞可能な円環状のディスクバルブ37が軸方向の底部18側に設けられている。
ディスクバルブ36は、ピストンロッド31が内筒12および外筒14内への進入量を増やす縮み側に移動しピストン25が第2室29を狭める方向に移動して第2室29の圧力が第1室28の圧力よりも所定値以上高くなると通路34を開くことになり、その際に減衰力を発生させる。ディスクバルブ37は、ピストンロッド31が内筒12および外筒14からの突出量を増やす伸び側に移動しピストン25が第1室28を狭める方向に移動して第1室28の圧力が第2室29の圧力よりも所定値以上高くなると通路35を開くことになり、その際に減衰力を発生させる。
ベースバルブ部材20には、軸方向に貫通する通路41および通路42が形成されている。通路41,42は第2室29とリザーバ室13とを連通可能となっている。ベースバルブ部材20には、その軸方向の底部18側に、ベースバルブ部材20に当接することで通路41を閉塞可能な円環状のディスクバルブ43が配置され、その軸方向の底部18とは反対側に、ベースバルブ部材20に当接することで通路42を閉塞可能な円環状のディスクバルブ44が配置されている。
ディスクバルブ43は、ピストンロッド31が縮み側に移動して第2室29の圧力がリザーバ室13の圧力よりも所定値以上高くなると通路41を開くことになり、その際に減衰力を発生させる。ディスクバルブ44は、ピストンロッド31が伸び側に移動しピストン25が第1室28側に移動して第2室29の圧力がリザーバ室13の圧力より下降すると通路42を開くことになるが、その際にリザーバ室13から第2室29内に実質的に減衰力を発生させずに油液を流すサクションバルブである。
外筒14の底部18の外側には、筒状の取付アイ46が固定されている。シリンダ装置本体2は、ピストンロッド31に固定された取付軸部材30とシリンダ部15に固定された取付アイ46とが取り付け対象の相対移動部分に取り付けられる。シリンダ装置本体2は、取り付け対象部分の相対移動によって取付軸部材30およびピストンロッド31と一体にピストン25がシリンダ部15の内筒12内を軸方向に摺動して第1室28および第2室29の容積を変化させ、その際にピストン25およびベースバルブ部材20に生じる油液の流通抵抗で減衰力を発生させる。シリンダ装置本体2は、例えば取付軸部材30が車両の車体側に連結され、取付アイ46が車両の車輪側に連結されて、車輪の車体に対する移動に対して減衰力を発生させる。
図2に示すように、ロッドガイド21は、段付きの円環状をなし、軸方向一側に大径部51が形成され、軸方向他側に大径部51よりも外径が小径の小径部52が形成されたロッドガイド本体53と、ロッドガイド本体53の内周部に嵌合されて固定されたブッシュ54(第2軸受部材)とを有している。大径部51および小径部52は同軸状に形成されており、ロッドガイド21は、ロッドガイド本体53の大径部51において外筒14の内周面に嵌合し、小径部52において内筒12の内周面に嵌合する。
ロッドガイド本体53は、金属製である。ロッドガイド本体53は、その軸方向の大径部51側の端部に、軸方向外方に突出する円環状の環状凸部55が形成されている。環状凸部55には、その径方向の内側位置に、ロッドガイド21を軸方向に沿って貫通する連通穴56が形成されている。連通穴56は、ロッドガイド21の軸方向における環状凸部55とは反対側が外筒14と内筒12との間のリザーバ室13に開口している。
ブッシュ54は円筒状である。ブッシュ54は、例えば、SPCC材やSPCE材などの金属製の円筒体の内周にフッ素樹脂含浸青銅が被覆されて形成されている。ピストンロッド31は、このブッシュ54内に挿通されており、その主軸部33がこのブッシュ54の内周部に摺接する。言い換えれば、ロッドガイド21の内周部に、ピストンロッド31と摺接するブッシュ54が設けられている。
シール部材23は、合成ゴム製のシール材61に金属製の環状部材62が埋め込まれた一体成形品であるシール部材本体63と、金属製の環状のスプリング64と、金属製の環状のスプリング65とを有している。環状部材62は、シール材61の形状を維持するためのものであり、対象部位に固定するための強度をシール部材本体63に生じさせるものである。シール部材本体63は、径方向の環状部材62の位置がロッドガイド21の環状凸部55と外筒14の係止部24とに挟持されてシリンダ部15の一端側に支持されている。
シール材61は、ダストリップ部71、オイルリップ部72、シールリング部73およびチェックリップ部74を有している。
ダストリップ部71は、環状部材62の内周面側からシリンダ部15の軸方向における内外方向の外側に筒状をなして延出している。オイルリップ部72は、環状部材62の内周面側からシリンダ部15の軸方向における内外方向の内側へ筒状をなして延出している。シール部材本体63は、これらオイルリップ部72およびダストリップ部71の内側にピストンロッド31の主軸部33を摺接可能に挿通させており、これらダストリップ部71およびオイルリップ部72がピストンロッド31の主軸部33との隙間をシールする。
シールリング部73は、環状部材62の外周面側から軸方向のオイルリップ部72と同側に円環状をなして突出している。シールリング部73は、ロッドガイド21の環状凸部55と外筒14とに同時に接触して外筒14とロッドガイド21との隙間をシールする。
チェックリップ部74は、環状部材62の径方向の中間位置から軸方向のオイルリップ部72と同側に円環筒状をなして突出している。チェックリップ部74は、ロッドガイド21の環状凸部55よりも径方向内側に当接している。チェックリップ部74は、ロッドガイド21とピストンロッド31の主軸部33との隙間からシール部材23側に漏れ出た作動流体を連通穴56を介してリザーバ室13に流す一方、逆方向の作動流体の流れを規制する逆止弁として機能する。
スプリング64,65は、密着巻きのコイルスプリングの両端を連結して環状にしたガータスプリングである。スプリング64は、ダストリップ部71の外周部に装着されてダストリップ部71を径方向内方に押圧する。スプリング65は、オイルリップ部72の外周部に装着されてオイルリップ部72を径方向内方に押圧する。
シール部材23は、そのダストリップ部71およびスプリング64が、外筒14の係止部24の径方向内側の開口部19を通って外筒14つまりシリンダ部15からシリンダ部15の軸方向における内外方向の外側に突出している。
次に、バンパキャップ3について説明する。
バンパキャップ3は、シリンダ部15にその開口部19側を覆って取り付けられてシール部材23を保護するものである。バンパキャップ3は、金属製の板材から塑性変形により形成される継ぎ目のない一体成形品である。バンパキャップ3は、固定部81とカバー部82と嵌合ガイド部83と保持部84とを有している。
固定部81は、段付きの円筒状であり、シリンダ部15の外筒14の側壁部17にその外周面を覆うように嵌合されて固定される。カバー部82は、固定部81の軸方向の一端側から径方向内方に延出する。カバー部82は、シリンダ部15の開口部19を、シリンダ部15の軸方向における内外方向の外側で覆うように広がっている。嵌合ガイド部83は、固定部81の軸方向におけるカバー部82とは反対側に設けられ、固定部81から軸方向に離れるほど大径となるように拡径して延出するテーパ状をなしている。なお、図示は略すが、固定部81および嵌合ガイド部83には、嵌合ガイド部83の軸方向における固定部81とは反対側の端部から固定部81の中間所定位置まで延びる切欠きが周方向に等間隔で複数形成されている。
保持部84は、カバー部82の内周縁部から軸方向における固定部81と同側に延出する円筒状の延出部91と、延出部91の軸方向におけるカバー部82とは反対側の端部で径方向内方に折り返される折返部92と、折返部92の延出部91とは反対側の端部から延出部91の内周部に密着しつつ軸方向のカバー部82側にカバー部82の手前まで延出する円筒状の保持本体部93と、保持本体部93の軸方向の折返部92とは反対側の端部から径方向内方に突出する突出部94とを有している。いずれも円筒状の固定部81、延出部91および保持本体部93は、同軸状に配置されている。
固定部81は、段差状をなして軸方向からの荷重を受ける延出部81’を持ち、この延出部81’が係止部24に当接することで、折返部92とダストリップ部71とが接触しない構造とする。
固定部81は、段差状をなして軸方向からの荷重を受ける延出部81’を持ち、この延出部81’が係止部24に当接することで、折返部92とダストリップ部71とが接触しない構造とする。
バンパキャップ3は、金属製の板材からプレス成形等により形成される。バンパキャップ3は、例えば、板材からカバー部82を平板状に残しつつカバー部82の外周縁部から固定部81を塑性変形によりカバー部82の厚さ方向一側に延出させ、さらに嵌合ガイド部83を塑性変形により延出させる。それと共に、カバー部82の内周縁部から延出部91および後に保持本体部93となる部分を塑性変形によりカバー部82の厚さ方向一側に延出させる。その後、この延出部分を軸方向中間位置で径方向内方に折り返しつつカバー部82側に延出させる。これにより、延出部91、折返部92および保持本体部93を形成する。折返部92および保持本体部93の内周部を仕上げる際に、プレス型は、折返部92および保持本体部93の内周部を、これらの軸方向に折返部92側から移動してしごくことになる。すると、その最後に保持本体部93の軸方向における折返部92とは反対側の端部に径方向内方に突出するカエリが生じる。このカエリ部分が突出部94となる。
バンパキャップ3は、折返部92、保持本体部93および突出部94の径方向内側が、シリンダ装置本体2のピストンロッド31を挿通させる挿通孔96となっている。挿通孔96の最小内径は、突出部94の最小内径であり、この最小内径は、ピストンロッド31の主軸部33の外径よりも大径となっている。バンパキャップ3は、挿通孔96にピストンロッド31を挿通させながら、嵌合ガイド部83を先頭にして、シリンダ装置本体2の側壁部17の開口部19側に被せられ、固定部81において、延出部81’を係止部24に当接させるまで側壁部17の開口部19側の外周部に嵌合されて固定される。この状態で、バンパキャップ3は、シリンダ部15の軸方向における内外方向のシール部材23よりも外側に、ピストンロッド31を挿通させる挿通孔96を配して設けられる。
バンパキャップ3の保持本体部93の内周部には、軸方向の突出部94側にパッキンタイプの外側シール部材101(外側シール部)が嵌合されている。バンパキャップ3の保持本体部93および折返部92の内周部には、外側シール部材101よりも軸方向の折返部92側に、外側シール部材101とは別体で外側シール部材101よりも剛性が高い軸受部材102(第1軸受部材)が嵌合されて固定されている。軸受部材102は、シール部材23のシール材61よりも剛性が高い。軸受部材102がバンパキャップ3の内周部に固定されることにより、外側シール部材101は突出部94と軸受部材102とで挟まれて、これらの間に保持される。言い換えれば、バンパキャップ3の内周部には、圧入され固定された軸受部材102との間に外側シール部材101を保持する部分としての突出部94が形成されている。
外側シール部材101は伸縮可能な円環状であり、ピストンロッド31の主軸部33を内側に挿通させている。外側シール部材101は、外周部がバンパキャップ3の保持本体部93に全周にわたって圧接すると共に、内周部がピストンロッド31の主軸部33に全周にわたって圧接する。これにより、外側シール部材101は、バンパキャップ3の保持本体部93とピストンロッド31の主軸部33との隙間をシールしつつピストンロッド31を軸方向移動可能に摺接させる。
軸受部材102は、円筒状であり、ピストンロッド31の主軸部33を内側に径方向に隙間をもって挿通させている。シリンダ部15の軸方向における内外方向のシール部材23よりも外側に、この軸受部材102が設けられている。軸受部材102は、ピストンロッド31との間をシールするものではなく、ピストンロッド31の径方向の移動を規制しつつ軸方向の移動を案内する。軸受部材102の内周部とピストンロッド31の主軸部33の外周部との間には径方向に若干の隙間がある。軸受部材102は、その内周部の全体においてピストンロッド31との間に径方向の隙間を設けることが可能となっている。
ロッドガイド21のブッシュ54は、ピストンロッド31の径方向の移動を規制しつつ軸方向の移動を案内する。一方で、ブッシュ54は、シール部材23の潤滑のためシール部材23へ第1室28からの油液を供給するようになっている。そのために、ブッシュ54の内周部とピストンロッド31の主軸部33の外周部との間には径方向に微小の隙間がある。ブッシュ54は、その内周部の全体においてピストンロッド31との間に径方向の隙間を設けることが可能となっている。
そして、軸受部材102の内周部と主軸部33の外周部との径方向の隙間は、ブッシュ54の内周部と主軸部33の外周部との間の径方向の隙間よりも大きい。言い換えれば、軸受部材102の内径は、ブッシュ54の内径よりも大径である。さらに言い換えれば、軸受部材102の内径と主軸部33の外径との差は、ブッシュ54の内径と主軸部33の外径との差よりも大きい。その結果、ピストンロッド31は、軸受部材102に対し移動可能な径方向の移動量が、ロッドガイド21に対し移動可能な径方向の移動量よりも大きくなっている。
バンパキャップ3には、シリンダ部15への組み付け前に、保持本体部93内に軸方向の折返部92側から外側シール部材101が突出部94の手前まで嵌合され、その後、軸受部材102が折返部92および保持本体部93内に軸方向の折返部92側から圧入される。その際に、圧入治具は折返部92に当接し停止して、軸受部材102を折返部92と面一とする。このようにして、バンパキャップ3に外側シール部材101と軸受部材102とが組み付けられる。
このように外側シール部材101と軸受部材102とが組み付けられた状態のバンパキャップ3が、別途組み立てられた状態にあってピストンロッド31に図1に示す取付軸部材30が固定される前の状態にあるシリンダ装置本体2のピストンロッド31を挿通孔96の内側に挿通させる。その際に、ピストンロッド31は軸受部材102の内側に隙間をもって挿通され、外側シール部材101の内側に締め代をもって嵌合される。そして、バンパキャップ3は、嵌合ガイド部83において、シリンダ装置本体2の側壁部17の開口部19側に被せられ、その後、固定部81において側壁部17の開口部19側の外周部に所定長さ嵌合されることにより、シリンダ装置本体2に固定される。このとき、バンパキャップ3は、その折返部92および軸受部材102がシリンダ装置本体2のシール部材23との間に軸方向に所定距離の間隔をあける。
なお、固定部81の軸方向におけるカバー部82側の部分を、固定部81の軸方向における嵌合ガイド部83側の部分よりも小径として、これらの間に延出部81’を形成し、この延出部81’をシリンダ部15の係止部24に突き当てることで、それ以上のバンパキャップ3のシリンダ部15への嵌合を規制するようにしている。これにより、バンパキャップ3を容易にシリンダ部15に対して軸方向に位置決めすることができる。
バンパキャップ3が取り付けられた状態のシリンダ装置本体2のピストンロッド31に、図1に示す取付軸部材30が溶接等で固定されてシリンダ装置1となる。
このように組み立てられたシリンダ装置1は、図2に示すように、シリンダ部15の軸方向における内外方向のシール部材23よりも外側に、ピストンロッド31を受ける軸受部材102が設けられている。軸受部材102は、ピストンロッド31との隙間をシールせずにピストンロッド31をその径方向移動を制限しつつ軸方向移動可能に受ける。
また、シリンダ装置1は、シリンダ部15の軸方向における内外方向の軸受部材102よりも外側に、外側シール部材101が設けられている。外側シール部材101は、バンパキャップ3とピストンロッド31との隙間をシールすることにより、この隙間を介しての外部から軸受部材102およびシリンダ部15側へのダストおよび水等の侵入を抑制する。すなわち、外側シール部材101はダストシールである。
そして、シリンダ装置1は、図1に示す取付軸部材30が車体側に連結され、図1に示す取付アイ46が車輪側に連結される。その際に、シリンダ装置1のバンパキャップ3と車体側との間に、弾性樹脂材料からなるバンプラバー111が配置される。バンプラバー111は、蛇腹状の筒状体であり、内側にピストンロッド31の主軸部33を挿通させた状態で上端が車体側に支持される。バンパキャップ3は、このバンプラバー111の下端部に当接して、バンプラバー111のシール部材23への当接を規制する。
上記した特許文献1には、オイルシールにダストが侵入することを抑制するため、オイルシールの外側にシール部材を設けたシリンダ装置が開示されている。シリンダ装置においては、ピストンロッドがピストンとロッドガイドとの2点において径方向に支持される構造となっているものがあるが、このような構造の場合、ピストンが伸び切り位置に近いとき、支持点同士の距離が近くなってしまう。すると、シリンダに対するピストンロッドの倒れや偏心を抑制できず、シール部材に偏摩耗を生じてしまう可能性がある。その結果、シール部材の寿命に影響を及ぼす可能性がある。
これに対して、第1実施形態のシリンダ装置1は、シリンダ部15の軸方向における内外方向のシール部材23よりも外側に軸受部材102が設けられているため、ピストン25およびロッドガイド21に、ロッドガイド21よりもピストン25とは離れた位置の軸受部材102を加えた合計3点で、ピストンロッド31を径方向に支持することができる。これにより、ピストン25が伸び切り位置に近いときであっても、シリンダ部15に対するピストンロッド31の倒れおよび偏心を抑制することができ、シール部材23に生じる偏摩耗を抑制することができる。その結果、シール部材23の耐久性を向上させることができる。よって、シール部材23の密封性(耐ダスト性や油液の掻き取り性)を長期にわたって確保することができる。
また、ピストンロッド31は、軸受部材102に対し移動可能な径方向の移動量が、ロッドガイド21に対し移動可能な径方向の移動量よりも大きいため、シリンダ装置1が通常の作動状態にあるときの軸受部材102によるピストンロッド31の摺動性への影響を抑制することができる。
また、ロッドガイド21の内周部に、ピストンロッド31と摺接するブッシュ54が設けられているため、ピストンロッド31の軸受部材102に対する径方向の移動量をロッドガイド21に対する径方向の移動量よりも大きくすることが、精度良く容易にできる。
また、シリンダ部15の軸方向における内外方向のシール部材23よりも外側にピストンロッド31を挿通させる挿通孔96を配して、バンプラバー111に当接するバンパキャップ3が設けられており、軸受部材102が、このバンパキャップ3の内周部に固定されている。よって、バンパキャップ3を軸受部材102の支持部材として用いることができる。これにより、部品点数およびコストの増大を抑制することができる。
また、シリンダ部15の軸方向における内外方向の軸受部材102よりも外側に、外部からシリンダ部15側へのダストの侵入を抑制する外側シール部材101が設けられているため、軸受部材102およびシール部材23をダストから保護することができる。
また、外側シール部材101が、バンパキャップ3の内周部に支持されている。よって、バンパキャップ3を外側シール部材101の支持部材として用いることができる。これにより、部品点数およびコストの増大を抑制することができる。
また、バンパキャップ3の内周部には、圧入され固定された軸受部材102との間に外側シール部材101を保持する突出部94が形成されているため、外側シール部材101を良好に保持することができる。
ここで、バンパキャップ3の素材としては、プレス加工により形成することから、冷間圧延鋼板(SPC材)を採用することができる。冷間圧延鋼板以外にも、例えば、熱間圧延鋼板(SPH材、SAPH材)、表面処理鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、一般構造用圧延材(SS材)、機械構造用炭素鋼鋼材(SC材)など、プレス加工可能な種々の金属を被加工材として採用できる。
なお、プレス加工以外にも、切削加工、研削加工、鋳造、焼結等でバンパキャップ3を製造することができる。例えば、切削加工、研削加工、鋳造、焼結等でバンパキャップ3を製造する場合、保持部84は、折り返し形状ではない単なる筒状となる。また、この場合も、この保持部84の軸方向におけるカバー部82側の内周部に、径方向内方に突出する突出部94を形成することになる。
軸受部材102としては、ピストンロッド31と摺接するため、摺動性および耐摩耗性を確保する必要があることから自己潤滑材が用いられる。このため、軸受部材102は、焼結などで円筒状に成形された金属の表面に摺動性の良い樹脂を含浸させたものが良い。この樹脂としては、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン樹脂)を採用することができる。PTFE以外にも、例えば、PFA(四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂)、PA(ポリアミド樹脂)、POM(ポリアセタール樹脂)、超高分子量PE(ポリエチレン樹脂)、PET(ポリエチレンテレフタラート樹脂)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン樹脂)、PPS(ポリフェニレンスルファイド樹脂)などの滑り特性および耐摩耗性に優れている樹脂を採用することができる。また、軸受部材102は、二硫化モリブデン、グラファイト、PTFEなどの固体潤滑材を含んだものや、DLCコーティング、CrNコーティング、PTFEコーティングなど、滑り特性および耐摩耗性に優れた表面処理を施したものでも良い。
外側シール部材101としても、ピストンロッド31と摺接するため、摺動性および耐摩耗性を確保する必要があることから自己潤滑材が用いられる。外側シール部材101としてはPTFEのパッキンを採用することができる。PTFEのパッキン以外にも、例えば、NR(天然ゴム)、IR(合成天然ゴム)、SBR(スチレンブタジエンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、IIR(ブチルゴム)、EPDM(エチレンプロピレンゴム)、CSM(クロロスルホン化ポリエチレンゴム、ACM(アクリルゴム)、U(ウレタンゴム)、H-NBR(水素化ニトリルゴム)、VMQ(シリコーンゴム)、FVMQ(フルオロシリコーンゴム)、FKM(フッ素ゴム)、上記ゴムの混合材など、ピストンロッド31と摺接して弾性変形する種々の有機材料を採用することができる。
また、外側シール部材101としては、Oリングや角リングを含むパッキン形状のシール以外にも、リップシールを用いることができる。例えば、図3(a)に示すように、円筒状部121とその軸方向一端から径方向内方に延出する円環状の内フランジ部122とを有する金属製の固定部材123と、固定部材123の内フランジ部122に固着されて、内フランジ部122から径方向内側かつ軸方向一側に突出するゴム製の筒状のリップシール125とを有する外側シール部材101a(外側シール部)を、外側シール部材101にかえて用いることも可能である。この外側シール部材101aは、固定部材123の円筒状部121において保持本体部93の内周部に嵌合されて固定されると共に、リップシール125においてピストンロッド31の主軸部33に隙間なく摺接する。
また、例えば、図3(b)に示すように、円筒状部131とその軸方向一端から径方向内方に延出する円環状の第1内フランジ部132と円筒状部131の軸方向中間位置から径方向内方に延出する円環状の第2内フランジ部133とを有する金属製の固定部材134と、固定部材134の第1内フランジ部132に固着されて、第1内フランジ部132から径方向内側かつ軸方向一側に突出するゴム製の筒状の第1リップシール135と、第2内フランジ部133から径方向内側かつ軸方向一側に突出するゴム製の筒状の第2リップシール136とを有する外側シール部材101b(外側シール部)を、外側シール部材101にかえて用いることも可能である。この外側シール部材101bは、固定部材134の円筒状部131において保持本体部93の内周部に嵌合されて固定されると共に、第1リップシール135および第2リップシール136においてピストンロッド31の主軸部33に隙間なく摺接する。
また、例えば、図3(c)に示すように、円筒状部141とその軸方向一端から径方向内方に延出する円環状の内フランジ部142とを有する金属製の固定部材143と、固定部材143の内フランジ部142に固着されて、内フランジ部142から径方向内側かつ軸方向一側に突出するゴム製の筒状のリップシール145と、リップシール145の外周部に嵌合する環状のスプリング147とを有する外側シール部材101c(外側シール部)を、外側シール部材101にかえて用いることも可能である。この外側シール部材101cは、固定部材143の円筒状部141において保持本体部93の内周部に嵌合されて固定されると共に、リップシール145においてピストンロッド31の主軸部33に隙間なく摺接する。スプリング147は、リップシール145を径方向内方に押圧して主軸部33に密着させる。スプリング147は、密着巻きのコイルスプリングの両端を連結して環状にしたガータスプリングである。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態を主に図4に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
次に、第2実施形態を主に図4に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
図4に示すように、第2実施形態のシリンダ装置1Aでは、バンパキャップ3Aがバンパキャップ3とは一部相違している。バンパキャップ3Aは、カバー部82よりも径方向内方に長いカバー部82Aと、保持部84とは一部異なる保持部84Aとを有している。保持部84Aは、カバー部82の内周縁部から軸方向における固定部81と同側に延出する円筒状の延出部91Aを有しており、延出部91Aのカバー部82Aとは反対側の端部に径方向内方に突出する突出部94Aが形成されている。
バンパキャップ3Aも、金属製の板材からプレス成形等により形成されることになるが、延出部91Aの内周部を仕上げる際に、プレス型は、延出部91Aの内周部を延出部91Aの軸方向にカバー部82A側から移動してしごくことになる。すると、その最後に延出部91Aの位置に径方向内方に突出するカエリが生じる。このカエリ部分が突出部94Aとなる。
バンパキャップ3Aは、延出部91Aおよび突出部94Aの径方向内側が、シリンダ装置本体2のピストンロッド31を挿通させる挿通孔96Aとなっている。挿通孔96Aの最小内径は、突出部94Aの最小内径であり、この最小内径は、ピストンロッド31の主軸部33の外径よりも大径となっている。バンパキャップ3Aも、挿通孔96Aにピストンロッド31を挿通させながら、嵌合ガイド部83を先頭にして、シリンダ装置本体2の側壁部17の開口部19側に被せられ、固定部81において側壁部17の開口部19側の外周部に嵌合されて固定される。その際に、バンパキャップ3Aも、シリンダ部15の軸方向における内外方向のシール部材23よりも外側にピストンロッド31を挿通させる挿通孔96Aを配して設けられる。
バンパキャップ3Aの延出部91Aの内周部には、軸方向の突出部94A側に第1実施形態と同様の軸受部材102が嵌合されて固定されており、軸受部材102よりも軸方向の突出部94Aとは反対側に第1実施形態と同様の外側シール部材101が嵌合されている。軸受部材102は、延出部91Aの内周部に軸方向の突出部94Aとは反対側から圧入されることになるが、突出部94Aは、その際に軸受部材102を突き当てて軸方向に位置決めする部分となる。その後、バンパキャップ3Aの延出部91Aの内周部に、外側シール部材101が嵌合される。
第2実施形態のシリンダ装置1Aによれば、バンパキャップ3Aの内周部には、圧入される軸受部材102を軸方向に位置決めする突出部94Aが形成されているため、バンパキャップ3Aに対して軸受部材102を良好かつ容易に軸方向に位置決めすることができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態を主に図5に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
次に、第3実施形態を主に図5に基づいて第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と共通する部位については、同一称呼、同一の符号で表す。
図5に示すように、第3実施形態のシリンダ装置1Bでは、第1実施形態の外側シール部材101および軸受部材102にかえて、シール軸受151Bがバンパキャップ3の保持本体部93に設けられている。シール軸受151Bは、シール材153Bと、シール材153Bよりも剛性が高い軸受部材102B(第1軸受部材)とが接着により一体化されたものである。軸受部材102Bは、シール部材23のシール材61よりも剛性が高い。
軸受部材102Bは、円筒状であり、その軸方向の一側の内周部にシール材153Bが固着されている。軸受部材102Bは、シール材153Bが固着されていない軸方向の他側の内周部が軸受本体部155Bとなっている。軸受部材102Bは、第1実施形態の軸受部材102と同様に、シリンダ部15の軸方向における内外方向のシール部材23よりも外側に設けられている。軸受部材102Bは、軸受本体部155Bが、ピストンロッド31の主軸部33を内側に径方向に隙間をもって挿通させている。軸受本体部155Bは、ピストンロッド31との間をシールするものではなく、ピストンロッド31の径方向の移動を規制しつつ軸方向の移動を案内する。軸受本体部155Bの内周部とピストンロッド31の主軸部33の外周部との間には径方向に若干の隙間がある。軸受本体部155Bは、その内周部の全体においてピストンロッド31との間に径方向の隙間を設けることが可能となっている。
そして、軸受本体部155Bの内周部と主軸部33の外周部との径方向の隙間は、ブッシュ54の内周部と主軸部33の外周部との間の径方向の隙間よりも大きい。言い換えれば、軸受本体部155Bの内径は、ブッシュ54の内径よりも大径である。さらに言い換えれば、軸受本体部155Bの内径と主軸部33の外径との差は、ブッシュ54の内径と主軸部33の外径との差よりも大きい。その結果、ピストンロッド31は、軸受部材102Bに対し移動可能な径方向の移動量が、ロッドガイド21に対し移動可能な径方向の移動量よりも大きくなっている。
シール材153Bは、軸受部材102Bの内周部に固着される内周シール部161Bと、軸受部材102Bよりも軸方向の外側に配置される外側シール部101Bとを有している。言い換えれば、内周シール部161Bは軸受部材102Bと軸方向の位置を重ね合わせており、この内周シール部161Bに対しシリンダ部15の軸方向における内外方向の外側に軸受部材102Bと軸方向の位置を重ね合わせない外側シール部101Bが設けられている。
内周シール部161Bは伸縮可能な円環状であり、ピストンロッド31の主軸部33を内側に挿通させている。内周シール部161Bは、外周部が軸受部材102Bの内周部に全周にわたって固着されると共に、内周部がピストンロッド31の主軸部33に全周にわたって圧接する。シール軸受151Bは、内側シール部材131Bおよび軸受部材102Bが、ピストンロッド31とバンパキャップ3との隙間をシールすることになり、内側シール部材131Bがピストンロッド31を軸方向移動可能に摺接させる。
外側シール部101Bは伸縮可能な円環状であり、ピストンロッド31の主軸部33を内側に挿通させている。外側シール部101Bは、外周部が全周にわたってバンパキャップ3の保持本体部93から径方向に離間すると共に、内周部がピストンロッド31の主軸部33に全周にわたって圧接する。外側シール部101Bはピストンロッド31との隙間をシールしつつピストンロッド31を軸方向移動可能に摺接させる。
シール軸受151Bは、バンパキャップ3の折返部92および保持本体部93の内周部に、軸方向の突出部94側に外側シール部101Bが配置され、外側シール部101Bよりも軸方向の折返部92側に軸受部材102Bが嵌合されて固定されている。
バンパキャップ3には、シリンダ部15への組み付け前に、シール軸受151Bが、外側シール部101Bを先頭にして、折返部92および保持本体部93内に軸方向の折返部92側から突出部94の手前まで圧入される。その際に、圧入治具は折返部92に当接し停止して、シール軸受151Bの軸受部材102Bを折返部92と面一とする。このようにして、バンパキャップ3に、軸受部材102Bと外側シール部101Bと内周シール部161Bとを有するシール軸受151Bが組み付けられる。
このようにシール軸受151Bが組み付けられた状態のバンパキャップ3が、別途組み立てられた状態にあってピストンロッド31に取付軸部材30が固定される前の状態にあるシリンダ装置本体2のピストンロッド31を挿通孔96の内側に挿通させる。その際に、ピストンロッド31は、軸受部材102Bの軸受本体部155Bの内側に隙間をもって挿通され、外側シール部101Bおよび内周シール部161Bの内側に締め代をもって嵌合される。そして、バンパキャップ3は、嵌合ガイド部83において、シリンダ装置本体2の側壁部17の開口部19側に被せられ、その後、固定部81において側壁部17の開口部19側の外周部に、延出部81’を係止部24に当接させるまで所定長さ嵌合される。これにより、バンパキャップ3がシリンダ装置本体2に固定される。
バンパキャップ3が取り付けられた状態のシリンダ装置本体2のピストンロッド31に、図1に示す取付軸部材30が溶接等で固定されてシリンダ装置1Bとなる。
このように組み立てられたシリンダ装置1Bは、図5に示すように、シリンダ部15の軸方向における内外方向のシール部材23よりも外側に、ピストンロッド31を受ける軸受部材102Bが設けられている。軸受部材102Bは、その軸受本体部155Bが、ピストンロッド31との隙間をシールせずにピストンロッド31をその径方向移動を制限しつつ軸方向移動可能に受ける。
また、シリンダ装置1Bは、シリンダ部15の軸方向における内外方向の軸受部材102Bよりも外側に、外側シール部101Bが設けられている。外側シール部101Bは、ピストンロッド31との隙間をシールして、この隙間を介しての外部からシリンダ部15側へのダストおよび水等の侵入を抑制する。
また、シリンダ装置1Bは、軸受部材102Bの内周部に、伸縮可能な内周シール部161Bが設けられている。内周シール部161Bは、シリンダ部15の軸方向における内外方向の外側シール部101Bよりも内側に設けられている。内周シール部161Bも、ピストンロッド31との隙間をシールして、この隙間を介しての外部からシリンダ部15側へのダストおよび水等の侵入を抑制する。
外側シール部101Bおよび内周シール部161Bからなるシール材153Bは、軸受部材102Bとで、バンパキャップ3とピストンロッド31との隙間をシールして、この隙間を介しての外部からシリンダ部15側へのダストおよび水等の侵入を抑制するダストシールである。
第3実施形態のシリンダ装置1Bによれば、軸受部材102Bの内周部に、伸縮可能な内周シール部161Bが設けられているため、外部からシリンダ部15側へのダストおよび水等の侵入を、より一層抑制することができる。
また、軸受部材102Bとシール材153Bとが接着により一体とされているため、これらのバンパキャップ3への取り付けが容易となる。
なお、軸受部材102Bは、第1実施形態の軸受部材102と同様の材料で形成することができる。また、シール材153Bは、第1実施形態の外側シール部材101と同様の材料で形成することができる。
また、外側シール部101Bを、内周シール部161Bおよび軸受部材102Bとは別体に設けても良い。
以上に述べた実施形態の第1の態様は、作動流体が封入されるシリンダ部と、前記シリンダ部内に設けられ、該シリンダ部内を2室に区画するピストンと、前記ピストンに接続されると共に前記シリンダ部の一側から外側に延びるピストンロッドと、前記シリンダ部の前記一側に設けられて前記ピストンロッドを案内するロッドガイドと、前記シリンダ部の前記一側であって前記シリンダ部の軸方向における内外方向の前記ロッドガイドよりも外側に設けられ、内周部で前記ピストンロッドに摺接するシール部材と、を有し、前記シリンダ部の軸方向における内外方向の前記シール部材よりも外側に第1軸受部材が設けられており、前記ピストンロッドは、前記第1軸受部材に対し移動可能な径方向の移動量が、前記ロッドガイドに対し移動可能な径方向の移動量よりも大きい。これにより、シール部材の耐久性を向上させることが可能となる。
第2の態様は、第1の態様において、前記ロッドガイドの内周部に、前記ピストンロッドと摺接する第2軸受部材が設けられている。
第3の態様は、第1または第2の態様において、前記シリンダ部の軸方向における内外方向の前記シール部材よりも外側に前記ピストンロッドを挿通させる挿通孔を配して、バンプラバーに当接するバンパキャップが設けられており、前記第1軸受部材は、前記バンパキャップの内周部に固定されている。
第4の態様は、第1乃至第3のいずれか一態様において、前記シリンダ部の軸方向における内外方向の前記第1軸受部材よりも外側に、外部から前記シリンダ部側へのダストの侵入を抑制する外側シール部が設けられている。
第5の態様は、第1乃至第4のいずれか一態様において、前記第1軸受部材の内周部に、伸縮可能な内周シール部が設けられている。
1,1A,1B シリンダ装置
2 シリンダ装置本体
3,3A バンパキャップ
15 シリンダ部
21 ロッドガイド
23 シール部材
25 ピストン
28 第1室
29 第2室
31 ピストンロッド
54 ブッシュ(第2軸受部材)
96,96A 挿通孔
101,101a~101c 外側シール部材(外側シール部)
101B 外側シール部
102,102B 軸受部材(第1軸受部材)
111 バンプラバー
161B 内周シール部
2 シリンダ装置本体
3,3A バンパキャップ
15 シリンダ部
21 ロッドガイド
23 シール部材
25 ピストン
28 第1室
29 第2室
31 ピストンロッド
54 ブッシュ(第2軸受部材)
96,96A 挿通孔
101,101a~101c 外側シール部材(外側シール部)
101B 外側シール部
102,102B 軸受部材(第1軸受部材)
111 バンプラバー
161B 内周シール部
Claims (5)
- 作動流体が封入されるシリンダ部と、
前記シリンダ部内に設けられ、該シリンダ部内を2室に区画するピストンと、
前記ピストンに接続されると共に前記シリンダ部の一側から外側に延びるピストンロッドと、
前記シリンダ部の前記一側に設けられて前記ピストンロッドを案内するロッドガイドと、
前記シリンダ部の前記一側であって前記シリンダ部の軸方向における内外方向の前記ロッドガイドよりも外側に設けられ、内周部で前記ピストンロッドに摺接するシール部材と、
を有し、
前記シリンダ部の軸方向における内外方向の前記シール部材よりも外側に第1軸受部材が設けられており、
前記ピストンロッドは、前記第1軸受部材に対し移動可能な径方向の移動量が、前記ロッドガイドに対し移動可能な径方向の移動量よりも大きいシリンダ装置。 - 前記ロッドガイドの内周部に、前記ピストンロッドと摺接する第2軸受部材が設けられている請求項1に記載のシリンダ装置。
- 前記シリンダ部の軸方向における内外方向の前記シール部材よりも外側に前記ピストンロッドを挿通させる挿通孔を配して、バンプラバーに当接するバンパキャップが設けられており、
前記第1軸受部材は、前記バンパキャップの内周部に固定されている請求項1または2に記載のシリンダ装置。 - 前記シリンダ部の軸方向における内外方向の前記第1軸受部材よりも外側に、外部から前記シリンダ部側へのダストの侵入を抑制する外側シール部が設けられている請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシリンダ装置。
- 前記第1軸受部材の内周部に、伸縮可能な内周シール部が設けられている請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシリンダ装置。
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